JP3922570B2 - 圧電デバイスと圧電デバイス用パッケージ、圧電デバイスの製造方法、ならびに圧電デバイスを利用した携帯電話装置ならびに圧電デバイスを利用した電子機器 - Google Patents

圧電デバイスと圧電デバイス用パッケージ、圧電デバイスの製造方法、ならびに圧電デバイスを利用した携帯電話装置ならびに圧電デバイスを利用した電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電振動片をパッケージに収容した圧電デバイスと製造方法ならびに、圧電デバイスのパッケージの改良に係り、また、このような圧電デバイスを利用した携帯電話と電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器において、パッケージ内に圧電振動片を収容した圧電振動子や圧電発振器等の圧電デバイスが広く使用されている。
図14及び図15は、このような圧電デバイスの構成例を示す概略図であり、図14は、圧電デバイスの概略断面図、図15は、図14の圧電デバイスの概略底面図である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
これらの図において、圧電デバイス1は、パッケージ2の内部に、圧電振動片3を収容している。この圧電振動片3は、例えば水晶基板を利用して形成されている。この圧電振動片3は、パッケージ2の内側底部に形成された電極部6に対して、導電性接着剤6aを用いて、その基部3aが接合されている。電極部6はパッケージ2の外部に引き回されて、パッケージ2の底面において、実装基板(図示せず)に固定される実装用端子6b,6bとされている。
【0004】
パッケージ2は、セラミックグリーンシート2cを金型で枠状に抜いた後、積層基板2a,2b,2cを積層後焼結して形成され、内部に圧電振動片3を収容するための内部空間S1を有し、その上端には、ロウ材4aを介して、蓋体4が接合されている。
また、パッケージ2には、内側底部と外側とを連絡する貫通孔7が設けられている。この貫通孔7は、内側の第1の孔7aと外側の第2の孔7bを有し、第1の孔7aの孔径よりも第2の孔7bの孔径のほうが大きくされている。また、第1の孔7aと第2の孔7bとの間の段部7cには、金属被覆部7dが設けられている。
尚、このような金属被覆部は、後述する孔封止の際に、溶融された金属封止材が内側の第1の孔7a内に入り込んで、固定されるように、この内側の第1の孔7aの内周部にも設けられる場合がある。
【0005】
図16は、パッケージ2の貫通孔7を封止する様子を示している。
チャンバー5内においては、蓋体4の封止に用いる加熱台5aの上にトレー5bが載置されており、このトレー5b上に、蓋体4側を下にして、圧電デバイス1が置かれている。
加熱台5aを用いて行われる蓋体4の封止に続いて、チャンバー5内を真空にして、パッケージ2内の排気をした後で、貫通孔7の孔封止が行われる。
【0006】
すなわち、貫通孔7の第2の孔7bの上に球形の金属封止材8が、下側の拡大図に示すように載置される。この金属封止材8に対して、レーザ照射手段9からレーザ光L1が照射されることにより、金属封止材8が溶融される。この溶融された金属封止材8は、図16の段部7c上の金属被覆部7dに対して、濡れ広がりつつ、冷却されて、図14に示すように、貫通孔7に充填されることで、貫通孔7を塞ぐ(孔封止)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−106515公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような構造の圧電デバイス1では、図16の下部に拡大して示されているように、孔封止の際に金属封止材8が溶融される際に、レーザ光L1がパッケージ2内に進入し、圧電振動片3に照射されてしまうことがある。
これにより、圧電振動片3が損傷して、振動性能に悪影響を与えるおそれがある。
【0009】
また、上述したように、パッケージ2の内側の第1の孔7aの内周部にも金属被覆部(図示せず)を設けようとする場合に、この内側の孔である第1の孔7aの孔径が従来のように小さいと、製造工程において、金属被覆部を形成するための金属材料が第1の孔7aに詰まって、第1の孔7aを塞いでしまい、孔封止に先行するパッケージ2内の排気を行う上で支障が生じるおそれがある。
【0010】
本発明は、圧電振動片等のパッケージ内の構造に損傷を与えるおそれがなく、確実に孔封止を行うことができる圧電デバイスとその製造方法、及び圧電デバイスのパッケージ、ならびに圧電デバイスを利用した携帯電話装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、第1の発明によれば、パッケージ内に圧電振動片を収容した圧電デバイスであって、積層された複数の絶縁材料でなる基板を有し、一面に圧電振動片を接続するための電極部が形成され、この一面側に蓋体が接合されることにより、前記一面側に前記圧電振動片を気密に収容する収容空間を形成する前記パッケージを備え、前記複数の基板が、外側に露出する底部を形成する第1の基板と、この第1の基板に積層される第2の基板を有しており、前記第1の基板に形成され、外部に開口した第1の孔と、前記第2の基板に形成されて前記収容空間に開口すると共に、前記第1の孔よりも大きな開口面積を備える第2の孔とを有していて、前記第1の孔と、前記第2の孔とは、第2の孔の周縁部だけが連通されることによって、前記第2の基板により、前記第1の孔の一部が塞さがれて、遮蔽部を構成しており、前記第1の孔に金属封止材が充填されている、圧電デバイスにより、達成されている。
【0012】
第1の発明の構成によれば、パッケージに設けた第1の孔と第2の孔の連通構造を利用することにより、パッケージ内に圧電振動片を収容し、蓋体によってパッケージを封止した後で、パッケージ内の気体をこの連通箇所を介して排出した後で、封止することで、それ以前の工程でパッケージ内で発生している有害なガスを排出して、気密に封止することが可能となる。このため、封止後に有害なガス成分が圧電振動片に付着して、その振動性能を損なう等の事態を有効に防止することができる。
