JP2005334767A - 分散安定剤及び重合体微粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊離の分散安定剤を生成することなく重合体微粒子を形成できる分散安定剤、この重合開始剤を用いて得られた重合体微粒子を提供する。
【解決手段】アゾ基またはペルオキシ基を含む有機基が結合したポリビニルアセタールからなる分散安定剤を含む液体媒体中で重合性単量体を重合し、重合体粒子を得る。重合体微粒子の製造方法は、アゾ基またはペルオキシ基を含む有機基を有するポリビニルアセタールからなる分散安定剤は溶解するが生成重合体は溶解しない重合媒体に該分散安定剤を溶解させ、不活性雰囲気下、重合性単量体を重合させる。
【選択図】 なし



Description

本発明は、分散重合などに有用な分散安定剤、この分散安定剤を用いて形成された重合体微粒子、及びその製造方法に関する。
重合体微粒子あるいはその分散液をウエットプロセスで作製する場合、生成する重合体微粒子を所望の粒子径の粒子として取り出すため、あるいは媒体に安定に分散させるためなどの目的で種々の分散安定剤が使用される(特許文献1〜2参照)。しかし、粒子生成後、媒体中に残存する遊離分散安定剤は、多くの場合生成粒子あるいは生成粒子を用いた製品の性能に悪影響を及ぼすため遠心分離などを用いた洗浄により媒体中から除かれる。
ところが、こうした洗浄は手間がかかる他、生成粒子が例えばナノメートルサイズのように微小になると、生成粒子と分散安定剤とを分離することが困難となる問題が発生する。そこで、重合性不飽和結合を持つ反応性乳化剤を用いて、重合時に乳化剤を生成粒子に固定することが行われているが、反応性乳化剤が全て反応するわけではないので残存する遊離分散安定剤の問題を解決できない。
特開2003−119203号公報 特開昭62−236808号公報
従って本発明の目的は、遊離の分散安定剤を生成することなく重合体微粒子を形成できる分散安定剤、この分散安定剤を用いて得られた重合体微粒子、およびこの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、分散安定剤に重合開始機能を付与して重合性単量体を重合すると、分散安定剤と生成重合体とが一体化した高分子化合物を含む重合体粒子が得られ、重合反応終了後は重合媒体中に分散安定剤成分が残存しないことを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、アゾ基またはペルオキシ基を含む有機基が結合したポリビニルアセタールからなる分散安定剤であり、前記分散安定剤が結合している重合体微粒子であり、前記分散安定剤は溶解するが生成重合体は溶解しない重合媒体に分散安定剤を溶解させ、不活性雰囲気下、重合性単量体を重合させる重合体微粒子の製造方法である。
本発明の分散安定剤は、重合開始剤としての機能ならびに重合媒体中から析出する重合体粒子と一体化してこれを分散安定化する機能とを有するため、重合反応終了後、媒体中に遊離の分散安定剤成分が残存しない。そのため生成重合体微粒子を洗浄することなくクリーンな重合体微粒子またはその分散液を得ることが出来る。
本明細書において、用語「重合体」は、重合性単量体が重合して生成した合成高分子を示す。
本明細書において、用語「高分子化合物」は、ポリビニルアセタールに重合体が化学結合を介して結合した化合物を示す。
[分散安定剤]
本発明の分散安定剤は、重合開始剤としての機能ならびに媒体中から生成する重合体微粒子と一体化してこれを分散安定化する機能とを有する。
本発明の分散安定剤は、ポリビニルアセタールを主骨格とし、下記化学式1で表される構造を有する。
ここでR1はアゾ基またはペルオキシ基を含む有機基であり、R2は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状または環状アルキル基、アラルキル基あるいはアリール基である。
本発明の分散安定剤の主骨格となるポリビニルアセタールの分子量としては、特に限定されないが、2000〜60000、好ましくは4000〜40000、より好ましくは6000〜30000である。分子量が2000より小さいと分散安定効果が発揮されない。分子量が60000より大きいと媒体の粘度が高くなりすぎて生成粒子の粒度分布などに悪影響を及ぼす。
アゾ基またはペルオキシ基を含む有機基R1としては、下記化学式2または化学式3で表されるユニットを少なくとも1つ含む限り特に限定されない。こうした基は、分子内に水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの官能基を持つアゾ化合物またはペルオキシ化合物とポリビニルアセタールとを直接または適切なスペーサーを介して結合させることにより導入し得る。
ここで、R4はC1〜C4の直鎖状アルキル基であり、R5はC1〜C4の直鎖状アルキル基またはニトリル基である。
アゾ基またはペルオキシ基の含有量は、分散安定剤の0.005〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜3重量%である。0.005重量%より少ないと分散安定剤が重合開始剤として機能しにくい。10重量%より多いと分散安定効果が発揮されない。アゾ基またはペルオキシ基の含有量は、分散安定剤を熱分析することにより推定し得る。
