JP7174622B2 - タイヤ用ゴム組成物の製造方法、及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物の製造方法、及び空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物の製造方法、及び空気入りタイヤの製造方法に関するものである。
破断強度を向上させることを目的として、タイヤ用ゴム組成物に、芳香族ビニル化合物に基づく構成単位及び共役ジエン化合物に基づく構成単位を有し、共役ジエン部を水素添加した水添共重合体を配合することが知られている(特許文献1,2)。
特開2017-145341号公報 WO2014/133097号公報 特開2018-95779号公報
しかしながら、水添共重合体を含有するゴム組成物は、混練条件によって、水添共重合体の特性である破断強度の向上効果が十分に得られないことがあった。
本発明者は、鋭意検討の結果、ノンプロ練り工程において、混練物の温度が150℃以下の所定温度に達した時点で排出することで、水添共重合体を含有するゴム組成物の破断強度を向上できることを見出したが、シランカップリング剤とシリカとの反応が不十分になり、優れた低燃費性能が得られないおそれがあった。
本発明は、以上の点に鑑み、優れた破断強度及び低燃費性能を有するタイヤ用ゴム組成物の製造方法、及び空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
なお、特許文献3でも、水添共重合体を用いたゴム組成物について記載されているが、加硫速度を維持し、耐摩耗性を向上させることを目的とするものであり、破断強度の向上を目的とするものではない。
本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、芳香族ビニル-共役ジエン共重合体が水素添加された水添共重合体であって、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された重量平均分子量が30万以上であり、共役ジエン部の水素添加率が80モル%以上である水添共重合体を含むゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック1~30質量部と、シリカ15~100質量部と、架橋系配合剤を除く配合剤を、密閉式混練機で混練物の温度を上昇させながら2~8分間混練し、150~180℃の温度で排出するノンプロ練り工程と、ノンプロ練り工程で得られた混練物に架橋系配合剤を添加し混練するプロ練り工程と、プロ練り工程で得られた混練物を40℃以下の雰囲気下で48時間以上保管する保管工程とを含むものとする。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、上記製造方法により得られたタイヤ用ゴム組成物を用いてタイヤを作製するものとする。
本発明の製造方法によれば、優れた破断強度及び低燃費性能を有するタイヤ用ゴム組成物、及び空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、芳香族ビニル-共役ジエン共重合体が水素添加された水添共重合体であって、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された重量平均分子量が30万以上であり、共役ジエン部の水素添加率が80モル%以上である水添共重合体を含むゴム成分と、架橋系配合剤を除く配合剤を、密閉式混練機で混練物の温度を上昇させながら混練し、150℃よりも高い温度で排出するノンプロ練り工程と、ノンプロ練り工程で得られた混練物に架橋系配合剤を添加し混練するプロ練り工程と、プロ練り工程で得られた混練物を40℃以下の雰囲気下で48時間以上保管する保管工程とを含むものとする。
本実施形態に係るゴム組成物の製造方法において用いられるゴム成分は、芳香族ビニル-共役ジエン共重合体が水素添加された水添共重合体であって、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された重量平均分子量が30万以上であり、共役ジエン部の水素添加率が80モル%以上である水添共重合体を含むものである。ここで、本明細書において、「ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定された重量平均分子量」とは、検出器として示差屈折率検出器(RI)を用い、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、測定温度を40℃、流量を1.0mL/min、濃度を1.0g/L、注入量を40μLとし、市販の標準ポリスチレンを用いてポリスチレン換算で算出した値とする。また、水素添加率は、H-NMRを測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から計算した値とする。
上記芳香族ビニル-共役ジエン共重合体を構成する芳香族ビニルとしては、特に限定されないが、例えばスチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記芳香族ビニル-共役ジエン共重合体を構成する共役ジエンとしては、特に限定されないが、例えば1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記芳香族ビニル-共役ジエン共重合体は、特に限定されないが、スチレン及び1,3-ブタジエンの共重合体(スチレンブタジエン共重合体)であることが好ましい。従って、水添共重合体としては、水添スチレンブタジエン共重合体であることが好ましい。また、水添共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であっても、交互共重合体であってもよい。
