JP3931621B2 - 除毛装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、美容などの目的のために体毛を除去するのに使用される除毛装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
除毛装置の一つとしていわゆる電気かみそりがあるが、その除毛機能を発揮する刃部を本体ケーシングに対してスイングさせたりフローティングさせたりすることで、肌当たりや除毛性能の改善を図ったものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の上記の除毛装置においては、外刃の刃孔から導入した毛を刃孔の孔縁と外刃の内面に摺接する内刃とで切断するものであることから、刃部を肌に当てた時に切断される毛の量は、刃孔の開口面積でほぼ決まってしまうものであり、この点での除毛効率の向上については上記スイング構造やフローティング構造は殆ど意味をなしていない。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、実質的な刃孔の開口面積を増大させて除毛効率を増大させることができる除毛装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る除毛装置は、刃孔を有する外刃と、往復駆動されて上記外刃内面に摺接する内刃とを備えた除毛ヘッドを手で狭持できる本体ケーシングの一端に設けた除毛装置であり、上記内刃を往復駆動する駆動機構に加えて上記外刃を本体ケーシングに対して内刃の往復方向と同方向に周期移動させる周期移動機構を備えていることに特徴を有している。刃孔を有している外刃を周期移動させることで、刃孔の実質的な開口面積を増大させたものである。
【0006】
この時、駆動源に一端が接続された駆動伝達部が内刃駆動用の第1の偏心カムと、周期移動機構の駆動用の第2の偏心カムとを備えて上記駆動源で内刃駆動と周期移動とを行っているものとするのが好ましく、殊に第1の偏心カムの偏心量を第2のカムの偏心量より大として内刃の往復動ストロークを上記周期移動ストロークよりも大としておくことが好ましい。
【0007】
そして、外刃周期移動ストロークを外刃の桟幅以上で且つ刃孔径以下としておくのが好適である。
【0008】
内刃の駆動用の偏心カムと、周期移動機構の駆動用の偏心カムとは異なる駆動伝達ギアに設けて回転数を異ならせておくとよい。
【0009】
また外刃の周期移動による振動の単位時間当たり振動数は内刃の往復駆動による振動の単位時間当たり振動数よりも小としておくとよい。
【0010】
除毛ヘッドは本体ケーシングに対して着脱自在としておくのが好ましく、この場合、本体ケーシングに除毛ヘッドと異なる機能を備えた他の機能ヘッドを着脱自在としておくとよい。この時、除毛ヘッドと他の機能ヘッドとは本体ケーシング内の動力伝達系の共通のギアに接続するのが好ましく、また他の機能ヘッドが除毛もしくは脱毛機能を備えたものである場合、除毛ヘッドの内刃の往復駆動による振動の単位時間当たり振動数と、他の機能ヘッドの除毛もしくは脱毛機能における上記動力伝達系を介して駆動されることによる振動の単位時間当たり振動数とは異ならせておくのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施形態の一例に基づいて説明すると、図示例の除毛装置は手で把持することができるサイズに形成しているとともに駆動源であるモータ3を内蔵している本体ケーシング1上に、外刃S16と水平往復運動を行って外刃S16内面に摺接する内刃S10並びにトリマー組立品S17を備えている除毛ブロックS1を有する除毛ヘッド2Sを設けたものである。
【0012】
前面にスイッチSが配されている本体ケーシング1は図7及び図8に示すように前後に2つ割りした半割ケーシング7,7をビス7nにより接合したもので、上端開口部はモータ3や駆動伝達手段を保持して本体ケーシング1内に納められた基台8の上面部で閉じられており、本体ケーシング1の下端には給電用のプラグ9を備えている。なお、本体ケーシング1に電源である電池を内蔵したものであってもよい。
【0013】
上面部にフック連結部10を備えている上記基台8は、モータ内装用基台12とこれの側方開口部にビス131nで固定されるカバー13とからなるもので、モータ内装用基台12の下部のモータ内装部12aに下方からモータ3が嵌め込まれている。そして、カバー13で側方開口部が覆われたモータ内装用基台12の上部内の空間16には過負荷クラッチ18及びギア19が納められており、半割ケーシング7,7内の突起7d,7e間にモータ内装用基台12の支持枠25が嵌め込まれることで本体ケーシング1の内部に配されている。
【0014】
基台8に軸18jで取り付けられた過負荷クラッチ18は、図9に示すように、フェース歯車181と小歯車180とクラッチばね182とからなるもので、小歯車180は、嵌め込み部180aと鍔部180bとをその一端に備えているとともに、嵌め込み部180aの端面に位置決め突起180cとねじ螺合孔180dとを備えている。フェース歯車181は小歯車180の嵌め込み部180aが回転自在にはめ込まれる孔181aを備えたもので、孔181aの周囲には溝型の係止部181bを放射状に複数個形成してある。
【0015】
クラッチばね182は、周囲の複数箇所からばねアーム片182aを回転方向と反対方向に連出した板ばねであり、中央部には位置決め孔182cとねじ挿入孔182dを備えており、各ばねアーム片182aの先端部には係合突起182bを備えている。
【0016】
小歯車180の嵌め込み部180aをフェース歯車181の孔181aに回転自在にはめ込むとともに鍔部180bを孔181aの外方においてフェース歯車181の外面に当接させ、この状態で、嵌め込み部180aの端面の位置決め突起180cにクラッチばね182の位置決め孔182cを嵌め込んで位置決めし、ねじ挿入孔182dからねじ183を挿入して小歯車180のねじ螺合孔180dに螺合することでクラッチばね182を小歯車180に取り付けて、クラッチばね182の係合突起182bを係止部181bに弾性的に係止すれば、フェース歯車181に伝達された回転は、クラッチばね182を介して小歯車180に伝達される。そして、ある設定されたトルク以上の動力が伝達されたときには、クラッチばね182に設けた係合突起182dが係止部181bから外れて、小歯車180に対してフェース歯車181が空回りするものであり、このために、ギアに毛を挟んだり、異物をかみ込んでロックしたときにモータ3のトルクを途中で遮断することができて、駆動伝達部の損傷を防止できるものである。
【0017】
