JP3930903B2 - 4,6−ジクロロピリミジンの製造方法 - Google Patents

4,6−ジクロロピリミジンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、4,6−ジヒドロキシピリミジン(1)を4,6−ジクロロピリミジン(2)に変換する方法に関する。4,6−ジクロロピリミジンは化学薬品中間体として有用である(たとえば農業用化学薬品工業において)。
4,6−ジクロロピリミジンは4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンと、好適な塩基、たとえばジメチルアニリンの存在下に(Journal Chemical Society(1943)574−5および(1951)2214参照)、または−ジメチルシクロヘキシルアミン(またはその塩酸塩)もしくは塩酸トリエチルアミンの存在下に(英国特許第2287466号参照)反応させることにより製造できる。4,6−ジクロロピリミジンは4,6−ジヒドロキシピリミジンを好適な塩基の存在下にホスゲンと反応させることにより製造できることも知られている(国際特許出願公開第WO 95/29166号参照)。
本発明は、4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンで、飽和ヒンダードアミン、飽和ヒンダードアミン塩酸塩、もしくは不飽和5員−窒素含有環、またはその混合物の存在下に処理し、こうして生成した反応混合物から4,6−ジクロロピリミジンを分離することを含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。
飽和ヒンダードアミンには第二級および三級アミン、特に式R123Nのアミンが含まれ、式中のR1、R2およびR3は独立してC1〜10アルキル(特に1〜6アルキル)もしくはC3〜6シクロアルキルであるか、またはR1とR2は連結してピペリジンもしくはピロリジン環を形成し、またはR3は水素であってもよい。飽和ヒンダードアミンには、たとえば−ジイソプロピルエチルアミン(((CH32HC)2(CH3CH2)N、時にはヒューニッヒ塩基
Figure 0003930903
と呼ばれる、CAS登録番号7087−68−5)、トリエチルアミン、−ジイソプロピルメチルアミン、−ジイソプロピルイソブチルアミン、−ジイソプロピル−2−エチルブチルアミン、−ジシクロヘキシルメチルアミン、−ジシクロヘキシルエチルアミン、−t−ブチルシクロヘキシルアミン、−メチルピロリジンまたは−エチルピペリジンが含まれる。
4,6−ジヒドロキシピリミジン(1)は互変異性体形(A)および(B)で存在する可能性もあり、4,6−ジヒドロキシピリミジンにつき述べる場合にはその互変異性体形すべてを包含する。
不飽和5員−窒素含有環は、所望によりC1〜6アルキルで置換されていてもよい。この環は好ましくは1、2または3個の窒素原子を含み、たとえばイミダゾール、ピラゾール、1,2,3−トリアゾールまたは1,2,4−トリアゾールである。
1態様において本発明は、4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンで、飽和第三級アミンもしくは不飽和5員−窒素含有環またはその混合物の存在下に処理することを含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。
飽和第三級アミンは特に式R123Nのアミンであり、式中のR1、R2およびR3は独立してC1〜10アルキル(特にC1〜6アルキル)であるか、またはR1とR2は連結してピペリジンもしくはピロリジン環を形成する。飽和第三級アミンには、たとえば−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、−ジイソプロピルメチルアミン、−ジイソプロピルイソブチルアミン、−ジイソプロピル−2−エチルブチルアミン、−ジシクロヘキシルメチルアミン、−ジシクロヘキシルエチルアミン、−t−ブチルシクロヘキシルアミン、−メチルピロリジン、または−エチルピペリジンが含まれる。
アルキル基は直鎖または分枝鎖であり、別途指示しない限り、好ましくは1〜6個、特に1〜4個の炭素原子を含む。その例はメチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびt−ブチルである。
シクロアルキル基は3〜6個の炭素原子を含み、所望によりC1〜6アルキルで置換されていてもよい。その例はシクロヘキシルおよび2−エチルシクロヘキシルである。
他の態様において本発明は、4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンで、−ジイソプロピルエチルアミンまたは塩酸−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に処理することを含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。
さらに他の態様において本発明は、4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンで、−ジイソプロピルエチルアミンの存在下に処理することを含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。
