JP2008104359A - 酵素固定用担体、固定化酵素および酵素固定用担体の製造方法 - Google Patents

酵素固定用担体、固定化酵素および酵素固定用担体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酵素固定化のための両親媒性基の導入量がより多く、更に多量に酵素を固定化することができる酵素固定用坦体およびその製造方法、ならびに坦体に坦持された酵素が有機溶媒中でもより高い触媒活性を有する固定化酵素を提供する。
【解決手段】官能基(A)を有する樹脂粒子に、両親媒性基(C)および前記官能基(A)と反応しうる官能基(B)を有するポリマーが、該官能基(A)と該官能基(B)とを反応させることにより結合している酵素固定用担体。また、酵素を前記酵素固定用担体に固定化した固定化酵素。更に、官能基(A)を有する樹脂粒子と、両親媒性基(C)および前記官能基(A)と反応しうる官能基(B)を有するポリマーとを、該官能基(A)と該官能基(B)とを反応させることにより結合させる工程を有する酵素固定用担体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は酵素固定用担体、固定化酵素および酵素固定用担体の製造方法に関する。
生体触媒である酵素を利用したポリマー反応は、酵素の高い基質特異性を利用した反応であることから目的物を効率よく製造でき、温和な条件下の反応であるため使用エネルギーが少ないといった優れた方法である。エステル化反応を触媒できる酵素としてはリパーゼが一般的に知られている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照。)。しかしながらエステル交換反応は有機溶媒中での反応であることから、水溶性のリパーゼでは分散しにくく、回収が困難であり、酵素の失活および活性が低いといった問題がある。
酵素の固定化に関し、以下のことが知られている。
1)有機溶媒中で酵素のエステル交換活性を高めるためは、高分子の固定化担体に官能基として高級脂肪酸のアシル基や両親媒性基である2−[p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシポリエトキシ]エチル基が有効であることが知られている(例えば非特許文献3)。
2)酵素の高分子への有用な固定化方法として、高級脂肪酸のアシル基をグラフト状に配置した高分子を合成してリパーゼを固定化し、グラフト状に配置しない高分子に比較してヘキサン中での安定性を1.5倍に高めた例が知られている(例えば非特許文献4)。
3)官能基(2−[p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシポリエトキシ]エチル基)のポリエトキシ基の重合度が3〜5である場合に有機溶媒中のエステル交換活性が高くなることを見出した(例えば非特許文献5)。
しかし、官能基の高分子粒子への導入量が低く、そのため酵素の固定化量も少ないという問題のため、有機溶媒中でも安定で活性が高い酵素の固定化用担体の開発が依然として望まれていた。
そこで、本発明者等は両親媒性基の導入量が多く、多量に酵素を固定化することができる酵素固定用坦体およびその製造方法を提供すること、ならびに坦体に坦持された酵素が有機溶媒中でも高い触媒活性を有する固定化酵素を提供することを目的として、アゾ基を有する高分子粒子に、アゾ基を重合開始剤として両親媒性官能基を有するモノマーがグラフト状に結合した酵素固定用担体を見出した(特許文献1)。
しかしながら、該担体も両親媒性基の導入量は十分でなく、さらに多量に酵素を固定化することが可能な酵素固定用坦体およびその製造方法を提供することが望まれていた。また、坦体に坦持された酵素が有機溶媒中でさらに高い触媒活性を有することが可能な固定化酵素が望まれていた。
POBERTLORTIE, Biotechonology Advance, Vol.15, No.1, pp.1−15, 1997 Ernst Wehtje and Patrick Adlercreutz, Biotechology Letters, Vol.11, No.6, pp.537−540, 1997 M. Yasuda et. al., J. Biosci. Bioeng., 90(6), pp.687−689, 2000 二階堂響;大阪府立大学修士論文集(2003) M. Yasuda et. al., J. Chem. Eng. Jpn., 35(6), 519−526,2002 特開2005−253381
そこで、本発明は酵素固定化のための両親媒性基の導入量がより多く、さらに多量に酵素を固定化することができる酵素固定用坦体およびその製造方法を提供すること、ならびに坦体に坦持された酵素が有機溶媒中でもより高い触媒活性を有する固定化酵素を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、両親媒性基を持つモノマーを高分子化した後に、粒子に導入することにより、多量の両親媒性基を有する粒子が合成でき、酵素固定化担体として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、官能基(A)を有する樹脂粒子に、両親媒性基(C)および前記官能基(A)と反応しうる官能基(B)を有するポリマーが、該官能基(A)と該官能基(B)とを反応させることにより結合していることを特徴とする酵素固定用担体を提供する。また、本発明は酵素を前記酵素固定用担体に固定化した固定化酵素を提供する。更に本発明は、官能基(A)を有する樹脂粒子と、両親媒性基(C)および前記官能基(A)と反応しうる官能基(B)を有するポリマーとを、該官能基(A)と該官能基(B)とを反応させることにより結合させる工程を有する酵素固定用担体の製造方法を提供する。
本発明により得られた酵素固定用坦体は、酵素固定化に有用な両親媒性基が多く、高密度で酵素を固定化することができ、得られた固定化酵素は有機溶媒中での活性の低下が少ない。そのため種々の有機溶剤中の反応触媒として使用できる。
本発明は、両親媒性基を高分子化した後に粒子に導入することにより、両親媒性基を多量に有する酵素固定用坦体、及び該酵素固定用担体を製造するものである。本発明者らは両親媒性基を持つモノマーを粒子に導入する場合に、該モノマーを高分子化して導入することが重要であることを見出した。固定化担体においては、酵素が固定化される両親媒性基がより多量に導入されていることが望ましいが、両親媒性基を多量に導入することは、該モノマーをより高分子化して導入することにより達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の酵素固定用担体は、官能基(A)を有する樹脂粒子(以下、単に「樹脂粒子」ということがある)に、両親媒性基(C)および前記官能基(A)と反応しうる官能基(B)を有するポリマー(以下、単に「両親媒性ポリマー」ということがある)が、該官能基(A)と該官能基(B)とを反応させることにより結合していることを特徴とする。
