JP3982263B2 - 圧電デバイスの封止方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電振動片を内蔵した圧電デバイスのパッケージの封止方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器において、近年、装置の小型薄型化がめざましく、それらに用いられる圧電デバイスも小型薄型化が要求されている。
また、それとともに、装置の回路基板に表面実装が可能な表面実装タイプの圧電デバイスが求められている。
図16及び図17は、このような圧電デバイスの構成例を示す概略図であり、図16は、圧電デバイスの構成を示す概略平面図、図17は、図16の圧電デバイスのA−A線概略断面図である。
【0003】
図16及び図17において、従来の圧電デバイス1は、パッケージ6の内部に、圧電振動片2を収容している。この圧電振動片2は、例えば水晶基板を利用して形成されている。この圧電振動片2は、厚みの薄い矩形状に形成された、所謂ATカット振動片が使用され、パッケージ6の電極部に対して、その基部11が固定されていると共に、先端側4が自由端とされている。この圧電振動片2の表面(図17の上面及び下面を含む表面)には駆動用の金属電極として、励振電極5が形成されており、また、圧電振動片2の左端部の幅方向両端部には、上記励振電極5と接続された引出し電極12,12が形成されている。
【0004】
パッケージ6は、セラミック製の複数の基板を積層して内側に所定の内部空間Sを形成するようにされている。この内部空間Sにおいて、パッケージ6の内側の底部には、導電性の接着剤7,7を介して、上述した引出し電極12,12が電極部3,3上に接合固定されている。
そして、パッケージ6の開放された上端には、低融点ガラス等のロウ材8を介して、ガラス等の光を透過する材料,すなわち光透過性の材料で形成された蓋体9が接合されることにより、封止されている。
【0005】
圧電デバイス1は、以上のように構成されており、外部からの駆動電圧が、電極部3及び導電性接着剤7を介して、励振電極5に伝えられると、励振電極5からの電圧が圧電材料に伝えられることで、圧電材料が、所定の周波数で振動する。
この振動周波数を外部に取り出すことによって、所定の周波数の出力を得ることができるようになっている。
【0006】
このような圧電デバイス1では、その製造工程においては、先ず、圧電振動片2を導電性接着剤7を用いて、パッケージ6の電極部3,3に接合する。封止工程に先行して、圧電振動片2に対しては、その電極膜に対して、蒸着等の手段により、金属膜をさらに被覆して、重量を増加させたり、反対にプラズマを照射して、金属膜を除去して重量を減らして、所定の周波数調整を行う。
次いで、上述したロウ材8を介して、蓋体9を配置し、真空雰囲気内で加熱してロウ材8を溶融することにより、封止している。これにより、圧電振動片2は、パッケージ6内で、所定の周波数で振動できるようにされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような工程を経て製造される圧電デバイス1においては、蓋体9の封止前に周波数調整を行っているにもかかわらず、振動周波数に比較的大きなばらつきを生じていた。
このような振動周波数のばらつきは、蓋体9の接合を行う場合に、ロウ材8を加熱する過程で、圧電振動片2へのガスの脱吸着及び圧電振動片2の接合保持部の応力変化により生じていると考えられる。
【0008】
そこで、次のような試みをなされている。
図18は、振動周波数のばらつきをできるだけ抑制するために検討された圧電デバイス10を示す概略斜視図である。
この圧電デバイス10において、図16,図17で説明した圧電デバイス1と同じ符号を付した箇所は共通する構成である。
【0009】
すなわち、圧電デバイス10は、圧電デバイス1と比較すると、パッケージの構成が異なっており、圧電デバイス10のパッケージ11には、底部に開口する貫通孔12を有している。この貫通孔12は、所定の内径を備える内側の第1の貫通孔12aと、この第1の貫通孔と連続して設けられると共に、前記第1の貫通孔よりも大きな内径を備えて外側に開口した第2の貫通孔12bとで形成されている。
【0010】
図19は、このようなパッケージ構成をもつ圧電デバイス10を封止する様子を示している。
図において、チャンバー13内には、ヒータ等を内蔵した加熱手段14と、加熱手段14の上に配置されたプレート15が備えられている。
圧電デバイス10は、プレート15上に、図示するように逆さにされて、蓋体9が、加熱手段14からの熱を伝えるプレート15上に載置されており、ロウ材8を介して、パッケージ11が載っている。
【0011】
先ず、チャンバー13内にて真空雰囲気あるいは窒素雰囲気にて所定の温度プロファイルに従って、加熱手段14を駆動し、蓋体9を介してロウ材8を加熱溶融することで、パッケージ11と蓋体9を接合する。
【0012】
その後、必要により、貫通孔12を介して、例えばレーザ光を照射して、圧電振動片2の表面の電極膜を一部蒸散させて、周波数調整を行い(図示せず)、次に、貫通孔12内に、図示するように溶融前の封止材16を載置する。溶融前の封止材16は、例えば、従来の半田を利用した金属封止材を使用してもよく、あるいは、鉛の使用を避けて、鉛を含有しないAu/Sn等の金属封止材が用いられる。
そして、この溶融前の封止材16にレーザ光L1を照射して、封止材16を溶融することによって、貫通孔12を塞ぎ、圧電デバイス1のように振動周波数にばらつきを生じることがない、圧電デバイス10を製造することができるものと期待されていた。
