JP3920633B2 - ディップ成形用ラテックス及びディップ成形物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディップ成形用ラテックス、特に医療用手袋や電子部品製造時クリーンルームで使用される手袋また指サックなどに要求される、耐油性に優れ、機械的強度が高く、膜厚が均一で、ピンホール、シュリンクおよび表面粘着性がなく、しかも使用に際して肌にソフトな風合いを有するディップ成形物を容易且つ効率的に製造することができるディップ成形用ラテックスおよびそれから得られるディップ成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療、衛生、電子部品製造分野で使用される手袋、指サックなどのディップ成形物は、耐油性、機械的強度に優れ、ピンホールがなく、かつ使用時肌に対する密着性及び感触が良好である必要がある。
ディップ成形物を得る方法としては、一般に木材、ガラス、陶器、金属又はプラスチックなどから作られた型を凝固剤液に浸漬した後、天然ラテックスや合成ゴムラテックスに、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、pH調整剤などを配合したディップ成形用ラテックス組成物に浸漬するアノード凝着ディップ成形法や、型をディップ成形用ラテックス組成物に浸漬した後、凝固剤液に浸漬するティーグ凝着成形法などが知られている。
このディップ成形物における、フィルムの厚さ、ピンホールの有無及び肌に対する良好な密着性やソフトな風合いは大部分、ラテックスおよび凝固剤液の組成に依存してくる。
【0003】
従来ディップ成形用ラテックスは主として天然ゴムラテックス、又は合成ゴムラテックスであるが、得られる成形物が耐油脂性或いは耐有機溶媒性が高いという理由でアクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)ラテックスが好ましく用いられている。また、ディップ成型物が天然ゴムラテックスから作られている場合、使用者にアレルギーを誘発するという理由により、NBRラテックスから作られたディップ成型物の使用がさらに多くなってきた。しかしながらNBRラテックスを用いて作られた成形物は耐油性等に優れているものの、そのガラス転移温度(Tg)が高いため肌に対してソフトな風合いを持たせることは困難である。
【0004】
そこで、NBRラテックス製造時に、ブタジエン等の共役ジエン化合物の使用量を多くしたり、或いは天然ゴムラテックスとブレンドしたり、天然ゴムとNBRを積層するという方法も提案されているが、その場合は成形物が耐油性、或いは耐薬品性に乏しいものとなる。
一方、耐油性に優れ、かつ肌に対してソフトな風合いを有するNBRディップ成形物を得るための方法として、例えば共重合体ラテックスの分子量とメチルエチルケトン不溶分を規定する方法(特開平5−247266号、特開平6−182788号)等が提案されているが、未だ十分にその目的が達成されたとは云えない。
また、同じ目的でゲル分が少なく高分子量のラテックスを用いる方法(特開平5−86110号)等も提案されているが、成形物の色が黄ばみ、白色成形物が求められている医療用のものに対して不適当である。
【0005】
ディップ成型物にとってソフトな風合いとともに重要なことは、ピンホールが存在しないことである。特に成形物が医療用のものである場合、ピンホールの存在は致命的である。このピンホールはディップ成形用ラテックス組成物に気泡が混入していたり、ディップ成形用ラテックス組成物の凝固剤に対する化学的安定性(塩凝固性)が不適当であったり、また、ディップ成形用ラテックス組成物の型に対する濡れ性が不十分である場合などに発生し勝ちである。このような塩凝固性や型に対する濡れ性が不十分である場合は成形物の膜厚が不均一となったり、ピンホールが発生したりする原因となる。
【0006】
また、成形物表面に粘着性が生じないようにすることも重要なことである。この粘着性とはディップ成形物表面のネバツキまたはベトツキにより、成形物同士がくっつく性質を云い、粘着性が生じると成形物の品質は低下し、商品価値が著しく低下することになる。
さらに型をディップ成形用ラテックス組成物に浸漬した後、凝固剤液に浸漬するティーグ凝着成形法などで製造されるディップ成形物では、ディップ成形用ラテックス組成物の凝固剤に対する化学的安定性(塩凝固性)が乏しいとシュリンク(成形物の縮み現象)が起こり、商品価値が著しく低下することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は耐油性、機械的強度に優れ、膜厚が均一でしかも使用者のにソフトな感触(風合い)を与え、ピンホール、シュリンクがなく、成形品の表面に粘着性が生じないディップ成形物が得られるディップ成形用ラテックスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこの課題を解決するために鋭意検討した結果、乳化剤としてアルキル基の炭素数13〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩を少なくとも10重量%含むアルキルベンゼンスルホン酸塩を使用することにより、単量体混合物の乳化重合により得られる共重合体ラテックスが、ディップ成形用ラテックス組成物の型表面への濡れ性、凝固剤に対する化学的安定性(塩凝固性)を高め、さらに成形物が耐油性に優れ、機械的強度が高く、肌に対してソフトな風合いを有し、ピンホールやシュリンクがなく、膜厚が均一で、成型物表面に粘着性もないことを見出し、この知見に基づいてさらに検討を重ねることにより本発明を完成するに到った。
【0009】
すなわち本発明は、
(1)単量体混合物100重量部をアルキル基の炭素数13〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩を少なくとも10重量%含むドデシルベンゼンスルホン酸塩1.0〜7.0重量部および遷移金属塩を含まないレドックス系重合開始剤の存在下に乳化重合して得られるディップ成形用ラテックス、
(2)ドデシルベンゼンスルホン酸塩がアルキル基の炭素数13〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩を少なくとも25重量%含むものである(1)記載のディップ成形用ラテックス、
