JP2002359535A - 圧電デバイス - Google Patents

圧電デバイス

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JP2002359535A
JP2002359535A JP2002066134A JP2002066134A JP2002359535A JP 2002359535 A JP2002359535 A JP 2002359535A JP 2002066134 A JP2002066134 A JP 2002066134A JP 2002066134 A JP2002066134 A JP 2002066134A JP 2002359535 A JP2002359535 A JP 2002359535A
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piezoelectric
piezoelectric device
piezoelectric vibrating
lid
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JP2002066134A
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Hideo Endo
秀男 遠藤
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Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】精密な周波数調整が可能で、小型に形成しても
優れた耐衝撃性能を備えた圧電デバイスを提供するこ
と。 【解決手段】複数のセラミック基板を積層して、内部空
間Sを形成するようにしたパッケージ36と、このパッ
ケージ内に収容された圧電振動片32と、前記パッケー
ジの上端に低融点ガラスを介して固定させることにより
パッケージを封止するためのガラス製の蓋体39とを備
えており、少なくとも一部の前記積層基板どうしの間
か、もしくは前記パッケージ上端と前記低融点ガラスと
の間に補強材45a,45bを配置した圧電デバイス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動片をパッ
ケージに内蔵した圧電振動子や圧電発振器等の圧電デバ
イスに係り、特に、丈夫な封止構造を備える圧電デバイ
スの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、HDD(ハード・ディスク・ドラ
イブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等
の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、あるいは
ページングシステム等の移動体通信機器において装置の
小型薄型化がめざましく、それらに用いられる圧電振動
子等の圧電デバイスも小型薄型化が要求されている。
【0003】また、それとともに、装置の回路基板に両
面実装が可能な表面実装タイプの圧電デバイスが求めら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような表面実装タ
イプの圧電デバイスで、特に、その周波数性能を正確に
合わせ込むことができる構造としては、例えば、図14
に示すような構造のものが考えられる。
【0005】図14において、圧電デバイスとしての例
えば圧電振動子1は、パッケージ6の内部に、例えば水
晶基板から音叉型に形成され、その表面に駆動用の金属
電極を形成された圧電振動片2を収容している。
【0006】パッケージ6は、セラミック製の基板3,
4,5を積層して形成されている。各基板3,4,5
は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した時
に内側に所定の内部空間Sを形成するようにされてお
り、基板4に形成した電極4a上に導電性の接着剤7等
を介して、上述した圧電振動片2の基端部2aが接合固
定されており、圧電振動片2の先端部2bは自由端とさ
れている。
【0007】パッケージ6に接合される蓋体9は、例え
ば、ガラスにより形成されている。また、パッケージ6
はその内側において、圧電振動片2の先端部2bの下側
に位置する箇所に凹部12が形成されている。この場
合、凹部12は、積層基板4の一部に凹部12と対応す
る孔を形成することにより設けられている。
【0008】このような圧電振動子1は、例えば、外部
から衝撃等が加えられると、図14の鎖線で示すよう
に、圧電振動片2の先端部2bが、圧電振動片2の厚み
方向に振れる。しかしながら、圧電振動子1は、パッケ
ージ6の底部の内面に形成した凹部12を有することに
より、凹部12が逃げ領域となって、圧電振動片2の先
端部2bは、パッケージ6の底部内面と当接することな
く、したがって、この部分が損傷するおそれがないとい
う利点を有している。
【0009】また、圧電振動子1の製造工程において、
圧電振動片2をパッケージ6内にマウント後において、
この圧電振動片2の電極を構成する金属の一部を、レー
ザ光等により蒸発させて、質量削減方式により振動周波
数を高くするように粗調整される(第1の周波数調
整)。次に、低融点ガラス等のロウ材8を用いて、ガラ
ス製の蓋体9を接合して、パッケージ6を封止する。そ
の後、圧電振動子1の外部から、ガラス製の蓋体9を透
過するようにレーザ光をパッケージ6内に入射させ、こ
のレーザ光を圧電振動片2の先端付近の金属被覆部に照
射し、金属の一部を、レーザ光により蒸発させて、質量
削減方式により振動周波数をさらに高くするように微調
整する(第2の周波数調整)ようにして製造されてい
る。このように、圧電振動子1では、蓋体9を接合した
後で、さらに周波数調整を行っていることから、蓋体9
