JP3923943B2 - 水系導電性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性ポリマーが水に均一に分散された水系導電性組成物に関する。
ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフラン等の導電性ポリマーは、二次電池の正極、固体電解質コンデンサー、ポリマーバッテリー、帯電防止材、透明導電膜、電磁波シールド材等の様々な用途分野での応用が検討されている。
これらの用途の多くにおいて、これら導電性ポリマーは種々の材料にコーティングして使用される。この場合、コーティングされた塗膜に要求される性能としては、導電性に加えて、塗膜としての成膜性、強度・柔軟性等が求められる。
しかしながら、一般に導電性ポリマーは水や溶剤に対する溶解性が著しく低いため、コーティング剤として用いる場合に、その含有量が少ないものしか調製できずに導電性が不十分であったり、強制的に分散させた場合には、その分散状態が悪いため、均一な塗膜としての成膜性が悪かったり、塗膜自体の強度・柔軟性が不足するという問題があった。
これらの問題を解決するために、エマルジョン重合体の存在下でピロール、チオフェン、アニリン、フラン等のモノマーを重合することにより分散性にすぐれた導電性組成物を得る方法が提案されている。(例えば、特許文献1、2参照)
しかし、上記の方法の場合、重合体エマルジョンの存在下でのモノマーの重合は非常に遅く、組成物中に原料モノマーが残存してしまったり、分散安定性が十分でないため導電性ポリマーが析出して沈殿してしまうといった問題があった。
特開昭64−69621号公報 特開2001−31745号公報
そこで本発明では、導電性ポリマーが水に均一に安定分散されていて、成膜した際に高い導電性を示し、塗膜の強度・柔軟性も十分な水系導電性組成物を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、この発明にかかる水系導電性組成物では、導電性ポリマーと、重合体バインダーと、水と、分子内に少なくとも2つ以上の芳香族環を有する界面活性剤を含有することが特徴である。分子内に少なくとも2つ以上の芳香族環を有する界面活性剤を使用すると導電性ポリマーの分散性が高くなり、さらに、重合体バインダーを併用することにより、コーティング剤として使用した場合に、高い導電性と、強度・柔軟性に優れた塗膜を得ることができる。
また、上記界面活性剤の量が、上記の導電性ポリマーと重合体バインダーの総量に対して、0.1質量%〜20質量%の範囲内であることが、導電性ポリマーの分散性が高くなることから好ましい実施態様である。
さらに、上記界面活性剤がノニオン系界面活性剤であり、かつ、HLB値が13〜16の範囲内であることが、より導電性ポリマーの分散性を向上させることができる。
なお、導電性ポリマーと重合体バインダーがともに水中で完全に均一に分散している形でも、例えば重合体バインダー粒子の表面を導電性ポリマーに付着した形の様なミクロ的には不均一であるが水中に該粒子が均一に分散している形態でもよい。
本発明の水系導電性組成物は、上述の構成よりなるので、導電性ポリマーが均一に分散されているため、分散安定性も高く、成膜した際に高い導電性を示し、塗膜の強度・柔軟性も十分な性能を保持するものである。
本発明者等は、導電性ポリマーが水に均一に分散された水系導電性組成物について鋭意検討を重ねた結果、水中に導電性ポリマーを、重合体バインダーを用いて分散させる際に、界面活性剤として2つ以上の芳香族環を有する界面活性剤を使用することにより、導電性ポリマーが均一に安定分散された組成物を得ることができ、該組成物を成膜した際に高い導電性を示し、強度・柔軟性も十分な塗膜を得ることができることを見出し、上記の課題をみごとに解決できることに想倒した。
本発明における導電性ポリマーとしては、芳香族骨格を有する導電性ポリマーであり、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフラン、および、これらの誘導体が挙げられる。
本発明においては、これらの導電性ポリマーが芳香族骨格を有するポリマーであるために、界面活性剤として少なくとも2つ以上の芳香族環を有する界面活性剤を使用した場合に該導電性ポリマーの水中での安定性が格段に向上する理由であると推察している。
上記芳香族骨格を有する導電性ポリマーの中でも、空気中での酸化安定性に優れることから、ポリアニリンおよびその誘導体が好ましい。
ポリニリンおよびその誘導体としては、一般的なエメラルジン型のポリアニリンが好ましく用いられる。このエメラルジン型のポリアニリンとは、還元型単位(フェニレンジアミン骨格)と酸化型単位(キノンイミン骨格)が1対1のモル比で存在する基本骨格を繰り返し単位として含有するものが挙げられる。
