JP3933207B2 - ゴム組成物及びその製造方法及び該組成物を用いたタイヤ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はゴム組成物、特に加硫可能なゴム組成物、例えばタイヤトレッド用ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いたタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
燃料の消費量を減少させるためには自動車タイヤの転がり抵抗を減少させることが望ましいことはよく知られているが、転がり抵抗を減少させる一般的な配合のゴム組成物では、タイヤグリップ及び耐磨耗性の少なくともいずれか一方が低下する。
タイヤの転がり抵抗を減少させるための従来のゴム組成物としては、充填剤として比較的表面積の小さいカーボンブラックを添加し、そしてガラス転移温度が比較的低い重合体を使用して、トレッド組成物中のカーボンブラックの量を減少させたゴム組成物がある。しかし、かかるゴム組成物は、タイヤのウェットグリップの望ましくない低下を招き、満足し得るものではない。
【0003】
一方、タイヤのトレッドにおいて、転がり抵抗及び耐磨耗性の他、ウェット条件下のグリップも重要な特性の一つである。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特性が全体的に良好にバランスされたもの、特にウェットグリップ及び耐磨耗性などの他の特性を犠牲にしないで転がり抵抗を改善、すなわち低減するタイヤトレッド用ゴム組成物及びタイヤを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、タイヤトレッド組成物中に充填剤としてシリカを、カップリング剤とともに配合すると、タイヤの特性に好ましい効果をもたらすことを見出し、本発明の完成に到った。
すなわち、本発明のゴム組成物は、ゴム系重合体、加硫剤、充填剤、及びカップリング剤を含有する加硫可能なゴム組成物において、前記ゴム系重合体は乳化重合又は溶融重合されスチレン含有率が20〜50%であるスチレン−ブタジエン共重合体を50重量%以上含み、前記カップリング剤は、前記シリカ及びゴム系重合体と反応することができる少なくとも2官能性を有するビス(3−トリエトキシ−シリルプロピル)テトラスルフィドであり、前記ゴム系重合体、加硫剤、充填材及びカップリング剤を2段階の混合プロセスにより混合してなり、この混合プロセスは、ゴム系重合体、充填材、及びカップリング剤を100〜130℃で混合する第1段階と、加硫剤を添加し前記第1段階よりも低い温度で混合する第2段階とからなることを特徴とする。
【0005】
また、本発明のゴム組成物の製造方法は、ゴム系重合体、加硫剤、充填剤、及びカップリング剤を機械的に混合してなる加硫可能なゴム組成物の製造方法において、前記ゴム系重合体は乳化重合又は溶融重合されスチレン含有率が20〜50%であるスチレン−ブタジエン共重合体を50重量%以上含み、前記充填材はシリカを含み、前記カップリング剤は、前記シリカ及び前記ゴム系重合体と反応することができる少なくとも2官能性を有するビス(3−トリエトキシ−シリルプロピル)テトラスルフィドであり、前記ゴム系重合体、加硫剤、充填材及びカップリング剤を2段階の混合プロセスにより混合してなり、この混合プロセスは、ゴム系重合体、充填材、及びカップリング剤を100〜130℃で混合する第1段階と、加硫剤を添加し前記第1段階よりも低い温度で混合する第2段階とからなることを特徴とする。
【0006】
本発明に用いられるゴム系重合体は、タイヤトレッドあるいは転がり抵抗が小さいという特性が役立つタイヤの任意の他の部分、例えばアンダートレッドまたはサイドウォールに好適に用いられる重合体であればよいが、スチレン−ブタジエン共重合体(以下、SBRという)が少なくとも25重量%以上、特に50重量%以上であることが好ましく、ゴム系重合体の全成分をSBRで構成してもよい。SBRとしては、溶液重合されたスチレン−ブタジエン共重合体(以下、溶液重合SBRという)、乳化重合されたスチレン−ブタジエン共重合体(以下、乳化重合SBRという)のいずれでもよいが、乳化重合SBRが好ましい。また、SBRのスチレン含有率は、20〜50%、特に30〜45%が好ましい。
【0007】
ゴム系重合体がSBRと他のゴム成分との混合物で構成される場合、他のゴム成分としては、例えば、ポリブタジエンホモポリマー、ビニルポリブタジエン、又はこれらの混合物が配合され得る。
前記シリカとしては、60〜300m2 /g、特に80〜250m2 /gの窒素表面積を有することが好ましく、沈降シリカを用いることが好ましい。シリカは、ゴム系重合体100重量部当たり15〜160重量部含有されていることが好ましく、特にゴム系重合体100重量部当たり30〜120重量部、例えば、30〜80重量部含有されていることが好ましい。
【0008】
シリカは、カップリング剤と別々に単体として配合してもよいし、予めカップリング剤によりカップリング結合されシリカ(以下、これを「カップルドシリカ」という)として配合してもよい。カップルドシリカとは、シリカをゴム組成物中に配合させる前にカップリング剤で処理したもので、例えば周囲温度にてシリカとカップリング剤とを物理的に混合した後、該混合物を昇温してカップリング反応を促進することによって得られる。
カップリング剤としては、シリカ及びゴム系重合体と反応できる少なくとも2官能性のものが用いられる。具体的には、シランカップリング剤又はジルコニウム酸塩が用いられる。例えば加硫剤が硫黄の場合には、特にビス(3−トリエトキシ−シリルプロピル)−テトラサルファイドまたはメルカプトプロピルトリエトキシシランが好ましく用いられる。これらのカップリング剤は、アルコキシ部分がカップリング反応においてシリカと反応及び結合し、サルファイド部分は加硫反応においてゴム系重合体と反応する。上記カップリング剤の他、例えばビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン、チオシアナート−プロピル−トリエトキシシラン等のチオシアナートトリエトキシシラン、またはジルコニウムジネオアルカナートジ(3−メルカプト)プロピオナート−0等のジルコニウム酸塩のカップリング剤が用いられる。
【0009】
カップリング剤の含有量は、シリカ含有量の2〜20重量%、例えば2〜18.5重量%が好ましく、特に5〜15重量%であることが好ましい。
