JP2021107499A - タイヤトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた加工性及び耐摩耗性が得られる、タイヤトレッド用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】芳香族ビニル−共役ジエン共重合体が水素添加された水添共重合体であって、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された重量平均分子量が30万以上であり、共役ジエン部の水素添加率が80モル%以上である水添共重合体を70〜100質量部含むゴム成分100質量部に対して、シリカ1〜150質量部と、植物油1〜50質量部とを含有する、タイヤトレッド用ゴム組成物とする。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
低燃費性や、破断強度、耐摩耗性を向上させることを目的として、タイヤ用ゴム組成物に、芳香族ビニル化合物に基づく構成単位及び共役ジエン化合物に基づく構成単位を有し、共役ジエン部を水素添加した水添共重合体を配合することが知られている(特許文献1,2)。
水素添加率の高い水添共重合体は、架橋点が少なく加硫速度が遅くなるという問題があるため、特許文献3には、水添共重合体を用いた場合であっても、チウラム系加硫促進剤を用いることで、加硫速度を維持し、耐摩耗性を向上できることが開示されている。
このような水添共重合体を配合したゴム組成物において、加工性の更なる改善が求められている。特許文献1,3の実施例ではアロマオイルを使用しているが、加工性についての記載はなく、加工性と耐摩耗性について更なる改善の余地があった。
特開2017−145341号公報 WO2014/133097号公報 特開2018−95779号公報 特表2019−505428特開
本発明は、以上の点に鑑み、優れた加工性及び耐摩耗性が得られる、タイヤトレッド用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
なお、特許文献4には、液体可塑剤として、パラフィンオイルや植物油などを用いることが記載されているが、ゴム成分が水添共重合体を含有するものではなく、加工性や耐摩耗性について示唆する記載もない。
本発明に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、上記課題を解決するために、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体が水素添加された水添共重合体であって、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された重量平均分子量が30万以上であり、共役ジエン部の水素添加率が80モル%以上である水添共重合体を70〜100質量部含むゴム成分100質量部に対して、シリカ1〜150質量部と、植物油1〜50質量部とを含有するものとする。
上記植物油の構成脂肪酸100質量%中、オレイン酸とリノール酸とを合計で35〜95質量%含有するものとする。
本発明に係る空気入りタイヤは、上記タイヤトレッド用ゴム組成物を用いて作製したものとする。
本発明のタイヤ用ゴム組成物によれば、優れた加工性及び耐摩耗性を有する空気入りタイヤを得ることができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物において用いられるゴム成分は、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体が水素添加された水添共重合体であって、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された重量平均分子量が30万以上であり、共役ジエン部の水素添加率が80モル%以上である水添共重合体を含むものである。ここで、本明細書において、「ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定された重量平均分子量」とは、検出器として示差屈折率検出器(RI)を用い、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、測定温度を40℃、流量を1.0mL/min、濃度を1.0g/L、注入量を40μLとし、市販の標準ポリスチレンを用いてポリスチレン換算で算出した値とする。また、水素添加率は、H−NMRを測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から計算した値とする。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を構成する芳香族ビニルとしては、特に限定されないが、例えばスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を構成する共役ジエンとしては、特に限定されないが、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体は、特に限定されないが、スチレン及び1,3−ブタジエンの共重合体(スチレンブタジエン共重合体)であることが好ましい。従って、水添共重合体としては、水添スチレンブタジエン共重合体であることが好ましい。また、水添共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であっても、交互共重合体であってもよい。
上記水添共重合体は、例えば、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を合成し、水素添加処理を行うことで合成することができる。芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の合成方法は、特に限定されないが、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法等を挙げることができ、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。なお、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体は市販のものを使用することも可能である。
