JP3925592B2 - 防災システム装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱感知器等を通して異常を検知したときポーリングを要求する端末機器を備えた防災システム装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の防災システム装置として、制御装置が所定周期でポーリングし、そのポーリングにより異常を検知したときは、端末機器を特定するポーリングを行って異常の情報を収集するものがある。例えば、集合住宅の各住戸にそれぞれ設置された端末機器を複数にグループ化し、このグループ毎にポーリングを行って、それぞれのグループに返送タイミングを与える。このタイミングで応答があった場合は、応答したグループ内の端末機器毎に再びポーリングし、端末機器毎に返送タイミングを与える。このポーリングにより、異常を発した端末機器を特定できたときは、その端末機器から情報を収集し、その情報に応じて制御命令を送信する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の防災システム装置では、複数の異常がほぼ同時に発生しているときにポーリングを行った場合、タイミング的に最初に受信した異常に対して処理を行うようになり、そのため、異常の中に危険度の高い異常が発生していても先に受信した異常に対しての処理が終了するまで待機状態となってしまい、被害が拡大する恐れがあった。また、ポーリングは周期的に行われているため、電力の消費が大きくなっていた。
【0004】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、ポーリングを周期的に行わなくても異常発生時にはその発生源を確実に特定して対処し、しかも、複数の異常がほぼ同時に発生していた場合には危険度の高い方の異常を優先的に選択して処理する防災システム装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る防災システム装置は、各種の検知手段を通じて異常の有無を監視し、異常を検知したときにポーリングを要求する複数の端末機器と、ポーリング要求を受けたとき、複数の端末機器が検知する異常の種類に対応して設定された複数のタイムスロットを設けてポーリングする制御装置とを備え、複数の端末機器は、ポーリング要求によりポーリングを受けたとき、複数のタイムスロットの中から、検知した異常に対応するタイムスロットを選択して返送し、制御装置は、前記ポーリングにより、複数の端末機器によるタイムスロットの選択から複数の異常を確認したときは、危険度の高い方の異常を優先的に選択して、その選択された異常を発した端末機器のみが応答できることで、その危険度の高い方の異常を発した端末機器を特定するポーリングを行い、このポーリングにより危険度の高い方の異常を発した端末機器を特定できたときは、その端末機器に対しセレクティングを行って、その危険度の高い方の異常の情報を優先的に収集する。
【0006】
前記異常として、火災系、コール系、故障系があり、かつ、火災系、コール系、故障系の順で危険度が高い異常である。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態に係る防災システム装置の構成を示すブロック図、図2は緊急ポーリング及び階ポーリングのフォーマットを示す図、図3は号室ポーリングのフォーマットを示す図である。
図において、1は例えば集合住宅の管理室に設置された制御装置で、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」という)2と、電流を制御し直流電源24Vを出力する電流制御回路3と、マイコン2からのデジタル信号をパルス(データ)に変換し(ハイレベル:24V、ローレベル:0V)、後述する端末機器に制御路21を介して送信する送信回路4と、制御路21を介して受信されたパルスをデジタル信号に変換しマイコン2に出力する受信回路5とを備えている。
【0009】
11は各居室に設置された端末機器で、マイコン12と、制御路21を介して受信されたパルスをデジタル信号に変換しマイコン12に出力する受信回路13と、マイコン12からのデジタル信号をパルスに変換し、制御装置1に制御路21を介して送信する送信回路14とを備え、本機器11には、図示していないが、ドアホン、熱感知器、ガス漏れ検知器、防犯センサ、水漏れセンサ、コールボタン等が接続されており、図示せぬ集合玄関機とは制御装置1を介して接続されている。
