JP5578080B2 - 重合体微粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
分散重合法では、親水性溶媒または非親水性溶媒のいずれかが用いられるが、親水性溶媒中で分散重合を行なう際には、従来、分散安定剤として、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどが用いられており、またポリエチレンオキシド鎖の末端にラジカル重合性官能基を有するマクロモノマーを分散安定剤として用いる分散重合する方法が知られている(特許文献1を参照)。
しかしながら、そのような従来の分散重合技術では、目的とする粒子径および粒度分布を有する重合体微粒子を製造するのに比較的多量の分散安定剤を使用する必要があり、それに伴って得られる重合体微粒子には分散安定剤が多く残留し、重合体微粒子の性能に悪影響を及ぼし易い。しかも、分散安定剤の分散安定化性能が不十分で、生成した重合体微粒子間に凝集が生じ易い。その上、前記した従来の分散重合技術では、重合により生成した重合体粒子間での凝集を防止するために、ビニル単量体の濃度を低くして重合を行なう必要があるため、生産性が低い。
かかる点から、本発明者らは、上記特許文献2の分散重合法について更に検討した結果、当該特許文献2の発明の分散安定剤(マクロモノマー)を用いた場合には、一般に得られる重合体微粒子の粒子径が2μmよりも大きくなり易く、粒子径のより小さな重合体微粒子を得るためには分散安定剤(マクロモノマー)の使用量を多くする必要があり、得られる重合体微粒子の性能の低下防止、コスト上昇の抑制などの点から改善の余地があることが判明した。
さらに、本発明の目的は、従来よりも低減された分散安定剤の使用量で、分散安定剤の多用による重合体微粒子への悪影響を防止しながら、低コストで、円滑に、単分散性に優れる、高品質な微細な重合体微粒子を円滑に生産性よく製造する方法を提供することである。
また、本発明の目的は、前記した優れた特性を有する、分散重合による重合体微粒子を提供することである。
さらに、本発明者らは、分散安定剤として用いる前記したマクロモノマーにおいて、カルボキシル基の含有量を特定の範囲にすると、その分散安定化性能がより優れたものになり、しかも粒度分布のより狭い重合体微粒子が得られ、その上より少量でより粒子径の小さい重合体微粒子が得られるという効果を発揮することを見出した。
そして、本発明者らは、当該マクロモノマーが有するカルボキシル基の全部または一部を塩基性化合物で中和しておくと、分散安定化性能がより良好になることを見出した。
また、本発明者らは、分子鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中にカルボキシル基を有するマクロモノマーを分散安定剤として用いて、ビニル単量体を分散重合するに当たり、ビニル単量体としてエチレン性不飽和基を2個以上有する多官能ビニル単量体を少なくとも一部として含むビニル単量体を用いた場合にも、強度、耐変形性(粒子形状維持性)、耐熱性、取り扱い性、流動性、耐溶剤性などに優れる架橋した重合体微粒子が得られることを見出した。
さらに、本発明者らは、分子鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中にカルボキシル基を有するマクロモノマーを分散安定剤として用いてビニル単量体を分散重合することによって得られる重合体微粒子に、多官能ビニル単量体を含むビニル単量体を吸収させた後、重合させることによっても、強度、耐変形性(粒子形状維持性)、耐熱性、取り扱い性、流動性、耐溶剤性などに優れる架橋した重合体微粒子が得られることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
(1)分散安定剤の存在下に、ビニル単量体を、ビニル単量体および分散安定剤を溶解するが、生成する重合体を溶解しない親水性溶媒中で重合する工程を備える、重合体微粒子を製造する方法であって、前記分散安定剤が、分子鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を、1分子当り、平均して0.2〜1個有し且つ分子鎖の途中にカルボキシル基を有するマクロモノマー(Ma)であることを特徴とする重合体微粒子の製造方法である。
(2)前記マクロモノマー(Ma)が、分子鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有し、分子鎖の途中に水酸基を有するマクロモノマー(A)に、ジカルボン酸無水物を付加反応させて得られたものである前記(1)の重合体微粒子の製造方法;
(3)前記マクロモノマー(Ma)が、0.5〜4meq/gのカルボキシル基を有する前記(1)または(2)の重合体微粒子の製造方法;および、
(4)前記マクロモノマー(Ma)が有するカルボキシル基の全部または一部が、塩基性化合物により中和されている前記(1)〜(3)のいずれかの重合体微粒子の製造方法;
である。
(5)前記ビニル単量体として、加水分解性シリル基を有するビニル単量体を少なくとも一部として含むビニル単量体を用いて、加水分解性シリル基を有する重合体微粒子を製造する前記(1)〜(4)のいずれかの重合体微粒子の製造方法;
(6)前記(5)で得られる重合体微粒子中の加水分解性シリル基を加水分解縮合させる工程を備え、架橋した重合体微粒子を製造することからなる重合体微粒子の製造方法;および、
(7)前記ビニル単量体として、エチレン性不飽和基を2個以上有する多官能ビニル単量体を少なくとも一部として含むビニル単量体を用いて架橋した重合体微粒子を製造する、前記(1)〜(4)のいずれの重合体微粒子の製造方法;
である。
(8)前記(1)〜(4)のいずれかの製造方法で得られる重合体微粒子に多官能ビニル単量体を含むビニル単量体を吸収させた後、重合させる工程を備え、架橋した重合体微粒子を製造することからなる重合体微粒子の製造方法である。
さらに、本発明は、
(9)前記(1)〜(8)のいずれか1項の製造方法で得られる、体積平均粒子径(dv)が0.7〜2.0μmで、粒子サイズの変動係数(Cv)が20%以下である重合体微粒子である。
「マクロモノマー」に含まれるカルボキシル基は、−COOH及び/又は−COO-を意味する。
特に、前記マクロモノマー(Ma)として、分子鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中に水酸基を有するマクロモノマー(A)に、ジカルボン酸無水物を付加反応させて得られるマクロモノマーを使用した場合は、その優れた分散安定化性能、当該マクロモノマーの製造の容易性、当該マクロモノマーを製造する際の設計の自由度が大きい点などの点から、目的とする重合体微粒子をより円滑に製造することができる。
また、本発明の方法において、ビニル単量体として加水分解性シリル基を有するビニル単量体を少なくとも一部として含むビニル単量体を用いた場合、およびビニル単量体としてエチレン性不飽和基を2個以上有する多官能ビニル単量体を少なくとも一部として含むビニル単量体を用いた場合、更には本発明の分散重合法によって得られる重合体微粒子に多官能ビニル単量体を含むビニル単量体を吸収させた後、重合させた場合には、強度、耐変形性(粒子形状維持性)、耐熱性、取り扱い性、流動性、耐溶剤性などに優れる、粒度分布が狭くて粒径の均一な、架橋した重合体微粒子を円滑に得ることができる。
本発明は、分散重合法によって重合体微粒子を製造する方法である。