本発明の酵素固定用担体は、樹脂粒子の単位質量(g)当たりの前記両親媒性ポリマーの結合量が多くできることが特徴であり、その量は1.5×10−6〔mol/g〕以上から、多いものでは1.95×10−4〔mol/g〕以上、より好ましいものは1.95×10−4〜1.00×10−2〔mol/g〕、さらに好ましくは2.00×10−4〜5.00×10−4〔mol/kg〕の範囲である。
また、本発明の酵素固定用担体の粒子状であり、粒径が1〜100μm、より好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは2〜5μmの範囲である。
さらに、本発明の酵素固定用担体の見掛け密度は、650〔kg/m〕以上であり、より好ましくは740〜1000〔kg/m〕であり、より好ましくは750〜850〔kg/m〕の範囲である。
(樹脂粒子について)
上述した酵素固定用担体を得る為には、本発明で使用する樹脂粒子はその粒径が1〜100μm、より好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは2〜5μmの範囲である。また、前記樹脂粒子の重量平均分子量は5〜30万、有機溶媒中での粒子の膨潤等を抑制する観点からより好ましくは10〜30万の範囲のものである。
さらに前記樹脂粒子の粒径分布の標準偏差は1〜50μm、粒子の回収性や分散性の観点から、好ましくは1〜10μm、より好ましくは0.5〜2μmの範囲である。
ここで、上記官能基(A)としてはアミノ基、グリシジル基、カルボキシ基、イソシアナト基、スルホ基、ハロスルホニル基、マレイミド基、ホルミル、ハロホルミル基が挙げられる。
本発明で使用される樹脂粒子を構成する樹脂としては、本発明に使用するポリマーと反応する官能基(A)を有し、かつ、上述の粒径、粒径分布、重量平均分子量を有するものであれば、従来公知の樹脂を始めとした種々の樹脂を特に制限無く使用できる。例えば、スチレンと、ジビニルベンゼン、トリメリット酸トリアリル、アクリル酸ペンタエリスリトールまたはエチレングリコールジメタクリレート等の架橋性モノマーとの共重合体や、前記架橋性モノマーとアクリル酸メチルやメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等との共重合体などが好ましいものとして挙げられる。
このうち、得られる樹脂粒子の機械的安定性の点で、スチレンと架橋性モノマーとの共重合体よりなる樹脂粒子が好ましく、さらにスチレンとジビニルベンゼンよりなる樹脂粒子がより好ましい。
さらに、本発明に用いる樹脂粒子は、高分子量、大粒径、単分散性のものが得られる点で、いわゆる二段階膨潤シード重合によって得られた樹脂粒子であることが好ましい。
ここで「シード重合」とは、一般的にスチレン等重合体等の単分散種粒子にビニル系単量体を吸収させた後、重合を行いその粒径を均一に増大させる方法であり、また、「二段階膨潤シード重合」とは、前記シード重合により得られたシード粒子を疎水性化合物により膨潤させた後にビニル系単量体を重合させる方法を意味するものとする。
前記二段階膨潤シード重合により本発明の樹脂粒子を製造する方法は、公知慣用の方法を始めとして種々の方法を用いることができるが、例えば以下の方法により得られることができる。
すなわち、まず、スチレン等のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の分散重合によって単分散樹脂粒子を製造する。該単量体としては、例えば、スチレンや、ジビニルベンゼン、トリメリット酸トリアリル、アクリル酸ペンタエリスリトール、エチレングリコールジメタクリレート等の架橋性モノマーや、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等、およびそれらの組成物などが挙げられる。
なお、得られた単分散樹脂粒子は洗浄法や再沈法などの公知慣用の精製処理を始めとして種々の精製処理法で行うことが好ましい。
次に、該粒子をシード粒子として用い、該シード粒子を疎水性化合物に含浸して、疎水性化合物を吸収・膨潤させた単分散樹脂粒子を得る。
疎水性化合物としては塩化ラウリル、ヘキサデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、アジピン酸ジオクチル、ジオクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等などのアルカン及びその誘導体が挙げられる。この際、疎水性化合物の使用量は、シード粒子100重量部に対して、10〜100重量部、好ましくは85〜95重量部の範囲である。
さらに、前記疎水性化合物を吸収・膨潤させた単分散樹脂粒子に、前記官能基(A)を有し、かつエチレン性不飽和結合を有する単量体を混合して、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で、20〜40℃で24〜96時間反応させて、本発明に使用するポリマーと結合するための置換基を有る樹脂粒子を合成することができる。更に得られた樹脂粒子は洗浄法や再沈法などの公知慣用の精製処理を始めとして種々の精製処理法で行うことが好ましい。
前記官能基(A)を有し、かつエチレン性不飽和結合を有する単量体としては、ジビニルベンゼン、トリメリット酸トリアリル、アクリル酸ペンタエリスリトール、エチレングリコールジメタクリレート等の架橋性モノマーや、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等、およびそれらの組成物などが挙げられる。また、該単量体の使用量は、シード粒子100重量部に対して、450〜2000重量部、好ましくは900〜1800重量部の範囲である。
なお、官能基(A)を有する樹脂粒子に、さらに別の種類の官能基(A)を有する化合物を反応させることによって、もとの官能基(A)とは異なる官能基(A)を有する樹脂粒子を合成することもできる。
例えば、官能基(A)を有する樹脂粒子が、グリシジル基、カルボキシ基、イソシアナト基、スルホ基、ハロスルホニル基、マレイミド基、ホルミル、ハロホルミル基を有する樹脂粒子である場合には、グアニジノ基含有化合物、アミノ基含有化合物、アミノ基を含有する高分子などを反応させることによって、アミノ基を有する樹脂粒子を製造することもできる。