【0010】
前述した制御装置1のマイコン2は、電源が立ち上がったとき初期設定し、その後、後述する緊急ポーリングの処理に入る。この時の緊急ポーリングは、各居室の端末機器11の状態を監視するためで、異常が確認されなかったときは各端末機器11に端末イベント許可を出す。この許可は、異常を検知したときに緊急ポーリング要求を出してもよいという各端末機器11への許可である。
【0011】
端末イベント許可を出した後は、端末機器等からのデータの受信があるかどうかを判定し、データ受信を検知したときは緊急ポーリング要求のデータかどうかを判定し、緊急ポーリング要求の場合は緊急ポーリングの処理に入り、受信データに異常があると判断したときは前記と同様に緊急ポーリングの処理に入る。また、受信データが通話の呼出によるものであるときは送信元と受信先とを接続する制御に入る。
【0012】
受信データがないときは、所定時間経過(例えば1分)するまでそのデータ受信の有無を繰り返し判定し、所定時間経過したときは端末存在/不存在のポーリングを行う。このポーリングは、各階毎に行い、端末機器11が故障しているかどうかを監視するためである。終了時には各端末機器11に対して再び端末イベント許可を出して、データの受信があるかどうかの判定に入る。
【0013】
緊急ポーリングを行うときは、まず受信回路5を通じて制御路21をセンシングし、送信可能時間内で送信可能なとき、即ち制御路21が他の端末機器等により使用されていないときは、予め分けられたグループ毎にポーリングする。例えば64階建ての集合住宅の場合は、1階〜32階と33階〜64階とに対して行われる。このポーリングは、図2(a)に示すようなフォーマットからなり、最初のポーリングには、1階〜16階と17階〜32階とにそれぞれタイムスロット(火災系、コール系、故障系)が設定され、次のポーリングには、33階〜48階と49階〜64階とにそれぞれタイムスロットが設定されている。
【0014】
このポーリングにより異常内容を示すデータが受信されたときは、その受信データのタイムスロットから階グループ(1階〜16階、17階〜32階、33階〜48階及び49階〜64階の何れか一つ)を判別すると共に、受信データから火災系、コール系又は故障系の何れかを特定する。故障系を確認したときは、それを発した端末機器11が応答できるように故障関係の階ポーリングを行い、コール系を確認したときはコール関係の階ポーリングを行い、火災系の場合には、それを発した端末機器11が応答できるように火災関係の階ポーリングを行う。また、受信データから火災系とコール系を確認したときは、危険度の高い火災系を選択して火災関係の階ポーリングを行い、コール系と故障系を確認したときは、故障系より危険度の高いコール系を選択してコール関係の階ポーリングを行う。
【0015】
この階ポーリングは、例えば、図2(b)に示すようなフォーマットからなり、異常内容を通知した端末機器11が階を通知できるようタイムスロット(8階分)がそれぞれ設定されている。グループ毎に行った緊急ポーリングにより、例えば17階〜32階の階グループを特定した場合は、まず17階〜24階の階グループに対して階ポーリング(火災、コール又は故障関係)を行い、このポーリングによりデータの受信がないときは次の階グループの25階〜32階に対して階ポーリングする。
【0016】
この階ポーリングによりデータが受信されたときは、その受信データのタイムスロットから階を判別して、その階に対して号室ポーリングを行う。この場合、階ポーリングが火災関係であったときはそれに引き続いて火災関係の号室ポーリングで行い、コール関係のときはその関係の号室ポーリングで行い、故障関係のときはその関係の号室ポーリングで行う。この号室ポーリングは、例えば、図3に示すようなフォーマットからなり、階を通知した端末機器11が号室を通知できるようタイムスロット(8号室分)がそれぞれ設定されている。階ポーリングにより例えば18階を特定した場合は、まず1801号室〜1808号室に対して号室ポーリングを行い、このポーリングによりデータの受信がないときは、次の8号室分に対して号室ポーリングを行う。
【0017】
この号室ポーリングによりデータが受信されたときは、その受信データのタイムスロットから居室の端末機器11を特定し、その端末機器11との間でセレクティングを行って異常内容の情報を収集する。
