JP3969131B2 - 圧電振動子とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音叉型の圧電振動片をパッケージに内蔵した圧電振動子とその製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、あるいはページングシステム等の移動体通信機器において装置の小型薄型化がめざましく、それらに用いられる圧電振動子も小型薄型化が要求されている。
【0003】
また、それとともに、装置の回路基板に両面実装が可能な表面実装タイプの圧電振動子が求められている。
【0004】
このような圧電振動子は、例えば、図13に示すように構成されている。
図13において、従来の圧電振動子1は、パッケージ6の内部に、例えば水晶基板から音叉型に形成され、その表面に駆動用の金属電極を形成された圧電振動片2を収容している。
【0005】
パッケージ6は、セラミック製の基板3,4,5を積層して形成されている。各基板3,4,5は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した時に内側に所定の内部空間Sを形成するようにされており、基板4の台座部に導電性の接着剤7等を介して、上述した圧電振動片2の基端部2aが接合固定されており、圧電振動片2の先端部2bは自由端とされている。
そして、パッケージ6の開放された上端には、蓋体9が接合されることにより、封止されている。
【0006】
このような圧電振動子1は、外部からの駆動電圧が、電極11及び導電性接着剤7を介して、圧電振動片2に伝えられると、圧電振動片2の図示しない励振電極からの電圧が圧電材料に伝えられることで、屈曲振動を生じ、所定の周波数で振動することになる。
この所定の周波数を外部に取り出すことによって、所定の周波数の出力を得ることができるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、圧電振動子1を落とす等して、例えば、外部から衝撃等が加えられると、図13の鎖線で示すように、圧電振動片2の先端部2bが、圧電振動片2の厚み方向に振れて、パッケージ6の底部の内面等に当接する場合がある。
【0008】
図14(a)は、上述の音叉型の圧電振動片2の概略平面図であり、表面の電極は図示が省略されている。図14(b)は、横軸を図14(a)の圧電振動片2の長さ方向に一致させて、この圧電振動片2の一部が欠けたりして、表面の電極等の金属被覆が剥がれた場合に、圧電振動子1の振動周波数に与える影響をプロットしたグラフである。
【0009】
図14(b)によれば、圧電振動片2の基部である基端部2aでは、その一部が欠けたり、損傷したりした場合に生じる周波数変動は小さい。しかし、圧電振動片2の損傷等の箇所が、先端にいくにしたがって、すなわち、先端部2bに近づくにつれて、周波数変動は大きくなっている。
このことから、圧電振動片2のパッケージ2内での振れに関して、特にその先端部の損傷を有効に防止することが必要である。
【0010】
図15は、圧電振動片2のこのような損傷を防止するための試みにより考えられる圧電振動子の構成例を示している。
図15において、圧電振動子20は、パッケージ16の積層基板14の台座上には、導電性の接着剤7等を介して、音叉型圧電振動片2の基端部2aが接合固定されており、圧電振動片2の先端部2bは自由端とされている。パッケージ16の開放された上端には蓋体9が接合されることにより封止されている。また、パッケージ16の形状は、図13の圧電振動子1の場合と異なっており、パッケージ16の内側において、圧電振動片2の先端部2bの下側に位置する箇所に凹部12が形成されている。この場合、凹部12は、積層基板14の一部に凹部12と対応する孔を形成することにより設けられている。
【0011】
このような圧電振動子20は、例えば、外部から衝撃等が加えられると、図15の鎖線で示すように、圧電振動片2の先端部2bが、圧電振動片2の厚み方向に振れる。しかしながら、圧電振動子20は、パッケージ16の底部の内面に形成した凹部12を有することにより、凹部12が逃げ領域となって、圧電振動片2の先端部2bは、パッケージ16の底部内面と当接することなく、したがって、この部分が損傷するおそれがないという利点を有している。
【0012】
しかしながら、凹部12を形成したことから、圧電振動片2の厚み方向の振れにより、先端部2bは損傷を受けないようにすることができるが、凹部12の上端部に、圧電振動片2の先端部よりもやや基端側の部分2cが当たってしまうことがある。
【0013】
このような事態においては、2cの部分の損傷も、図14(b)で示すように、やはり周波数性能に影響を与えるので、回避する必要がある。そのため、凹部12を図15の場合よりもさらに大きくすれば、振れにより圧電振動片2が凹部12の上端に当接する箇所をより基端側にすることができるので、有効である。
【0014】
しかしながら、凹部12を単純に大きく形成することができないという問題がある。このことを理解するために、先ず、圧電振動子20の製造方法を説明する。
【0015】