水素添加の方法は、特に限定されず、公知の方法、公知の条件で水素添加すればよい。通常は、20〜150℃、0.1〜10MPaの水素加圧下、水添触媒の存在下で実施される。なお、水素添加率は、水添触媒の量、水添反応時の水素圧力、反応時間等を変えることにより、任意に選定することができる。水添触媒として、通常は、元素周期表4〜11族金属のいずれかを含む化合物を用いることができる。例えば、Ti、V、Co、Ni、Zr、Ru、Rh、Pd、Hf、Re、Pt原子を含む化合物を水添触媒として用いることができる。より具体的な水添触媒としては、Ti、Zr、Hf、Co、Ni、Pd、Pt、Ru、Rh、Re等のメタロセン系化合物;Pd、Ni、Pt、Rh、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた担持型不均一系触媒;Ni、Co等の金属元素の有機塩又はアセチルアセトン塩と有機アルミニウム等の還元剤とを組み合わせた均一系チーグラー型触媒;Ru、Rh等の有機金属化合物又は錯体;水素を吸蔵させたフラーレンやカーボンナノチューブ等を挙げることができる。
水添共重合体の水素添加率(芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の共役ジエン部に対して水素添加された割合)は80モル%以上であり、好ましくは80〜95モル%であり、より好ましくは85〜95モル%であり、さらに好ましくは90〜95モル%である。水素添加率が80モル%以上であることにより、架橋の均質化による耐摩耗性の改善効果に優れる。
水添共重合体の重量平均分子量は、30万以上であれば特に限定されないが、30万〜200万であることが好ましく、30万〜100万であることがより好ましく、30万〜60万であることがさらに好ましい。
上記ゴム成分には、上記水添共重合体以外のジエン系ゴムが含まれていても良く、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。これらジエン系ゴムは、いずれか1種単独で、又は2種以上ブレンドして用いることができる。
ゴム成分中の上記水添共重合体の含有割合は、特に限定されないが、70〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物は、補強性充填剤として、シリカを含有するものであり、カーボンブラックを併用するものであってもよい。すなわち、補強性充填剤は、シリカ単独でも、シリカとカーボンブラックとの併用でもよい。好ましくは、シリカとカーボンブラックとの併用である。補強性充填剤の含有量は、特に限定されず、例えばゴム成分100質量部に対して、10〜150質量部であることが好ましく、20〜100質量部であることがより好ましく、30〜80質量部であることがさらに好ましい。
シリカとしても、特に限定されないが、湿式沈降法シリカや湿式ゲル法シリカなどの湿式シリカが好ましく用いられる。シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1〜150質量部であり、1〜100質量部であることが好ましい。
また、スルフィドシラン、メルカプトシランなどのシランカップリング剤をさらに含有してもよい。シランカップリング剤を含有する場合、その含有量はシリカ含有量に対して2〜20質量%であることが好ましい。
上記カーボンブラックとしては、特に限定されず、公知の種々の品種を用いることができる。カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1〜70質量部であることが好ましく、1〜30質量部であることがより好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、ゴム成分100質量部に対して、植物油を1〜50質量部含有し、10〜50質量部であることが好ましく、20〜50質量部であることがより好ましい。ここで、植物油とは、植物に含まれる脂質を抽出・精製した油であり、グリセリンに3分子の脂肪酸がエステル結合してなるトリアシルグリセロールを主成分とする。この植物油を構成する脂肪酸(構成脂肪酸ともいう。)には一般に不飽和脂肪酸が含まれる。植物油は、常温(23℃)で液体であるものが好ましい。
植物油としては、特に限定されないが、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸などの脂肪酸を含有するものが挙げられ、これらの中でもオレイン酸及び/又はリノール酸とを含有するものであることが好ましく、植物油の構成脂肪酸100質量%中のオレイン酸とリノール酸との合計が35〜95質量%である植物油であることがより好ましく、合計が55〜95質量%である植物油であることが特に好ましい。なお、脂肪酸組成はヘキサン溶媒で脂質を抽出し、シリカゲルを充填した固相抽出カラムで単離した後、それぞれの脂肪酸を酸または塩基触媒を含むメタノールに溶解させて脂肪酸メチルを作成して、キャピラリーカラムDB−23を用いてGC(ガスクロマトグラフィー)分析をすることで測定できる。
植物油の具体例としては、大豆油、あまに油、ひまわり油、サフラワー油、ぶどう油、とうもろこし油、綿実油、ごま油、なたね油、こめ油、落花生油、オリーブ油、パーム油等が挙げられ、これらをいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
植物油がオレイン酸とリノール酸とを両方含む場合、オレイン酸とリノール酸との含有割合(オレイン酸/リノール酸)は、特に限定されないが、0.4〜15であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物は、植物油を含有することにより、優れた加工性及び耐摩耗性が得られる。このメカニズムは定かではないが、次のように推測できる。まず、水添共重合体は他のSBR系のポリマーと比較して強度が高く、耐摩耗性に優れることが知られている。これは水素添加によりポリマーが有する架橋点が少ないために、応力が1点に集中しないこと、さらにポリマー鎖同士の絡み合いが大きいことに起因すると考えられる。また、タイヤ用ゴム組成物には、加工性を改善するために、アロマ系オイルやパラフィン系オイルなどのオイルが用いられるが、これらの従来用いられていたオイルでは、水添共重合体に浸透せず、ポリマー鎖同士の絡み合いが十分にほぐれずフィラーの分散性に優れないが、植物油は水添共重合体に浸透し、ポリマー鎖の絡み合いがほぐれるためフィラーの分散性が向上し、従来用いられていたオイルよりも耐摩耗性を改善できると推測できる。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記した各成分に加え、通常のゴム工業で使用されている、加工助剤、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤、可塑剤、液状ゴム、樹脂、ワックス、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤などの配合薬品類を通常の範囲内で適宜配合することができる。