【0018】
端末機器11のマイコン12は、初期設定後、制御装置1からの端末イベント許可が受信されたかどうかを判定し、その許可を受信したときは呼出操作があるかどうかの判定に入る。呼出操作があったときは、受信回路13を通じて制御路21をセンシングして送信可能なときその呼出信号を送信し、不可能なときは呼出操作を再び待つ。
【0019】
緊急ポーリングの要求を行うときは、まず制御路21をセンシングし、送信可能時間内で送信可能なときその要求を制御装置1に出す。この要求により緊急ポーリングのデータが受信されたときは、異常内容に応じてタイムスロットを選択して通知し、階ポーリングのデータが受信されたときは、該当するタイムスロットで階を知らせるデータを返送し、号室ポーリングのデータが受信されたときは、所定のタイムスロットで号室を知らせるデータを返送し、この号室ポーリングによりセレクティングが行われたときは異常内容の情報を通知する。
【0020】
火災系の作動とは、熱感知器又はガス漏れ検知器が作動したとき、或いはこれらを試験したときの作動であり、また、コール系の作動とは、防犯センサや水漏れセンサが作動したとき、或いはトイレやバスルームに設置されたコールボタンがオンされたときの作動であり、故障系の作動とは、熱感知器・ガス漏れ検知器の故障検知によるものや、コールボタンとの間の電線の断線検知によるものである。
【0021】
次に、本実施形態における端末機器及び制御装置の動作を説明する。図4、図5及び図6は制御装置の動作を示すフローチャート、図7及び図8は端末機器の動作を示すフローチャート、図9は緊急ポーリングによるデータ送受信のタイミングチャートである。
なお、端末機器11は、検知した異常(火災系、コール系又は故障系)に応じてそれぞれ緊急ポーリングを要求して動作するが、その動作が同じであるため図8のフローチャートを共用して説明する。また、制御装置1は、緊急ポーリングの要求に応じて火災関係、コール関係又は故障関係の緊急ポーリングの処理を行うが、その処理の動作が同じであるため図6のフローチャートを共用して説明する。
【0022】
制御装置1は、初期設定が終了すると(ステップ(S)1)、緊急ポーリングの処理に入る(S2)。まず、送信可能時間の測定を開始してその時間内までに送信可能かどうかを制御路21をセンシングして判定する(S11〜S13)。送信可能時間を経過しても送信できないとき、即ち制御路21が使用されているときは測定時間をクリアして再び時間の測定を開始し(S22,S11)、送信可能かどうかの判定に入る(S12,S13)。
【0023】
ここで、送信可能時間内に送信できることをセンシングを通じて検知したときは、1階〜32階を一グループとして、33階〜64階を別のグループとして緊急ポーリングのデータをそれぞれ送信する(S14)。この時、1階〜32階に対しては1階〜16階と17階〜32階にそれぞれタイムスロットを設定し、33階〜64階に対しては33階〜48階と49階〜64階にそれぞれタイムスロットを設定する。
【0024】
この緊急ポーリングを行った際、待機時間の測定を開始して、タイムアップするまで待機する(S15,S16)。その時間がタイムアップしたときは、測定時間をクリアして、端末機器11からのデータ受信があったかどうかを判定する(S17,S18)。データの受信を検知したときは、そのデータのタイムスロットから火災系か、コール系か、又は故障系かを順次に判別するが(S19〜S21)、データの受信を検知できなかったときは、この緊急ポーリングの処理を終了して全居室の端末機器11に対し端末イベント許可を出す(S3)。
【0025】
そして、受信データがあるかどうかを判定し(S4)、受信データがないときは、所定時間経過(例えば1分)するまでそのデータ受信の有無を繰り返し判定し(S4,S5)、所定時間経過したときは端末存在/不存在のポーリングを行い(S6)、終了時には再び端末イベント許可を出して受信データの有無の判定に入る(S3,S4)。
【0026】
一方、各居室の端末機器11は、初期設定終了後に端末イベント許可が受信されると(図7のS51,S52)、呼出操作があったかどうかを判定する(S53)。呼出操作を検知したときは、送信可能時間の測定を開始し(S57)、タイムアップしたかどうかを判定する(S58)。この時点では即座に制御路21のセンシングに入って送信可能かどうか、即ち制御路21が他の端末機器等により使用されているかいないかを判定する(S59)。送信不可能な状態、即ち制御路21が他の端末機器等により使用されている状態が送信可能時間の間継続したときは呼出操作による信号送信を中止すると共に、測定時間をクリアして再び呼出操作の判定に入る(S62,S53)。