本発明のポリアニリンおよびその誘導体は公知の方法により製造されるものであっても、市販品をそのまま使用してもよい。
本発明の導電性ポリマーとしては、上記エメラルジン型のポリアニリン以外に、ポリアニリン骨格中の芳香族環がo−、m−置換された誘導体も使用できる。該置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数1〜20のカルボキシエステル基、シアノ基、アリール基、スルホン基、ハロゲン基等が挙げられる。
本発明における導電性ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、GPCのポリエチレンオキサイド換算で、2,000以上のものが好ましい。重量平均分子量が2,000未満では、水系導電性組成物よりなる塗膜の導電性が低くなるおそれがある。該重量平均分子量は3,000〜20万の範囲内がさらに好ましく、5,000〜10万の範囲内が最も好ましい。
本発明における重合体バインダーとしては、水溶性の重合体バインダーあるいは、エマルジョン重合体バインダーが挙げられるが、水系導電性組成物を用いてなるコーティング膜に耐水性が要求される場合には、エマルジョン重合体バインダーを使用することが好ましい。
本発明における水系導電性組成物の製造方法としては、重合体バインダーの原料となる単量体中に導電性ポリマーを溶解あるいは分散させた混合物を重合する方法(方法1)と、あらかじめ重合した重合体バインダー中で導電性ポリマーの原料モノマーを重合して分散させる方法(方法2)等が挙げられる。
重合体バインダーの重合方法としては、例えば、塊状重合(バルク重合)、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が挙げられる。これらの重合方法のうち乳化重合が、得られた重合体バインダーが水を主要媒体とすることができるため、溶剤除去等の必要がなく生産工程が簡略化できるため好ましい。
本発明の乳化重合としては、一般に乳化重合で用いられる方法が適応でき、例えば、単量体一括添加法、単量体滴下法、プレエマルション法、パワーフィード法、シード法、単量体多段添加法等が挙げられる。
上記重合反応の際の反応温度や反応時間等の反応条件は適宜設定すればよい。また、上記重合反応は、窒素雰囲気下で行うことが好ましく、さらに、平均分子量を調整するために、連鎖移動剤を添加して行うこともできる。
本発明における重合体バインダーの原料となる単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートや、(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタリルスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
本発明の重合体バインダーの重量平均分子量(Mw)は、2,000〜50万の範囲内が好ましい。該重量平均分子量が2,000未満では、水系導電性組成物よりなる塗膜の強度・耐水性が低くなるおそれがあり、50万を超えると重合体バインダーの水に対する溶解性あるいは分散性が低下するおそれがある。重合体バインダーの重量平均分子量(Mw)は、5,000〜20万の範囲内がさらに好ましく、10,000〜10万の範囲内が最も好ましい。
本発明の重合体バインダーを重合する際に用いる重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2´-アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´-アゾビス(2−アミノジノプロパン)ニ塩酸塩、4,4´-アゾビス(4−シアノペンタン酸)、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等が挙げられる。
上記重合開始剤の使用量は、重合体バインダーの原料単量体の100質量部に対して、0.1〜5質量部の範囲内が好ましい。該使用量が0.1質量部未満では、重合が十分進まず単量体が残存して、水系導電性組成物よりなる塗膜の強度・柔軟性が低下するおそれがあり、5質量部を超えると重合中の安定性が不足するおそれがある。該使用量は、0.5〜3質量部の範囲内がさらに好ましく、0.7〜2質量部の範囲内が最も好ましい。
本発明の水系導電性組成物における、重合体バインダーに対する導電性ポリマーの使用量としては、重合体バインダーが100質量部に対して、0.1質量部〜50質量の範囲内が好ましい。該使用量が0.1質量未満では、水系導電性組成物よりなる塗膜の導電性が低くなるおそれがあり、50質量を超えると導電性ポリマーの分散性が悪くなるため、水系導電性組成物よりなる塗膜の強度・柔軟性が低くなるおそれがある。重合体バインダーに対する導電性ポリマーの使用量のさらに好ましい範囲は、1.0質量部〜20質量部の範囲内であり、2.0質量部〜10質量部の範囲内が最も好ましい。