による封止前に周波数調整する場合と比較して、周波数
調整後に圧電振動片2が真空に晒されて周囲の条件が変
化することがないために、より正確に周波数の合わせ込
みがなされる利点がある。
【0010】この第2の周波数調整は、上述したよう
に、レーザ光を蓋体9を透過させることにより行う必要
から、蓋体9は光透過性の材料,例えばガラスで形成さ
れている。そして、ガラス製の蓋体9を固定するため
に、ロウ材として低融点ガラスが用いられている。
【0011】しかしながら、このような構造において
は、圧電振動子1の側面からの力に対して比較的弱く、
低融点ガラス8にひびがはいってリークする場合がある
ことから、十分な強度を得るために、例えば図14にお
ける封止幅W1を比較的大きくしなければならず、この
封止幅W1は、約400μm程度必要であった。
【0012】このため、封止幅W1を小さくできないこ
とから、圧電振動子1の小型化に制約を生じることにな
る。
【0013】本発明の目的は、上述の問題を解決するた
めになされたものであり、精密な周波数調整が可能で、
小型に形成しても優れた耐衝撃性能を備えた圧電デバイ
スを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、請求項1
の発明によれば、複数のセラミック基板を積層して、内
部空間を形成するようにしたパッケージと、このパッケ
ージ内に収容された圧電振動片と、前記パッケージの上
端に低融点ガラスを介して固定させることによりパッケ
ージを封止するためのガラス製の蓋体とを備えており、
少なくとも一部の前記積層基板どうしの間か、もしくは
前記パッケージ上端と前記低融点ガラスとの間に補強材
を配置した圧電デバイスにより、達成される。
【0015】請求項1の構成によれば、封止後に、レー
ザ光を蓋体を透過させることで、精密な周波数調整を行
う構成としている。このため、ガラス製の蓋体を低融点
ガラスをロウ材としてパッケージに固定する構成として
いる。この場合、外部からの力,特に側面からの力に耐
えるように、パッケージの剛性を向上させなければなら
ない。このパッケージ剛性を向上させるため、複数のセ
ラミック基板を積層して層構造のパッケージとして剛性
を向上させるとともに、積層されたセラミック基板の間
に補強材を配置している。あるいは、セラミック基板の
間に補強材をいれなくても、パッケージの上端と蓋体と
の間に補強材を配置することで、蓋体の固定構造を強化
して、丈夫な構造としている。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前記補強材は前記セラミック基板よりも大きなヤン
グ率を備える金属材料でなることを特徴とする。
【0017】請求項2の構成によれば、前記補強材とし
て、パッケージの材料であるセラミック基板よりも大き
なヤング率をもつ材料を選定することにより、パッケー
ジの剛性を向上させることができる。
【0018】請求項3の発明は、請求項2の構成におい
て、前記補強材がタングステンであることを特徴とす
る。
【0019】請求項3の構成によれば、前記補強材とし
て、タングステンを選定することにより、タングステン
のヤング率がセラミックのヤング率より大きいことから
パッケージの剛性を向上させることができる。
【0020】また、上述の目的は、請求項4の発明によ
れば、所定の内部空間を有するセラミック製のパッケー
ジと、このパッケージ内に収容された圧電振動片と、前
記パッケージの上端に低融点ガラスを介して固定させる
ことによりパッケージを封止するためのガラス製の蓋体
とを備えており、前記低融点ガラスと前記パッケージ上
端との間に補強材と緩衝材とを設けた、圧電デバイスに
より、達成される。
【0021】請求項4の構成では、請求項1とは別の構
造により、パッケージの強度を向上させている。つま
り、請求項4では、パッケージ上端と蓋体との間に、ロ
ウ材としての低融点ガラス以外に、パッケージ剛性を向
上させる補強材と、この補強材が加わったことで低融点
ガラスにクラックが入ることを防止するために、緩衝材
を配置したものである。これにより、パッケージと蓋体
との封止構造において、剛性が向上した分、外から加わ
る力に対向できる強度が向上されるとともに、加えられ
た力を緩衝する働きを得ることができる。
【0022】請求項5の発明は、請求項4の構成におい
て、前記補強材は前記セラミック基板よりも大きなヤン
グ率を備える金属材料でなることを特徴とする。
【0023】請求項5の構成によれば、前記補強材とし
て、パッケージの材料であるセラミック基板よりも大き
なヤング率をもつ材料を選定することにより、パッケー
ジの剛性を向上させることができる。
【0024】請求項6の発明は、請求項5の構成におい
て、前記補強材がタングステンであることを特徴とす
る。
【0025】請求項6の構成によれば、前記補強材とし
て、タングステンを選定することにより、タングステン
のヤング率がセラミックのヤング率より大きいことから
パッケージの剛性を向上させることができる。
【0026】請求項7の発明は、請求項4ないし6の構
成において、前記緩衝材が前記セラミック基板より小さ
なヤング率を備える金属材料でなることを特徴とする。
【0027】請求項7の構成によれば、緩衝材として、
前記セラミック基板より小さなヤング率を備える金属材
料を選定することで、スパッタリング等の手法により容
易に緩衝材を形成することができる。また、セラミック
基板より小さなヤング率を備える金属材料を使用するこ
とで、確実に緩衝作用を発揮することができる。
【0028】請求項8の発明は、請求項7の構成におい
て、前記緩衝材が銀(Ag)ロウでなることを特徴とす
る。
【0029】請求項9の発明は、請求項1ないし8の構
成において、前記蓋体が光透過性の材料で形成されてお
り、かつ前記パッケージの底部であって、前記圧電振動
片の自由端側に対応する箇所に凹部が形成されていると