以下において別途明記しない限り、オキシ塩化リン:4,6−ジヒドロキシピリミジンのモル比は1:1〜10:1(特に2:1〜4:1)であることが好ましい。
飽和第三級アミンと不飽和5員−窒素含有環との混合物を本発明方法に使用できる。これを用いる場合、飽和第三級アミン:不飽和5員−窒素含有環のモル比は100:1〜1:10(特に100:1〜10:1)であることが好ましい。
オキシ塩化リン:飽和ヒンダードアミン、オキシ塩化リン:飽和ヒンダードアミン塩酸塩、オキシ塩化リン:飽和第三級アミン、またはオキシ塩化リン:不飽和5員−窒素含有環のモル比は1:10〜10:1、特に1:4〜4:1であることが好ましい。
4,6−ジヒドロキシピリミジン:飽和ヒンダードアミン、4,6−ジヒドロキシピリミジン:飽和ヒンダードアミン塩酸塩、4,6−ジヒドロキシピリミジン:飽和第三級アミン、または4,6−ジヒドロキシピリミジン:不飽和5員−窒素含有環のモル比は1:5〜5:1であることが好ましい。
4,6−ジヒドロキシピリミジン:オキシ塩化リン:[飽和ヒンダードアミンまたは飽和ヒンダードアミン塩酸塩]のモル比は(0.8〜1.2):(2〜2.5):(1.8〜2.2)、特に1:(2〜2.5):2であることが好ましい。
本方法は溶剤または溶剤混合物中で実施できる。塩素化溶剤(たとえばジクロロメタンまたはクロロベンゼン)、飽和もしくは不飽和炭化水素(たとえば芳香族溶剤(たとえばトルエンまたはキシレン)、直鎖もしくは分枝鎖炭化水素(たとえばペンタンまたはヘキサン)、または所望によりアルキル置換されたC5〜7シクロアルカン(たとえばシクロヘキサン、シクロペンタンまたはメチルシクロヘキサン)、エーテル(たとえばt−ブチルメチルエーテル、グライム(エチレングリコールジメチルエーテル)、ジグライム、トリグライム、テトラヒドロフランまたはジメトキシエタン)、または極性非プロトン溶剤(たとえばニトリル(たとえばアセトニトリル))が好ましい。溶剤混合物には、たとえばアセトニトリルとジクロロメタンの混合物が含まれる。しかし本発明方法は溶剤の不在下で実施できる。あるいは過剰のオキシ塩化リン、または用いる場合には飽和第三級アミン(たとえば−ジイソプロピルエチルアミン)を、溶剤として使用できる。
本方法は、好ましくは20〜140℃、特に25〜120℃(たとえば40〜100℃、または40〜120℃)、殊に60〜90℃の温度範囲で実施される。
他の態様において本発明は、オキシ塩化リンを4,6−ジヒドロキシピリミジンおよび飽和ヒンダードアミン(好ましくは飽和第三級アミン)の混合物に添加することを含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。
4,6−ジヒドロキシピリミジン、オキシ塩化リン、および飽和ヒンダードアミン、飽和ヒンダードアミン塩酸塩、もしくは不飽和5員−窒素含有環、またはその混合物を混合すると、反応混合物が得られる。
さらに他の態様において本発明は、オキシ塩化リンを、4,6−ジヒドロキシピリミジンおよび飽和ヒンダードアミンまたはその塩酸塩(特に飽和第三級アミン(たとえば−ジイソプロピルエチルアミン))の混合物と反応させ、この反応混合物を25〜120℃(たとえば40〜90℃)、特に60〜90℃の温度範囲に加熱することを含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。本方法に用いる成分の量は前記のモル比であることが好ましい。
さらに他の態様において本発明は、オキシ塩化リンおよび4,6−ジヒドロキシピリミジンを同時に、飽和ヒンダードアミン(特に飽和第三級アミン(殊にヒューニッヒ塩基))もしくは不飽和5員−窒素含有環、またはその混合物に添加することを含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。本方法に用いる成分の量は前記のモル比であることが好ましい。
他の態様において本発明は、ヒューニッヒ塩基中の4,6−ジヒドロキシピリミジンのスラリーをオキシ塩化リンに添加することを含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。本方法に用いる成分の量は前記のモル比であることが好ましい。
さらに他の態様において本発明は、4,6−ジヒドロキシピリミジンをヒューニッヒ塩基およびオキシ塩化リンの混合物に添加することを含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。本方法に用いる成分の量は前記のモル比であることが好ましい。
さらに他の態様において本発明は、ヒューニッヒ塩基を4,6−ジヒドロキシピリミジンおよびオキシ塩化リンの混合物に添加することを含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。本方法に用いる成分の量は前記のモル比であることが好ましい。