本発明の水系導電性組成物における、導電性ポリマーと重合体バインダーの総量は、組成物中で5質量%〜60質量%の範囲内が好ましい。導電性ポリマーと重合体バインダーの総量が5質量%未満では、水系導電性組成物を塗工した際の成膜性が低下するおそれがあり、60質量%を超えると水系導電性組成物の安定性が低下するおそれがある。導電性ポリマーと重合体バインダーの総量のさらに好ましい範囲は、7質量%〜40質量%の範囲内であり、10質量%〜30質量%の範囲内が最も好ましい。
本発明の界面活性剤としては、分子中に2つ以上の芳香族環を有する界面活性剤である。本発明の導電性ポリマーが芳香族骨格を有するポリマーであるために、該界面活性剤を使用した場合に該導電性ポリマーの水中での安定性が格段に向上する。なお、本発明において、芳香族環とは、無置換あるいは置換されたベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、キノリン環、イソキノリン環等が挙げられる。好ましくはベンゼン環、ナフタレン環である。
上記の界面活性剤としては、水系導電性組成物中のミセルが安定に保てることからノニオン系の乳化剤が好ましい。
上記の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル等が挙げられ、商品名としては、エレミノールSCZ−35、エレミノールSTN−6、STN−8、STN−13、STN−20、STN−45(以上、三洋化成社製)、エマルゲンA―60、A−66、A−90(以上、花王社製)、ノイゲンEAシリーズ(以上、第一工業製薬社製)等が挙げられる。
上記の界面活性剤のHLB(Hydrophile−Lipophile Balanceの略)は13〜16の範囲内が水系導電性組成物中の導電性ポリマーの安定性が高まるため好ましい。該HLBのさらに好ましい範囲としては14〜16の範囲内であり、14〜15の範囲内が最も好ましい。このHLBとは、界面活性剤の親水性と親油性の度合いを示す指標であり、エチレンオキサイド系ノニオン系界面活性剤の場合は、HLB=(ポリオキシエチレン部分の重量分率)/5、多価アルコール系ノニオン系界面活性剤の場合は、HLB=20(1−(多価アルコールエステルのけん化価)/(脂肪酸の中和価))で表されるグリフィンの式により求められる。
本発明の分子中に少なくとも2つ以上の芳香族環を有する界面活性剤の使用量は、導電性ポリマーと重合体バインダーの総量に対して、0.1質量%〜20質量%の範囲内が好ましい。該使用量が0.1質量%未満では、水系導電性組成物の安定性が不足するおそれがあり、20質量%を超えると水系導電性組成物よりなる塗膜の耐水性が低下するおそれがある。該使用量は1質量%〜15質量%の範囲内がさらに好ましく、3質量%〜10質量%の範囲内が最も好ましい。
本発明の水系導電性組成物には、分子中に少なくとも2つ以上の芳香族環を有する界面活性剤に加えて、その他の界面活性剤を併用してもよい。
その他の界面活性剤としては、芳香族環を有する界面活性剤を有するノニオン系およびアニオン系界面活性剤が好ましい。該ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等が挙げられ、該アニオン系界面活性剤としては、例えば、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩等が挙げられる。該その他の界面活性剤の使用量は、導電性ポリマーと重合体バインダーの総量に対して、0.1質量%〜20質量%の範囲内が好ましく、1質量%〜15質量%の範囲内がさらに好ましい。
本発明の水系導電性組成物には、必要に応じて、その他の化合物や副資材を配合してもよい。該その他の化合物や副資材としては、例えば、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、溶剤、防腐剤等が挙げられる。
その他の化合物や副資材の配合量は、発明の効果を損なわない範囲であれば良く、本発明の組成物100質量部に対して、0.001質量部〜10質量部の範囲内が好ましい。
本発明の水系導電性組成物がコーティングして使用される場合には、所定の基材に対して、刷毛塗装、ロール塗装、スプレー塗装、ディップ塗装等の方法で塗装され、その後に常温で乾燥あるいは50〜150℃の範囲の温度で加熱乾燥されることにより塗膜を形成する。
本発明の水系導電性組成物の用途としては、帯電防止剤、コンデンサー、電池、EMIシールド、化学センサー、表示素子等に好適である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下ことわりのない場合、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ示すものとする。