グアニジノ基含有化合物としては、例えば、グアニジン炭酸塩、グアニジン塩酸塩、グアニジン硝酸塩、グアニジンりん酸塩、グアニジンスルファミン酸塩、グアニジン硫酸塩、グアニジンチオシアン酸塩、グアニジン酢酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルグアニジン、炭酸4−クロロフェニルグアニジン、炭酸3,4−ジクロロフェニルグアニジン、N,N'−ジフェニルグアニジン、フタル酸ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、塩酸N−エチルグアニジン、N−メチル−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、ニトログアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、N,N'−ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、N−エチルグアニジン硫酸塩、ヒドロキシグアニジン硫酸塩、m−ヨードベンジルグアニジンヘミ硫酸塩、メチルグアニジン塩酸塩、フェニルグアニジン炭酸塩、N,N',N''−トリフェニルグアニジンが挙げられ、N,N'−ジフェニルグアニジン、フタル酸ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、N,N'−ジフェニルグアニジン臭化水素系酸塩が挙げられる。
アミノ基含有化合物としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのジアミン類やトリアミン類が挙げられる。
アミノ基を含有する高分子としては、ポリアリルアミン、ポリリシン等が挙げられる。
以下、本発明で用いる樹脂粒子の製造法の一例を示す。
具体的には、スチレンの分散重合により得られる単分散ポリスチレン粒子をシード粒子として用い、スチレンおよびジビニルベンゼン、及びメタクリル酸グリシジルを用いた二段階膨潤法によるシード共重合により重合開始基を有する高分子状の樹脂粒子を合成する方法が挙げられる。このようにして得た高分子状の樹脂粒子はエポキシ基を有しており、そのまま目的とする官能基を持つ分子を樹脂粒子に導入することができる。更に、グアニジン塩酸塩を用いてエポキシ基をアミノ化することによっても、カルボキシ基を持つ分子との縮合反応が可能であることから目的とする官能基を持つ分子を樹脂粒子に導入することも可能となる。
(両親媒性ポリマーについて)
次に、本発明で用いる両親媒性基(C)および官能基(B)を有するポリマーについて説明する。
本発明に用いる両親媒性基(C)および官能基(B)を有するポリマーは、まず、両親媒性基を有するマクロモノマー(以下、単に「両親媒性マクロモノマー」ということがある)を合成した後、官能基(B)を有する重合開始剤やモノマーとの共重合によって該マクロモノマーを高分子化することにより得られる。
本発明に用いる両親媒性ポリマーの重量平均分子量は1.0×10〜4.0×10程度であるが、両親媒性基をより担体に導入するためにはより高分子量であることが好ましく、1.0×10〜2.0×10、さらに好ましくは1.0×10〜2.0×10の範囲のものを用いることが好ましい。
ここで官能基(B)は、前記官能基(A)と反応しうる官能基であり、その種類としてはアミノ基、グリシジル基及びカルボキシ基、イソシアナト基、スルホ基、ハロスルホニル基、マレイミド基、ホルミル基およびハロホルミル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基が挙げられる。当然、官能基(B)は官能基(A)との組合せにより選択されることから、官能基(A)および官能基(B)どちらか一方がアミノ基であるとき、他方にグリシジル基、カルボキシ基、グリシジル基及びカルボキシ基、イソシアナト基、スルホ基、ハロスルホニル基、マレイミド基、ホルミル基およびハロホルミル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基である。
(両親媒性基マクロモノマー)
両親媒性基のうち、親水性基としてはポリエトキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アミジノ基、アシルアミノ基等を挙げることができるが、ポリエトキシ基が好ましい。
疎水性基としてはp−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノキシ基、高級脂肪酸アシル基、フェノキシ基等を挙げることができるがp−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノキシ基が好ましい。
従って、両親媒性基としては、下記一般式
Figure 2008104359
で表されるp−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシポリエトキシ基が好ましい基として挙げられる。前記一般式においてnは、1〜76であり、より好ましくは3〜5である。
本発明で用いる両親媒性基の数平均分子量は250〜4000、酵素との親和性の観点から好ましくは260〜3600、より好ましくは380〜2000の範囲である。
(両親媒性マクロモノマーの合成)
両親媒性マクロモノマーの合成法は特に限定されないが、例えば以下のようにアルコールとカルボン酸のエステル反応を利用した合成法にて合成することができる。すなわち、
両親媒性基を有するアルコール化合物及び(メタ)アクリル酸等のカルボキシ基を有する単量体に、塩基性触媒及び有機溶媒を添加して冷却しながら緩やかに攪拌する。そこへ有機溶媒に溶解させた脱水縮合剤を少量ずつ添加した後、緩やかな攪拌を維持したまま10〜40℃にて1〜3日反応させる。
両親媒性基を有するアルコール化合物としては、上述した疎水性基及び親水性基を有するアルコール化合物であれば特に限定されることはないが、例えば、2−[p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシポリエトキシ]エタノール(なお、一般名「4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル−ポリエチレングリコール」とも言う。以下同様。)(n=〜5)「Triton X−45」、2−[p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシポリエトキシ]エタノール(n=〜10)「Triton X−100」、2−[p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシポリエトキシ]エタノール(n=〜10)「Triton X−100」、2−[p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシポリエトキシ]エタノール(n=〜16)「Triton X−165」(いずれもシグマ社製;商標名)等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸などのカルボキシ基を有する単量体の使用量は、両親媒性基を有するアルコール化合物100重量部に対して、2〜40重量部である。
