JP3924910B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体プロセスにおいて、レジストパターンを形成する際に、パターンの分離サイズまたはホール開口サイズを縮小するために、微細パターニング用の材料を用いた半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの高集積化に伴って、製造プロセスに要求される配線および分離幅は、非常に微細化されている。一般的に、微細パターンの形成は、フォトリソグラフィ技術によりレジストパターンを形成し、その後に形成したレジストパターンをマスクとして、下地の各種薄膜をエッチングする方法により行われている。
【0003】
そのため、微細パターン形成においては、フォトリソグラフィ技術が非常に重要となる。フォトリソグラフィ技術は、レジスト塗布、マスク合わせ、露光および現像で構成されており、微細化に対しては露光波長の制約から、微細化には限界が生じている。
【0004】
そのため、従来の露光によるフォトリソグラフィ技術の限界を越える微細なレジストパターンの形成方法として、特開平6―250379号公報、特開平7―134422号公報などの手法が提案されており、これらの手法は、第1のレジストと第2のレジストの樹脂成分の相互拡散を利用している。しかし、第2のレジストとして第1のレジストを溶解させうる有機溶媒に可溶なフォトレジスト材料を用いており、第1のレジストパターンを変形させる問題がある。
【0005】
また、第2のレジストを剥離する処理方法は、第2のレジストを露光し、酸を発生させ、第2のレジストを溶解させうる現像液(テトラメチルアンモニウム水和物水溶液などのアルカリ性現像液またはキシレンなど)を用いて第2のレジストを溶解除去している。しかし、第2のレジストの露光時に、下地である第1のレジストに対しても露光することにより、可溶化することがある。可溶化された第1のレジストは第2のレジストを溶解させうる溶液に対して可溶となることから、第2のレジストの溶解除去時に第1のレジストが溶解される可能性が高く、プロセスマージンが小さい。
【0006】
また、第2のレジストとして、特開平6―250379号公報に記載のポリビニルアルコールを用いた場合には、その効果が小さいこと、処理後のパターン形状が悪いこと、また水のみで現像を行うため、十分な洗浄が行われず、パターン上にシミなどの現像残渣が残りやすく、次工程におけるエッチング時にパターン欠陥を発生するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の露光によるフォトリソグラフィ技術では、その波長の限界を超える微細なレジストパターンの形成は困難であった。
また、波長限界を超えるパターン形成を可能とする手法も提案されているが、いくつかの問題が残っており、実際の半導体製造に適用するのは困難である。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、分離パターン、ホールパターンの微細化に於て、波長限界を超えるパターン形成を可能とする微細分離レジストパターン形成を実現する微細パターニング用の材料を用いた微細分離レジストパターン形成技術による半導体装置の製造方法およびこの製造方法によって製造した半導体装置を提供しようとするものである。
さらに、有機溶媒に可溶な材料を用いることにより、ベース樹脂の選択幅が広がる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に、第1のレジストパターンを形成する工程と、この第1のレジストパターン上に上記第1のレジストパターンを溶解せず酸により架橋反応を起こす第2のレジストを形成する工程と、酸の供給により上記第1のレジストパターンに接する上記第2のレジスト界面部分に架橋層を形成する工程と、上記第1のレジストパターンを溶解させないで上記第2のレジストの非架橋部分を現像液で現像して第2のレジストパターンを形成する工程と、この第2のレジストパターンをマスクとして上記半導体基板をエッチングする工程とを備え、上記第2のレジスト材料として、酸により架橋すると共に、有機溶剤に可溶で水を貧溶剤とする樹脂を含有するものを用い、上記現像液が有機溶剤系の現像液であり、上記架橋層の溶解性に合わせて、上記第2のレジストに用いる材料の良溶剤と貧溶剤とが上記第1のレジストパターンを溶解しない範囲で混合されたものである方法である。
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、上記第1の半導体装置の製造方法において、第2のレジスト材料として、有機溶剤に可溶な架橋剤、および酸の存在下で上記架橋剤により架橋されると共に有機溶剤に可溶で水を貧溶剤とする樹脂を含有するものを用い、上記現像液が有機溶剤系の現像液であり、上記架橋層の溶解性に合わせて、上記第2のレジストに用いる材料の良溶剤と貧溶剤とが上記第1のレジストパターンを溶解しない範囲で混合されたものである方法である。
【0009】
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法は、上記第1または第2の半導体装置の製造方法において、第1のレジストパターン上に第2のレジストを形成する前に、第1のレジストパターンを熱処理する方法である。
【0010】
本発明に係る第4の半導体装置の製造方法は、上記第1ないし第3のいずれかの半導体装置の製造方法において、第2のレジスト材料が可塑剤または界面活性剤を含有する方法である。
【0011】
本発明に係る第5の半導体装置の製造方法は、上記第1ないし第4のいずれかの半導体装置の製造方法において、有機溶剤に可溶な樹脂がシリコーン系樹脂を含有する方法である。
【0012】
本発明に係る第6の半導体装置の製造方法は、上記第1ないし第5のいずれかの半導体装置の製造方法において、有機溶剤に可溶な樹脂の架橋部位が不飽和結合または水酸基である方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明で対象とする微細分離されたレジストパターンを形成するためのマスクパターンを示す図でマスクパターンの例として(a)〜(f)に示す。即ち、(a)は微細ホールのマスクパターン100、(b)は、微細スクエアのパターン200、(c)は微細スペースのマスクパターン300、(d)は孤立の残しのパターン400、(e)は孤立の残しのパターン500、(f)は孤立の残しのパターン600を示す。図2および図3は、本発明の実施の形態1の微細分離レジストパターン形成方法を説明するためのプロセスフロー図である。
【0018】
まず、図1〜3を参照しながら、この実施の形態に係わる微細分離レジストパターンの形成方法とこれを用いた半導体装置の製造方法を説明する。
図2(a)で示すように、半導体基板(半導体ウエハー)3に、光照射または加熱処理により内部に酸を発生する機構をもつ第1のレジスト1を塗布する(例えば、厚さ0.7〜1.0μm程度)。
この第1のレジスト1は、半導体基板上にスピンコートなどにより塗布し、次に、プリべーク(70〜120℃で1分程度の熱処理)を施して第1のレジスト中の溶剤を蒸発させる。
【0019】
次に、第1のレジストパターンを形成するために、g線、i線、Deep―UV、KrFエキシマ、ArFエキシマ、EB(電子線)またはX―rayなど、用いた第1のレジストの感度波長に対応した光源を用い、図1に示すようなパターンを含むマスクを用い投影露光する。
【0020】
ここで用いる第1のレジストは、特に限定されるものではなく、加熱処理または光などの照射により、レジスト内部に酸性成分が発生する機構を用いたレジストであればよく、例えば、KrFエキシマ、ArFエキシマ、EB(電子線)またはX―rayなどの照射により酸の発生が生じるレジストであればよく、また、ポジ型またはネガ型レジストのどちらでもよい。
例えば、第1のレジストとしては、ノボラック樹脂、ナフトキノンジアジド系感光剤から構成されるポジ型レジストなどが挙げられる。
さらに、第1のレジストとしては、露光により酸を発生する機構を用いた化学増幅型レジストの適用も可能であり、露光により酸を発生する反応系を利用したレジスト材料であれば、特に限定されることはない。
【0021】
上記のように第1のレジストの露光を行った後、必要に応じてPEB(露光後加熱)を行い(例えば、PEB温度:50〜130℃)現像することによりレジストの解像度を向上させる。
次に、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)などの約0.05〜3.0wt%のアルカリ水浴液を用いて現像する。図2(b)は、こうして形成された第1のレジスト1のパターンを示す。
現像処理を行った後、必要に応じて、例えば、60〜120℃のベーク温度で60〜90秒間程度のポストデベロッピングベークを行う場合もある。
