JP3934235B2 - ポリアリーレンスルフィド系樹脂組成物、射出成形品 及びギア - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド系樹脂組成物、射出成形品 及びギア Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリアリーレンスルフィド系樹脂(以下PASということがある)組成物、該組成物からなる射出成形品及び該組成物からなるギアに関する。さらに詳しくは寸法精度、表面平滑性及び耐磨耗性に優れるPAS系樹脂組成物、該組成物からなる射出成形品及び該組成物からなるギアに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアリーレンスルフィド樹脂は、耐熱性や難燃性,電気特性、表面平滑性、耐磨耗性等の各種機械物性に優れたエンジニアリングプラスチックであることから従来金属が使用されていた部分にも軽量化等の目的で使用されており、熱可塑性樹脂化が困難と思われていた寸法精度が求められるCD,CD−ROM等の光ピックアップに使用できるグレードの開発が進むに至っている。
【0003】
しかし、精密成形品、例えばVTR、カラー複写機、プリンター部品等に用いられる高精度ギアのように表面平滑性、耐磨耗性、強度等の他にJGMA(日本歯車工業会)規格の2級、1級及び特級の噛み合い誤差を満たす厳しい寸法精度が要求される超精密分野については、PASは無論、高分子素材が使用されることは殆どなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題に鑑みなされたものである。即ち、表面平滑性、耐磨耗性、強度に優れ、更に噛み合い誤差がJGMA規格2級以上を満たす寸法精度を持つPAS系樹脂組成物、該組成物からなる射出成形品及び該組成物からなるギアを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような状況下で鋭意研究を行った結果、PASに耐熱性の高い非晶性樹脂、ウィスカー系充填材、球状充填材及びミルド系の繊維状充填材を特定量配合することで、表面平滑性、耐磨耗性、強度に優れ、更に噛み合い誤差がJGMA規格2級以上を満たす寸法精度を持つPAS組成物を得た。
【0006】
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、即ち、
(1)(A)PAS、(B)非晶性耐熱性樹脂、(C)ウィスカー系充填材、(D)球状充填材及び(E)ミルド繊維充填材からなる樹脂組成物であって、上記(A)〜(E)各成分の体積比が以下の関係を満たすPAS組成物、
(A+B)/(A+B+C+D+E)=0.4〜0.6
B/(A+B)=0.1〜0.4
E/(C+D+E)=0〜0.5
C/(C+D)=0.1〜0.5
(2)(1)のPAS組成物からなる射出成形品、
(3)(1)のPAS組成物からなるギアを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のPAS組成物を各成分ごとに具体的に説明する。
1.(A)PAS
本発明に用いられるPASは、構造式−Ar−S−(ただしArはアリーレン基)で示される繰り返し単位を70モル%以上含有する重合体であれば特に制限はなく、好ましくはポリフェニレンスルフィド(PPS)である。この繰り返し単位が70モル%未満だと、本来の結晶性が低くなり充分な耐熱性及び機械的物性が得られなくなる傾向があり好ましくない。
【0008】
代表例として、下記構造式(I)
【0009】
【化1】
Figure 0003934235
【0010】
(式中、R1は炭素数6以下のアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、カルボン酸及びその金属塩、アミノ基、ニトロ基、並びにフッ素,塩素,臭素等のハロゲン原子から選ばれる置換基であり、mは0〜4の整数である。また、nは平均重合度を示し2以上の自然数である)で示される繰り返し単位を70モル%以上有するものが挙げられる。中でもα−クロロナフタレン溶液(濃度0.4g/dl)、206℃における固有粘度が0.1〜0.3(dl/g)、好ましくは0.13〜0.25(dl/g)、さらに好ましくは0.15〜0.20(dl/g)の範囲にあるものが好ましい。
【0011】
PASは一般にその製造法により実質上線状で分岐、架橋構造を有しない分子構造のものと、熱架橋法により分岐や架橋構造を有する構造のものが知られているが本発明においてはその何れのタイプのものについても有効である。