(3)ドデシルベンゼンスルホン酸塩がアルキル基の炭素数13〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩を少なくとも40重量%含むものである(1)記載のディップ成形用ラテックス、
(4)遷移金属塩を含まないレドックス系重合開始剤が油溶性過酸化物と還元剤とを組み合わせたものである(1)〜(3)に記載のディップ成形用ラテックス、
(5)還元剤がスルホン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩である(4)記載のディップ成形用ラテックス、
(6)スルホン酸のアルカリ金属塩がナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートである(5)記載のディップ成形用ラテックス、
(7)単量体混合物100重量部が、シアン化ビニル系単量体15〜45重量部、共役ジエン系単量体35〜80重量部、エチレン系不飽和カルボン酸0.1〜20重量部、及びこれらの単量体と共重合可能な他のエチレン系不飽和単量体0〜20重量部からなるものである(1)〜(6)のいずれかに記載のディップ成形用ラテックス、
(8)乳化重合が、シアン化ビニル系単量体とそれと共重合可能なエチレン系不飽和単量体とを乳化重合して得られた平均粒子径10〜90nmで、ガラス転移温度(Tg)−50〜50℃であるシード重合物の存在下に行われたれたものである(1)〜(7)のいずれかに記載のディップ成形用ラテックス、
(9)(1)〜(8)のいずれかに記載のディップ成形用ラテックスからディップ成形法により製造されたディップ成形物、
(10)手袋または指サックである(9)記載のディップ成形物、である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のディップ成形用ラテックスの製造方法について説明する。
本発明の共重合体ラテックスを製造するには、アルキル基の炭素数13〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩を少なくとも10重量%含むアルキルベンゼンスルホン酸塩の存在下、単量体混合物を乳化重合すればよく、得られる重合体がゴム状のものであれば、用いられる単量体はどのようなものであってもよい。
本発明において好ましい単量体混合物は、シアン化ビニル系単量体、共役ジエン系単量体およびエチレン系不飽和カルボン酸を含み、さらに必要によりこれらの単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体を含んでなるものである。
【0011】
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−シアノエチルアクリロニトリル、フマロニトリル等のシアノ基を有するビニル単量体を挙げることができる。これらのシアン化ビニル系単量体は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、特にアクリロニトリルが好ましく用いられる。このようなシアン化ビニル系単量体の使用量は、単量体混合物100重量部中、15〜45重量部、好ましくは23〜40重量部である。シアン化ビニル系単量体が15重量部よりも少ないと、得られるディップ成形物の耐油性、耐薬品性が不十分となることがあり、一方、45重量部を超えると、シアン化ビニル系単量体と共役ジエン系単量体との共重合反応が進み難く、シアン化ビニル系単量体のホモポリマーを生成することがある。
【0012】
共役ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン等、従来ラテックスの製造に通常用いられているものを挙げることができる。これらの共役ジエン系単量体は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、特に1,3−ブタジエンが好ましく用いられる。
このような共役ジエン系単量体の使用量は、単量体混合物100重量部中、35〜80重量部、好ましくは45〜70重量部の範囲である。共役ジエン系単量体の使用量が35重量部よりも少ないと、ディップ成形物が硬い風合いのものとなることがあり、反対に80重量部よりも多いと、ディップ成形物の強度が低くなることがある。
【0013】
エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸や、それらの無水物、例えば、マレイン酸メチル、イタコン酸メチルなどの不飽和ジカルボン酸のモノエステル、すなわち半エステルなどを挙げることができる。これらのエチレン系不飽和カルボン酸単量体は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。またこれらのエチレン系不飽和カルボン酸単量体はアルカリ金属塩またはアンモニウム塩としても用いることができる。これらのうち、特に、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく用いられる。
このようなエチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用量は、単量体混合物100重量部中、0.1〜20重量部、好ましくは1〜15重量部、さらに好ましくは3〜7重量部の範囲である。0.1重量部よりも少ないと、ディップ成形物の強度が低下する場合があり、反対に20重量部よりも多いと成形物が硬い風合いのものとなる場合がある。
【0014】
上記単量体以外の共重合可能なエチレン系不飽和単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、などの芳香族ビニル化合物、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのエチレン系不飽和カルボン酸アミド、例えば、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、例えば、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジンなどのエチレン系不飽和アミンなどを挙げることができる。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのエチレン系不飽和単量体の使用量は単量体混合物100重量部中、0〜20重量部であり、好ましくは0〜10重量部である。