塩基性触媒としてはトリエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。該塩基性触媒の使用量は両親媒性基を有するアルコール化合物100重量部に対して、0.3〜5重量部の範囲である。
また、有機溶媒としては、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。該有機溶媒の使用量は、両親媒性基を有するアルコール化合物100重量部に対して、90〜1250重量部の範囲である。
さらに、脱水縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミドやトリフルオロ酢酸無水物、スルホニルクロリドなどが挙げられる。該脱水縮合剤の使用量は、両親媒性基を有するアルコール化合物100重量部に対して、7〜95重量部の範囲である。
以下、本発明で用いる両親媒性マクロモノマーの製造法の一例を示す。
親水基としてポリエトキシ基及び疎水基として2−p−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノキシ基を持つ2−[p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシポリエトキシ]エタノール及びメタクリル酸に4−ジメチルピリジン及びジエチルエーテルを添加して冷却しながら緩やかに攪拌する。そこへジエチルエーテルに溶解させたN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド溶液を少量ずつ添加した後、緩やかな攪拌を維持したまま10〜40℃にて1〜3日反応させる。
続いて、得られた反応液を、塩酸および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で抽出後、有機相を回収し、有機相中のジエチルエーテルをロータリーエバポレーター等により留去して、両親媒性基マクロモノマーを得ることができる。
なお、両親媒性基マクロモノマーにおいて親水性基のモノマーのポリエトキシ基の重合度は種々の重合度のものを使用することができるが、中でも重合度が3〜5であることが固定化した酵素の有機溶媒中での触媒活性が高くなることから好ましい。
(両親媒性マクロモノマーの高分子化)
次に、両親媒性マクロモノマーを高分子化する方法としては、溶液重合、ミセル重合といった手段があげられるが、高分子化が容易に達成できることから、ミセル重合で行うことが好ましい。また、両親媒性マクロモノマーの単独重合と比べて、より高分子量の両親媒性ポリマーが得られることから、前記両親媒性マクロモノマーとコモノマーとを共重合、好ましくはミセル共重合することが好ましい。
ミセル重合によって溶液重合より高分子化が可能な理由は未だ確定していないものの、以下の理由が考えられる。
ミセル重合では、該モノマー分子が会合してミセルを形成している。その内部では溶液重合に比して、局所的に濃度が高い状態にあるため成長反応が促進できる。さらに、生成するミセル状高分子は立体障害が大きく、その末端の活性点の反応停止が抑制されるため、高分子量化が進みやすいと考えられる。
ミセル重合の方法は公知慣用の方法を始めとして種々の方法で実施できるが、例えば、水性媒体中、前記両親媒性マクロモノマーを、好ましくは該マクロモノマーとコノモマーとを重合開始剤の存在下で30〜100℃程度の温度で1〜30時間程度反応を行えばよい。なお、得られた両親媒性マクロモノマーは洗浄法や再沈法などの公知慣用の精製処理を始めとして種々の精製処理法で行うことが好ましい。
前記コモノマーとしては、官能基(B)を有しかつエチレン性不飽和結合を有する単量体であれば、従来公知のいずれのものを用いても良い。このような単量体としては、例えば、メタクリル酸、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸アリル、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、スチレン、ジビニルベンゼン等を挙げることができるがメタクリル酸またはメタクリル酸グリシジルが好ましく、さらにより高分子量のものが得られる点でメタクリル酸を用いることが好ましい。コノモマーの使用量は、両親媒性マクロモノマー100重量部に対して、0.5重量部以下、より好ましくは0.02〜0.3重量部の範囲である。
前記重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などの水溶性重合開始剤を挙げることができる。また、水難溶性重合開始剤を溶媒に溶解して使用することもできる。水難溶性重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、2,2’−アソビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビスイソカプロニトリル、2,2’−アゾビス(フェニルイソブチロニトリル)、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、パラメンタンハイドロパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキシド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)等を挙げることができる。好ましい水難溶性重合開始剤は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、パラメンタンハイドロパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキシド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)等である。該重合開始剤の使用量は、全単量体100重量部当たり、通常0.1〜5重量部程度である。