さらに他の態様において本発明は、4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンおよびホスゲンの混合物で、飽和ヒンダードアミン(たとえば飽和第三級アミン(特にヒューニッヒ塩基))もしくは不飽和5員−窒素含有環、またはその混合物の存在下に、所望により触媒としての−ジメチルホルムアミドの存在下に処理することを含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。オキシ塩化リン:ホスゲンの比は2:1〜1:100(特に2:1〜1:40、たとえば1:1〜1:10)であることが好ましい。オキシ塩化リンおよびホスゲンの混合物を本発明方法に用いる場合、オキシ塩化リン:4,6−ジヒドロキシピリミジンのモル比は10:1〜1:100(たとえば2:1〜1:100)であることが好ましい。4,6−ジヒドロキシピリミジン:飽和ヒンダードアミン、4,6−ジヒドロキシピリミジン:飽和第三級アミン、または4,6−ジヒドロキシピリミジン:不飽和5員−窒素含有環のモル比は1:5〜5:1であることが好ましい。
さらに他の態様において本発明は、4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンで処理し、次いで反応混合物に五塩化リンを添加することを含み、操作を飽和ヒンダードアミン(たとえば飽和第三級アミン(特にヒューニッヒ塩基))もしくは不飽和5員−窒素含有環、またはその混合物の存在下に実施する、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。
本発明方法においては、オキシ塩化リンが4,6−ジヒドロキシピリミジンを塩素化して、リン残渣が残される。これらの残渣を五塩化リン、または三塩化リンと塩素の混合物と反応させることにより、元のオキシ塩化リンに変換することができる。(たとえば米国特許第3845194号および国際特許出願公開第WO94/14774号参照)
したがってさらに他の態様において本発明は、4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンで処理し、次いで反応混合物に三塩化リンと塩素の混合物を添加することを含み、操作を飽和ヒンダードアミン(たとえば飽和第三級アミン(特にヒューニッヒ塩基))もしくは不飽和5員−窒素含有環、またはその混合物の存在下に実施する、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。
他の態様において本発明は、(a)4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンで、飽和ヒンダードアミン(たとえば飽和第三級アミン(特にヒューニッヒ塩基))、飽和ヒンダードアミン塩酸塩もしくは不飽和5員−窒素含有環、またはその混合物の存在下に処理し;(b)4,6−ジクロロピリミジンを反応混合物から分離し;そして(c)反応混合物からのリン残渣を五塩化リン、または三塩化リンと塩素の混合物で処理することにより、オキシ塩化リンを再生する工程を含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。
さらに他の態様において本発明は、(a)4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンで、飽和第三級アミン(特にヒューニッヒ塩基)もしくは不飽和5員−窒素含有環、またはその混合物の存在下に処理し;(b)4,6−ジクロロピリミジンを反応混合物から分離し;そして(c)反応混合物からのリン残渣を五塩化リン、または三塩化リンと塩素の混合物で処理することにより、オキシ塩化リンを再生する工程を含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。
他の態様において本発明は、(a)4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンで、飽和ヒンダードアミン、飽和ヒンダードアミン塩酸塩もしくは不飽和5員−窒素含有環、またはその混合物の存在下に処理し;(b)工程(a)で生成した混合物を五塩化リン、または三塩化リンと塩素の混合物で処理し;(c)4,6−ジヒドロキシピリミジン、および飽和ヒンダードアミン、飽和ヒンダードアミン塩酸塩もしくは不飽和5員−窒素含有環またはその混合物を、工程(b)で生成した混合物に添加し;そして(d)4,6−ジクロロピリミジンを反応混合物から分離する工程を含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。
他の態様において本発明は、(a)4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンで、飽和ヒンダードアミン、飽和ヒンダードアミン塩酸塩もしくは不飽和5員−窒素含有環、またはその混合物の存在下に処理し;(b)工程(a)で生成した混合物を五塩化リン、または三塩化リンと塩素の混合物で処理し;(c)4,6−ジヒドロキシピリミジン、および飽和ヒンダードアミン、飽和ヒンダードアミン塩酸塩もしくは不飽和5員−窒素含有環またはその混合物を、工程(b)で生成した混合物に添加し;(d)工程(b)と(c)を所望によりさらに1回または2回以上(特に2、3または4回)繰り返し;そして(e)4,6−ジクロロピリミジンを反応混合物から分離する工程を含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。