【0015】
本発明においては、ディップ成形物に、肌に対してよりソフトな風合を持たせるために単量体の乳化重合に際し、ポリヒドロキシ化合物を添加してもよい。
ポリヒドロキシ化合物の添加時期は、乳化重合開始時あるいは重合途中が好ましい。重合途中に加える場合、モノマーの転化率が高ければ高い程、成型物にソフトな風合いを持たせるという効果が低下する傾向にあるので、好ましくは転化率が70%に達するまでに、さらに好ましくは50%に達するまでに加えるのが適当である。
かかるポリヒドロキシ化合物としては分子量1000以下のポリヒドロキシ化合物が好ましく、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジーオール、ピナコール等のグリコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等の三価アルコール類、エリトリット、ペンタエリトリット、トレイット等の四価アルコール類、ソルビット等の六価アルコール類、蔗糖等の多価アルコール類、その他ポリエーテルポリオール類等が挙げられる。これらのうちグリコール類が好ましく、プロピレングリコールがより好ましい。ポリヒドロキシ化合物の使用量は単量体混合物100重量部当たり1〜10重量部の範囲が好ましく、さらには2〜7重量部の範囲が好ましい。
【0016】
本発明のディップ成形用ラテックスの製造法としては、従来から知られている乳化重合の方法、すなわち、例えば水のような水性媒体中に単量体混合物、重合連鎖移動剤、重合開始剤、乳化剤などを加えて乳化重合を行う方法が挙げられる。
【0017】
重合連鎖移動剤は、一般に乳化重合において知られている通常の連鎖移動剤を用いることができる。
このような連鎖移動剤としては、例えば、2−メルカプトプロピオン酸等のメルカプトモノカルボン酸またはその塩(例えば、メルカプト酢酸アンモニウムなど)、例えば、メルカプトコハク酸などのメルカプトジカルボン酸またはその塩(例えば、メルカプトジカルボン酸塩など)、例えば、2−メルカプトエタノール、などの分子内に水酸基を有するメルカプタン類、例えば、2−メルカプトエチルアミンなどの分子内にアミノ基を有するメルカプタン類、例えば、チオグリコール酸、3,3’−チオジプロピオン酸などの分子内にカルボキシル基を有するモノスルフィド類またはその塩、例えば、β−チオジグリコールなどの分子内に水酸基を有するモノスルフィド類、例えば、チオジエチルアミンなどの分子内にアミノ基を有するモノスルフィド類、例えば、ジチオジグリコール酸、2,2’−ジチオジプロピオン酸、などの分子内にカルボキシル基を有するジスルフィド類またはその塩、例えば、チオジグリコール酸無水物などのようにモノスルフィド類およびジスルフィド類の酸無水物、例えば、D−,L−またはDL−シスチンなどのように分子内にカルボキシル基とアミノ基を有するジスルフィド類、
【0018】
例えば、クロロメタノール、2−クロロエタノール、などの分子内に水酸基を有するハロゲン化炭化水素類、例えば、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、クロロフマル酸、クロロマレイン酸、クロロマロン酸などの分子内にカルボキシル基を有するハロゲン化炭化水素類またはその塩、例えば、クロロマレイン酸無水物などのようにハロゲン化炭化水素類の酸無水物、例えば、ヘキシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、などのモノチオール類、例えば、1,10−デカンジオール、トリグリコールジメルカプタンなどのジチオール、トリメチロールプロパントリスチオグリコレートなどのトリチオール、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、などのテトラチオールなど、分子内に少なくとも2つのメルカプト基を有するポリチオール、例えば、ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、などのキサントゲンジスルフィド、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、などのチウラムジスルフィド、例えば四塩化炭素、四臭化炭素、などのハロゲン化炭化水素、例えば、メルカプト酢酸2−エチルヘキシルエステル、メルカプトプロピオン酸トリデシルエステルなどのメルカプトカルボン酸アルキルエステル、例えば、メルカプト酢酸メトキシブチルエステル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチルエステルなどのメルカプトカルボン酸アルコキシアルキルエステル、例えば、オクタン酸2−メルカプトエチルエステルなどのカルボン酸メルカプトアルキルエステルおよびα−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、アニソール、アリルアルコール等を挙げることができる。
【0019】
これらの連鎖移動剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらのうち、本発明においては、モノチオール、ポリチオール、キサントゲンジスルフィド、チウラムジスルフィド、メルカプト酢酸2−エチルヘキシルエステル、オクタン酸2−メルカプトエチルエステル、メルカプト酢酸メトキシブチルエステル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチルエステル、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン等が好ましく用いられる。これらのうちモノチオールが好ましく、特にt−ドデシルメチルメルカプタンがより好ましく用いられる。
これら連鎖移動剤の使用量は、単量体混合物100重量部あたり、通常、0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜15重量部の範囲であり、最も好ましくは0.2〜10重量部である。
【0020】
重合開始剤としては、共存する還元剤から電子が移行し、ラジカルを発生させるような系、いわゆる酸化剤と還元剤との組み合わせからなるレドックス系重合開始剤が用いられる。
本発明においては、遷移金属塩を含まないレドックス系重合開始剤、特に油溶性過酸化剤と還元剤とを組み合わせたものが好ましい。