モータ内装部12aに装着されたモータ3の出力軸3aは、モータ内装用基台12の孔12bを通じて空間16内に位置し、この部分にピニオン17が固着され、該ピニオン17が上記フェース歯車181に噛み合っている。また、軸19jにより軸支されて基台8の上面部に臨んでいるギア19は、上記小歯車180と噛み合っている。従ってモータ3の回転は、ピニオン17及び過負荷クラッチ18を介してギア19に伝達され、このギア19を通じて後述の除毛ブロックS1の内刃S10などの駆動が行われる。
【0018】
基台8の上面のフック連結部10は、モータ内装用基台12の上面部中央部に設けたトンネル用突部10aと、一対のスライド枠26,26とからなるもので、トンネル通路を有しているトンネル用突部10aの上面部には孔15bを設けてある。
【0019】
平面視略矩形をした各スライド枠26は、その外側片部から外側方に向けて操作部26aを突設し、内側片部の内面に支持フック261bを突設し、内側片部の上方にストッパ用突部26bを上方に向けて突出したもので、トンネル用突部10aのトンネル通路内にスライド自在にはめ込むとともにストッパ用突部26bを孔15b内にスライド自在に係合させることで、トンネル用突部10aに装着される。ストッパ用突部26bが孔15bの縁に当たることで抜け止めされた一対のスライド枠26,26間には、トンネル通路内においてスプリング26dを介装してあり、該スプリング26dによって両スライド枠26,26は外側に向けて弾性付勢される。そして両スライド枠26の操作部26aは本体ケーシング1に設けた孔7fを通じて本体ケーシング1の外側方に突出する。
【0020】
次に基台ブロック15Sと除毛ブロックS1とからなる除毛ヘッド2Sについて説明すると、除毛ブロックS1は図4及び図5にも示すように、基台S3と基台S9、基台カバーS11、フレームS15、外刃S16、内刃S10、駆動子S8等からなるもので、上記基台S3は図6にも示すようにその上方に開口した凹所S3h内にフェースギアS5aを備えて軸S4aによって水平軸回りに回転自在とされた歯車S5と、軸S4bにより鉛直軸回りに回転自在となっている歯車S6とを配したもので、偏心カムS7aを備えた歯車S7が軸S4cにより鉛直軸回りに回転自在に取り付けられている。そして上記歯車S5のフェースギアS5aが歯車S6と噛み合っており、歯車S6は歯車S7と噛み合っている。このために歯車S5の水平軸回りの回転は歯車S7の鉛直軸回りの回転に変換される。
【0021】
孔部S9cを設けた基台S9はネジS10aによって基台S3上に取り付けられた時、上記歯車S7の偏心カムS7aが孔部S9cより上方に突出する。
【0022】
駆動子S8はその両端の固定片S8aが基台S9に設けられた凸部S9a上端の固定部S9bに固定され、この時、駆動子S8が備える連結部S8bが上記偏心カムS7aの偏心ピンと係合する。この係合により、歯車S7の水平回転が駆動子S8の水平往復運動へと変換される。
【0023】
基台カバーS11は上記の基台S3と基台S9と駆動子S8とを覆うもので、ネジS10aにより基台S9に固定され、駆動子S8の駆動用凸部S8cを基台カバーS11が備える中央孔部S11aより上方に突出させる。この孔部S11aには基台カバーS11内への毛の侵入を防ぐため、環状のゴムS12が基台カバーS11と押さえ板S13に挟まれる形で取り付けられている。押さえ板S13はネジS10bにより基台カバーS11に固定されており、駆動子S8の駆動凸部S8cはゴムS12の孔部S12aより上方に突出する。
【0024】
内刃S10はその中央下端の被連結部S10aを駆動子S8の駆動突部S8cの係合部S8dに係合させることで駆動子S8に取り付けられて、駆動子S8とともに水平往復運動を行う。
【0025】
フレームS15は基台カバーS11に設けた図1に示すフックS11bがフレームS15のフックS15dに係合することと、基台カバーS11に配した着脱釦S14のフックS14aがフレームS15のフック掛かり部S15a(図5参照)に係合することで、左右2箇所で基台カバーS11に対して連結されるもので、ばねS150に抗して着脱釦S14を押し込んでフックS14aをフック掛かり部S15aから外すことにより、フレームS15を取り外すことができるようになっている。
【0026】
多数の刃孔を備えたフォイル状の外刃S16は、その端部の孔部S16aをフレームS15に設けた凸部S15bに係止することでフレームS15に取り付けられて、水平往復運動を行う内刃S10が内面に接触する。
【0027】
トリマー組立品S17は、図5に示すように、トリマー可動刃S19、トリマー固定刃S20、トリマー刃基台S21、トリマー駆動板S22、押さえばねS23等で構成されたもので、トリマー駆動板S22は板部S22cが2枚の薄板部S22dで支持されて、板部S22cが水平方向に可動する。孔部S20aを設けたトリマー固定刃S20は、その孔部S20aがトリマー駆動板S22の凸部S22aに係止することでトリマー駆動板S22に取り付けられる。この時、トリマー駆動板S22の板部S22cに設けた凸部S22eがトリマー固定刃S20に設けた孔部S20bから突出して、先端をトリマー可動刃S19の孔部S19bとが嵌合する。このトリマー可動刃S19は、長孔部S19aとトリマー駆動板S22に設けた凸部S22aによりトリマー駆動板S22に対して位置決めされ、トリマー駆動板S22の板部S22cの水平往復運動によリ長孔部S19aをガイドとして水平往復運動を行う。押さえばねS23はトリマー刃基台S21に位置決めされており、トリマー可動刃S19は、押さえばねS23に設けられている4本のばね部S23aによって常時トリマー固定刃S20に向けて付勢されている。トリマー刃基台S21は、そのフックS21aをトリマー駆動板S22のフック掛かり部S22bに係止することでトリマー駆動板S22に取リ付けられて、トリマー可動刃S19とトリマー固定刃S20とが外れるのを防止している。
【0028】
図中S18はトリマー操作用の釦で、この釦S18はその突部S18aをフレーム15の長孔S15cを通じてトリマー駆動板S22の孔部S22fに係止することで、フレームS15を挟んだ状態でトリマー組立品S17に連結され、釦S18の操作によってトリマー組立品S17は上下にスライドする。
【0029】
そして、トリマー組立品S17を上方にスライドさせた時、駆動子S8に装着したトリマー駆動子S24(図2,図4参照)の係合部S24aがトリマー駆動板S22の板部S22cに設けた被係合部S22fに係合して、駆動子S8の水平往復運動がトリマー駆動子S24を介してトリマー駆動板S22の板部S22cに伝達される。
【0030】
基台ブロック15S(図1及び図2においては15で示す:以下の括弧内の番号も図1及び図2中の番号)は図3及び図6に示すように、基台ブロックカバー155S(155)に内装される基台本体15Sa(15a)の上方に開口した凹所15Sh内にギア15Sc(15c)の軸105Sj(105j)の両端部を軸支するとともに、偏心カム15Sg(15g)を備えた歯車15Se(15e)を軸15Sf(15f)により水平回転自在に取り付けたもので、ギア15Sc(15c)にはフェースギア15Sdを一体に設けて、該フェースギア15Sdを歯車15Se(15e)に噛合させている。