このような圧電振動子20は、例えば、図16のフローチャートで示す工程に従って製造される。
図16において、先ず、パッケージ16を形成するためのセラミックベースと、圧電振動片2を形成するための水晶振動片と、蓋体9とを別々に形成する。
【0016】
パッケージ16の積層基板14の台座上には、露出されている電極上に導電性接着剤7が塗布される(ST1)。これとは別工程で、水晶片に所定の金属被膜により駆動用の電極を設けて圧電振動片2を形成し、錘をさらに付加したり、あるいは除去して所定の周波数に調整する(ST2)。そして、パッケージ16の導電性接着剤7の上に、圧電振動片2の基端部2aを載置して、導電性接着剤7を硬化させることにより、圧電振動片2をマウントする(ST3)。次いで、パッケージ16の開放された上端に蓋体9を接合して封止をする(ST4)。続いて、圧電振動子20を検査工程に送る(ST5)。
【0017】
一方、圧電振動子20においては、周波数性能における高性能化だけでなく、小型化が強く要請されている。例えば、図15において、圧電振動子20の高さHは、従来、2.5mm程度であったものが、圧電振動子20を組み込む機器の小型化にともない、実装スペースの制限から、高さHを例えば0.8mm程度まで小さくしなければならない。このことは、パッケージ16を構成する各積層基板13,14,15の薄型化を必要とする。
【0018】
しかしながら、薄く形成した積層基板14,15に、さらに凹部12を大きく形成することは、パッケージ16の強度を保持する上ではきわめて困難である。
【0019】
本発明の目的は、上述の問題を解決するためになされたものであり、小型に形成しても優れた耐衝撃性能を備えた圧電振動子とその製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、音叉型の圧電振動片を片持ち式に固定して内部に収容するようにしたパッケージとこのパッケージに固定される蓋体とで形成するようにした圧電振動子であって、前記圧電振動片を収容する内部空間を形成する第1の積層基板を有し、前記パッケージ底部は、パッケージ内側の第2の積層基板と、パッケージ外側の第3の積層基板とを有し、前記第2の積層基板は、第1の貫通孔と、前記圧電振動片の自由端に対応する箇所においてパッケージ内部の凹部を形成する開口と、を有し、前記第3の積層基板は、前記第1の貫通孔と重なる箇所に第2の貫通孔を有し、前記第1の貫通孔と第2の貫通孔とからなる段つき開口は、封止材によって封止されており、前記蓋体または前記第2の積層基板に、前記圧電振動片がその厚み方向に振れた時に当接する位置に緩衝部を設けたことを特徴とする、圧電振動子により、達成される。
【0021】
請求項1の構成によれば、パッケージ内に音叉型の圧電振動片を片持ち式に固定しているので、圧電振動片は、パッケージ内において、固定されていない自由端側は、外部からの衝撃等によりパッケージ内で振れる構造である。ここで、音叉型の圧電振動片は、自由端側の先端にいくほど損傷した場合の周波数性能のずれが大きくなる。
【0022】
そこで、圧電振動片の自由端側に対応する箇所に凹部を形成することで、圧電振動片が外部からの衝撃で振れた時に、この凹部が圧電振動片の先端部との当接を回避するための逃げ部を構成し、圧電振動片の先端部が損傷することを防止することができる。しかも、圧電振動片がその厚み方向に振れた時に当接する位置に緩衝部が設けられていることにより、圧電振動片は緩衝部に当たることで、圧電振動片の先端部に準じる位置、すなわち、圧電振動片の先端部よりは基端側ではあるが、損傷すると、周波数性能に比較的大きな影響を与える個所が、パッケージに当接して損傷することも防止される。
【0023】
請求項2の発明は、さらに、前記第2の積層基板の前記開口の周縁部に前記緩衝部が設けられていることを特徴とする。
【0024】
請求項2の構成によれば、前記圧電振動片が、外部からの衝撃により、パッケージ底部側に振れたときに、緩衝部に当接して、衝撃を有効に吸収することができる。
【0025】
請求項3の発明は、請求項1または2のいずれかの構成において、前記蓋体の内面に前記緩衝部が設けられていることを特徴とする。
【0026】
請求項3の構成によれば、前記圧電振動片が、外部からの衝撃により、蓋体側に振れたときに、緩衝部に当接して、衝撃を有効に吸収することができる。
【0027】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成において、前記パッケージの前記凹部内に前記緩衝部が設けられていることを特徴とする。
【0028】
請求項4の構成によれば、前記圧電振動片が、外部からの衝撃により、凹部が配置された側に振れた時に、圧電振動片の先端部が、凹部内の緩衝部に触れることで、その衝撃が有効に吸収される。
【0029】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの構成において、前記圧電振動片の前記パッケージ側に固定するための固定領域を有する基端部から平行に延びる複数の振動腕に、長手方向に沿って延びる長溝を備えることを特徴とする。
【0030】