充填剤としては、シリカ単体又はカップルドシリカ単独でもよいが、必要に応じて他の充填剤が混合され得る。特に耐磨耗性を改善し、組成物を着色するためにカーボンブラックを混合することが好ましい。
充填剤としてカーボンブラックとシリカとを混合して配合する場合には、組成物中の充填剤の含有総量は、ゴム100重量部に対して40〜160重量部が好ましく、カーボンブラックは少なくとも3重量部含有することが好ましい。
【0010】
本発明のゴム組成物には、さらにオイルを配合することが好ましい。オイルとしては、アロマチックオイルが好ましく用いられる。アロマチックオイルは従来公知のものを使用することができ、特に比重0.95〜1.0のアロマチックオルを用いることが好ましい。オイルの配合量は、ゴム系重合体100重量部に対して少なくとも40重量部、特に、少なくとも60重量部であることが好ましく、好ましい範囲としては、60〜180重量部、特に80〜150重量部である。
【0011】
尚、ゴムが油展ゴムである場合、ここに列記されている非オイル成分の比率は、エキステンダーオイルを除いたゴム系重合体単独の含有量に対する数値である。含まれているオイルの比率についての言及は全オイル含有量、すなわち油展ゴムに用いられるエキステンダーオイルの量と添加剤として単独に添加されたオイルの添加量との合計についての数値である。
加硫剤は硫黄または硫黄含有化合物であることが好ましいが、任意の他の好適な加硫剤、例えば、フェノール樹脂または過酸化物も使用できる。加硫剤は、初期に他の成分を機械的に混合した後、混合段階終期に組成物に添加してもよいし、好ましくはその後で行う混合段階で添加する。
【0012】
本発明のゴム組成物には、上記成分の他、ゴム工業で通常用いられる添加剤、例えば、加硫促進剤、賦活剤、増量剤及び老化防止剤が、必要に応じて配合され得る。
本発明のゴム組成物は、上記各成分を配合し、これを機械的に混合して得られる。本発明のゴム組成物は、充填剤としてシリカを含有していることから、通常必要な温度よりも低い温度で混合することができる。例えば、一般的なトレッドゴム組成物については約160℃で混合を行うが、本発明の組成物の場合、約125℃で満足し得る程に混合することができる。本発明における組成物の機械的混合は、一般的な混合温度で混合してもよいが、通常、組成物の温度を130℃以下に保持して行う。例えば、100℃程度又はそれ以下の温度で行うこともできるが、100℃〜120℃又は125℃で混合することが好ましい。
【0013】
ここで、組成物の機械的混合は、充填剤としてカップルドシリカを使用する場合には、ゴム系重合体、カーボンブラック及びカップルドシリカを単一段階でまず混合し、次いでオイル、そして賦活剤を添加し、老化防止剤や紫外線保護剤などの処理剤及び保護剤を添加し、最後に促進剤を添加することにより行われる。ブレンダーからの排出温度は前述のように約110℃から120℃または125℃までの温度であることが好ましい。
一方、シリカとカップリング剤を別々に配合するときには、機械的混合は2段階操作で行われる。第1段階においてはゴム系重合体、シリカ、カップリング剤及びカーボンブラックを混合し、次いでオイルそして賦活剤、加工助剤及び保護剤を添加する。第1段階における排出温度は、約125℃〜130℃が好ましい。
【0014】
第2段階では、加硫剤及び促進剤を添加し、排出温度は第1段階よりも低い温度、例えば105℃が適用される。
シリカとカップリング剤を別々に配合する場合、カップリング剤とシリカとのカップリングは、機械的混合段階中及び/又は加硫段階で行われる。一方、重合体とカップリング剤との反応は、低温で行う機械的混合段階では行われず、通常、組成物が加硫温度に加熱されると加硫段階中に起こる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を基づいて説明する。
一般に、タイヤトレッド用ゴム組成物の転がり抵抗及びグリップ特性を実証するために、実験室の条件下で組成物を粘弾性試験に供し、この試験において現れるヒステリシス特性からタイヤ特性を予測することが通常行われている。この試験はトレッド組成物を制御された温度にて、せん断、張力または圧縮した状態で正弦波の形で変化する動的な変形を起こさせる。ウェットグリップと転がり抵抗については、代表的な0℃及び50℃の各温度における損失モジュラスと損失コンプライアンスの数値から説明されることがよく知られている。例えば、高いウェットグリップを得るためには0℃における損失モジュラス及び損失コンプライアンスの少なくともいずれか一方が高いことが望ましく、転がり抵抗の低減のためには50℃における損失モジュラス及び損失コンプライアンスの少なくともいずれか一方が低いことが望ましい。
【0016】
本実施例のゴム組成物は、以下のような粘弾性試験により評価した。プレ張力10%、動的歪0.5%(二重歪振幅)、周波数10Hzの条件で、0℃及び50℃の各温度について、複素モジュラス(E* )、動的モジュラス(E1 )、損失モジュラス(E2 )、損失正接(TD)=tanδ(E2 /E1 )、損失コンプライアンス(LC)=E2 /(E* )2 を測定した。また、磨耗試験はDIN535616に従って行った。
実施例1〜3及び比較例1〜3
表1に示す各成分を配合して、充填剤としてカップルドシリカを配合した実施例1〜3のゴム組成物を調製した。各成分は、2段階混合手順を利用して調製された。第1段階では、組成物を2リットルの実験用密閉式ミキサー中で125℃の排出温度まで混合した。混合時間は5.5分間であった。第2段階では、実験用の二つのロールミル上で約50℃で約5分間混合し、硫黄と促進剤を添加することによって混合を完結した。
【0017】
また、各実施例についてカップルドシリカに代えて等量のカーボンブラックを配合して、比較例1〜3のゴム組成物を調製した。
尚、表1中、SBR(A)とは、スチレン含有率15%の溶液重合SBRをいい、SBR(B)とは、スチレン含有率30%の溶液重合SBR100重量部当たり37.5重量部のアロマチックオイルで油展したものを示す。SBR1712とは、スチレン含有率23.5%の乳化重合SBR100重量部当たり37.5重量部のアロマチックオイルで油展したものを示す。SBR(C)は、スチレン含有率25%の溶液重合SBR100重量部当たり37.5重量部のアロマチックオイルで油展したものを示す。カップルドシリカとしては、沈降シリカで、表面積175m2 /gの11.3%をビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−テトラサルファイドで予めカップリング反応させたもので、デグッサ社(Degussa AG)(ドイツ、フランクフルト)製のカプシル8113(Coupsil 8113)として市販されているものを用いた。また、6PPDとは、N−(1,3−ジメチルブチル)−N´−フェニル−P−フェニレンジアミンであり、CBSとは、N−シクロヘキシル−2−ベンズチアゾールスルフェンアミドを示している。TBBSとは、N−t−ブチルベンゾチアゾールスルフェンアミドであり、DPGとは、ジフェニルグアニジンを示している。