溶媒としては、水難溶性重合開始剤を溶解すればいずれのものでもよいが、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、トリクロロトリフルオロエタン、メチルイソブチルケトン、ジメチルスルホキシド、トルエン、ジブチルフタレート、メチルピロリドン、酢酸エチル等を挙げることができる。溶媒の使用量は、少量であることが好ましく、水性媒体100重量部に対して1〜20重量部、より好ましくは1〜5重量部程度である。
以下、本発明で用いる両親媒性ポリマーの製造法の一例を示す。
例えば両親媒性マクロモノマーの単独重合またはコモノマーとの共重合では、予め重合開始剤を溶解させたごく微量のエタノールまたはコモノマーに両親媒性マクロモノマーを添加したモノマー液を作製し、水にこのモノマー液を添加する。液の添加後、氷浴中で超音波分散器を用いて油滴を乳化・分散させてミセルを形成させ、それを加熱することにより高分子化する。この際、両親媒性基を有するモノマーミセルを形成させるために、両親媒性マクロモノマーの濃度は、10−4M以上にする必要がある。
反応終了後、反応液を冷却し、沈殿物を遠心分離し、高分子沈殿を回収する。沈殿した高分子にアセトンを加えて高分子を溶解させ、この高分子アセトン溶液をヘキサン中に滴下して高分子を再沈殿させ高分子の精製を行う。
このようにして得た単独重合体は、重合開始剤である4,4’−アゾビス4−シアノペンタン酸由来のカルボキシ基、共重合高分子は、両親媒性基であるp−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシポリエトキシ基以外に、またコモノマー由来のカルボキシ基やエポキシ基等を有していることから、粒子の持つアミノ基と縮合反応を行うことにより、樹脂粒子への両親媒性官能基の導入が可能となる。
(樹脂粒子と両親媒性ポリマーとの反応)
次に、本発明の酵素固定用担体の製造方法について説明する。
本発明の酵素固定用担体の製造方法は、官能基(A)を有する樹脂粒子と、
両親媒性基(C)及び前記官能基(A)と反応しうる官能基(B)を有するポリマーとを、該官能基(A)と該官能基(B)とを反応させることにより結合させる工程、を有することを特徴とする。
樹脂粒子への両親媒性基ポリマーの導入方法としては、官能基(A)と官能基(B)とが反応し結合する種々の方法であってもよく、例えば酸クロリド法や上記脱水縮合剤の存在下での縮合反応などが挙げられ、さらに具体的には以下のような方法で得ることできる。
官能基(B)を有する両親媒性ポリマーに有機溶媒を加え、更に前記官能基(A)を有する樹脂粒子を添加して、粒子懸濁液を調製する。この粒子懸濁液をガラス製バイアル等に添加する。そこへ有機溶媒に溶解させた脱水縮合剤を少量ずつ添加した後、緩やかな撹拌を維持したまま、10〜40℃にて1〜3日反応させる。その際、得られた粒子は洗浄法や再沈法などの公知慣用の方法で精製処理を始めとして種々の精製処理法で行うことが好ましい。
以下、本発明の酵素固定用担体に用いる粒子の製造方法の一例を示す。
例えば、両親媒性基を持つミセル状のポリマーを含むアセトン溶液にアミノ基を有する樹脂粒子を添加する。この粒子懸濁液をガラス製バイアルに添加する。そこへアセトン溶液等の有機溶媒に溶解させたN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド溶液を少量ずつ添加した後、緩やかな撹拌を維持したまま、10〜40℃にて1日反応させる。反応終了後、粒子をろ過により回収し、アセトン及び蒸留水にて十分に洗浄する。
このようにして得られた本発明の酵素固定用担体は、酵素固定に有効である両親媒性基を多量に導入することが可能であり、また、高分子量の酵素分子が物質移動の影響を受けにくい粒子表層近傍に固定化されるため、活性の高い固定化酵素を得ることができる。
(固定化用の酵素)
本発明の酵素固定用担体に固定化される酵素の好ましい例としてはエステル交換活性を有する酵素を挙げることができる。例として、リパーゼ、ホスホリパーゼ、コレステロールエステラーゼ、スフィンゴエミリエーゼ、クチナーゼ等のエステラーゼまた、一部のプロテアーゼを挙げることができる。
(固定化方法)
本発明の酵素固定用担体への酵素の固定化方法は公知慣用の方法を始めとして種々の方法で行うことができるが、例えば、以下の方法で固定化することができる。本発明の酵素固定用担体と酵素液と緩衝剤を含む水溶液中で振とうさせ固定化させる。緩衝剤のpHは酵素を失活させないpHであれば良いが、酵素活性の至適pHであることが好ましい。緩衝剤の濃度は酵素を失活させない濃度であれば特に限定されないが、5〜500mMが良く、好ましくは10〜100mMである。固定化温度は酵素を失活させない温度であれば限定されないが、50℃以下が良く、好ましくは3〜20℃が良い。固定化反応に要する時間は5時間から40時間、好ましくは10〜24時間である。
固定化方法において、水溶液中の酵素濃度は特に限定されないが、固定化効率の観点から前記酵素の溶解度以下でかつ充分な酵素濃度であることが望ましい。必要に応じて不溶性部分を遠心分離により除去し上澄みを使用しても差し支えない。酵素と坦体の使用割合は固定化酵素坦体1重量部に対して酵素0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部であるがこれに限定されない。酵素を固定化した坦体は、そのまま使用してもよいしあるいは温風乾燥、凍結乾燥により乾燥し使用することができる。
(酵素反応)
(エステル合成反応)
本発明における固定化酵素の反応例として、固定化酵素がエステル交換酵素である場合のエステル合成反応の例を示す。通常のメタノール、エタノール、プロパノール等の1価アルコール、ないしはプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール、またはゲラニオール、シトロネロール、メントール等のテルペンアルコールあるいはコレステロール等のステロールと、炭素数2〜36、好ましくは6〜24の飽和または不飽和脂肪酸又はその低級アルコールエステルとのエステル化反応を上げることができる。さらにエステル合成反応の例としては、1分子中にカルボキシル基を2個以上含むアジピン酸、グルタル酸、スベリン酸、アゼライン酸等の多価カルボン酸と1分子中に水酸基を2個以上含むプロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ジエチレングリコール等の多価値アルコールによるポリエステル反応を挙げることができる。またエスエル交換反応の例として、エステルとアルコールによるアルコリシス反応、エステル同士によるインターエステル化反応、リン脂質と各種アルコールによるトランスホスファチジレーション等の反応が挙げられる。
上記エステル化反応は必要に応じて、ヘキサン、イソクタン、イソプロピルエーテル等の有機溶媒を添加して行うことができる。エステル化反応は15〜90℃、好ましくは20〜80℃で行うことができる。