酸化剤成分としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3―テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどの10時間の半減期を得るための温度が100℃以上である有機過酸化物が好ましく用いられ、特にクメンハイドロパーオキサイドが好ましく用いられる。
【0021】
本発明において好ましく用いられる遷移金属塩を含まない還元剤成分としては、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜ニチオン酸塩、ニチオン酸塩、チオ硫酸塩、例えばホルムアルデヒドスルホン酸塩、ベンズアルデヒドスルホン酸塩などの還元性スルホン酸塩が挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属や、アンモニウムが好ましい。これらの還元剤の中でホルムアルデヒドスルホキシナトリウムが最も好ましい。またL−アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸などのカルボン酸類、例えばデキストロース、サッカロースなどの還元糖類、例えばジメチルアニリン、トリエタノールアミンなどのアミン類なども用いることができる。
なお、本発明においては硫酸第一鉄、硫酸アンモニウム第一鉄、ナフテン酸第一銅などの鉄、銅、ニッケル、コバルト、クロム、モリブデン、バナジウム、セリウムのような遷移金属の塩なども用いることもできるが、ディップ成形用ラテックス及びディップ成形物に臭気の発生、、着色(黄色)などが見られる場合がある。
【0022】
重合開始剤における酸化剤成分の使用量は、全単量体混合物100重量部当り、通常、0.01〜1.0重量部程度であり、好ましくは0.1 〜0.5重量部程度である。0.01重量部より少ない場合は、重合反応に時間がかかりすぎて実用的でなく、反対に1.0重量部を超えると反応速度が速くなりすぎて反応制御が困難になることがある。
また、酸化剤成分と還元剤成分の比率(酸化剤成分/還元剤成分)は重量基準で通常0.1〜10.0、好ましくは0.2〜5.0である。
【0023】
本発明における乳化重合の際に用いられる乳化剤としては、アルキル基の炭素数13〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩を少なくとも10重量%、好ましくは25重量%、さらに好ましくは40重量%含むアルキルベンゼンスルホン酸塩が使用される。
そのアルキル基の炭素数13〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えばアルキル基の炭素数が14であるテトラデシルベンゼンスルホン酸塩、炭素数が15であるペンタデシルベンゼンスルホン酸塩、炭素数が16であるヘキサデシルベンゼンスルホン酸塩、炭素数が18であるオクタデシルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。これらアルキル基の炭素数13〜20であるアルキルベンゼンスルホン酸塩中に、アルキル基の炭素数15であるペンタデシルベンゼンスルホン酸塩が40重量%以上、特に50重量%以上含まれているものがより好ましく用いられる。
アルキル基の炭素数が13〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩以外のアルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸塩、ノニルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩などアルキル基の炭素数が6〜12のものが挙げられる。
【0024】
これらのアルキルベンゼンスルホン酸塩を構成する塩としては特に限定されるものではないが、リチウム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩などが挙げられる。これらの中で特にナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム塩が好ましく用いられ、ナトリウム塩が最も好ましく用いられる。
このアルキルベンゼンスルホン酸塩の使用量は単量体混合物100重量部当たり0.5〜10重量部、好ましくは1.0〜7.0重量部、さらに好ましくは2.0〜5.0重量部である。この使用量が0.5重量部よりも少ないときはディップ成形用ラテックス製造において、反応が不安定となり、凝固物が生成したり、ラテックスの型に対する濡れ性が低下する場合がある。反対に使用量が10重量部よりも多いときは、ディップ成形用ラテックス中に混入した泡が消えず、その泡が原因となってディップ成形物にピンホールが発生する場合がある。
【0025】
本発明において、アルキルベンゼンスルホン酸塩以外に、それらの使用合計量の20重量%を超えない範囲において、乳化剤として、例えばラウリル硫酸ナトリウム、α−スルホン化脂肪酸塩類等のアニオン系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等のノニオン系界面活性剤、例えば、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン塩などのアルキルベタイン型の塩や、ラウリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシンなどのアミノ酸型の両性界面活性剤を併用してもよい。
【0026】
また、本発明においては、必要に応じて、乳化重合をエチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどのキレート剤、ポリカルボン酸塩などの分散剤や燐酸塩のような無機塩などの存在下に行ってもよい。
本発明のディップ成形用ラテックスを製造する場合、乳化重合は、通常0〜100℃の温度で、単量体の転化率が90%好ましくは95%以上に達するまで行われる。
乳化重合における反応温度は特に限定されないが、50℃以下、特に0〜40℃で行うと、ラテックスを安定に製造することができ、しかもこのラテックスから得られるディップ成形物の機械的強度を高く、かつソフトな風合を持たせることができるので好ましい。
【0027】
乳化重合の方法として、単量体成分を一括して重合系に加える一括仕込み方法のほか、単量体混合物を分割して重合反応系に加えるモノマー分割仕込み重合法やモノマー連続添加重合法を用いることもできる。