【0018】
【表1】
【0019】
実施例1〜3及び比較例1〜3のゴム組成物を、金型中で165℃にて20分間加硫して、加硫ゴム試験片を作成した。
この加硫ゴム試験片について、上記の方法に基づいて粘弾性試験及び磨耗試験を行った。試験結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】
表2の実施例1及び比較例1の結果から、カーボンブラックに代えて等量のカップルドシリカ(シリカ68.0重量部とカップリング剤7.7重量部)を添加すると、50℃において損失モジュラス(E2 )が40%減少し、損失コンプライアンス(LC)も20%減少しており、実施例1の組成物から作成されたタイヤトレッドの転がり抵抗が低減することが分かる。
また、0℃において、実施例1は損失コンプライアンスの増大と損失モジュラスの減少とが好ましくバランスしている。従って、ウェットグリップを高く保持できる。また、実施例1の組成物の耐磨耗性は改善されていることがわかる。
【0022】
同様に、実施例2及び実施例3のゴム組成物についても、カーボンブラックに代えて等量のカップルドシリカ(シリカ50.0重量部とカップリング剤5.5重量部)を添加すると、50℃における損失モジュラス(E2 )及び損失コンプライアンス(LC)がかなり低下し、実施例2及び実施例3のゴム組成物から作成されるタイヤトレッドの転がり抵抗が低減することが分かる。また、実施例2及び実施例3のゴム組成物は、0℃においては損失モジュラスと損失コンプライアンスとが好ましくバランスしている。
【0023】
また、ゴム系重合体について、乳化重合SBR(実施例2)においては、E2
が増大してLCの減少を埋め合わせるが、溶液重合SBR(実施例3)においてはLCが増大してE2 の減少を埋め合わせたことがわかる。また、溶液重合SBRを用いた場合(実施例3)における耐磨耗性は向上した。一方、乳化重合SBRを用いた場合(実施例2)、比較例2よりも耐磨耗性は低下する結果となったが、体積減量は小さく許容できる。
次に、シリカとカップリング剤とを予め結合させないで別々に配合し、2段階混合手法を利用して調製した組成物の実施例について説明する。
【0024】
実施例4、5及び比較例4
表3に示す各成分を、2段階混合手法において第1段階の排出温度が異なる実施例4、5のゴム組成物を調製した。すなわち、第1段階で各組成物はそれぞれ2リットルの実験用密閉式ミキサー中で、表1に示す排出温度まで表1に示す混合時間だけ混合し、第2段階で、実験用の二つのロールミル中で約50℃にて約5分間に硫黄と促進剤を添加することによって混合を完結した。比較例として、シリカ及びカップリング剤に代えて、等量のカーボンブラックを配合し、実施例4と同様の条件で混合して、比較例4のゴム組成物を調製した。
【0025】
【表3】
【0026】
表3中、ゴム系重合体として用いたSBR(A),SBR(B)は、実施例1で用いたものと同じである。シリカは、表面積175m2 /gの沈降シリカで、デグッサ社からウルトラシルVN3(Ultrasil VN3)として市販されているものを使用した。カップリング剤としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−テトラサルファイドとN330カーボンブラックとを50対50で混合したもので、デグッサ社からX−50Sとして市販されているものを用いた。
【0027】
調製した実施例4、5及び比較例4のゴム組成物を、金型中で165℃にて20分間加硫して、加硫ゴム試験片を作成した。このゴム試験片について、実施例1と同様の粘弾性試験及び磨耗試験を行った。結果を表4に示す。
【0028】
【表4】
【0029】
表4から、カーボンブラックに代えてシリカ及びカップリング剤を添加すると(実施例4及び実施例5)、50℃における損失モジュラス(E2 )と損失コンプライアンス(LC)が低下し、実施例4及び実施例5から作成されるタイヤトレッドの転がり抵抗が減少することがわかる。
また、第1段階を125℃という比較的低温でシリカを混合する(実施例5)方が、高温で混合した場合(実施例4)よりも動的モジュラス(E* )が好適に維持されることがわかる。このことから、本発明のゴム組成物で作成されるタイヤ取扱い特性が、カーボンブラックを配合したゴム組成物(比較例4)程度の水準に維持できることがわかる。さらに、比較的低温でシリカを混合することも0℃におけるE2 とLCとが満足し得る程にバランスすることがわかり、このことはウェットグリップに有利になる。また、実施例5の組成物の耐磨耗性は、カーボンブラック配合のゴム組成物(比較例4)に匹敵する水準に維持されることがわかる。
【0030】
実施例6及び比較例5
表7に示す配合組成を有する実施例6のゴム組成物を調製した。これは、ゴム系重合体として、スチレン含有率40%の溶液重合SBR100重量部あたり44重量部のアロマチックオイルで油展したもの(SBR(D))と、スチレン含有率31%の溶液重合SBR100重量部あたり37.5重量部のアロマチックオイルで油展したもの(SBR(E))との混合物を用いたものである。用いたアロマチックオイルは、比重が0.97で粘度(100℃)が55cstである。カーボンブラックとしては、ヨウ素吸着による表面積が160mg/gのものを用いた。加硫促進剤はCBS(N−シクロヘキシルベンゾチアゾールスルフェンアミド)を用いた。シリカは、実施例4、5で使用したデグッサ社のウルトラシルVN3(表面積が175m2 /g)を用いた。カップリング剤は、実施例4、5で使用したデグッサ社製のX−50Sを用いた。
【0031】
尚、比較例として、シリカの代わりに等量のカーボンブラックを配合したゴム組成物(比較例5)を調製した。
【0032】
【表5】
【0033】
組成物は2段階法により混合された。すなわち、ゴム系重合体、充填剤及びカップリング剤をまず配合し、次いでオイル、そして賦活剤及び保護剤を配合し、排出温度は約125℃とした。第2段階では、促進剤及び加硫剤が組成物に添加混合され、最終的な排出温度を約105℃とした。混合した組成物を165℃において20分間硬化して得られた加硫ゴムについて、粘弾性特性を測定した。測定結果を表6に示す。
