JP3928889B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技盤上に配置され且つ発射された遊技球を遊技領域へ誘導する誘導レールの先端部近辺に設けられた球逆流防止装置を備えた弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、発射された遊技玉の誘導レール内への逆流によって後続する遊技球の発射が妨害されることを解消する技術としては、特開平5−177033に示される「弾球遊技機の玉逆流防止装置」等が知られている。この弾球遊技機の玉逆流防止装置は、遊技盤の内側に設けられた誘導内レールの上端部に配置される取付ホルダーと、該取付ホルダーに装着され且つ前記遊技盤の外側に設けられた誘導外レール方向に延設される弾性薄片と、からなり、前記取付ホルダーには、前記遊技盤に形成された位置決め穴に係合する位置決めボスを形成して構成されており、遊技玉の逆流を防止する効果を有する他、玉逆流防止装置の取り付けが容易となるという効果も有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような弾球遊技機の玉逆流防止装置では、単に遊技玉の逆流を防止するのみで、趣向性に欠けるため遊技客を楽しませることができないといった課題が考えられた。また、玉逆流防止装置としての専用部品を必要とするため部品管理も複雑化されるといった課題も考えられた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の弾球遊技機は、遊技盤上に設けられた内誘導レール及び外誘導レールと、前記内誘導レールと前記外誘導レールとの間に設けられ、前記遊技盤上に形成された遊技領域に向けて発射される遊技球が進行可能な球誘導通路と、前記内誘導レールの先端部近辺に回動可能に設けられた球逆流防止装置と、を備えた弾球遊技機において、前記球逆流防止装置は、複数の羽根部材を含んで構成されるとともに、前記複数の羽根部材のいずれか1つが前記内誘導レールの位置より前記外誘導レール方向に突出した状態となるように設けられ、前記球誘導通路を前記遊技領域に向けて進行する遊技球が前記外誘導レール方向に突出した羽根部材に衝突することにより、前記球逆流防止装置が、前記球誘導通路を進行する遊技球の進行方向に沿って回動することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明の弾球遊技機は、前記外誘導レールに対向する前記内誘導レール内側面側の先端部に一端部が回動可能に軸着され、他端部が前記複数の羽根部材の先端部と干渉する長さに形成された逆転防止板を備え、前記球誘導通路を前記遊技領域に向けて進行する遊技球が前記複数の羽根部材のいずれか1つに衝突した場合、前記複数の羽根部材のいずれか1つに前記他端部が押されることで、前記逆転防止板が前記外誘導レール方向に回動して前記球逆流防止装置の回動を継続させ、前記遊技領域から前記球誘導通路に向けて進行する遊技球が前記複数の羽根部材のいずれか1つに衝突した場合、前記複数の羽根部材のいずれか1つに前記他端部が押されることで、前記逆転防止板が前記内導レール内側面に当接して前記球逆流防止装置の回動を防止することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
上記のように構成された弾球遊技機においては、
球逆流防止装置は、発射された遊技球の羽根部材への衝突により回動し、前記球逆流防止装置の回動により前記遊技球の逆流を防止するよう作用する。
【0006】
【具体例】
本発明の弾球遊技機の第1具体例について、図1〜図3を参照して説明する。
図1に示す弾球遊技機1には遊技盤2が備えられると共に、遊技盤2の前面は、ガラス枠3を介して前面枠4に装着された二重のガラス5a,5bで覆われている。これにより、遊技盤2と内側のガラス5aの間には遊技領域6が形成される。
【0007】