アゾ基を含む有機基をポリビニルアセタールに導入するために用いることの出来るアゾ化合物としては、例えば、水酸基を分子内に持つものとして、2,2’-アゾビス{2-メチル-N-[2-(1-ヒドロキシブチル)]-プロピオンアミド}、2,2’-アゾビス{2-メチル-N-[1,1’-ビス(ヒドロキシブチルメチル)-2-ヒドロキシエチル]-プロピオンアミド}、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-プロピオンアミド]、アミノ基を分子内に持つものとして、2,2’-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2’-アゾビス[2-(3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2-イル)プロパン]、2,2’-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル]プロパン}、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミドオキシム)、カルボキシル基を持つものとして、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチル-プロピオンアミジン]、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)などを挙げることができる。
ペルオキシ基を含む有機基をポリビニルアセタールに導入するために用いることの出来るペルオキシ化合物としては、例えば、1-(エチルペルオキシ)エタン-1-オールなどを挙げることができる。
分子内に水酸基を持つアゾ化合物またはペルオキシ化合物をポリビニルアセタールと結合させる方法としては、例えば、ジカルボン酸をスペーサーとしてアゾ化合物またはペルオキシ化合物の水酸基とポリビニルアセタールの水酸基とを連結させる方法を挙げることができる。反応の順序は特に限定されず、アゾ化合物またはペルオキシ化合物の水酸基とジカルボン酸とを結合させた後にポリビニルアセタールの水酸基と反応させる、あるいはポリビニルアセタールの水酸基とジカルボン酸とを結合させた後にアゾ化合物またはペルオキシ化合物の水酸基とを反応させてもよい。
分子内にカルボキシル基を持つアゾ化合物またはペルオキシ化合物をポリビニルアセタールと結合させる方法としては、例えば、直接アゾ化合物またはペルオキシ化合物のカルボキシル基とポリビニルアセタールの水酸基とを通常のエステル結合形成反応により連結させる方法、オキシカルボン酸またはアミノ酸をスペーサーとしてアゾ化合物またはペルオキシ化合物のカルボキシル基とポリビニルアセタールの水酸基とを連結させる方法を挙げることができる。後者の場合、反応の順序は特に限定されず、アゾ化合物またはペルオキシ化合物のカルボキシル基とオキシカルボン酸またはアミノ酸とを結合させた後にポリビニルアセタールの水酸基と反応させる、あるいはポリビニルアセタールの水酸基とオキシカルボン酸またはアミノ酸とを結合させた後にアゾ化合物またはペルオキシ化合物のカルボキシル基とを反応させてもよい。何れの場合においても、オキシカルボン酸またはアミノ酸は適切な保護基を用いて反応を遂行することが好ましい。
分子内にアミノ基を持つアゾ化合物またはペルオキシ化合物をポリビニルアセタールと結合させる方法としては、例えば、ジカルボン酸をスペーサーとしてアゾ化合物またはペルオキシ化合物のアミノ基とポリビニルアセタールの水酸基とを連結させる方法を挙げることができる。後者の場合、反応の順序は特に限定されず、アゾ化合物またはペルオキシ化合物のアミノ基とジカルボン酸とを結合させた後にポリビニルアセタールの水酸基と反応させる、あるいはポリビニルアセタールの水酸基とジカルボン酸とを結合させた後にアゾ化合物またはペルオキシ化合物のアミノ基とを反応させてもよい。
なお、アゾ化合物またはペルオキシ化合物が分子内に複数の水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの官能基を持つ場合、ポリビニルアセタールとの結合に関与しない官能基は、必要に応じてアルキル基などで封止されていてもよい。
R2としては、メチル基、ブチル基などが好ましい。
[重合体微粒子]
本発明の重合体微粒子は、分散安定剤に由来する高分子化合物と重合体とを含み、ポリビニルアセタールの一部が表面に存在している。これは、次の理由による。
本発明の分散安定剤は、熱によりアゾ基またはペルオキシ基が分解しラジカルを生じる。これらアゾ基またはペルオキシ基はポリビニルアセタールに結合していることによりラジカルの半分はポリビニルアセタール骨格上に留まるため、重合性単量体の重合はポリビニルアセタール上から直接始まる。そして、ポリビニルアセタールと生成重合体が結合した高分子化合物が生成する。一方、もう半分のラジカルからも重合体が生成する。生成重合体が反応媒体と親和性がない場合、生成重合体は媒体中から析出するが、この時、反応媒体と親和性を有するポリビニルアセタールと生成重合体が結合した高分子化合物中のポリビニルアセタール部分が、析出重合体と反応媒体との界面に局在することにより析出重合体の分散安定剤として機能する。従って、重合終了後はポリビニルアセタールの一部が表面に存在することになる。