この熱処理は、後のミキシング反応に影響する為、用いる第1のレジストまたは第2のレジスト材料に併せて、適切な温度に設定することが望ましい。
以上は、酸を発生する第1のレジスト1を用いるという点を別にすれば、プロセスとしては、一般的なレジストプロセスによるレジストパターンの形成と同様である。
【0022】
以上のように、図2(b)のパターン1aを形成後、図2(c)に示すように、酸の存在により架橋する第2のレジスト材料を第1のレジスト1を溶解しない溶剤に溶解して、半導体基板3上の第1のレジストパターン1aに塗布する。
第2のレジスト材料の塗布方法は、第1のレジストパターン1a上に均一に塗布可能であれば、特に限定されるものではなく、スプレーによる塗布または第2のレジスト溶液中に浸漬(ディッピング)することにより塗布することも可能である。
次に、第2のレジスト2の塗布後、図2(d)に示すように、必要に応じてこれをプリベーク(例えば、85℃、60秒程度)し、第2のレジスト層2を形成する。
【0023】
次に、図2(e)に示す様に、半導体基板3を熱処理(60〜130℃、以下ミキシングベーク: MBと略記する)し、第1のレジストパターン1aからの酸を拡散させ、第2のレジスト2中へ供給し、第2のレジスト2と第1のレジストパターン1aとの界面において、架橋反応を発生させる。このMBにより第1のレジストパターン1aを被覆するように架橋反応した架橋層4が第2のレジスト2中に形成される。
この場合のMB温度/時間は、60〜130℃/60〜120secであり、用いるレジスト材料の種類、必要とする反応層の厚みにより、最適な条件に設定すれば良い。
また、上記加熱して架橋する時間(MB時間)を調整することにより、架橋層の厚みを制御することも可能であり、非常に反応制御性の高い手法である。
【0024】
次に、図2(f)に示すように、現像液を用いて第1のレジストパターンを溶解させないで、架橋していない第2のレジスト2を現像剥離する。以上の処理により、ホール内径または分離幅を縮小、または孤立残しパターンの面積を拡大したレジストパターンを得ることが可能となる。
【0025】
以上、図2を参照して説明した製造方法では、第1のレジストパターン上に第2のレジスト層を形成した後に、適当な加熱処理により第1のレジストパターン1a中から、第2のレジストへ酸を拡散させる酸を発生させる手法について説明した。
第2のレジストとして、反応性の高い適当な材料を選択し、適当な加熱処理(例えば、85℃〜150℃)を行うことにより、酸発生のための露光無しに、第1のレジストパターン中に存在する酸の拡散により、レジスト同士での界面が架橋反応を生じ、ホール内径または分離幅を縮小、または孤立残しパターンの面積を拡大したレジストパターンを得ることが可能である。
【0026】
上述のように第1のレジストパターン1aの上に形成した微細分離レジストパターンをマスクとして、下地の各種薄膜をエッチングし、下地薄膜に微細スペースまたは微細ホールを形成して、半導体装置を製造する。
【0027】
次に、加熱処理に代わってまたは加熱処理に先だって、露光により酸を発生させ、拡散する方法について説明する。
図3は、この場合の微細レジストパターンの形成方法を説明するためのプロセスフロー図である。まず、図3(a)、(b)は図2(a)、(b)と同様であるから、説明を省略する。
【0028】
上記のように第2のレジスト層を形成した後、図3(c)に示すように、再度Hgランプのg線またはi線で半導体基板を全面露光し、第1のレジスト中に酸を発生させる。
この時の露光に用いる光源は、第1のレジストの感光波長に応じて、Hgランプ、KrFエキシマ、ArFエキシマなどを用いることも可能であり、露光により酸の発生が可能であれば特に限定されるものではなく、用いた第1のレジストの感光波長に応じた光源、露光量を用いて露光すれば良い。
なお、第1のレジストパターン中に酸成分を発生させる露光工程は、適用する第1のレジストと第2のレジストとも反応性が比較的低い場合か、必要とする架橋層の厚みが比較的厚い場合または選択的に架橋層を形成したい場合に適用することが望まししいが、特に限定されることはなく、適宜使用すれば良い。
【0029】
このように、図3の例では、第2のレジストの塗布後に露光し、第1のレジストの中に酸を発生させるものであり、第1のレジスト1を、第2のレジスト2に覆われた状態で露光するため、第1のレジスト1中で発生する酸の量を露光量の調整により、広い範囲で正確に制御できるため、反応層4の膜厚が精度良く制御できる。
【0030】
上述のように、形成した微細分離レジストパターンをマスクとして、下地の各種薄膜をエッチングし、下地薄膜に微細スペースまたは微細ホールを形成して、半導体装置を製造することができる。
【0031】
以上の例では、半導体基板3の全面で微細レジストパターンを形成する方法について説明したが、次に半導体基板3の所望領域でのみ選択的に微細レジストパターンを形成する方法について説明する。図4は、この場合の製造方法のプロセスフロー図である。
【0032】
つまり、図4に示したように、第1のレジストパターン上に、第2のレジストを形成した半導体基板3を露光する以外に、必要な所定部分にのみ、選択的に露光することも可能であり、この場合には、第2のレジストが第1のレジストパターンとの界面で架橋する領域と架橋しない領域とを区別することが可能である。このように、適当な露光マスクを用いることにより、半導体基板上で選択的に露光して、露光部分と未露光部分を区別し、第2のレジストパターンが第1のレジストパターンとの境界部分において、架橋する領域と架橋しない領域とを形成することができる。これにより、同一半導体基板上において、異なる寸法の微細ホールまたは微細スペースを形成することができる。
【0033】
図4(a)、(b)の工程は、図3(a)、(b)の工程と同様である。図4(b)に示したように、第2のレジスト2の層を形成した後に、図4(c)に示すように、半導体基板3の一部を遮光板5で遮光し、選択された領域に対して、再度露光し、第1のレジストパターン1a中に酸を発生させる。これにより、図4(d)に示すように、露光された部分において、第1のレジストパターン1aに接する第2のレジスト2の界面に架橋層4を形成する。
【0034】
次に、上記第2のレジスト材料について説明する。
第2のレジスト材料としては、不飽和結合もしくは水酸基を有し酸により架橋する有機溶剤に可溶な樹脂(架橋性の樹脂)の単独種類もしくは2種類以上の混合物や、有機溶剤に可溶な架橋剤および酸の存在下でこの架橋剤により架橋される有機溶剤に可溶な樹脂を含有するものを、例えば溶媒に溶解した溶液として用いる。
上記架橋剤により架橋される樹脂は、上記架橋性樹脂も用いることができるが、それに限定されず酸の存在下で架橋剤により架橋される樹脂ならよい。
また、第2のレジストの形成方法として、上記溶液を回転塗布または上記溶液への浸漬またはスプレー塗布により形成する。
第2のレジストとして樹脂の混合物を用いる場合には、それらの材料組成は、適用する第1のレジスト材料または設定した反応条件などにより、最適な組成を設定すれば良く特に限定されるものではない。
【0035】
つまり、第2のレジストに適用される材料は、第1のレジストパターン1aを溶解しない溶媒に可溶であり、かつ酸成分の存在下で、架橋反応を生じる材料であれば特に限定されるものではない。
また、酸の存在により架橋反応を起こす第2のレジストは、レジスト材それ自身が架橋性化合物である場合を含んでおり、さらに、酸の存在により架橋反応を起す第2のレジストは、レジスト材としての化合物と架橋剤としての架橋性化合物を混合した場合を含む。
【0036】
上記有機溶剤に可溶な樹脂としては、ポリアクリル酸、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、不飽和ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリメタクリル酸メチル、スチレン―無水マレイン酸共重合体、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、オキサゾリン基含有樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、セルローズ樹脂、スルフォンアミド樹脂、マレイン酸樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン系樹脂、不飽和オルガノポリシロキサン、不飽和オルガノポリシルセスキオキサン、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、スルホンアミドが挙げられ、その1種類または2種類以上の混合物、またはその塩を用いる。