さらに、第1の孔と第2の孔の連通構造においては、第2の孔の周縁部だけが連通されることによって、前記第2の基板により、前記第1の孔の一部が塞さがれて、遮蔽部を構成している。このため、孔封止を行う際に、前記遮蔽部に配置した金属封止材にレーザ光を照射すると、このレーザ光は、金属封止材を溶融した後、前記遮蔽部に当たり、パッケージ内部に進入することがない。これにより、孔封止の際のレーザ光がパッケージ内の圧電振動片等に直接照射されることがないから、これらを損傷するおそれがない。
したがって、第1の発明によれば、圧電振動片等のパッケージ内の構造に損傷を与えるおそれがなく、確実に孔封止を行うことができる圧電デバイスを提供することができる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記第1の孔の内周面に金属被覆部が設けられていることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、孔封止の際に溶融された金属が、前記第1の孔の内周面に濡れやすくなり、充填されやすい。
【0014】
第3の発明は、第1または第2の発明のいずれかの構成において、前記第1の孔の底部に金属被覆部が設けられていることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、孔封止の際に溶融された金属が、前記第1の孔の底部に形成された金属被覆部に濡れやすく、第1の孔内に止まって、完全に塞ぐことができる。
【0015】
また、上述の目的は、第4の発明によれば、積層された複数の絶縁材料でなる基板を有し、一面に圧電振動片を接続するための電極部が形成され、この一面側に蓋体が接合されることにより、前記一面側に前記圧電振動片を気密に収容する収容空間を形成するパッケージであって、前記複数の基板が、外側に露出する底部を形成する第1の基板と、この第1の基板に積層される第2の基板を有しており、前記第1の基板に形成され、外部に開口した第1の孔と、前記第2の基板に形成されて前記収容空間に開口すると共に、前記第1の孔よりも大きな開口面積を備える第2の孔とを有していて、前記第1の孔と、前記第2の孔とは、第2の孔の周縁部だけが連通されることによって、前記第2の基板により、前記第1の孔の一部が塞さがれて、遮蔽部を構成している、圧電デバイス用パッケージにより、達成される。
【0016】
第4の発明の構成によれば、第1の孔と第2の孔の連通構造を有するパッケージを利用することにより、パッケージ内に圧電振動片を収容し、蓋体によってパッケージを封止した後で、パッケージ内の気体を前記連通箇所を介して排出した後で、封止することで、それ以前の工程でパッケージ内で発生している有害なガスを排出して、気密に封止することが可能となる。このため、封止後に有害なガス成分が圧電振動片に付着して、その振動性能を損なう等の事態を有効に防止することができる。
さらに、このようなパッケージを用いて圧電デバイスを形成すると、第1の孔と第2の前記連通構造は、第2の孔の周縁部だけが連通されることによって、前記第2の基板により、前記第1の孔の一部が塞さがれて、遮蔽部を構成している。このため、孔封止を行う際に、前記遮蔽部に配置した金属封止材にレーザ光を照射すると、このレーザ光は、金属封止材を溶融した後、前記遮蔽部に当たり、パッケージ内部に進入することがない。これにより、孔封止の際のレーザ光がパッケージ内の圧電振動片等に直接照射されることがないから、これらを損傷するおそれがない。
【0017】
第5の発明は、第4の発明の構成において、前記第1の孔の内周面に金属被覆部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
第6の発明は、第4または第5の発明のいずれかの構成において、前記第1の孔の底部に金属被覆部が設けられていることを特徴とする。
【0019】
また、上述の目的は、第7の発明によれば、積層された複数の絶縁材料でなる基板を有し、一面に圧電振動片を接続するための電極部が形成され、この一面側に蓋体が接合されることにより、前記一面側に前記圧電振動片を気密に収容する収容空間を形成するパッケージであって、前記複数の基板が、外側に露出する底部を形成する第1の基板と、この第1の基板に積層される第2の基板を有しており、前記第1の基板に形成され、外部に開口した第1の孔と、前記第2の基板に形成されて前記収容空間に開口すると共に、前記第1の孔よりも大きな開口面積を備える第2の孔とを有していて、前記第1の孔と、前記第2の孔とは、第2の孔の周縁部だけが連通されることによって、前記第2の基板により、前記第1の孔の一部が塞さがれて、遮蔽部を構成する圧電デバイス用パッケージを用意し、前記パッケージの前記電極部に、前記圧電振動片を接合する工程と、前記パッケージに前記蓋体を接合する封止工程と、金属封止材を、前記第1の孔の前記遮蔽部に配置して、この金属封止材に対して、外部からレーザ光を照射して溶融することにより、前記第1の孔に金属封止材を充填する孔封止工程とを備える、圧電デバイスの製造方法により、達成される。
【0020】
第7の発明の構成によれば、パッケージに設けた第1の孔と第2の孔の連通構造を利用することにより、パッケージ内に圧電振動片を接合し、蓋体をパッケージに固定した後において、前記接合構造を利用することで、それ以前の工程でパッケージ内で発生している有害なガスを排出して、気密に封止することが可能となる。このため、封止後に有害なガス成分が圧電振動片に付着して、その振動性能を損なう等の事態を有効に防止することができる。
【0021】
