JP3997174B2 - ポリアニリン含有組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアニリン類が水や溶剤に均一に分散されたポリアニリン含有組成物の製造方法及び該製造方法により得られるポリアニリン含有組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
様々な導電性ポリマーのうち、ポリアニリンは空気中での安定性が良好であり、種々の分野での応用が検討されている。代表的な応用例としては、二次電池の正極、固体電解質コンデンサー、帯電防止材、防錆剤、透明導電膜、電磁波シールド材等が挙げられる。
【0003】
これらの用途の多くにおいて、ポリアニリンは種々の材料にコーティングして使用される。この場合、コーティングされた塗膜に要求される性能としては、ポリアニリン由来の特性である導電性に加えて、塗膜としての成膜性、強度・柔軟性等が求められる。
【0004】
しかしながら、一般にポリアニリンは水や溶剤に対する溶解性が著しく低いため、コーティング剤として用いる場合に、ポリアニリンの含有量が少ないものしか調製できずに導電性が不十分であったり、強制的にポリアニリンを分散させた場合には、その分散状態が悪いため、均一な塗膜としての成膜性が悪かったり、塗膜自体の強度・柔軟性が不足するという問題があった。
【0005】
これらの問題を解決するために、重合体エマルジョンや水溶性モノマーの存在下でアニリンモノマーを酸化重合することにより分散性にすぐれたポリアニリン含有組成物を得る方法が提案されている。(例えば、特許文献1、2参照)
しかし、上記の方法の場合、重合体エマルジョンや水溶性モノマーの存在下でのアニリンの酸化重合は非常に遅く、低い分子量のポリアニリンしか得られないために、成膜した際に導電性が不十分であったり、組成物中にアニリンモノマーが残存してしまうといった問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開昭64−69621号公報。
【0007】
【特許文献2】
特開平4−268375号公報。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、ポリアニリン類が水や溶剤に均一に分散されていて、成膜した際に高い導電性を示し、塗膜の強度・柔軟性も十分なポリアニリン含有組成物を得ることができる製造方法を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のポリアニリン含有組成物の製造方法は、ポリアニリン類を、ビニルピロリドン類を必須成分とする単量体混合物に溶解あるいは分散させた後、該単量体混合物を重合するところに要旨を有する。
【0010】
また、本発明のポリアニリン含有組成物の製造方法は、単量体混合物の重合が乳化重合であることが、得られたポリアニリン含有組成物が水を主要媒体とすることができるため環境的に好ましいポリアニリン含有組成物を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の態様】
本発明者等は、ポリアニリンが水や溶剤に均一に分散されたポリアニリン含有組成物について鋭意検討を重ねた結果、ポリアニリン類を、ビニルピロリドン類を必須成分とする単量体混合物に溶解あるいは分散させた後、該単量体混合物を重合することにより、ポリアニリンが均一に分散された組成物を得ることができ、該組成物を成膜した際に高い導電性を示し、強度・柔軟性も十分な塗膜を得ることができることを見出し、上記の課題をみごとに解決できることに想倒した。
【0012】
なお、本発明の製造方法から得られるポリアニリン含有組成物も本発明の実施態様の一つである。
【0013】
本発明のおけるポリアニリン類としては、一般的なエメラルジン型のポリアニリンが好ましく用いられる。このエメラルジン型のポリアニリンとは、還元型単位(フェニレンジアミン骨格)と酸化型単位(キノンイミン骨格)が1対1のモル比で存在する基本骨格を繰り返し単位として含有するものが挙げられる。
【0014】
本発明のポリアニリン類は公知の方法により製造されたものであっても、市販品をそのまま使用してもよい。
【0015】
本発明のポリアニリン類としては、上記エメラルジン型のポリアニリン以外に、ポリアニリン骨格中の芳香族環がo−、m−置換されたものも使用できる。該置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数1〜20のカルボキシエステル基、シアノ基、アリール基、スルホン基、ハロゲン基等が挙げられる。
【0016】