【0031】
基台ブロック15S(15)とその上方に配される前記基台S3とは、基台本体15Sa(15a)の凹所15Sh内に基台S3の下面から突出するリブS3aを挿入して、リブS3aに設けた孔S3aaにそれぞれスライドガイド軸15Sj(15j)を遊挿してスライドガイド軸15Sj(15j)の両端部を基台本体15Sa(15a)で支持することで連結したもので、リブS3aはスライドガイド軸15Sjの軸方向(水平方向)に移動自在となっている。また、リブS3aに設けたばね受けS3abと凹所15Shの内面部との間にばね15Skを介装して、このため除毛ブロックS1を基台ブロック15Sに対して水平方向に往復移動自在としてあり、また両方のばね15Skによるばね付勢で除毛ブロックS1が基台ブロック15Sの中央に位置するように設定してある。
【0032】
また、基台ブロック15S(15)に基台S3を連結した時、基台ブロック15S(15)側の上記偏心カム15Sg(15g)が基台S3の下面中央に位置するカムフォロアS3bと係合し、偏心カム15Sg(15g)の回転に伴って基台ブロック15S(15)に対して基台S3を往復駆動する。
【0033】
このように、基台ブロック15S(15)に対して除毛ブロックS1を往復移動自在に取り付けている除毛ヘッド2Sは、基台ブロック15S(15)の基台本体15Saの下面に設けたフック11,11を本体ケーシング1のフック連結部10に連結することで本体ケーシング1に取り付けられる。この取り付けは、操作部26aを押した状態で脱毛ヘッド2の下面の一対のフック11を夫々両スライド枠26の矩形状をした開口内に嵌め込み,この状態で操作部26aの押圧を解除することでスプリング26dのばね力により両スライド枠26が外側に移動して支持フック261bを上記フック11に係止することでなされるものであり、このように脱毛ヘッド2を本体ケーシング1に対して取り付けた状態では大歯車部と小歯車部とを有している歯車19の小歯車部がギア15Sc(15c)に噛み合う。除毛ヘッド2Sを取り外すに当たっては、上記と逆に操作部26aを押すことで支持フック261bをフック11から外すことができるので、この状態で除毛ヘッド2Sを引き離せばよい。
【0034】
今、本体ケーシング1に除毛ヘッド2Sを装着した状態でモータ3を回転させたならば、歯車18,19と歯車15Sc(15c)とを介して歯車15Se(15e)が回転することにより、偏心カム15Sg(15g)に基台S3のカムフォロアS3bを係合させている除毛ブロックS1が水平方向に往復移動する。
【0035】
一方、上記歯車15Sc(15c)は歯車S5にも噛合していることから、モータ3の回転は歯車S5から歯車S6、歯車S7を介して偏心カムS7aを回転させ、偏心カムS7aに係合する駆動子S8及び内刃S10を水平方向に往復移動させる。このとき、偏心カムS7aの偏心量は偏心カム15Sg(15g)の偏心量よりも大きくしており、また歯車S7の回転数が歯車15Se(15e)の回転数よりも多くなるように各減速比を設定してある。
【0036】
外刃S16と往復駆動される内刃S10とを備えた上記除毛ヘッド2Sでは、外刃S16の刃孔から導入した毛を刃孔の孔縁と内刃S10とで切断するが、この時、除毛ブロックS1は上述のように水平方向に往復振動する。この往復振動は、刃孔の位置を連続的に変化させることから、実質的に刃孔の開口面積を大きくしたのと同等の効果をもたらすものであり、このために毛の導入効率及び切断効率を高める。もっとも、刃孔からいったん導入した毛を切断してしまう前にその移動で毛が刃孔から抜け出てしまっては意味がないことから、除毛ヘッド2Sの周期移動ストロークは外刃S16の刃孔間の桟幅以上で且つ刃孔径以下としておくのが好ましく、また、周期移動の単位時間当たりの振動数は内刃S10の単位時間当たりの振動数より少なくしておくのが好ましい。
【0037】
そして、この除毛装置においては、前述のように除毛ヘッド2Sを取り外すことができるようになっているが、図10〜図13は、上記除毛ヘッド2Sに代えて回転シリンダー4を備えた脱毛ヘッド2を上記本体ケーシング1に装着した状態を示している。上記回転シリンダー4には開閉して毛を挟持する複数の爪5a,6a,36,37で構成した脱毛手段を設けており、回転シリンダー4の軸回り回転に伴って脱毛手段が毛を挟持して引き抜くものとなっている。
【0038】
脱毛ヘッド2は基台ブロック15と脱毛ブロック24とからなるもので、脱毛ブロック24は、図17及び図18に示すように、脱毛手段を備えた回転シリンダー4と、この回転シリンダー4を支持するシリンダー取り付け基台27及びシリンダーカバー28と、カム29、保持ばね30、ヘッドフレーム31、そして図16に示すベース300とからなる。
【0039】
シリンダー取り付け基台27とその一端部に取り付けられるシリンダーカバー28とは、夫々から上方に向けて突出させた突出支持部27a,28aに設けている軸孔部28bによって、回転シリンダー4に挿通されている軸4bの両端部を支持することで、回転シリンダー4をその軸回りに回転自在に保持しているもので、上記突出支持部27a,28aには夫々角孔状をしたカム挿入孔27c,28cと、カム挿入孔27c,28cの上下縁部に位置する軸支持溝27d,28dとを形成してある。そして、ローラ型のカム29を夫々カム挿入孔27c,28cに嵌め込むとともに、各カム29に挿入したローラ軸29aの上下両端部を軸支持溝27d,28dに嵌め込んで、カム29を水平回転自在に支持している。なお、カム29の一部はカム挿入孔27c,28cから内側に突出している。
【0040】
また、突出支持部27a,28aの外側には保持ばね30を取り付けてある。保持ばね30は、基部の孔30aに挿通するビス301でシリンダー取り付け基台27とシリンダーカバー28に固定したもので、その上部には孔部30bを備えており、この孔部30bの上下縁部で上記ローラ軸29aの上下両端を弾性的に押圧している。孔部30bはカム29に対応させたもので、カム29が保持ばね30に接触することがないようにしている。
【0041】
ベース300の上面にビス301で固定されているシリンダー取り付け基台27とシリンダーカバー28の両端外面には、ばね280によって外側へ付勢された釦281を配設してある。この釦281は、フレーム31を着脱するためのフック281aを備えたものであり、釦281を押し込めばフック281aがフレーム31のフック掛かり部31aから外れて、フレーム31を取り外すことができる。
【0042】
また、シリンダー取り付け基台27のシリンダーカバー28側には凹欠部27iを設けて、ここに駆動用歯車40を配置してある。両端部がシリンダー取り付け基台27とシリンダーカバー28とで軸支される軸40jで支持された該駆動用歯車40は、回転シリンダー4が備えるギア41gと噛合するとともに、基台ブロック15が備えるギア15cと噛合する。
【0043】