これらの樹脂は上記に限定されるものではなく、架橋反応を促進する反応部位、すなわち不飽和結合あるいは水酸基を有するポリマーあるいはオリゴマーで基板上に均一に塗布できるものであれば何でも良い。
上記樹脂として、シリコーン系樹脂を組み合わせることで、ドライエッチング耐性を向上させることができる。
【0037】
第2のレジスト材料に用いる樹脂は、上記樹脂の1種類、または2種類以上の混合物として用いてもよく、下地レジストとの反応量、反応条件などにより、適宜調整することが可能である。これらの樹脂は、溶媒への溶解性を向上させる目的で、塩酸塩などの塩にして用いても良い。
とくに、上記樹脂の酸性成分下での架橋反応が生じないか低い場合にはさらにこれらの樹脂に架橋剤を混合して用いることも可能である。
【0038】
また、上記有機溶剤に可溶な架橋剤は、酸の存在下で熱処理あるいは光照射により樹脂同士を架橋し、その樹脂を有機溶媒に不溶化させ得るものであり、例えばグアニジン系、チアゾール系、チウラム系、ジチオイカルバメート系の有機促進剤や、メラミン誘導体、尿素誘導体、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、イソシアネート、多官能エポキシ、多官能アクリル樹脂、多官能ウレタン、多官能シリコーン系樹脂のモノマーもしくはそのオリゴマーの1種類または2種類以上の混合物を用いることを特徴とするものである。これらの有機溶媒に可溶な架橋剤は上記に限定されるものではなく、第1のレジストとミキシングしない、また溶解させないもので、酸の供給によりレジストを架橋硬化できるものであれば何でも良い。
【0039】
また、第2のレジスト材料に用いる溶媒および上記第2のレジストを剥離(現像)する溶媒は、構成する樹脂と架橋剤を十分溶解し、上記第1のレジストを溶解しない、1種もしくは2種以上の混合溶媒を用いることを特徴とするものである。
溶媒としては、アルコール系、ケトン系、エーテル系、エステル系、ハロゲン化炭化水素系、ベンゼン系、アルコキシベンゼン系、環状ケトン系などで、例えばトルエン、キシレン、メトキシベンゼン、エトキシベンゼン、ベンゼン、ピリジン、シクロヘキサン、ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、酢酸t―ブチル、酢酸n―ブチル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、N―メチルピロリドン、N,N’―ジメチルホルムアミド、エタノール、メタノール、、イソプロパノール、ブチルアルコール、エチレングリコール、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、n―ブチルエーテル、n―ヘキサン、n―ヘプタン、メトキシベンゼン、エトキシベンゼン、フェネトール、ベラトロール、γ―ブチロラクトン、クロロホルムなどが挙げられ、それらの溶媒の単独または第2のレジストに用いる材料の溶解性に合わせて、第2のレジスト材料の良溶剤と貧溶剤とを、第1のレジストパターンを溶解しない範囲で混合すれば良い。
【0040】
本発明においては、第1のレジストと第2のレジストとの架橋反応を制御し、第1のレジストパターン上に形成される架橋層の厚みを制御することが重要である。
架橋反応の制御は、本発明を適用する第1のレジストと第2のレジストとの反応性、第1のレジストパターンの形状、必要とする架橋反応層の厚みなどに応じて最適化することが望ましい。
【0041】
第1のレジストと第2のレジストとの架橋反応の制御は、プロセス条件の調整による手法と、第2のレジスト材料の組成を調整する手法がある。
架橋反応のプロセス的な制御手法としては、
(1)第1のレジストパターンへの露光量を調整する、
(2)ミキシングベーク( MB )温度、処理時間を調整する、
第2のレジストに用いる材料組成の面からは、
(3)適当な2種類以上の樹脂を混合し、その混合比を調節する、
(4)樹脂に、適当な架橋剤を混合し、その混合比を調整する、
などの手法が有効である。
【0042】
しかしながら、これらの架橋反応の制御は一元的に決定されるものではなく、(1)適用する第1のレジスト材料との反応性、
(2)第1のレジストパターンの形状、膜厚、
(3)必要とする架橋剤層の膜厚、
(4)使用可能な露光条件またはMB条件、
(5)塗布条件、などのさまざまな条件を勘案して決定する必要がある。
特に、第1のレジストと第2のレジストとの反応性は、第1のレジスト材料の組成により、影響を受けることが分かっており、そのため、実際に本発明を適用する場合には、上述した要因を勘案し、第2のレジスト材料組成物を最適化することが望ましい。
従って、第2のレジストに用いられる材料の種類とその組成比は、特に限定されるものではなく、用いる材料の種類、熱処理条件などに応じて、最適化して用いる。
【0043】
また、本発明は、上記のように、微細分離レジストパターンを半導体基板3上に形成するが、これは半導体装置の製造プロセスに応じて、シリコーン酸化膜などの絶縁層の上に形成する場合もあり、またポリシリーコン膜などの導電層の上に形成することもある。
本発明は、特に下地膜に制約されるものではなく、レジストパターンを形成できる基材上であれば、どの場合においても適用可能であり、必要に応じた基材の上に形成されるものである。
【0044】
また、本発明において、第1のレジストパターン上に第2のレジスト膜を形成する前に、第1のレジストパターンを熱処理し、第2のレジストの溶剤および現像液に対する耐溶剤性を制御するようにすることにより、第2のレジストの現像条件のマージンを広がり、得られる微細パターンまたは微細スペースの形状も良くすることができる。第1のレジストパターンの熱処理温度は使用するレジストの熱分解温度以下であればよく、特に60℃〜150℃の範囲で、例えばホットプレート上で30秒〜300秒の時間で処理すると良い。
【0045】
また、本発明において、第2のレジスト材料に、柔軟性や弾性を与えることを目的として有機溶媒に可溶な可塑剤の1種類あるいは2種類以上の混合物を添加剤として、20wt%以下の濃度で含むことことは好ましい。
例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートもしくはブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル系、リン酸トリブチルエステル、トリフォスフォートもしくはリン酸トリクレシルなどのリン酸エステル系、ブチルリシノレート、ジブチルサクシネートもしくはリシール酸メチルアセチルなどの脂肪酸エステル系、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコール、ジエチルブチレート、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、3―メチレンペンタン―1,3,5―トリオールもしくはトリエチレングリコールジブチレートなどのグリコール誘導体、ジブチルセバケートもしくはジオクチルセバケートなどのセバケート系やエポキシ化大豆油、ひまし油または塩素化パラフィンなどが挙げられるが、上記他の第2のレジスト材料に相溶性があることが必要である。
【0046】
また、本発明において、第2のレジスト材料に、成膜性向上させる目的として有機溶媒に可溶な(油溶性)界面活性剤の1種類あるいは2種類以上の混合物を添加剤として、20wt%以下の濃度で含むことは好ましい。
油溶性界面活性剤は第2のレジストに用いる有機溶剤に溶解することが必要で、少量の添加で第2のレジストを基板上に均一に成膜させることができれば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤またはフッ素系界面活性剤のいずれでも良く、例えば、レシチン誘導体、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンヒマシ油もしくは硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロールもしくは水素添加ステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリンかラノリンアルコールもしくはミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミンもしくは脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸もしくはリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホン酸塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、酢酸ベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロック重合型非イオン系界面活性剤、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、パーフルオロアルキル第4アンモニウムヨウ化物またはフッ素化アルキルエステルなどが挙げられる。