他の態様において本発明は、最初に反応混合物中に1当量未満(たとえば約半当量)のオキシ塩化リンを使用し、そして操作中に五塩化リン、または三塩化リンと塩素の混合物(好ましくは三塩化リンと塩素の混合物)を添加してオキシ塩化リンを再生する、前記の4,6−ジクロロピリミジンの製造方法を提供する。
他の態様においては、特に本発明方法を溶融物で実施する場合、4,6−ジクロロピリミジンを反応混合物から直接抽出法により分離する(すなわち反応混合物から直接に抽出する)(たとえば向流抽出法などの完全抽出法を用いて)。直接抽出を高温で、たとえば60〜90℃(特に約80℃)の温度で行うことが好ましい。このような直接抽出に適した溶剤は反応により生成したリン残渣に対する貧溶剤でなければならず、かつ溶剤と4,6−ジクロロピリミジンとを蒸留によって容易に分離しうる沸点をもたなければならない。好適な溶剤には、飽和または不飽和炭化水素(たとえば芳香族溶剤(たとえばトルエンまたはキシレン)、直鎖もしくは分枝鎖炭化水素(たとえばペンタン、ヘキサンまたはヘプタン)、または所望によりアルキル置換されたC5〜7シクロアルカン(たとえばシクロヘキサン、シクロペンタンまたはメチルシクロヘキサン))、エーテル(たとえばメチルt−ブチルエーテル)、ハロゲン化芳香族溶剤(たとえばハロベンゼン(たとえばクロロベンゼンまたはフルオロベンゼン))が含まれる。適切な溶剤の選択によって、高品質の4,6−ジクロロピリミジンを反応混合物から直接に単離することが可能になる。好ましい溶剤は飽和炭化水素(たとえば直鎖もしくは分枝鎖炭化水素(たとえばペンタン、ヘキサンまたはヘプタン)、または所望によりアルキル置換されたC5〜7シクロアルカン(たとえばシクロヘキサン、シクロペンタンまたはメチルシクロヘキサン))である。溶剤がメチルシクロヘキサンであることが特に好ましい。
このような直接抽出後に残存する残渣を適切な量の水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム水溶液と混合して、操作に用いた飽和ヒンダードアミンもしくは不飽和5員−窒素含有環、またはその混合物を遊離させ、これを標準法により分離することができる。本発明方法に飽和ヒンダードアミン(特にヒューニッヒ塩基)を用いる場合、残渣を水酸化ナトリウムまたはカリウムの高温溶液に添加することが好ましい。残渣の添加中に発生する熱を利用して水性混合物から飽和ヒンダードアミンを沸騰排出させる(すなわち混合物から留出させる)ことができるからである。
さらに他の態様においては、反応混合物を水と有機溶剤(特に芳香族溶剤(たとえばトルエンまたはキシレン)、直鎖もしくは分枝鎖炭化水素(たとえばペンタンまたはヘキサン)、または所望によりアルキル置換されたC5〜7シクロアルカン(たとえばシクロヘキサン、シクロペンタンまたはメチルシクロヘキサン)との混合物で抽出することにより、4,6−ジクロロピリミジンを反応混合物から分離する。その際、好適な塩基(たとえばアルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩、たとえば水酸化ナトリウムまたはカリウム)の水溶液を添加することにより、pHを1〜5の範囲に維持する。残存オキシ塩化リンまたはその副生物が加水分解された時点で、混合物をpH3〜5に調整し、4,6−ジクロロピリミジンを有機溶剤から回収する。
本発明方法に用いた飽和ヒンダードアミン(好ましくは飽和第三級アミン)または不飽和5員−窒素含有環を回収して再使用できる。たとえば飽和ヒンダードアミン(好ましくは飽和第三級アミン(特に−ジイソプロピルエチルアミン))または不飽和5員−窒素含有環を下記により反応混合物から回収できる:反応混合物を水と混合し(好ましくは好適な塩基(たとえばアルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩、たとえば水酸化ナトリウムまたはカリウム)の水溶液を添加することにより、pHを1〜5の範囲に維持しながら)、水相のpHを8〜14、好ましくは9〜12に調整し(水溶性塩基、たとえばアルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩、たとえば水酸化ナトリウムまたはカリウムの添加により)、次いで:
a.飽和ヒンダードアミン(好ましくは飽和第三級アミン)または不飽和5員−窒素含有環および4,6−ジクロロピリミジンを有機溶剤[(特に芳香族溶剤(たとえばトルエンまたはキシレン)、直鎖もしくは分枝鎖炭化水素(たとえばペンタンまたはヘキサン)、または所望によりアルキル置換されたC5〜7シクロアルカン(たとえばシクロヘキサン、シクロペンタンまたはメチルシクロヘキサン)]で抽出する。抽出したアミンまたは窒素含有環と4,6−ジクロロピリミジンとは、次いで蒸留により分離できる;
あるいは
b.飽和ヒンダードアミン(好ましくは飽和第三級アミン)または不飽和5員−窒素含有環が液体であり、実質的に水と非混和性である場合(たとえば−ジイソプロピルエチルアミンを用いる場合)、4,6−ジクロロピリミジンおよび飽和ヒンダードアミン(好ましくは飽和第三級アミン)または不飽和5員−窒素含有環を、pH調整した水相から分離する。この場合、分離したアミンまたは窒素含有環が一定割合の4,6−ジクロロピリミジンを含有することが十分にありうる。これらの成分は常法により分離できる;