基台ブロック15は図16及び図19に示すように、基台ブロックカバー155に内装された基台本体15aと、基台本体15aの外周を囲む基台カバー155と、基台本体15aの上方に開口した凹所15h内に配したギア15c及び歯車15eとからなるもので、上下方向の軸15fによって支持された歯車15eは、水平方向の軸105jによって支持されたギア15cが備えているフェースギア部に噛み合うもので、偏心カム15gを一体に備えている。
【0044】
脱毛ブロック24は、この基台ブロック2上に配設されるものであり、脱毛ブロックのベース300の下面に設けられて上記凹所15h内に位置するリブ27Aが備える孔27Abに基台本体15aを貫通するスライドガイド軸15jを挿通することで、ベース300を、つまりは脱毛ブロック24をスライドガイド軸15jの軸方向にスライド自在に装着している。
【0045】
また、各リブ27Aに設けたばね受け27Aaと凹所15hの両端部内面との間にばね15k,15kを夫々介装してあり、このために脱毛ブロック24は基台ブロック15に対して回転シリンダー4の軸方向に往復移動自在となっているとともに、両方のばね15kによるばね付勢で脱毛ブロック24は基台ブロック15の中央に位置するようにしてある。
【0046】
また、ベース300の下面の中央には凹部27Bを設けているが、この凹部27Bに偏心カム15gが係合する。偏心カム15gが偏心回転する時、偏心カム15gは凹部27Bの内側面を押してばね15kのばね力に抗して基台ブロック15を往復動させるものであり、このために凹部27Bの回転シリンダー4の回転軸と直交する方向の巾は偏心カム15gの偏心量の倍以上として回転軸と直交する方向には移動しないようにしてある。
【0047】
ここで、偏心カム15gの回転により周期的に往復動する脱毛ブロック24を付勢している両側のばね15k,15kは、往復運動の端点での慣性力を吸収するものであり、衝突を防いで衝突音等の騒音を小さくする。
【0048】
このように、基台ブロック15に対して回転シリンダー4の軸方向に脱毛ブロック24を往復移動自在に取り付けている脱毛ヘッド2は、基台ブロック15の基台本体15aの下面に設けたフック11,11を本体ケーシング1のフック連結部10に連結することで本体ケーシング1に取り付けられる。この取り付けは、操作部26aを押した状態で脱毛ヘッド2の下面の一対のフック11を夫々両スライド枠26の矩形状をした開口内に嵌め込み,この状態で操作部26aの押圧を解除することでスプリング26dのばね力により両スライド枠26が外側に移動して支持フック261bを上記フック11に係止することでなされるものであり、このように脱毛ヘッド2を本体ケーシング1に対して取り付けた状態では大歯車部と小歯車部とを有している歯車19の小歯車部がギア15cに噛み合う。脱毛ヘッド2を取り外すに当たっては、上記と逆に操作部26aを押すことで支持フック261bをフック11から外すことができるので、この状態で脱毛ヘッド2を引き離せばよい。
【0049】
次に脱毛ブロック24における回転シリンダー4について説明すると、この回転シリンダー4は図21及び図22に示すように、一対の略円筒部材41a,41bを軸方向に連結することで形成されたもので、その外周面には周方向に複数箇所(図示例では45°の間隔を置いて8箇所)の凹部4aを備えて、各凹部4a内に脱毛用主体ユニット32が嵌め込まれている。
【0050】
ここにおける脱毛用主体ユニット32は、図23に示すように、支点板33と、複数(図示例では4枚)の可動爪5a,6aと、支点止め部材34,35と、固定爪36,37とからなるもので、この固定爪36,37は、夫々2枚を一組として一体に形成したものとなっている。
【0051】
支点板33は支点止め部材34,35の嵌め込み用の角孔33a,33bと、可動爪嵌め込み用の角孔33cとを備えており、支点止め部材34,35の下面に設けた突起34a,35aを固定爪36,37に設けた孔36a,37aを通じて、支点板33の角孔33a,33bに圧入固定することで、固定爪36,37の固定も同時に行う。固定爪36,37を2つ1組とすることで組立を簡単にしているものであり、特に回転シリンダー4の周方向に脱毛用主体ユニット32を複数配置する場合、回転軸と直交する長さを小さくすることができるために、回転シリンダー4の外径も小さくすることができる。
【0052】
可動爪5a,6aは両端の突起5b,6bを支点止め部材34,35の両端に設けたリブ34c,35cにフック係合することで固定爪36,37の脇に組み付けられる。この時、2枚1組が一体に形成された固定爪36,37に対して、可動爪5a,6aは1枚ずつ独立したものを用いるとともに、一体となっている2枚の固定爪36,37に対しては、同じ側に可動爪5a,6aが位置するように、1枚の可動爪5a,6aは固定爪36,37の孔36a,37a内に位置させる。
【0053】
上記のように一つのユニットとして組み立てられた脱毛用主体ユニット32は、回転シリンダー4の各凹部4aに嵌め込むとともに、凹部4aの一方の端に設けた孔4bから挿入した軸41を,支点止め部材34,35の孔34d,35dと4枚の可動爪5a,6aの各孔5a1,6a1とに挿通して、該軸41の先端部を他端の回転シリンダー41bの孔4b1に嵌め込むことで、凹部4aに装着される。
【0054】
また、回転シリンダー4における一方の回転シリンダー41aの軸方向の端面には図21に示すように周方向に複数の孔4cを形成して、これらに開閉レバー38a,38b,38c,38dと開閉レバー39a,39b,39c,39dとを周方向において交互に挿入してある。なお、開閉レバー38a,38b,38c,38dの端部の押圧部381a,381b,381c,381dは、開閉レバー39a,39b,39c,39dの端部の押圧部391a,391b,391c,391dよりも回転シリンダー4の内周側に位置している上に、周方向において両端部が夫々押圧部391a,391b,391c,391dの端部と重なるようにしてある。また、他端の回転シリンダー41bにも図22に示すように複数の孔4cを周方向に設けて、開閉レバー39a,39b,39c,39dと開閉レバー38a,38b,38c,38dとを前述と同様に交互に挿入してある。
【0055】
そして、各開閉レバー38a,38b,38c,38d,39a,39b,39c,39dには、回転シリンダー4の各凹部4aに脱毛用主体ユニット32を装着した時、可動爪5a,6aの突片5c,6cが係合することになる溝382a,382b,382c,382d,392a,392b,392c,392dを設けてある。このとき、回転シリンダー41a側から挿入した開閉レバーは可動爪6aの突片6cと係合し、回転シリンダー41b側から挿入した開閉レバーは可動爪5aの突片5cと係合する。
【0056】