【0047】
また、本発明においては、上記第2のレジストに用いる有機溶剤に可溶な樹脂組成物として、シリコーン系樹脂を組み合わせることで、ドライエッチング耐性を向上させることができる。
【0048】
また、本発明においては、第2のレジストに用いる有機溶剤に可溶な樹脂の架橋部位の反応性と導入量を調整することにより、第1のレジストとの反応量を制御することができる。
【0049】
また、本発明においては、上記有機溶剤系の現像液が第2のレジスト材料の良溶剤と貧溶剤とを混合したものであり、その混合比を調整することにより、現像速度の微調整が可能になり、現像後のテーパ角、レジストパターン分離サイズまたはホール開口サイズの縮小化の度合いを制御する。
【0050】
例えば、良溶剤として有機系極性溶剤を用い、貧溶剤として水を用い水の添加量を調整する。
【0051】
また、本発明の半導体製造装置は、上記それぞれの半導体装置の製造方法によって製造したものである。
【0052】
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2の微細分離レジストパターン形成方法を説明するためのプロセスフロー図である。図1および図5を参照して、この実施の形態2の微細分離レジストパターンの形成方法とこれを用いた半導体装置の製造方法を説明する。
【0053】
図5(a)に示すように、半導体基板3に、内部に若干の酸性物質を含有する第1のレジスト11を塗布する。第1のレジストはプリベーク(60〜150℃で1分程度の熱処理)を施した後、Hgランプのg線またはi線を用い、図1の様なパターンを組むマスクを用い投影露光する(図5では省略している)。
この後、必要に応じ、PEB(10〜150℃)で熱処理し、レジストの解像度を向上させた後、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)の約2.0%希釈水浴液を用いて現像する。
【0054】
この後、必要に応じポストデベロッピングベークを行う場合もある。この熱処理は後のミキシング反応に影響する為、適切な温度に設定する必要がある。図5(b)はこうして形成された第1のレジストのパターン11を示す。
以上は、酸を含むレジスト11を用いるという点を別にすれば、プロセスとしては、従来のレジストプロセスによるレジストパターンの形成と同様である。
【0055】
次に図5(b)のパターン形成後、図5(c)に示すように、半導体基板(ウエハ)3上に、酸の存在により架橋する架橋性化物を含み、第1のレジスト11を溶解しない溶剤に溶かされた第2のレジスト12を塗布する。ここで用いる溶媒は、実施の形態1で述べた構成と同じ材料を用いる。
次に、第2のレジスト12の塗布後、必要に応じこれをプリベークする。この熱処理は、後のミキシング反応に影響するため、適切な温度に設定することが望ましい。
【0056】
次に図5(d)に示すように、半導体基板3を熱処理(60〜150℃)し、第1のレジスト11に含まれる若干の酸性物質からの酸の供給により、第2のレジスト12の第1のレジストとの界面近傍で架橋反応を起こさせる。これにより、第1のレジスト11を被覆するように架橋反応を起こした架橋層14が第2のレジスト12中に形成される。
【0057】
次に、図5(e)に示すように、現像液を用いて第1のレジストパターンを溶解させないで、架橋していない第2のレジスト12を現像剥離する。以上の処理により、ホール内径または分離幅を縮小したレジストパターンを得ることが可能となる。
【0058】
以上のように、この実施の形態2における第1のレジスト11は、露光によって酸を発生させる必要が無く、レジスト膜11自体に酸を含むように調整されており、熱処理によりその酸を拡散させて架橋させるようにしている。この第1のレジストに含ませる酸としては、カルボン酸系の低分子酸等が好適であるが、レジスト溶液に混合することが可能であれば特に限定はされない。
【0059】
なお、実施の形能1で逆べた第1のレジストの材料、第2のレジストの材料は、それぞれこの実施の形態2においても用いることができる。
また、この微細分離レジストパターン2aを、各種の半導体基板の上に形成し、これをマスクとして、半導体基板上に微細な分離スペースあるいは微細なホールなど形成することは、先に述べた実施の形態1と同様である。
【0060】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3の微細分離レジストパターンの形成方法を説明するためのプロセスフロー図である。図1および図6を参照してこの実施の形態3の微細分割レジストパターンの形成方法、ならびにこれを用いた半導体装置の製造方法を説明する。
【0061】
先ず、図6(a)に示すように、半導体基板3に、第1のレジスト21を塗布する。第1のレジストにプリベーク(60〜150℃で1分程度の熱処理)を施した後、第1のレジストの感光波長に応じて、例えば、Hgランプのg線またはi線を用い、図1の様なパターンを含むマスクを用いて投影露光する(図6中では省略)。
必要に応じて、PEB(10〜150℃)で熱処理しフォトレジストの解像度向上させた後、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)の約2.0%希釈水溶液を用い現像する。図6(b)は、こうして形成された第1のレジストのパターン21aを示す。
【0062】
この後、必要に応じポストデベロッピングベークを行う場合もある。この熱処理は後のミキシング反応に影響する為、適切な温度に設定する必要がある。以上は、プロセスとしては、従来のレジストプロセスによるレジストパターンの形成と同様である。
【0063】
図6(b)のパターン形成後、図6(c)に示すように、半導体基板(ウェハ)3を酸性溶液で浸漬処理する。その処理方法は、通常のパドル現像の方式でよい。また、酸性溶液のベーパライズ(吹き付け)で行っても良い。また、この場合の酸性溶液は、有機酸、無機酸のいずれでもよい。具体的には、例えば、低濃度の酢酸が好適な例として挙げられる。
この工程において、酸が第1のレジストパターン21aの界面近傍に染み込み、酸を含む薄い層が形成される。この後、必要に応じて純水を用いてリンスする。
【0064】
その後、図6(e)に示すように、第1のレジストパターン21aの上に、酸の存在により架橋する架橋性化合物を含み、第1のレジスト21を溶解しない溶剤に溶かされた第2のレジスト22を塗布する。
ここで用いる第2のレジスト材およびその溶媒は、実施の形態1で述べた構成と同じ材料を用いることが可能である。
次に、第2のレジストの塗布後、必要に応じ、第2のレジスト22をプリベークする。この熱処理は、後のミキシング反応に影響するため、適切な温度に設定する。
【0065】
次に、図6(f)に示すように、半導体基板3を熱処理(60〜150℃)して、ミキシングベークを行い、第1のレジスト21aからの酸の供給で第2のレジスト22の第1のレジストとの界面近傍で架橋反応を起こさせる。これにより、第1のレジスト21を被覆するように架橋反応を起こした架橋層4が第2のレジスト22中に形成される。
【0066】
次に、図6(g)に示すように、現像液を用いて第1のレジストパターンを溶解させないで、架橋していない第2のレジスト22を現像剥離する。以上の処理により、ホール内径または分離幅を縮小したレジストパターンを得ることが可能となる。
【0067】
以上のように、この実施の形態3によれば、露光処理により、第1のレジストに酸を発生させる工程を必要とせず、第1のレジスト上に第2のレジストを成膜する前に、酸性液体による表面処理を施し、熱処理により酸を拡散させて架橋するようにするものである。
【0068】
この実施の形態3において、第1のレジスト21としては、実施の形態1で用いた、ノボラック樹脂とナフトキノンジアジド系感光剤から構成されるポジ型レジストなどが挙げられ、さらに、第1のレジストとしては、露光により酸を発生する機構を用いた化学増幅型レジストの適用も可能であり、露光により酸を発生する反応系を利用したレジスト材料であれば、特に限定されることはなく、実施の形態1で述べたその他のレジスト材料、第2のレジストの材料は、それぞれこの実施の形態3においても適用が可能である。
【0069】
また、このようにして形成した微細分離レジストパターン22aを、各種の半導体基板上に形成し、これをマスクとして、半導体基板上に微細な分離スペースまたは微細ホールなどを形成し、半導体装置を製造することは、先に述べた実施の形態1および2と同様である。
【0070】
【実施例】
実施例1.