ともに、前記パッケージの底面に封止材を充填するため
の貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【0030】圧電デバイスは、請求項9の構成によれ
ば、例えばパッケージ内に圧電振動片を導電性接着剤で
載置固定した後、ロウ材を用いて蓋体をパッケージと接
合して製造する。そうすると、このロウ材を溶融する際
の熱が導電性接着剤等にも加わって、導電性接着剤等か
らガスが発生し、このガスの成分が圧電振動片に付着し
て振動周波数に悪影響を及ぼすおそれがある。しかし、
パッケージの底面に貫通孔を設けておくことで、このガ
スを貫通孔から取り除くことができる。また、蓋体を接
合した後に、熱処理をして導電性接着剤等からガスを発
生させて、このガスを貫通孔から取り除き、再度ガスが
発生しないようにすることもできる。そうすると、圧電
振動片にガスの成分が付着して振動周波数に悪影響を及
ぼすことを防止することができる。そして、蓋体は光透
過性の材料で形成されているため、上述の貫通孔に封止
材を充填してパッケージを封止した後であっても、レー
ザ光をこの光透過性の蓋体を透過させて、パッケージ内
の圧電振動片の金属被覆部に照射させ、金属の一部をレ
ーザ光により蒸発させて質量削減方式により振動周波数
を調整することができる。なお、圧電振動片の自由端側
に対応する箇所に凹部を形成することで、圧電振動片の
先端部が振れた場合に、この先端部がパッケージの内側
底面と当接されることを有効に防止している。
【0031】請求項10の発明は、請求項1ないし9の
いずれかの構成において、前記圧電振動片の前記パッケ
ージ側に固定するための固定領域を有する基端部から平
行に延びる複数の振動腕に、長手方向に沿って延びる長
溝を備えることを特徴とする。
【0032】請求項10の構成によれば、振動腕には長
溝が形成されているため、振動腕内で電界が効率よく発
生して、圧電振動片の電界効率を高めることができる。
そして、圧電振動片の電界効率が高まると、CI値(ク
リスタルインピーダンス値)を低く抑えることができ
る。また、振動腕に長溝を設けたことで、圧電振動片の
質量も低減され、CI値はさらに低く抑えられる。
【0033】そのため、圧電振動片のCI値を従来と同
様のCI値にした場合には、振動腕の長さを従来よりも
短くすることができるため、圧電振動片を小型化するこ
とができる。そして、このように小型化された圧電振動
片は、従来よりも小型のパッケージに収容することがで
きる。そこで、この小型化されたパッケージの壁の厚み
を、従来のパッケージの壁の厚みと同様としたならば、
小型化されたパッケージの強度は増すこととなる。これ
により、請求項1ないし9と同様の作用を発揮し、さら
にパッケージの剛性を向上する。
【0034】請求項11の発明は、請求項1ないし10
のいずれかの構成において、前記基端部は、前記固定領
域と前記振動腕との間に、切り欠き部を有することを特
徴とする。
【0035】請求項11の構成によれば、固定領域と振
動腕との間に切り欠き部が有るために、振動腕の振動が
この固定領域に伝達し難くなり、CI値(クリスタルイ
ンピーダンス値)を低く抑えることができる。また、基
端部を切り欠くことで圧電振動片32の質量も低減さ
れ、CI値はさらに低く抑えられる。そのため、圧電振
動片のCI値を従来と同様のCI値にした場合には、振
動腕の長さを従来よりも短くすることができるため、圧
電振動片を小型化することができる。そして、このよう
に小型化された圧電振動片は、従来よりも小型のパッケ
ージに収容することができる。そこで、この小型化され
たパッケージの壁の厚みを、従来のパッケージの壁の厚
みと同様としたならば、小型化されたパッケージの強度
は増すこととなる。これにより、請求項1ないし10と
同様の作用を発揮し、さらにパッケージの剛性を向上す
る。
【0036】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明の圧電デ
バイスの第1の実施の形態を示しており、図1はその蓋
体を外した状態の概略平面図、図2は図1のA−A線概
略断面図である。
【0037】これらの図において、圧電デバイス30は
圧電振動子であり、パッケージ36内に圧電振動片32
を収容して構成されている。パッケージ36は、複数の
セラミック基板を積層して形成されており、剛性の高い
丈夫なパッケージ36を構成している。本実施形態で
は、パッケージ36は、例えば、セラミックグリーンシ
ートを成形して焼結した酸化アルミニウム質焼結体等を
利用した基板33,34,35,43を積層して形成さ
れている。各基板33,34,35,43は、その内側
に所定の孔を形成することで、積層した時に内側に所定
の内部空間Sを形成するようにされている。
【0038】パッケージ36の内部空間S内の図におい
て左端部付近において、内部空間Sに露出して底部を構
成するベースとなる積層基板34の上面には、Au及び
Niメッキが施された電極部31,31が図1に示すよ
うに所定の間隔を隔てて形成されている。電極部31,
31は、外部と接続されて、駆動電圧を供給するもので
ある。この各電極部31,31の上に導電性接着剤4
1,41が塗布されており、この導電性接着剤41,4
1の上に圧電振動片32の基端部32aが載置されて、
導電性接着剤41,41が硬化されることにより接合さ
れており、先端部32bは自由端とされている。圧電振
動片32の基端部32aの導電性接着剤41,41と触
れる部分には、駆動電圧を伝えるための引出電極(図示
せず)が形成されており、これにより、パッケージ36
側の電極部31,31と導電性接着剤41,41を介し
て、電気的に接続されている。
【0039】圧電振動片32は、例えば水晶で形成され
ており、水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リ
チウム等の圧電材料を利用することができる。本実施形