【0013】
しかしながら、実際には、図20で示すような現象を生じてしまう。
図20は、図19の円形で示した領域Bを拡大して示しており、図において、封止材16にレーザ光L1を照射すると、封止材16が溶融し、溶融金属の一部16aが貫通孔12を通ってパッケージ11内に入り、圧電振動片2の表面に付着してしまう。
【0014】
図21は、上述の製造工程により製造された圧電デバイス10の振動周波数のばらつきをグラフ化したものである。当初、振動周波数のばらつきは、図21(a)に示すように、非常に低く抑えることが期待されたが、実際には、図20で示した現象によって、封止材16が溶融した溶融金属の一部16aが圧電振動片2の表面に付着する場合がある。このため、図21(b)に示すように、振動周波数は、低い方へ、ばらついてしまう結果となる。
【0015】
本発明の目的は、振動周波数のばらつきを生じることなく、パッケージを封止することができる圧電デバイスの封止方法と、その封止方法が適用される圧電デバイス及びこの圧電デバイスを利用した携帯電話装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は請求項1の発明によれば、圧電振動片を内部に支持固定したパッケージに、蓋体を固定した圧電デバイスの封止方法であって、前記パッケージの底部に形成された貫通孔に対して、低融点金属による第1の金属材料と、第1の金属材料よりも融点が高い第2の金属材料を用いて形成した第2の金属材料でなる封止材を配置し、真空雰囲気内あるいは不活性雰囲気内で前記封止材に対して、レーザ光を照射して溶融することにより、前記貫通孔を塞ぐようにし、前記封止材が球形の封止材でなり、この球形の封止材の中心に前記第1の金属材料を配置し、この第1の金属材料の外側に第2の金属材料を配置したことを特徴とする圧電デバイスの封止方法により達成される。
請求項1の構成によれば、パッケージに形成した貫通孔を封止する際に、この貫通孔に低融点金属による第1の金属材料と、第1の金属材料よりも融点が高い第2の金属材料とを用いて形成した封止材を配置する点に特徴がある。例えば、パッケージ内に圧電振動片を接合して、蓋体を閉じた後で、真空雰囲気内で貫通孔を塞ぐ場合には、パッケージ内のガス成分をパッケージ外部に追い出しつつ、貫通孔を塞ぐことができる。
ここで、パッケージの貫通孔に充填される封止材が低融点金属による第1の金属材料と、第1の金属材料よりも融点が高い第2の金属材料により形成されていることから、貫通孔の封止の際にレーザ光等で熱を加えた場合に、溶融されやすい第1の金属材料を溶融させ、溶融されにくい第2の金属材料を少なくとも一部溶融されない状態で残すことができる。これにより、第2の金属材料の溶け残った一部が、貫通孔とパッケージ内部とを連絡する箇所をせき止めて塞ぎ、パッケージ内に侵入した溶融金属がパッケージ内部の圧電振動片に付着することを防止できる。また、溶融した金属材料は、貫通孔に充填されることで、パッケージを気密に封止する。これにより、圧電振動片の振動周波数が変動することを有効に防止することができる。
この方法で使用する貫通孔に充填するための封止材は、レーザ光等の照射前に第1の金属材料と第2の金属材料が一体となっていても、一体となっていなくてもよい。また、一体となっていない場合には、各第1の金属材料と第2の金属材料を構成する個数が同じでも、違っていてもよい。
請求項1の発明は、前記封止材が球形の封止材でなり、この球形の封止材の中心部に前記第1の金属材料を配置し、この第1の金属材料の外側に第2の金属材料を配置したことを特徴とする。
請求項1の構成によれば、球形の封止材は、第1の金属材料と外側の第2の金属材料が一体で取扱いがしやすく、転動させて、前記貫通孔に入れることが容易である。
【0023】
請求項2の発明は、圧電振動片を内部に支持固定したパッケージに、蓋体を固定した圧電デバイスの封止方法であって、前記パッケージの底部に形成された貫通孔に対して、低融点金属による第1の金属材料と、第1の金属材料よりも融点が高い第2の金属材料を用いて形成した第2の金属材料でなる封止材を配置し、真空雰囲気内あるいは不活性雰囲気内で前記封止材に対して、レーザ光を照射して溶融することにより、前記貫通孔を塞ぐようにし、前記封止材が偏平なプレート状もしくはタブレット状に形成され、前記偏平な封止材が、一面に第1の金属材料が、他面に第2の金属材料が露出するように形成されており、前記貫通孔の中で、前記他面がパッケージ内部に向くように配置されることを特徴とする圧電デバイスの封止方法である。
請求項2の構成によれば、封止材が偏平なプレート状もしくはタブレット状であると、貫通孔に挿入した後は、姿勢が安定して、貫通孔内で保持されやすい。
【0024】
請求項2の発明は、前記偏平な封止材が、一面に第1の金属材料が、他面に第2の金属材料が露出するように形成されており、前記貫通孔の中で、前記他面がパッケージ内部に向くように配置されることを特徴とする。
請求項2の構成によれば、パッケージ側に向いた封止材の他面が溶融されにくくなり、パッケージ内部に侵入しにくくなる。これに対して、封止材の一面側は溶融されやすく、溶融した材料が貫通孔に付着して、貫通孔内に容易に充填されることになる。
【0025】
請求項3の発明は、封止材が円錐形状もしくは角錐形状とされており、その頂部に前記第2の金属材料が、その基部側に前記第1の金属材料が配置され、前記貫通孔の中で、前記頂部がパッケージ内部に向くように配置されることを特徴とする。