第1のレジストとして、ノボラック樹脂とナフトキノンジアジドから構成され、溶媒として2―ヘプタノンを用いたi線レジストを用い、レジストパターンを形成した。
まず、上記レジストを、Siウェハー上に滴下、回転塗布した後、80℃/70秒でプリベークを行い、レジスト中の溶媒を蒸発させて第1のレジストを膜厚約0.8μmで形成した。
次に、露光装置として、i線縮小投影露光装置を用い、露光マスクとして、図1に示すようなマスクを用いて、第1のレジストを露光した。次に、115℃/90秒でPEB処理を行い、続いて、アルカリ現像液(NMD3:東京応化工業社製)を用いて現像を行い、図7に示すような分離サイズをもつレジストパターンを得た。
【0071】
実施例2.
第1のレジストとして、ノボラック樹脂とナフトキノンジアジドから構成され、溶媒として乳酸エチルとプロピレングリコールモノエチルアセテートを用いたi線レジストを用い、レジストパターンを形成した。
まず、上記レジストを、Siウェハー上に滴下、回転塗布により膜厚約1.0μmとなるように成膜した。次に、90℃/70秒でプリベークを行い、レジスト中の溶媒を乾燥させた。続いて、ニコン社製ステッパーを用い、図1に示すようなマスクを用いて、露光を行った。
次に、115℃/90秒でPEB処理を行い、続いて、アルカリ現像液(NMD3:東京応化社製)を用いて現像を行い、図8に示すような分離サイズを持つ各レジストパターンを得た。
【0072】
実施例3.
第1のレジストとして、化学増幅型エキシマレジスト(東京応化社製)を用い、レジストパターンを形成した。
まず、上記レジストを、Siウェハー上に滴下、回転塗布により膜厚約0.85μmとなるように成膜した。次に、90℃/70秒でプリベークを行い、レジスト中の溶媒を乾燥させた。続いて、KrFエキシマ縮小投影露光装置を用いて、図1に示すようなマスクを用いて、露光を行った。
次に、110℃/70秒でPEB処理を行い、続いて、アルカリ現像液(NMD―W:東京応化社製)を用いて現像を行い、図9に示すような分離サイズを持つ各レジストパターンを得た。
【0073】
実施例4.
第1のレジストとして、t―Boc化ポリヒドロキシスチレンと酸発生剤から構成される化学増幅型レジスト を用い、レジストパターンを形成した。
まず、上記レジストを、Siウェハー上に滴下、回転塗布により膜厚約0.60μmとなるように成膜した。次に、115℃/120秒でベークを行い、レジスト中の溶媒を乾燥させた。続いて、このレジスト上に、帯電防止膜として、(エスペイサーESP―100:昭和電工社製)を同様にして回転塗布した後、90℃/90秒でベークを行った。次に、EB描画装置を用いて、16.4μC/cm2で描画を行う。
次に、80℃/120秒でPEBを行ったのち、純水を用いて帯電防止膜を剥離、続くTMAHアルカリ現像液(NMD―W:東京応化社製)を用いてレジストパターンの現像を行った。
その結果、図10に示すような、約0.24μmの各EBレジストパターンを得た。
【0074】
次に、第2のレジスト材料に関する実施例について説明する。
【0075】
実施例5.
第2のレジスト材料として、1Lメスフラスコを用い、ポリビニルアセタール樹脂25gにエチレングリコール380gとエタノール95gを加え、室温で6時間撹拌混合し、ポリビニルアセタール樹脂の5wt%溶液を得た。
【0076】
実施例6.
第2のレジスト材料として、1L栓瓶を用い、ポリビニルメチルシルセスキオキサン25gにキシレン475gを加え、ウェーブロータリーで室温下終夜混合溶解し、ポリビニルメチルシルセスキオキサンの5wt%溶液を得た。
【0077】
実施例7.
第2のレジスト材料として、1Lメスフラスコを用いて、メトキシメチレンメラミン100gとメタノール900gを室温にて6時間撹拌混合し、約10wt%のメトキシメチレンメラミン溶液を得た。
【0078】
実施例8.
第2のレジスト材料として、1Lメスフラスコを用いて、(N―メトキシメチル)メトキシエチレン尿素100g、(N―メトキシメチル)ヒドロキシエチレン尿素100g、N―メトキシメチル尿素100g中に、それぞれ、エタノール750g、イソプロパノール50g を室温にて8時間撹拌混合し、それぞれ約10wt%のエチレン尿素溶液を得た。
【0079】
実施例9.
第2のレジスト材料として、実施例5で得たポリビニルアセタール溶液160gと実施例7で得たメトキシメチロールメラミン溶液20g、イソプロパノール20gを室温で6時間撹拌混合し、樹脂と架橋剤の混合溶液を得た。
【0080】
実施例10.
第2のレジスト材料として、実施例5で得たポリビニルアセタール溶液180gと実施例8で得た(N―メトキシメチル)メトキシエチレン尿素溶液20g、(N―メトキシメチル)ヒドロキシエチレン尿素20g、N―メトキシメチル尿素20g中に、それぞれメトキシベンゼン20gを室温で8時間撹拌混合し、樹脂と架橋剤の混合溶液を得た。
【0081】
実施例11.