あるいは
c.飽和ヒンダードアミン(好ましくは飽和第三級アミン)または不飽和5員−窒素含有環が適切な沸点をもつ場合、飽和ヒンダードアミン(好ましくは飽和第三級アミン)または不飽和5員−窒素含有環および4,6−ジクロロピリミジンを、pH調整した水相から蒸留する。
以下の実施例により本発明を説明する。実施例全体において、略号HPLCは高速液体クロマトグラフィーを意味する。
実施例1
−ジイソプロピルエチルアミン(23.1g,30.6ml,178mmol)中の4,6−ジヒドロキシピリミジン(10.0g,89.2mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下に氷/水で冷却しながら撹拌し、これに10分かけて少量ずつオキシ塩化リン(34.2g,20.8ml,223mmol)を添加した。添加が完了した時点で、混合物を5℃で5分間撹拌し、(15分かけて)室温にしたのち、60℃に加熱した。(混合物が約60℃に達すると著しい発熱反応が起こって温度が120℃に上昇したので、温度が60℃になるまで加熱を止めた。)2時間後に(加熱開始から)、反応混合物を室温にまで放冷し、撹拌しながら氷/水に注入し、ジクロロメタン100mlで抽出し、次いで80mlで2回抽出した。有機抽出液を合わせて水で洗浄し(70mlで3回)、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶剤を真空中で蒸発させて(回転式蒸発器)、4,6−ジクロロピリミジンを淡褐色固体(12.3g;90重量%)として得た。
水性抽出液と洗液を合わせて、30%水酸化ナトリウム水溶液(60ml)でpH14に調整し、ジクロロメタンで抽出した(70mlで3回)。有機抽出液を合わせて水で洗浄し(70mlで2回)、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶剤を真空中で蒸発させて−ジイソプロピルエチルアミンを淡黄色液体18.5gとして得た。
実施例2
−ジイソプロピルエチルアミン(23.1g,30.6ml,178mmol)中の4,6−ジヒドロキシピリミジン(10.0g,89.2mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下に氷/水で冷却しながら撹拌し、これに少量ずつオキシ塩化リン(34.2g,20.8ml,223mmol)を添加した。添加が完了した時点で冷却浴を取り除き、混合物を25℃にした(15分かけて)。加熱して温度を60℃にした。(油浴の温度が55℃に達すると著しい発熱現象が起こって温度が128℃になった。)反応温度を60℃にまで降下させ、次いでさらに105分間、加熱を続けた。(全加熱時間、2時間)混合物を室温にまで冷却させ、氷および水(約100ml)に注入し、ジクロロメタン120mlで抽出し、次いで80mlで2回抽出した。有機抽出液を合わせて水で洗浄し(70mlで3回)、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶剤を真空中で蒸発させて、4,6−ジクロロピリミジンを褐色固体14.67gとして得た。
水性抽出液と洗液を合わせて、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH9に調整し、蒸留して(浴140℃、留出液85〜100℃)、21mlの−ジイソプロピルエチルアミンを得た。蒸留溶液のpHを14にし(pH6に低下していた)、蒸留を続けて(89〜100℃)追加分の−ジイソプロピルエチルアミンを得た。(総収量31mlの−ジイソプロピルエチルアミン、純度80%)を得た。
実施例3
4,6−ジヒドロキシピリミジン(5.0g,44.6mmol)、イミダゾール(6.07g,89.2mmol)およびオキシ塩化リン(20ml)の混合物を、約65℃で窒素雰囲気下に3時間撹拌した。(大部分の固体は1時間後に溶解していた。)次いで混合物を室温に冷却した時点では半固体であり、ジクロロメタン(15ml)を添加して易動性スラッジを得た。これを氷/水に注入し、15分間撹拌した。混合物をジクロロメタンで抽出し(80mlで3回)、有機抽出液を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶剤を真空中で蒸発させて、4,6−ジクロロピリミジンを淡黄色固体(6.18g)として得た。
実施例4
−ジイソプロピルエチルアミン(23.0g,31.0ml,175mmol)に、窒素雰囲気下に室温でオキシ塩化リン(26.7g,16.26ml,174mmol)を5分かけて添加した。添加が完了した時点で混合物をさらに5分間撹拌した。4,6−ジヒドロキシピリミジン(10.0g,87.6mmol)を徐々に、すなわち5分間で1gずつ装入し、添加が完了した時点で反応混合物の温度は約65℃に達した。反応混合物が65℃に昇温すると、10分間にわたってわずかな発熱反応が起こって温度が75℃に上昇し、5分以内に温度は65℃に降下した。3時間後に(加熱開始から)反応混合物を40℃に放冷し、撹拌しながら氷/水(200ml)に注入し、ジクロロメタンで抽出した(150mlで3回)。有機抽出液を合わせて水で洗浄し(100mlで3回)、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶剤を真空中で蒸発させて(回転式蒸発器)、4,6−ジクロロピリミジンを淡褐色固体(12.18g)として得た。