また、上述の目的は、第8の発明によれば、パッケージ内に圧電振動片を収容した圧電デバイスを利用した携帯電話装置であって、積層された複数の絶縁材料でなる基板を有し、一面に圧電振動片を接続するための電極部が形成され、この一面側に蓋体が接合されることにより、前記一面側に前記圧電振動片を気密に収容する収容空間を形成する前記パッケージを備え、前記複数の基板が、外側に露出する底部を形成する第1の基板と、この第1の基板に積層される第2の基板を有しており、前記第1の基板に形成され、外部に開口した第1の孔と、前記第2の基板に形成されて前記収容空間に開口すると共に、前記第1の孔よりも大きな開口面積を備える第2の孔とを有していて、前記第1の孔と、前記第2の孔とは、第2の孔の周縁部だけが連通されることによって、前記第2の基板により、前記第1の孔の一部が塞さがれて、遮蔽部を構成しており、前記第1の孔に金属封止材が充填されている圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした、携帯電話装置により、達成される。
【0022】
また、上述の目的は、第9の発明によれば、パッケージ内に圧電振動片を収容した圧電デバイスを利用した電子機器であって、積層された複数の絶縁材料でなる基板を有し、一面に圧電振動片を接続するための電極部が形成され、この一面側に蓋体が接合されることにより、前記一面側に前記圧電振動片を気密に収容する収容空間を形成する前記パッケージを備え、前記複数の基板が、外側に露出する底部を形成する第1の基板と、この第1の基板に積層される第2の基板を有しており、前記第1の基板に形成され、外部に開口した第1の孔と、前記第2の基板に形成されて前記収容空間に開口すると共に、前記第1の孔よりも大きな開口面積を備える第2の孔とを有していて、前記第1の孔と、前記第2の孔とは、第2の孔の周縁部だけが連通されることによって、前記第2の基板により、前記第1の孔の一部が塞さがれて、遮蔽部を構成しており、前記第1の孔に金属封止材が充填されている圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした、電子機器により、達成される。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の圧電デバイスの第1の実施の形態を示しており、図1はその概略平面図、図2は図1のA−A線概略断面図、図3は、図1の圧電デバイスの概略底面図である。
これらの図において、圧電デバイス30は、圧電振動子を構成した例を示しており、圧電デバイス30は、パッケージ36内に圧電振動片32を収容している。パッケージ36(蓋体を除く)は、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して形成される複数の基板を積層した後、焼結して形成されている。複数の各基板は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した場合に内側に所定の内部空間S2を形成するようにされている。
【0024】
すなわち、図2に示されているように、この実施形態では、パッケージ36(蓋体を除く)は、下から第1の基板である積層基板61、第2の基板である積層基板64、第3の基板である積層基板68を重ねて形成されている。各積層基板の構成は、後で詳しく説明する。
この内部空間S2が圧電振動片を収容するための収容空間である。
ここで、内部空間S2は、各積層基板の内側に形成した所定の孔もしくは材料の除去部であるが、これに限らず、蓋体39がその周縁部に垂直な枠部を有していて、平坦な基板と、この枠部を備えた蓋体39とで形成される内部空間を圧電振動片の収容空間としてもよい。
【0025】
パッケージ36の内部空間S2内の図において左端部付近において、内部空間S2に露出して内側底部を構成する第2の積層基板64には、例えば、タングステンメタライズ上にニッケルメッキ及び金メッキで形成した電極部31,31が設けられている。
この電極部31,31は、実装電極31a,31aと電気的に接続され、駆動電圧を供給するものである。この各電極部31,31の上に導電性接着剤43,43が塗布され、この導電性接着剤43,43の上に圧電振動片32の基部51が載置されて、導電性接着剤43,43が硬化されるようになっている。この圧電振動片32の接合工程については、後述する。尚、導電性接着剤43,43としては、接合力を発揮する接着剤成分としての合成樹脂剤に、銀製の細粒等の導電性の粒子を含有させたものが使用でき、例えば、シリコーン系、エポキシ系またはポリイミド系導電性接着剤等を利用することができる。
【0026】
圧電振動片32は、例えば水晶で形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。本実施形態の場合、圧電振動片32は、小型に形成して、必要な性能を得るために、特に図示する形状とされている。
すなわち、圧電振動片32は、パッケージ36側と後述するようにして固定される基部51と、この基部51を基端として、図において右方に向けて、二股に別れて平行に延びる一対の振動腕34,35を備えており、全体が音叉のような形状とされた、所謂、音叉型圧電振動片が利用されている。
【0027】
ここで、図1において、圧電振動片32の基部51において、一対の振動腕34,35の基端部側に寄った位置には、基部51の幅方向に縮幅して設けた切り欠き部もしくはくびれ部52,52を設けるようにしてもよい。
これにより、基部51に圧電振動片32の振動の漏れ込みを防止して、CI(クリスタルインピーダンス)値を低減することができる。
また、一対の振動腕34,35には、それぞれ、長手方向に延びる長溝34a,35aを形成してもよい。この場合、各長溝は、図2の長溝34a,34aとして示されているように、各振動腕34,35の上面と下面に同様の態様でそれぞれ形成される。
このように、一対の振動腕34,35に、それぞれ長手方向に延びる長溝34a,35aを形成することによって、振動腕34,35における電界効率が向上する利点がある。
【0028】
圧電振動片32の基部51の導電性接着剤43,43と触れる部分には、駆動電圧を伝えるための引出し電極(図示せず)が形成されており、これにより、圧電振動片32は、駆動用電極がパッケージ36側の電極部31,31と導電性接着剤43,43を介して、電気的に接続されている。
この引出し電極は、圧電振動片32の表面に形成された励振電極(図示せず)と一体に形成されて、励振電極に駆動電圧を伝えるためのものである。
【0029】