態の場合、圧電振動片32は、基端部32aから図にお
いて左方に向けて、二股にわかれて平行に延びる一対の
振動腕が形成された、所謂、音叉型圧電振動片が利用さ
れている。この圧電振動片32は、音叉型に限らず、水
晶を矩形に切り出したATカット振動片等を用いてもよ
い。この圧電振動片32の表面には、駆動電圧を伝える
励振電極(図示せず)が形成されている。
【0040】パッケージ36の開放された上端には、低
融点ガラス等のロウ材44を介して、蓋体39が接合さ
れることにより、封止されている。この低融点ガラスに
よるロウ材44は、パッケージ36の上端面の全周にわ
たって隙間を形成しないように適用され、図1及び図2
の封止幅W2の領域に適用されている。
【0041】蓋体39は、好ましくは、後述する周波数
調整を行うために、光透過性の材料,例えば、ガラスで
形成されている。
【0042】本実施形態では、このガラスの蓋体39と
パッケージ36の上端面には、低融点ガラス44と同様
に全周にわたって補強材45aが適用されている。この
補強材45aは、例えばパッケージ36の上端面に、低
融点ガラス44が適用される幅W2よりも狭い幅で適用
されている。この補強材45aとしては、パッケージ3
6を形成するセラミック材料よりも大きなヤング率を備
えた金属材料が選ばれており、例えば図3の表中にタン
グステンが選択される。これにより、タングステンのヤ
ング率がセラミックのヤング率より大きいことからパッ
ケージ36の剛性を向上させることができる。また、タ
ングステン等の金属材料を補強材45aとして利用する
ためには、パッケージ36の上端にタングステン等の金
属材料を含むペーストをスクリーン印刷等により塗布
し、セラミックと同時に焼成することで、比較的簡単に
形成することができる。
【0043】さらに、本実施形態では、積層基板35と
43の間,すなわち、積層基板35の上端面にも、補強
材45bを適用している。この補強材45bは、補強材
45aと同様の幅で設けられており、これにより、パッ
ケージ36の強度がより向上するようにされている。
【0044】また、パッケージ36の底面のほぼ中央付
近には、積層基板33及びその上の積層基板34に連続
する貫通孔37a,37bを形成することにより、開口
37が設けられている。この開口37は、圧電デバイス
30の製造工程において、後述するようにパッケージ3
6内に発生した不要なガスを取り除くための孔とするこ
とができる。
【0045】この開口37を形成する貫通孔のうち、パ
ッケージ内部に開口する第1の孔37bに対して、第2
の孔である外側の貫通孔37aは、より大きな内径を備
えるようにされている。これにより、開口37は段つき
開口とされており、好ましくは、第2の孔である貫通孔
37aの段部と、貫通孔37aの孔内周面には金属が被
覆されている。ここで、金属製封止材38としては、例
えば、金(Au)と錫(Sn)による合金が用いられ、
第2の孔37aの段部と孔内周面の金属被覆部には、ニ
ッケルメッキによる下地層の上に金メッキを被覆した構
成が適している。
【0046】さらに、この実施形態では、パッケージ3
6を構成する積層基板34の図において右端部付近に孔
を形成することにより、この積層基板34の厚みに対応
した凹部42が形成されている。この凹部42は、圧電
振動片32の先端部32bの下方に位置しており、圧電
振動片32の先端部32bが矢印方向に振れた場合に、
パッケージ36の内側底面と当接されることを有効に防
止している。
【0047】本実施形態は以上のように構成されてお
り、パッケージ36を複数のセラミック基板による積層
基板とすることで、パッケージ36の剛性が向上する。
しかも、先ず、パッケージ36の上端と蓋体39との間
に補強材45aを配置することで、蓋体39の固定構造
を強化して、特に、側面からの衝撃により蓋体39とロ
ウ材44との間にクラック等が生じて、リークが発生す
ることを有効に防止することができる。また、このよう
な封止構造としたことで、図1及び図2に示す封止用の
スペースである封止しろW2は、比較的小さな面積で
も、十分な接合強度を持つことができるから、図9の封
止しろW1と比べて、300μm程度と小さくすること
ができ、その分、圧電デバイス30全体を小型化するこ
とができる。
【0048】また、このように丈夫な封止構造を採用し
てガラス製の蓋体39を封止できることから、このガラ
ス製の蓋体39を利用して、後述するように、封止後に
周波数調整できることにより、周波数を精密に合わせ込
むことができ、製品の性能を向上させることができる。
これに加えて、本実施形態では、積層基板35と43と
の間にも補強材45bを配置したことから、パッケージ
36の強度を、さらに向上させることができる。
【0049】図4は、本発明の第2の実施形態にかかる
圧電デバイス50の概略断面図である。図において、第
1の実施形態をあらわす図1及び図2の符号と共通の符
号を付した個所は同一の構成であるから重複する説明は
省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0050】図4の圧電デバイス50は、パッケージ5
6が積層基板33,34,35の三枚のセラミック基板
により形成されている点が第1の実施形態と異なってい
る。そして、蓋体39の封止構造が以下のように異なっ
ている。
【0051】この場合、パッケージ56の上端には、先
ず補強材55として、タングステンによる金属被覆部5
5が設けられており、その上に緩衝材57が設けられ、
その上に低融点ガラスによるロウ材44を配置して、蓋
体39を固定するようにされている。
【0052】ここで緩衝材57は、補強材55を設け
て、パッケージ56の剛性を向上させているが、外部か
らの力は0にはならないので、例えば、側面からの衝撃
により、低融点ガラス44にクラックを生じたりしない
ように、その力を吸収する機能を発揮するものである。