また、回転シリンダー4の軸方向の両端面と開閉レバー38a,38b,38c,38d,39a,39b,39c,39dの押圧部との間には、板ばねで形成した復帰ばね370を配置してある。回転シリンダー41a,41bの中心部に設けた突起4dと係合する位置決め用の孔を中心部に備えた上記復帰ばね370は、図21,22及び図24に示すように、略コ字状をした4本のばね片370aを一体に備えて、これらばね片370aが開閉レバー38a,38b,38c,38d,39a,39b,39c,39dを回転シリンダー4の軸方向外側に向けて付勢している。
【0057】
ばね片380aを略コ字状とすることでばねの有効長さを大きくしているために、開閉レバーを前記カム29で押圧する際のばね反力を小さくすることができて低負荷で効率の良い回転シリンダー4とすることができるものであり、またばね片370aは根元から先端にかけて開閉レバー側に螺旋状に曲げており、このために開閉レバーの移動量を大きくとることができえ、可動爪5a,6aの固定爪36,37に対しての開き量も大きくすることができる。
【0058】
ここで、一つのばね片370aは、隣り合う2つの開閉レバー38b,39dを外側に押し、またばね片370aは開閉レバー38c,39aを押すものであり、このために4本のばね片370aを一体に有している復帰ばね370で、組み込まれた全ての開閉レバー38a,38b,38c,38d,39a,39b,39c,39dを外側へ付勢している。
【0059】
そして、開閉レバーを外側から押す力が作用しないとき、可動爪5a,6aはその突片5c,6cが外側に押されることで支点板33の角孔33cの孔縁を支点として回動して支点止め部材34に位置決めされた固定爪37,36から離れ、また、開閉レバーの押圧部381a,381b,381c,381d,391a,391b,391c,391dに外側から外力が加わると、可動爪5a,6aはその突片5c,6cが内側に押されることで支点板33の角孔33cの孔縁を支点として回動して固定爪36,37に押し当てられる。このように、回転シリンダー4の軸方向端面に板ばねからなる復帰ばね370を配置して、全ての開閉レバーを復帰ばね370で外側へ付勢しているために、組立易く且つ安価な回転シリンダー4を得ることができるものとなっている。
【0060】
ここにおいて、脱毛用主体ユニット32は、2組4枚の固定爪36,37と4枚の可動爪5a,6aとによって、毛を挟持して引き抜くための脱毛爪を都合4個備えたものとなっているのであるが、2組4枚の固定爪36,37は図15及び図25から明らかなように回転シリンダー4の軸方向において等間隔となるようにしていることから、毛を挟持する際の位置のバランスが良くて脱毛効率が高くなっており、また回転シリンダー4の周方向に設けた各爪列の脱毛爪の把持位置が等間隔になっているので、狙った毛が抜き易くて脱毛効率の良い回転シリンダー4とすることができる。
【0061】
また、ここで示した構成のものは、開閉レバーの移動で総計4個の脱毛爪の可動爪5a,6aを固定爪36,37に対して同時に接近・離間させることができるものの、部品構成が簡単であり、組み立て性も良好である。
【0062】
さらに、2枚で一組となっている各固定爪36,37は夫々同じ開閉レバーに係合する可動爪5a,6aとの間で開閉動作を行うが、各固定爪36,37は弾性部36b,37b(図23参照)を夫々備えており、このために可動爪5a,6aが固定爪36,37に押圧される際の部品精度による把持強度のばらつきが少なくなっている。すなわち、可動爪6aの一方の把持強度が強くても、固定爪36が押圧方向において弾性変形することで、他方の可動爪6aの把持強度と吊り合わせるものであり、この結果、毛の抜き残しが無くて脱毛効率が良いものとなっている。このとき、2個一組の固定爪36,37をばね性のある金属部品で形成すると、安価である上に毛の把持も確実なものとすることができる。
【0063】
加えるに、回転シリンダー4に設けた各凹部4aは、軸方向において全てずれた位置に設けているために、凸部4aに嵌め込んだ脱毛用主体ユニット32も軸方向において全てずれた位置に配設されており、このために図26に示すように脱毛爪(開閉される固定爪36,37と可動爪5a,6aとの対)も、周方向において一直線上に並ぶのではなく、軸方向にずれた位置にある。この状態で、前述のごとく1回転での把持位置が等間隔となっているため、抜き残しのない脱毛効率の良い回転シリンダー4とすることができる。
【0064】
なお、上記支点止め部材34,35は皮膚保護部材としての役割を持たせるためにその上面部に、可動爪5a,6a及び固定爪36,37が直接肌に当たることを防ぐ半円形状の円弧部34b,35bを備えている。可動爪5a,6a及び固定爪36,37が直接肌に当たって生じる肌の削れ等を防止しているものである。
【0065】
脱毛ヘッド2を本体ケーシング1に取り付けた状態でモータ3を駆動すれば、前述のように過負荷クラッチ18とギア19とを介してギア15cに回転が伝達され、さらにギア15cの回転が駆動用歯車40を介してギア41gに伝達されて回転シリンダー4が回転する。
【0066】
回転シリンダー4が回転して、図15に示すようにカム29の位置にきた開閉レバー38a,38b,38c,38d,39a,39b,39c,39dは、カム29に押されて復帰ばね370aに抗して内側に押され、開閉レバーが可動爪5a,6aの下部の突片5c,6cを内側に押す。
【0067】
下端部が内側に押されて回転する4枚の可動爪5a,6aは、夫々固定爪36,37に押し当たるものであり、可動爪5a,6aと固定爪36,37との間に導入された毛は挟持される。そして、この毛を挟持した状態で回転シリンダー4がさらに回転することで毛が引き抜かれる。また、回転シリンダー4の回転により次の開閉レバーがカム29の所に至ってカム29により押圧され、上記と同様に毛を挟持して引き抜く。
【0068】
ここで、図20と図23と図26に示すように、固定爪36,37の回転方向先端部36c,37cは軸方向で外側に曲げられており、可動爪5a,6aの回転方向先端部5d,6dは固定爪36,37の先端部36c,37cとは対称に曲げられているため、特に長い毛を挟持部へと導入しやすくなっており、導入効率が高く、毛の抜き残しが少なくなっている。
【0069】
図20に示すように,周方向に1つ置きに設けた開閉レバー38a,38b,38c,38dの押圧部381a,381b,381c,381dの両端部が開閉レバー39a,39b,39c,39dの押圧部391a,391b,391c,391dの端部と周方向において重なっていることから、毛を挟持するのに寄与した開閉レバーの押圧部の回転方向の後端部をカム29が押圧しているとき、次の開閉レバーの押圧部の前端部もカム29で同時に押圧するものであり、このため、爪5a,6a,36,37を回転シリンダー4の周方向に複数配置しているにもかかわらず、毛を挟時して引き抜く距離が長くなっている。
【0070】