第2のレジスト材料として、実施例6で得たポリビニルメチルシルセスキオキサン溶液160gと実施例8で得たメトキシエチレン尿素溶液の10g、20g、30gとメトキシベンゼン20gをそれぞれを室温下で6時間混合した。
その結果、ポリビニルメチルシルセスキオキサン樹脂に対する架橋剤であるメトキシエチレン尿素の濃度が、約11wt%、20wt%、27wt%の3種類の第2のレジスト溶液を得た。
【0082】
実施例12.
第2のレジストとして、実施例6で得たポリビニルメチルシルセスキオキサン樹脂溶液の100gに、ポリビニルシロキサン樹脂の5wt%メトキシベンゼン溶液を0g、35.3g、72.2gを混合し、室温下で、6時間撹拌混合して、ポリビニルメチルシルセスキオキサン樹脂とポリビニルシロキサン樹脂の混合比の異なる3種類の混合溶液を得た。
【0083】
実施例13.
実施例2で得た第1のレジストパターンが形成されたSiウェハー上に、実施例12で得た第2のレジスト材料を滴下、スピンコートした後、90℃/70秒でプリベークを行い、第2のレジスト膜を形成した。次に、115℃/90秒でミキシングベーク(MB)を行い架橋反応を進行させた。次に、メトキシベンゼンとキシレンの混合溶媒を用いて現像を行った後、キシレンでリンスを行い、非架橋層を現像剥離し、続く100℃/90秒でポストベークを行うことにより、図11に示すように、第1のレジストパターン上に第2のレジスト架橋層を形成した。
この場合、樹脂の混合比を変えることにより樹脂を変化させ、それによる架橋形成後のレジストパターンサイズの変化を示す表1からあきらかなように、ポリビニルメチルシルセスキオキサン樹脂とポリビニルシロキサン樹脂の混合量を変えることにより、第1のレジスト上に形成される架橋層の厚みを制御することが可能である。
【0084】
【表1】
【0085】
このシリコーン系の樹脂を用いて架橋層を形成することにより、ドライエッチング耐性が架橋層形成前に比べてエッチングレートでほぼ40倍向上した。
【0086】
実施例14.
実施例1で得た第1のレジストパターンが形成されたSiウェハー上に、実施例5で得た樹脂を第2のレジスト材料として滴下、スピンコートした後、90℃/70秒でプリベークを行い、第2のレジスト膜を形成した。
次に、i線露光装置を用いて、ウェハーに全面露光を行った。さらに、135℃/70秒でミキシングベーク(MB)を行い、架橋反応を進行させた。次に、エチレングリコールとエタノール混合溶液を用いて現像を行い、非架橋層を現像剥離し、続く120℃/90秒でポストベークを行うことにより、図11に示すように、第1のレジストホールパターン上に第2のレジスト架橋層を形成した。これにより、表2からあきらかなように、架橋層を形成する前の第1の0.35μmのレジストホールパターンサイズが、全面露光を行った場合には、約0.38μm、全面露光を行わない場合には、約0.26μm縮小していた。
【0087】
【表2】
【0088】
この場合、MBベーク前に全面露光を行うことにより、行わない場合に較べて、架橋反応がより進行し、第1のレジスト表面に架橋層が厚く形成された。
【0089】
実施例15.
実施例2で得た第1のレジストパターンが形成されたSiウェハー上に、実施例11で得たポリビニルメチルシルセスキオキサン樹脂とポリビニルシロキサン樹脂とエチレン尿素の混合溶液を第2のレジストとして用いた。
第2のレジスト材料を滴下、スピンコートした後、80℃/70秒でプリベークを行い、第2のレジスト膜を形成した。
次に、100℃/90秒、110℃/90秒、120℃/90秒の三種類の条件でミキシングベーク(MB)を行い、架橋反応を行った。次に、メトキシベンゼン/エタノールの混合比が2/1、1/1、1/2の混合溶媒を用いて現像を行い、非架橋層を現像剥離し、続く90℃/90秒でポストベークを行うことにより、図11に示すように、第1のレジストパターン上に第2のレジスト架橋層を形成した。
その結果、表3からあきらかなように、実施例2で形成した0.4μmサイズのホールパターンの内径およびラインパターンと孤立残しパターンにおけるスペースのサイズが、架橋層形成後のレジストパターンでは縮小されており、その縮小量は、MB温度が高くなるとともに増大している。
【0090】
【表3】
【0091】
さらに、現像液のメトキシベンゼンの混合比が低いほど、架橋層の溶解が鈍化され、パターンサイズも縮小化され、かつそのパターンのテーパー角が90度に近づくことが観察された。
このことから、MBの温度と現像液の組成を制御することで、精度良く架橋反応の制御が可能であること、さらにはパターン形状を改善できることが分かる。
【0092】
実施例16.
実施例3で得た第1のレジストパターンが形成されたSiウェハーを110℃でキュアした後、そのウエハ上に、実施例5で得たポリビニルアセタール溶液、実施例10で得たポリビニルアセタール樹脂溶液と架橋剤であるメトキシエチレン尿素の濃度の異なる3種類の混合溶液を第2のレジストとして用いた。
第2のレジスト材料を滴下、スピンコートした後、85℃/70秒でプリベークを行い、第2のレジスト膜を形成した。
次に、65℃/70秒+100℃/90秒でミキシングベーク(MB)を行い、架橋反応を行った。次に、メチルセロソルブとエタノールの混合溶媒を用いて現像を行い、非架橋層を現像剥離し、続く90℃/90秒でポストベークを行うことにより、図12に示すように、第1のレジストパターン上に第2のレジスト架橋層を形成した。
その結果、表4からあきらかなように、実施例3で形成した約0.28μmサイズのホールパターンの内径は、表4に示すように縮小されており、その縮小量は、架橋剤の混合量が増加するほど大きくなる。
【0093】
【表4】
【0094】
このことから、材料の混合比を調整することにより、精度良く架橋反応の制御が可能であることが分かる。さらには、第1のレジストパターン形成後に熱処理を入れることにより、通常第1のレジストの良溶剤であるメチルセロソルブを第2のレジストで用いることが出来ることから、この熱処理が第1のレジストの有機溶媒への溶解性を下げる効果が有ることが判る。
【0095】
参考例1.
実施例3で得た第1のレジストパターンが形成されたSiウェハー上に、実施例6で得たポリビニルアセタール溶液、実施例10で得たポリビニルアセタール樹脂溶液と架橋剤であるN―メトキシメチル―メトキシエチレン尿素混合溶液、(N―メトキシメチル)ヒドロキシエチレン尿素、N―メトキシメチル尿素の混合溶液を第2のレジストとして用いた。
第2のレジスト材料を滴下、スピンコートした後、85℃/70秒でプリベークを行い、第2のレジスト膜を形成した。
次に、70℃/70秒+110℃/90秒でミキシングベーク(MB)を行い、架橋反応を行った。次に、純水を用いて現像を行い、非架橋層を現像剥離し、続く85℃/90秒でポストベークを行うことにより、図12に示すように、第1のレジストパターン上に第2のレジスト架橋層を形成した。
その結果、表5からあきらかなように、実施例3で形成した約0.28μmサイズのホールパターンの内径は、縮小されており、その縮小量は、架橋剤の架橋基の違いにより差が認められる。
【0096】
【表5】
【0097】
このことから、混合する材料の種類の違いにより、架橋反応の制御が可能であることが分かる。
【0098】
実施例17.