実施例5
メチルシクロヘキサン(25g,1.96gの4,6−ジクロロピリミジンを含有)中の−ジイソプロピルエチルアミン(57.1g)およびオキシ塩化リン(74.7g)の混合物を窒素雰囲気下に75〜80℃で撹拌し、これに4,6−ジヒドロキシピリミジン(25.0g)を少量ずつ(すなわち1回につき1〜2.5g)約50分かけて、反応混合物の温度を75〜90℃に維持するように添加した(発熱反応)。添加が完了した時点で反応混合物を75〜80℃に2時間保持した。次いで反応混合物を水(125ml)に装入した。(発熱反応;水層の温度を30℃より高く維持)。
装入した反応混合物を水(125ml)およびメチルシクロヘキサン(90g,2.3gの4,6−ジクロロピリミジンを含有)の混合物に撹拌しながら添加し、添加中は氷の添加により温度を40〜50℃に維持した。得られた混合物のpHを、水酸化カリウム水溶液(50%w/w)の添加により5〜5.5に調整した。混合物を20分間撹拌し、有機(メチルシクロヘキサン)層を水層から熱時分離した。溶剤を有機層から蒸留して、4,6−ジクロロピリミジン(30.96g)として得た。
メチルシクロヘキサン(25g)を水層に添加して、2層系を得た。水層のpHが9〜10.5の範囲になるまで、水酸化カリウム水溶液(50%w/w)を撹拌しながら添加した。この時点でかなりの量の−ジイソプロピルエチルアミンが上側の有機層中にあった。
実施例6
オキシ塩化リン(76.1g,0.496mol)中の4,6−ジヒドロキシピリミジン(26.06g,0.226mol)の懸濁液を62℃で撹拌し、これに温度を70〜78℃に維持するために25分かけて、−ジイソプロピルエチルアミン(58.6g,0.451mol)を滴加した。添加が完了した時点で、混合物を撹拌しながら85℃に加熱した。2時間後に混合物をメチルシクロヘキサン抽出した(300mlで3回)。有機抽出液を合わせたものは4,6−ジクロロピリミジン(30.15g)を含有していた。

実施例7
メチルシクロヘキサン(100g)中の−ジイソプロピルエチルアミン(230g,1.75mol)およびオキシ塩化リン(298.5g,1.93mol)の混合物を80℃で撹拌し、これに温度を80〜92℃に維持するために70分かけて少量ずつ、4,6−ジヒドロキシピリミジン(100g)を添加した。添加が完了した時点で撹拌しながら2時間、温度を80〜84℃に維持した。反応混合物を水(500g)とメチルシクロヘキサン(260g)の混合物中に抽出した。47%水酸化ナトリウム水溶液によりpHを1〜5に維持し、温度を60℃より低く維持した。オキシ塩化リンが加水分解されたのち、47%水酸化ナトリウム水溶液によりpHを4.5に調整し、温度を80℃に高め、水層を分離し、保存した(−ジイソプロピルエチルアミンの回収のため)。分析により、有機層は22.21%が4,6−ジクロロピリミジンであることが示された。
水層をメチルシクロヘキサン(100g)と混合し、47%水酸化ナトリウム水溶液によりpHを10に調整し、得られた混合物を撹拌しながら80℃に加熱した。撹拌を停止し、混合物を沈降させた。水層を廃棄し、有機層を水で洗浄した(200mlで2回)。分析により、有機層は−ジイソプロピルエチルアミン(65.6%)を含有することが示された。
実施例8
オキシ塩化リン(15.2g,99mmol)に、4,6−ジヒドロキシピリミジン(5g,45mmol)を窒素雰囲気下に撹拌しながら添加した。このスラリーを65℃に加熱し、温度を80℃より低く維持するように−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基,11.6g,90mmol)を滴加した。添加が完了した時点で、反応混合物を80℃に90分間加熱した。五塩化リン(18.7g,90mmol)を一度に添加し、反応混合物を80℃で30分間撹拌した。得られた褐色の液体に4,6−ジヒドロキシピリミジン(10g,90mmol)を一度に添加し、温度を80℃より低く維持するように−ジイソプロピルエチルアミン(23.3g,180mmol)を滴加した。添加が完了した時点で、反応混合物を80℃に90分間加熱した。さらに五塩化リン(37.5g,180mmol)を一度に添加し、得られた混合物を80℃に30分間加熱した。反応混合物に4,6−ジヒドロキシピリミジン(20g,180mmol)、次いで−ジイソプロピルエチルアミン(46.5g,360mmol)を滴加した。添加が完了した時点で、反応混合物を80℃でさらに90分間撹拌した。
次いで高温の反応混合物を80℃のメチルシクロヘキサン中へ抽出した(300gで3回)。抽出液を合わせて、溶剤を真空中で除去し、4,6−ジクロロピリミジンを淡褐色固体(32.8g,70%)として得た。
実施例9