請求項3の構成によれば、前記封止材は、その形状が円錐形状もしくは角錐形状である。すなわち、封止材の形状としては、幅の広い基部から、先端に向けて次第に縮幅されて頂点にいたる形状であればよい。このため、封止材は、断面がテーパ状の一番幅の狭い箇所である頂部をパッケージ内側に向けて、前記貫通孔内に挿入することで、封止材の貫通孔への挿入が容易となる。
そして、前記封止材が貫通孔内に挿入された状態では、基部がパッケージの外側に向いていることから、この部分が前記第1の金属材料で形成され、頂部が第2の金属材料で形成されていると、レーザ光は、基部の第1の金属材料に照射されることから、頂部の第2の金属材料は溶け残りやすく、溶け残った第2の金属材料が貫通孔を堰となって塞ぎ、溶融した金属材料がパッケージ内に侵入することを有効に防止することができる。
【0026】
請求項4の発明は、貫通孔が、所定の内径を備える内側の第1の貫通孔と、この第1の貫通孔と連続して設けられると共に、前記第1の貫通孔よりも大きな内径を備えて外側に開口した第2の貫通孔とを有しており、封止材として、前記第1の金属材料と第2の金属材料とで、別々に形成された複数の封止材が使用され、この複数の封止材のうち、少なくとも、第2の金属材料で形成された封止材は、前記第1の貫通孔よりも大きな外形を備えていることを特徴とする。
請求項4の構成によれば、複数の封止材を使用する場合には、第2の金属材料で形成された封止材として、前記第1の貫通孔よりも大きな外形を備えるものを使用することで、第2の金属材料で形成された封止材が貫通孔を塞ぎ、その上から適用される第1の金属材料で形成された封止材が、貫通孔内に止まるようにすることができる。次いで、レーザ光により、封止材が溶融されると、第2の金属材料で形成された封止材の少なくとも一部が溶け残って、貫通孔を堰となって塞ぎ、溶融した金属材料がパッケージ内に侵入することを有効に防止することができる。この場合、第2の金属材料で形成された封止材は、円形、球形に限るものではない。
【0027】
請求項4の発明は、前記封止剤として、複数の金属球体が使用され、この複数の金属球体が、前記第1の貫通孔の内径よりも大きな外径を備え、前記第2の貫通孔の内径よりも小さな外径を有する前記第2の金属材料で形成された高融点金属球体と、この高融点金属球体よりも小さな外径でなる複数の低融点金属球体とで形成されており、前記高融点金属球体が前記第1の貫通孔を塞ぐように配置され、その上から複数の低融点金属球体が配置されることを特徴とする。
請求項4の構成によれば、先ず、前記高融点金属球体が前記第1の貫通孔を塞ぐように配置されて、その上から配置される複数の低融点金属球体がパッケー内に落下することを防止する。レーザ光は、複数の低融点金属球体に照射されて、これを溶融させて、貫通孔内に充填させパッケージを気密に封止する。前記高融点金属球体は、その少なくとも一部が溶け残って、貫通孔とパッケージとを連絡する箇所をせき止め、溶融金属がパッケージ内に侵入することを防止する。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の圧電デバイスの第1の実施の形態を示しており、図1はその概略平面図、図2は図1のC−C線概略断面図である。
これらの図において、圧電デバイス30は、圧電振動子を構成した例を示しており、圧電デバイス30は、パッケージ36内に圧電振動片32を収容している。パッケージ36は、例えば、セラミックグリーンシートを成形して焼結した酸化アルミニウム質焼結体等を利用した複数の基板を積層して形成されている。複数の各基板は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した場合に内側に所定の内部空間Sを形成するようにされている。
【0032】
パッケージ36の内部空間S内の図において左端部付近において、内部空間Sに露出して底部を構成するベースとなる積層基板には、Niメッキの上にAuまたはAu合金が施された電極部31,31が設けられている。
この電極部31,31は、外部と接続されて、駆動電圧を供給するものである。この各電極部31,31の上に導電性接着剤43,43が塗布され、この導電性接着剤43,43の上に圧電振動片32の基部51が載置されて、導電性接着剤43,43が硬化されるようになっている。
【0033】
圧電振動片32は、例えば水晶で形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。本実施形態の場合、圧電振動片32は、長方形で、厚みの薄い矩形状に形成された所謂AT振動片が使用されている。
すなわち、圧電振動片32は、パッケージ36側と後述するようにして固定される基部51を有し、先端側が自由端34とされている。
【0034】
圧電振動片32の基部51の導電性接着剤43,43と触れる部分には、駆動電圧を伝えるための引出電極52,52が形成されており、これにより、圧電振動片32は、駆動用電極がパッケージ36側の電極部31,31と導電性接着剤43,43を介して、電気的に接続されている。
この引出し電極52,52は、圧電振動片32の表面に形成された励振電極53と図1に示す接続部52aにより一体に接続されるように形成されて、励振電極に駆動電圧を伝えるためのものである。このため、引出し電極52,52は、後述する圧電振動片32の製造工程において、圧電振動片32の励振電極の形成時に同時に形成される。
また、導電性接着剤43,43は、シリコーン系のバインダーに、絶縁被膜を施した銀の細粒等の導電粒子を含有させて、形成したもので、パッケージ側の電極部31,31にそれぞれ適用されて、上から圧電振動片32の各引出し電極52,52の部分が載置され、軽く荷重をかけて、硬化される。
【0035】