【0027】
また、送信可能時間を経過する前に送信が可能であることを検知したときは呼出信号を送信し(S60)、これにより、図示せぬ通話路で送受信が行われたかどうかを判定する(S61)。送受信が行われないときは送信可能時間を経過したかどうかの判定に入るが(S58)、送受信が行われたときはその状態を保持しながら呼出操作の有無の判定に入る(S53)。
【0028】
呼出操作がないときは、火災系、コール系又は故障系が作動したかどうかを順次に判定する(S54〜S56)。何れも作動していないときは呼出操作の有無の判定に入り(S53)、呼出操作がない間は、この動作を繰り返し行う。この状態は各居室において異常が発生していない状態である。
【0029】
また、呼出操作がないときに例えばコール系と故障系を同時に検知したときは、危険度の高いコール系を選択して(S55)、緊急ポーリングを要求するために送信可能時間の測定を開始する(S71)。この時はその時間がタイムアップしたかどうかの判定に入るものの即座に制御路21をセンシングして緊急ポーリング要求の送信が可能かどうかを判定する(S72,S73)。
【0030】
送信不可能な状態が送信可能時間の間継続したときは測定時間をクリアして、火災系が作動状態かどうかの判定に入るが(S83,S54)、送信可能時間を経過する前に送信が可能であることを検知したときは、図9(a)に示すように緊急ポーリング要求を制御装置1に送信して、緊急ポーリングのデータ受信を待つ(S74、S75)。
【0031】
一方、制御装置1は、データの受信を検知すると緊急ポーリング要求かどうかを判定し(図4のS7)、そのデータが緊急ポーリング要求であることを確認したときは緊急ポーリングの処理に入る(S9)。なお、ここで、緊急ポーリング要求でないと判定した場合には、受信データに異常があるかどうかを判定し(S8)、受信データに異常があると判断したときは、前記と同様に緊急ポーリングの処理に入る(S9)。また、S8において受信データに異常がないと判断したときは所定時間経過(例えば1分)するまでその受信データの有無の判定を繰り返す動作を行う(S4,S5)。
【0032】
緊急ポーリングの処理に入った場合には(S9)、まず、前記と同様に送信可能時間の測定を開始してその時間内までに送信可能かどうかを制御路21をセンシングする(S11〜S13)。送信できなかったときは測定時間をクリアして再び時間の測定を開始し(S22,S11)、送信可能かどうかの判定に入るが(S12,S13)、送信できることをセンシングを通じて検知したときは、前述したように1階〜32階を一グループとして、33階〜64階を別のグループとして緊急ポーリングのデータをそれぞれ送信する(S14)。このデータを送信した際、1階〜32階に対しては1階〜16階と17階〜32階にそれぞれタイムスロットを設定し、33階〜64階に対しては33階〜48階と49階〜64階にそれぞれタイムスロットを設定する(図9(a)参照)。この緊急ポーリングを行った際、待機時間の測定を開始して、タイムアップするまで待機する(S15,S16)。
【0033】
この時、緊急ポーリングを要求した端末機器11は、緊急ポーリングのデータを受信する(図8のS75)。そして、図9(a)に示すようにそのデータの中の命令に応答して所定のタイムスロットでコール系検知の旨を通知し(S76)、コール関係の階ポーリングのデータ受信を待つ(S77)。ここで、例えば17階〜32階の何れかの居室の端末機器11が火災系を検知していた場合、同図(a)に示すように火災系検知の通知を所定のタイムスロットで返送する。
【0034】
一方、制御装置1は、待機時間がタイムアップしたかどうかを判定しており(図5のS16)、その時間がタイムアップしたとき測定時間をクリアして受信データがあるかどうかを判定する(S17,S18)。受信データがないときは、前述したように緊急ポーリングの処理を終了して全居室の端末機器11に端末イベント許可を出すが(S3)、データの受信を検知したときは、そのデータのタイムスロットから火災系が存在するかどうかを判別すると共に、図示していないが階グループを判別する。この場合、コール系と火災系であるが危険度の高い火災系を選択し(S19)、かつ、17階〜32階の階グループを判別する。