水酸化ナトリウム水溶液(pH10〜12)に70℃で順に、リン/−ジイソプロピルエチルアミン残渣(148g、約15gずつ、残渣は実施例8に用いたものと同様な条件下で実施した操作により得られた)、およびpHを9より高く維持するための47%水酸化ナトリウムを添加した。添加材料が発熱性であるため、外部加熱なしに有意量の−ジイソプロピルエチルアミンをバッチから蒸留することができた。蒸留を完結させるために油浴を用いた(蒸留ヘッド温度100℃)。混合留出物(水/−ジイソプロピルエチルアミン)を沈降させ、下側の水層を分離し、廃棄したところ、−ジイソプロピルエチルアミンが残留した。
実施例10
オキシ塩化リン(74.58g,0.48mol)および4,6−ジヒドロキシピリミジン(25.0g,0.22mol)の混合物を窒素雰囲気下で55〜60℃に加温し、温度を約74℃に維持する速度で(約1時間)−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)(56.92g,0.438mol)を添加した。得られた黒褐色の反応混合物を80℃に90分間加熱し、メチルシクロヘキサン(200ml)を添加し、さらに15〜20分間、撹拌を続けた。メチルシクロヘキサン層を分離し、この抽出操作を200mlずつのメチルシクロヘキサンでさらに2回繰り返した。有機抽出液を合わせて蒸発乾固し(回転式蒸発器)、4,6−ジクロロピリミジンを灰白色固体(34.0g,純度97.2%,収率100%)として得た。
抽出残渣を50℃に冷却し、五塩化リン(62.41g,0.285mol)を10分かけて添加した。混合物を80℃に30分間加熱し、室温で一夜撹拌し、次いで真空蒸留して(55℃、150mmHgから、90℃、150mmHgまで)、オキシ塩化リン(56.52g,純度83%)を得た。
実施例11
−ジイソプロピルエチルアミン(11.5g,82.9mmol)中の4,6−ジヒドロキシピリミジン(5.0g,44.6mmol)の懸濁液を室温で窒素雰囲気下に撹拌し、これにオキシ塩化リン(6.8g,4.2ml,44.6mmol)を添加した。混合物を20分間で60℃にすると、この時点で粘稠な黒褐色の液体が生じた。五塩化リン(4.6g,22.3mmol)を2度に分けて添加し(5分の間隔をおいて)、反応混合物を80℃で90分間撹拌した。得られた粘稠な油を約35℃に冷却し、氷/水(400ml)に注入した。フラスコを水およびジクロロメタン(20mlずつ)ですすいだ。急冷液と洗液を合わせてジクロロメタン120mlで抽出し、次いで80mlで2回抽出した。有機抽出液を合わせて水で洗浄し(70mlで3回)、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶剤を真空中で蒸発させて、4,6−ジクロロピリミジンを橙/褐色固体(6.85g)(95.7%濃度、収率98.6%)として得た。
実施例12
オキシ塩化リン(4.39g,29mmol)に、室温で窒素雰囲気下にヒューニッヒ塩基塩酸塩(4.18g,25mmol)を一度に添加した。混合物を80℃に加熱すると透明で粘稠な混合物が得られた。4,6−ジヒドロキシピリミジン(1.4g,13mmol)を3度に分けて添加し(5分の間隔をおいて)、得られた混合物を80℃で2.5時間撹拌した。メチルシクロヘキサン(25ml)を添加し、混合物を20分間激しく撹拌し(80℃)、次いで分離した。さらに25mlずつ2回のメチルシクロヘキサンを用いてこの操作を繰り返した。有機抽出液を合わせて真空中で蒸発させ、4,6−ジクロロピリミジンを白色非晶質固体(1.23g)(96.6%濃度、収率62%)として得た。
メチルシクロヘキサン抽出後に残留する残渣とオキシ塩化リン(4.13g,26mmol)の混合物を80℃で窒素雰囲気下に撹拌し、これに4,6−ジヒドロキシピリミジン(1.37g,12mmol)を一度に添加した。得られた混合物を80℃で3.5時間撹拌したのち、メチルシクロヘキサン(25ml)を添加した。撹拌を1時間続け、次いで層を分離した(80℃で)。さらに25mlずつ2回のメチルシクロヘキサンを用いて反応物を抽出した(そのつど、分離前に80℃で20分間撹拌した)。有機抽出液を合わせて真空中で蒸発させると、4,6−ジクロロピリミジンが白色固体(1.07g)(95.8%濃度、収率55%)として残留した。
実施例13
機械的撹拌機、温度計、還流冷却器(スクラバーに)および均圧滴下漏斗(窒素放出による)を備えた250m1容三つ口フラスコに、4,6−ジヒドロキシピリミジン(25g)およびオキシ塩化リン(74.6g)を装入した。ヒューニッヒ塩基(57.0g)を滴下漏斗に装入し、反応温度を80〜85℃の範囲に維持するために徐々に添加した。添加が完了したのち、反応混合物を80〜85℃に2時間維持した。混合物をジャケット付き分液漏斗に移し、メチルシクロヘキサン(300g)と混合した。2層を70〜80℃で分離し、下側の層をメチルシクロヘキサン(300g)で2回抽出した。4,6−ジクロロピリミジンの収量は30.2g(89.5%)であった。
下側の層を反応器に戻し、五塩化リン(89.6g)を添加した。4,6−ジヒドロキシピリミジン(50g)およびヒューニッヒ塩基(114g)を用いてこの実施例の第1節の操作を繰り返した。反応混合物を同様に抽出し、ただし600gずつ3回のメチルシクロヘキサンを用いた。4,6−ジクロロピリミジンの収量は42.92g(64%)であった。