ここで、本明細書における「分散重合法」とは、『ビニル単量体を、分散安定剤の存在下で、ビニル単量体および分散安定剤を溶解するが、重合により生成する重合体を実質的に溶解しない溶媒中で重合する方法』をいう。
本発明では、「ビニル単量体および分散安定剤を溶解するが、生成する重合体を溶解しない溶媒」として、親水性溶媒を用いる。分散重合により生成した重合体は、微粒子状で親水性溶媒中に分散している。
本発明では、親水性溶媒として、親水性の有機溶媒(水を含有しない親水性有機溶媒)を使用してもよいし、または親水性の有機溶媒と水との混合溶媒を使用してもよい。その際に、親水性の有機溶媒としては、20℃での水への溶解度が5g/100ml以上であるものが好ましく用いられる。
前記した親水性の有機溶媒の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコールなどのモノアルコール類;エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールなどの多価アルコール類;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。親水性の有機溶媒は1種類のみを用いてよいし、2種以上を併用してもよい。
重合に使用するビニル単量体の種類、生成する重合体の種類などに応じて、前記した親水性有機溶媒のうちから、適切な親水性の有機溶媒を選択して使用する。
そのうちでも、親水性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコールの1種または2種以上が、マクロモノマー(Ma)からなる分散安定剤の分散安定化作用を有効に発揮させて、粒子径の小さな重合体微粒子を安定に製造することができる点から、好ましく用いられる。
本発明では、親水性溶媒として、水とアルコールとの混合溶媒、そのうちでも水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコールの1種または2種以上との混合溶媒がより好ましく用いられる。親水性溶媒として水と前記したアルコールとの混合溶媒を用いると、ビニル単量体の種類、組成などに応じて、水とアルコールとの混合比率を調整することで、生成する重合体微粒子の粒子径、粒度分布、分子量などを容易にコントロールすることができ、しかも引火、爆発などの危険性を低減することができ、環境への負荷も小さい。
特に、親水性溶媒として、水とメタノールとの混合溶媒、そのうちでも、水:メタノールの質量比が10:90〜50:50、更には20:80〜40:60である混合溶媒を用いると、粒子径がより小さくて且つ粒度分布の狭い重合体微粒子を円滑に製造することができるので、一層好ましい。
なお、分散重合において用いる親水性溶媒は、その一部を、20℃での水への溶解度が5g/100ml未満の疎水性溶媒に置き換えて使用してもよい。この場合、疎水性溶媒の割合は、溶媒の全量に対して、好ましくは30質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。疎水性溶媒の含有割合が30質量%を超える場合、生成粒子の粒度分布が広くなったり、分散重合の際に、凝集物が生成したりする場合がある。
本発明では、ビニル単量体の分散重合時の分散安定剤として、分子鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するマクロモノマー(Ma)を使用する。前記マクロモノマー(Ma)としては、分子鎖の途中にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する重合体であればいずれも使用可能である。
その際に、カルボキシル基は、マクロモノマー(Ma)の分子鎖の途中に直接結合していてもよいし、マクロモノマー(Ma)の分子鎖の途中に所定の結合基を介して懸垂状態で結合してもよいし、または前記2つの結合形式が混在していてもよい。
ここで、本発明における「分子鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中にカルボキシル基を有するマクロモノマー」とは、マクロモノマーを形成している分子鎖(重合体鎖)の末端に(メタ)アクリロイル基が結合し且つ当該分子鎖(重合体鎖)の末端ではない途中の位置にカルボキシル基が結合(存在)しているマクロモノマーを意味する。
分子鎖の末端に結合した(メタ)アクリロイル基の量が少なすぎると、分散安定剤としての機能が低くなり、ビニル単量体の分散重合時により多量のマクロモノマー(Ma)(分散安定剤)を使用することが必要になり、得られる重合体微粒子の物性の低下、コストの上昇などを生じ易くなる。
一方、マクロモノマー(Ma)の分子鎖の末端に結合した(メタ)アクリロイル基の量が多すぎると、ビニル単量体を分散重合して得られる重合体微粒子の粒度分布が広くなり、サイズが不揃いになり易い。
マクロモノマー(Ma)が分子鎖の末端に有する(メタ)アクリロイル基は、メタクリロイル基またはアクリロイル基のいずれでもよいが、メタクリロイル基であることが、より粒度分布の狭い重合体微粒子を得ることができる点から好ましい。
マクロモノマー(Ma)におけるカルボキシル基の含有量が少なすぎると、マクロモノマー(Ma)の分散安定化性能が低下して、粒度分布の狭い重合体微粒子が得られにくくなり、一方カルボキシル基の含有量が4meq/gを超えるマクロモノマーは実際的には製造が困難である。
カルボキシル基の中和剤としては、重合体微粒子製造後の除去が容易であることなどから、アンモニアおよび/または低沸点アミン化合物が好ましく用いられる。
ここで、本明細書におけるマクロモノマー(Ma)の数平均分子量(Mn)、以下で説明するマクロモノマー(A)[マクロモノマー(Ma)の前駆体]の数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)をいい、その具体的な測定法は以下の実施例に記載するとおりである。
その際に、前駆体であるマクロモノマー(A)においては、水酸基は、マクロモノマー(A)の分子鎖の途中に直接結合していてもよいし、マクロモノマー(A)の分子鎖の途中に所定の結合基を介して懸垂状態で結合してもよいし、または前記2つの結合形式が混在していてもよい。
また、分子鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中に水酸基を有するマクロモノマー(A)は、鎖状の分子構造をなすマクロモノマーであることが好ましい。
前駆体であるマクロモノマー(A)においては、分子鎖の途中に結合している水酸基の数は、マクロモノマー(A)の分子鎖1本当たりにつき、平均して1個よりも多いことが好ましく、平均して5個以上であることがより好ましい。
《1》 カルボキシル基を有する連鎖移動剤および水酸基を有するビニル単量体を含むビニル単量体組成物のラジカル重合により、分子鎖(重合体鎖)の末端にカルボキシル基を有し、分子鎖(重合体鎖)の途中に水酸基を有するプレポリマーを合成する。
《2》 上記《1》で得られたプレポリマーの末端カルボキシル基に、(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物を付加反応させて、分子鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有し、分子鎖の途中に水酸基を有するマクロモノマー(A)を製造する。