パッケージ36の開放された上端には、例えば、Au/Sn半田、低融点ガラス等のロウ材33を介して、蓋体39が接合されることにより、封止されている。蓋体39は、好ましくは、後述する周波数調整を行うために、光を透過する材料,例えば、ガラスで形成されている。
【0030】
また、パッケージ36の底面のほぼ中央付近には、第1の孔37が形成されている。この第1の孔37は、後述するように第1の基板61の内側の材料を除去して形成されており、パッケージ36の外部に臨んで開口している。
また、第2の基板64には、図2において右端部付近の内側の材料を除去して第2の孔42aが形成されている。第2の孔42aの孔径は、第1の孔37よりも大きな孔径とされていて、パッケージ36の内部空間S2に開口することで、積層基板64の厚みに対応した凹部42とされている。つまり、第2の孔42aの開口面積は、第1の孔37よりも大きな開口面積とされている。この凹部42は、圧電振動片32の自由端である先端部の下方に位置している。これにより、本実施形態では、パッケージ36に外部から衝撃が加わった場合に、圧電振動片32の自由端が、矢印D方向に変位して振れた場合においても、パッケージ36の内側底面と当接されることを有効に防止されるようになっている。
【0031】
ここで、第1の積層基板61の第1の孔37に対して、この上に重ねられる第2の積層基板64は、図2に示されているように、この第1の孔37の大部分を塞いでおり、この第1の孔37を塞いだ領域が下向き段部の形態でなる遮蔽部62とされている。
さらに、第1の孔37と第2の孔42aとは、例えば、図2において、第1の孔37の右端側の周縁部において、連通部37aを設けて連通されており、このため、第1の孔37と第2の孔42aとは、連通部37aを介して、パッケージ36の外部と内部空間S2をつなぐ貫通孔とされている。
【0032】
また、好ましくは、第1の孔37の内周面には、内周側金属被覆部37bとされている。この内周側金属被覆部37bとは別体に、遮蔽部62には、遮蔽部側金属被覆部62aが形成され、この金属被覆部62aと連なるようにして、第2の孔42aの遮蔽部62に隣接する周縁42bには、金属被覆部42cが形成されている。そして、第1の孔37内には、金属封止材38が充填されることで、パッケージ36は気密に塞がれている。
【0033】
ここで、第1の孔37に充填される金属封止材38としては、例えば、鉛を含有した封止材よりも高い融点を備える封止材が選択されることが好ましく、例えば、銀ロウ、Au/Sn合金、Au/Ge合金等から選択される。これに対応して、第1の孔37の内周側金属被覆部37bと、遮蔽部62の遮蔽部側金属被覆部62aと、第2の孔42aの周縁側金属被覆部42cとしては、タングステンメタライズ上にニッケルメッキ及び金メッキを形成すると好ましい。
【0034】
次に、図4ないし図6を参照して、パッケージ36を構成する積層基板の構造を説明する。
図4は、第3の積層基板68の構成を示しており、図4(a)は、積層基板68の平面図、図4(b)は、積層基板68の底面図、図4(c)は、図4(a)のB−B線切断端面図である。
第3の積層基板68は、内側の材料を除去することにより、図2の内部空間S2の最大内径と対応した孔69を設けている。
【0035】
図5は、第2の積層基板64の構成を示しており、図5(a)は、積層基板64の平面図、図5(b)は、積層基板64の底面図、図5(c)は、図5(a)のC−C線切断端面図である。
第2の積層基板64は、その上面31bがパッケージ36の内部空間S2における主面である内側底部を構成する基板である。この第2の積層基板64の上面31bには、圧電振動片32を接続するための電極部31,31が形成されており、図において、領域43a,43aは、導電性接着剤43が塗布される箇所である。
【0036】
また、第2の積層基板64の図において右端側には、凹部42に対応して、その材料を除去した第2の孔42aが設けられている。
この第2の孔42aは、図6で示されている第1の孔37よりも大きな開口面積を備えるように形成されている。つまり、第2の孔42aは、図2に示されているように、少なくとも圧電振動片32の先端部の下方となる位置を開けるようにされ、好ましくは、この第2の孔42aの周縁42bが、パッケージ中央に向けて凸となるような曲線となるようにされて、第1の孔37と一部重なる位置まで延長されている。これにより、第2の孔42aの第1の孔37と干渉する領域が、図5(b)に示すように、連通部37aとなる。ここで、連通部37aは、好ましくは、後述する孔封止工程に先立って、パッケージ36内の気体を排出できる程度の小さな径に設定されている。本実施形態では、連通部37aは、パッケージ36内の気体を排出する機能を果たすような、例えば、100平方μmないし10000平方μm程度の最小の気体通路断面積としている。
【0037】
また、図5(c)に示すように、第2の積層基板64の下面の第1の孔37を塞ぐ領域、つまり、第1の孔37の底部となる領域は、遮蔽部62となる。この遮蔽部62には、金属被覆部62aが形成されている。また、この遮蔽部62に隣接する第2の孔42aの周縁42bには、金属被覆部62aと連なるようにして、金属被覆部42cが形成されている。そして、このように第2の孔42aの周縁42bに金属被覆部42cが形成されても、第2の孔42aは、第1の孔37よりも大きな開口面積を有しているため、金属被覆部42cが第2の孔42aを閉塞させるおそれがない。したがって、上述のように、パッケージ36内の気体を排出する機能を果たすような、最小の気体通路断面積とした連通部37aを形成することができる。
【0038】
図6は、第1の積層基板61の構成を示しており、図6(a)は、積層基板61の平面図、図6(b)は、積層基板61の底面図、図6(c)は、図6(a)のD−D線切断端面図である。
これらの図において、最下層の積層基板である積層基板61は、図6(a)に示すように、そのほぼ中央付近に貫通孔を設けて、第1の孔37を形成している。この第1の孔37の孔径もしくは開口面積は、積層基板64に形成された第2の孔42aよりも小さく形成されている。尚、第1の孔37は、図示のように円形に形成されるだけでなく、その形状は、長円、楕円、角孔等の形態としてもよい。