請求項5の構成によれば、振動腕には長溝が形成されているため、振動腕内で電界が効率よく発生して、圧電振動片の電界効率を高めることができる。そして、圧電振動片の電界効率が高まると、CI値(クリスタルインピーダンス値)を低く抑えることができる。
そして、振動腕には長溝が設けられているため、振動腕の重量が軽くなり、圧電振動片が外部からの衝撃で振れた場合であっても、振動腕の変位量が小さくなる。また、圧電振動片のCI値を従来と同様のCI値に合わせて形成した場合には、振動腕の長さは従来より短くてすみ、振動腕が変位する量は低下する。
これにより、請求項1ないし4と同様の作用を発揮し、さらに圧電振動片の先端部よりは基端側ではあるが、損傷すると周波数性能に比較的大きな影響を与える個所が、パッケージに当接することをより効果的に防止して、損傷することを防止する。
【0031】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの構成において、前記基端部は、前記固定領域と前記振動腕との間に、切り欠き部を有することを特徴とする。
【0032】
請求項6の構成によれば、固定領域と振動腕との間に切り欠き部が有るために、振動腕の振動がこの固定領域に伝達し難くなり、CI値(クリスタルインピーダンス値)を低く抑えることができる。
さらに、基端部を切り欠くことで振動腕の重量を軽くすることができる。そうすると、圧電振動片が外部からの衝撃で振れた場合であっても、振動腕が変位する量は低下する。また、従来と同様のCI値に合わせて圧電振動片を形成した場合には、振動腕の長さは短くてすむため、この場合にも振動腕が変位する量は低下する。
これにより、請求項1ないし5と同様の作用を発揮し、さらに圧電振動片の先端部よりは基端側ではあるが、損傷すると周波数性能に比較的大きな影響を与える個所が、パッケージに当接することをより効果的に防止して、損傷することを防止する。
【0033】
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかの構成において、前記蓋体が光透過性の材料により形成されていることを特徴とする。
【0034】
請求項7の構成によれば請求項1ないし6の各作用効果に加えて、蓋体を介して光ビームをパッケージ内に入射させ、圧電振動片の表面に照射させることにより、蓋体を接合後に周波数調整することができる。
【0035】
請求項8の発明は、請求項7の構成において、前記パッケージの底面に封止材を充填するための貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【0036】
請求項8の構成によれば、請求項7の作用効果に加えて、蓋体を接合後に、貫通孔に封止材を充填して、封止を行った後で、蓋体を介して光ビームをパッケージ内に入射させ、圧電振動片の表面に照射させることにより、蓋体を接合後に周波数調整することができる。
【0037】
上記目的は、第2の貫通孔を有するパッケージ外側の第3の積層基板と、前記第2の貫通孔に重なる箇所に設けた第1の貫通孔と圧電振動片の自由端に対応する箇所において内部の凹部を形成する開口とを有する第2の積層基板と、圧電振動片を収容する内部空間を形成する第1の積層基板と、を積層してパッケージを形成する工程と、このパッケージ内において、後でマウントされる圧電振動片が、その厚み方向に振れた時に当接する位置に対応した箇所に緩衝部を形成する工程と、前記パッケージ内に圧電振動片をマウントする工程と、前記パッケージと光透過材料でなる蓋体とを位置決めし封止する工程と、前記前記第1の貫通孔と第2の貫通孔とからなる段つき開口に封止材を配置し、前記封止材を加熱することにより真空雰囲気中で真空封止する工程と、前記蓋体を介して前記圧電振動片にレーザー光を照射することにより周波数調整する工程とを有することを特徴とする圧電振動子の製造方法により達成される。
【0038】
本願にかかる発明は、さらに、緩衝部が、シリンジに充填されたシリコーン接着剤を添付することにより形成されることを特徴とする。
【0039】
請求項11の発明は、請求項10の構成において、前記緩衝部が、シリコーンワニスをシルクスクリーンを用いて塗布することにより形成されることを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明の圧電振動子の第1の実施の形態を示しており、図1はその蓋体を外した状態の概略平面図、図2は図1のA−A線概略断面図である。
【0041】
これらの図において、圧電振動子30は、パッケージ36内に圧電振動片32を収容している。パッケージ36は、セラミックグリーンシートを成形して焼結した酸化アルミニウム質焼結体等を利用した基板33,34,35を積層して形成されている。各基板33,34,35は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した時に内側に所定の内部空間Sを形成するようにされている。
【0042】