【0035】
そして、図9(b)に示すように緊急ポーリングの場合と同様に、まず最初に17階〜24階の階グループに火災関係の階ポーリングのデータを送信する(S31)。この時、各端末機器11から階を通知するデータが受信されないときは、階グループ終了かどうかを判定し(S32,S33)、終了のときは全居室の端末機器11に端末イベント許可を出すが(S41)、終了していないときは、図9(b)に示すように次の階グループ25階〜32階を選択して火災関係の階ポーリングのデータを送信する(S34,S31)。そして、前記と同様に受信データがあるかどうかを判定する(S32)。
【0036】
火災系検知を通知した端末機器11は、火災関係の階ポーリングのデータを受信する(S77)。そして、図9(b)に示すように階を知らせるために所定のタイムスロットでデータを制御装置1に送信し(S78)、火災関係の号室ポーリングのデータ受信を待つ(S79)。なお、緊急ポーリングを要求した端末機器11は、コール系検知であるため、火災関係の階ポーリングが送信されても取り込むことなくコール関係の階ポーリングが送信されるまで待機する。
【0037】
制御装置1は、前記端末機器11からのデータの受信を検知すると(S32)、そのデータのタイムスロットから18階を確認し、図9(c)に示すようにその18階の最初の居室グループ(1801号室〜1808号室)の各端末機器11に対して火災関係の号室ポーリングのデータを送信する(S35)。この時、各端末機器11から居室番号を知らせるためのデータが受信されたかどうかを判定し(S36)。受信データを検知したときはセレクティングに入るが(S39)、受信データがないときは、18階の居室グループ終了かどうかを判定する(S37)。居室グループが終了しているときは全居室の端末機器11に端末イベント許可を出して(S41)、図4のS4に戻るが、居室グループが存在するときは次の居室グループ(1809号室〜1816号室)を選択して各端末機器11に対し火災関係の号室ポーリングのデータを送信し(S38,S35)、前記と同様にデータの受信があるかどうかを判定する(S36)。
【0038】
この時、火災系を検知した端末機器11は、火災関係の号室ポーリングのデータを受信する(S79)。そして、図9(c)に示すように居室番号を知らせるために所定のタイムスロットでデータを制御装置1に送信し(S80)、制御装置1からのセレクティングを待つ(S81)。
【0039】
制御装置1は、火災関係の号室ポーリングによるデータ受信を検知すると(S36)、そのデータのタイムスロットから居室番号を判別して特定し、その居室の端末機器11に対しセレクティングを行い(S39)、特定した端末機器11からの情報を待つ(S40)。
【0040】
特定された端末機器11は、制御装置1によってセレクティングが行われると(S81)、それに応答して例えば熱感知器が作動した旨の情報を制御装置1に通知する(S82)。
【0041】
この時、制御装置1は、前述の如く情報が受信されたかどうかを判定しており(S40)、情報が受信されたときは、その情報から異常内容を判別する。この場合は火災発生を認識して、図示していないが、特定した居室、両隣の居室及び直上階の居室の各端末機器11を通じて火災発生の旨を例えば音声で伝達させるると共に、ベルを鳴動して全居室の住民に知らせる。そして、図4のS4に戻って端末機器11からのデータ受信の有無の判定に入る。
【0042】
以上のように本実施形態においては、端末機器11は、予め定められた危険度の高い順の火災系、コール系及び故障系を順番に監視し、複数の系の作動を同時に検知したときは危険度の高い方の系を選択して緊急ポーリングを要求し、制御装置1は、緊急ポーリングの要求を受けたときにポーリングして火災系、コール系及び故障系の何れかを判別し、このポーリングにより複数の系を検知したときは危険度の高い方を優先的に選択して、その系を発した端末機器11を特定するポーリングを行い、このポーリングにより端末機器を特定できたときは異常内容の情報を収集するセレクティングを行うようにしたので、複数の異常が同時に発生しても危険度の高い方から処理でき、このため、被害を最小限に抑えることができ、また、端末機器が異常を検知したとき緊急ポーリングの要求を行うようにしているので、ポーリングによる電力消費を抑えることができるという効果がある。