以下に本発明の実施例と比較例を挙げるが、本発明は実施例等に限定されるものではない。
(製造例1) 樹脂粒子の合成
(合成装置)
ガラス製300ml容量のセパラブルフラスコに3口セパラブルフラスコカバーを取り付けたものを使用した。反応液はフッ素樹脂製三日月攪拌翼を先端に取り付けたガラス攪拌棒を攪拌用モーターに取り付け攪拌した。反応容器は温度コントローラーにより制御された恒温水槽内に設置した。また反応物や生成物の不必要な酸化を防ぐため、ガラス製90度L字管を装着し、シルカゲル管を通すことにより乾燥させた窒素を流通させた。
(スチレンの分散重合による単分散ポリスチレン樹脂粒子の合成)
反応容器にスチレン30.0g、2,2−アゾビスブチロニトリル0.3g、ポリビニルピロリドン(日本触媒「K−30」)1.8g、1−ヘキサデカン0.5g、エタノール67.4gを添加して重合反応を行った。重合反応は、窒素雰囲気下、24時間、60rpm以下で反応液を攪拌させながら、70℃にて行った。反応終了後、水槽温度を20℃以下に落とし、反応液を50ml容ガラス製遠心管4本に分注した。その後エタノールを分散媒として、粒子を分散させた後に遠心分離(1500−2500rpm、5分)により回収する操作を3回、及び蒸留水を分散媒として、同様の操作を3回繰り返し、粒子を洗浄した。以上の操作により単分散ポリスチレン樹脂粒子(SD)を約25g得た。
(シード共重合(二段階膨潤法)でのエポキシ樹脂粒子の合成)
(第一段階湿潤)
ガラスバイアルに、蒸留水15.4ml、ドデシル硫酸ナトリウム0.02g、塩化ラウリル0.585g、シード粒子として反応例1で得た単分散ポリスチレン樹脂粒子0.65gを入れ、ホモジナイザーを用いて10分間水油混合液を分散処理した後、ソニケーターを用いて10分間反応液を処理し、得られた液にアセトン1.17ml、蒸留水0.2mlを加えた。
この液を上述の合成装置と同様の装置に入れ、30℃にて16時間以上攪拌し、塩化ラウリルを吸収・膨潤させたポリスチレン樹脂粒子(SD)を得た。
(第二段階膨潤によるエポキシ樹脂粒子の合成)
110ml容量ガラス製バイアルに、蒸留水84g、ドデシル硫酸ナトリウム0.20gを添加した水溶液中に、重合開始剤2,2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.025g、ジビニルベンゼン2.63g、スチレン2.63g、メタクリル酸グリシジル0.59gを加え、氷浴中で冷却しながらソニケーターで10分間分散処理し、得られた液をモノマー乳化液とした。
上述反応器内の塩化ラウリルを吸収・膨潤させたポリスチレン樹脂粒子(SD)を含む分散液中に、モノマー乳化液を入れ、窒素雰囲気下、30℃にて2時間攪拌した。次いで、70℃下で24時間攪拌した。反応により得た樹脂粒子は5Cの濾紙を用いて減圧濾過することで回収した。濾紙上の粒子をメタノール、次いで蒸留水により洗浄し、エポキシ樹脂粒子(SDG)約4gを得た。
(エポキシ樹脂粒子(SDG)へのグアニジノ基の導入)
グアノジン炭酸塩2.0g、水酸化ナトリウム0.6g、蒸留水3.0mlを入れ、振とう溶解させた反応液と、1,4−ジオキサン51.5g、エポキシ樹脂粒子(SDG)3.0gを入れた反応液を上述反応器内に入れ、70℃、100〜200rpmで24hr攪拌した。反応により得た粒子は濾過により回収した。回収した樹脂粒子はメタノール及び蒸留水により十分に洗浄し、グアニジノ基(HNC(NH)NH−)、すなわちアミノ基を持つエポキシ樹脂粒子(SDG−G)を約3g得た。
(製造例2−1) 両親媒性マクロモノマーの合成
(両親媒性基マクロモノマーの合成装置)
全容量が500mlのセパラブルフラスコを使用した以外は、上述のエポキシ樹脂粒子(SDG−G)を合成した装置と同じものを使用した。
(両親媒性基マクロモノマーの合成)
上述の装置を設置し反応に用いた。ジエチルエーテル140g、メタクリル酸3.52g、2−[p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシポリエトキシ]エタノール(シグマ社製 商品名:Triton X−45)16g、4−ジメチルアミノピリジン0.49gを添加し混合の後、反応容器に入れた。ジエチルエーテルを40g入れそこへ脱水縮合剤N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを8.24g添加し溶解させた。この溶液を反応容器に添加し、3〜40℃下、100rpmで攪拌しながら2日間反応させた。
反応液を常圧濾過し、濾液に0.5M希塩酸、次いで、飽和炭酸ナトリウム水溶液を反応液に加えて分液漏斗にて振とうし、有機相と水相を分離した。室温にてジエチルエーテルをロータリーエバポレーターにて減圧留去した。
以上の操作により両親媒性マクロモノマー(MAX−4.39)約12gを得た。
(製造例2−2)〜(製造例2−4)
「Triton X−45」の代わりに、「Triton X−100」、「Triton X−305」または「Triton X−405」を用いた以外は製造例(2−1)と同様にして両親媒性マクロモノマー(MAX−9.20)、両親媒性マクロモノマー(MAX−25.7)、両親媒性マクロモノマー(MAX−40.5)をそれぞれ得た。
(測定例1)
なお「MAX−4.39」の数字部分「4.39」は両親媒性モノマー中の、官能基(2−[p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシポリエトキシ]エチル基)のポリエトキシ基の重合度を示している。この重合度は以下の方法にて測定した。
2−[p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシポリエトキシ]エチル基中のポリエトキシ基の重合度は、両親媒性基を有するマクロモノマーを、テトラメチルシランを含む重水素化クロロホルムに添加し、超伝導核磁気共鳴装置を用いて、H1−NMRスペクトルを測定し、得られるスペクトル中のポリエトキシ基の水素の積分値(δ=3.6−4.3)とフェニル基の水素の積分値(δ=6.8−7.2)の比から算出した平均値である。
なお、下記で合成した粒子等(例えばSD−MAX−4.39)において記述されている4.39についても上記と同様にポリエトキシ基の重合度の平均値を意味している。
(製造例3−1) 両親媒性ポリマーの合成(その1)
(ミセル共重合による両親媒性基を有するマクロモノマーの高分子化)