これにより、バインダー内の導電粒子は、互いに接触するとともに、絶縁被覆が剥がれて、導通するようにされ、バインダー成分が接着剤として機能することで、電極部31,31と、圧電振動片32とが電気的に接続され、かつ所定の接着強度で接合される。ここで、シリコーン系接着剤は、特に、衝撃吸収能力が高く、外部から衝撃が加わった場合に、その衝撃が圧電振動片32に伝えられて、圧電振動片32が破壊されることを有効に防止できる。
【0036】
パッケージ36の開放された上端には、例えば、低融点ガラス等のロウ材33を介して、蓋体39が接合されることにより、封止されている。蓋体39は、後述する周波数調整を行うために、光を透過する材料,例えば、ガラスで形成されている。
【0037】
また、パッケージ36の底面のほぼ中央付近には、パッケージ36を構成する2枚の積層基板(図示せず)をそれぞれ貫通する貫通孔37a,37bを形成することにより、一体に貫通した貫通孔37が設けられている。この貫通孔37を構成する2つの貫通孔のうち、パッケージ内部に開口する第1の孔37aに対して、第2の孔である外側の貫通孔37bは、より大きな内径を備えるようにされている。これにより、貫通孔37は段つき開口とされており、好ましくは、第2の孔である貫通孔37bの段部と、貫通孔37bの孔内周面には金属が被覆されている。
【0038】
すなわち、パッケージ36内に圧電振動片32を固定した後で、貫通孔37には、後述するように金属製封止材38が充填されることにより、パッケージ36内を気密状態に封止する。その後、例えば、蓋体39が光透過性の材料で形成されている場合には、この透明な蓋体39を介して、外部からレーザ光L2を圧電振動片32の励振電極53の一部あるいは、励振電極53とは別に形成される周波数調整用の金属被膜に照射し、その一部を蒸散させることにより、質量削減方式の周波数調整を行うことができるようにされている。
【0039】
ここで、図2において貫通孔37に充填されている金属製封止材38は、後述する封止工程において、溶融された後の封止材を示している。この封止材については、後で詳しく説明する。また、第2の貫通孔37bの段部と、貫通孔37bの内周面の金属被覆部は、好ましくは、金属製封止材38と共通の金属または、金属製封止材38に対して濡れ性のよい金属を被覆することで構成することができる。
【0040】
さらに、この実施形態では、パッケージ36を構成する積層基板の最下層の基板には、図において右端部付近に孔を形成することにより、この積層基板の厚みに対応した凹部42が形成されている。この凹部42は、圧電振動片32の自由端34の下方に位置している。これにより、本実施形態では、パッケージ36に外部から衝撃が加わった場合に、圧電振動片32の自由端34が、矢印D方向に変位して振れた場合においても、パッケージ36の内側底面と当接されることを有効に防止されるようになっている。
【0041】
次に、パッケージ36に圧電振動片32を接合して、蓋体39を固定した後、パッケージ36の貫通孔37を封止する方法(以下、「孔封止」という)の実施形態を説明する。
図3において、チャンバー13内には、ヒータ等を内蔵した加熱手段14と、加熱手段14の上に配置されたプレート15が備えられている。
圧電デバイス30は、プレート15上に、図示するように、蓋体39が、加熱手段14からの熱を伝えるプレート15上に接するようにして載置されており、ロウ材33を介して、パッケージ36が、図2とは上下の位置を逆にして載せられている。
【0042】
先ず、チャンバー13内にて真空雰囲気内あるいは窒素等の不活性雰囲気内で、所定の温度プロファイルに従って、加熱手段14を駆動し、蓋体39を介してロウ材33を加熱溶融することで、パッケージ36と蓋体39を接合する。この際、例えば、真空雰囲気内でパッケージ36と蓋体39とを接合する場合には、パッケージ36を介して、導電性接着剤43に伝えられる熱により、ガスが生じても、生じたガスは貫通孔37からチャンバー13内に排出される。
ここで、チャンバー13内に不活性雰囲気を形成する場合には、窒素,アルゴン,ヘリウム等が利用できる。このうち、窒素は最もコストが安く入手でき、取り扱いも容易である。しかも窒素は広く種々の用途に利用されており、特別な施設あるいは設備を要しない利点がある。
【0043】
次に、孔封止の工程を実行する。
図3に示されているように、貫通孔37に、溶融前の封止材63が載置される。この実施形態の場合は、溶融前の封止材63は、球形である。溶融前の封止材63は、その外径が、第1の貫通孔37aよりも大きく、第2の貫通孔37bよりも小さく設定されている。
また、溶融前の封止材63は、図3にその断面構造が示されているように、中心部に比較的融点の低い第1の金属材料61を配置し、この第1の金属材料の外側に融点の高い第2の金属材料62を配置した構造とされている。この実施形態の溶融前の封止材63は、溶融前の封止材を一体に形成した例である。
【0044】
ここで、例えば、第1の金属材料61としては、金すず(Au/Sn)、金ゲルマニウム(Au/Ge)、アルミニウム(Al)から選択される少なくともひとつの金属材料が使用される。
これらの金属の融点は、金すずが、摂氏(以下、本明細書で表記される温度は全て摂氏表示とする)284度、金ゲルマニウムが420度、アルミニウムが660度である。
第2の金属材料62としては、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)から選択される少なくともひとつの金属材料が使用される。
これらの金属の融点は、金が、1064.4度、銀が961.9度、ニッケルが1455度、プラチナが1772度である。