本発明のディップ成形用ラテックスを製造する場合、シアン化ビニル系単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体を予め乳化重合して得られるシード重合物の存在下に乳化重合するのが好ましい。
【0028】
シード重合の際に用いるシアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−シアノエチルアクリロニトリル、フマロニトリル等を挙げることができる。これらのシアン化ビニル系単量体は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においてはアクリロニトリルが特に好ましく用いられる。また、このシアン化ビニル系単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体としては例えば、スチレン、α−メチルスチレン、などの芳香族ビニル化合物、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル化合物、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのエチレン系不飽和カルボン酸アミド化合物、例えば酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、例えば、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、などのエチレン系不飽和アミン化合物、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系単量体、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸や、それらの無水物、例えばマレイン酸メチル、イタコン酸メチルなどのジカルボン酸のモノエステル、すなわち半エステルなどのエチレン系不飽和カルボン酸単量体などを挙げることができる。本発明においては、アクリル酸ブチルが特に好ましく用いられる。これらシアン化ビニル単量体と共重合可能なエチレン系単量体は、シード重合物のTgが−50〜50℃となる範囲において任意の割合で使用することができる。
【0029】
本発明によるシード重合物の製造において用いられる上記単量体混合物の使用量はディップ成形用ラテックス製造のために用いられる単量体混合物100重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
シード重合物の製造のための乳化重合にはアニオン系およびノニオン系の界面活性剤が用いられる。アニオン系界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、α−スルホン化脂肪酸塩類等が挙げられる。また、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等を挙げることができる。これらのうち、特にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましく用いられる。
上記界面活性剤の使用量はシード重合に用いる単量体混合物の合計量に対して1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
シード重合物の製造において、乳化重合をエチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどのキレート剤、ポリカルボン酸塩などの分散剤やリン酸塩のような無機塩などの存在下に行ってもよい。
【0030】
シード重合物の製造における重合開始剤としては、前記単量体混合物の乳化重合の際に用いられるものと同じものが使用でき、その使用量はシード重合に用いる単量体混合物の合計量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜7重量%である。
更に、本発明におけるシード重合物の製造においては、必要に応じて、メルカプタン類に代表される連鎖移動剤を用いてもよい。シード重合は、通常20〜80℃の温度で、単量体の転化率が90%、好ましくは95%以上に達するまで行われる。
また、シード重合物の平均粒子径は10〜90nm、好ましくは20〜80nmの範囲である。シード重合物の平均粒子径が10nmより小さい場合は、得られるラテックスの粒子径を均一にするのが難しく、反対に90nmより大きいと、得られるラテックスの粒子径が大きくなりすぎ、単量体の転化率が所定値に達するまで行う際に重合時間がかかり過ぎることがある。
【0031】
シード重合物のガラス転移温度(Tg)は、−50℃〜50℃、好ましくは−40℃〜30℃の範囲である。−50℃より低い場合はディップ成型物の強度が低くなる場合があり、反対に50℃を超えるとディップ成型物が硬い風合いのものとなる場合がある。
このシード重合物を用いる乳化重合法は、重合安定性を向上させることができ、しかも、シード重合物の不存在下に乳化重合させる通常の方法と比べて、重合中の粒子数を制御することができるので、得られるラテックスの粒子径を自由に制御できる利点がある。
【0032】
本発明に用いられるディップ成形用ラテックスの平均粒子径は通常90〜200nmであり、100〜180nmであることがさらに好ましい。平均粒子径が90nm未満ではラテックスの粘度が上がり、ラテックスの輸送等に支障をきたす場合があり、平均粒子径が200nmを超えると、共重合体ラテックスの乳化重合時、凝固物が発生しやすくなる。
【0033】
本発明に用いられるディップ成形用ラテックスから得られる共重合体中のゲル分(メチルエチルケトン不溶分)の含有率は、10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%である。ゲル分含有率が過多になると成形物が硬くなり過ぎて風合いが損なわれ、過少であるとラテックスのアルカリ増粘性が増大し、ディップ成形用ラテックスの粘度が過度に上昇する恐れがある。
共重合体のゲル分含有率は、共重合体ラテックスを乾燥して得られた共重合体フィルム片を秤量し、これをメチルエチルケトンに浸漬、濾過して不溶分の乾燥重量を秤量し、元のフィルムの乾燥重量に対する不溶分の乾燥重量の割合を求めることにより得られる。