ここで各積層基板33,34,35は、特に薄い厚みのものが用いられることにより、圧電振動子30の全体の厚みhは、小型,薄型化の必要から、例えば、0.8mm程度にされている。このため、例えば、積層基板33の厚みh1は0.15mm程度、積層基板34の厚みh2は0.15mm程度、積層基板35の厚みh3は0.25mm程度、後述するロウ材39aの厚みh4は0.10mm程度、蓋体39の厚みh5は0.15mm程度とされている。
【0043】
パッケージ36の内部空間S内の図において左端部付近において、内部空間Sに露出して底部を構成するベースとなる積層基板34の上面には、Au及びNiメッキが施された電極部31,31が図1に示すように所定の間隔を隔てて形成されている。電極部31,31は、外部と接続されて、駆動電圧を供給するものである。この各電極部31,31の上に導電性接着剤43,43が塗布されており、この導電性接着剤43,43の上に圧電振動片32の基端部32aが載置されて、導電性接着剤43,43が硬化されることにより接合されており、自由端32bは自由端とされている。圧電振動片32の基端部32aの導電性接着剤43,43と触れる部分には、駆動電圧を伝えるための引出電極(図示せず)が形成されており、これにより、パッケージ36側の電極部31,31と導電性接着剤43,43を介して、電気的に接続されている。
【0044】
圧電振動片32は、例えば水晶で形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。本実施形態の場合、圧電振動片32は、基端部32aから図において右方に向けて、二股にわかれて平行に延びる一対の振動腕が形成された、所謂、音叉型圧電振動片が利用されている。この圧電振動片32は、図13で説明したものと同様に、その表面に駆動電圧を伝える励振電極(図示せず)が形成されている。
【0045】
パッケージ36の開放された上端には、低融点ガラス等のロウ材39aを介して、蓋体39が接合されることにより、封止されている。蓋体39は、後述する周波数調整を行うために、光透過性の材料,例えば、ガラスで形成されている。
【0046】
また、パッケージ36の底面のほぼ中央付近には、積層基板33及びその上の積層基板34に連続する貫通孔37a,37bを形成することにより、開口37が設けられている。この開口37を形成する貫通孔のうち、パッケージ内部に開口する第1の孔37bに対して、第2の孔である外側の貫通孔37aは、より大きな内径を備えるようにされている。これにより、開口37は段つき開口とされており、好ましくは、第2の孔である貫通孔37aの段部と、貫通孔37aの孔内周面には金属が被覆されている。
【0047】
ここで、金属製封止材38としては、例えば、金(Au)と錫(Sn)による合金が用いられ、第2の孔37aの段部と孔内周面の金属被覆部には、ニッケルメッキによる下地層の上に金メッキを被覆した構成が適している。
【0048】
さらに、この実施形態では、パッケージ36を構成する積層基板34の図において右端部付近に孔を形成することにより、この積層基板34の厚みに対応した凹部42が形成されている。この凹部42は、圧電振動片32の自由端32bの下方に位置しており、図15で説明した場合と同様に機能して、圧電振動片32の自由端32bが矢印方向に振れた場合に、パッケージ36の内側底面と当接されることを有効に防止している。
【0049】
また、パッケージ36の空間S内において底部の内側に緩衝部41が設けられている。この緩衝部41は、圧電振動片32がその厚み方向に振れた時に当接する位置として、本実施形態では、図示されているように、パッケージ36の底部の内側において、凹部42の開口周縁部であって、圧電振動片32の基端部32a寄りの位置に配置されている。
【0050】
この緩衝部41は、衝撃を吸収する材料であって、圧電振動片32と当接しても悪影響を与えず、製造工程において採用しやすい材料で形成されており、例えば、シリコーン等の接着剤として供給されて、硬化してゴム状となるものや、ウレタンゴム等のウレタン系材料や天然ゴム等を使用することができる。そして無機系材料の弾性材を用いると、製造工程において熱が作用した場合にも有害なガスを放出することなく好ましい。緩衝部41を形成するための弾性材料の適用方法としては、例えば、接着剤の形態のものをシリンジを用いて塗布したり、シリコーンを溶剤に溶かしたもの,例えば、シリコーンワニス等をスクリーン印刷に用いるシルクスクリーン等を用いて塗布するようにしてもよい。
【0051】
本実施形態は以上のように構成されており、パッケージ36内に音叉型の圧電振動片32が片持ち式に固定されている。このため、例えば、圧電振動子30を落としたりした場合には、圧電振動片32は、パッケージ36内において、固定されていない自由端32bが、パッケージ36内で図2の矢印に示す方法に振れる場合がある。
【0052】
しかしながら、圧電振動子30においては、そこで、圧電振動片32の自由端32bに対応する箇所に凹部42が形成されているので、この凹部42が圧電振動片32の自由端32bとの当接を回避するための逃げ部となって、圧電振動片32の自由端32bが損傷することを防止することができる。
【0053】