《3》 上記《2》で得られたマクロモノマー(A)の分子鎖の途中に存在する水酸基に、ジカルボン酸無水物を付加反応させて、分子鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有し、且つ分子鎖の途中にカルボキシル基を有するマクロモノマー(Ma)を製造する。
メルカプタン化合物の好ましい使用量は、工程《1》で得られるプレポリマーと等モルとなる量であることが好ましく、製造しようとするプレポリマー、ひいてはマクロモノマー(Ma)の目標とする数平均分子量に基づいて設定する。
そのうちでも、水酸基を有するビニル単量体としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルが分散安定化性能により優れるマクロモノマー(Ma)を工業的に生産性よく製造できる点から好ましく用いられる。
工程《1》における水酸基を有するビニル単量体の使用割合は、最終的に得られるマクロモノマー(Ma)において必要なカルボキシ当量、マクロモノマー(Ma)の親水性/疎水性のバランスなどに応じて適宜設定することができ、一般的には、工程《1》においてプレポリマーの製造に用いるビニル単量体の全質量に対して10〜100質量%であることが好ましく、20〜90質量%であることがより好ましく、30〜70質量%であることが更に好ましい。
その際に、(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸イソブチルなどの(メタ)アクリル酸の脂肪族低級アルコールエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸の脂環族アルコールエステル、特に(メタ)アクリル酸の脂肪族低級アルコールエステルが分散安定化効果に優れるマクロモノマー(Ma)を生成する点から好ましく用いられる。
工程《3》では、マクロモノマー(A)の分子鎖の途中に存在する水酸基の全てにジカルボン酸無水物を付加反応させてもよいし、マクロモノマー(A)の分子鎖の途中に存在する水酸基の一部にジカルボン酸無水物を付加反応させて生成するマクロモノマー(Ma)中に多少の水酸基を残留させてもよい。
特に、上記した一連の工程《1》〜《3》によって製造されるマクロモノマー(Ma)は、分子鎖の途中に存在するカルボキシル基が、マクロモノマー(Ma)を形成している重合体鎖(バックボーン)から比較的離れて懸垂状態で位置するため、カルボキシル基による分散安定化効果が特に有効に発揮されるため好ましい。
分散重合によって重合体微粒子を製造するためのビニル単量体としては、重合前は反応液である親水性溶媒に溶解するが、重合後は反応液(親水性溶媒)に溶解しないビニル単量体のいずれもが使用可能である。
分散重合に使用するビニル単量体の種類は、親水性溶媒の種類や組成などによって異なり得るが、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル、加水分解性シリル基を有するビニル単量体の1種または2種以上が、得られる重合体微粒子の性能が優れる点から好ましく用いられる。
そのうちでも、加水分解性シリル基を有するビニル単量体としては、加水分解性シリル基含有アクリル酸エステル、加水分解性シリル基含有メタクリル酸エステルが好ましく用いられ、特にメタクリル酸トリエトキシシリルプロピル(すなわちトリメトキシシリルプロピルメタクリレート)などがより好ましく用いられる。
多官能ビニル単量体としては、例えば、上記したジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトールなどの(メタ)アクリル酸の多価アルコールエステル、(メタ)アクリル酸アリルなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
そのうちでも、分散重合時における重合体微粒子間の凝集の抑制が容易である点から、(メタ)アクリル酸アリルが好ましく用いられる。
加水分解性シリル基を有するビニル単量体を用いて架橋した重合体微粒子を製造する場合は、加水分解性シリル基を有するビニル単量体の使用割合を、ビニル単量体の全量に対して0.5〜70質量%とすることが好ましく、1〜30質量%とすることがより好ましい。
加水分解性シリル基を有するビニル単量体としては、上記で挙げたものの1種または2種以上を用いることができる。
マクロモノマー(Ma)からなる分散安定剤の存在下に、ビニル単量体を親水性溶媒中で分散重合して、重合体微粒子を製造する。
重合は、ビニル単量体を一括して反応器に仕込んで分散重合する回分重合法、ビニル単量体を分割して反応器に仕込んで分散重合する分割重合法、ビニル単量体を反応器に連続的に添加して分散重合する連続添加重合法(半回分重合法)のいずれを採用してもよい。重合熱の制御が必要な場合には連続添加重合法を採用することが好ましい。
そのうちでも、重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシピバレート、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が、粒度分布の狭い重合体微粒子を生産性よく製造できる点から好ましく用いられる。
重合体微粒子を親水性溶媒から分離回収する方法としては、例えば、沈降分離法、遠心分離法、デカンテーション法などを採用することができ、更に必要に応じて洗浄、乾燥を行う。
本発明の方法による場合は、重合の開始とともに、生成した重合体が親水性溶媒に溶解せずに次々に析出凝集するが、その際にマクロモノマー(Ma)とビニル単量体の共重合により極めて分散安定化効果の高いグラフトポリマーも同時に効率よく生成するため、重合の極初期段階でより多くの安定粒子が形成される。さらにビニル単量体の重合が進行する段階においては、初期に形成された安定粒子が重合の進行とともに成長する速度に合わせて、グラフトポリマー[マクロモノマー(Ma)とビニル単量体の共重合により生成]が主に成長粒子表面で生成するため、粒子間の凝集、および新粒子の発生が高度に抑制されて、極めて単分散性に優れる、粒度分布の狭い重合体微粒子を再現性よく、安定にかつ簡便に製造することができる。また、本発明ではマクロモノマー(Ma)の効果により、従来の分散安定剤を使用した場合に比べ、より小さな(より多くの)初期安定化粒子を形成することが可能であり、かつその成長を安定に進行させることができるため、より小さくかつ単分散性に優れた重合体微粒子を製造することが可能となる。
特に、分散重合により得られる重合体微粒子が、架橋されていない重合体微粒子である場合に、分散重合で得られる重合体微粒子をシード粒子として、当該シード粒子に多官能ビニル単量体を含むビニル単量体を吸収させた後、重合させて架橋すると、耐熱性、耐薬品性、強度、耐溶剤性などの向上した架橋した重合体微粒子を得ることができる。
前記多官能ビニル単量体としては、重合性に優れる多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能アリル化合物、多官能プロペニル化合物、ジビニルベンゼンなどが好ましく用いられる。多官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの2価アルコールのジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性体のトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの3価以上の多価アルコールのトリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレートなどのポリ(メタ)アクリレートを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。そのうちでもエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが、シード粒子への吸収が容易であること、さらに架橋密度を高くすることが可能であること、および重合安定性に優れるなどの点から好ましく用いられる。
