JPH06182788A - ディップ成形物の製造方法 - Google Patents

ディップ成形物の製造方法

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JPH06182788A
JPH06182788A JP35652392A JP35652392A JPH06182788A JP H06182788 A JPH06182788 A JP H06182788A JP 35652392 A JP35652392 A JP 35652392A JP 35652392 A JP35652392 A JP 35652392A JP H06182788 A JPH06182788 A JP H06182788A
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dip
film thickness
latex
weight
molded product
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Yutaka Ozawa
豊 小澤
Hisanori Ota
久紀 太田
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 任意の膜厚で、膜厚が均一で風合いが柔らか
なディップ成形物の製造方法を提供する。 【構成】 型を濃度20重量%の塩化カルシウム水溶液
に浸漬した後、メチルエチルケトン不溶解分0%、ポリ
スチレン換算重量平均分子量130,000、固形分濃
度45重量%の共重合体のラテックス220重量部及び
加硫剤溶液17重量部の混合液に浸漬する。これにより
平均膜厚が0.21mmで、膜厚単分散性比が3.9%
で且つ風合いが柔らかなディップ成形物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディップ成形物の製造方
法に関し、さらに詳しくは、膜厚が均一で風合いが柔ら
かなディップ成形物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医療衛生分野などで使用する手袋、指サ
ック、衛生サック等のディップ成形物には、各種の特性
が要求されるが、特に肌との密着性が良好であることが
重要である。そのためディップ成形物には、膜厚が均一
で風合いが柔らかであることが要求される。ディップ成
形物を製造する方法としては、従来、型をラテックスに
浸漬した後乾燥する直接ディップ成形法が知られてい
る。この方法は、単純な方法ではあるが、製造条件の管
理が容易でなく、膜厚を均一に保って連続大量製造する
場合には不適当である。一方、連続製造に適した方法と
して、型をあらかじめ凝固剤に浸漬した後、ラテックス
に浸漬するアノード凝着ディップ成形法や、型をラテッ
クスに浸漬した後、凝固剤に浸漬するティーグ凝着ディ
ップ成形法などの凝着ディップ成形法が知られている。
しかし、従来、ディップ成形に好適であると言われるS
BRラテックス又はNBRラテックス(「エマルジョン
・ラテックス・ハンドブック」大成社発行、昭和57
年)を用いて凝着ディップ成形して得られる膜厚が均一
で且つ風合いが柔らかなディップ成形物は、平均膜厚が
0.3〜3.0mmの範囲に限られる。平均膜厚が0.
3mm未満で、膜厚が均一で且つ風合いが柔らかなディ
ップ成形物を得ることは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、任意
の膜厚において、膜厚が均一で且つ風合いが柔らかなデ
ィップ成形物の製造方法を提供することにある。特に平
均膜厚が0.05mm以上0.3mm未満において、膜
厚単分散性比が8%以下で且つ風合いが柔らかなディッ
プ成形物の製造方法を提供することにある。なお、平均
膜厚は、ディップ成形物の製造時に浸漬時間が同一であ
る部分の膜厚を20箇所測定し、その平均値で表した値
であり、膜厚単分散性比は、測定値の標準偏差を平均値
で除して百分率で表した値である。膜厚単分散性比が小
さいほど、ディップ成形物の膜厚の均一性が良いことを
示す。本発明者らは、この目的を達成すべく鋭意研究を
行った結果、ポリスチレン換算重量平均分子量及びメチ
ルエチルケトン不溶解分を特定の範囲に規定した重合体
のラテックスを、塩化カルシウムを含有する凝着液を用
いて凝着ディップ成形することによって、本目的を達成
できることを見いだし、この知見に基いて本発明を完成
するに到った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、ポリスチレン換算重量平均分子量が50,000〜
500,000であり且つメチルエチルケトン不溶解分
が50重量%以下である重合体のラテックスを、塩化カ
ルシウムを含有する凝着液を用いて凝着ディップ成形す
ることを特徴とするディップ成形物の製造方法が提供さ
れる。
【0005】以下、本発明について説明する。本発明に
用いる重合体のラテックスは、その重合体のポリスチレ
ン換算重量平均分子量(以下、単に「分子量」とい
う。)が50,000〜500,000であり、特に8
0,000〜200,000であることが好ましい。5
0,000より小さいと薄膜ディップ成形物の膜厚が不
均一になり且つ強度が低くなる。逆に500,000よ
り大きいと成形時の収縮が大きく且つ風合いが硬くな
る。なお、分子量は、重合体のうちテトラヒドロフラン
に溶解するものについて、標準ポリスチレンについて求
めた検量線を基に、ゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィー(キャリアー液:テトラヒドロフラン)を用
いて求めた値である。
【0006】本発明に用いる重合体のラテックスは、そ
の重合体のメチルエチルケトン不溶解分(以下、「ME
K不溶解分」という。)が50重量%以下であり、好ま
しくは25重量%以下、さらに好ましくは10重量%以
下である。50重量%より多くなると成形時の収縮が大
きく且つ風合いが硬くなる。
【0007】本発明に用いる重合体のラテックスは、そ
の合成に使用する単量体及び組成により特に限定される
ものではないが、好適には、共役ジエン単量体30〜9
0重量%、エチレン性不飽和ニトリル単量体9〜50重
量%及びエチレン性不飽和酸単量体0.1〜20重量%