しかも、圧電振動片32がその厚み方向(図2の矢印の方向)に振れた時に当接する位置に緩衝部41が設けられている。このため、圧電振動片32は緩衝部41に当たることで、圧電振動片32の自由端32bに準じる位置、すなわち、図1において、圧電振動片32の自由端32bよりは基端側ではあるが、損傷すると、周波数性能に比較的大きな影響を与える個所32cが、パッケージ36に当接して損傷することも防止される。
【0054】
図3は、図1及び図2の圧電振動子30の製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0055】
図3の製造方法は、図16で説明した製造方法と比較すると、緩衝部41を形成する工程(ST10)、封止材である金属を充填する工程(ST15)、振動周波数を調整する工程(ST16)が追加されている点等が異なっている。
【0056】
図3において、先ず、パッケージ36を形成するためのセラミックベースと、圧電振動片32を形成するための水晶振動片と、蓋体39とを別々に形成するようにされている。
【0057】
ここで、パッケージ36は、上述したように、セラミックグリーンシートを成形して焼結した酸化アルミニウム質焼結体等を利用した基板33,34,35を積層して形成されている。すなわち、基板33は、貫通孔37aに対応した孔を形成するように成形され、その上に重ねる基板34は、貫通孔37bと凹部41に対応した各孔を形成するように成形され、その上に重ねられる基板35は、内部空間Sに対応した孔を形成するように成形されて、焼成される。次いで、必要な電極パターンに対応した金属被膜が設けられた後で、緩衝部41が形成される(ST10)。
【0058】
この緩衝部41の形成は、上述したように、例えば、接着剤の形態のものをシリンジを用いて塗布したり、シリコーンを溶剤に溶かしたもの,例えば、シリコーンワニス等をスクリーン印刷に用いるシルクスクリーン等を用いて塗布するようにしてもよい。そして、必要により加熱して材料を硬化させて、緩衝部41を図1及び図2に示す形態になるように形成する。
【0059】
次いで、パッケージ36の積層基板34に露出されている電極上に導電性接着剤43が塗布される(ST11)。これとは別工程で、水晶片に所定の金属被膜により駆動用の電極や錘となるものを設けて圧電振動片32を形成し、さらに錘を付加したり、あるいは除去してほぼ所望とする周波数にまで粗調する(ST12)。そして、パッケージ36の導電性接着剤43の上に、圧電振動片32の基端部32aを載置して、導電性接着剤43を硬化させることにより、圧電振動片32をマウントする(ST13)。
【0060】
次に、低融点ガラス等のロウ材39aを用いて、ガラス製の蓋体39を接合する(ST14)。
【0061】
続いて、例えば、真空環境下で、開口37に、封止材である金属を充填する(ST15)。具体的には、例えば、図2のパッケージ36を、図2の上下の方向を逆にして、すなわち、逆さの状態として、この開口37に外部から金属製の封止材38を載置する。そして、この封止材38に対して、例えばレーザー光を照射したり、加熱手段と接続されたピン等を接触させたりして、封止材38を加熱溶融すると、この開口37の第2の孔37aの段部と孔内周面には金属被覆部が存在することから、溶融金属は第2の孔37aの内部に濡れ広がる。これに対して、第1の孔37bは、第2の孔37aより小径であり、金属被覆部も存在しないことから、溶融金属は第1の孔37b内には容易に侵入しない。このため、溶融金属が冷えると、封止材38は第2の孔37aの内周面と段部とに好適に接合し、十分な接合面積でこの第2の孔37aを塞ぐので、パッケージと外部とは完全にシールされる。また、第1の孔37bには、溶融金属が殆ど侵入しないから、パッケージ36内まで溶融金属が達することがなく、溶融金属がパッケージ36内部の圧電振動片32に付着するおそれがない。ここで用いる封止材38としては、例えば、金(Au)と錫(Sn)による合金が用いられ、形状はペレット状のものや、球体,偏平な円盤状の形態のもの等が使用される。
【0062】
特に、第2の孔37aの内側側面が、奥行き方向に徐々に縮径するような傾斜面で形成されている場合には、球体にした封止材を載置しやすい。
【0063】
さらに、封止後において、圧電振動子30の外部から、ガラス製の蓋体39を透過するようにレーザー光をパッケージ36内に入射させ、このレーザー光を圧電振動片32の先端付近の電極の一部もしくは金属被覆部に照射し、金属の一部を、レーザー光により蒸発させて、質量削減方式により振動周波数をさらに高くするように調整する(ST16)。最後にこの周波数調整後に圧電振動子30を検査工程に送る(ST17)。
【0064】
このようにして、製造される圧電振動子32は、蓋体39を接合して、開口37に封止用金属38を充填して封止した後で、さらにST16の周波数調整を行っていることから、封止前に周波数調整する場合と比較して、周波数調整後に圧電振動片32が真空に晒されて周囲の条件が変化することがないために、より正確に周波数の合わせ込みがなされる。
【0065】
図4は、圧電振動子の第2の実施形態を示す概略断面図である。