前面枠4の上部にはいわゆる大当りが発生した時に点滅する大当りランプ7が組み付けられている。また、前面枠4は、右側部に設けられた鍵8を操作することにより、左側部の裏面側に装着されているヒンジ(図示略)を軸として開閉可能である。
前面枠4の下方には上受皿10が設けられた上皿部材11が配されており、更に上皿部材11の下方には下受皿12が設けられた下皿部材13が配されている。上受皿10及び下受皿12には、それぞれに弾球遊技機1からの遊技球を排出するための上皿排出口14及び下皿排出口15が開口している。また、上皿部材11には複数の小長穴からなるスピーカー面16が設けられており、スピーカー面16の裏面には遊技状態に応じて音声を発生するスピーカー(図示略)が装着されている。
尚、遊技球は下皿部材13に設けられた操作ハンドル17を操作し、発射装置(図示略)を作動させることにより遊技領域6に発射される。
【0008】
上皿部材11は左側部の裏面側に装着されているヒンジ(図示略)を軸として開閉可能であるが、通常の使用時には、上皿部材11は前面枠4によって上辺部分を押えられ開放を防止されている。従って、上皿部材11を開くには、前面枠4を開放し右裏側のロック(図示略)を解除する必要がある。
前面枠4及び上皿部材11は、前述した各々のヒンジを介して裏盤(図示略)の正面に配置され、遊技盤2は前記裏盤に固定されている。また、下皿部材13は前記裏盤の正面に固定されている。
尚、遊技盤2及び前記裏盤の裏面には、弾球遊技機1を制御する電子制御装置やその他機構等が備えられているが、これらは周知の技術であり図示及び説明は省略する。
【0009】
遊技盤2には、周知の外誘導レール20及び内誘導レール21が所定の距離を保って円弧状に設けられており、外誘導レール20と内誘導レール21の間には球誘導通路22が形成されている。これにより、前述した発射装置から発射された遊技球は球誘導通路22を経て遊技領域6に誘導される。また、遊技盤2上であって内誘導レール21の先端部近辺、即ち遊技領域6への入口部分には、後述する球逆流防止装置23が設けられている。
【0010】
次に、前述した球逆流防止装置23について、図2及び図3を参照して詳しく説明する。
図2に示すように、球逆流防止装置23は、円盤状の回転板24と、回転板24裏面の略中心に形成され、中央に軸穴25aが貫設された軸受部25と、軸受部25の外周に均等の距離を置いて突設された羽根部材26a〜26cとにより構成されている。この球逆流防止装置23は、図3に示すように回転板24正面から軸穴25aに釘27を挿入し、釘27の先端を遊技盤2に打ち込むことにより、回動自由に軸着されている。尚、羽根部材26a〜26cは回転板24から突出しない長さに形成されている。
また、球逆流防止装置23は、内誘導レール21の先端部近辺に取り付けられているが、球逆流防止装置23の回転板24と内誘導レール21の先端が干渉しないように位置されている。この時、羽根部材26a〜26cのいづれか1つは内誘導レール21の位置より外誘導レール20方向に突出された状態となるため、発射されてきた遊技球B1は羽根部材26a〜26cのいづれか1つに衝突する。これにより、球逆流防止装置23は釘27を軸として回動する。
尚、本具体例においての球逆流防止装置23は、通常、遊技盤2に配置される周知の風車を流用したもので、回転板24の正面には模様(図示略)が描かれている。
【0011】
上記のように構成された第1具体例の弾球遊技機1においては、前記発射装置によって発射された遊技球B1は球誘導通路22を経て遊技領域6に向かうが、内誘導レール21の先端部近辺に設けられている球逆流防止装置23の羽根部材26a〜26cのいづれかに衝突し、球逆流防止装置23を矢印A方向に回動させて遊技領域6に向かう。回動し始めた球逆流防止装置23は遊技球B1が通過した後もしばらくの間は慣性で回動しているが、通常は遊技球は連続的に(一分間に100個程度)発射されているので、遊技客が遊技を継続している間は球逆流防止装置23は回動し続ける。これにより、球誘導通路22を経て球逆流防止装置23を通過しても勢いが弱いために球誘導通路22に戻ろうとする遊技球、或は遊技領域6上の釘等に衝突して跳ね返る遊技球は、回動している球逆流防止装置23の羽根部材26a〜26cのいづれかによって跳ね返され、球誘導通路22への逆流を防止される。