両親媒性マクロモノマー(MAX−4.39)とコモノマーとしてメタクリル酸とを水溶液中にて、重合開始剤を用いてミセル共重合を行った。すなわち、50ml容ポリチューブに1.5×10−4molの両親媒性マクロモノマー(MAX−4.29)を秤量し、少量(0.5ml)のメタノールに溶解させたものをモノマー溶液とした。これに、1.5×10−5molのメタクリル酸及び2.25×10−4molの2,2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)を含むメタノール(0.5ml)を加え、さらに蒸留水(29ml)を加え反応液とした。反応液は、70Cの恒温水槽中で所定の時間反応させた。反応終了後、冷却し、遠心分離(2,000rpm、10min)し、ポリマーの沈殿を得た。上清を除去した後、沈殿したポリマーにアセトンを加えて該ポリマーを溶解させ、この溶液をヘキサン中に滴下してポリマーを再沈殿させた。この操作を3回繰り返し、両親媒性ポリマー(m−p(MAX−4.39−co−MA))を得た
(製造例3−2)〜(製造例3−4)
両親媒性マクロモノマー(MAX−4.39)の代わりに、両親媒性マクロモノマー(MAX−9.20)、両親媒性マクロモノマー(MAX−25.7)、または両親媒性マクロモノマー(MAX−40.5)を用いたこと以外は、製造例3−1と同様の方法で、両親媒性ポリマー(MAX−9.20−co−MA)、両親媒性ポリマー(MAX−25.7−co−MA)、または両親媒性ポリマー(MAX−40.5−co−MA)を得た。
(製造例4) 両親媒性ポリマーの合成(その2)
また、コモノマーを添加しなかったこと以外は製造工程例6と同様の方法で合成した両親媒性マクロモノマーの単独重合体を両親媒性ポリマー(m−p(MAX−4.39))という。
(製造例5) 両親媒性ポリマーの合成(その3)
(溶液重合によるポリマーの合成)
1ml容エッペンチューブに製造例5で得られた両親媒性基マクロモノマー(MAX−4.39)を23.4mg秤量し、クロロホルムを1.5g加えモノマー溶液とした。このモノマー溶液に重合開始剤2,2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)を1.8mg加え反応液とした。反応液は60Cの恒温水槽中で所定の時間反応させた。反応終了後、冷却し沈殿した両親媒性ポリマー(p(MAX−4.39))を回収した。
(測定例2)
(両親媒性ポリマーの分子量の測定)
製造例4で得られた両親媒性基ポリマー(m−p(MAX−4.39))及び製造例5で得られた溶液重合により合成した高分子化した両親媒性ポリマー(p(MAX−4.39))の分子量を測定した。分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した。表1に分子量を示す。
Figure 2008104359
ミセル共重合により合成したm−p(MAX−4.39)は分子量が大きく、高分子量化されていることがわかった。
(実施例1) 酵素固定用担体に用いる粒子の合成
(両親媒性基ポリマーと樹脂粒子との合成)
樹脂粒子(SDG−G)のアミノ基と両親媒性ポリマー(m−p(MAX−4.39−co−MA))のカルボキシ基とを縮合することにより、両親媒性高分子ミセルを樹脂粒子(SDG−G)に導入した。
すなわち、110ml容ガラス製バイアルに樹脂粒子(SDG−G)0.35g、両親媒性ポリマー(m−p(MAX−4.39−co−MA))0.25gを含むアセトン溶液(18ml)を加えた。バイアルに攪拌子を加え、150rpmにて攪拌しながら、室温にて24時間反応させた。反応終了後、5Cの濾紙とヌッチェを用いて減圧濾過することにより粒子を回収し、ヌッチェ上の粒子にアセトン300mlを加えて減圧濾過し、さらに蒸留水300mlを加え減圧濾過することによって洗浄し、酵素固定用担体に用いる粒子(m−MAX−4.39)を得た。
(実施例2〜4)
両親媒性ポリマーとして(m−p(MAX−4.39−co−MA))の代わりに、両親媒性ポリマー(MAX−9.20−co−MA)、両親媒性ポリマー(MAX−25.7−co−MA)、または両親媒性ポリマー(MAX−40.5−co−MA)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、酵素固定用担体に用いる粒子(m−MAX−9.20)、粒子(m−MAX−25.7)、粒子(m−MAX−40.5)を得た。
(比較例1)
高分子化していない両親媒性基マクロモノマーを用いて二段階膨潤法によるシード共重合により、両親媒性基を持つ酵素固定用粒子を作製した。
すなわち、製造例1のシード共重合(二段階膨潤法)でのエポキシ樹脂粒子の合成において、第二段階膨潤によるエポキシ粒子の合成時に、モノマー乳化液中のメタクリル酸グリシジルの代わりに、同じく製造例2−1で得られた両親媒性マクロモノマー(MAX−4.39)0.59gを添加して、両親媒性基を持つ粒子(以下「SD−MAX−4.39粒子」という)を4.5gを得た。
(比較例2)
製造例1に示した方法により、両親媒性基を持たないエポキシ樹脂粒子(SGD)を得た。
(比較例3)
特開2005−253381に記載の方法に準じて、アゾ基を有する高分子粒子に、アゾ基を重合開始剤として両親媒性官能基を有するモノマーがグラフト状に結合した酵素固定用担体として用いる粒子を作製した。
すなわち、製造例1のシード共重合(二段階膨潤法)でのエポキシ樹脂粒子の合成において、第二段階膨潤によるエポキシ粒子の合成時に、モノマー乳化液中のメタクリル酸グリシジルの代わりに、下記の2,2−アゾビス−(N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド)(和光純薬社製)0.13gを用いた以外は、製造例1と同様の方法でアゾ基を持つアゾ粒子を約4g得た。
続いて、ガラス試験管にトルエン(ナカライテクス社製)4.5gに、前記アゾ粒子0.92g、メタクリル酸(ナカライテクス社製)0.18gを添加して、100℃で4時間反応させた。得られた粒子をトルエン、メタノール、蒸留水、最後に緩衝液にて洗浄後、粒子(g−MAX−4.39−SD)を得た。
(測定例3)
(粒子中の両親媒性基の測定)
実施例1で得られたm−MAX−4.39粒子及び比較例1で得られたSD−MAX−4.39粒子は、両親媒性基を有する。そこで、示差走査型熱量分析装置(DSC)を用いて粒子中の示差熱量のサーモグラムを測定し、得られるポリエトキシ基のピーク面積を解析することにより粒子中に導入された両親媒性基(MAX−4.39)の量を定量した。表2に各粒子中の両親媒性基(MAX−4.39)の量を示す。
Figure 2008104359
表2より実施例1で得られた粒子は比較例粒子より両親媒性基の導入量が多いことがわかった。
(応用例1)
(酵素固定用担体へのリパーゼの固定化)