図4において、図1及び図2の圧電振動子30と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0066】
この圧電振動子40において、第1の実施形態と異なるのは、緩衝部41を形成した位置である。すなわち、圧電振動子40では、圧電振動片がその厚み方向に振れた時に当接する位置であって、蓋体39の内面に設けられている。
【0067】
図2で説明したように、圧電振動子の薄型化(低背化)を進めた結果、図4に示されているように、パッケージ36の内部空間Sは極めて小さくなり、圧電振動片32と蓋体39との間も小さなスペースとなっている。このため、圧電振動片32が厚み方向に振れた場合に、蓋体39と当接することも考えられるので、図4に示すように、例えば、第1の実施形態における緩衝部41の上方に対応した位置で、蓋体39の内面に緩衝部41を形成するようにしてもよい。
【0068】
また、第1の実施形態における図1及び図2に示した位置に緩衝部41を設けることに加えて、図4に示すように蓋体39の内面にさらに緩衝部41を設けてもよい。
【0069】
これにより、本実施形態においても、第1の実施形態と同じ作用効果を発揮することができる。
【0070】
図5は、圧電振動子の第3の実施形態を示す概略断面図である。
図5において、図1及び図2の圧電振動子30と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0071】
この圧電振動子50において、第1の実施形態と異なるのは、緩衝部41を形成した位置である。すなわち、圧電振動子50では、圧電振動片がその厚み方向に振れた時に当接する位置であって、凹部42の内側に、緩衝部を形成すべき上述した材料を充填している。
【0072】
これにより、外部から衝撃が加わった時には、圧電振動片32は図5矢印方向に振れた時に、圧電振動片32の自由端端32bは、凹部42に入り、緩衝部41に触れる。このため、第1の実施形態と同様の作用効果を発揮することになる。
【0073】
図6は、圧電振動子の第4の実施形態を示す概略断面図である。
図6において、図1及び図2の圧電振動子30と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0074】
この圧電振動子60において、第1の実施形態と異なるのは、緩衝部41を形成した位置である。すなわち、圧電振動子60では、圧電振動片がその厚み方向に振れた時に当接する位置であって、開口37の第1の孔37bの内側の周縁に相当するパッケージ36の内面に配置されている。
【0075】
これにより、外部から衝撃が加わった時には、圧電振動片32は図6矢印方向に振れた時に、圧電振動片32の基端部32aの付近が緩衝部41に触れる。これにより、圧電振動片32の自由端32bはパッケージ36内面には当接することがなく、周波数変化に比較的影響が少ない基端部32a付近が緩衝部41に当接する。したがって、本実施形態では、第1の実施形態と比べて、より効果的に圧電振動片32の損傷を防止することができる。
【0076】
図7は、圧電振動子の第5の実施形態を示す概略平面図であり、図8は、図7のB−B線概略断面図である。また、図9は、この長溝90の形状を説明するための図であり、図7のC−C線切断端面図である。
これらの図おいて、図1及び図2の圧電振動子30と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0077】
この圧電振動子70において、他の実施形態と異なるのは、圧電振動片32の基端部32aから平行に延びる複数の振動腕32d,32dに長溝90,90を設けた点である。
基端部32aは、圧電振動片32を導電性接着剤43,43によってパッケージ36側と固定した固定領域32fを有する。
長溝90,90は、圧電振動片32の電界効率を高めるためのものである。具体的には、長溝90,90は、各振動腕32d,32dの長手方向に延びるように設けられている。また、長溝90,90は振動腕32d,32dの上面および下面に設けられており、図9に示すように、長溝90,90を設けた振動腕32d,32dの断面形状が略H型となっている。
【0078】
このような長溝90,90を設けることで、振動腕32d,32dに厚みが薄い箇所が形成され、振動腕32d内の電界が、例えば図9において左右の両端側に形成された縦方向に延びる各壁部の厚み方向Eに沿って、効率よく発生することとなり、圧電振動片32の電界効率を高めることができる。
したがって、長溝90を設けることで、圧電振動片32のCI値(クリスタルインピーダンス値)を他の実施形態のCI値と比べて低く抑えることができる。また、図9においては、外部からの駆動電圧を電極31及び導電性接着剤43を介して振動腕32dに伝えるための図示しない励振電極と接続された電極48を、長溝90の内壁面46bと振動腕32dの左右の側壁面46aに配置し、さらに振動腕32d内の電界を効率よく発生させて、より圧電振動片32のCI値を低く抑えている。
【0079】
ここで、振動腕32d,32dに長溝90,90を設けたことで、振動腕32d,32dの重量は軽くなる。そのため、外部からの衝撃で振動腕32d,32dが振れた場合であっても、振動腕32d,32dの変位量は小さくなる。