また、モノマーの一部分として3個以上の官能基を有するモノマーを少量混合使用して重合した分岐または架橋ポリアリーレンスルフィドも用いることができるまた、PASは必要に応じ共重合構成単位を含んでいても良い。例えばメタフェニレンスルフィド単位、オルソフェニレンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンケトンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンスルホンスルフィド単位、p,p’−ビフェニレンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンエーテルスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンメチレンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンクメニルスルフィド単位、ナフチルスルフィド単位などである。
【0012】
更にPASは種類が異なるPASの混合物を用いても構わない。
前記PASは、例えばジハロ芳香族化合物と硫黄源とを有機極性溶媒中で、それ自体公知の方法により縮重合反応させることにより得ることができる。
2.(B)非晶性耐熱性樹脂
本発明の非晶性耐熱性樹脂とは、結晶化度が0〜20%、好ましくは0〜10%であり、かつ耐熱性を持つ樹脂を意味する。ここで「耐熱性」とは、ガラス転移温度が140℃以上であることを意味する。
【0013】
結晶性が20%を超えると、溶融時と固化時とでの体積変化が大きくなるため収縮率(密度変化)が大きくなり、本発明に用いると成形品の寸法精度が悪くなる恐れがある。
耐熱性が前記規定から外れると本発明に用いた場合、PPSの溶融加工温度(300−350℃)での射出、押出、熱成形等の公知の熱可塑性樹脂の成形法を適用することが困難になる恐れがある。
【0014】
前記非晶性耐熱性樹脂の分子量は特に制限はないが、成形条件での溶融粘度が組成物の基材であるPASの溶融粘度に近い方が、分散性が良くなり好ましい。
又、前記耐熱性を備え非晶性であるならば共重合体や組成物であっても良い。
前記非晶性耐熱性樹脂の例として、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、変成ポリフェニレンオキサイド、ポリアリレート及びポリエーテルイミドが挙げられ、中でもポリスルホン、ポリカーボネートが好ましい。
【0015】
尚、結晶化度が20%より大きい耐熱性樹脂は必ずしも本発明の(B)成分として使用できないわけではなく、溶融時と固化時とでの体積変化が前記非晶性耐熱性樹脂と同等程度であれば使用できることもある。例えばシンジオタクチックポリスチレン系樹脂が挙げられる。
3.(C)ウィスカー系充填材
本発明のウィスカー系充填材は特に制限ないが、例えば、酸化亜鉛ウィスカー,チタン酸カリウムウィスカー,炭酸カルシウムウィスカーおよびワラストナイト等の無機充填材を挙げることができる。
【0016】
該ウィスカー系充填材は、平均繊維径が5μm以下、平均繊維長が10〜100μm、アスペクト比(l/d,l:平均繊維長,d:平均繊維径)が5〜100、さらには5〜30の範囲にあるものが好ましい。
好ましいウィスカー系充填材としては、ワラストナイト及びチタン酸カリウムウィスカーが挙げられる。
【0017】
チタン酸カリウムウィスカーとしては、一般式K2 O・n(TiO2 )、又はK2 O・n(TiO2 )・1/2H2 O(式中nは2〜8の整数)で表わされるものを挙げることができる。
具体的には、4−チタン酸カリウム繊維、6−チタン酸カリウム繊維、8−チタン酸カリウム繊維などの単一組成物、またはこれらの混合物で、平均繊維径が5μm以下、平均繊維長が5〜200μm、アスペクト比(l/d,l:平均繊維長,d:平均繊維径)が3〜100、さらには5〜30の範囲にあるものが好ましい。
【0018】
ワラストナイトとしては、CaSiO3 で示される白色針状鉱物を挙げるこができる。中でも平均繊維径が0.1〜20μm、平均繊維長が1〜100μm、アスペクト比が3〜100、さらには5〜30の範囲にあるものが好ましい。
前記ウィスカーのモース硬度(以下、硬度という。)は特に制限なく、用途に合わせて適宜選択すれば良い。例えば本発明の組成物をギアに用いる場合、噛み合う相手ギアの磨耗量を抑える為には、相手ギア素材と同等以下の硬度を持つウィスカーを選択すれば良く、相手ギアが消耗品で良い場合は、用いるウィスカーの硬度を相手ギア素材より硬くすることが考えられる。
4.(D)球状充填材
本発明の球状充填材は特に制限ないが、平均粒径が5〜50μm、さらには、10〜30μmのものが好ましい。
【0019】
好ましい球状充填材としては、前記平均粒径を持つガラスビーズ、カーボンビーズ、シリカ,アルミナ、二酸化チタン等のセラミックビーズ等、公知の球状充填材が挙げられる。