そのために、緩衝材57としては、セラミック基板より
小さなヤング率を備える金属材料であることが好まし
い。金属材料であると、パッケージ56の上端の補強材
55の上に重ねてロウ付け等により比較的簡単に緩衝材
57を設けることができるからである。
【0053】このような点より、図3を参照すると、緩
衝材57としては、例えば、銀(Ag)ロウが優れてい
ることがわかる。
【0054】本実施形態は、以上のように構成されてお
り、補強材55を備えることから、蓋体39の固定構造
を強化して、特に、側面からの衝撃により蓋体39とロ
ウ材44との間にクラック等が生じて、リークが発生す
ることを有効に防止すること等、第1の実施の実施形態
と共通する作用効果を発揮できるだけでなく、その衝撃
を緩衝材57にて吸収して、低融点ガラス自体にクラッ
クを生じるといった事態も防止することができる。これ
により、第1の実施形態よりも一層強靱な蓋固定構造を
持つことができる。
【0055】ここで、パッケージの製造方法の一例とし
て、第2の実施形態の圧電デバイス50のパッケージ5
6を製造する工程を簡単に説明する。このような圧電振
動子1のパッケージ6は、例えば図5及び図6の概略工
程図に示すように製造される。
【0056】例えば、図5(a)に示すようにセラミッ
ク材料のグリーンシートGを一方向に長いテープ状に成
形する。次に、図5(b)に示すように、シート状の材
料を所定の長さにカットしてテープカット材料G1と
し、これをパッケージを形成するための積層基板の一枚
の単位として使用する。すなわち、図5(c)に示すよ
うに、テープカット材料G1には、必要とされるスルー
ホールを形成し、図5(d)に示すように、スルーホー
ル内に導体金属を充填して、スルーホールの長さ方向に
導電機能をもったVIAホールとする。これにより、複
数枚のテープカット材料G1を重ねた時に、積層方向に
導電機能を付与することができる。
【0057】次いで、図5(e)に示すように、3枚の
テープカット材料G1について、それぞれ異なる加工を
行い、パッケージ6を形成するための積層基板33,3
4,35に対応した機能を付与する。すなわち、テープ
カット材料3Gには、積層基板33とするために開口3
7に対応した穴37aを形成する。テープカット材料4
Gには、積層基板34とするために開口37に対応した
穴37bを形成するとともに、圧電振動片32をマウン
トするための電極等を導電パターンにより形成する。テ
ープカット材料5Gには、積層基板35とするために内
部空間Sと対応した穴を形成し、補強材55としてのタ
ングステンに対応する金属材料を含むペーストをスクリ
ーン印刷を用いて塗布する。
【0058】次に、図6(a)に示すように、テープカ
ット材料3G,テープカット材料4G,テープカット材
料5Gを積層基板33,34,35の積層状態と一致す
るように積層する。そして、図6(b)に示すように、
積層したテープカット材料3G,4G,5Gをさらに所
定の大きさにカットするとともに、個別のパッケージの
形状にそって、材料に縦横のハーフカットCをいれてお
く。次いで、図6(b)にてカットしたテープカット材
料3G,4G,5Gを、図6(c)にて焼成する。次い
で、図4で説明したように、パッケージ56の上端に所
定のマスキング等を施して、金属被覆を設ける。すなわ
ち、補強材の上に被覆できるような形に加工された緩衝
材としての銀ロウのシートをのせ、銀ロウの融点以上に
加熱することにより、被覆し、最後に低融点ガラス44
を配置する。最後に図6(d)に示すように、焼成後の
テープカット材料3G,4G,5Gに予め形成されたハ
ーフカット線の縦横C1,C2にそって切断する。これ
により、図6(e)に示すように、パッケージ56が得
られる。
【0059】図7は、図4の圧電デバイス50の製造方
法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0060】図7において、先ず、パッケージ56を形
成するためのセラミックベースと、圧電振動片32を形
成するための水晶振動片と、蓋体39とを別々に形成す
るようにされている。
【0061】ここで、パッケージ56は、上述したよう
に、セラミックグリーンシートを成形して焼結した酸化
アルミニウム質焼結体等を利用した基板33,34,3
5を積層して形成されている。すなわち、基板33は、
貫通孔37aに対応した孔を形成するように成形され、
その上に重ねる基板34は、貫通孔37bと凹部42に
対応した各孔を形成するように成形され、その上に重ね
られる基板35は、内部空間Sに対応した孔を形成する
ように成形され、次いで、必要な電極パターンに対応し
た金属被膜が設けられた後で焼成される。次に、パッケ
ージ56の積層基板34に露出されている電極上に導電
性接着剤41が塗布される(ST11)。
【0062】これとは別工程で、水晶片に所定の金属被
膜により駆動用の電極を設けて圧電振動片32を形成
し、錘をさらに付加したりあるいは除去してほぼ所望と
する周波数まで粗調整する(ST12)。そして、パッ
ケージ56の導電性接着剤41の上に、圧電振動片32
の基端部32aを載置して、導電性接着剤41を硬化さ
せることにより、圧電振動片32をマウントする(ST
13)。
【0063】次いで、低融点ガラスのロウ材44を用い
て、ガラス製の蓋体39を接合する(ST14)。この
場合、パッケージ56の上端には、補強材55として、
タングステンによる金属被覆部55が設けられており、
その上に緩衝材57が設けられ、その上に低融点ガラス
によるロウ材44を配置して、蓋体39を固定する。し
たがって、補強材55を設けた分だけ、パッケージ56
の剛性が向上するとともに、緩衝材57が外部からの
力,例えば、側面からの衝撃により、低融点ガラス44
にクラックを生じたりしないように、その力を吸収する
機能を発揮する封止構造とすることができる。
【0064】ここで、ロウ材44を用いてガラス製の蓋