また、圧電振動片32のCI値を他の実施形態と同様のCI値となるように形成した場合には、振動腕32d,32dの長さは他の実施形態と比べて短くてもすむ。そうすると、外部からの衝撃で振動腕32d,32dが振れた場合に、振動腕32d,32dの変位量はさらに小さくなる。
【0080】
図10は、図7で説明した第5の実施形態に係る音叉型の圧電振動片32の先端変位量を、従来品と比べて示すグラフである。
この場合、図7に示す長溝90,90の長手方向の長さL1を、振動腕32d,32dの長さL2の約50%とし、また、図9に示す長溝90,90の幅W2を、振動腕32d,32dの幅W3の約70%とし、長溝90,90の深さD2を振動腕32d,32dの厚みD3の約40%とした圧電振動片について測定したものである。
この結果、図10に示すように、長溝90,90を設けた振動腕32d,32dの先端変位量は他の実施形態の先端変位量と比べて20%以下となっている。
【0081】
このように、第5の実施形態においては、他の実施形態の作用効果を発揮し、圧電振動片32が外部からの衝撃で振れた場合であっても、振動腕32dが変位する量は小さくなるため、振動腕32dの先端32bおよび損傷すると周波数性能に比較的大きな影響を与える個所32cが、さらにパッケージに当接することをより効果的に防止して、損傷することを防止する。
【0082】
なお、長溝90については、溝ではなく貫通孔としたり、或いは振動腕32d内の断面形状をV字状等になるように形成してもよい。
【0083】
図11は、圧電振動子の第6の実施形態を示す概略平面図であり、図12は、図11のF−F線概略断面図である。
これらの図において、図7及び図8の圧電振動子70と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0084】
この圧電振動子80において、第5の実施形態と異なるのは、圧電振動片32の基端部32aに切り欠き部若しくはくびれ部32e,32eを設けている点である。
基端部32aは、圧電振動片32のうち一対の振動腕32d,32dを除いた部分であり、導電性接着剤43,43と固定した固定領域32f,32fを有する。
そして、この基端部32aの固定領域32f,32fと振動腕32d,32dとの間において、両端部(図11における上下部)の2箇所に切り欠き部若しくはくびれ部32e,32eを設けている。例えば、図11においては、圧電振動片32の基端部32aの左端部に導電性接着剤43,43と固定した固定領域32f,32fがあり、この固定領域32f,32fよりも振動腕32d側の基端部32aには、基端部32aの幅が縮幅されて形成された切り欠き部32e,32eが設けられ、この切り欠き部32e,32eに隣接して、拡径部32g,32gが一体に形成されており、この拡径部32g,32gから、図において右方に向かって振動腕32d,32dが平行に延びている。
【0085】
第6の実施形態は以上のように構成されており、このため、第6の実施形態の圧電振動子80においては、振動腕32d,32dからの振動が、導電接着剤43で固定された固定領域32fに伝わり難くなるため、振動腕32dのCI値を、第5の実施形態よりも、さらに低くすることができる。
また、基端部32aを切り欠くことで圧電振動片32の質量も低減され、CI値はさらに低く抑えられる。
【0086】
ここで、固定領域32fよりも先端側に切り欠き部32eを設けたことで、圧電振動片32の重量は軽くなり、外部からの衝撃で振動腕32dが振れた場合であっても、振動腕32dの変位量は小さくなる。
また、圧電振動片32のCI値を他の実施形態と同様のCI値となるように形成した場合には、振動腕32dの長さは他の実施形態と比べて短くてもすむ。そして、振動腕32dの長さが短くなると、外部からの衝撃で振動腕32dが振れた場合に、振動腕32dの変位量はさらに小さくなる。
このため、第5の実施形態の作用効果を発揮し、圧電振動片32が外部からの衝撃で振れた場合であっても、振動腕32dの先端32bおよび損傷すると周波数性能に比較的大きな影響を与える個所32cが、さらにパッケージに当接することをより効果的に防止して、損傷することを防止する。
【0087】
本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、緩衝部41は、図示した各位置に限らず、パッケージ36の内面であって、圧電振動片32がその厚み方向に振れた場合に当接するあらゆる位置に配置することができる。また、各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
【0088】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、小型に形成しても優れた耐衝撃性能を備えた圧電振動子とその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧電振動子の第1の実施形態の蓋体を除いた概略平面図。
【図2】 図1のA−A線概略断面図。
【図3】 図1の圧電振動子の製造方法を説明するためのフローチャート。