本発明で得られる重合体微粒子では、その体積平均粒子径(dv)が0.8〜1.4μmであることが好ましく、また粒子サイズの変動係数(Cv)が10%以下であることが好ましく、本発明の方法により当該重合体微粒子を円滑に製造することができる。
ここで、本明細書における重合体微粒子の体積平均粒子径(dv)は、走査型電子顕微鏡を使用して重合体微粒子を写真撮影した粒子像に基づいて算出される体積平均粒子径(dv)であり、その詳細な算出方法は、以下の実施例に記載するとおりである。
また、本明細書における重合体微粒子の粒子サイズの変動係数(Cv)は、以下の実施例に記載した方法で求められる粒子サイズの変動係数(Cv)をいう。
以下の例において、プレポリマー[マクロモノマー(A)製造用の前駆体]、マクロモノマー(A)およびマクロモノマー(Ma)の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)、当該プレポリマーへのグリシジルメタクリレートの付加率、マクロモノマー(A)およびマクロモノマー(Ma)が分子鎖の末端に有するメタクリロイル基量、マクロモノマー(Ma)の酸価、重合安定性、重合体微粒子の体積平均粒子径(dv)、数平均粒子径(dn)、粒子サイズの変動係数(Cv)、副生小粒子量、並びに架橋した重合体微粒子の耐メチルエチルケトン性(耐溶剤性)の測定または評価は、以下のようにして行なった。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、プレポリマー[分子鎖の末端にカルボキシル基を有し且つ分子鎖の途中の水酸基を有する、マクロモノマー(A)製造用の前駆体]、マクロモノマー(A)(分子鎖の末端にメタクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中に水酸基を有するマクロモノマー)およびマクロモノマー(Ma)(分子鎖の末端にメタクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中にカルボキシル基を有するマクロモノマー)の分子量を測定して、ポリスチレン換算で当該プレポリマー、マクロモノマー(A)およびマクロモノマー(Ma)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求めた。
具体的には、GPC装置として、東ソー社製「HLC−8120GPC」を使用し、カラムとしてTSKgel super MP−M(4本)を使用して、各反応液を溶媒テトラヒドロフランに溶解した溶液(濃度5mg/ml)をサンプルとして、展開溶媒にテトラヒドロフランを用い、流速0.35ml/分、カラム温度40℃の条件にて測定を行った。測定結果を標準ポリスチレンにて作成した検量線を用いて解析し、ポリスチレン換算でのプレポリマー、マクロモノマー(A)およびマクロモノマー(Ma)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求めた。
プレポリマー[分子鎖の末端にカルボキシル基を有し且つ分子鎖の途中に水酸基を有する、マクロモノマー(A)製造用の前駆体]へのグリシジルメタクリレートの付加率は、反応液の酸価を測定して算出した。
具体的には、プレポリマーにグリシジルメタクリレートを反応させて得られた、マクロモノマー(A)(分子鎖の末端にメタクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中に水酸基を有するマクロモノマー]を含有する反応液の一部を試料として採取して秤量した後、テトラヒドロフランにて希釈した試料を、オートタイトレーター(HIRANUMA製「COM−900」)を使用して、中和滴定溶液として0.1N−水酸化カリウム溶液を用いて、中和滴定して、反応液の酸価を測定し、測定した酸価の値から、プレポリマーの分子鎖の末端に導入された連載移動剤に由来するカルボキシル基の消費率、すなわちプレポリマーの分子鎖末端のカルボキシル基へのグリシジルメタクリレートの付加反応率を算出した。
本実施例の条件では、プレポリマーは、実質的にすべてのポリマー鎖の片末端に連鎖移動剤由来のカルボキシル基を有しているとみなすことができるため、上記(2)で求めたプレポリマーへのグリシジルメタクリレートの付加反応率をマクロモノマー(A)およびマクロモノマー(Ma)が分子鎖の末端に有するメタクリロイル量等のエチレン性不飽和基の1分子当たりの個数とした。
マクロモノマー(A)(分子鎖の末端にメタクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中に水酸基を有するマクロモノマー)にジカルボン酸無水物を反応させて得られた、マクロモノマー(Ma)(分子鎖の末端にメタクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中にカルボキシル基を有するマクロモノマー)(分散安定剤)を含む反応液の一部を試料として採取して秤量した後、テトラヒドロフランにて希釈した試料を、オートタイトレーター(HIRANUMA製「COM−900」)を使用して、中和滴定溶液として0.1N−水酸化カリウム溶液を用いて、中和滴定して、反応液の酸価を測定し、測定した酸価の値を200℃×20分の揮発残分より決定した固形分値で除算して、マクロモノマー(Ma)(分散安定剤)固形分1g当たりの酸価(meq/g−solid)を算出した。
重合により得られた重合体微粒子の分散液を反応器から取り出した後、反応器の内部および攪拌翼への重合体の付着量を目視により観察した。また、反応器から取り出した重合体微粒子の分散液を、200目ポリネット(目開き:114μm)で濾過し、ポリネット上に残留している凝集物の量を目視で観察し、それらの両方の観察結果から、下記の評価基準に従って重合安定性の評価を行なった。
[重合安定性の評価基準]
○:反応器の内部および撹拌翼への重合体の付着がないか又は付着がごく僅かであり、しかもポリネット上に凝集物の残留がないか又は残留がごく僅かである。
△:反応器の内部および撹拌翼への重合体の付着が少なく、かつポリネット上での凝集物の残留が少ない。
×:反応器の内部および撹拌翼への重合体の付着が多く、しかもポリネット上での凝集物の残留が多い。
(i) 重合により得られた重合体微粒子の分散液から揮発分(重合溶媒、残存モノマーなど)を除去して回収した重合体微粒子を、電界放射走査型電子顕微鏡(FE−SEM)[日本電子(株)製「JSM−6330F」]を使用するSEM方法によって写真撮影した。その際に、SEM法による写真撮影の倍率は、1枚の写真に200個程度の粒子が撮影される倍率とし、撮影位置を変えて、3枚撮影した。
(ii) 上記(i)で撮影したSEM写真において、全ての重合体微粒子のそれぞれについてその粒子径(di)(写真撮影した粒子の面積から求められる面積円相当径)を測定し、以下の数式(I)、(II)および(III)に従って、重合体微粒子の体積平均
粒子径(dv)、数平均粒子径(dn)および粒子サイズの変動係数(Cv)を算出した。niは粒子径がdiである粒子の個数を示す。