上記水添共重合体は、例えば、芳香族ビニル-共役ジエン共重合体を合成し、水素添加処理を行うことで合成することができる。芳香族ビニル-共役ジエン共重合体の合成方法は、特に限定されないが、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法等を挙げることができ、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。なお、芳香族ビニル-共役ジエン共重合体は市販のものを使用することも可能である。
水素添加の方法は、特に限定されず、公知の方法、公知の条件で水素添加すればよい。通常は、20~150℃、0.1~10MPaの水素加圧下、水添触媒の存在下で実施される。なお、水素添加率は、水添触媒の量、水添反応時の水素圧力、反応時間等を変えることにより、任意に選定することができる。水添触媒として、通常は、元素周期表4~11族金属のいずれかを含む化合物を用いることができる。例えば、Ti、V、Co、Ni、Zr、Ru、Rh、Pd、Hf、Re、Pt原子を含む化合物を水添触媒として用いることができる。より具体的な水添触媒としては、Ti、Zr、Hf、Co、Ni、Pd、Pt、Ru、Rh、Re等のメタロセン系化合物;Pd、Ni、Pt、Rh、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた担持型不均一系触媒;Ni、Co等の金属元素の有機塩又はアセチルアセトン塩と有機アルミニウム等の還元剤とを組み合わせた均一系チーグラー型触媒;Ru、Rh等の有機金属化合物又は錯体;水素を吸蔵させたフラーレンやカーボンナノチューブ等を挙げることができる。
水添共重合体の水素添加率(芳香族ビニル-共役ジエン共重合体の共役ジエン部に対して水素添加された割合)は80モル%以上であり、好ましくは80~95モル%であり、より好ましくは85~95モル%であり、さらに好ましくは90~95モル%である。水素添加率が80モル%以上であることにより、架橋の均質化による耐摩耗性の改善効果に優れる。
水添共重合体の重量平均分子量は、30万以上であれば特に限定されないが、30万~200万であることが好ましく、30万~100万であることがより好ましく、30万~60万であることがさらに好ましい。
上記ゴム成分には、上記水添共重合体以外のジエン系ゴムが含まれていてもよく、このようなジエン系ゴムは、常温(23℃)において固形状である固形状ゴムであってもよく、常温(23℃)において液状である液状ゴムであってもよい。
固形状ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン-イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン-イソプレン共重合体ゴム、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。また、共重合体であるものは、交互共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。これら固形状ゴムは、いずれか1種単独で用いるものであってもよく、2種以上ブレンドして用いるものであってもよい。
液状ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンブタジエンゴム、イソプレンスチレンゴム、イソプレンブタジエンスチレンゴム、イソブチレン、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)が挙げられる。これらの液状ゴムは、カルボキシル化やメタクリレート化などによって変性されたものであってもよい。また、共重合体であるものは、交互共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。これら液状ゴムは、いずれか1種単独で用いるものであってもよく、2種以上ブレンドして用いるものであってもよい。
液状ゴムとしては市販されているものを利用することもでき、例えば、イソプレン系ゴムとしては、クラレ(株)製のLIR-30、LIR-50、LIR-310、LIR-390、LIR-410、UC-203、UC-102、LIR-290、LIR-700などが挙げられ、ブタジエン系ゴムとしては、同社製のLBR-307、LBR-305、LBR-352、スチレンブタジエン系ゴムとしては、同社製のL-SBR-820、L-SBR-841などが挙げられる。
液状ゴムの重量平均分子量は、特に限定されないが、1000~10万であることが好ましく、2000~5万であることがより好ましい。
液状ゴムを配合する場合、その配合量(2種以上使用する場合は合計量)は、ゴム成分100質量部中、0.1~30質量部であることが好ましく、1~20質量部であることがより好ましい。
ゴム成分中の上記水添共重合体の配合割合は、70~100質量%であることが好ましく、80~100質量%であることがより好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物の製造方法は、通常用いられるバンバリーミキサー等の密閉式混練機を用いて実施することができる。