体39を接合する際の熱が、パッケージ56内の導電性
接着剤41等にも加わり、導電性接着剤41等からガス
が発生し、このガスの成分が圧電振動片に付着して振動
周波数に悪影響を及ぼすおそれがある。しかし、パッケ
ージ56の底面に貫通孔37a,37bをもって開口3
7が形成されているので、このガスを開口37から取り
除くことができる。あるいは、蓋体39を接合した後
に、熱処理をして導電性接着剤41等からガスを発生さ
せて、このガスを開口37から取り除き、再度ガスが発
生しないようにすることもできる。これにより、圧電振
動片32にガスの成分が付着して振動周波数に悪影響を
及ぼすことを防止することができる。
【0065】続いて、例えば、真空環境下で、開口37
に、封止材である金属を充填する(ST15)。具体的
には、例えば、図4のパッケージ56を、図4の上下の
方向を逆にして、すなわち、逆さの状態として、この開
口37に外部から金属製の封止材38を載置する。そし
て、この封止材38に対して、例えばレーザ光を照射し
たり、加熱手段と接続されたピン等を接触させたりし
て、封止材38を加熱溶融すると、この開口37の第2
の孔37aの段部と孔内周面には金属被覆部が存在する
ことから、溶融金属は第2の孔37aの内部に濡れ広が
る。これに対して、第1の孔37bは、第2の孔37a
より小径であり、金属被覆部も存在しないことから、溶
融金属は第1の孔37b内には容易に侵入しない。この
ため、溶融金属が冷えると、封止材38は第2の孔37
aの内周面と段部とに好適に接合し、十分な接合面積で
この第2の孔37aを塞ぐので、パッケージと外部とは
完全にシールされる。また、第1の孔37bには、溶融
金属が殆ど侵入しないから、パッケージ56内まで溶融
金属が達することがなく、溶融金属がパッケージ56内
部の圧電振動片32に付着するおそれがない。ここで用
いる封止材38としては、例えば、金(Au)と錫(S
n)による合金が用いられ、形状はペレット状のもの
や、球体,偏平な円盤状の形態のもの等が使用される。
【0066】特に、第2の孔37aの内側側面が、奥行
き方向に徐々に縮径するような傾斜面で形成されている
場合には、球体にした封止材を載置しやすい。
【0067】さらに、封止後において、圧電デバイス5
0の外部から、ガラス製の蓋体39を透過するようにレ
ーザ光をパッケージ56内に入射させ、このレーザ光を
圧電振動片32の先端付近の電極の一部もしくは金属被
覆部に照射し、金属の一部を、レーザ光により蒸発させ
て、質量削減方式により振動周波数をさらに高くするよ
うに微調整する(ST16)。最後にこの周波数調整後
に圧電デバイス50を検査工程に送る(ST17)。
【0068】このようにして、製造される圧電デバイス
50は、蓋体39を接合して、開口37に封止用金属3
8を充填して封止した後で、さらにST16の第2の周
波数調整を行っていることから、封止前に周波数調整す
る場合と比較して、周波数調整後に圧電振動片32が真
空に晒されて周囲の条件が変化することがないために、
より正確に周波数の合わせ込みがなされる。
【0069】また、この実施形態においても、第1の実
施形態と同様にパッケージ56を構成する積層基板34
の図4において右端部付近に孔を形成することにより、
この積層基板34の厚みに対応した凹部42が形成され
ている。この凹部42は、圧電振動片32の先端部32
bの下方に位置しており、圧電振動片32の先端部32
bが矢印方向に振れた場合に、パッケージ56の内側底
面と当接されることを有効に防止している。
【0070】ここで、特に音叉型の圧電振動片32の場
合においては、このような当接により損傷する部位が、
圧電振動片32の先端にいくほど極端に周波数性能に影
響する。したがって、外部からの衝撃により、このよう
な周波数性能に影響する損傷を未然に防ぐためには、圧
電振動片32の先端部32bの端部だけでなく、これに
近いより基端側の部位が凹部42の上端周縁に当接する
ことをあわせて防止する必要がある。このためには凹部
42をできるだけ大きく形成すると有効であるが、凹部
42を単純に大きくすることは以下の理由で難しい。
【0071】すなわち、圧電デバイス50(第1の実施
形態の圧電デバイス30でも同様)においては、周波数
性能における高性能化だけでなく、小型化が強く要請さ
れている。例えば、図14において、圧電振動子1の高
さHは、従来、2.5mm程度であったものが、本発明
の圧電デバイスを組み込む機器の小型化にともない、実
装スペースの制限から、圧電デバイス50(第1の実施
形態の圧電デバイス30でも同様)の場合、高さHを例
えば0.8mm程度まで小さくしなければならない。こ
のことは、パッケージ56を構成する各積層基板33,
34,35,43の薄型化を必要とする。
【0072】しかしながら、薄く形成した積層基板3
3,34に開口37を設けた上で、さらに凹部42を大
きく形成することは、パッケージ36の強度を保持する
上ではきわめて困難である。
【0073】この点においても、圧電デバイス30や圧
電デバイス50に補強材や緩衝材を配置して、パッケー
ジの剛性を向上させることは、上述したように、開口3
7を設けた上で小型化することで一層強度が不足する可
能性があるパッケージの強度を向上させる上で極めて大
きな効果がある。
【0074】図8は、本発明の第3の実施形態にかかる
圧電デバイス60の概略断面図である。図において、第
1の実施形態を表す図1及び図2の符号または第2の実
施形態に係る図4の符号と共通の符号を付した個所は同
一の構成であるから重複する説明は省略し、以下、相違
点を中心に説明する。
【0075】図8の圧電デバイス60は、蓋体39の封
止構造が以下のように異なっている。この実施形態で
は、図4の構造と比べて、補強材としてのタングステン
層55と緩衝材としての銀ロウ層57の間に、下から順
次ニッケル(Ni)層61、金(Au)層62を設けて