体積平均粒子径(dv)=(Σnidi3/Σni)1/3 (I)
数平均粒子径(dn)=(Σnidi/Σni) (II)
粒子サイズの変動係数(Cv)(%)=100σ/dn (III)
σ(標準偏差)=(Σ(di−dn)2/Σni)1/2 (IV)
粒子サイズの変動係数(Cv)は、その値が小さいほど(ゼロに近いほど)、粒度分布が狭く、粒子の径が均一で粒子サイズが揃っていることを意味する。
なお、上記計算に当たっては、正確な粒子径の測定が可能な、0.3μm以上の重合体微粒子の測定結果を使用した。
[副生小粒子の生成量の評価基準]
○:副生小粒子の生成がないかまたはごく僅かである。
△:副生小粒子が少量生成している。
×:副生小粒子が多量に生成している。
架橋した重合体微粒子を20質量倍のメチルエチルケトンに分散させた後、25℃で24時間静置した。24時間後に、重合体微粒子がメチルエチルケトンに溶解または膨潤したか否かを目視により観察し、溶解しないか又は膨潤による粒子間の合一がなく、粒子状を保って再分散が可能な重合体微粒子については、室温下に静置状態でメチルエチルケトンを除去してSEM法により写真撮影し、そのSEM写真を、本試験を行なう前の重合体微粒子のSEM写真と比較して、粒子サイズの変化、形態の変化、溶出ポリマー成分の有無を調べて、下記の評価基準に従って耐メチルエチルケトン性を評価した。
[耐メチルエチルケトン性の評価基準]
○:重合体微粒子の試験前後のSEM写真を比較したときに、粒子サイズおよび粒子形態にほとんど変化が見られない。
△:試験後の重合体微粒子のSEM写真では、粒子形態を有していることは確認されるが、粒子サイズおよび/または粒子形態に変化が生じているか、或いは重合体微粒子の外部に溶出した重合体成分が確認される。
×:重合体微粒子がメチルエチルケトンに溶解するか、または膨潤による重合体微粒子間の合一が顕著で24時間静置後に再分散できない。
架橋されている重合体微粒子、特に十分な架橋がなされている重合体微粒子ほど、この耐メチルエチルケトン性の試験を行なった際に、重合体微粒子の溶解や形態変化がないかまたは小さく、溶出ポリマー成分も少ない。以下の試験結果から明らかなように、架橋した重合体微粒子は、耐メチルエチルケトン性に優れており、耐溶剤性や耐熱性が要求される用途に好適に使用することができる。
なお、この試験は、実施例20〜23で得られた架橋した重合体微粒子(PC−1)〜(PC−4)について行なった。
(1)工程《1》[プレポリマーの製造]
(i) 攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管および送液配管連結部を備えたガラス製反応器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30質量部、メタクリル酸メチル12.13質量部および2−メルカプトプロピオン酸1.765質量部を仕込み、攪拌下に窒素ガスを吹き込みながら、反応器の内温を90℃に調整した。
(ii) 定量ポンプによる送液配管を取り付けたガラス製容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート15質量部、メタクリル酸メチル18.19質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル39.39質量部および2−メルカプトプロピオン酸1.765質量部を仕込み、攪拌してビニル単量体混合液74.35質量部を調製した。
(iii) 定量ポンプによる送液配管を取り付けたガラス製容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート15質量部および重合開始剤[2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル、和光純薬(株)製「V−59」]0.165質量部を仕込み、攪拌、溶解して重合開始剤溶液15.17質量部を調製した。
(iv) 定量ポンプによる送液配管を取り付けたガラス製容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部および前記と同じ重合開始剤(V−59)0.385質量部を仕込み、攪拌、溶解して重合開始剤溶液40.39質量部を調製した。
(v) 上記(i)で調製した混合液の温度が90℃で安定したことを確認したのち、上記(ii)で調製したビニル単量体混合液と上記(iii)で調製した重合開始剤溶液の上記(i)の反応器への供給を開始した。定量ポンプにより、一定速度で、上記(ii)で調製したビニル単量体混合液は2時間かけて、また上記(iii)で調製した重合開始剤溶液は3時間かけて供給を行った。上記(iii)で調製した重合開始剤溶液の供給が完了した後、上記(iv)で調製した重合開始剤溶液の反応器への供給を直ちに開始した。定量ポンプにより、一定速度で、上記(iv)で調製した重合開始剤溶液を2時間かけて供給し、マクロモノマー(A)の前駆体である、分子鎖の片末端にカルボキシル基を有し且つ分子鎖の途中に水酸基を有するプレポリマーを製造した。これにより得られた反応液の一部を採取してGPCにより上記した方法で分子量を測定した結果、プレポリマーの重量平均分子量(Mw)は3900および数平均分子量(Mn)は2100であった。
引き続き、窒素吹き込みを空気吹き込みに切り替え、反応器にメトキシハイドロキノン0.03質量部およびテトラブチルアンモニウムブロマイド0.81質量部を添加し、反応器の内温を110℃まで昇温した。内温が110℃で安定したことを確認し、グリシジルメタクリレート5.67質量部を添加し、内温110℃で6時間保持して、プレポリマーへのグリシジルメタクリレートの付加反応を行って、マクロモノマー(A)を製造した。マクロモノマー(A)(分子鎖の末端にメタクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中に水酸基を有するマクロモノマー)を含む反応液の一部を採取して、上記した方法で酸価を測定して、プレポリマーの末端カルボキシル基へのグリシジルメタクリレート付加率を測定した結果、付加率は99%であり、ここで得られたマクロモノマー(A)は、1分子当たり、分子鎖の末端(片末端)にメタクリロイル基を平均して0.99個の割合で有していた。また、GPCにより上記した方法でマクロモノマー(A)の分子量を測定した結果、重量平均分子量(Mw)は4800および数平均分子量(Mn)は2400であった。
(i) 上記(2)のグリシジルメタクリレートの添加から7時間経過した時点で、反応器の内温を110℃に保持したまま、無水コハク酸30.30質量部を添加して、マクロモノマー(A)の分子鎖の途中に存在する水酸基(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル由来の水酸基)に無水コハク酸を付加させた。無水コハク酸の添加から2時間経過した時点で反応液を冷却し、200℃で20分間加熱したときの残分が53%になるような量でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して、マクロモノマー(Ma−1)(分子鎖の末端にメタクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中にカルボキシル基を有するモノマー)(分散安定剤)を含有する分散安定剤液(Ma1)(固形分53%)を製造した。