前記球状充填材の硬度は前記ウィスカー系充填材と同様に必要に応じ適宜選択でき、又、エポキシ系、シラン系、チタネート系カップリング剤等による表面処理やメッキ等、必要に応じて任意の表面処理が行われていても良い。
5.(E)ミルド繊維充填材
本発明のミルド繊維とは、いわゆる繊維状のものをミル等により粉砕したものや塊状の鉱物を粉砕、分級して得られる繊維状のものをいい、具体的にはミルドカーボン繊維、ミルドガラス繊維、ミルドボロン,ミルド炭化珪素などの無機複合繊維、ミルド芳香族アラミド繊維などの有機繊維、ミルドステンレス繊維などのメタルファイバーなどを挙げることができるが、好ましくはミルドカーボン繊維、ミルドガラス繊維及びこれらの混合物が挙げられる。
【0020】
前記ミルド繊維の平均繊維径、及びアスペクト比は本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、好ましくは平均繊維径5〜20μm、アスペクト比は5〜20である。
前記ミルド繊維も、(D)球状充填材と同様な表面処理を施したものを用いても構わない。
6.各成分の配合割合及び配合方法
本発明のPAS組成物においては、前記(A)〜(E)成分が体積比で以下の関係で存在することが必要である。
【0021】
(A+B)/(A〜Eの総和)が0.4〜0.6、好ましくは0.45〜0.55である。0.4未満の場合、流動性が著しく低下し、0.6を超えると必要な寸法精度が得られない。
B/(A+B)が0.1〜0.4、好ましくは0.15〜0.35である。0.1未満になると組成物の寸法精度が悪くなり、0.4 を超えると組成物の耐熱性、耐薬品性等が充分に発現しなくなる。
【0022】
E/(C+D+E)が0〜0.5、好ましくは0.2〜0.4である。0.5を超えると、表面の平滑性が低下したり、ウェルド部に表面の盛り上がりが発生し、寸法精度が低下する。0.2以上であると、高精度な寸法精度に加え、高強度を有する組成物が得られるため、実用上好ましい。
C/(C+D)が体積比で0.1〜0.5、好ましくは0.2〜0.4である。0.1未満の場合、組成物表面の平滑性が低下し、0.5を超えると組成物の流動性が悪くなる。又、成形してギアや摺動部品として利用した場合、相手ギア(材) の磨耗量が増大することもある。
【0023】
各成分の体積Vを次のように定義する。
V=(組成物又は成形品中の各成分の重量)÷各成分の常温常圧下(25℃/1気圧下)での密度
尚、本発明の効果を損なわない限り、酸化防止剤、核剤及び顔料等の各種添加剤を配合しても構わない。
【0024】
本発明にかかる組成物の配合方法は前記配合割合さえ守れば特に制限はない。
例えば、ペレットの場合は強制ベント付きの押出機を用いて内部ガスを抜きながら溶融押出す方法が挙げられる。又、その場合、(B)成分として使用する非晶性耐熱性樹脂の熱分解温度はPASより低い場合が多いため、押出機内の滞留時間が短くなる様に押出条件を設定することが好ましい。
7.本発明のPAS組成物からなる射出成形品
前記1〜6で説明した本発明の組成物は通常の成形方法、例えば射出成形、押出成形、溶媒成形、プレス成形、熱成形等の通常の成形方法で成形できる。
【0025】
好ましくは射出成形であり、生産性、得られる成形品の寸法精度及び滞留時間が短く、(B)成分の熱分解も発生しにくい点で好ましい。
8.本発明のPAS組成物の用途
本発明のPAS系樹脂組成物を成形することで、表面平滑性、耐磨耗性、耐熱性及び強度に優れ、且つ噛み合い誤差がJGMA規格2級以上を満たす厳しい寸法精度に応えられる部品、特にギア(歯車)が得られる。
【0026】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)使用原料
▲1▼A成分:下記製法で得られたPPS。
【0027】
攪拌機を備えた重合槽に含水硫化ナトリウム(Na2S・5H2O)833モル,塩化リチウム(LiCl)830モルとN−メチル−2−ピロリドン(NMP)500リットルを加え、減圧下で145℃に保ちながら1時間脱水処理をした。ついで反応系を45℃に冷却後ジクロルベンゼン(DCB)905モルを加え、260℃で3時間重合した。内容物を熱水で5回、170℃のNMPで1回、水で3回洗い185℃で乾燥してPPSを得た。固有粘度は0.16〜0.17dl/g、密度は1.35g/cm2 (25℃−1気圧)
▲2▼B成分:非晶性耐熱性樹脂
・ポリスルホン(PSF) テイジンアモコエンジニアリングプラスチック
ユーデルP3703、密度は1.24g/dl(25℃−1気圧)
・ポリカーボネート(PC) 出光石油化学(株),FB2500
密度は1.20g/cm2 (25℃−1気圧)
▲3▼C成分:ウィスカー系充填材