【図4】 本発明の圧電振動子の第2の実施形態の概略断面図。
【図5】 本発明の圧電振動子の第3の実施形態の概略断面図。
【図6】 本発明の圧電振動子の第4の実施形態の概略断面図。
【図7】 圧電振動子の第5の実施形態を示す概略平面図。
【図8】 図7のB−B線概略断面図。
【図9】 長溝の形状を説明するための図であり、図7のC−C線端面図。
【図10】 第5の実施形態に係る音叉型の圧電振動片32の先端変位量を、従来品と比べて示すグラフ。
【図11】 圧電振動子の第6の実施形態を示す概略平面図。
【図12】 図11のF−F線概略断面図。
【図13】 従来の圧電振動子の構成を示す概略断面図。
【図14】 (a)図13の圧電振動子に使用される音叉型の圧電振動片の概略平面図と、(b)音叉型の圧電振動片の損傷部位に対応した周波数変化を示すグラフ。
【図15】 圧電振動子において、音叉型の圧電振動片の先端部の損傷を防止するための考えられる構成例を示す概略断面図。
【図16】 図15の圧電振動子の製造方法を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
30,40,50,60・・・圧電振動子、32・・・圧電振動片、32a ・・・基端部、32d・・・振動腕、32e・・・切り欠き部、33・・・積層基板、34・・・積層基板、35・・・積層基板、36・・・パッケージ、37・・・開口、38・・・封止材、39・・・蓋体、41・・・緩衝部、42・・・凹部、48・・・電極、90・・・長溝
Claims (10)
- 音叉型の圧電振動片を片持ち式に固定して内部に収容するようにしたパッケージとこのパッケージに固定される蓋体とで形成するようにした圧電振動子であって、
前記圧電振動片を収容する内部空間を形成する第1の積層基板を有し、
前記パッケージ底部は、パッケージ内側の第2の積層基板と、パッケージ外側の第3の積層基板とを有し、
前記第2の積層基板は、第1の貫通孔と、前記圧電振動片の自由端に対応する箇所においてパッケージ内部の凹部を形成する開口と、を有し、
前記第3の積層基板は、前記第1の貫通孔と重なる箇所に第2の貫通孔を有し、
前記第1の貫通孔と第2の貫通孔とからなる段つき開口は、封止材によって封止されており、前記蓋体または前記第2の積層基板に、前記圧電振動片がその厚み方向に振れた時に当接する位置に緩衝部を設けた
ことを特徴とする、圧電振動子。 - 前記第2の積層基板の前記開口の周縁部に前記緩衝部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電振動子。
- 前記蓋体の内面に前記緩衝部が設けられていることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の圧電振動子。
- 前記パッケージの前記凹部内に前記緩衝部が設けられていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の圧電振動子。
- 前記圧電振動片の前記パッケージ側に固定するための固定領域を有する基端部から平行に延びる複数の振動腕に、長手方向に沿って延びる長溝を備えることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の圧電振動子。
- 前記基端部は、前記固定領域と前記振動腕との間に、切り欠き部を有することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の圧電振動子。
- 前記蓋体が光透過性の材料により形成されていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の圧電振動子。
- 第2の貫通孔を有するパッケージ外側の第3の積層基板と、前記第2の貫通孔に重なる箇所に設けた第1の貫通孔と圧電振動片の自由端に対応する箇所において内部の凹部を形成する開口とを有する第2の積層基板と、圧電振動片を収容する内部空間を形成する第1の積層基板と、を積層してパッケージを形成する工程と、
このパッケージ内において、後でマウントされる圧電振動片が、その厚み方向に振れた時に当接する位置に対応した箇所に緩衝部を形成する工程と、
前記パッケージ内に圧電振動片をマウントする工程と、
前記パッケージと光透過材料でなる蓋体とを位置決めし封止する工程と、
前記前記第1の貫通孔と第2の貫通孔とからなる段つき開口に封止材を配置し、
前記封止材を加熱することにより真空雰囲気中で真空封止する工程と、
前記蓋体を介して前記圧電振動片にレーザー光を照射することにより周波数調整する工程と
を有することを特徴とする圧電振動子の製造方法。 - 前記緩衝部が、シリンジに充填されたシリコーン接着剤を塗布することにより形成されることを特徴とする、請求項8に記載の圧電振動子の製造方法。
- 前記緩衝部が、シリコーンワニスをシルクスクリーンを用いて塗布することにより形成されることを特徴とする、請求項8に記載の圧電振動子の製造方法。
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