上記加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄成分が挙げられ、特に限定するものではないが、その含有量はゴム成分100質量部に対して0.1〜4質量部であることが好ましく、0.2〜3質量部であることがより好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物は、加硫促進剤として、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤などを用いることができる。これらの中でも、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤であることが好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(MBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DZ)が挙げられる。
グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、1,3−ジフェニルグアニジン(D)、ジ−O−トリルグアニジン(DT)などが挙げられる。
ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤としては、例えば、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnBzDTC)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnMDC)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC)、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnBDC)、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛(ZnPDC)、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEPDC)、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(NaMDC)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(NaEDC)、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(NaBDC)、ジエチルジチオカルバミン酸テルル(TeEDC)、ジメチルジチオカルバミン酸銅(CuMDC)、ジメチルジチオカルバミン酸鉄(FeMDC)などが挙げられる。
スルフェンアミド系加硫促進剤を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜3質量部であることが好ましく、0.2〜2質量部であることがより好ましい。
グアニジン系加硫促進剤を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜3質量部であることが好ましく、0.2〜2質量部であることがより好ましい。
ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜3質量部であることが好ましく、0.2〜2質量部であることがより好ましい。
ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤とグアニジン系加硫促進剤とを併用する場合、その配合割合(グアニジン系加硫促進剤/ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤)は、質量比で、0.5〜3.0であることが好ましい。
加硫促進剤の合計の含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜9質量部であることが好ましく、0.5〜6質量部であることがより好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練して作製することができる。すなわち、第一混合段階で、ゴム成分に対し、加硫剤及び加硫促進剤を除く添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製することができる。
このようにして得られるゴム組成物は、タイヤ用として用いることができ、乗用車用、トラックやバスの大型タイヤなど各種用途・サイズの空気入りタイヤのトレッド部やサイドウォール部などタイヤの各部位に適用することができる。ゴム組成物は、常法に従い、例えば、押出加工によって所定の形状に成形され、他の部品と組み合わせた後、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、空気入りタイヤを製造することができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤの種類としては、特に限定されず、乗用車用タイヤ、トラックやバスなどに用いられる重荷重用タイヤなどの各種のタイヤが挙げられる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〈水添共重合体1の合成例〉
窒素置換された耐熱反応容器に、シクロヘキサンを2.5L、テトラヒドロフラン(THF)を50g、n−ブチルリチウムを0.12g、スチレンを100g、1,3−ブタジエンを400g入れ、反応温度50℃で重合を行った。重合が完了した後にN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシランを1.7g加えて、1時間反応させた後、水素ガスを0.4MPa−ゲージの圧力で供給し、20分間撹拌した。次いで、水素ガス供給圧力を0.7MPa−ゲージ、反応温度を90℃とし、チタノセンジクロリドを主とした触媒を用いて目的の水素添加率となるまで反応させ、溶媒を除去することにより、水添共重合体1を得た。