【0034】
【表6】
【0035】
表6からわるように、カーボンブラックに代えてシリカを配合することにより、0℃におけるtanδが高くなり、すなわちグリップが良好となり、50℃における低いtanδ(低い転がり抵抗に対応)と好ましいバランスが得られる。 次に、本発明のゴム組成物を用いて作成した高性能タイヤの実施例について、説明する。
実施例7
表7に示す各成分を2段階法で混合して、実施例7のゴム組成物を調製した。ゴム系重合体としては、スチレン含有率40%の乳化重合SBR100重量部あたり37.5重量部のオイルで油展したもの(表5中、「乳化重合SBR」として表示)を用いた。シリカは、実施例4〜6で使用したデグッサ社のウルトラシルVN3(表面積が175m2 /g)を用いた。カップリング剤は、実施例4〜6で使用したデグッサ社製のX−50Sを用いた。用いたアロマチックオイルは、実施例6と同じものである(比重が0.97で粘度(100℃)が55cst)。
【0036】
組成物は実施例6と同様の方法により混合された。すなわち、ゴム系重合体、充填剤及びカップリング剤をまず配合し、次いでオイル、そして賦活剤及び保護剤を配合し、排出温度は約125℃とした。第2段階では、促進剤及び加硫剤が組成物に添加混合され、最終的な排出温度を約105℃とした。
【0037】
【表7】
【0038】
このゴム組成物を、トレッド部分に用いたタイヤを成形した。加硫は約170℃で行った。タイヤのトレッドには、深さ6mmの標準ウェットグリップトレッドパターンが形成された。
このようにして作成したタイヤについて、制御されたウェット試験によって試験した。1セットをスポーツカーに取付け、同様のウェット条件で同様のトレッドパターン及び深さを有する1セットの標準ウェットグリップタイヤの試験結果と比較した。
【0039】
本発明のタイヤに関する標準試験コースの1m当たりの平均時間は14.78秒であり、標準タイヤの平均時間16.14秒よりも著しく短かった。
さらにウェット条件下でドライバー試験を行い、同様に試験を行った1セットの標準タイヤと比較した。標準タイヤに関して最も速かったのは1m当たり10.6秒であり、本発明のタイヤに関して最も速かったのは1m当たり9.82秒であり、本発明のタイヤの方が短かった。このことは、ドライバー反応が制動、転向及び特にけん引の性能において、本発明のタイヤについて顕著な改善が得られ非常に有利であったことを意味する。
【0040】
また、加硫ゴムについて実施例1と同様にして、0℃におけるtanδを測定したところ、0.48であった。通常の配合により得られる加硫ゴムの0℃におけるtanδは0.42であった。0℃におけるtanδの値が一般にグリップの指標として利用されており、0℃におけるtanδの値が大きい程グリップが良好といえる。実施例7のゴム組成物の方がtanδの値が大きく、上記のタイヤ試験の結果が確認できる。
実施例8
カップルドシリカを用いた高性能用タイヤに好適な実施例8のゴム組成物の配合組成は表8に示す通りである。ゴム系重合体としては、実施例7で用いた乳化重合SBR、すなわちスチレン含有率40%の乳化重合SBR100重量部当たり37.5重量部のオイルで油展したものを用いた。カップルドシリカとしては、実施例1〜3で使用したデグッサ社のカプシル8113を用いた。アロマチックオイルは、実施例6,7で使用したものと同じものを用いた。
【0041】
組成物は単一段階法によって配合した。すなわち、まずゴム系重合体、カーボンブラック及びカップルドシリカを混合し、次いでオイルそれから賦活剤、加工助剤及び保護助剤を添加し、最後に加硫剤及び促進剤を添加した。ブレンダーからの排出温度は約105℃とした。
【0042】
【表8】
【0043】
このゴム組成物を、トレッドに用いたタイヤを成形した。加硫は約170℃で行った。実施例7と同じトレッドパターンを形成した。
このようにして作成されたタイヤを高性能車に装着して、ウェット試験トラック上で試験した。比較例として、標準的なウェットグリップタイヤを装着して、同様に試験を行った。
本発明のタイヤの1m当たりのラップ平均時間は14.67秒で、比較例の標準タイヤに関する1m当たりのラップ平均時間16.14秒と比べて著しく短かった。
【0044】
【発明の効果】
本発明のゴム組成物を用いた加硫ゴムの粘弾性特性は、0℃及び50℃の各温度におけるtanδと損失コンプライアンスが好ましくバランスしており、グリップが良好で転がり抵抗が低い。従って、本発明のゴム組成物を用いれば、グリップと耐磨耗性とが好ましくバランスを保ちながら転がり抵抗の低減を図ることができる高性能タイヤを提供することができる。
従って、本発明のゴム組成物をトレッド部分に用いて作成したタイヤは、耐磨耗性、グリップに優れ、しかも転がり抵抗が小さく、低燃費車両の要求を満足することができる。
【0045】
また、本発明のゴム組成物で構成されるトレッドを有するモーターサイクルタイヤ及び自動車タイヤは、一般的な配合のゴム組成物で構成される高性能タイヤと比較してウェットグリップが改善される。
【産業上の利用分野】
本発明はゴム組成物、特に加硫可能なゴム組成物、例えばタイヤトレッド用ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いたタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
燃料の消費量を減少させるためには自動車タイヤの転がり抵抗を減少させることが望ましいことはよく知られているが、転がり抵抗を減少させる一般的な配合のゴム組成物では、タイヤグリップ及び耐磨耗性の少なくともいずれか一方が低下する。
タイヤの転がり抵抗を減少させるための従来のゴム組成物としては、充填剤として比較的表面積の小さいカーボンブラックを添加し、そしてガラス転移温度が比較的低い重合体を使用して、トレッド組成物中のカーボンブラックの量を減少させたゴム組成物がある。しかし、かかるゴム組成物は、タイヤのウェットグリップの望ましくない低下を招き、満足し得るものではない。
【0003】
一方、タイヤのトレッドにおいて、転がり抵抗及び耐磨耗性の他、ウェット条件下のグリップも重要な特性の一つである。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特性が全体的に良好にバランスされたもの、特にウェットグリップ及び耐磨耗性などの他の特性を犠牲にしないで転がり抵抗を改善、すなわち低減するタイヤトレッド用ゴム組成物及びタイヤを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、タイヤトレッド組成物中に充填剤としてシリカを、カップリング剤とともに配合すると、タイヤの特性に好ましい効果をもたらすことを見出し、本発明の完成に到った。