また、このことにより重合終了後は、反応媒体中に分散安定剤に由来するポリビニルアセタールが残存しない。つまり、遊離の分散剤成分が媒体中に残存しないことになる。
高分子化合物からなる重合体粒子表層の粒子内部方向への厚みは、粒子半径の0.1%〜99%の範囲である。これは、重合体微粒子の用途に応じて任意に選択でき、本発明の分散安定剤の使用量に対する重合性単量体の使用量によって制御し得る。すなわち、分散安定剤量に対して多くの重合性単量体を重合させると生成重合体粒子における分散安定剤に由来するポリビニルアセタールの割合が相対的に小さくなるため、表層の厚みは薄くなる。逆に、分散安定剤に対して微量の重合性単量体を重合させると粒子成分の大半がポリビニルアセタールからなる粒子とすることもできるからである。
本発明の重合体微粒子の平均粒子径は、10nm〜10μmの範囲であり、(偏差÷平均粒子径)×100で定義されるCV値は3%〜20%の範囲にある。この粒子径は、本発明の分散安定剤の使用量、重合温度、生成重合体を溶解しやすい溶媒の添加、などの通常の分散重合技術で用いられている粒子径制御条件を用いて制御し得、重合体微粒子の用途に応じて任意に選択できる。また、本発明の分散安定剤に含まれるアゾ基またはペルオキシ基量によって粒子径が変わる傾向がある。
本発明の重合体微粒子を形成する重合性単量体としては、本発明の分散安定剤が溶解して分散安定剤機能を発揮するような媒体に対して、生成重合体が不溶となるものであれば特に限定されない。
このような重合性単量体としては、 アルキル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチルイソシアナート、グリシジルメタクリレート、フルオロアルキル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、N-アルキルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、N-メチルマレイミドなどの不飽和カルボン酸またはその誘導体;(メタ)アクリルニトリル;スチレン;プロピレンなどの不飽和オレフィン;塩化ビニルなどのハロ化ビニル;などの単官能性単量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン;メチレンビスアクリルアミド;などの多官能性単量体を挙げることができる。これらは、単独または2種以上組合せて用いることができる。
なお、本発明の重合体微粒子の表層をなす高分子化合物中の水酸基などの官能基を利用して、重合体微粒子の表面改質、機能化などを行うことができる。例えば、長鎖状、分岐状または環状の飽和または不飽和アルキルカルボン酸またはイソシアネートなどを反応させることにより重合体微粒子表面を疎水化できる。また、アクリル酸などを結合させて重合体微粒子表面に反応基を導入することにより、重合体微粒子表面に異種重合体をグラフトすることができる。同様に抗体、核酸、糖鎖などの生体関連物質を結合させることも可能である。
[重合媒体]
本発明の分散安定剤が溶解し分散安定剤機能を発揮する重合媒体としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどの低級アルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、エチレングリコールモノまたはジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールエチレングリコールモノまたはジアルキルエーテルなどの多価アルコールエーテル類、エチレングリコールモノアセテートなどの多価アルコールの酢酸エステル類、アセトンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、酢酸エチルなどのエステル類、トルエンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテルなどのアルキルエーテル類、塩化メチレンなどを挙げることができる。
これらの媒体は単独または2種以上組み合わせて用いることができるが、その場合、重合性単量体の重合体が不溶になるような組合せが好ましい。
また、分散安定剤を溶解可能である限り、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類を上記媒体に組合せて用いてもよい。
[重合体微粒子の製造方法]
本発明の重合体粒子は、本発明の分散安定剤は溶解するが生成重合体は溶解しないような重合媒体に分散安定剤および重合性単量体を溶解させ、次いで系内を不活性気体に置換後、不活性雰囲気を維持しながら加熱攪拌して、重合性単量体を重合させることにより製造し得る。
加熱温度は、40〜100℃の範囲から選択できる。
分散安定剤量をx(g)、重合媒体量をy(g)、重合性単量体量をz(g)、(x+y+z)=Mとした場合、分散安定剤の使用量は(z/M)×100%の値として、0.1〜49%、好ましくは0.5〜30%、より好ましくは1〜20%である。0.1%より少ない場合、特に重合体微粒子が得られないなどの問題は生じないが、得られる重合体微粒子が微量となるため好ましくない。50%より多いと重合反応系が不均一になりやすく、生成粒子の粒度分布が広くなる傾向がある。