実施例3で得た第1のレジストパターンが形成されたSiウェハー上に、実施例5で得たポリビニルアセタール溶液、実施例10で得たポリビニルアセタール樹脂溶液と架橋剤であるメトキシエチレン尿素混合溶液を第2のレジストとして用いた。
第2のレジスト材料を滴下、スピンコートした後、80℃/70秒でプリベークを行い、第2のレジスト膜を形成した。
次に、所定の温度にて90秒のミキシングベーク(MB)を行い、架橋反応を行った。次に、エチレングリコールとイソプロパノールの混合溶媒を用いて現像を行い、非架橋層を現像剥離し、続く90℃/90秒でポストベークを行うことにより、図12に示すように、第1のレジストパターン上に第2のレジスト架橋層を形成した。
その結果、表6からあきらかなように、実施例3で形成した約0.28μmのレジストパターンサイズは縮小されており、架橋剤量、反応温度により差が認められる。
【0099】
【表6】
【0100】
このことから、本発明は、光照射により酸を発生する化学増幅型レジストを用いた場合にも、架橋反応によるレジストパターサイズの制御が可能であることが分かる。
【0101】
実施例18.
実施例4で得た第1のレジストパターンが形成されたSiウェハー上に、実施例5で得たポリビニルアセタール水溶液、実施例10で得たポリビニルアセタール樹脂溶液と架橋剤であるメトキシエチレン尿素混合溶液を第2のレジストとして用いた。
第2のレジスト材料を滴下、スピンコートした後、80℃/70秒でプリベークを行い、第2のレジスト膜を形成した。
次に、105、115℃/90秒でミキシングベーク(MB)を行い、架橋反応を行った。次に、エチレングリコールとイソプロパノールと純水の混合溶媒を用いて現像を行い、非架橋層を現像剥離し、続く90℃/90秒でポストベークを行うことにより、図12に示すように、第1のレジストパターン上に第2のレジスト架橋層を形成した。
その結果、表7からあきらかなように、実施例4で形成した約0.24μmサイズのレジストパターンのサイズは縮小されており、その縮小量は、架橋剤の違いにより差が認められる。
【0102】
【表7】
【0103】
このことから、本発明は、t―Boc化ポリヒドロキシスチレンと酸発生剤から構成される化学増幅型のEBレジストを用いた場合にも、架橋反応によるレジストパターンサイズの制御が可能である。
【0104】
実施例19.
実施例2で得た第1のレジストパターン上に、選択的に電子線(照射量:80μC/cm2)を照射した。
次に、実施例10で得たポリビニルアセタール樹脂溶液と架橋剤であるメトキシエチレン尿素混合水溶液を第2のレジストとして電子線を照射したレジストパターン上に塗布した。塗布は、第2のレジスト材料を滴下、スピンコートした行い、続いて、85℃/70秒でプリベークを行い、第2のレジスト膜を形成し、さらに、115℃/90秒でミキシングベーク(MB)を行い、架橋反応を行った。
最後に、エチレングリコールとイソプロパノールの混合溶液を用いて現像を行い、非架橋層を現像剥離し、続く105℃/70秒でポストベークを行うことにより、図12に示すように、第1のレジストパターン上に選択的に第2のレジスト架橋層を形成した。
その結果、表8からあきらかなように、実施例2で形成した約0.4μmのレジストパターンは、電子線を照射しなかった部分においては縮小されており、選択的に電子線を照射した部分については、架橋反応が発生せず、ホールサイズの縮小が見られなかった。
【0105】
【表8】
【0106】
このことから、本発明は、レジストパターンを形成後、選択的に電子線を照射することにより、照射した部分のパターンでは、反応が生じないため、選択的なレジストパターンのサイズ制御が可能であることが分かる。
【0107】
実施例20.
実施例2で得た第1のレジストパターンが形成されたSiウェハー上に、弱塩酸水溶液を回転塗布し、100℃/70秒で乾燥した。その後、実施例11で得たメトキシエチレン尿素を11%含むポリビニルメチルシルセスキオキサンを第2のレジスト材料として滴下、スピンコートした後、90℃/70秒でプリベークを行い、第2のレジスト膜を形成した。次に、120℃/90秒でミキシングベーク(MB)を行い、架橋反応を進行させた。次に、メトキシベンゼンとキシレンの混合溶媒を用いて現像を行った後、キシレンでリンスを行い、非架橋層を現像剥離し、続く110℃/90秒でポストベークを行うことにより、図11に示すように、第1のレジストパターン上に第2のレジスト架橋層を形成した。
【0108】
【表9】
【0109】
表9からあきらかなように、第1のレジストパターンを酸性溶液で処理することにより、パターンサイズの縮小が可能であることがわかる。
【0110】
実施例21.
実施例3で得た第1のレジストパターンが形成されたSiウェハー上に、実施例10で得たポリビニルアセタール樹脂溶液と架橋剤である(N―メトキシメチル)ヒドロキシエチレン尿素の混合溶液に、可塑剤としてフタル酸エステルを5wt%または界面活性剤としてエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体型非イオン系界面活性剤を1wt%を加えた樹脂を第2のレジストとして用いた。
第2のレジスト材料を滴下、スピンコートした後、85℃/70秒でプリベークを行い、第2のレジスト膜を形成した。界面活性剤を加えることで塗布むらが無くなり、塗布均一性が顕著に向上した。
次に、100℃/90秒でミキシングベーク(MB)を行い、架橋反応を行った。次に、エチレングリコールと純水とイソプロパノールの混合溶媒を用いて現像を行い、非架橋層を現像剥離し、続く90℃/90秒でポストベークを行うことにより、図12に示すように、第1のレジストパターン上に第2のレジスト架橋層を形成した。
【0111】
【表10】
【0112】
その結果、表10からあきらかなように、実施例3で形成した約0.28μmサイズのホールパターンの内径は、可塑剤や界面活性剤の添加剤の有無により制御可能であることがわかる。また、添加剤を加えることで、現像時間の短縮やホール形状を良くする効果も認められた。
【0113】
実施例22.
実施例1で得た第1のレジストパターンが形成されたSiウェハー上に、実施例9で得た樹脂のポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度が10%、30%、60%と異なる樹脂組成物を第2のレジスト材料として滴下、スピンコートした後、90℃/70秒でプリベークを行い、第2のレジスト膜を形成した。
さらに、115℃/70秒でミキシングベーク(MB)を行い、架橋反応を進行させた。次に、エチレングリコールとメタノール混合溶液を用いて現像を行い、非架橋層を現像剥離し、続く110℃/90秒でポストベークを行うことにより、図11に示すように、第1のレジストホールパターン上に第2のレジスト架橋層を形成した。
【0114】
【表11】
【0115】
表11からあきらかなように、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度が増大するにつれて、架橋反応がより進行し、第1のレジスト表面に架橋層が厚く形成された。
【0116】
参考例2.