【0045】
ここで、第1の金属材料61は、少なくとも、第2の貫通孔37bの内径に充填されて隙間の生じない量だけ必要である。第2の金属材料62は、少なくとも第1の貫通孔37aの内径を塞ぐだけの量が必要である。
そして、第1の貫通孔37aの内径が、0.25mm程度、第2の貫通孔37bの内径が0.55mm程度である。
また、球体でなる溶融前の封止材63は、例えば、球形の第1の金属材料61を、細かい編み目のカゴ内に入れて、電解液中に浸漬し、回転させることにより、バレルメッキの要領で作ることができる。
【0046】
図3において、貫通孔37に配置した溶融前の封止材63に対して、レーザ照射手段17からレーザ光L3を照射する。
レーザ光の条件の一例としては、YAGレーザの基本波(波長1064nm)を用い、1パルス分照射したエネルギー換算で約2ジュールである。
ちなみに、このレーザ光照射条件は、図19で説明したレーザ光L1と同じで、図19の場合は、溶融前の封止材16が全て溶融していた。したがって、例えば、金すずのみを用いた封止材16が貫通孔37内に溶融充填される程度のレーザ光のエネルギーに抑えれば、第2の金属材料62が全て溶融されてしまうことがないことが確認されている。
【0047】
これに対して、図3においては、レーザ光L3を上述の条件で照射することにより溶融前の封止材63は、図4に示すように溶融される。
すなわち、封止材63は、レーザ光L3により全て溶融されずに、第2の金属材料62が、一部溶け残り、貫通孔37の第1の貫通孔37aとパッケージ36内部を連絡する箇所に付着して、第1の貫通孔37aの孔周縁に蓋をするようにせき止める。その上に溶融した第1の金属材料61が載る。この第1の金属材料61は完全に溶融されるため、第2の貫通孔37b内に隙間なく充填されることによりパッケージ36を完全に気密封止する。
【0048】
すなわち、溶融した第1の金属材料61は、第1の貫通孔37aの蓋をする溶け残った第2の金属材料62にせき止められて、パッケージ36内に侵入することがなく、パッケージ36内に侵入した溶融金属がパッケージ36内部の圧電振動片32の表面に付着することを防止できる。これにより、圧電振動片の振動周波数が変動することを有効に防止することができる。また、溶融した第1の金属材料61は、第2の貫通孔37bに充填され、特に、第2の孔37bの段部に、金属被膜が形成されている場合には、段部表面との濡れ性がよいので、付着しやすく、第2の貫通孔37bをより完全にシールすることができる。
【0049】
図5は、孔封止前と、孔封止後の圧電振動片32の振動周波数の分布を調べたグラフである。これらから判明するように、本実施形態の方法によれば、孔封止前(図5(a))と、孔封止後(図5(b))において、振動周波数のばらつきに変化はなく、孔封止が圧電振動片32の振動性能に与える悪影響をほぼ完全に除去することができる。
【0050】
また、本実施形態の溶融前の封止材63は、球形に形成され、第1の金属材料61と外側の第2の金属材料62が一体で取扱いがしやすく、転動させて、貫通孔37内に挿入して、図3のように載置することが容易である。
さらに、溶融前の封止材63に使用される第1の金属材料61と第2の金属材料62は、上述した種類の金属が利用されていることにより、第1の金属材料61は、後述するレーザ光を短時間照射するだけで、容易に溶融され、第2の金属材料62は、第1の金属材料61のいずれのものと比較しても十分高い融点を備えていることから、封止工程において、その少なくとも一部が溶けないように加熱条件等を設定することが容易である。
また、本実施形態の第1の金属材料61及び第2の金属材料62は、いずれも鉛を含有しておらず、使用により環境に鉛による悪影響を与えることがない。
【0051】
図6ないし図13は、本実施形態の孔封止の方法の各変形例を示している。
図6は、第1の変形例を示し、図1ないし図4で使用した符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
図6は、本実施形態の封止方法に使用する溶融前の封止材の第1の変形例を示している。図6(a)に示すように、溶融前の封止材71は、全体として偏平なプレート状もしくはタブレット状に形成されている。
【0052】
この封止材71は、図6(b)に示すように、それぞれ円盤状に形成した第1の金属材料61と第2の金属材料62を接合して一体化することにより形成されている。つまり、封止材71の一面である図において上面に、低融点の第1の金属材料61が、他面である図において下面に、高融点の第2の金属材料62が露出するように形成されている。
【0053】
この第1の金属材料61と第2の金属材料62は、すでに説明した金属材料を用いることができ、形状の相違を除き、上述の実施形態と同じである。
図7は、図3の工程を簡略化して示したものである。第1の変形例の溶融前の封止材71は、図7に示されているように、パッケージ36の貫通孔37に載置される。
すなわち、溶融前の封止材71にあっては、一面に第1の金属材料61が、他面に第2の金属材料62が露出するように形成されているから、貫通孔37の中で、第2の金属材料62が、パッケージ内部に向くように配置される。
次いで、図3で説明した条件により、レーザ光L3を照射することにより、パッケージ36の孔封止を行うことができる。
【0054】
以上により、第1の変形例においても、第1の実施形態で説明した作用効果を全て発揮できると共に、溶融前の封止材71が偏平なプレート状もしくはタブレット状であると、封止作業において、貫通孔37に挿入した後は、姿勢が安定して、貫通孔37内で保持されやすく、封止作業を確実かつ容易に行うことができる。