すなわち、本発明のゴム組成物は、ゴム系重合体、加硫剤、充填剤、及びカップリング剤を含有する加硫可能なゴム組成物において、前記ゴム系重合体は乳化重合又は溶融重合されスチレン含有率が20〜50%であるスチレン−ブタジエン共重合体を50重量%以上含み、前記カップリング剤は、前記シリカ及びゴム系重合体と反応することができる少なくとも2官能性を有するビス(3−トリエトキシ−シリルプロピル)テトラスルフィドであり、前記ゴム系重合体、加硫剤、充填材及びカップリング剤を2段階の混合プロセスにより混合してなり、この混合プロセスは、ゴム系重合体、充填材、及びカップリング剤を100〜130℃で混合する第1段階と、加硫剤を添加し前記第1段階よりも低い温度で混合する第2段階とからなることを特徴とする。
【0005】
また、本発明のゴム組成物の製造方法は、ゴム系重合体、加硫剤、充填剤、及びカップリング剤を機械的に混合してなる加硫可能なゴム組成物の製造方法において、前記ゴム系重合体は乳化重合又は溶融重合されスチレン含有率が20〜50%であるスチレン−ブタジエン共重合体を50重量%以上含み、前記充填材はシリカを含み、前記カップリング剤は、前記シリカ及び前記ゴム系重合体と反応することができる少なくとも2官能性を有するビス(3−トリエトキシ−シリルプロピル)テトラスルフィドであり、前記ゴム系重合体、加硫剤、充填材及びカップリング剤を2段階の混合プロセスにより混合してなり、この混合プロセスは、ゴム系重合体、充填材、及びカップリング剤を100〜130℃で混合する第1段階と、加硫剤を添加し前記第1段階よりも低い温度で混合する第2段階とからなることを特徴とする。
【0006】
本発明に用いられるゴム系重合体は、タイヤトレッドあるいは転がり抵抗が小さいという特性が役立つタイヤの任意の他の部分、例えばアンダートレッドまたはサイドウォールに好適に用いられる重合体であればよいが、スチレン−ブタジエン共重合体(以下、SBRという)が少なくとも25重量%以上、特に50重量%以上であることが好ましく、ゴム系重合体の全成分をSBRで構成してもよい。SBRとしては、溶液重合されたスチレン−ブタジエン共重合体(以下、溶液重合SBRという)、乳化重合されたスチレン−ブタジエン共重合体(以下、乳化重合SBRという)のいずれでもよいが、乳化重合SBRが好ましい。また、SBRのスチレン含有率は、20〜50%、特に30〜45%が好ましい。
【0007】
ゴム系重合体がSBRと他のゴム成分との混合物で構成される場合、他のゴム成分としては、例えば、ポリブタジエンホモポリマー、ビニルポリブタジエン、又はこれらの混合物が配合され得る。
前記シリカとしては、60〜300m2 /g、特に80〜250m2 /gの窒素表面積を有することが好ましく、沈降シリカを用いることが好ましい。シリカは、ゴム系重合体100重量部当たり15〜160重量部含有されていることが好ましく、特にゴム系重合体100重量部当たり30〜120重量部、例えば、30〜80重量部含有されていることが好ましい。
【0008】
シリカは、カップリング剤と別々に単体として配合してもよいし、予めカップリング剤によりカップリング結合されシリカ(以下、これを「カップルドシリカ」という)として配合してもよい。カップルドシリカとは、シリカをゴム組成物中に配合させる前にカップリング剤で処理したもので、例えば周囲温度にてシリカとカップリング剤とを物理的に混合した後、該混合物を昇温してカップリング反応を促進することによって得られる。
カップリング剤としては、シリカ及びゴム系重合体と反応できる少なくとも2官能性のものが用いられる。具体的には、シランカップリング剤又はジルコニウム酸塩が用いられる。例えば加硫剤が硫黄の場合には、特にビス(3−トリエトキシ−シリルプロピル)−テトラサルファイドまたはメルカプトプロピルトリエトキシシランが好ましく用いられる。これらのカップリング剤は、アルコキシ部分がカップリング反応においてシリカと反応及び結合し、サルファイド部分は加硫反応においてゴム系重合体と反応する。上記カップリング剤の他、例えばビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン、チオシアナート−プロピル−トリエトキシシラン等のチオシアナートトリエトキシシラン、またはジルコニウムジネオアルカナートジ(3−メルカプト)プロピオナート−0等のジルコニウム酸塩のカップリング剤が用いられる。
【0009】
カップリング剤の含有量は、シリカ含有量の2〜20重量%、例えば2〜18.5重量%が好ましく、特に5〜15重量%であることが好ましい。
充填剤としては、シリカ単体又はカップルドシリカ単独でもよいが、必要に応じて他の充填剤が混合され得る。特に耐磨耗性を改善し、組成物を着色するためにカーボンブラックを混合することが好ましい。
充填剤としてカーボンブラックとシリカとを混合して配合する場合には、組成物中の充填剤の含有総量は、ゴム100重量部に対して40〜160重量部が好ましく、カーボンブラックは少なくとも3重量部含有することが好ましい。
【0010】
本発明のゴム組成物には、さらにオイルを配合することが好ましい。オイルとしては、アロマチックオイルが好ましく用いられる。アロマチックオイルは従来公知のものを使用することができ、特に比重0.95〜1.0のアロマチックオルを用いることが好ましい。オイルの配合量は、ゴム系重合体100重量部に対して少なくとも40重量部、特に、少なくとも60重量部であることが好ましく、好ましい範囲としては、60〜180重量部、特に80〜150重量部である。
【0011】
尚、ゴムが油展ゴムである場合、ここに列記されている非オイル成分の比率は、エキステンダーオイルを除いたゴム系重合体単独の含有量に対する数値である。含まれているオイルの比率についての言及は全オイル含有量、すなわち油展ゴムに用いられるエキステンダーオイルの量と添加剤として単独に添加されたオイルの添加量との合計についての数値である。
加硫剤は硫黄または硫黄含有化合物であることが好ましいが、任意の他の好適な加硫剤、例えば、フェノール樹脂または過酸化物も使用できる。加硫剤は、初期に他の成分を機械的に混合した後、混合段階終期に組成物に添加してもよいし、好ましくはその後で行う混合段階で添加する。
【0012】