実施例1
ポリアニリン(エメラルジン ベース、商品名:PANIPOL PA、Panipol社製)2部を、N−ビニルピロリドン20部と、水2部の混合物に均一に溶解して、青紫色のポリアニリン溶液を得た。この溶液をスチレン20部、ブチルアクリレート5部、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸2部の混合液中に、ホモジナイザで攪拌しながら滴下して、ポリアニリンが均一に分散した濃緑色の単量体混合物を得た。
温度計、冷却管、窒素導入管、滴下ロート、および攪拌機を備えた反応器に、イオン交換水140部、分子内に少なくとも2つ以上の芳香族環を有する界面活性剤として、エレミノールSCZ−35(商品名、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、HLB:14.6、三洋化成社製)3部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら攪拌溶解した。滴下ロートに上記単量体混合物を入れ、その1/10を反応器に滴下した。続いて、2,2´-アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の20%水溶液5部を投入した。70℃で30分間重合反応後、残りの単量体混合物を4時間かけて滴下した。さらに、滴下終了後同温度で2時間重合反応を行い、導電性ポリマーであるポリアニリンを含有した重合体バインダーである重合体エマルジョン、すなわち、本発明にかかる水系導電性組成物(1)を得た。該組成物は、不揮発分29%、ポリアニリン含有量1.0%であった。
実施例2
N−ビニルピロリドン20部、スチレン20部、ブチルアクリレート5部、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸2部、分子内に1つの芳香族環を有する界面活性剤として、アクアロンRN−20(商品名、第一工業製薬社製)2部の単量体混合物を調整した。
温度計、冷却管、窒素導入管、滴下ロート、および攪拌機を備えた反応器に、イオン交換水140部、分子内に少なくとも2つ以上の芳香族環を有する界面活性剤として、ノイゲンEA−167(商品名、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、HLB:14.8、第一工業製薬社製)3部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら攪拌溶解した。滴下ロートに上記単量体混合物を入れ、その1/10を反応器に滴下した。続いて、2,2´-アゾビス(2−アミジノプロパン)ニ塩酸塩の20%水溶液5部を投入した。70℃で30分間重合反応後、残りの単量体混合物を4時間かけて滴下した。さらに、滴下終了後同温度で2時間重合反応を行い、不揮発分27%の分子内に少なくとも2つ以上の芳香族環を有する界面活性剤を含んだ重合体エマルジョンを得た。
続いて、温度計、冷却管、窒素導入管、滴下ロート、および攪拌機を備えた反応器に、上記重合体エマルジョン195部、アニリン2部を入れて混合し、10℃まで冷却した。この液中に、あらかじめ加硫酸アンモニウム6部をイオン交換水6部に溶解した水溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、この混合液を10℃で、さらに4時間反応させることにより、導電性ポリマーであるポリアニリンを含有した重合体バインダーである重合体エマルジョン、すなわち、本発明にかかる水系導電性組成物(2)を得た。該組成物のポリアニリン含有量は1.0%であった。
実施例3
実施例2と同様にして、分子内に少なくとも2つ以上の芳香族環を有する界面活性剤を含んだ重合体エマルジョンを得た。続いて、反応容器に、この重合体エマルジョン195部、ピロール2部を入れて室温で混合した。この液中に、あらかじめ加硫酸アンモニウム2部をイオン交換水2部に溶解した水溶液を室温で4時間かけて滴下した。滴下終了後、この混合液を、さらに4時間反応させることにより、導電性ポリマーであるポリピロールを含有した重合体バインダーである重合体エマルジョン、すなわち、本発明にかかる水系導電性組成物(3)を得た。該組成物のポリピロール含有量は1.0%であった。
実施例4
実施例2と同様にして、分子内に少なくとも2つ以上の芳香族環を有する界面活性剤を含んだ重合体エマルジョンを得た。続いて、反応容器に、この重合体エマルジョン180部に予めスルホン化ポリアニリン2部をイオン交換水20部に溶解した水溶液を加えて、導電性ポリマーであるポリアニリンを含有した重合体バインダーである重合体エマルジョン、すなわち、本発明にかかる水系導電性組成物(4)を得た。該組成物のポリアニリン含有量は1.0%であった。