ノンプロ練り工程では、ゴム成分に対し、架橋系配合剤を除く配合剤を添加し、混練物の温度を上昇させながら混練し、150℃よりも高い温度で排出する。排出温度は、150℃より高い温度であれば特に限定されないが、180℃以下であることが好ましい。混練時間は、特に限定されず、使用する混練機等によっても異なるが、例えば、2~8分間混練するものであってもよい。150℃より高い温度で混練する場合、補強性充填剤等の分散性が向上し、優れた低燃費性能が得られやすい。
プロ練り工程では、ノンプロ練り工程で得られた混練物に架橋系配合剤を添加し混練する。その際の排出温度は特に限定されないが、80~120℃であることが好ましく、90~110℃であることがより好ましい。
保管工程では、プロ練り工程で得られた混練物を40℃以下の雰囲気下で48時間以上保管する。保管する温度条件は、40℃以下であれば特に限定されないが、5~40℃であることが好ましく、15~35℃であることが好ましい。また、保管期間は、48時間以上であれば特に限定されないが、48~350時間であることが好ましく、72~240時間であることが好ましい。48時間以上である場合、破断強度の向上効果が得られやすい。また、350時間を超えて保管した場合も本発明の効果は得られるが350時間程度で破断強度の向上効果は頭打ちとなるため、生産性の観点から350時間以下であることが好ましい。
架橋系配合剤を除く配合剤としては、通常のゴム工業で使用されている、補強性充填剤、プロセスオイル、加工助剤、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤、可塑剤、樹脂、ワックス、老化防止剤などの配合薬品類を通常の範囲内で適宜配合することができ、本実施形態の製造方法においては、ノンプロ練り工程において少なくとも補強性充填剤を配合するものであってもよい。
補強性充填剤としては、カーボンブラック及び/又はシリカを用いることができる。すなわち、補強性充填剤は、カーボンブラック単独でも、シリカ単独でも、カーボンブラックとシリカの併用でもよい。好ましくは、カーボンブラックとシリカの併用である。補強性充填剤の配合量は、特に限定されず、例えばゴム成分100質量部に対して、10~150質量部であることが好ましく、より好ましくは20~100質量部であり、さらに好ましくは30~80質量部である。
上記カーボンブラックとしては、特に限定されず、公知の種々の品種を用いることができる。カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、1~70質量部であることが好ましく、より好ましくは1~30質量部である。
シリカとしても、特に限定されないが、湿式沈降法シリカや湿式ゲル法シリカなどの湿式シリカが好ましく用いられる。シリカを配合する場合、その配合量は、ゴムのtanδのバランスや補強性などの観点からゴム成分100質量部に対して、10~150質量部であることが好ましく、より好ましくは15~100質量部である。
シリカを配合する場合、スルフィドシラン、メルカプトシランなどのシランカップリング剤をさらに配合してもよい。シランカップリング剤を配合する場合、その配合量はシリカ配合量に対して2~20質量%であることが好ましい。
架橋系配合剤としては、加硫剤や加硫促進剤が挙げられ、加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄成分が挙げられ、特に限定されるものではないが、その配合量はゴム成分100質量部に対して0.1~4質量部であることが好ましく、より好ましくは0.2~3質量部である。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などを挙げることができ、これらの中でも、スルフェンアミド系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤であることが好ましい。また、これらを2種以上併用するものであってもよく、例えば、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤とグアニジン系加硫促進剤の併用であることが好ましく、この場合の配合割合(グアニジン系加硫促進剤/ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤)は、質量比で、0.5~4.0であることが好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NS)、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(OBS)、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DZ)が挙げられる。
グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン(D)、ジ-O-トリルグアニジン(DT)などが挙げられる。
ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤としては、例えば、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnBzDTC)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnMDC)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC)、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnBDC)、N-ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛(ZnPDC)、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEPDC)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(NaMDC)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(NaEDC)、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(NaBDC)、ジエチルジチオカルバミン酸テルル(TeEDC)、ジメチルジチオカルバミン酸銅(CuMDC)、ジメチルジチオカルバミン酸鉄(FeMDC)などが挙げられる。
スルフェンアミド系加硫促進剤の配合量は、特に限定されないが、ゴム成分100質量部に対して、0.1~3質量部であることが好ましく、0.2~3質量部であることがより好ましい。
グアニジン系加硫促進剤の配合量は、特に限定されないが、ゴム成分100質量部に対して、0.1~3質量部であることが好ましく、0.2~3質量部であることがより好ましい。
ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤の配合量は、特に限定されないが、ゴム成分100質量部に対して、0.1~3質量部であることが好ましく、0.2~3質量部であることがより好ましい。
加硫促進剤の配合量(2種以上配合する場合はその合計量)は、ゴム成分100質量部に対して0.1~7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~5質量部である。
本実施形態に係る製造方法により得られるゴム組成物は、タイヤ用として用いることができ、乗用車用、トラックやバスの大型タイヤなど各種用途・サイズの空気入りタイヤのトレッド部やサイドウォール部などタイヤの各部位に適用することができる。ゴム組成物は、常法に従い、例えば、押出加工によって所定の形状に成形され、他の部品と組み合わせた後、例えば140~180℃で加硫成形することにより、空気入りタイヤを製造することができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤの種類としては、特に限定されず、乗用車用タイヤ、トラックやバスなどに用いられる重荷重用タイヤなどの各種のタイヤが挙げられる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〈水添共重合体の合成例1〉
窒素置換された耐熱反応容器に、シクロヘキサンを2.5L、テトラヒドロフラン(THF)を50g、n-ブチルリチウムを0.12g、スチレンを100g、1,3-ブタジエンを400g入れ、反応温度50℃で重合を行った。重合が完了した後にN,N-ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシランを1.7g加えて、1時間反応させた後、水素ガスを0.4MPa-ゲージの圧力で供給し、20分間撹拌した。次いで、水素ガス供給圧力を0.7MPa-ゲージ、反応温度を90℃とし、チタノセンジクロリドを主とした触媒を用いて目的の水素添加率となるまで反応させ、溶媒を除去することにより、水添共重合体1を得た。
得られた水添共重合体1の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製「LC-10A」を用い、カラムとしてPolymer Laboratories社製「PLgel-MIXED-C」を、検出器として示差屈折率検出器(RI)を用い、溶媒としてTHFを用い、測定温度を40℃、流量を1.0mL/min、濃度を1.0g/L、注入量を40μLとして測定し、標準ポリスチレンによるポリスチレン換算で35万であった。結合スチレン量は20質量%であり、ブタジエン部の水素添加率は90モル%であった。なお、結合スチレン量はH-NMRを用いて、スチレン単位に基づくプロトンと、ブタジエン単位(水素添加部を含む)に基づくプロトンとのスペクトル強度比から求めた。
〈水添共重合体の合成例2〉
水素添加を行う反応時間を変更し、水素添加率を変更した以外、合成例1と同様の方法によって水添共重合体2を得た。得られた水添共重合体2の重量平均分子量は、上記と同様に測定し、標準ポリスチレンによるポリスチレン換算で35万、結合スチレン量は20質量%、ブタジエン部の水素添加率は80モル%であった。
〈実施例及び比較例〉
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従い、まず、ノンプロ練り工程(第一混合段階)で、加硫促進剤及び硫黄を除く成分を添加混練し、表1に示す温度に達した時点で排出した。得られた混練物に、プロ練り工程(最終混合段階)で、加硫促進剤及び硫黄を添加混合して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物は、表2,3に示す期間、30℃の雰囲気下で保管した。
表1中の各成分の詳細は以下の通りである。
・水添SBR1:上記合成例1に従い作製した水添共重合体1
・水添SBR2:上記合成例2に従い作製した水添共重合体2
・液状ゴム:クラレ(株)製「LIR50」