いる。具体的には、パッケージ56の上端にタングステ
ン層55、その上にニッケル層61、その上に金層6
2、その上に銀ロウ層57、その上に低融点ガラス44
によるロウ材を配置して、蓋体39を封止している。
【0076】このような構成によれば、補強材と緩衝材
を備えることから、第2の実施形態と同様の作用効果を
発揮するだけでなく、さらに多数の接合に関与する層構
造を形成しているので、より応力が分散されて、強靱な
封止構造とすることができる。
【0077】図9は、本発明の第4の実施形態にかかる
圧電デバイス70の概略平面図であり、図10は、図9
のB−B線概略断面図である。また、図11は、長溝9
0の形状を説明するための図であり、図9のC−C線切
断端面図である。これらの図において、図1及び図2の
圧電デバイス30と同一の構成には、共通する符号を付
して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0078】この圧電デバイス70において、他の実施
形態と異なるのは、圧電振動片32の基端部32aから
平行に延びる複数の振動腕32d,32dに長溝90,
90を設けた点である。基端部32aは、圧電振動片3
2を導電性接着剤41,41によってパッケージ66側
と固定した固定領域32f,32fを有する。
【0079】長溝90,90は、圧電振動片32の電界
効率を高めるための溝である。具体的には、長溝90,
90は、各振動腕32d,32dの長手方向に延びるよ
うに設けられている。また、長溝90,90は、振動腕
32d,32dの上面および下面に設けられており、図
11に示すように、長溝90,90を設けた振動腕32
d,32dの断面形状が略H型としている。
【0080】このような長溝90,90を設けること
で、振動腕32d,32dに厚みが薄い箇所が形成さ
れ、振動腕32d内の電界が、例えば図11において左
右の両端側に形成された縦方向に延びる各壁部の厚み方
向Eに沿って、効率よく発生することとなり、圧電振動
片32の電界効率を高めることができる。したがって、
長溝90を設けることで、圧電振動片32のCI値(ク
リスタルインピーダンス値)を他の実施形態のCI値と
比べて低く抑えることができる。また、振動腕32d,
32dに長溝90,90を設けたことで、圧電振動片3
2の質量も低減され、CI値はさらに低く抑えられる。
なお、図11においては、外部からの駆動電圧を電極3
1及び導電性接着剤41を介して振動腕32dに伝える
ための図示しない励振電極と接続された電極48を、長
溝90の内壁面46bと振動腕32dの左右の側壁面4
6aに配置し、さらに振動腕32d内の電界を効率よく
発生させて、より圧電振動片32のCI値を低く抑えて
いる。
【0081】そして、このような圧電振動片32のCI
値を、他の実施形態と同様のCI値となるように形成し
た場合には、振動腕32d,32dの長さを、他の実施
形態と比べて短くすることができるため、圧電振動片3
2を小型化することができる。そして、このように小型
化された圧電振動片32は、従来よりも小型のパッケー
ジ66に収容することができる。そこで、この小型化さ
れたパッケージ66の壁の厚みW5,W6,W7,W8
を、従来のパッケージの壁の厚みと同様としたならば、
小型化されたパッケージ66の強度は増すこととなる。
これにより、第4の実施形態においては、他の実施形態
の作用効果を発揮し、さらにパッケージ66の剛性を向
上させることができる。
【0082】なお、長溝90については、溝ではなく貫
通孔としたり、或いは振動腕32d内の断面形状をV字
状等になるように形成してもよい。
【0083】図12は、本発明の第5の実施形態にかか
る圧電デバイス80の概略平面図であり、図13は、図
12のF−F線概略断面図である。これらの図におい
て、図9及び図10の圧電デバイス70と同一の構成に
は、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違
点を中心に説明する。
【0084】この圧電デバイス80において、第4の実
施形態と異なるのは、圧電振動片32の基端部32aに
切り欠き部若しくはくびれ部32e,32eを設けてい
る点である。基端部32aは、圧電振動片32のうち一
対の振動腕32d,32dを除いた部分であり、導電性
接着剤43,43と固定した固定領域32f,32fを
有する。
【0085】そして、この基端部32aの固定領域32
f,32fと振動腕32d,32dとの間において、両
端部(図12における上下部)の2箇所に切り欠き部若
しくはくびれ部32e,32eを設けている。例えば、
図12においては、圧電振動片32の基端部32aの左
端部に導電性接着剤41,41と固定した固定領域32
f,32fがあり、この固定領域32f,32fよりも
振動腕32d側の基端部32aには、基端部32aの幅
が縮幅されて形成された切り欠き部32e,32eが設
けられ、この切り欠き部32e,32eに隣接して、拡
径部32g,32gが一体に形成されており、この拡径
部32g,32gから、図において右方に向かって振動
腕32d,32dが平行に延びている。
【0086】第5の実施形態は以上のように構成されて
おり、このため、第5の実施形態の圧電デバイス80に
おいては、振動腕32d,32dからの振動が、導電接
着剤41で固定された固定領域32fに伝わり難くなる
ため、振動腕32dのCI値を、他の実施形態よりも、
さらに低くすることができる。また、基端部32aを切
り欠くことで圧電振動片32の質量も低減され、CI値
はさらに低く抑えられる。
【0087】そして、このような圧電振動片32のCI
値を他の実施形態と同様のCI値となるように形成した
場合には、振動腕32dの長さは他の実施形態と比べて
短くすることができるため、圧電振動片32を小型化す
ることができる。そして、このように小型化された圧電
振動片32は、従来よりも小型のパッケージ76に収容