本発明におけるポリアニリン類の重量平均分子量(Mw)は、GPCのポリエチレンオキサイド換算で、2,000以上のものが好ましい。重量平均分子量が2,000未満では、ポリアニリン含有組成物よりなる塗膜の導電性が低くなるおそれがある。該重量平均分子量は3,000〜20万の範囲内がさらに好ましく、5,000〜10万の範囲内が最も好ましい。
【0017】
本発明において、ポリアニリン類を、ビニルピロリドン類を必須成分とする単量体混合物に溶解あるいは分散させる際には、溶解あるいは分散前のポリアニリン類はあらかじめドーピングされていないアンドープのポリアニリン類を使用することがビニルピロリドン類を必須成分とする単量体混合物への溶解性あるいは分散性が向上するため好ましい。
【0018】
本発明においてポリアニリン類を、ビニルピロリドン類を必須成分とする単量体混合物に溶解あるいは分散させる際の条件としては、ホモジナイサーやホモミキサー等の高速回転攪拌できる機器で攪拌しながら溶解あるいは分散させることが好ましい。
【0019】
本発明において、ポリアニリン類を、ビニルピロリドン類を必須成分とする単量体混合物に溶解あるいは分散させる際の、ポリアニリン類の単量体混合物に対する配合量は0.1質量%〜30質量%の範囲内が好ましい。該配合量が0.1質量%未満では、ポリアニリン含有組成物よりなる塗膜の導電性が低くなるおそれがあり、30質量%を超えるとポリアニリンの分散性が悪くなるため、ポリアニリン含有組成物よりなる塗膜の強度・柔軟性が低くなるおそれがある。
【0020】
本発明におけるビニルピロリドン類としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
【0021】
本発明の単量体混合物におけるビニルピロリドン類の配合量は、0.1質量%〜90質量%の範囲内が好ましい。該配合量が0.1質量%未満では、ポリアニリンの単量体混合物への溶解性あるいは分散性が低くなるおそれがあり、90質量%を超えるとポリアニリン含有組成物よりなる塗膜の耐水性が低下するおそれがある。該配合量は1質量%〜50質量%の範囲内がさらに好ましく。10質量%〜30質量%の範囲内が最も好ましい。
【0022】
本発明の単量体混合物には、ポリアニリンをドーピングして導電性を発現させるためにドーパントとして酸基を有する単量体を使用することが好ましい。該酸基を有する単量体としては、カルボキシル基を有する単量体、スルホン基を有する単量体、リン酸基有する単量体が好ましく使用でき、具体的には、(メタ)アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタリルスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート等が挙げられる。
【0023】
本発明の単量体混合物における酸基を有する単量体の配合量は、0.1質量%〜50質量%の範囲内が好ましい。該配合量が0.1質量%未満では、ポリアニリンドープ効率が低いためポリアニリン含有組成物よりなる塗膜の導電性が低くなる恐れがあり、50質量%を超えるとポリアニリン含有組成物よりなる塗膜の耐水性が低下するおそれがある。該配合量は1質量%〜30質量%の範囲内がさらに好ましく。10質量%〜25質量%の範囲内が最も好ましい。
【0024】
本発明の単量体混合物には、ビニルピロリドン類や酸基を有する単量体以外のその他の単量体を用いることができる。その他の単量体の種類と量はポリアニリン含有組成物よりなる塗膜に要求される物性によって適宜設定すればよい。
【0025】
上記その他の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートや、(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0026】
本発明の単量体混合物の重合方法としては、例えば、塊状重合(バルク重合)、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が挙げられる。これらの重合方法のうち乳化重合が、得られたポリアニリン含有組成物が水を主要媒体とすることができるため環境的に好ましいポリアニリン含有組成物を得ることができる。
【0027】
本発明の乳化重合としては、一般に乳化重合で用いられる方法が適応でき、例えば、単量体一括添加法、単量体滴下法、プレエマルション法、パワーフィード法、シード法、単量体多段添加法等が挙げられる。
【0028】
上記重合反応の際の反応温度や反応時間等の反応条件は適宜設定すればよい。また、上記重合反応は、窒素雰囲気下で行うことが好ましく、さらに、平均分子量を調整するために、連鎖移動剤を添加して行うこともできる。
【0029】