本発明のゴム組成物には、上記成分の他、ゴム工業で通常用いられる添加剤、例えば、加硫促進剤、賦活剤、増量剤及び老化防止剤が、必要に応じて配合され得る。
本発明のゴム組成物は、上記各成分を配合し、これを機械的に混合して得られる。本発明のゴム組成物は、充填剤としてシリカを含有していることから、通常必要な温度よりも低い温度で混合することができる。例えば、一般的なトレッドゴム組成物については約160℃で混合を行うが、本発明の組成物の場合、約125℃で満足し得る程に混合することができる。本発明における組成物の機械的混合は、一般的な混合温度で混合してもよいが、通常、組成物の温度を130℃以下に保持して行う。例えば、100℃程度又はそれ以下の温度で行うこともできるが、100℃〜120℃又は125℃で混合することが好ましい。
【0013】
ここで、組成物の機械的混合は、充填剤としてカップルドシリカを使用する場合には、ゴム系重合体、カーボンブラック及びカップルドシリカを単一段階でまず混合し、次いでオイル、そして賦活剤を添加し、老化防止剤や紫外線保護剤などの処理剤及び保護剤を添加し、最後に促進剤を添加することにより行われる。ブレンダーからの排出温度は前述のように約110℃から120℃または125℃までの温度であることが好ましい。
一方、シリカとカップリング剤を別々に配合するときには、機械的混合は2段階操作で行われる。第1段階においてはゴム系重合体、シリカ、カップリング剤及びカーボンブラックを混合し、次いでオイルそして賦活剤、加工助剤及び保護剤を添加する。第1段階における排出温度は、約125℃〜130℃が好ましい。
【0014】
第2段階では、加硫剤及び促進剤を添加し、排出温度は第1段階よりも低い温度、例えば105℃が適用される。
シリカとカップリング剤を別々に配合する場合、カップリング剤とシリカとのカップリングは、機械的混合段階中及び/又は加硫段階で行われる。一方、重合体とカップリング剤との反応は、低温で行う機械的混合段階では行われず、通常、組成物が加硫温度に加熱されると加硫段階中に起こる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を基づいて説明する。
一般に、タイヤトレッド用ゴム組成物の転がり抵抗及びグリップ特性を実証するために、実験室の条件下で組成物を粘弾性試験に供し、この試験において現れるヒステリシス特性からタイヤ特性を予測することが通常行われている。この試験はトレッド組成物を制御された温度にて、せん断、張力または圧縮した状態で正弦波の形で変化する動的な変形を起こさせる。ウェットグリップと転がり抵抗については、代表的な0℃及び50℃の各温度における損失モジュラスと損失コンプライアンスの数値から説明されることがよく知られている。例えば、高いウェットグリップを得るためには0℃における損失モジュラス及び損失コンプライアンスの少なくともいずれか一方が高いことが望ましく、転がり抵抗の低減のためには50℃における損失モジュラス及び損失コンプライアンスの少なくともいずれか一方が低いことが望ましい。
【0016】
本実施例のゴム組成物は、以下のような粘弾性試験により評価した。プレ張力10%、動的歪0.5%(二重歪振幅)、周波数10Hzの条件で、0℃及び50℃の各温度について、複素モジュラス(E* )、動的モジュラス(E1 )、損失モジュラス(E2 )、損失正接(TD)=tanδ(E2 /E1 )、損失コンプライアンス(LC)=E2 /(E* )2 を測定した。また、磨耗試験はDIN535616に従って行った。
実施例1〜3及び比較例1〜3
表1に示す各成分を配合して、充填剤としてカップルドシリカを配合した実施例1〜3のゴム組成物を調製した。各成分は、2段階混合手順を利用して調製された。第1段階では、組成物を2リットルの実験用密閉式ミキサー中で125℃の排出温度まで混合した。混合時間は5.5分間であった。第2段階では、実験用の二つのロールミル上で約50℃で約5分間混合し、硫黄と促進剤を添加することによって混合を完結した。
【0017】
また、各実施例についてカップルドシリカに代えて等量のカーボンブラックを配合して、比較例1〜3のゴム組成物を調製した。
尚、表1中、SBR(A)とは、スチレン含有率15%の溶液重合SBRをいい、SBR(B)とは、スチレン含有率30%の溶液重合SBR100重量部当たり37.5重量部のアロマチックオイルで油展したものを示す。SBR1712とは、スチレン含有率23.5%の乳化重合SBR100重量部当たり37.5重量部のアロマチックオイルで油展したものを示す。SBR(C)は、スチレン含有率25%の溶液重合SBR100重量部当たり37.5重量部のアロマチックオイルで油展したものを示す。カップルドシリカとしては、沈降シリカで、表面積175m2 /gの11.3%をビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−テトラサルファイドで予めカップリング反応させたもので、デグッサ社(Degussa AG)(ドイツ、フランクフルト)製のカプシル8113(Coupsil 8113)として市販されているものを用いた。また、6PPDとは、N−(1,3−ジメチルブチル)−N´−フェニル−P−フェニレンジアミンであり、CBSとは、N−シクロヘキシル−2−ベンズチアゾールスルフェンアミドを示している。TBBSとは、N−t−ブチルベンゾチアゾールスルフェンアミドであり、DPGとは、ジフェニルグアニジンを示している。
【0018】
【表1】
【0019】
実施例1〜3及び比較例1〜3のゴム組成物を、金型中で165℃にて20分間加硫して、加硫ゴム試験片を作成した。
この加硫ゴム試験片について、上記の方法に基づいて粘弾性試験及び磨耗試験を行った。試験結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】
表2の実施例1及び比較例1の結果から、カーボンブラックに代えて等量のカップルドシリカ(シリカ68.0重量部とカップリング剤7.7重量部)を添加すると、50℃において損失モジュラス(E2 )が40%減少し、損失コンプライアンス(LC)も20%減少しており、実施例1の組成物から作成されたタイヤトレッドの転がり抵抗が低減することが分かる。
また、0℃において、実施例1は損失コンプライアンスの増大と損失モジュラスの減少とが好ましくバランスしている。従って、ウェットグリップを高く保持できる。また、実施例1の組成物の耐磨耗性は改善されていることがわかる。
【0022】