【0055】
図8は、本実施形態の封止方法に使用する溶融前の封止材の第2の変形例を示し、図1ないし図4で使用した符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
図示されているように、溶融前の封止材75は、その全体の形状が円錐形状もしくは角錐形状である。図示の場合は円錐状に形成したものの例であるが、溶融前の封止材75の形状としては、幅の広い基部から、先端に向けて次第に縮幅されて頂点にいたる形状であれば図示のものに限られない。
【0056】
この封止材75は、円錐台形状に形成した第1の金属材料61と、円錐形状に形成された第2の金属材料62を接合して一体化することにより形成されている。つまり、封止材75の基部側に第1の金属材料61が、頂部側である先端側に第2の金属材料62が露出するように形成されている。
【0057】
図9は、図3の工程を簡略化して示したものである。第2の変形例の溶融前の封止材75は、図9に示されているように、パッケージ36の貫通孔37に載置される。
ここで第1の金属材料61と第2の金属材料62は、すでに説明した金属材料を用いることができ、形状の相違を除き、上述の実施形態と同じである。
次いで、図3で説明した条件により、レーザ光L3を照射すると、溶融前の封止材75が貫通孔37内に挿入された状態では、基部である第1の金属材料61で形成された部分が外側に向いていることから、レーザ光L3は、第1の金属材料61に照射され内側に向いている。頂部の第2の金属材料62は溶け残りやすく、溶け残った第2の金属材料62が第2の貫通孔37bを塞ぎ、溶融した金属材料がパッケージ36内に侵入することを有効に防止することができる。
【0058】
以上により、第2の変形例においても、第1の実施形態で説明した作用効果を全て発揮できると共に、溶融前の封止材75は、断面がテーパ状の一番幅の狭い箇所である頂部をパッケージ内側に向けて、貫通孔37内に挿入することで、封止材75の貫通孔37への挿入が容易となる。
【0059】
図10は、図3の工程を簡略化して示したものであり、パッケージ36の貫通孔37には、第3の変形例に係る溶融前の封止材80が配置されている。
図10において、図1ないし図4で使用した符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0060】
第3の変形例では、溶融前の封止材80として、第1の金属材料61と第2の金属材料62とで、別々に形成された複数の封止材が使用されている。第2の金属材料で形成された封止材62は、高融点金属球体であり、ひとつ使用されており、第1の貫通孔37aよりも大きな外径を備えている。
第1の金属材料で形成された封止材61も、封止材62より小さな外径を有する球形に形成された低融点金属球体である。この低融点金属球体は、複数使用されている。
【0061】
この変形例では、別体に形成された複数の封止材を使用している。このため、第2の金属材料で形成された封止材62として、第1の貫通孔37aよりも大きな外径を備えるものを使用することで、第2の金属材料で形成された封止材62が第1の貫通孔37aを塞ぎ、その上から適用される第1の金属材料で形成された封止材61が、貫通孔37内に止まるようにすることができる。次いで、図3で説明した条件により、レーザ光L3により、封止材が溶融されると、第2の金属材料で形成された封止材62の少なくとも一部が溶け残って、第1の貫通孔37aを堰となって塞ぎ、溶融した金属材料がパッケージ36内に侵入することを有効に防止することができる。このため、第1の金属材料61と第2の金属材料62とで、一体の封止材を形成することなく、第1の実施形態と同様の作用効果を発揮することができる。
【0062】
図11は、図3の工程を簡略化して示したものであり、パッケージ36の貫通孔37には、第4の変形例に係る溶融前の封止材85が配置されている。
図11において、図1ないし図4で使用した符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0063】
この変形例では、第1の実施形態で説明した溶融前の封止材63を潰した形態の封止材85が使用されている。
すなわち、球形の封止材63を潰して、変形してから、貫通孔37に配置することにより、溶融前の封止材85を形成し、図3で説明した条件で、封止材85にレーザ光L3を照射すると、この封止材85の外面にできた亀裂から内部に熱が侵入しやすくなり、内部の第1の金属材料を溶融させやすくすることができる。それ以外の作用効果は、第1の実施形態と同様である。
【0064】
図12及び図13は、それぞれ図3の工程を簡略化して示したものである。
図12は、第5の変形例、図13は、第6の変形例を示し、これらの図において、図1ないし図4で使用した符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0065】
図12の第5の変形例では、溶融前の封止材90として、パッケージ36の第1の貫通孔37aよりも大きな外径を備える球体でなる高融点の第2の金属材料62と、これとは別体に形成されて、その上に載置され、球体をカバーするような形態でなる低融点の第1の金属材料61を備えている。
つまり、球体と非球体の組み合わせにより溶融前の封止材90を形成している。
【0066】
これに対して、図13の変形例では、溶融前の封止材95として、パッケージ36の第1の貫通孔37aよりも大きな外径を備え、第2の貫通孔37bの内径内にほぼ隙間なく収容される偏平な円盤状の高融点の第2の金属材料62と、これとは別体に形成されて、その上に載置され、複数の小さな球体でなる低融点の第1の金属材料61を備えている。