【0034】
本発明のディップ成形用ラテックスを用いてディップ成形物を得るには、本発明のディップ成形用ラテックスを主成分としてなるディップ成形用ラテックス組成物をディップ成形することにより得られる。
ディップ成形用ラテックス組成物は、本発明のディップ成形用ラテックスに加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、pH調整剤などを適宜配合することにより得られる。
【0035】
加硫剤としては例えばコロイド硫黄、昇華硫黄、副生硫黄、塩化硫黄などの硫黄又は硫黄化合物、セレニウム、テルリウムなどの硫黄同属元素、多硫化チウラム、モルホリン、チオプラストなどの熱分解性硫黄放出化合物などが挙げられる。
【0036】
加硫促進剤としては例えば塩化メチル−ホルムアルデヒド−アンモニア反応物などのアルデヒドアミン系促進剤、チオカルバニリド、チオウレアなどのチオウレア系促進剤、ジフェニルグアニジンなどのグアニジン系促進剤、メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルスルフィドなどのチアゾール系促進剤、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどのチウラム系促進剤、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛などのジチオカルバメート系促進剤、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウムなどのキサンテート系促進剤などが挙げられる。
【0037】
加硫促進助剤としては例えば酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛などの金属酸化物、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン化合物などが挙げられる。
【0038】
pH調整剤としては例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性物質が用いられる。
ディップ成形用ラテックス組成物のpHは通常5〜12、好ましくは7〜11の範囲である。このpH値が5より低いときは、本発明によるディップ成形用組成物の機械的安定性が不十分となり、12を越えると得られるディップ成型物の機械的強度が低くなることがある。
【0039】
本発明のディップ成形用ラテックス組成物に増粘剤を配合することにより、ディップ成形用ラテックス組成物の粘性を向上させることができる。増粘剤としては、例えばカゼイン、グルー、ゼラチン等の動物性増粘剤、アルギン酸塩、でんぷん、アラビヤガム等の植物性増粘剤、ベントナイト等の鉱物性増粘剤、ポリカルボン酸塩、アクリル共重合体、架橋型アクリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド等の高分子系増粘剤、カルボキシル化メチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサントゲン酸セルロース、カルボキシル化でんぷん等の繊維素誘導体、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルピリジニウムブロマイド等のカチオン系増粘剤等が挙げられ、特に高分子系増粘剤が好ましく、カルボン酸含有架橋型アクリルエマルジョンがさらに好ましい。
また、これらの増粘剤の使用量は、単量体混合物100重量部当たり0.01〜1.0重量部、好ましくは0.02〜0.1重量部である。ディップ成形用ラテックス組成物の粘度が低い場合は型を浸積して引き上げた際、ディップ成形用ラテックス組成物のたれ現象が生じる可能性があるが、これは増粘剤の配合により解決できる。しかしながら、増粘剤の使用量が1.0重量部より多い時は、ディップ成形用ラテックス組成物の粘度が高くなりすぎ、一旦生じた泡が消えにくくなり、その泡によるピンホールの発生が起ることがある。
【0040】
ディップ成形用ラテックス組成物には、必要に応じ、イソプレンゴムラテックスなどのゴムラテックス、無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、炭酸マグネシウムなどの充填剤、スチレン化フェノール、イミダゾール類、パラフェニレンジアミン等の老化防止剤、アセトフェノン、桂皮アルデヒド、バニリン、ラベンダー油などの付香剤、サイアベンダゾール、プレベントール、バイナジン等の防菌剤、ファーストイエロー、フタロシアニンブルー、群青などの着色剤などを適宜配合してもよい。
【0041】
ディップ成形用ラテックス組成物を用いてディップ成形する方法は、例えば直接浸漬法、アノード凝着浸漬法、ティーグ浸漬法など従来公知のディップ成形法がいずれも採用できる。
以下に手術用手袋、指サック等の製造に適したアノード凝着浸漬法について簡単に説明する。
まず、型を凝固剤液に浸漬し、引き上げて型表面がほぼ乾燥した状態にする。凝固剤液としては、例えば塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウムなどのカルシウム塩を、水、アルコール、ケトン等の親水性有機溶媒、あるいはこの両者の混合液に溶解させた、ゴムラテックスの凝固剤液として従来から用いられているものが使用される。凝固剤液中のカルシウム塩の濃度は、通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。凝固剤液には必要に応じて例えば、ノニオン、アニオン界面活性剤などの界面活性剤、例えば炭酸カルシウム、タルク、シリカゲルなどの充填剤を配合してもよい。
ついで型をディップ成形用ラテックス組成物に浸漬し、引き上げて型上にラテックス組成物を付着させるとラテックス組成物は凝固剤液と反応して型上にゴム状皮膜を形成する。この皮膜を水洗、乾燥した後型から剥離すればディップ成形物が得られる。
【0042】
【実施例】
次に、実施例、比較例および試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、これらにおいて、「部」および「%」は断りのない限り重量基準である。
【0043】
実施例1
(1)シード重合物の調製