また、開閉レバー38a,38b,38c,38dの押圧部381a,381b,381c,381dと開閉レバー39a,39b,39c,39dの押圧部391a,391b,391c,391dの回転方向の両端には、斜面388a,399aを設けて、隣り合う開閉レバーの斜面388a,399aを交差させているために、負荷変動を抑えることができ、回転シリンダー4の回転による騒音も抑えることができるものとなっている。
【0071】
加えるに、回転シリンダー4が回転して脱毛を行っている時、ギア15cから歯車15eにも回転が伝達されて偏心カム15gが回転し、この回転で前述のように脱毛ブロック24が基台ブロック15に対して回転シリンダー4の軸方向に周期的に往復移動する。
【0072】
この往復移動により、脱毛ブロック24の回転シリンダー4に設けた固定爪36,37と可動爪5a,6aとによる毛の挟持位置が変化するために、肌の全面の毛を抜くことができるものである。
【0073】
図28〜図36は本体ケーシング1に装着される他の脱毛ヘッド2Wを示しており、基台ブロック15Wと脱毛ブロック24Wとからなる該脱毛ヘッド2Wは、2つの回転シリンダー4W,4Wと、シリンダー取り付け基台27wと、シリンダーカバー28w、カム29w、保持ばね30W、ヘッドフレーム31W等で構成されている。
【0074】
シリンダー取り付け基台27wの突出支持部27aw,28awには夫々角孔状をしたカム挿入孔27cw,28cwを設けて、カム挿入孔27cw,28cwの左右縁部に軸支持溝27dw,28dwを形成してあり、そしてローラ型のカム29wを夫々カム挿入孔27cw,28cwに嵌め込むとともにカム29wに通した軸29awの上下両端部を軸支持溝27dw,28dwに嵌め込み支持することで、カム29wを回転自在としてある。ここでカム29wの一部はカム挿入孔27cw,28cwから内側に突出している。
【0075】
突出支持部27aw,28awの外側には保持ばね30Wを配して、該保持ばね30Wに設けた孔30awに通したねじ301でシリンダー取り付け基台27wとシリンダーカバー28wに固定してある。保持ばね30Wの上部には孔部30bwが形成してあり、この孔部30bwの左右縁部が上記軸29awの両端を弾性的に押圧している。また、保持ばね30Wの中央上部に設けた凸部30cwはシリンダー取り付け基台27wとシリンダーカバー28wとに夫々設けられている凹部27ew,28ewに挿入されて組み立てられることで取り付け位置が決められている。
【0076】
シリンダー取り付け基台27wと、シリンダーカバー28wには、複数個の駆動伝達歯車を配置してある。一方の回転シリンダー4Wに設けた歯車60wは歯車20Wを介して駆動歯車22Wが噛み合っており、もう一方の回転シリンダー4Wに設けた歯車60wは歯車20W及び歯車21Wを介して駆動歯車22Wが噛み合っている。つまり、駆動歯車22Wの回転により、両回転シリンダー4W,4Wは互いに逆方向に回転する。
【0077】
シリンダー取り付け基台27wとシリンダーカバー28wとは夫々に設けた固定片27fw,28fwの穴27gw,28gwと基台カバー300Wに設けた孔300awとをねじ301で結合することで連結される。この時、前述の保持ばね30Wも基台カバー3 00Wに取り付けられる。
【0078】
基台カバー300Wはその左右に設けた孔300bwとヘッドフレーム31wの下部内側左右に設けたねじボス31awとがねじ301によりねじ締めされることで、ヘッドフレーム31wに固定される。また、ヘッドフレーム31wには、回転シリンダー4W、4Wの上部を臨ませる開口部を上部に備えているが、この開口部の左右両側には肌との摩擦抵抗を減らしてスムーズに肌をすべるようにするための凹部が溝31bwとして形成してある。
【0079】
基台ブロック15Wは図32に示すように、基台ブロックカバー155Wに内装されるとともに相互にねじ302で固定される基台本体15awと基台本体カバー15bwとの間に連結ギア15cwと中間ギア15dwとを夫々の軸の両端部を軸支して配置したもので、中間ギア15dwにはフェースギア15hwが一体に設けてある。さらに、基台本体15awには偏心カム15gwを設けた歯車15ewを軸15fwにより水平回転自在に取り付けてあり、フェースギア15hwが歯車15ewに噛み合っている。
【0080】
基台カバー300Wに設けたリブ27Awは、基台本体15awと基台本体カバー15bwとの上方に開口した凹所内に挿入され、リブ27Awの孔27Abwに遊挿された一対の軸15jwの両端部が基台本体15awと基台本体カバー15bwとに支持されており、リブ27Awが、つまりは基台カバー300Wが回転シリンダー4Wの軸4bwと平行な方向にスライド自在となっている。また、リブ27Awに設けたばね受け27Aawと、基台本体カバー15bwの凹所の内面部との間に夫々ばね15kwを介装してあり、このために脱毛ブロック24Wは基台ブロック15Wに対して回転シリンダー4Wの軸方向に往復移動自在となっていると同時に、ばね15kwによる付勢で脱毛ブロック24Wが基台ブロック15Wに対してがたつくことがないようになっている。
【0081】
このように脱毛ブロック24Wを基台ブロック15Wに対して往復移動自在に取り付けた状態では、中間ギア15dwが駆動用歯車22Wと噛み合っている。また、偏心カム15gwが基台カバー300Wの下面部に設けた凹部27Bwに係合し、偏心カム15gwが偏心回転することで偏心カム15gwが凹部27Bwの回転シリンダー4Wの軸方向4bwの内側面を押してばね15kwのばね力に抗して基台ブロック15Wを往復動させることができるようになっている。
【0082】
ここで、凹部27Bwの回転シリンダー4Wの回転軸4bwと直交する方向の幅は、偏心カム15gwの偏心量の倍以上となっているために、回転軸4bwと直交する方向に移動することはなく、また、脱毛ブロック24Wは軸15jwを移動の際のガイドとして軸方向に往復移動する。そして、この時の脱毛ブロック24Wの移動量は脱毛ブロック24の移動量に比べて少なくなるように上記偏心カム15gwの偏心量を設定してある。
【0083】
このように2つの回転シリンダー4W,4Wを備えるとともにこれらの軸方向に回転シリンダー4W,4Wが往復移動するようになっている脱毛ヘッド2Wは、前述の脱毛ヘッド2の場合と同様の構成により、本体ケーシング1に対し着脱自在となっている。
【0084】
また、ここにおける回転シリンダー4Wは、図34に示すように、略円筒部材56wに周方向において180°ずれた位置に夫々爪列を配置したもので、各爪列は複数の可動爪3Wと複数の固定爪116Wが一体となった固定爪ブロックと、支点板118Wと開閉レバー68W,67Wとで構成してある。
【0085】
固定爪ブロック117Wは各固定爪116Wが支点板118Wの桟118aw間の穴118bwに位置するように組立てられ、桟118awと固定爪116Wの間に可動爪3Wが挿入される。ここで、可動爪3Wは固定爪116Wに設けた凸部117bwを支点として開く。支点板118Wの図中118ewbは固定爪ブロック117Wの側枠117awの位置決め抜け止め部である。
【0086】