本発明の乳化重合の際に用いる乳化剤としては、ミセルが安定に保てることからノニオン系の乳化剤が好ましく、さらに、ポリアニリンとの親和性が高いことから分子骨格中に芳香族環する乳化剤が好ましい。
【0030】
上記乳化剤としては、例えば、ノニポールシリーズ、エレミノールSCZ−35、エレミノールSTN−6、STN−8、STN−13、STN−20、STN−45(以上、三洋化成社製)、エマルゲンA―60、A−66、A−90(以上、花王社製)、ノイゲンEA−157、EA−167、EA−177、アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50(以上、第一工業製薬社製)等が挙げられる。
【0031】
上記乳化剤のHLB(Hydrophile−Lipophile Balanceの略)は12〜18の範囲内がミセルの安定性が保てるため好ましい。 上記乳化剤の使用量は、単量体混合物100質量部に対して、1〜15質量部の範囲内が好ましい。該使用量が1質量部未満では、乳化重合中の安定性が不足するおそれがあり、15質量部を超えるとポリアニリン含有組成物よりなる塗膜の耐水性が低下するおそれがある。該使用量は、3〜12質量部の範囲内がさらに好ましく、5〜10質量部の範囲内が最も好ましい。
【0032】
本発明の乳化重合の際に用いる重合開始剤としては、ポリアニリンが酸化されるおそれが少ないことから、アゾ系の重合開始剤が好ましい。該アゾ系の重合開始剤としては、例えば、2,2´-アゾビス(2−アミノジノプロパン)ニ塩酸塩、4,4´-アゾビス(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合物が挙げられる。
【0033】
上記重合開始剤の使用量は、単量体混合物100質量部に対して、0.1〜5質量部の範囲内が好ましい。該使用量が0.1質量部未満では、乳化重合が進まず単量体が残存して、ポリアニリン含有組成物よりなる塗膜の強度・柔軟性が低下するおそれがあり、5質量部を超えると乳化重合中の安定性が不足するおそれがある。該使用量は、0.5〜3質量部の範囲内がさらに好ましく、0.7〜2質量部の範囲内が最も好ましい。
【0034】
本発明のポリアニリン含有組成物におけるポリアニリンの含有量は、0.02質量%〜10質量%の範囲内が好ましい。該含有量が0.02質量%未満では、ポリアニリン含有組成物よりなる塗膜の導電性が低くなるおそれがあり、10質量%を超えるとポリアニリンの分散性が悪くなるため、ポリアニリン含有組成物よりなる塗膜の強度・柔軟性が低くなるおそれがある。
【0035】
本発明におけるポリアニリン含有組成物には、必要に応じて、その他の化合物や副資剤を含んでいてもよい。該その他の化合物や副資剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、可塑剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、溶剤等が挙げられる。
【0036】
その他の化合物や副資剤の量は、発明の効果を損なわない範囲であれば良く、該組成物100重量部に対して、0.001質量部〜10質量部の範囲内が好ましい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下ことわりのない場合、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ示すものとする。
【0038】
実施例1
ポリアニリン類として、ポリアニリン(エメラルジン ベース、商品名:PANIPOL PA、Panipol社製)10部を、ビニルピロリドン類として、N−ビニルピロリドン20部に均一に溶解して、青紫色のポリアニリン溶液を得た。この溶液をスチレン20部、ブチルアクリレート5部、アクリル酸5部の混合液中に、ホモジナイザで攪拌しながら滴下して、ポリアニリンが均一に分散した濃緑色の単量体混合物を得た。
【0039】
温度計、冷却管、窒素導入管、滴下ロート、および攪拌機を備えた反応器に、イオン交換水140部、界面活性剤(商品名:ノニポール200、三洋化成社製)1.8部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら攪拌溶解した。滴下ロートに上記単量体混合物を入れ、その1/10を反応器に滴下した。続いて、2,2´-アゾビス(2−アミジノプロパン)ニ塩酸塩の5%水溶液12部を投入した。70℃で30分間重合反応後、残りの単量体混合物を2時間かけて滴下した。さらに、滴下終了後同温度で1時間重合反応を行い、不揮発分29%、ポリアニリン含有量4.5%の本発明にかかるポリアニリン含有組成物(1)を得た。
【0040】
実施例2