比較例1
N−ビニルピロリドン20部、スチレン20部、ブチルアクリレート5部、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸2部、アクアロンRN−20(商品名、第一工業製薬社製)2部の単量体混合物を調整した。
温度計、冷却管、窒素導入管、滴下ロート、および攪拌機を備えた反応器に、イオン交換水140部、分子内に1つの芳香族環を有する界面活性剤として、ノニポール200(商品名、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、三洋化成社製)3部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら攪拌溶解した。以下、実施例2と同様にして、不揮発分27%の重合体エマルジョンを得た。
続いて、実施例2と同様にして、導電性ポリマーであるポリアニリンを含有した重合体バインダーである重合体エマルジョン、すなわち、比較の水系導電性組成物(1)を得た。該組成物のポリアニリン含有量は1.0%であった。
比較例2
実施例1と同様にして、ポリアニリンが均一に分散した濃緑色の単量体混合物を得た。さらに、温度計、冷却管、窒素導入管、滴下ロート、および攪拌機を備えた反応器に、イオン交換水140部、分子内に芳香族環を持たない界面活性剤として、エマルゲン120(商品名、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、花王社製)3部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら攪拌溶解した。滴下ロートに上記単量体混合物を入れ、その1/10を反応器に滴下した。続いて、2,2´-アゾビス(2−アミジノプロパン)ニ塩酸塩の20%水溶液5部を投入した。この時点で、混合物は分散不良が生じ、ポリアニリンの沈殿が発生した。
評価方法
実施例1〜4で得られた水系導電性成物(1)〜(4)および比較例1得られた比較の水系導電性組成物(1)を以下の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
(1)表面抵抗値
ガラス基板にバーコーターで塗布後、乾燥して2μmの塗膜を形成し、JIS−K6911に準拠して、抵抗測定装置にて表面抵抗を測定した。
(2)分散安定性
水系導電性組成物を40℃の恒温槽中に保存し1ヶ月後の分散状態を目視で評価した。
○…均一な分散液。
△…部分的に分離傾向が見られる。
×…分離傾向が著しい。
(3)鉛筆硬度測定
化成処理を施したアルミ基板にバーコーターで塗布後、乾燥して2μmの塗膜を形成し、JIS−K6911に準拠して鉛筆硬度を測定した。
Figure 0003923943
表1から明らかなように、実施例1〜4の水系導電性組成物は、導電性ポリマーが均一に安定分散されているため、分散安定性が高く、しかも成膜した塗膜は高い導電性を示し、塗膜の強度・柔軟性も十分な性能を保持するものであった。
一方、比較例1の比較のポリアニリン含有組成物は、導電性ポリマーの分散安定性が低く、分散状態も悪いため、成膜した塗膜の導電性も低いものとなり、塗膜の強度・柔軟性も不十分であった。さらに、比較例2では製造過程において分散状態が悪くなり安定な導電性組成物が得られなかった。
本発明の水系導電性組成物は、導電性ポリマーが均一に分散されているため、分散安定性も高く、成膜した際に高い導電性を示し、塗膜の強度・柔軟性も十分な性能を保持するものであり、帯電防止剤、コンデンサー、電池、EMIシールド、化学センサー、表示素子等の用途をはじめとする導電性が求められる分野に有効に利用することができる。

Claims (2)

  1. 芳香族骨格を有する導電性ポリマーと、重合体バインダーと、水と、分子内に少なくとも2つ以上の芳香族環を有する界面活性剤とを含有する組成物であって、
    前記導電性ポリマーと前記重合体バインダーの総量が、組成物中で5質量%〜60質量%の範囲内であり、
    前記重合体バインダーに対する前記導電性ポリマーの量が、前記重合体バインダー100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部の範囲内であり、
    前記界面活性剤の量が、前記導電性ポリマーと前記重合体バインダーの総量に対して、0.1質量%〜20質量%の範囲内であることを特徴とする水系導電性組成物。
  2. 前記界面活性剤がノニオン系界面活性剤であり、かつ、HLB値が13〜16の範囲内である請求項に記載の水系導電性組成物。
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