実施例3で得た第1のレジストパターンを酸化膜が形成されたSiウエハ上に形成し、図13に示すような第1のレジストパターンを形成した。
次に実施例11で得た第2のレジスト材料を滴下し、スピンコートした後、80℃/70秒でプリベークを行った後、110℃/70秒でミキシングベーク(MB)を行い、架橋反応を進行させた。次に、キシレンを用いて現像を行い、非架橋層を現像剥離し、続く105℃/90秒でポストベークを行うことにより、第1のレジストホールパターン上に第2のレジスト架橋層を形成した。さらに、エッチング装置を用いて下地酸化膜をエッチングし、エッチング後のパターン形状を観察した。
また、比較例として、本発明の処理を施さない図13に示した第1のレジストパターンを形成したウエハについても同様にエッチングした。その結果、表12からあきらかなように、本発明を適用した場合には分離幅は縮小された酸化膜パターンが得られた。
【0117】
【表12】
【0118】
以上、説明してきたように、本発明ではレジストの分離パターン、ホールパターンの微細化に於て、波長限界を越えるパターン形成を可能とする微細分離レジストパターン形成用材料とそれを用いた微細パターン形成方法が得られる。
これにより、ホール系レジストパターンのホール径を従来より縮小することができ、またスペース系レジストパターンの分離幅を従来より縮小することができる。
また、このようにして形成した微細分離レジストパターンをマスクとして用いて、半導体基板上に微細分離されたスペースあるいはホール形成することができる。
また、このような製造方法により、微細分離されたスペースあるいはホールを有する半導体装置を得ることができる。
【0119】
【発明の効果】
本発明の第1の半導体装置の製造方法によれば、半導体基板上に、第1のレジストパターンを形成する工程と、この第1のレジストパターン上に上記第1のレジストパターンを溶解せず酸により架橋反応を起こす第2のレジストを形成する工程と、酸の供給により上記第1のレジストパターンに接する上記第2のレジスト界面部分に架橋層を形成する工程と、上記第1のレジストパターンを溶解させないで上記第2のレジストの非架橋部分を現像液で現像して第2のレジストパターンを形成する工程と、この第2のレジストパターンをマスクとして上記半導体基板をエッチングする工程とを備え、上記第2のレジスト材料として、酸により架橋すると共に、有機溶剤に可溶で水を貧溶剤とする樹脂を含有するものを用い、上記現像液が有機溶剤系の現像液であり、上記架橋層の溶解性に合わせて、上記第2のレジストに用いる材料の良溶剤と貧溶剤とが上記第1のレジストパターンを溶解しない範囲で混合されたものである方法で、波長限界を超えるパターン形成を可能とするパターン形成技術による製造方法をえることができるという効果がある。
本発明の第2の半導体装置の製造方法は、上記第1の半導体装置の製造方法において、第2のレジスト材料として、有機溶剤に可溶な架橋剤、および酸の存在下で上記架橋剤により架橋されると共に有機溶剤に可溶で水を貧溶剤とする樹脂を含有するものを用い、上記現像液が有機溶剤系の現像液であり、上記架橋層の溶解性に合わせて、上記第2のレジストに用いる材料の良溶剤と貧溶剤とが上記第1のレジストパターンを溶解しない範囲で混合されたものである方法で、波長限界を超えるパターン形成を可能とするパターン形成技術による製造方法をえることができるという効果がある。
【0120】
本発明の第3の半導体装置の製造方法によれば、上記第1または第2の半導体装置の製造方法において、第1のレジストパターン上に第2のレジストを形成する前に、第1のレジストパターンを熱処理することにより、第2のレジストの現像条件のマージンが広がり、得られる微細パターンまたは微細スペースの形状も良くすることができるという効果がある。
【0121】
本発明の第4の半導体装置の製造方法によれば、上記第1ないし第3のいずれかの半導体装置の製造方法において、第2のレジスト材料が可塑剤または界面活性剤を含有することにより、柔軟性や弾性を与えるたり成膜性向上させるという効果がある。
【0122】
本発明の第5の半導体装置の製造方法によれば、上記第1ないし第4のいずれかの半導体装置の製造方法において、有機溶剤に可溶な樹脂がシリコーン系樹脂を含有することにより、ドライエッチング耐性が向上するという効果がある。
【0123】
本発明の第6の半導体装置の製造方法によれば、上記第1ないし第5のいずれかの半導体装置の製造方法において、有機溶剤に可溶な樹脂の架橋部位が不飽和結合または水酸基であることにより、波長限界を超えるパターン形成を可能とするパターン形成技術による製造方法をえることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に用いるマスクパターン図である。
【図2】 本発明の実施の形態1のレジストパターン形成方法を説明するための工程フロー図である。
【図3】 本発明の実施の形態1のレジストパターン形成方法を説明するための工程フロー図である。
【図4】 本発明の実施の形態1のレジストパターン形成方法を説明するための工程フロー図である。
【図5】 本発明の実施の形態2のレジストパターン形成方法を説明するための工程フロー図である。
【図6】 本発明の実施の形態3のレジストパターン形成方法を説明するための工程フロー図である。
【図7】 本発明の実施例1における第1のレジストパターンを示す平面図である。
【図8】 本発明の実施例2における第1のレジストパターンを示す平面図である。
【図9】 本発明の実施例3における第1のレジストパターンを示す平面図である。
【図10】 本発明の実施例4における第1のレジストパターンを示す平面図である。
【図11】 本発明の実施例13〜15、20、22における第2のレジストパターンを示す平面図である。
【図12】 本発明の実施例16〜19、21、参考例1における第2のレジストパターンを示す平面図である。
【図13】 本発明の参考例2における第2のレジストパターンを示す平面図である。
【符号の説明】
1、11および21 第1のレジスト、1a、11aおよび21a 第1のレジストパターン、2、12および22 第2のレジスト 3 半導体基板 4、14および24 架橋層。
Claims (6)
- 半導体基板上に、第1のレジストパターンを形成する工程と、この第1のレジストパターン上に上記第1のレジストパターンを溶解せず酸により架橋反応を起こす第2のレジストを形成する工程と、酸の供給により上記第1のレジストパターンに接する上記第2のレジスト界面部分に架橋層を形成する工程と、上記第1のレジストパターンを溶解させないで上記第2のレジストの非架橋部分を現像液で現像して第2のレジストパターンを形成する工程と、この第2のレジストパターンをマスクとして上記半導体基板をエッチングする工程とを備え、上記第2のレジスト材料として、酸により架橋すると共に、有機溶剤に可溶で水を貧溶剤とする樹脂を含有するものを用い、上記現像液が有機溶剤系の現像液であり、上記架橋層の溶解性に合わせて、上記第2のレジストに用いる材料の良溶剤と貧溶剤とが上記第1のレジストパターンを溶解しない範囲で混合されたものである半導体装置の製造方法。
- 第2のレジスト材料として、有機溶剤に可溶な架橋剤、および酸の存在下で上記架橋剤により架橋されると共に有機溶剤に可溶で水を貧溶剤とする樹脂を含有するものを用い、上記現像液が有機溶剤系の現像液であり、上記架橋層の溶解性に合わせて、上記第2のレジストに用いる材料の良溶剤と貧溶剤とが上記第1のレジストパターンを溶解しない範囲で混合されたものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 第1のレジストパターン上に第2のレジストを形成する前に、第1のレジストパターンを熱処理することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
- 第2のレジスト材料が可塑剤または界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 有機溶剤に可溶な樹脂がシリコーン系樹脂を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 有機溶剤に可溶な樹脂の架橋部位が不飽和結合または水酸基であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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