可動爪3Wはその下端の凸部3awが交互になる様に桟118awと固定爪116W間に組み込まれて、一つ置きの可動爪3Wが同じ開閉レバー67W(または開閉レバー68W)の溝67aw(または溝68aw)に組み込まれる。この爪列は回転シリンダー4Wの軸方向の開口部56awより組み込むものであり、可動爪3Wの抜け止めはその左右に設けた突部3bwが回転シリンダー4Wのリブ56cwに受けられることでなされる。図中115Wは爪列の軸方向抜け止め用の端部板であり、回転シリンダー4Wに設けたボス56bWが端部板115Wの穴115bwに挿入されシールされる。
【0087】
可動爪3Wの開閉用の開閉レバー67W,68Wの往復動は、前述のローラ型のカム29wと開閉プレート120wとによって行われる。開閉プレート120wは上下にフック120bwを備えて、このフック120bwが上下の爪列の開閉レバー67W,68Wの溝67cw,68cwに嵌め込まれるものであるとともに、一対の突起120cwを備えて、この突起120cwが揺動支点となってどちらか一方の爪列の開閉レバー67Wがカム29wによって閉じると、他方の爪列の開閉レバー68Wが開くようになっている。
【0088】
以上のように構成された脱毛ヘッド2Wは、本体ケーシング1に装着されたモータ3の駆動がなされた時、過負荷クラッチ18及びギア19を介して連結ギア15cwが回転し、連結ギア15cwの回転が中間ギア15dwを経て駆動歯車22Wへと伝達され、駆動歯車22Wから歯車20Wを経て一方の回転シリンダー4Wに回転が伝達される。また、駆動歯車22Wから歯車21Wと歯車20Wとを経て他方の回転シリンダー4Wが上記一方の回転シリンダー4Wと逆方向に回転駆動される。
【0089】
なお、本体ケーシング1におけるギア19には、大歯車部と小歯車部とを設けてあり、脱毛ヘッド2の装着時にはギア19の小歯車部を通じて回転シリンダー4に回転が伝達されるが、脱毛ヘッド2Wを装着した時には、ギア19の大歯車部を通じて回転シリンダー4W,4Wに回転が伝達されるようにしてある。
【0090】
そして、回転シリンダー4Wが回転する時、開閉レバー67W,68Wの押圧部67aw,68awがカム29wに当る位置にくると、カム29wより開閉レバー67W,68Wが内側に押されて、開閉レバー67W,68Wの溝67aw,68awで可動爪3Wの下部の凸部3awを押すと、可動爪3Wは支点板118Wの桟118awを支点にして回転し、可動爪3Wの上部が固定爪116Wに押し当たって閉じる。このために可動爪3Wと固定爪116Wの間に導入された毛は挟持されることになる。そして、この毛を挟持した状態で回転シリンダー4Wが回転することで毛が引き抜かれる。可動爪3Wの一方の先端部を固定爪116Wに対し回転軸4bw方向反対側に曲げているのは、長い毛を挟持部へと導入しやすくして導入効率を高め、毛の抜き残しを少なくするためである。
【0091】
また、回転シリンダー4Wの回転駆動と平行して、中間ギア15dwがフェースギア15hwを介して歯車15ewを駆動し、歯車15ewが回転することで歯車15ewに設けた偏心カム15gwが脱毛ブロック24Wを本体ケーシング1に取り付けた基台ブロック15Wに対してて回転シリンダー4Wの軸4bw方向に周期的に往復移動させる。
【0092】
このように、上記2種の脱毛ヘッド2,2Wは、回転シリンダー4,4Wの回転及び軸方向の往復移動に関して、ほぼ同じ動きを行うのであるが、図からも明らかなように、脱毛ヘッド2Wの回転シリンダー4Wは、その軸方向長さが脱毛ヘッド2の回転シリンダー4よりも短く、さらに回転方向が逆となる2個の回転シリンダー4W,4Wを脱毛ヘッド2Wが備えたものとなっているが、これは脱毛ヘッド2が毛流れが一定である脚や腕のむだ毛などを対象としているのに対して、脱毛ヘッド2Wはワキのような毛流れが一定でない上に狭い部位の毛を抜くことができるようにしているためであり、さらには対象とする部位に合わせて、ここでは脱毛ヘッド2の回転シリンダー4の往復移動ストロークを脱毛ヘッド2Wの回転シリンダー4Wの往復移動ストロークよりも大きくしているほか、単位時間当たりの往復移動数及び回転数も回転シリンダー4Wより回転シリンダー4の方が多くなるように、往復駆動用部材及び回転伝達部材における減速比を設定してある。
【0093】
上記のものでは、本体ケーシング1に対して除毛ヘッド2Sを着脱自在とするとともに他の機能ヘッドである脱毛ヘッド2,2Wを本体ケーシング1に取り付けることもできるようにしているが、本体ケーシング1から除毛ヘッド2を簡単には取り外すことができないようにしたものであってもよいのはもちろんであり、図37及び図38にこの場合の一例を示す。基台S3000の上面に凸部S3000dを備えた凸板S3000cを設けて、駆動子S8の固定片S8aを凸部S3000dに固定してある。また駆動子S8の長孔状の連結部S8bには、モータ3の出力軸に圧入した偏心カムS7000から突設した偏心ピンS7000aが係合しており、モータ3の回転は偏心ピンS7000aと駆動子S8とによって往復運動に変換され、駆動子S8に装着された内刃S10の往復駆動を行う。
【0094】
一方、基台S3000の下面には、上記偏心カムS7000に一体に設けた偏心部S7000bと係合するカムフォロアS3000bを設けてある。また、基台ブロックカバー1550S内に固定されている基台本体1500Saは、その上方に開口した凹所1500Shに基台S3000のリブS3000aが挿入されて、リブS3000aに設けた孔S3000aaにそれぞれスライドガイド軸1500Sjを遊挿するとともにスライドガイド軸1500Sjの両端部を基台本体1500Saで支持してあり、リブS3000aを備えた基台S3000を水平方向に移動自在としてある。従って、このものにおいてもモータ3を回転させて内刃S10を往復駆動する時、偏心部S7000bによって除毛ブロックS1500が水平方向に往復移動する。なお、外刃S16や内刃S10、トリマー刃組立品S17、フレームS15等については前述の除毛ブロックS1と同じ構成となっている。
【0095】
内刃S10の駆動用の偏心ピンS7000aと除毛ブロックS1の周期移動駆動用の偏心部S7000bとを偏心カムS7000に一体に設けている上に、モータ3で偏心カムS7000を直接駆動しているために、部品点数が少なくてすむものである。
【0096】
【発明の効果】
上記のように請求項1記載の発明は、刃孔を有する外刃と、往復駆動されて上記外刃内面に摺接する内刃とを備えた除毛ヘッドを手で狭持できる本体ケーシングの一端に設けた除毛装置であり、上記内刃を往復駆動する駆動機構に加えて上記外刃を本体ケーシングに対して内刃の往復方向と同方向に周期移動させる周期移動機構を備えているために、刃孔の実質的な開口面積が増えているものであり、このために毛の導入効率及び切断効率が高くなっていて、剃り残しが少なくなるとともに毛を短く剃ることにつても効果があり、仕上がり具合が良くかつ仕上がりに要する時間も短くすることができる。
【0097】