実施例1、比較例1、比較例2及び比較例3で得られた各粒子を酵素固定用担体として用いリパーゼの固定化を行った。すなわち、各粒子10mgとRhizopus.delemar由来のリパーゼ(生化学工業社製 FINE grade)3.7mgをpH5.5の10mMリン酸緩衝液1ml中に添加して、4℃にて24時間固定化処理した。
固定化処理前のタンパク質濃度と固定化処理後のタンパク質濃度をBradford法により定量し固定化量を求めた。表2に各粒子へのリパーゼの固定化量を示す。
また酵素が固定化した各粒子の加水分解活性を測定した。
具体的には、2,3−ジメルカプトプロパノールトリブチレイト(シグマ社製;以下BALBと称す)の分解速度を5,5’−チオビス(2−ニトロ安息香酸)(ナカライテクス社製:以下DTNBと称す)を発色試薬として定量する方法により行った。3mMDTNBを含む0.1M Tris−HCl緩衝液(pH8.5)1mlに固定化リパーゼ10mgを入れ30℃で5分間保温した。この溶液に基質として20mBALAを含むエタノール(ナカライテクス社製)100μlを加えて10分間反応させた。反応停止のためにアセトン(ナカライテクス社製)2mlを添加し、分光光度計にて412nmの吸光度を測定した。酵素活性は1分間に1μmolのSH基を遊離させる酵素量を1Unit(U)と定義して次式により求めた。
酵素活性(U)=412nm吸光度の増分/4.75(モル吸光係数に反応液体積を乗じμmolに換算したもの)/反応時間(min)
表3に各粒子の分解活性を示した。
Figure 2008104359
表3より実施例1の酵素固定用担体は、両親媒性基を有し、比較例の酵素固定用担体よりリパーゼの固定化量が多いことがわかった。また単位担体当たりのリパーゼの比活性も実施例1の酵素固定用担体に固定化した場合が最も高かった。
これは表1の結果より両親媒性基の導入量が多い、即ち疎水基であるp−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノキシ基の導入量が多いためである。
(応用例2)
(粒子へ固定化したリパーゼのヘキサン中での安定性)
応用例1と同様の方法にてリパーゼを固定化させた粒子(m−MAX−4.39)を10mMのpH5.5のリン酸緩衝液に懸濁させ遠心分離器により粒子を分離した。凍結乾燥機を用いて減圧下で乾燥させた。酵素を固定化した粒子30mgをヘキサン30mlに懸濁させ37℃にて、特定時間放置した後、0.45μmのメンブレンフィルターにて濾過し、回収したリパーゼの残存活性率を測定した。
残存活性率の測定は応用例1で示した方法と同様のエステル加水分解反応により酵素活性を測定することにより行った。
残存活性率は、ヘキサン中に懸濁した直後の酵素活性に対する、ヘキサン中での特定時間放置後における酵素活性の比として求めた。得られた残存活性率の経時的変化を図1に示す。
図1中には比較として同様の酵素固定化処理を行った比較例1で得られた粒子(SD−MAX−4.39)の結果を合わせて示した。
図1の結果より実施例1の粒子(m−MAX−4.39)に固定化したリパーゼは比較例1の粒子(SD−MAX−4.39)に固定化したリパーゼに比較してヘキサン中における加水分解活性の低下が少ないことがわかった。また図1から推定される加水分解活性の半減期は比較例1の粒子(SD−MAX−4.39)に固定化したリパーゼで900時間、実施例1の粒子(m−MAX−4.39)に固定化されたリパーゼは5400時間と計算され、粒子(m−MAX−4.39)に固定化されたリパーゼは半減期が6倍長くなった。
本発明により得られた固定化坦体は、酵素固定化量が多く各種酵素の固定化に有用である。また坦体に固定化された酵素は有機溶媒中での高い安定性を示し、また高い活性を示すことから有機溶媒中における各種のエステル化反応に利用することができる。例えば各種ポリステルの製造、各種脂肪酸エステル、糖エステル、ステロイド等の製造、あるいは植物油、動物油の改質方法に適用でき、産業上の幅広い分野への利用が可能である。
両親媒性粒子により合成された酵素固定用坦体(m−MAX−4.39)に固定化されたリパーゼのヘキサン中での安定性、即ちヘキサン中での残存活性率(Remaining activity)の経時変化を示す図である。

Claims (15)

  1. 官能基(A)を有する樹脂粒子に、両親媒性基(C)および前記官能基(A)と反応しうる官能基(B)を有するポリマーが、該官能基(A)と該官能基(B)とを反応させることにより結合していることを特徴とする酵素固定用担体。
  2. 前記樹脂粒子の単位質量(g)当たりの前記ポリマーの結合量(mol)が、1.5×10−6mol/g以上である請求項1記載の酵素固定用担体。
  3. 前記酵素固定用担体の粒径が0.5μm以上である請求項1記載の酵素固定用担体。
  4. 前記官能基(A)および前記官能基(B)のどちらか一方がアミノ基であり、他方がグリシジル基、カルボキシ基、イソシアナト基、スルホ基、ハロスルホニル基、マレイミド基、ホルミル基およびハロホルミル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基である請求項1記載の酵素固定用担体。
  5. 前記ポリマーの重量平均分子量が1万〜400万の範囲である請求項1記載の酵素固定用担体。
  6. 前記両親媒性基(C)の重量平均分子量が250〜4000の範囲である請求項1記載の酵素固定用担体。
  7. 前記両親媒性基(C)が下記一般式
    Figure 2008104359
    で表される基である請求項1記載の酵素固定用坦体。
  8. 前記一般式においてnが3〜5である請求項1記載の固定酵素用坦体。
  9. 前記樹脂粒子の粒径が1〜100μmの範囲である請求項1記載の酵素固定用担体。
  10. 前記樹脂粒子の重量平均分子量が5〜30万の範囲である請求項1記載の酵素固定用担体。
  11. 前記樹脂粒子の粒径分布の標準偏差が1〜50μmの範囲である請求項1記載の酵素固定用担体。
  12. 酵素を請求項1記載の酵素固定用担体に固定化した固定化酵素。
  13. 前記酵素がエステラーゼ又はプロテアーゼである請求項12記載の固定化酵素。
  14. 官能基(A)を有する樹脂粒子と、両親媒性基(C)および前記官能基(A)と反応しうる官能基(B)を有するポリマーとを、該官能基(A)と該官能基(B)とを反応させることにより結合させる工程、を有することを特徴とする酵素固定用担体の製造方法。
  15. 前記樹脂粒子と前記ポリマーの割合がモル(mol)比で、樹脂粒子:ポリマー=10:1〜1000:1の範囲である請求項14記載の酵素固定用担体の製造方法。
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