(ii) 上記(i)で得られた分散安定剤液(Ma1)に含まれるマクロモノマー(Ma−1)の酸価を上記した方法で測定した結果、162.4meq/g−solidであった。また、分散安定剤液(Ma1)に含まれているマクロモノマー(Ma−1)(分散安定剤)の分子量をGPCにより上記した方法で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は6800および数平均分子量(Mn)は3600であった。
(1) 下記の表1に示す組成の単量体混合液を用いて、製造例1の(1)と同様の操作を行なって、分子鎖の末端にカルボキシル基を有し且つ分子鎖の途中に水酸基を有するプレポリマーを製造した後、当該プレポリマーを含む反応液に、下記の表1に示す量のグリシジルメタクリレートを添加して、製造例1の(2)と同様にしてマクロモノマー(A)(分子鎖の片末端にメタクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中にカルボキシル基を有するマクロモノマー)を製造し、それにより得られたマクロモノマー(A)を含む反応液に、下記の表1に示す量の無水コハク酸を添加して製造例1の(3)と同様にして反応させて、分子鎖の末端にメタクリロイル基を有し且つ分子鎖の途中にカルボキシル基を有するマクロモノマー(Ma−2)〜(Ma−4)(分散安定剤)を含む分散安定剤液(Ma2)〜(Ma4)を製造した。
(2) 上記(1)の反応で生成したプレポリマーの分子量、当該プレポリマーへのグリシジルメタクリレートの付加率、プレポリマーにグリシジルメタクリレートを付加反応させて生成したマクロモノマー(A)における分子鎖の末端に結合したメタクリロイル基の個数、マクロモノマー(A)の分子量、マクロモノマー(A)に無水コハク酸を反応させて得られたマクロモノマー(Ma2)〜(Ma4)における分子鎖の末端に結合したメタクリロイル基の個数およびマクロモノマー(Ma2)〜(Ma4)の分子量を上記した方法で測定した結果、下記の表1に示すとおりであった。
(1) ホットオイルによる加熱装置を備えた容量500mlの加圧式攪拌槽型反応器を3−エトキシプロピオン酸エチルで満たした。反応器を約250℃に加温し、反応器内圧力を圧力調節器により3−エトキシプロピオン酸エチルの蒸気圧以上に設定した。
(2) メタクリル酸メチル20質量部、アクリル酸シクロヘキシル55質量部、アクリル酸25質量部およびジ−t−ブチルパーオキサイド0.1部を秤量して、単量体混合液を調製し、この単量体混合液を原料タンクに貯蔵した。
(3) 上記(1)の反応器内の圧力を一定に保ちながら、上記(2)で調製した単量体混合液を原料タンクから反応器に連続的に供給した。このとき、単量体混合液の反応器内での平均滞留時間が12分となるように供給速度を設定した。単量体混合液の供給量に相当する反応液を反応器の出口から連続的に抜き出した。単量体混合液の連続供給中、反応器内温度を230±2℃に維持した。反応器の出口から抜き出した反応液を薄膜蒸発器に導入して、反応液中の未反応単量体などの揮発性成分を除去して、分子鎖末端にビニリデン基を有するマクロモノマー(Mb−1)を得た。単量体混合液の供給開始から90分後、薄膜蒸発器の出口からマクロモノマー(Mb−1)の採取を開始し、60分間採取を行った。
また、上記(3)で得られたマクロモノマー(Mb−1)では、1H−NMRにより測定した末端エチレン性不飽和結合の濃度と数平均分子量(Mn)から算出される末端エチレン性不飽和結合(末端ビニリデン基)の導入率は98%であった。
(5) 上記(3)で得られたマクロモノマー(Mb−1)をフレーク状に粉砕し、マクロモノマー(Mb−1)の粉砕物100質量部、水260質量部および25%アンモニア水22.5質量部を冷却管付ガラス製フラスコに仕込み、90℃の温浴で加温しながら攪拌してマクロモノマー(Mb−1)を水溶化させた。マクロモノマー(Mb−1)が溶解したことを確認した後、固形分が25質量%となるように水を加えて、マクロモノマー(Mb−1)の水溶液[以下「分散安定剤液(Mb1)」という]を製造した。この分散安定剤液(Mb1)(水溶液)の25℃でのpHは8.0であった。
(1) 攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管を備えたガラス製反応器に、イオン交換水115.5質量部、メタノール460.5質量部、製造例1で製造した分散安定剤液(Ma1)7.55質量部(固形分4質量部相当)、25%アンモニア水0.55質量部、メタクリル酸メチル50質量部およびメタクリル酸イソブチル50質量部を仕込み、攪拌および窒素ガスの吹き込みを行いながら、反応器内温を55℃に調整した。
(2) 上記(1)の反応器内温が55℃で安定したことを確認した後、当該反応器に重合開始剤[日本油脂株式会社製「パーブチルPV」;t−ブチルパーオキシピバレートの70%溶液]2.4質量部を添加して重合を開始させたところ、重合開始剤の添加直後に反応液に濁りが生じ、徐々に白化して乳白色となり、重合体微粒子が生成していることが確認された。
(4) 上記(3)で得られた重合体微粒子(PA−1)の分散液から室温で揮発分を除去して、上記した方法で重合体微粒子(PA−1)について、SEM(電界放射走査型電子顕微鏡FE−SEM)[日本電子(株)製「JSM−6330F」]を使用して観察を行った。その得られたSEM写真より、上記した方法で求めた体積平均粒子径(dv)は1.46μm、数平均粒子径(dn)は1.45μm、粒子サイズの変動係数(Cv)は8.0%であった。また、SEM写真より、0.3μm以下の副生小粒子生成量はごく僅かであることが確認された。
この実施例1で得られた重合体微粒子(PA−1)のSEM写真を図1および図2に示す。図1は倍率2,000倍で撮影したものであり、図2は倍率12,000倍で撮影したものである。
(1) 分散安定剤液の種類および使用量並びに25%アンモニア水、水、メタノールの使用量、および重合温度を下記の表2に示すようにした以外は、実施例1の(1)〜(3)と同様に行なって、重合体微粒子(PA−2)〜(PA−10)の分散液を製造した。実施例1の(3)と同様にして、各実施例について上記した方法で重合安定性の評価を行なったところ、下記の表2に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた重合体微粒子(PA−2)〜(PA−10)の体積平均粒子径(dv)、数平均粒子径(dn)、粒子サイズの変動係数(Cv)を、実施例1の(4)と同様にして求めたところ、下記の表2に示すとおりであった。
また、SEM写真より、0.3μm以下の副生小粒子の生成量の評価を上記した方法で行なったところ、下記の表2に示すとおりであった。
(1) 分散安定剤液の種類および使用量並びに25%アンモニア水、水、メタノールの使用量、および重合温度を下記の表3に示すようにした以外は、実施例1の(1)〜(3)と同様に行なって、重合体微粒子(PA−11)〜(PA−19)の分散液を製造した。実施例1の(3)と同様にして、各実施例について上記した方法で重合安定性の評価を行なったところ、下記の表3に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた重合体微粒子(PA−11)〜(PA−19)の体積平均粒子径(dv)、数平均粒子径(dn)、粒子サイズの変動係数(Cv)を、実施例1の(4)と同様にして求めたところ、下記の表3に示すとおりであった。
また、SEM写真より、0.3μm以下の副生小粒子の生成量の評価を上記した方法で行なったところ、下記の表3に示すとおりであった。