・チタン酸カリウィスカー 大塚化学(株),ティスモD101
平均繊維径0.3〜0.6μm,平均繊維長10〜20μm
平均密度3.30g/cm2 (25℃−1気圧)
・ワラストナイトウィスカー 長瀬産業(株)製,NYGLOS
平均繊維径0.3〜0.5μm 平均繊維長 3〜10μm
平均密度2.90g/cm2 (25℃−1気圧)
▲3▼D成分:球状充填材
・カーボンビーズ:鐘紡(株)製,ベルパールC−800 平均粒径15μm
平均密度1.50g/cm2 (25℃−1気圧)
・ガラスビーズ :東芝バロティーニ(株)製,EGB731A
平均粒径18μm,平均密度2.55g/cm2 (25℃−1気圧)
▲4▼E成分:ミルド成分
・ミルドカーボンファイバー(ミルドCF):東邦レーヨン(株)製,HTA-CM F-0070E 平均繊維径7mm,平均繊維長70μm
平均密度1.77g/cm2 (25℃−1気圧)
▲5▼その他、比較例でのみ使用した原料
・マイカ:(株)クラレ スゾライトマイカ325KI
平均密度2.55g/cm2 (25℃−1気圧)
(2)評価方法
▲1▼曲げ強度:コンパウンドしたペレットを用いて、射出成形機により試験片を成形し、ASTM−D−790の試験法に準拠して曲げ強度を評価した。
▲2▼流動長:1mm厚みのスパイラルフロー金型使用、型温度135℃、樹脂温度320℃、射出圧1000kg/cm2
流動長が50mm未満の場合、射出成形性が悪くなる恐れがある。
▲3▼ギア噛み合い誤差:JGMA119−01に規定されるA型平歯車を射出成形により成形した後、一日常温下に放置後、JGMA116−01に規定される噛み合い誤差を測定した。
【0028】
・歯車の形状:A05−60(モジュール0.5, 歯数60,ピッチ円直径30mm,歯幅3.2mm)
・成形条件:樹脂温度340℃,金型温度150℃
・測定項目:1ピッチ噛み合い誤差,全噛み合い誤差
・測定結果の判断基準(ピッチ円直径が25〜50mm、モジュール0.2〜0 .6の歯車)
特級→1ピッチ噛み合い誤差4μm以下、且つ全噛み合い誤差11μm以下
1級→1ピッチ噛み合い誤差6μm以下、且つ全噛み合い誤差15μm以下
2級→1ピッチ噛み合い誤差8μm以下、且つ全噛み合い誤差22μm以下
(3)実施例1〜4及び比較例1〜5
第1表に示す配合割合(体積比)でPPSと他の成分とをヘンシェルミキサーを用いてドライブレンドした後、二軸押出機(東芝機械製 TEM35)を用い、樹脂温度290〜340℃、吐出量6kg/hr及びスクリュー回転数250rpmで、ガスベントから脱気しながら混練・造粒した。
得られたペレットを用いて、上記(2)評価方法▲1▼〜▲3▼により評価した。
結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003934235
(4)実施例と比較例の比較結果
▲1▼本発明の組成物は流動性、曲げ強度及び寸法精度も良好であり、特に実施例4は金属と同等の寸法精度を満たしている。
▲2▼本発明の請求範囲外の組成物は流動性、曲げ強度及び寸法精度のいずれか一つ以上が実施例に比べ劣る。例えば一般にPPSより寸法精度が良い非晶性樹脂が多い比較例3、一般に樹脂組成物の寸法精度を向上させるために用いられる板状充填材を球状充填材の代わりに配合した比較例5は、両方とも寸法精度が実施例に比べ劣る。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば表面平滑性、耐磨耗性、強度に優れ、更にJGMA規格の2級以上の寸法精度を持つPAS系樹脂組成物、該組成物からなる成形品及び該組成物からなるギアを得ることができる。

Claims (4)

  1. (A)ポリフェニレンスルフィド系樹脂、(B)ポリスルホン又はポリカーボネート(C)ウィスカー系充填材、(D)カーボンビーズ及びガラスビーズ、及び(E)ミルド繊維充填材からなる樹脂組成物であって、上記(A)〜(E)各成分の体積比が以下の関係を満たすギア用ポリアリーレンスルフィド系樹脂組成物。
    (A+B)/(A+B+C+D+E)=0.4〜0.6
    B/(A+B)=0.1〜0.4
    E/(C+D+E)=0〜0.5
    C/(C+D)=0.1〜0.5
  2. 前記(C)成分がワラストナイトである請求項1記載のギア用ポリアリーレンスルフィド系樹脂組成物。
  3. 前記(D)成分がカーボンビーズである請求項1又は2記載のギア用ポリアリーレンスルフィド系樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載のギア用ポリアリーレンスルフィド系樹脂組成物からなるギア。
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