ポリアニリン5部を、N−ビニルピロリドン20部に均一に溶解して、青紫色のポリアニリン溶液を得た。この溶液をスチレン20部、ブチルアクリレート15部、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸5部の混合液中に、ホモジナイザで攪拌しながら滴下して、ポリアニリンが均一に分散した濃緑色の単量体混合物を得た。
【0041】
続いて、実施例1と同様にして乳化重合反応を行い、不揮発分31%、ポリアニリン含有量2.2%の本発明にかかるポリアニリン含有組成物(2)を得た。
【0042】
実施例3
ポリアニリン3部を、N−ビニルピロリドン20部に均一に溶解して、青紫色のポリアニリン溶液を得た。この溶液をスチレン20部、ブチルアクリレート10部、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート3部の混合液中に、ホモジナイザで攪拌しながら滴下して、ポリアニリンが均一に分散した濃緑色の単量体混合物を得た。
【0043】
続いて、実施例1と同様にして乳化重合反応を行い、不揮発分28%、ポリアニリン含有量1.4%の本発明にかかるポリアニリン含有組成物(3)を得た。
【0044】
参考例1
N−ビニルピロリドン20部、スチレン20部、ブチルアクリレート5部、アクリル酸5部の混合液中を滴下ロートに入れ、実施例1と同様にして乳化重合反応を行い、不揮発分22%のエマルジョン組成物(1)を得た。
【0045】
比較例1
参考例1で合成したエマルジョン組成物(1)150部に12N塩酸10部、アニリン4.65部を溶解させた。続いて、過硫酸アンモニウム11.4部をイオン交換水100部に溶解した酸化剤水溶液を用意した。これら2つの溶液を、5℃まで冷却した後、混合し、8時間攪拌反応し、不揮発分13%、ポリアニリン含有量1.3%の比較のポリアニリン含有組成物(1)を得た。なお、この反応のアニリン酸化重合の反応率は80%であった。
【0046】
比較例2
参考例1で合成したエマルジョン組成物(1)150部にドデシルベンセンスルホン酸5部とポリアニリン(商品名:PANIPOL PA、Panipol社製)5部をホモジナイザで攪拌しながら混合して、不揮発分27%、ポリアニリン含有量3.1%の比較のポリアニリン含有組成物(2)を得た。
【0047】
評価方法
実施例1〜3で得られたポリアニリン含有組成物(1)〜(3)および比較例1,2で得られた比較のポリアニリン含有組成物(1)、(2)を以下の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
【0048】
(a)表面抵抗値
ガラス基板にバーコーターで塗布後、乾燥して2μmの塗膜を形成し、JIS−K6911に準拠して、抵抗測定装置にて表面抵抗を測定した。
【0049】
(b)外観
化成処理を施したアルミ基板にバーコーターで塗布後、乾燥して2μmの塗膜を形成し、目視により外観を評価した。
○…均一な塗膜を形成
△…部分的に凝集物が見られる
×…凝集物が多数見られる。
【0050】
(c)鉛筆硬度測定
化成処理を施したアルミ基板にバーコーターで塗布後、乾燥して2μmの塗膜を形成し、JIS−K6911に準拠して鉛筆硬度を測定した。
【0051】
表1から明らかなように、実施例1〜3のポリアニリン含有組成物は、ポリアニリンが均一に分散されているため、均一な成膜が可能であり、成膜した塗膜は高い導電性を示し、塗膜の強度・柔軟性も十分な性能を保持するものであった。
【0052】
一方、比較例1の比較のポリアニリン含有組成物は、部分的にポリアニリンの分散状態が悪く、さらに、アニリンの重合度が低いことから、成膜した塗膜の導電性も低いものとなり、残存するアニリンモノマーの影響で塗膜の強度・柔軟性も不十分であった。さらに、比較例2ではポリアニリンの分散が悪く、成膜した塗膜の導電性がほとんどなく、塗膜の強度・柔軟性も不十分であった。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】
本発明の製造方法により得られるポリアニリン含有組成物は、上述の構成よりなるので、ポリアニリンが均一に分散され、成膜した際に高い導電性を示し、塗膜の強度・柔軟性も十分な性能を保持するものである。
Claims (3)
- ポリアニリン類を、ビニルピロリドン類を必須成分とする単量体混合物に溶解あるいは分散させた後、該単量体混合物を重合することを特徴とするポリアニリン含有組成物の製造方法。
- 前記単量体混合物の重合が乳化重合であることを特徴とする請求項1記載のポリアニリン含有組成物の製造方法。
- 請求項1または2に記載の製造方法により得られるポリアニリン含有組成物。
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