することができる。そこで、この小型化されたパッケー
ジ76の壁の厚みW9,W10,W11,W12を、従
来のパッケージの壁の厚みと同様としたならば、小型化
されたパッケージ76の強度は増すこととなる。これに
より、第5の実施形態においては、他の実施形態の作用
効果を発揮し、さらにパッケージ76の剛性を向上させ
ることができる。
【0088】本発明は上述の実施形態に限定されない。
例えば、蓋体を封止するための接合層としては、蓋体と
パッケージの間に、補強材及び/または緩衝材を設ける
他、いかなる層と組み合わせてもよい。
【0089】さらに、上述の実施形態では、圧電デバイ
スとして圧電振動子の構成を説明したが、パッケージ内
に集積回路を備えた圧電発振器に本発明を適用すること
ができることは明らかである。
【0090】また、各実施形態の各構成はこれらを適宜
組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合
わせることができる。
【0091】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、精
密な周波数調整が可能で、小型に形成しても優れた耐衝
撃性能を備えた圧電デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧電デバイスの第1の実施形態の蓋
体を除いた概略平面図。
【図2】 図1のA−A線概略断面図。
【図3】 所定の材料とヤング率との関係を示す表。
【図4】 本発明の圧電デバイスの第2の実施形態の概
略断面図。
【図5】 図4の圧電デバイスのパッケージの製造工程
を示す概略図。
【図6】 図4の圧電デバイスのパッケージの製造工程
を示す概略図。
【図7】 図4の圧電デバイスの製造方法を説明するた
めのフローチャート。
【図8】 本発明の圧電デバイスの第3の実施形態の概
略断面図。
【図9】 本発明の圧電デバイスの第4の実施形態を示
す概略平面図。
【図10】 図9のB−B線概略断面図。
【図11】 長溝の形状を説明するための図であり、図
9のC−C線端面図。
【図12】 本発明の圧電デバイスの第5の実施形態を
示す概略平面図。
【図13】 図12のF−F線概略断面図。
【図14】 圧電デバイスの構成例を示す概略断面図。
【符号の説明】
30,50,60,70,80・・・ 圧電デバイス、
31・・・電極部、32・・・圧電振動片、32a・・
・基端部、32d・・・振動腕、32e・・・切り欠き
部、33・・・積層基板、34・・・積層基板、35・
・・積層基板、36,56,66,76・・・パッケー
ジ、37・・・開口、38・・・封止材、39・・・蓋
体、41・・・導電性接着剤、42・・・凹部、44・
・・低融点ガラス、45a,45b,55・・・補強
材、57・・・緩衝材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のセラミック基板を積層して、内部
    空間を形成するようにしたパッケージと、 このパッケージ内に収容された圧電振動片と、 前記パッケージの上端に低融点ガラスを介して固定させ
    ることによりパッケージを封止するためのガラス製の蓋
    体と を備えており、 少なくとも一部の前記積層基板どうしの間か、もしくは
    前記パッケージ上端と前記低融点ガラスとの間に補強材
    を配置したことを特徴とする、圧電デバイス。
  2. 【請求項2】 前記補強材は前記セラミック基板よりも
    大きなヤング率を備える金属材料でなることを特徴とす
    る、請求項1に記載の圧電デバイス。
  3. 【請求項3】 前記補強材がタングステンであることを
    特徴とする、請求項2に記載の圧電デバイス。
  4. 【請求項4】 所定の内部空間を有するセラミック製の
    パッケージと、 このパッケージ内に収容された圧電振動片と、 前記パッケージの上端に低融点ガラスを介して固定させ
    ることによりパッケージを封止するためのガラス製の蓋
    体とを備えており、 前記低融点ガラスと前記パッケージ上端との間に補強材
    と緩衝材とを設けたことを特徴とする、圧電デバイス。
  5. 【請求項5】 前記補強材は前記セラミック基板よりも
    大きなヤング率を備える金属材料でなることを特徴とす
    る、請求項4に記載の圧電デバイス。
  6. 【請求項6】 前記補強材がタングステンであることを
    特徴とする、請求項5に記載の圧電デバイス。
  7. 【請求項7】 前記緩衝材が前記セラミック基板より小
    さなヤング率を備える金属材料でなることを特徴とす
    る、請求項4ないし6のいずれかに記載の圧電デバイ
    ス。
  8. 【請求項8】 前記緩衝材が銀(Ag)ロウでなること
    を特徴とする、請求項7に記載の圧電デバイス。
  9. 【請求項9】 前記蓋体が光透過性の材料で形成されて
    おり、かつ前記パッケージの底部であって、前記圧電振
    動片の自由端側に対応する箇所に凹部が形成されている
    とともに、前記パッケージの底面に封止材を充填するた
    めの貫通孔が形成されていることを特徴とする、請求項
    1ないし8のいずれかに記載の圧電デバイス。
  10. 【請求項10】 前記圧電振動片の前記パッケージ側に
    固定するための固定領域を有する基端部から平行に延び
    る複数の振動腕に、長手方向に沿って延びる長溝を備え
    ることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記
    載の圧電振動子。
  11. 【請求項11】 前記基端部は、前記固定領域と前記振
    動腕との間に、切り欠き部を有することを特徴とする、
    請求項1ないし10のいずれかに記載の圧電振動子。
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