重合性単量体の使用量は(z/M)×100%の値として、0.1〜49%、好ましくは0.5〜30%、より好ましくは1〜20%である。ただし、(x/M+z/M)≦0.5である。分散安定剤に対する重合性単量体の使用量はz/xの値として、1〜100の範囲から所望の粒子径、所望の重合体粒子表層厚み応じて任意に選択し得る。
本発明の分散安定剤は、重合開始剤兼分散安定剤として機能するので、これを用いて得られた重合体粒子分散系では残存分散安定剤を除く工程が必要なくなる。よって、本発明の分散安定剤を用いると低コストでクリーンな重合体粒子あるいはその分散体作製が可能となる。
本発明の重合体微粒子は、ポリビニルアセタールからなる表層を有しているため、親水性媒体に対して自己分散が可能である。また、表層のポリビニルアセタールの水酸基を利用して重合体粒子表面に種々の分子を結合させ、粒子の表面改質あるいは機能性付与を行うことができる。
上記のような特性から、本発明の分散安定剤およびそれを用いた重合体微粒子は、例えば水系塗料、接着剤、コーティング材、診断薬担体、DDS(ドラッグデリパリーシステム)用担体、カプセルなどに使用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1(分散安定剤の合成1)
ポリビニルブチラール(PVB;積水化学工業(株)製エスレックBL-1)5g、及び4.4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸)(和光純薬(株)製V-501)0.5gをテトラヒドロフラン(THF)60mlに溶解させ、さらに、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC;ナカライテスク(株)製)0.35gを加えて室温で20時間攪拌した。反応終了後、ジシクロヘキシルウレアを除去した後、エパポレーターで溶媒を除いた。残留物を酢酸エチル100mlに溶解させて不溶物を除いた後、酢酸エチル溶液を1%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、エバポレーターで溶媒を除き固体を得た (以下、分散安定剤1とする)。本化合物および4.4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸)を熱分析(RIGAKU製 THERMOFLEX TAS300を使用)したところ、何れも130〜140℃において熱分解による減量(窒素発生)を示した。そこで、この減量分を測定することにより分散安定剤1中のアゾ基の含有量を分析したところ、約1w%であった。
実施例2(重合体微粒子の作製)
メタノール100mlに分散安定剤1を1.98g溶解させて200mlのバイアル瓶に入れ、次いでスチレンモノマー(ナカライテスク(株)製)を2.01g添加して封管後、系内を窒素置換して緩やかに攪拌しながら70℃で20時間重合を行った。重合終了後、生成粒子の粒度分布を測定(日機装(株)製マイクロトラックUPAを使用)したところ、体積基準粒子径は273nmであり、CV値は11%であった。
遠心分離により粒子を回収し、乾燥重量を測定したところ3.75gであった。一方、残りの上澄から溶媒を除いた残存固形分0.14gであった。この残存固形分をNMRで分析したところ、スチレンに由来するシグナルとPVBに由来するシグナルの両方が観測された。これらの結果より、高分子重合開始剤1の媒体中への残留量は極僅かで、ほとんどが重合体粒子と一体化したと考えられる。
実施例3(重合体微粒子の作製)
メタノール100mlに分散安定剤1を1.0g溶解させて200mlのバイアル瓶に入れ、次いでt-ブチルメタクリレート(ナカライテスク(株)製) 3.0gおよび ジビニルベンゼン 2.0gを添加して封管後、系内を窒素置換して緩やかに攪拌しながら70℃で20時間重合を行った。重合終了後、生成粒子の粒度分布を測定(日機装(株)製マイクロトラックUPAを使用)したところ、体積基準粒子径は120nmであり、CV値は18%であった。
実施例4(重合体微粒子の作製)
酢酸エチル100mlに分散安定剤1を1.0g溶解させて200mlのバイアル瓶に入れ、次いでアクリル酸(ナカライテスク(株)製) 3.0gを添加して封管後、系内を窒素置換して緩やかに攪拌しながら70℃で20時間重合を行った。重合終了後、生成粒子の粒度分布を測定(日機装(株)製マイクロトラックUPAを使用)したところ、体積基準粒子径は135nmであり、CV値は5.9%であった。
比較例
メタノール25mlにPVBを0.45g溶解させて50mlのバイアル瓶に入れ、次いでスチレンモノマー(ナカライテスク(株)製)を0.5gおよびV-501を0.05g添加して封管後、系内を窒素置換して緩やかに攪拌しながら70℃で20時間重合を行った。重合終了後、生成物はポリスチレンの塊とメタノールに溶解したポリマー成分の2種類で、微粒子は得られなかった。

Claims (3)

  1. アゾ基またはペルオキシ基を含む有機基を有するポリビニルアセタールからなる分散安定剤。
  2. 請求項1記載の分散安定剤が結合した重合体微粒子。
  3. アゾ基またはペルオキシ基を含む有機基を有するポリビニルアセタールからなる分散安定剤は溶解するが生成重合体は溶解しない重合媒体に該分散安定剤を溶解させ、不活性雰囲気下、重合性単量体を重合させる、請求項2記載の重合体微粒子の製造方法。
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