(1) 分散安定剤液として、分散安定剤液(Ma1)の代りに、製造例5で得られた分散安定剤液(Mb1)を下記の表4に示す量で用い、更に25%アンモニア水と水の使用量を下記の表4のように変更した以外は、実施例1の(1)〜(3)と同様に行なって、重合体微粒子(PB−1)の分散液を製造した。実施例1の(3)と同様にして、上記した方法で重合安定性の評価を行なったところ、下記の表4に示すとおりであった。
なお、この比較例1で用いた分散安定剤液(Mb1)に含まれるマクロモノマー(Mb−1)(分散安定剤)は、水溶化の段階で既にカルボキシル基をアンモニアで中和しているため、アンモニアを新たに添加しなかった。
(2) 上記(1)で得られた重合体微粒子(PB−1)の体積平均粒子径(dv)、数平均粒子径(dn)、粒子サイズの変動係数(Cv)を、実施例1の(4)と同様にして求めたところ、下記の表4に示すとおりであった。
また、SEM写真より、0.3μm以下の副生小粒子の生成量の評価を上記した方法で行なったところ、下記の表4に示すとおりであった。
また、実施例17で得られた重合体微粒子(PA−17)のSEM写真を図3および図4に示す。図3は倍率2,000倍で撮影したものであり、図4は倍率12,000倍で撮影したものである。
(1) 分散安定剤として、分散安定剤液(Ma1)の代りに、ポリビニルピロリドン(和光純薬製「K−30」)(特許文献1の実施例1で使用)を下記の表4に示す量で用い、更に25%アンモニア水と水の使用量を下記の表4のように変更した以外は、実施例1の(1)〜(3)と同様に行なって、重合体微粒子(PB−2)の分散液を製造した。実施例1の(3)と同様にして、上記した方法で重合安定性の評価を行なったところ、下記の表4に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた重合体微粒子(PB−2)の体積平均粒子径(dv)、数平均粒子径(dn)、粒子サイズの変動係数(Cv)を、実施例1の(4)と同様にして求めたところ、下記の表4に示すとおりであった。
また、SEM写真より、0.3μm以下の副生小粒子の生成量の評価を上記した方法で行なったところ、下記の表4に示すとおりであった。
分散安定剤として、分散安定剤液(Ma1)の代りに、片末端にメタクリロイル基を有するポリエチレンオキシド(新中村化学工業製「M−90G」、平均エチレンオキサイド付加数9、もう一方の末端はメトキシ基)(特許文献1の実施例3で使用)を下記の表4に示す量で用い、更に25%アンモニア水と水の使用量を下記の表4のように変更した以外は、実施例1の(1)〜(3)と同様に行なって、重合体微粒子(PB−3)の分散液を製造しようとしたところ、重合開始剤の添加から1時間以内に多量の凝集物が発生して撹拌が困難になったため、重合を停止し、重合体微粒子を製造することができなかった。
(1) 分散安定剤として、分散安定剤液(Ma1)の代りに、ポリビニルピロリドン(和光純薬製「K−30」)(特許文献1の実施例1で使用)を下記の表4に示す量で用い、更に25%アンモニア水と水の使用量を下記の表4のように変更した以外は、実施例1の(1)〜(3)と同様に行なって、重合体微粒子(PB−2)の分散液を製造した。実施例1の(3)と同様にして、上記した方法で重合安定性の評価を行なったところ、下記の表4に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた重合体微粒子(PB−2)の体積平均粒子径(dv)、数平均粒子径(dn)、粒子サイズの変動係数(Cv)を、実施例1の(4)と同様にして求めたところ、下記の表4に示すとおりであった。
また、SEM写真より、0.3μm以下の副生小粒子の生成量の評価を上記した方法で行なったところ、下記の表4に示すとおりであった。
しかも、比較例1では、分散重合を安定に行なうために、分散安定剤であるマクロモノマー(Mb−1)を、実施例1〜19に比べて多量に使用する必要があった。
(1) 分散安定剤液として製造例1で得られた分散安定剤液(Ma1)を下記の表5に示す量で用いると共に25%アンモニア水と水の使用量を下記の表5に示すようにし、更にメタクリル酸メチルおよびメタクリル酸イソブチルと共に架橋性単量体としてアリルメタクリレートを下記の表5に示す量で使用した以外は、実施例1の(1)〜(3)と同様に行なって、架橋した重合体微粒子(PC−1)[以下「架橋重合体粒子(PC−1)」ということがある。以下の実施例でも同じ]の分散液を製造した。実施例1の(3)と同様にして、上記した方法で重合安定性の評価を行なったところ、下記の表5に示すように、重合反応液を抜き出した後の反応器の内部や攪拌翼に重合体の付着はなく、更に200目ポリネット上にろ過残渣は認められず、重合安定性に優れており、○と評価された。
(2) 上記(1)で得られた架橋重合体微粒子(PC−1)について実施例1の(4)と同様にしてSEMを使用して観察を行い、得られたSEM写真より、上記した方法で体積平均粒子径(dv)、数平均粒子径(dn)、粒子サイズの変動係数(Cv)を求めたところ、下記の表5に示すとおりであった。また、また、SEM写真より、0.3μm以下の副生小粒子生成量を上記した方法で判定したところ、下記の表5に示すとおりであった。
(4) 上記(1)で得られたメチルエチルケントに浸漬する前の架橋重合体微粒子(PC−1)のSEM写真を図5(倍率5,000倍)に、またメチルエチルケントに24時間浸漬した後に取り出し乾燥して得られた架橋重合体微粒子(PC−1)のSEM写真を図6(倍率5,000倍)に示す。
(1) 攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素導入管を備えたガラス製反応器に、イオン交換水115.2質量部、メタノール460.5質量部、25%アンモニア水(中和用)0.79質量部、製造例1で製造した分散安定剤液(Ma1)7.55質量部、メタクリル酸メチル45.0質量部およびメタクリル酸イソブチル50.0質量部を仕込み、攪拌および窒素ガスの吹き込みを行いながら、反応器内温を55℃に調整した。
(2) 上記(1)の反応器の内温が55℃で安定したことを確認した後、トリメトキシシリルプロピルメタクリレート5.0質量部を反応器に投入し、さらにその10分後に実施例1で使用したのと同じ重合開始剤(パーブチルPV;t−ブチルパーオキシピバレートの70%溶液)2.4質量部を添加して重合を開始させたところ、重合開始剤の添加後、直ちに反応液に濁りが生じ、徐々に白化して乳白色となり、重合体微粒子が生成していることが確認された。重合開始剤(パーブチルPV)の添加から4時間にわたって反応器の内温を55℃に保持して、加水分解性シリル基を有する重合体微粒子の分散液を得た。
(4) 上記(3)で得られた反応液を冷却した後、200目ポリネットでろ過しながら反応器から取り出しを行なって、架橋した重合体微粒子(PC−2)]の分散液を回収した。重合反応液を抜き出した後の反応器の内部や攪拌翼に重合体の付着はなく、更に200目ポリネット上にろ過残渣は認められず、上記した評価方法による重合安定性の評価では○と判定された。
(5) 上記(4)で回収した架橋重合体微粒子(PC−2)の分散液を、155℃で30分加熱した時の不揮発分が98質量%以上になるまで60℃で乾燥し、乾燥後に解砕して、架橋重合体微粒子(PC−2)を得た。