【0039】
図6(a)において、第1の孔37の周囲には、好ましくは、金属被覆部37bが形成されている。ここで、第1の孔37の孔径は、積層基板64に形成された第2の孔42aよりも小さいが、金属被覆部37bを形成する過程で、金属材料が第1の孔37を塞ぐおそれがない程度に大きく形成されている。つまり、第1の孔37は、図14ないし図16で説明した従来の圧電デバイス1のパッケージ2の内側の第1の孔7aよりも大きく形成している。
特に、好ましくは、第1の孔37の孔径は、金属被覆部37bの形成時に塞がれるおそれがない程度の大きさであり、かつ圧電デバイス30を実装基板(図示せず)に実装する際に、実装用半田の残滓が入り込みにくい程度に小さくする。具体的には、第1の孔37の孔径は、0.2mmないし0.4mm程度であることが好ましい。
【0040】
また、図6(b)に示されているように、パッケージ36の底部もしくは底面となる面の長さ方向の両端付近には、それぞれ実装電極31a,31aが形成されている。この実装電極31a,31aは、図2の電極部31,31と電気的に接続される。
【0041】
ここで、図14の従来の圧電デバイス1のように、第1の孔と第2の孔を中心を揃えて連通させる構造に対して、本実施形態と同等の凹部42を設けると、図14の積層基板2bには、凹部42の孔と、第1の孔7aとの少なくとも2つの孔を設けることになり、凹部42の孔と、第1の孔7aとが非常に近接して構造的に弱くなってしまう。しかし、本実施形態では、圧電振動片32の先端部の損傷防止の凹部42を含むようにして、第1の孔37よりも大きな第2の孔42aを設け、第2の孔42aと一部重なるように連通部37aを設けて、第1の孔37との連通構造を実現している。これにより、本実施形態では、複数の孔が形成されることによるパッケージの強度低下をまねくことがない。
【0042】
本実施形態の圧電デバイス30は、以上のように構成されており、パッケージ36に設けた第1の孔37と第2の孔42aの連通構造を利用することにより、パッケージ36内に圧電振動片32を収容し、パッケージ36内の気体をこの連通箇所を介して排出した後で、封止することで、それ以前の工程でパッケージ内で発生している有害なガスを排出して、気密に封止することが可能となる。このため、封止後に有害なガス成分が圧電振動片に付着して、その振動性能を損なう等の事態を有効に防止することができる。
【0043】
また、パッケージ36の第1の孔37と第2の孔42aの連通構造においては、第2の孔42aの周縁部だけが連通部37aとされて連通されることによって、第2の積層基板64により、第1の孔37の一部が塞さがれて、遮蔽部62を構成している。このため、孔封止を行う際に、後述するように、この遮蔽部62に配置した金属封止材にレーザ光を照射すると、このレーザ光は、金属封止材を溶融した後、遮蔽部62に当たり、パッケージ36内部に進入することがない。これにより、孔封止の際のレーザ光がパッケージ36内の圧電振動片32等に直接照射されることがないから、これらを損傷するおそれがない。
このように、圧電デバイス30においては、孔封止の際に、その動作品質を損なうことなく、確実に孔封止を行うことができる。
【0044】
次に、図7を参照しながら、本実施形態の圧電デバイスの製造方法の一例について説明する。
この圧電デバイスの製造方法においては、先ず、パッケージ36を構成するためのセラミックグリーンシートと、圧電振動片32と、蓋体39とを別々に形成してから、これを完成させて、接合固定する。
ここで、蓋体39を除くパッケージ36、すなわち、図2で説明した第1の積層基板61、第2の積層基板64、第3の積層基板68を備えるパッケージの基体に関しては、上述した構造を所定の工程により形成する(ST1−1)。したがって、パッケージに関する主要な構造は、以下で説明する製造方法に先立ってST1−1において完成される。あるいは、蓋体39を除く、上述した構造のパッケージが、販売等により提供されて、さらに、以下で説明する製造方法が実施されることになる。
また、蓋体39と、圧電振動片32は、すでに説明したとおりの構成をそれぞれ別々の工程で完成させるが、圧電振動片32を形成するためには、圧電材料を所定形状とし、電極(励振電極、引出し電極等)を形成する(ST1−2)。
【0045】
(接合工程)
パッケージ36に、圧電振動片32を接合する(マウント)。この場合、図1及び図2、図5で説明した電極部31,31に、導電性接着剤43,43を塗布し、その上から、圧電振動片32の基部51を載せて、僅かに荷重をかけることで、導電性接着剤43,43を、基部51と各電極部31,31との間で好適に介在させ、導電性接着剤43,43を乾燥固化させることにより、接合工程が完了する(ST2)。
【0046】
(封止工程)
パッケージ36の蓋体39を除いたものに圧電振動片32を接合したら、例えば、その上端面に、ロウ材33を適用し、蓋体39を載せて、加熱によりロウ材33を溶融させて、蓋体39を接合する(ST3)。
この封止工程には、蓋体39の材質や、ロウ材33の種類、その他の条件により種々の方法がある。ロウ材33を加熱溶融する手法としては、図16にて説明したように、チャンバー内で、蓋体39を加熱し、ロウ材33を溶融させることもできる。また、ロウ材33は、パッケージ36の上端面ではなく、蓋体39の接合領域に予め配置するようにしてもよい。
【0047】
(アニール工程)
封止工程にひき続いて、蓋体39が接合されたパッケージ36を加熱する工程である。例えば、図16にて説明したような、チャンバー内で、ひき続き加熱してもよいし、蓋体39が光透過性の材料で形成されている場合には、パッケージ36を裏返して、上下を逆に配置し、ハロゲンランプまたは、レーザ照射手段により、蓋体39を透過させてパッケージ36内に、ハロゲン光または、レーザ光を照射してもよい。
これにより、パッケージ36が加熱されると、例えば、導電性接着剤43等から有害なガスが発生し、第1の孔37から、排出される。このため、続く孔封止が行われた後で、パッケージ36内の有害なガスが、圧電振動片32に付着して、振動性能に悪影響を与えたり、パッケージ36内の吸着水が、付着して酸化させたりすることが、未然に防止される。