下側の層の半分を反応器に戻し、五塩化リン(89.6g)を添加した。4,6−ジヒドロキシピリミジン(50g)およびヒューニッヒ塩基(114g)を用いてこの実施例の第1節の操作を繰り返した。反応混合物を同様に抽出し、ただし600gずつ3回のメチルシクロヘキサンを用いた。4,6−ジクロロピリミジンの収量は34.87gであった。
実施例14
実施例13の第1節の操作条件を用いて、4,6−ジヒドロキシピリミジン(10g)、オキシ塩化リン(29.84g)およびヒューニッヒ塩基(22.8g)を接触させた。ヒューニッヒ塩基の添加が完了した30分後に五塩化リン(37.2g)を添加した。4,6−ジヒドロキシピリミジン(20g)およびヒューニッヒ塩基(45.6g)を追加し、得られた混合物を30分間撹拌した。五塩化リン(74.4g)を添加したのち、4,6−ジヒドロキシピリミジン(40g)およびヒューニッヒ塩基(91.2g)を添加した。得られた混合物を70〜75℃で2.5時間撹拌し、次いでメチルシクロヘキサンで抽出した(300gで3回)。抽出液を合わせて、炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄した。溶剤を蒸留すると、4,6−ジクロロピリミジンが白色固体(45.2g,42.6%)として残留した。メチルシクロヘキサン留出液は追加量の4,6−ジクロロピリミジン(14.5g,16%)を含有していた。
化学構造式
(明細書中)
Figure 0003930903

Claims (11)

  1. 4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンで、式R 1 2 3 Nの飽和第三級アミン[式中のR 1 、R 2 およびR 3 は独立してC 1〜10 アルキルであるか、またはR 1 とR 2 は連結してピペリジンもしくはピロリジン環を形成する]、もしくは不飽和5員−窒素含有環[所望によりC 1〜6 アルキルで置換されていてもよいイミダゾール、ピラゾール、1,2,3−トリアゾールまたは1,2,4−トリアゾール環である]、またはその混合物の存在下に、25℃〜120℃の温度範囲で、オキシ塩化リン:4,6−ジヒドロキシピリミジンのモル比は1:1〜10:1で、オキシ塩化リン:飽和第三級アミンもしくは不飽和5員−窒素含有環のモル比は1:10〜10:1で処理し、こうして生成した反応混合物から4,6−ジクロロピリミジンを溶剤を用いる直接抽出法により分離することを含む、4,6−ジクロロピリミジンの製造方法。
  2. 直接抽出法が向流抽出法である、請求項1記載の方法。
  3. 直接抽出に用いる溶剤が飽和炭化水素である、請求項1または2記載の方法。
  4. 直接抽出後に残存する残渣を適切な量の水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム水溶液と混合して、操作に用いた飽和第三級アミンもしくは不飽和5員−窒素含有環、またはその混合物を遊離させる、請求項1記載の方法。
  5. 4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンで、−ジイソプロピルエチルアミン[((CH32CH)2(CH3CH2)N]の存在下に処理することを含む、請求項1、2、3または4記載の方法。
  6. 4,6−ジヒドロキシピリミジン:オキシ塩化リン:飽和第三級アミンのモル比が(0.8〜1.2):(2〜2.5):(1.8〜2.2)である、請求項1、2、3または4記載の方法。
  7. 4,6−ジヒドロキシピリミジンを−ジイソプロピルエチルアミンおよびオキシ塩化リンの混合物に添加することを含む、請求項または記載の方法。
  8. −ジイソプロピルエチルアミンを4,6−ジヒドロキシピリミジンおよびオキシ塩化リンの混合物に添加することを含む、請求項または記載の方法。
  9. (a)4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンで、飽和第三級アミンもしくは不飽和5員−窒素含有環、またはその混合物の存在下に処理し;(b)4,6−ジクロロピリミジンを反応混合物から分離し;そして(c)こうして生じた残渣を五塩化リン、または三塩化リンと塩素の混合物で処理する工程を含む、請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
  10. (a)4,6−ジヒドロキシピリミジンをオキシ塩化リンで、飽和第三級アミンもしくは不飽和5員−窒素含有環、またはその混合物の存在下に処理し;(b)工程(a)で生成した混合物を五塩化リン、または三塩化リンと塩素の混合物で処理し;(c)4,6−ジヒドロキシピリミジン、および飽和第三級アミンもしくは不飽和5員−窒素含有環またはその混合物を、工程(b)で生成した混合物に添加し;(d)工程(b)と(c)を所望によりさらに1回または2回以上繰り返し;そして(e)4,6−ジクロロピリミジンを反応混合物から分離する工程を含む、請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
  11. 最初に反応混合物中に1当量未満のオキシ塩化リンを使用し、そして工程(b)の操作中に五塩化リン、または三塩化リンと塩素の混合物を添加してオキシ塩化リンを再生する、請求項10に記載の方法。
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