(6) 上記(5)で得られた架橋重合体微粒子(PC−2)について、SEMを使用して観察を行い、そのSEM写真より、上記した方法で求めた体積平均粒子径(dv)は1.46μm、数平均粒子径(dn)は1.46μm、粒子サイズの変動係数(Cv)は7.4%であった。また、SEM写真より、0.3μm以下の副生小粒子生成量はごく僅かであることが確認された。
(1) 分散安定剤液(Ma1)の使用量、25%アンモニア水および水の使用量を下記の表5に示す量とし、ビニル単量体として下記の表5に示すものを表5に示す量で使用し、それ以外は実施例21の(1)〜(5)と同様に行なって、架橋した重合体微粒子(PC−3)の分散液を製造した。実施例1の(3)と同様にして、各実施例について上記した方法で重合安定性の評価を行なったところ、下記の表5に示すとおりであった。
(2) 上記(1)で得られた架橋重合体微粒子(PC−3)について、実施例1と同様にしてSEMを使用して観察を行い、得られたSEM写真より、上記した方法で体積平均粒子径(dv)、数平均粒子径(dn)、粒子サイズの変動係数(Cv)を求めたところ、下記の表5に示すとおりであった。また、また、SEM写真より、0.3μm以下の副生小粒子生成量を上記した方法で判定したところ、下記の表5に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られた架橋重合体微粒子(PC−3)について、実施例21の(7)と同様にして耐メチルエチルケトン性の試験を行なったところ、24時間後に架橋重合体微粒子(PC−3)はメチルエチルケトン中で沈降していたが、粒子間の凝集や合一などが生じておらず、容易に再分散できた。再分散させた重合体微粒子(PC−3)をメチルエチルケトンから取り出し、室温で乾燥させた後、上記(6)と同様にしてSEMを使用して観察を行った。メチルエチルケトン中に24時間浸漬後の架橋重合体微粒子(PC−3)のSEM像は、メチルエチルケトンに浸漬する前の架橋重合体微粒子(PC−3
)のSEM像と変わりがなく、上記した方法で評価した耐メチルエチルケトン性の評価結果は○と判定された。架橋重合体微粒子(PC−3)は、その架橋効果よって耐溶剤性に優れた微粒子であることが確認された。
(1) 攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素導入管を備えたガラス製反応器に、イオン交換水299質量部、10%KOH水溶液3.0質量部および実施例1の(3)で得られた重合体微粒子(PA−1)の分散液を固形分濃度が35質量%となるように揮発分(水、メタノール)の一部を減圧除去した分散液285.7質量部(固形分換算、100質量部)を仕込み、攪拌しながら、反応器内温を20℃に調整した。
(2) ステンレス鋼製容器に、メタクリル酸メチル50.0質量部およびエチレングリコールジメタクリレート50.0質量部を仕込み攪拌混合し、さらにイオン交換水100質量部に乳化剤[花王(株)製、ラウリル硫酸ナトリウムの30%水溶液「エマール2F−30」]1.5質量部を溶解させた乳化剤水溶液を加えて乳化器を用いて乳化させて、ビニル単量体混合物の乳化液を調製した。
(3) 上記(1)の反応器に、上記(2)で調製したビニル単量体混合物の乳化液を加え、さらに重合開始剤[2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル;和光純薬(株)製「V−65」]1質量部を加えて、反応器の内温20℃で12時間攪拌を行って、重合体微粒子(PA−1)にビニル単量体混合物および重合開始剤を吸収させた。
(5) 上記(4)で得られた架橋重合体微粒子(PC−4)の分散液を遠心分離処理し、上澄みを除去して架橋樹脂微粒子の沈降ケーキを回収した。回収した架橋重合体微粒子(PC−4)の沈降物を同質量のイオン交換水と混合して再分散させた後、再度遠心分離処理を行い、上澄みを除去して回収した沈降物を、155℃で30分間加熱したときの不揮発分が98質量%以上になるまで80℃で乾燥した後、解砕して架橋重合体微粒子(PC−4)を製造した。
(7) また、上記(5)で得られた架橋重合体微粒子(PC−4)について、実施例20と同様にして耐メチルエチルケトン性の試験を行なったところ、24時間後に架橋重合体微粒子(PC−4)はメチルエチルケトン中で沈降していたが、粒子間の凝集や合一などが生じておらず、容易に再分散できた。再分散させた重合体微粒子(PC−4)をメチルエチルケトンから取り出し、室温で乾燥させた後、上記した方法でSEMを使用して観察を行った。メチルエチルケトン中に24時間浸漬後の架橋重合体微粒子(PC−4)のSEM像は、メチルエチルケトンに浸漬する前の架橋重合体微粒子(PC−4)のSEM像と比較して非架橋ポリマー成分の溶出が認められるものの、粒子形状を維持しており、架橋により耐溶剤性(耐メチルエチルケトン性)が向上した。
Claims (9)
- 分散安定剤の存在下に、ビニル単量体を、ビニル単量体および分散安定剤を溶解するが、生成する重合体を溶解しない親水性溶媒中で重合する工程を備える、重合体微粒子を製造する方法であって、前記分散安定剤が、分子鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を、1分子当り、平均して0.2〜1個有し且つ分子鎖の途中にカルボキシル基を有するマクロモノマー(Ma)であることを特徴とする重合体微粒子の製造方法。
- 前記マクロモノマー(Ma)が、分子鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有し、分子鎖の途中に水酸基を有するマクロモノマー(A)に、ジカルボン酸無水物を付加反応させて得られたものである請求項1に記載の重合体微粒子の製造方法。
- 前記マクロモノマー(Ma)が、0.5〜4meq/gのカルボキシル基を有する請求項1または2に記載の重合体微粒子の製造方法。
- 前記マクロモノマー(Ma)が有するカルボキシル基の全部または一部が、塩基性化合物により中和されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合体微粒子の製造方法。
- 前記ビニル単量体として、加水分解性シリル基を有するビニル単量体を少なくとも一部として含むビニル単量体を用いて、加水分解性シリル基を有する重合体微粒子を製造する請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合体微粒子の製造方法。
- 請求項5で得られる重合体微粒子中の加水分解性シリル基を加水分解縮合させる工程を備え、架橋した重合体微粒子を製造することからなる重合体微粒子の製造方法。
- 前記ビニル単量体として、エチレン性不飽和基を2個以上有する多官能ビニル単量体を少なくとも一部として含むビニル単量体を用いて架橋した重合体微粒子を製造する請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合体微粒子の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法で得られる重合体微粒子に多官能ビニル単量体を含むビニル単量体を吸収させた後、重合させる工程を備え、架橋した重合体微粒子を製造することからなる重合体微粒子の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項の製造方法で得られる、体積平均粒子径(dv)が0.7〜2.0μmで、粒子サイズの変動係数(Cv)が20%以下である重合体微粒子。
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