同様に、実施例2及び実施例3のゴム組成物についても、カーボンブラックに代えて等量のカップルドシリカ(シリカ50.0重量部とカップリング剤5.5重量部)を添加すると、50℃における損失モジュラス(E2 )及び損失コンプライアンス(LC)がかなり低下し、実施例2及び実施例3のゴム組成物から作成されるタイヤトレッドの転がり抵抗が低減することが分かる。また、実施例2及び実施例3のゴム組成物は、0℃においては損失モジュラスと損失コンプライアンスとが好ましくバランスしている。
【0023】
また、ゴム系重合体について、乳化重合SBR(実施例2)においては、E2
が増大してLCの減少を埋め合わせるが、溶液重合SBR(実施例3)においてはLCが増大してE2 の減少を埋め合わせたことがわかる。また、溶液重合SBRを用いた場合(実施例3)における耐磨耗性は向上した。一方、乳化重合SBRを用いた場合(実施例2)、比較例2よりも耐磨耗性は低下する結果となったが、体積減量は小さく許容できる。
次に、シリカとカップリング剤とを予め結合させないで別々に配合し、2段階混合手法を利用して調製した組成物の実施例について説明する。
【0024】
実施例4、5及び比較例4
表3に示す各成分を、2段階混合手法において第1段階の排出温度が異なる実施例4、5のゴム組成物を調製した。すなわち、第1段階で各組成物はそれぞれ2リットルの実験用密閉式ミキサー中で、表1に示す排出温度まで表1に示す混合時間だけ混合し、第2段階で、実験用の二つのロールミル中で約50℃にて約5分間に硫黄と促進剤を添加することによって混合を完結した。比較例として、シリカ及びカップリング剤に代えて、等量のカーボンブラックを配合し、実施例4と同様の条件で混合して、比較例4のゴム組成物を調製した。
【0025】
【表3】
【0026】
表3中、ゴム系重合体として用いたSBR(A),SBR(B)は、実施例1で用いたものと同じである。シリカは、表面積175m2 /gの沈降シリカで、デグッサ社からウルトラシルVN3(Ultrasil VN3)として市販されているものを使用した。カップリング剤としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−テトラサルファイドとN330カーボンブラックとを50対50で混合したもので、デグッサ社からX−50Sとして市販されているものを用いた。
【0027】
調製した実施例4、5及び比較例4のゴム組成物を、金型中で165℃にて20分間加硫して、加硫ゴム試験片を作成した。このゴム試験片について、実施例1と同様の粘弾性試験及び磨耗試験を行った。結果を表4に示す。
【0028】
【表4】
【0029】
表4から、カーボンブラックに代えてシリカ及びカップリング剤を添加すると(実施例4及び実施例5)、50℃における損失モジュラス(E2 )と損失コンプライアンス(LC)が低下し、実施例4及び実施例5から作成されるタイヤトレッドの転がり抵抗が減少することがわかる。
また、第1段階を125℃という比較的低温でシリカを混合する(実施例5)方が、高温で混合した場合(実施例4)よりも動的モジュラス(E* )が好適に維持されることがわかる。このことから、本発明のゴム組成物で作成されるタイヤ取扱い特性が、カーボンブラックを配合したゴム組成物(比較例4)程度の水準に維持できることがわかる。さらに、比較的低温でシリカを混合することも0℃におけるE2 とLCとが満足し得る程にバランスすることがわかり、このことはウェットグリップに有利になる。また、実施例5の組成物の耐磨耗性は、カーボンブラック配合のゴム組成物(比較例4)に匹敵する水準に維持されることがわかる。
【0030】
実施例6及び比較例5
表7に示す配合組成を有する実施例6のゴム組成物を調製した。これは、ゴム系重合体として、スチレン含有率40%の溶液重合SBR100重量部あたり44重量部のアロマチックオイルで油展したもの(SBR(D))と、スチレン含有率31%の溶液重合SBR100重量部あたり37.5重量部のアロマチックオイルで油展したもの(SBR(E))との混合物を用いたものである。用いたアロマチックオイルは、比重が0.97で粘度(100℃)が55cstである。カーボンブラックとしては、ヨウ素吸着による表面積が160mg/gのものを用いた。加硫促進剤はCBS(N−シクロヘキシルベンゾチアゾールスルフェンアミド)を用いた。シリカは、実施例4、5で使用したデグッサ社のウルトラシルVN3(表面積が175m2 /g)を用いた。カップリング剤は、実施例4、5で使用したデグッサ社製のX−50Sを用いた。
【0031】
尚、比較例として、シリカの代わりに等量のカーボンブラックを配合したゴム組成物(比較例5)を調製した。
【0032】
【表5】
【0033】
組成物は2段階法により混合された。すなわち、ゴム系重合体、充填剤及びカップリング剤をまず配合し、次いでオイル、そして賦活剤及び保護剤を配合し、排出温度は約125℃とした。第2段階では、促進剤及び加硫剤が組成物に添加混合され、最終的な排出温度を約105℃とした。混合した組成物を165℃において20分間硬化して得られた加硫ゴムについて、粘弾性特性を測定した。測定結果を表6に示す。
【0034】
【表6】
【0035】
表6からわるように、カーボンブラックに代えてシリカを配合することにより、0℃におけるtanδが高くなり、すなわちグリップが良好となり、50℃における低いtanδ(低い転がり抵抗に対応)と好ましいバランスが得られる。 次に、本発明のゴム組成物を用いて作成した高性能タイヤの実施例について、説明する。
実施例7
表7に示す各成分を2段階法で混合して、実施例7のゴム組成物を調製した。ゴム系重合体としては、スチレン含有率40%の乳化重合SBR100重量部あたり37.5重量部のオイルで油展したもの(表5中、「乳化重合SBR」として表示)を用いた。シリカは、実施例4〜6で使用したデグッサ社のウルトラシルVN3(表面積が175m2 /g)を用いた。カップリング剤は、実施例4〜6で使用したデグッサ社製のX−50Sを用いた。用いたアロマチックオイルは、実施例6と同じものである(比重が0.97で粘度(100℃)が55cst)。
【0036】
組成物は実施例6と同様の方法により混合された。すなわち、ゴム系重合体、充填剤及びカップリング剤をまず配合し、次いでオイル、そして賦活剤及び保護剤を配合し、排出温度は約125℃とした。第2段階では、促進剤及び加硫剤が組成物に添加混合され、最終的な排出温度を約105℃とした。
【0037】
【表7】
【0038】
このゴム組成物を、トレッド部分に用いたタイヤを成形した。加硫は約170℃で行った。タイヤのトレッドには、深さ6mmの標準ウェットグリップトレッドパターンが形成された。