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト3」
・シリカ:エボニックジャパン(株)製「UltrasilVN3」
・シランカップリング剤:エボニックジャパン(株)製「Si69」
・オイル:JXTGエネルギー(株)製「プロセスNC140」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・ワックス:日本精蝋(株)製「OZOACE0355」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS-20」
・酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華3号」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」
・加硫促進剤1:住友化学(株)製「ソクシノールCZ」、スルフェンアミド系加硫促進剤
・加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製「ノクセラ-D」、グアニジン系加硫促進剤
・加硫促進剤3:川口化学工業(株)製「アクセルTBZT」、チウラム系加硫促進剤
・加硫促進剤4:三新化学工業(株)製「サンセラーZBE」、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤
得られた各ゴム組成物について、低燃費性能、強度指数1、及び強度指数2を評価した。評価方法は次の通りである。
・低燃費性能:JIS K6394に準拠してした。すなわち、160℃で30分間加硫した試験片について、東洋精機(株)製の粘弾性試験機によって、温度60℃、静歪み10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件で損失係数tanδを測定し、tanδの逆数について比較例1の値を100とした指数で示した。指数が大きいほどtanδが小さく、105以上である場合、低発熱性に優れると評価した。
・強度指数1:得られたゴム組成物を160℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて、JIS K6251に準じて、引張試験(ダンベル状3号形)を実施して300%伸張時の応力(S300)を測定し、比較例1の値を100とした指数で示した。数値が大きいほど、応力が大きく、破断強度に優れることを示す。
・強度指数2:得られたゴム組成物を160℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて、JIS K6251に準じて、引張試験(ダンベル状3号形)を実施して破断時の応力を測定した。比較例1の値を100とした指数で示した。数値が大きいほど、破断強度に優れることを示す。
Figure 0007174622000001
Figure 0007174622000002
Figure 0007174622000003
結果は、表2,3に示す通りであり、実施例1~3は比較例1との対比、及び実施例4~6は比較例4との対比より、ノンプロ練り工程において、混練物の温度が150℃より高い温度で排出し、40℃以下の雰囲気下で48時間以上保管することにより、優れた低燃費性能、及び破断強度が得られることがわかった。
比較例2,5は、ノンプロ練り工程において、混練物の温度が145℃になった時点で排出し、3日間保管した例であり、比較例2は、比較例1との対比より、強度指数1が劣っており、保管工程による破断強度の向上効果は見られなかった。また、比較例5は、比較例4との対比より、優れた低燃費性、強度指数2は得られず、保管工程による性能の向上効果は見られなかった。
比較例3,6は、ノンプロ練り工程において、混練物の温度が150℃より高い温度で排出し、保管を行わなかった例であり、比較例3は比較例1との対比より、破断強度は劣っていた。また、比較例6は、比較例4との対比より、破断強度は劣っていた。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、乗用車、ライトトラック・バス等の各種タイヤに用いることができるゴム組成物を製造することができる。

Claims (2)

  1. 芳香族ビニル-共役ジエン共重合体が水素添加された水添共重合体であって、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された重量平均分子量が30万以上であり、共役ジエン部の水素添加率が80モル%以上である水添共重合体を含むゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック1~30質量部と、シリカ15~100質量部と、架橋系配合剤を除く配合剤を、密閉式混練機で混練物の温度を上昇させながら2~8分間混練し、150~180℃の温度で排出するノンプロ練り工程と、
    ノンプロ練り工程で得られた混練物に架橋系配合剤を添加し混練するプロ練り工程と、
    プロ練り工程で得られた混練物を40℃以下の雰囲気下で48時間以上保管する工程と
    を含む、タイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法により得られたタイヤ用ゴム組成物を用いてタイヤを作製する、空気入りタイヤの製造方法。
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