これら第5及び第6の変形例の場合も第1の金属材料61と第2の金属材料62とで、一体の封止材を形成することなく、第1の実施形態と同様の作用効果を発揮することができる。
【0067】
図14は、本発明の圧電デバイスの第2の実施の形態の構成を示す概略断面図である。
図において、圧電デバイス100は、圧電振動片32を用いて、圧電発振器を形成した例を示しており、第1の実施の形態と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0068】
図において、パッケージ105は、その製造の際に、第1の実施形態のパッケージ36よりも多くのセラミックシート等で形成した積層基板を用いて製造されている。パッケージ105には、図14に示すように、中央付近に凹部106が形成されており、その内側底部には、図示しない電極が設けられている。この電極上には、集積回路107が実装されており、集積回路107は、所定の分周回路等を構成していて、圧電振動片32の駆動電極と電気的に接続され、集積回路107から出力された駆動電圧が圧電振動片32に与えられるようになっている。
【0069】
図14に示されているように、圧電デバイス100の貫通孔37には、図3で説明したものと同じ構成の溶融前の封止材63が配置され、第1の実施形態と同様の孔封止方法により封止されるようになっている。また、溶融前の封止材としては、上述した各変形例のいずれのものも利用することができる。
第2の実施形態は以上のように構成されており、第1の実施形態と同様の作用効果を発揮することができる。
【0070】
図15は、本発明の上述した実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図である。
図において、送信者の音声を受信するマイクロフォン308及び受信内容を音声出力とするためのスピーカ309を備えており、さらに、送受信信号の変調及び復調部に接続された制御部としての集積回路等でなるコントローラ301を備えている。
コントローラ301は、送受信信号の変調及び復調の他に画像表示部としてのLCDや情報入力のための操作キー等でなる情報の入出力部302や、RAM,ROM等でなる情報記憶手段303の制御を行うようになっている。このため、コントローラ301には、圧電デバイス30が取り付けられて、その出力周波数をコントローラ301に内蔵された所定の分周回路(図示せず)等により、制御内容に適合したクロック信号として利用するようにされている。このコントローラ301に取付けられる圧電デバイス30は、圧電デバイス30単体でなくても、圧電デバイス30と、所定の分周回路等とを組み合わせた発振器である図13のような圧電デバイス100であってもよい。
【0071】
コントローラ301は、さらに、温度補償水晶発振器(TCXO)305と接続され、温度補償水晶発振器305は、送信部307と受信部306に接続されている。これにより、コントローラ301からの基本クロックが、環境温度が変化した場合に変動しても、温度補償水晶発振器305により修正されて、送信部307及び受信部306に与えられるようになっている。
【0072】
このように、制御部を備えた携帯電話装置300のような電子機器に、上述した実施形態に係る圧電デバイスを利用することにより、振動周波数のばらつきを生じることなく、パッケージが封止された圧電デバイスを使用していることによって、正確なクロック信号を生成することができる。
【0073】
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
本発明の第1及び2の実施形態に使用される圧電振動片は、ATカット振動片として説明しているが、本発明に使用される圧電振動片は、これに限らず、圧電材料で形成された基部と、この基部から平行に延びる一対の振動腕を有する音叉型の振動片を使用してもよい。
また、本発明でいう圧電デバイスは、圧電振動子や圧電発振器等の名称にかかわらず、パッケージ内に圧電振動片の一部を支持固定して収容する全ての製品に適用される。
【0074】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、振動周波数のばらつきを生じることなく、パッケージを封止することができる圧電デバイスの封止方法と、その封止方法が適用される圧電デバイス及びこの圧電デバイスを利用した携帯電話装置及び電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧電デバイスの第1の実施形態を示す概略平面図。
【図2】 図1のC−C線概略断面図。
【図3】 図1の圧電デバイスのパッケージの貫通孔を封止する孔封止工程を示す説明図。
【図4】 図1の圧電デバイスの孔封止後の構成を示す概略断面図。
【図5】 図1の圧電デバイスの振動周波数のばらつきを示すグラフであり、(a)は、孔封止前の周波数偏差を示し、(b)は、孔封止後の周波数偏差を示すものである。
【図6】 図1の圧電デバイスの孔封止に使用される溶融前の封止材の第1の変形例を示し、(a)は概略斜視図、(b)は、理解の便宜のため構成金属材料に分けた分解斜視図。
【図7】 図1の圧電デバイスのパッケージを図6の封止材を用いて孔封止する様子を示す説明図。
【図8】 図1の圧電デバイスの孔封止に使用される溶融前の封止材の第2の変形例を示す概略斜視図。
【図9】 図1の圧電デバイスのパッケージを図8の封止材を用いて孔封止する様子を示す説明図。
【図10】 図1の圧電デバイスのパッケージを第3の変形例に係る溶融前の封止材を用いて孔封止する様子を示す説明図。