【0043】
なお、本実施形態では、異常を火災系、コール系、故障系の3種に分けて説明したが、これに限定されることなく例えば危険度の高い順から火災系、コール系、防犯系、故障系というように4種或いはそれ以上に細分化してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数の端末機器が、各種の検知手段を通じて異常を検知したときポーリングを要求し、制御装置は、ポーリング要求を受けたとき、複数の端末機器が検知する各種の異常に対応して設定された複数のタイムスロットを設けてポーリングし、複数の端末機器は、ポーリング要求によりポーリングを受けたとき、複数のタイムスロットの中から、検知した異常に対応するタイムスロットを選択して返送し、制御装置は、前記ポーリングにより、複数の端末機器によるタイムスロットの選択から複数の異常を確認したときは、危険度の高い方の異常を優先的に選択して、その選択された異常を発した端末機器のみが応答できることで、その危険度の高い方の異常を発した端末機器を特定するポーリングを行い、このポーリングにより危険度の高い方の異常を発した端末機器を特定できたときは、その端末機器に対しセレクティングを行って、その危険度の高い方の異常の情報を優先的に収集するようにしたので、複数の異常が同時に発生しても危険度の高い方から処理でき、このため、被害を最小限に抑えることができる。
また、複数の端末機器が異常を検知したときにポーリングの要求を行うようにしているので、制御装置から周期的に行われていた異常確認のためのポーリングが不要になり、従来と比べ電力消費を抑えることができる。また、複数の端末機器は、ポーリング要求によりポーリングを受けたとき、複数のタイムスロットの中から、検知した異常と同一のタイムスロットを選択して返送するようにしているので、制御装置側においては、異常内容の判別を正確に行え、このため、複数の異常を検知したときには危険度の高い方を確実に選択して対処できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る防災システム装置の構成を示すブロック図である。
【図2】緊急ポーリング及び階ポーリングのフォーマットを示す図である。
【図3】号室ポーリングのフォーマットを示す図である。
【図4】制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】図4に続くフローチャートである。
【図6】図6に続くフローチャートである。
【図7】端末機器の動作を示すフローチャートである。
【図8】図7に続くフローチャートである。
【図9】緊急ポーリングによるデータ送受信のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 制御装置
2 マイコン
3 電流制御回路
4 送信回路
5 受信回路
11 端末機器
12 マイコン
13 受信回路
14 送信回路
21 制御路
Claims (2)
- 各種の検知手段を通じて異常の有無を監視し、異常を検知したときにポーリングを要求する複数の端末機器と、
前記ポーリング要求を受けたとき、前記複数の端末機器が検知する異常の種類に対応して設定された複数のタイムスロットを設けてポーリングする制御装置とを備え、
前記複数の端末機器は、前記ポーリング要求によりポーリングを受けたとき、複数のタイムスロットの中から、検知した異常に対応するタイムスロットを選択して返送し、
前記制御装置は、前記ポーリングにより、前記複数の端末機器によるタイムスロットの選択から複数の異常を確認したときは、危険度の高い方の異常を優先的に選択して、該選択された異常を発した端末機器のみが応答できることで、その危険度の高い方の異常を発した端末機器を特定するポーリングを行い、このポーリングにより危険度の高い方の異常を発した端末機器を特定できたときは、その端末機器に対しセレクティングを行って、該危険度の高い方の異常の情報を優先的に収集することを特徴とする防災システム装置。 - 前記異常として、火災系、コール系、故障系があり、かつ、火災系、コール系、故障系の順で危険度が高い異常であることを特徴とする請求項1記載の防災システム装置。
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