【0012】
次に、本発明の弾球遊技機の第2具体例ついて、図4〜図7を参照して説明する。
第2具体例の弾球遊技機は、前述した第1具体例の弾球遊技機と同様の構成を有する他、図4に示すように、内誘導レール21の先端部に逆転防止板30が設けられている。
この逆転防止板30は、図5に示すように、略長方形の板状に形成されており、右側面の下方には傾斜面31が形成されている。また、逆転防止板30正面の下方中央には軸穴32が貫設されている。
この逆転防止板30は、図6(a)に示すように、内誘導レール21の内側面、即ち外誘導レール20に向いた面に取り付けられるが、その際、逆転防止板30の上半分程度が内誘導レール21の先端より上方に突出されるように且つ逆転防止板30の右側面を内誘導レール21の内側面に沿うように位置させ、釘(図示略)を軸穴32に挿入し前記釘の先端を遊技盤2に打ち込むことによって回動自由に軸着される。この逆転防止板30は、通常、自重により内誘導レール21に支えられた状態で待機されている。また、逆転防止板30の先端は、球逆流防止装置23が回動した時、羽根部材26a〜26cの先端と若干干渉する長さに形成されている。
【0013】
逆転防止板30は前述した待機状態から外誘導レール20方向のみに回動可能であるが、所定の角度まで回動すると、図6(b)に示すように逆転防止板30に形成されている傾斜面31が内誘導レール21の内側面にあたることによって回動範囲が制限される。この状態においては、逆転防止板30は、回動している球逆流防止装置23の羽根部材26a〜26cと干渉しないように設定されている。
尚、本具体例においては、回動範囲が15度程度となるように構成されている。
【0014】
上記のように構成された第2具体例の弾球遊技機においては、例えば図6(a)に示すように、発射装置(図示略)によって発射され球誘導通路22を経て遊技領域6に向かった遊技球は球逆流防止装置23の羽根部材26aに衝突し図6(b)に示すように球逆流防止装置23を矢印A方向に回動させる。同時に逆転防止板30は羽根部材26bに押され回動するので、羽根部材26bとの干渉はなくなり球逆流防止装置23は回動を続ける。回動された逆転防止板30は羽根部材26bが通過すると自重により待機状態に戻るが、羽根部材26c及び26aの各々にも次々に押され前述した動作を繰り返す。
これにより、第1具体例と同様にして発射された遊技球B1が球発射通路22に逆流するのを防止するが、本具体例においては、逆転防止板30によって球逆流防止装置23の逆方向への回動が防止されているので、例えば図7に示すように、遊技領域6に発射され強い勢いで跳ね返されて球誘導通路22に戻ろうとた遊技球B1が羽根部材26aに衝突しても、羽根部材26bが逆転防止板30によってロックされ、球逆流防止装置23は矢印B方向には回動できないので遊技球B1は羽根部材26aに跳ね返され球誘導通路22への逆流を防止される。
【0015】
以上詳細に説明したように、第1具体例及び第2具体例の弾球遊技機によると、模様の描かれた回転板24を有する球逆流防止装置23の回動によって遊技球の逆流を防止することができ且つ趣向性を向上させることができるという優れた効果を奏する。また、第2具体例の弾球遊技機では、第1具体例の弾球遊技機と同様の効果を有する他、逆転防止板30によって球逆流防止装置23の逆回転が防止されているので、更に確実に遊技球の逆流を防止することができるという効果を有する。
【0016】
更に、第1及び第2具体例の弾球遊技機の球逆流防止装置23は、通常遊技盤2に配置される周知の風車を流用したものであるので、遊技球の逆流を防止するだけのための専用装置を生産する必要がなくなる。これにより、部品点数が減り、部品管理を簡略化できるという効果も有する。
尚、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々に実施できることは言うまでもない。
【0017】
【発明の効果】