また請求項2記載の発明にあっては、駆動源に一端が接続された駆動伝達部が内刃駆動用の第1の偏心カムと、周期移動機構の駆動用の第2の偏心カムとを備えて上記駆動源で内刃駆動と周期移動とを行っているために、内刃駆動と周期移動駆動とを簡単に行うことができる。
【0098】
また、請求項3記載の発明にあっては、上記第1の偏心カムの偏心量を第2のカムの偏心量より大として内刃の往復動ストロークを周期移動ストロークよりも大としているために、剃り性能を落とすことなく除毛することができる。
【0099】
また、請求項4記載の発明にあっては、外刃の周期移動ストロークは外刃の桟幅以上で且つ刃孔径以下としていることから、ロスのない移動量で除毛可能領域内すべてを除毛可能とすることができる。
【0100】
また、請求項5記載の発明にあっては、内刃の駆動用の偏心カムと、周期移動機構の駆動用の偏心カムとは異なる駆動伝達ギアに設けて回転数を異ならせているために、簡単な構成で内刃の振動数と除毛ヘッドの振動数をそれぞれに適した値に設定することができる。
【0101】
また、請求項6記載の発明にあっては、外刃の周期移動による振動の単位時間当たり振動数が内刃の往復駆動による振動の単位時間当たり振動数よりも小としているために、除毛ヘッドの1ストロークの周期移動で複数回の除毛可能機会をとることができ、剃り残しが少なくなり効率よく除毛することができる。
【0102】
また、請求項7記載の発明にあっては、除毛ヘッドを本体ケーシングに対して着脱自在としているために、掃除性やバックなどへの収納性がよくなる。
【0103】
また、請求項8記載の発明にあっては、本体ケーシングに除毛ヘッドと異なる機能を備えた他の機能ヘッドを着脱自在としているために、他の機能ヘッドを使用することもできる。
【0104】
また、請求項9記載の発明にあっては、第1のヘッドと第2のヘッドは共通のギアを介して本体に対し着脱自在であることにより、簡単な構成でヘッドの着脱ができる。
【0105】
また、請求項10記載の発明にあっては、他の機能ヘッドが除毛もしくは脱毛機能を備えたものであるとともに、除毛ヘッドの内刃の往復駆動による振動の単位時間当たり振動数と、他の機能ヘッドの除毛もしくは脱毛機能における上記動力伝達系を介して駆動されることによる振動の単位時間当たり振動数とが異なっているために、夫々のヘッドの用途に応じた振動数にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の縦断面図である。
【図2】同上の横断面図である。
【図3】同上の部分分解斜視図である。
【図4】同上の部分分解斜視図である。
【図5】同上の部分分解斜視図である。
【図6】同上の部分斜視図である。
【図7】同上の本体ケーシングの分解斜視図である。
【図8】同上の本体ケーシング内の部品の分解斜視図である。
【図9】同上の過負荷クラッチの分解斜視図である。
【図10】他の脱毛ヘッドを装着した状態の縦断面図である。
【図11】同上の正面図である。
【図12】同上の平面図である。
【図13】同上の横断面図である。
【図14】同上の脱毛ヘッドの縦断面図である。
【図15】同上の回転シリンダーの断面図である。
【図16】同上の基台ブロック及びベースの分解斜視図である。
【図17】同上の脱毛ブロックの分解斜視図である。
【図18】同上の脱毛ブロックの他の部品の分解斜視図である。
【図19】同上の基台ブロックの基台本体の斜視図である。
【図20】同上の回転シリンダーの斜視図である。
【図21】同上の回転シリンダーの分解斜視図である。
【図22】同上の回転シリンダーの分解斜視図である。
【図23】同上の脱毛主体ユニットの分解斜視図である。
【図24】同上の開閉レバーと復帰ばねの組立状態を示す斜視図である。
【図25】同上の回転シリンダーの分解縦断面図である。
【図26】同上の回転シリンダー表面の展開図である。
【図27】同上の回転シリンダーの横断面図である。
【図28】他の脱毛ヘッドの正面図である。
【図29】同上の脱毛ヘッドの平面図である。
【図30】同上の脱毛ヘッドの横断面図である。
【図31】同上の脱毛ヘッドの縦断面図である。
【図32】同上の脱毛ヘッドの分解斜視図である。
【図33】同上の脱毛ヘッドの分解斜視図である。
【図34】同上の回転シリンダーの分解斜視図である。
【図35】(a)(b)は同上の回転シリンダーの爪列及び開閉レバーの断面図である。
【図36】同上の回転シリンダーの断面図である。
【図37】他の実施の形態の一例の部分縦断面図である。
【図38】同上の部分横断面図である。
【符号の説明】
1 本体ケーシング
2S 除毛ヘッド
S10 内刃
S16 外刃
Claims (10)
- 刃孔を有する外刃と、往復駆動されて上記外刃内面に摺接する内刃とを備えた除毛ヘッドを手で狭持できる本体ケーシングの一端に設けた除毛装置であり、上記内刃を往復駆動する駆動機構に加えて上記外刃を本体ケーシングに対して内刃の往復方向と同方向に周期移動させる周期移動機構を備えていることを特徴とする除毛装置。
- 駆動源に一端が接続された駆動伝達部が内刃駆動用の第1の偏心カムと、周期移動機構の駆動用の第2の偏心カムとを備えて上記駆動源で内刃駆動と周期移動とを行っていることを特徴とする請求項1記載の除毛装置。
- 第1の偏心カムの偏心量が第2のカムの偏心量より大であって、内刃の往復動ストロークが上記周期移動ストロークよりも大であることを特徴とする請求項2記載の除毛装置。
- 外刃の周期移動ストロークは外刃の桟幅以上で且つ刃孔径以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の除毛装置。
- 内刃の駆動用の偏心カムと、周期移動機構の駆動用の偏心カムとは異なる駆動伝達ギアに設けられて回転数が異なっていることを特徴とする請求項2記載の除毛装置。
- 外刃の周期移動による振動の単位時間当たり振動数が内刃の往復駆動による振動の単位時間当たり振動数よりも小であることを特徴とする請求項5記載の除毛装置。
- 除毛ヘッドが本体ケーシングに対して着脱自在であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の除毛装置。
- 本体ケーシングに除毛ヘッドと異なる機能を備えた他の機能ヘッドが着脱自在となっていることを特徴とする請求項7記載の除毛装置。
- 除毛ヘッドと他の機能ヘッドとは本体ケーシング内の動力伝達系の共通のギアに接続されるものであることを特徴とする請求項8記載の除毛装置。
- 他の機能ヘッドが除毛もしくは脱毛機能を備えたものであるとともに、除毛ヘッドの内刃の往復駆動による振動の単位時間当たり振動数と、他の機能ヘッドの除毛もしくは脱毛機能における上記動力伝達系を介して駆動されることによる振動の単位時間当たり振動数とが異なっていることを特徴とする請求項8または9記載の除毛装置。
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