下記〔表1〕に示される組成のうち、過硫酸カリウム以外の原料を反応容器に仕込み、60℃に昇温してから過硫酸カリウムを加え、撹拌下で1時間反応させた後30℃まで冷却してシード重合物のエマルジョン(S1)を得た。原料組成と得られたシード重合物のTg(℃)と粒子径を〔表1〕に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
(2)ディップ成形用ラテックスの調製
予め乳化剤としてアルキルベンゼンスルホン酸 B−150(テイカ(株)製)を10%濃度に希釈し、その中に、水酸化ナトリウム溶液(10%)を添加し、系のpHが7〜11になるように調製し、B−150Naを得た。
引き続いて窒素置換した5リットル容量のオートクレーブに〔表1〕に示したシード重合物(S1)を全量添加し、1,3−ブタジエン65部、アクリロニトリル30部、メタクリル酸5部、水100部、B−150Naを4部、およびt−ドデシルメルカプタン0.6部を仕込み、重合開始剤としてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部、クメンハイドロパーオキサイド0.1部を添加し、撹拌しながら、35℃にて反応させた。
18時間に亘って反応した後、重合転化率が95%以上に達した時点で、反応混合物を、アンモニア水を用いてpHを約8.5に調整した。
引き続き、反応混合物に水蒸気を吹き込み、未反応単量体を除去し、さらにラテックスの固形分濃度を45%まで濃縮して、目的とするディップ成形用ラテックスを得た。ディップ成形用ラテックスの組成と物性を〔表2〕に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
(3)ディップ成形用ラテックス組成物の調製
上記で得られたディップ成形用ラテックスに下記の配合剤を加え、ディップ成形用ラテックス組成物を得た。
ディップ成形用ラテックス組成物
ディップ成形用ラテックス(固形分) 100.0部
亜鉛華 1.5部
コロイドイオウ 1.0部
ジーnブチルジチオカルバミン酸亜鉛 0.3部
酸化チタン 3.0部
水酸化カリウム 1.0部
pH 9.5
固形分濃度 35%
【0048】
(4)ディップ成形物の製造
別に凝固剤液として濃度15%の硝酸カルシウム水溶液を調製し、80℃で予備乾燥しておいた手袋用モールドを2秒間浸漬し、引き上げた後水平にして回転下に乾燥(80℃x2分)させた。引き続き、ディップ成形用ラテックス組成物に手袋用モールドを2秒間浸漬した後引き上げ、水平にして回転下に乾燥(80℃x2分)させた。
次にその手袋用モールドを40℃の温水に3分間浸漬して洗浄した後、130℃で20分間加熱処理して手袋用モールドの表面に固形皮膜を形成させた。最後にこの固形皮膜を手袋用モールドから剥がし、手袋形状のディップ成形物を得た。
このようにして得られたディップ成形物についての評価結果を〔表3〕に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
実施例2〜11
〔表1〕に示したシード重合物(S1〜S3)及び〔表2〕に示した原料を用いて実施例1と同様の操作にてディップ成形用ラテックスを調製した。
使用する乳化剤の内、アルキルベンゼンスルホン酸 B−120、L−124、B−60(いずれもテイカ(株)製)については実施例1と同様の操作にて中和反応を行い、それぞれB−120Na、L−124Na、B−60Naを用いた。
得られたディップ成形用ラテックスの物性を〔表2〕に示した。
引き続き、実施例2〜11で得られたディップ成形用ラテックスを用いてそれぞれ実施例1の(3)に従ってディップ成形用ラテックス組成物を調製し、(4)と同様の操作でディップ成形物を得、その評価結果を〔表3〕に示した。
【0051】
比較例1
〔表1〕に示したシード重合物(S1)及び〔表2〕に示した原料を用いて実施例1と同様の操作にてディップ成形用ラテックスを調製した。
ただし、乳化剤はB−60Naを使用した。
【0052】
比較例2
〔表1〕に示したシード重合物(S1)及び〔表2〕に示した原料を用いて実施例1と同様の操作にてディップ成形用ラテックスを調製した。ただし、乳化剤はアルキルベンゼンスルホン酸塩とは異なるドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム(ペレックスSSL 花王(株)製)を使用した。
【0053】
比較例3
〔表1〕に示したシード重合物(S1)及び〔表2〕に示した原料を用いて実施例1と同様の操作にてディップ成形用ラテックスを調製した。ただし、乳化剤はアルキル基の炭素数13〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩が2.9%であった。
【0054】
比較例4
〔表1〕に示したシード重合物(S2)及び〔表2〕に示した原料を用いて実施例1と同様の操作にてディップ成形用ラテックスを調製した。ただし、乳化剤はアルキル基の炭素数13〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩が3.3%であった。
【0055】
比較例5
〔表1〕に示したシード重合物(S2)及び〔表2〕に示した原料を用いて実施例1と同様の操作にてディップ成形用ラテックスを調製した。ただし、乳化剤はアルキルベンゼンスルホン酸塩とは異なるラウリル硫酸ナトリウム(エマール10 花王(株)製)を使用した。
【0056】
比較例6
〔表1〕に示したシード重合物(S2)及び〔表2〕に示した原料を用いて実施例1と同様の操作にてディップ成形用ラテックスを調製した。ただし、乳化剤はアルキルベンゼンスルホン酸塩とは異なるラウリルアルコールエトキシレート(アデカトールLA−975 旭電化工業(株)製)を使用した。
【0057】
試験例1
比較例1〜6で得られたディップ成形用ラテックスを用いてそれぞれ実施例1の(3)に従ってディップ成形用ラテックス組成物を調製し、(4)と同様の操作にてディップ成形物を得て、その評価結果を〔表3〕に示した。
実施例及び比較例における〔表3〕の各種物性のうち、成形物の物性については10個のサンプルを以下の方法にて測定し、その平均値により評価を行った。
(1)炭素数分布
アルキルベンゼンスルホン酸を多量の5%硫酸中に添加し、100℃に加熱してアルキルベンゼンを生成させた。その後冷却し、アルキルベンゼンをエチルエーテルにて抽出した。
得られた抽出物をガスクロマトグラフィーを用いてピーク面積比率によりアルキルベンゼンのアルキル基の炭素数を求め、炭素数が13〜20のものと12以下のものに分類した。