本発明の弾球遊技機によると、球逆流防止装置は、発射された遊技球の衝突により回動され、遊技領域から戻ろうとする遊技球を跳ね飛ばし逆流を防止するという優れた効果を奏する。
また、遊技客が継続して遊技を行っている限り前記球逆流防止装置は回動し続けるので趣向性を向上させることができるといった優れた効果も有する。
更に、前記球逆流防止装置として、従来から使用されている風車を流用すれば部品種類を減らすことができるので、生産性を向上させ、部品管理を簡略化させることができるといった効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本具体例の弾球遊技機を示す正面図である。
【図2】本具体例の球逆流防止装置の裏面を示す斜視図である。
【図3】本具体例の球逆流防止装置を遊技盤に取り付けた状態を示す正面図である。
【図4】本具体例の球逆流防止装置と逆転防止板を遊技盤に取り付けた状態を示す正面図である。
【図5】本具体例の逆転防止板を示す斜視図である。
【図6】本具体例の球逆流防止装置の動作を示す摸式図であり、図6(a)は球逆流防止装置の羽根部材が逆転防止板に干渉した状態を示す正面図であり、図6(b)は逆転防止板が羽根部材によって回動された状態を示す正面図である。
【図7】 本具体例の球逆流防止装置が逆転防止板によって逆回転を阻止された状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1・・・弾球遊技機 2・・・遊技盤 3・・・ガラス枠
4・・・前面枠 5a,5b・・・ガラス
6・・・遊技領域 7・・・大当りランプ 8・・・鍵
10・・・上受皿 11・・・上皿部材 12・・・下受皿
13・・・下皿部材 14・・・上皿排出口 15・・・下皿排出口
16・・・スピーカ面 17・・・操作ハンドル 20・・・外誘導レール
21・・・内誘導レール 22・・・球誘導通路
23・・・球逆流防止装置 24・・・回転板
25・・・軸受部 25a,32・・・軸穴
26a〜26c・・・羽根部材 27・・・釘
30・・・逆転防止板 31・・・傾斜面 B1・・・遊技球

Claims (2)

  1. 遊技盤上に設けられた内誘導レール及び外誘導レールと、
    前記内誘導レールと前記外誘導レールとの間に設けられ、前記遊技盤上に形成された遊技領域に向けて発射される遊技球が進行可能な球誘導通路と、
    前記内誘導レールの先端部近辺に回動可能に設けられた球逆流防止装置と、を備えた弾球遊技機において、
    前記球逆流防止装置は、複数の羽根部材を含んで構成されるとともに、前記複数の羽根部材のいずれか1つが前記内誘導レールの位置より前記外誘導レール方向に突出した状態となるように設けられ、
    前記球誘導通路を前記遊技領域に向けて進行する遊技球が前記外誘導レール方向に突出した羽根部材に衝突することにより、前記球逆流防止装置が、前記球誘導通路を進行する遊技球の進行方向に沿って回動することを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記外誘導レールに対向する前記内誘導レール内側面側の先端部に一端部が回動可能に軸着され、他端部が前記複数の羽根部材の先端部と干渉する長さに形成された逆転防止板を備え、
    前記球誘導通路を前記遊技領域に向けて進行する遊技球が前記複数の羽根部材のいずれか1つに衝突した場合、前記複数の羽根部材のいずれか1つに前記他端部が押されることで、前記逆転防止板が前記外誘導レール方向に回動して前記球逆流防止装置の回動を継続させ、
    前記遊技領域から前記球誘導通路に向けて進行する遊技球が前記複数の羽根部材のいずれか1つに衝突した場合、前記複数の羽根部材のいずれか1つに前記他端部が押されることで、前記逆転防止板が前記内導レール内側面に当接して前記球逆流防止装置の回動を防止することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
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