このようにして作成したタイヤについて、制御されたウェット試験によって試験した。1セットをスポーツカーに取付け、同様のウェット条件で同様のトレッドパターン及び深さを有する1セットの標準ウェットグリップタイヤの試験結果と比較した。
【0039】
本発明のタイヤに関する標準試験コースの1m当たりの平均時間は14.78秒であり、標準タイヤの平均時間16.14秒よりも著しく短かった。
さらにウェット条件下でドライバー試験を行い、同様に試験を行った1セットの標準タイヤと比較した。標準タイヤに関して最も速かったのは1m当たり10.6秒であり、本発明のタイヤに関して最も速かったのは1m当たり9.82秒であり、本発明のタイヤの方が短かった。このことは、ドライバー反応が制動、転向及び特にけん引の性能において、本発明のタイヤについて顕著な改善が得られ非常に有利であったことを意味する。
【0040】
また、加硫ゴムについて実施例1と同様にして、0℃におけるtanδを測定したところ、0.48であった。通常の配合により得られる加硫ゴムの0℃におけるtanδは0.42であった。0℃におけるtanδの値が一般にグリップの指標として利用されており、0℃におけるtanδの値が大きい程グリップが良好といえる。実施例7のゴム組成物の方がtanδの値が大きく、上記のタイヤ試験の結果が確認できる。
実施例8
カップルドシリカを用いた高性能用タイヤに好適な実施例8のゴム組成物の配合組成は表8に示す通りである。ゴム系重合体としては、実施例7で用いた乳化重合SBR、すなわちスチレン含有率40%の乳化重合SBR100重量部当たり37.5重量部のオイルで油展したものを用いた。カップルドシリカとしては、実施例1〜3で使用したデグッサ社のカプシル8113を用いた。アロマチックオイルは、実施例6,7で使用したものと同じものを用いた。
【0041】
組成物は単一段階法によって配合した。すなわち、まずゴム系重合体、カーボンブラック及びカップルドシリカを混合し、次いでオイルそれから賦活剤、加工助剤及び保護助剤を添加し、最後に加硫剤及び促進剤を添加した。ブレンダーからの排出温度は約105℃とした。
【0042】
【表8】
【0043】
このゴム組成物を、トレッドに用いたタイヤを成形した。加硫は約170℃で行った。実施例7と同じトレッドパターンを形成した。
このようにして作成されたタイヤを高性能車に装着して、ウェット試験トラック上で試験した。比較例として、標準的なウェットグリップタイヤを装着して、同様に試験を行った。
本発明のタイヤの1m当たりのラップ平均時間は14.67秒で、比較例の標準タイヤに関する1m当たりのラップ平均時間16.14秒と比べて著しく短かった。
【0044】
【発明の効果】
本発明のゴム組成物を用いた加硫ゴムの粘弾性特性は、0℃及び50℃の各温度におけるtanδと損失コンプライアンスが好ましくバランスしており、グリップが良好で転がり抵抗が低い。従って、本発明のゴム組成物を用いれば、グリップと耐磨耗性とが好ましくバランスを保ちながら転がり抵抗の低減を図ることができる高性能タイヤを提供することができる。
従って、本発明のゴム組成物をトレッド部分に用いて作成したタイヤは、耐磨耗性、グリップに優れ、しかも転がり抵抗が小さく、低燃費車両の要求を満足することができる。
【0045】
また、本発明のゴム組成物で構成されるトレッドを有するモーターサイクルタイヤ及び自動車タイヤは、一般的な配合のゴム組成物で構成される高性能タイヤと比較してウェットグリップが改善される。
Claims (8)
- ゴム系重合体、加硫剤、充填剤、及びカップリング剤を含有する加硫可能なゴム組成物において、
前記ゴム系重合体は乳化重合又は溶融重合されスチレン含有率が20〜50%であるスチレン−ブタジエン共重合体を50重量%以上含み、
前記充填材はシリカを含み、
前記カップリング剤は、前記シリカ及びゴム系重合体と反応することができる少なくとも2官能性を有するビス(3−トリエトキシ−シリルプロピル)テトラスルフィドであり、
前記ゴム系重合体、加硫剤、充填材及びカップリング剤を2段階の混合プロセスにより混合してなり、この混合プロセスは、ゴム系重合体、充填材、及びカップリング剤を100〜130℃で混合する第1段階と、加硫剤を添加し前記第1段階よりも低い温度で混合する第2段階とからなる
ことを特徴とするゴム組成物。 - 前記シリカは、ゴム系重合体100重量部当たり15〜160重量部含有されている
ことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。 - 前記シリカは、予め前記カップリング剤とカップリングされている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。 - 前記カップリング剤が、前記シリカに対して2〜20重量%含有されている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。 - 充填剤として更にカーボンブラックを含み、
充填剤の含有総量が、ゴム系重合体100重量部あたり40〜160重量部である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。 - オイルをゴム系重合体100重量部当たり少なくとも40重量部含有する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物。 - ゴム系重合体、加硫剤、充填剤、及びカップリング剤を機械的に混合してなる加硫可能なゴム組成物の製造方法において、
前記ゴム系重合体は乳化重合又は溶融重合されスチレン含有率が20〜50%であるスチレン−ブタジエン共重合体を50重量%以上含み、
前記充填材はシリカを含み、
前記カップリング剤は、前記シリカ及び前記ゴム系重合体と反応することができる少なくとも2官能性を有するビス(3−トリエトキシ−シリルプロピル)テトラスルフィドであり、
前記ゴム系重合体、加硫剤、充填材及びカップリング剤を2段階の混合プロセスにより混合してなり、この混合プロセスは、ゴム系重合体、充填材、及びカップリング剤を100〜130℃で混合する第1段階と、加硫剤を添加し前記第1段階よりも低い温度で混合する第2段階とからなる
ことを特徴とするゴム組成物の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物でトレッドを構成した
ことを特徴とするタイヤ。
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