【0048】
(孔封止工程)
次に、例えば、図8に示すように、パッケージ36の底部を上にして、つまり、第1の孔37を上にして、例えば、球形に形成した金属封止材38を遮蔽部62の上に載置する。
ここで、金属封止材38は必ずしも球形である必要はなく、例えば、偏平な円柱状であったり、ペレット状であったり、立方体等種々の形態のものを利用できる。金属封止材38は、例えば、第1の孔37の形態に適合させた形状であると好ましく、本実施形態では、円形の第1の孔37に合わせて、球形のものを使用すると、パッケージ36の底面でころがして、第1の孔37に落としこみ、遮蔽部62の上に載置しやすい。
また、この段階で、金属封止材38は、遮蔽部62に対して、必ずしも触れていなくてもよい。
【0049】
この状態で、例えば、図8に示すように、レーザ照射手段71から、符号LBで示すように、ハロゲン光または、レーザ光を球形の金属封止材38に照射することによって、金属封止材38を短時間で溶融させることができる(ST5)。溶融した金属は、第1の孔37の金属被覆部37bと、段部である遮蔽部62の金属被覆部62aと、第2の孔42aの金属被覆部42cとに濡れ広がって、図9のような状態で固化する。
ここで、球形の金属封止材38として、鉛を含まない高融点金属(鉛を含む封止材の融点よりも高い融点の金属)、例えば、金ゲルマニウム合金(Au/Ge)を用いるのが好ましい。金ゲルマニウム合金は、融点が高いが、酸化されやすく、表面に酸化膜が形成されやすい。酸素が存在すると、加熱により流れにくくなり、封止作業がその分困難となるという問題がある。ところが、金ゲルマニウム合金(Au/Ge)を球形にして、第1の孔37に配置し、真空または窒素雰囲気でハロゲン光、またはレーザ光を照射すると、酸化がしにくいために、容易に溶融される。これにより、封止材の合金成分が、第1の孔37内に広がり流れて充填されることになる。
これにより、連通部37aは、固化した金属封止材38により、完全に塞がれるので、パッケージ36は気密に孔封止される。
【0050】
ここで、本実施形態の孔封止工程では、連通部37aをきわめて小さい通路断面積とすることができるので、この連通部37aから、溶融した金属封止材38がパッケージ36内に進入することを防止することができる。これにより、溶融した金属封止材38が、パッケージ36内の例えば圧電振動片32等に滴下されて、その性能を損なうおそれがない。
また、図8に示すように、遮蔽部62に配置した金属封止材38に、ハロゲン光または、レーザ光LBを照射すると、このハロゲン光またはレーザ光LBは、金属封止材38を溶融した後、遮蔽部62に当たり、第2の基板64に妨げられて、パッケージ36の内部に進入することがない。これにより、孔封止の際のハロゲン光または、レーザ光がパッケージ内の圧電振動片32等に直接照射されることがないから、これらを損傷するおそれがない。
【0051】
(周波数調整工程)
次に、蓋体39が光透過性の材料で形成されている場合には、ハロゲンランプまたは、レーザ照射手段により、蓋体39を透過させてパッケージ36内の圧電振動片32の金属被膜(例えば、励振電極の一部もしくは、その圧電振動片32の先端近傍に設けた周波数調整用の金属被膜)に対して、レーザ光を照射し、金属の一部を蒸散させることによって、質量削減方式による周波数調整を行う(ST6)。
次いで、所定の検査を行い、圧電デバイス30を完成させる(ST7)。
【0052】
このように、本発明の実施形態にかかる製造方法によれば、接合工程及び封止工程の後において、第1の孔37を利用して、それ以前の工程でパッケージ36内で発生している有害なガスを排出して、気密に封止することが可能となる。このため、封止後に有害なガス成分が圧電振動片32に付着して、その振動性能を損なう等の事態を有効に防止することができる。しかも、孔封止工程では、上述したように、ハロゲン光または、レーザ光LBがパッケージ内の圧電振動片32等に直接照射されることがないから、これらを損傷するおそれがない。
【0053】
図10ないし図12は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る圧電デバイス400を示しており、図10は、圧電デバイス400の概略平面図、図11は図10のE−E線切断断面図、図12は圧電デバイス400の概略底面図である(なお、説明の便宜上、図12は金属封止材38を省略して図示している。)。
これらの図において、図1ないし図9の圧電デバイス30と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
この圧電デバイス400において、第1の実施形態と異なるのは、蓋体およびパッケージの一部を金属材料から形成し、また、第2の孔の周縁に切欠部を設けた点である。
【0054】
すなわち、図11に示されるように、圧電振動片32が収容される内部空間S2を形成するための第3の基板412は、金属材料を打ち抜き加工等することにより枠状に形成されている。このようにして、第3の基板412の強度を、セラミック製の第3の基板68(図2参照)よりも高くして、圧電振動片32の先端と第3の基板412の内面との距離W2を確保しつつ、パッケージ36全体の外形寸法W1を小さくしている。
また、本変形例においては、蓋体410も金属材料から形成されており、この蓋体410および第3の基板412は、共に同一の材料、例えばコバール(Fe−Ni−Coの合金)から形成され、銀ロウ等のシームリング414を用いてシーム溶接等により接合されている。このようにして、セラミック製のパッケージ36を封止するためのロウ材33(図2参照)のような厚みを不要として、圧電デバイス400を低背化している。
【0055】
また、本第1の実施形態の変形例では、第2の孔42aの連通部37aに接する内面に切欠部42dが設けられている。この切欠部42dは、金属封止材38を遮蔽部62の上に載置した際に、金属封止材38がパッケージ内部に進入することがないように形成されている。具体的には、金属封止材38に球形のものを使用した場合において、第1の孔37よりも小さな径を有する略半円の切り欠き形状となっている。また、図10に示されるように、振動腕34の外側の側面と振動腕35の外側の側面との間W3において、パッケージ36の中央に向かって切り欠かれるように形成されている。