得られた水添共重合体1の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製「LC−10A」を用い、カラムとしてPolymer Laboratories社製「PLgel−MIXED−C」を、検出器として示差屈折率検出器(RI)を用い、溶媒としてTHFを用い、測定温度を40℃、流量を1.0mL/min、濃度を1.0g/L、注入量を40μLとして測定し、標準ポリスチレンによるポリスチレン換算で35万であった。結合スチレン量は20質量%であり、ブタジエン部の水素添加率は90モル%であった。なお、結合スチレン量はH−NMRを用いて、スチレン単位に基づくプロトンと、ブタジエン単位(水素添加部を含む)に基づくプロトンとのスペクトル強度比から求めた。
〈実施例及び比較例〉
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従い、まず、第一混合段階(ノンプロ練り工程)で、加硫促進剤及び硫黄を除く成分を添加混合し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混合物に、最終混合段階(プロ練り工程)で、加硫促進剤及び硫黄を添加混合して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。
表1中の各成分の詳細は以下の通りである。
・水添SBR1:上記合成例1に従い作製した水添共重合体1
・アロマ系オイル:JXTGエネルギー(株)製「プロセスNC140」
・パラフィン系オイル:JXTGエネルギー(株)製「プロセスP200」
・植物油1:カネダ(株)製「大豆油」、パルミチン酸11質量%、ステアリン酸4質量%、オレイン酸25質量%、リノール酸52質量%、リノレン酸7質量%、オレイン酸/リノール酸:0.48
・植物油2:カネダ(株)製「あまに油」、リノレン酸50質量%、リノール酸20質量%、オレイン酸18質量%、オレイン酸/リノール酸:0.9
・植物油3:カネダ(株)製「ひまわり油」、パルミチン酸4質量%、ステアリン酸3質量%、オレイン酸84質量%、リノール酸8質量%、オレイン酸/リノール酸:10.5
・シリカ:エボニックジャパン社製「UltrasilVN3」
・シランカップリング剤:エボニックジャパン社製「Si69」
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト3」
・酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製「酸化亜鉛2種」
・老化防止剤:住友化学(株)製「アンチゲン6C」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・ワックス:日本精蝋(株)製「OZOACE0355」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「5%油入微粉末硫黄」
・加硫促進剤1:住友化学(株)製「ソクシノールCZ」、スルフェンアミド系加硫促進剤
・加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製「ノクセラ−D」、グアニジン系加硫促進剤
・加硫促進剤3:三新化学工業(株)製「サンセラーZBE」、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤
得られた各ゴム組成物について加工性を評価するとともに、160℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて、耐摩耗性を評価した。各測定・評価方法は以下の通りである。
・加工性:JIS K6300に準拠して東洋精機(株)製ロータレスムーニー測定機を用い、未加硫ゴムを100℃で1分間予熱後、4分後のトルク値をムーニー単位で測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを意味する。
・耐摩耗性:JIS K6264に準拠し、岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用いて、荷重40N、スリップ率30%の条件で摩耗減量を測定し、測定値の逆数について、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど摩耗減量が少なく、耐摩耗性に優れることを意味する。
Figure 2021107499
結果は、表1に示す通りであり、比較例1と実施例1〜5との対比より、植物油を含有する場合、アロマ系オイルを含有する場合と比べて加工性及び耐摩耗性が改善したことがわかる。
比較例1と比較例2との対比より、パラフィン系オイルを含有する場合、アロマ系オイルを含有する場合と比べて耐摩耗性が悪化したことがわかる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、乗用車、ライトトラック・バス等の各種タイヤに用いることができる。

Claims (3)

  1. 芳香族ビニル−共役ジエン共重合体が水素添加された水添共重合体であって、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された重量平均分子量が30万以上であり、共役ジエン部の水素添加率が80モル%以上である水添共重合体を70〜100質量部含むゴム成分100質量部に対して、
    シリカ1〜150質量部と、
    植物油1〜50質量部とを含有する、タイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記植物油の構成脂肪酸100質量%中、オレイン酸とリノール酸とを合計で35〜95質量%含有する、請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いて作製した、空気入りタイヤ。
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