(2)平均粒子径
コールターカウンターMODEL N4+(コールター(株)製)を用いて測定した。
(3)メチルエチルケトン不溶分(ゲル分)
得られたディップ成形用ラテックスをガラスモールドに流し、室温で乾燥し、厚さ0.3mmのフィルムを作成した。このフィルムを2〜3mm角に切り、0.4gを精秤した。その試料をメチルエチルケトン100mlに浸漬し、30℃の振とう式恒温槽で6時間振とうした。その後、100メッシュ金網でろ過し、ろ液の固形分を求め、このゾル固形分からゲル分を算出した。
【0058】
(4)ディップ成形用ラテックス組成物の塩凝固性(化学的安定性)
濃度15%の硝酸カルシウム溶液の中にセラミック板(5cmx10cm)を10秒浸積して引き上げ、100℃x3分間の条件にて乾燥させた。引き続き、35%濃度のディップ成形用ラテックス組成物に5秒浸積させ、引き上げて1秒保持した後、40℃に調整しておいた水(1リットル)に浸した。
水の濁りの程度をコールターカウンターMODEL N4+による白濁物濃度測定*により判断した。
完全に透明 (濃度1.0〜2.0e+x104) ;◎
極く僅かに白濁する(濃度2.1e+x104〜9.9e+x104) ;○
少し白濁する (濃度1.0e+x105 〜9.9e+x106) ;△
完全に白濁する(濃度1.0e+x107以上 ) ;X
*濃度測定;光散乱強度に相関するもので、具体的には1秒間あたりの放出電子数である。数値が大きいほど濃度が高い。
【0059】
(5)ディップ成形物の外観
得られた手袋形状ディップ成形物の外観を視感により評価した。
ディップ成形物が完全に白色である ;−
ディップ成形物に僅かに着色(黄ばみ)がある ;±
ディップ成形物にかなりの着色がある ;+
(6)ディップ成形物のシュリンク
得られた手袋形状ディップ成形物の収縮率で評価した。
収縮率が1%未満であった ;○
収縮率が1%以上であった。 ;X
(7)ディップ成形物の風合い
手袋形状のディップ成形物をダンベル変形2号で打ち抜き、ディップ成形物の試験片を引っ張り速度300mm/minにて引っ張り300%伸びに達した時の強度を示した。ここで300%モジュラスの数値が小さいほど風合いはソフトであることを示す。
【0060】
(8)ディップ成形物の引張強度及び破断伸び
手袋形状のディップ成形物をダンベル変形2号で打ち抜き、ディップ成形物の試験片を引っ張り速度300mm/minにて引っ張り、破断直前の引張り強度及び伸び率を測定した。
(9)ディップ成形物のピンホール
得られた手袋形状のディップ成形物についてピンホール発生の有無を観察し、以下の基準で評価した。(試料10組)
ピンホールの発生なし ;◎
手袋部分に1個発生 ;○
手袋部分に2個〜3個発生 ;△
手袋部分に4個以上発生 ;X
【0061】
(10)ディップ成形物の耐粘着性
得られた手袋形状のディップ成形物を2枚重ねあわせ、卓上プレス機にて50℃x50Kgx5分間プレスし、剥がす時の状況を以下の基準で評価した。
簡単に剥がれる ;○
剥がすのにかなり抵抗があり、剥がす時に音が生じる ;X
(11)耐油性
得られた手袋形状のディップ成形物をそれぞれ灯油、ガソリン及びトルエンに室温下で24時間浸漬した後、下記式により求めた面積膨潤率にて評価した。ここで面積膨潤率の数値が小さい程、耐油性に優れることを示す。
面積膨潤率(%)=A/(A0)x100
A0;浸漬前のフィルムの面積 A;浸漬24時間後のフィルムの面積
【0062】
【発明の効果】
本発明のディップ成形用ラテックスから、耐油性に優れ、ピンホールやシュリンクがなく、膜厚が均一で、ソフトな風合いを有し、機械的強度が高く、且つ表面粘着性の低い、極めて高品質のディップ成形物が効率よく生産できる。したがって、医療用手袋など、高品質が求められるディップ成形物製造用ラテックスとして有用なものである。
Claims (10)
- 単量体混合物100重量部をアルキル基の炭素数13〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩を少なくとも10重量%含むドデシルベンゼンスルホン酸塩1.0〜7.0重量部および遷移金属塩を含まないレドックス系重合開始剤の存在下に乳化重合して得られるディップ成形用ラテックス。
- ドデシルベンゼンスルホン酸塩がアルキル基の炭素数13〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩を少なくとも25重量%含むものである請求項1記載のディップ成形用ラテックス。
- ドデシルベンゼンスルホン酸塩がアルキル基の炭素数13〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩を少なくとも40重量%含むものである請求項1記載のディップ成形用ラテックス。
- 遷移金属塩を含まないレドックス系重合開始剤が油溶性過酸化物と還元剤とを組み合わせたものである請求項1〜3に記載のディップ成形用ラテックス。
- 還元剤がスルホン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩である請求項4記載のディップ成形用ラテックス。
- スルホン酸のアルカリ金属塩がナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートである請求項5記載のディップ成形用ラテックス。
- 単量体混合物100重量部が、シアン化ビニル系単量体15〜45重量部、共役ジエン系単量体35〜80重量部、エチレン系不飽和カルボン酸0.1〜20重量部、及びこれらの単量体と共重合可能な他のエチレン系不飽和単量体0〜20重量部からなるものである請求項1〜6のいずれかに記載のディップ成形用ラテックス。
- 乳化重合が、シアン化ビニル系単量体とそれと共重合可能なエチレン系不飽和単量体とを乳化重合して得られた平均粒子径10〜90nmで、ガラス転移温度(Tg)−50〜50℃であるシード重合物の存在下に行われたれたものである請求項1〜7のいずれかに記載のディップ成形用ラテックス。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のディップ成形用ラテックスからディップ成形法により製造されたディップ成形物。
- 手袋または指サックである請求項9記載のディップ成形物。
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