【0056】
本第1の実施形態にかかる変形例は、以上のように構成され、第3の基板412を金属材料から形成したことにより、パッケージ36全体の外形寸法W1を小さくできる。ところが、パッケージ36を構成する第2の基板64はセラミックから形成されているため、幅W4は第1の実施形態と変わらない。このため、圧電振動片32の先端部がパッケージ36の内側底面と当接されることを防止する凹部42の長さW5が短くなってしまう。また、上述のように、蓋体410と第3の基板412はシーム溶接等により接合され、低背化もされている。したがって、圧電振動片32は、外部からの衝撃を受けてパッケージの厚み方向に振れた場合、第2の基板64に当接してしまう恐れがある。しかし、本変形例では、上述のように第2の孔42aの連通部37aに接する内面に切欠部42dが設けられているため、圧電振動片32が第2の基板64に当接してしまう恐れを有効に防止できる。
また、この切欠部42dは、金属封止材38の形状に適合されて形成されているため、金属封止材38を遮蔽部62に載置する際、収まりよく載置することができる。
【0057】
図13は、本発明の上述した実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図である。
図において、送信者の音声を受信するマイクロフォン308及び受信内容を音声出力とするためのスピーカ309を備えており、さらに、送受信信号の変調及び復調部に接続された制御部としての集積回路等でなるコントローラ301を備えている。
コントローラ301は、送受信信号の変調及び復調の他に画像表示部としてのLCDや情報入力のための操作キー等でなる情報の入出力部302や、RAM,ROM等でなる情報記憶手段303の制御を行うようになっている。このため、コントローラ301には、圧電デバイス30が取付けられて、その出力周波数をコントローラ301に内蔵された所定の分周回路(図示せず)等により、制御内容に適合したクロック信号として利用するようにされている。このコントローラ301に取付けられる圧電デバイス30は、圧電デバイス30単体でなくても、圧電デバイス30と、所定の分周回路等とを組み合わせた発振器であってもよい。
【0058】
コントローラ301は、さらに、温度補償水晶発振器(TCXO)305と接続され、温度補償水晶発振器305は、送信部307と受信部306に接続されている。これにより、コントローラ301からの基本クロックが、環境温度が変化した場合に変動しても、温度補償水晶発振器305により修正されて、送信部307及び受信部306に与えられるようになっている。
【0059】
このように、制御部を備えた携帯電話装置300のような電子機器に、上述した実施形態に係る圧電デバイスを利用することにより、パッケージ36内の圧電振動片等の部品を損傷することなく、確実に孔封止を行うことができる圧電デバイスを使用していることによって、正確なクロック信号を生成することができる。
【0060】
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせ、または省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。また、この発明は、パッケージ内に圧電振動片を収容するものであれば、圧電振動子、圧電発振器等の名称にかかわらず、全ての圧電デバイスに適用することができる。
さらに、図8及び図9において、第1の孔37は、垂直な孔として表されているが、第1の孔37は、これらの図において、上方に徐々に拡径するようなテーパ状に形成されていてもよい。これにより、封止工程において、球形の金属封止材38を、第1の孔37のテーパ形状により、安定的に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧電デバイスの第1の実施形態を示す概略平面図。
【図2】 図1のA−A線概略断面図。
【図3】 図1の圧電デバイスの概略底面図。
【図4】 図1の圧電デバイスの第3の積層基板68の構成を示しており、図4(a)は、積層基板68の平面図、図4(b)は、積層基板68の底面図、図4(c)は、図4(a)のB−B線切断端面図。
【図5】 図1の圧電デバイスの第2の積層基板64の構成を示しており、図5(a)は、積層基板64の平面図、図5(b)は、積層基板64の底面図、図5(c)は、図5(a)のC−C線切断端面図。
【図6】 図1の圧電デバイスの第1の積層基板61の構成を示しており、図6(a)は、積層基板61の平面図、図6(b)は、積層基板61の底面図、図6(c)は、図6(a)のD−D線切断端面図。
【図7】 図1の圧電デバイスの製造方法の一例を示すフローチャート。
【図8】 図1の圧電デバイスの孔封止工程において、レーザ光を照射する様子を示す説明図。
【図9】 図1の圧電デバイスの孔封止工程において、レーザ光の照射後の様子を示す説明図。
【図10】 本発明の第1の実施形態の変形例に係る圧電デバイスの概略平面図。
【図11】 図10のE−E線切断断面図。
【図12】 本発明の第1の実施形態の変形例に係る圧電デバイスの概略底面図。
【図13】 本発明の実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図。
【図14】 従来の圧電デバイスの一例を示す概略断面図。
【図15】 図14の圧電デバイスの概略底面図。
【図16】 図14の圧電デバイスの孔封止の様子を示す図。
【符号の説明】
30・・・圧電デバイス、32・・・圧電振動片、36・・・パッケージ、37・・・第1の孔、37a・・・連通部、39・・・蓋体、42・・・凹部、42a・・・第2の孔、43・・・導電性接着剤、51・・・基部、62・・・遮蔽部。

Claims (9)

  1. パッケージ内に圧電振動片を収容した圧電デバイスであって、