【図11】 図1の圧電デバイスのパッケージを第4の変形例に係る溶融前の封止材を用いて孔封止する様子を示す説明図。
【図12】 図1の圧電デバイスのパッケージを第5の変形例に係る溶融前の封止材を用いて孔封止する様子を示す説明図。
【図13】 図1の圧電デバイスのパッケージを第6の変形例に係る溶融前の封止材を用いて孔封止する様子を示す説明図。
【図14】 本発明の圧電デバイスの第2の実施形態を示す概略断面図。
【図15】 本発明の各実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図。
【図16】 従来の圧電デバイスの一例を示す概略平面図。
【図17】 図11の圧電デバイスのA−A線概略断面図。
【図18】 圧電デバイスの孔封止の検討例示す概略断面図。
【図19】 図18の圧電デバイスの孔封止の方法を示す説明図。
【図20】 図19の圧電デバイスの孔封止の欠点を説明するための図であり、図19のBで示す領域を拡大して示す図。
【図21】 図18の圧電デバイスの振動周波数のばらつきを示すグラフであり、(a)は、図19の孔封止の手法により期待された周波数偏差を示し、(b)は、図19による孔封止後の周波数偏差を示すものである。
【符号の説明】
30,100・・・圧電デバイス、32・・・圧電振動片、36,105・・・パッケージ、37・・・貫通孔(開口)、37a・・・第1の貫通孔、37b・・・第2の貫通孔、38・・・(溶融後の)封止材、39・・・蓋体、42・・・凹部、51・・・基部、61・・・低融点金属による第1の金属材料、62・・・高融点金属による第2の金属材料、63,71,75,80,85,90,95・・・(溶融前の)封止材。

Claims (4)

  1. 圧電振動片を内部に支持固定したパッケージに、蓋体を固定した圧電デバイスの封止方法であって、
    前記パッケージの底部に形成された貫通孔に対して、低融点金属による第1の金属材料と、第1の金属材料よりも融点が高い第2の金属材料を用いて形成した第2の金属材料でなる封止材を配置し、
    真空雰囲気内あるいは不活性雰囲気内で前記封止材に対して、レーザ光を照射して溶融することにより、前記貫通孔を塞ぐようにし、
    前記封止材が球形の封止材でなり、この球形の封止材の中心に前記第1の金属材料を配置し、この第1の金属材料の外側に第2の金属材料を配置したことを特徴とする圧電デバイスの封止方法。
  2. 圧電振動片を内部に支持固定したパッケージに、蓋体を固定した圧電デバイスの封止方法であって、
    前記パッケージの底部に形成された貫通孔に対して、低融点金属による第1の金属材料と、第1の金属材料よりも融点が高い第2の金属材料を用いて形成した第2の金属材料でなる封止材を配置し、
    真空雰囲気内あるいは不活性雰囲気内で前記封止材に対して、レーザ光を照射して溶融することにより、前記貫通孔を塞ぐようにし、
    前記封止材が偏平なプレート状もしくはタブレット状に形成され、
    前記偏平な封止材が、一面に第1の金属材料が、他面に第2の金属材料が露出するように形成されており、前記貫通孔の中で、前記他面がパッケージ内部に向くように配置されることを特徴とする圧電デバイスの封止方法。
  3. 圧電振動片を内部に支持固定したパッケージに、蓋体を固定した圧電デバイスの封止方法であって、
    前記パッケージの底部に形成された貫通孔に対して、低融点金属による第1の金属材料と、第1の金属材料よりも融点が高い第2の金属材料を用いて形成した第2の金属材料でなる封止材を配置し、
    真空雰囲気内あるいは不活性雰囲気内で前記封止材に対して、レーザ光を照射して溶融することにより、前記貫通孔を塞ぐようにし、
    前記封止材が円錐形状もしくは角錐形状とされており、その頂部に前記第2の金属材料が、その基部側に前記第1の金属材料が配置され、前記貫通孔の中で、前記頂部がパッケージ内部に向くように配置されることを特徴とする圧電デバイスの封止方法。
  4. 圧電振動片を内部に支持固定したパッケージに、蓋体を固定した圧電デバイスの封止方法であって、
    前記パッケージの底部に形成された貫通孔に対して、低融点金属による第1の金属材料と、第1の金属材料よりも融点が高い第2の金属材料を用いて形成した第2の金属材料でなる封止材を配置し、
    真空雰囲気内あるいは不活性雰囲気内で前記封止材に対して、レーザ光を照射して溶融することにより、前記貫通孔を塞ぐようにし、
    前記貫通孔が、所定の内径を備える内側の第1の貫通孔と、この第1の貫通孔と連続して設けられると共に、前記第1の貫通孔よりも大きな内径を備えて外側に開口した第2の貫通孔とを有しており、
    前記封止材として、前記第1の金属材料と第2の金属材料とで、別々に形成された複数の封止材が使用され、
    この複数の封止材のうち、少なくとも、第2の金属材料で形成された封止材は、前記第1の貫通孔よりも大きな外形を備え、
    前記封止材として、複数の金属球体が使用され、
    この複数の金属球体が、前記第1の貫通孔の内径よりも大きな外径を備え、前記第2の貫通孔の内径よりも小さな外径を有する前記第2の金属材料で形成された高融点金属球体と、この高融点金属球体よりも小さな外径でなる複数の低融点金属球体とで形成されており、
    前記高融点金属球体が前記第1の貫通孔を塞ぐように配置され、その上から複数の低融点金属球体が配置されることを特徴とする圧電デバイスの封止方法。
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