    積層された複数の絶縁材料でなる基板を有し、一面に圧電振動片を接続するための電極部が形成され、この一面側に蓋体が接合されることにより、前記一面側に前記圧電振動片を気密に収容する収容空間を形成する前記パッケージを備え、
    前記複数の基板が、
    外側に露出する底部を形成する第1の基板と、この第1の基板に積層される第2の基板を有しており、
    前記第1の基板に形成され、外部に開口した第1の孔と、
    前記第2の基板に形成されて前記収容空間に開口すると共に、前記第1の孔よりも大きな開口面積を備える第2の孔と
    を有していて、
    前記第1の孔と、前記第2の孔とは、第2の孔の周縁部だけが連通されることによって、前記第2の基板により、前記第1の孔の一部が塞さがれて、遮蔽部を構成しており、
    前記第1の孔に金属封止材が充填されている
    ことを特徴とする、圧電デバイス。
  2. 前記第1の孔の内周面に金属被覆部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電デバイス。
  3. 前記第1の孔の底部に金属被覆部が設けられていることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の圧電デバイス。
  4. 積層された複数の絶縁材料でなる基板を有し、一面に圧電振動片を接続するための電極部が形成され、この一面側に蓋体が接合されることにより、前記一面側に前記圧電振動片を気密に収容する収容空間を形成するパッケージであって、
    前記複数の基板が、
    外側に露出する底部を形成する第1の基板と、この第1の基板に積層される第2の基板を有しており、
    前記第1の基板に形成され、外部に開口した第1の孔と、
    前記第2の基板に形成されて前記収容空間に開口すると共に、前記第1の孔よりも大きな開口面積を備える第2の孔と
    を有していて、
    前記第1の孔と、前記第2の孔とは、第2の孔の周縁部だけが連通されることによって、前記第2の基板により、前記第1の孔の一部が塞さがれて、遮蔽部を構成している
    ことを特徴とする、圧電デバイス用パッケージ。
  5. 前記第1の孔の内周面に金属被覆部が設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の圧電デバイス用パッケージ。
  6. 前記第1の孔の底部に金属被覆部が設けられていることを特徴とする、請求項4または5のいずれかに記載の圧電デバイス用パッケージ。
  7. 積層された複数の絶縁材料でなる基板を有し、一面に圧電振動片を接続するための電極部が形成され、この一面側に蓋体が接合されることにより、前記一面側に前記圧電振動片を気密に収容する収容空間を形成するパッケージであって、前記複数の基板が、外側に露出する底部を形成する第1の基板と、この第1の基板に積層される第2の基板を有しており、前記第1の基板に形成され、外部に開口した第1の孔と、前記第2の基板に形成されて前記収容空間に開口すると共に、前記第1の孔よりも大きな開口面積を備える第2の孔とを有していて、前記第1の孔と、前記第2の孔とは、第2の孔の周縁部だけが連通されることによって、前記第2の基板により、前記第1の孔の一部が塞さがれて、遮蔽部を構成する圧電デバイス用パッケージを用意し、
    前記パッケージの前記電極部に、前記圧電振動片を接合する工程と、
    前記パッケージに前記蓋体を接合する封止工程と、
    金属封止材を、前記第1の孔の前記遮蔽部に配置して、この金属封止材に対して、外部からレーザ光を照射して溶融することにより、前記第1の孔に金属封止材を充填する孔封止工程と
    を備えることを特徴とする、圧電デバイスの製造方法。
  8. パッケージ内に圧電振動片を収容した圧電デバイスを利用した携帯電話装置であって、
    積層された複数の絶縁材料でなる基板を有し、一面に圧電振動片を接続するための電極部が形成され、この一面側に蓋体が接合されることにより、前記一面側に前記圧電振動片を気密に収容する収容空間を形成する前記パッケージを備え、
    前記複数の基板が、
    外側に露出する底部を形成する第1の基板と、この第1の基板に積層される第2の基板を有しており、
    前記第1の基板に形成され、外部に開口した第1の孔と、
    前記第2の基板に形成されて前記収容空間に開口すると共に、前記第1の孔よりも大きな開口面積を備える第2の孔と
    を有していて、
    前記第1の孔と、前記第2の孔とは、第2の孔の周縁部だけが連通されることによって、前記第2の基板により、前記第1の孔の一部が塞さがれて、遮蔽部を構成しており、
    前記第1の孔に金属封止材が充填されている圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした
    ことを特徴とする、携帯電話装置。
  9. パッケージ内に圧電振動片を収容した圧電デバイスを利用した電子機器であって、
    積層された複数の絶縁材料でなる基板を有し、一面に圧電振動片を接続するための電極部が形成され、この一面側に蓋体が接合されることにより、前記一面側に前記圧電振動片を気密に収容する収容空間を形成する前記パッケージを備え、
    前記複数の基板が、
    外側に露出する底部を形成する第1の基板と、この第1の基板に積層される第2の基板を有しており、
    前記第1の基板に形成され、外部に開口した第1の孔と、
    前記第2の基板に形成されて前記収容空間に開口すると共に、前記第1の孔よりも大きな開口面積を備える第2の孔と
    を有していて、
    前記第1の孔と、前記第2の孔とは、第2の孔の周縁部だけが連通されることによって、前記第2の基板により、前記第1の孔の一部が塞さがれて、遮蔽部を構成しており、
    前記第1の孔に金属封止材が充填されている圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした
    ことを特徴とする、電子機器。
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