を必須成分とする単量体混合物が使用され、特に共役ジ
エン単量体35〜80重量%、エチレン性不飽和ニトリ
ル単量体20〜45重量%及びエチレン性不飽和酸単量
体1〜15重量%を必須成分とする単量体混合物が好ま
しく用いられる。なお、必要に応じて、共役ジエン単量
体、エチレン性不飽和ニトリル単量体及びエチレン性不
飽和酸単量体以外のエチレン性不飽和単量体を共重合さ
せることができる。
【0008】共役ジエン単量体は、その量が30重量%
未満である場合にはディップ成形物の風合いが硬くな
り、逆に90重量%超では強度が低くなる。共役ジエン
単量体の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプ
レン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エ
チル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン及び
クロロプレン等を挙げることができる。特に1,3−ブ
タジエン又はイソプレンが好ましく用いられる。これら
の共役ジエン単量体は単独で又は2種以上を組合せて用
いることができる。
【0009】エチレン性不飽和ニトリル単量体は、その
量が9重量%より少なくなるとディップ成形物の耐油性
が悪くなり、逆に50重量%より多くなると重合安定性
が低下する。エチレン性不飽和ニトリル単量体の具体例
としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フ
マロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−シア
ノエチルアクリロニトリル等を挙げることができる。こ
れらのエチレン性不飽和ニトリル単量体は単独で又は2
種以上を組合せて用いることができる。特にアクリロニ
トリルが好適に用いられる。
【0010】エチレン性不飽和酸単量体は、カルボキシ
ル基、スルホン酸基、酸無水物基等の酸性基を含有する
エチレン性不飽和単量体である。その使用量が0.1重
量%より少なくなるとディップ成形物の強度が弱くな
り、逆に20重量%より多くなるとディップ成形物の風
合いが硬くなる。エチレン性不飽和酸単量体の具体例と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸単量
体;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等のエチレン性
不飽和ポリカルボン酸の無水物;フマル酸モノブチル、
マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ2−ヒドロキシ
プロピル等のエチレン性不飽和ポリカルボン酸の部分エ
ステル;スチレンスルホン酸等のエチレン性不飽和スル
ホン酸単量体;などを挙げることができる。これらのエ
チレン性不飽和酸単量体はアルカリ金属塩又はアンモニ
ウム塩として用いることもできる。これらのエチレン性
不飽和酸単量体は単独で又は2種以上を組合せて用いる
ことができる。
【0011】さらに、前記の共役ジエン単量体、エチレ
ン性不飽和ニトリル単量体及びエチレン性不飽和酸単量
体以外のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ス
チレン、アルキルスチレン、ビニルナフタレン等のビニ
ル芳香族単量体;フルオロエチルビニルエーテル等のフ
ルオロアルキルビニルエーテル;(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル
(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和アミド単
量体;ビニルピリジン;ビニルノルボーネン;ジシクロ
ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等の非共役ジエン
単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、マレイン酸ジ
ブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、(メ
タ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和カル
ボン酸エステル単量体;などを挙げることができる。こ
れらのエチレン性不飽和単量体は単独で又は2種以上を
組み合わせて使用することができる。
【0012】本発明に用いる重合体のラテックスは、公
知の乳化重合法によって得られる。重合においては重合
温度、重合時の圧力、重合性単量体などの添加方法、使
用する副資材(重合開始剤、分子量調整剤、pH調整剤
など)は特に限定されない。
【0013】重合開始剤としては、例えば過硫酸塩等の
水溶性開始剤;過酸化ベンゾイル等の油溶性開始剤等が
使用できる。分子量調整剤としては、例えばメルカプタ
ン類;α−メチルスチレンダイマー;スルフィド類など
があり、これらは単独又は二種以上で使用できる。乳化
剤としては、例えばアニオン性界面活性剤、ノニオン性
界面活性剤などを単独又は併用して使用できる。また、
反応性界面活性剤を使用できる。本発明に用いる重合体
のラテックスには、合成後、必要に応じて加硫剤、加硫
促進剤、老化防止剤、充填剤、増粘剤などを添加するこ
とができる。
【0014】本発明に用いる重合体のラテックスは、そ
の固形分濃度により限定されないが、通常20〜55重
量%、特に30〜50重量%が好適である。
【0015】本発明においては、前記重合体のラテック
スを塩化カルシウムを含有する凝着液を用いて凝着ディ
ップ成形することが重要である。塩化カルシウムを含有
する凝着液は、塩化カルシウムを、水、有機溶剤又は水
と有機溶剤との混合液に溶解させた溶液である。特に水
に溶解させた溶液が好ましい。有機溶剤としては、アル
コール、ケトンなどの塩化カルシウムを溶解させること
ができるものが用いられる。塩化カルシウムを含有する
凝着液において、塩化カルシウムの濃度は通常5〜50
重量%である。特に平均膜厚が0.05mm以上0.3
mm未満のディップ成形物を得るためには5〜40重量
%が好適である。5重量%未満又は50重量%超ではデ
ィップ成形物の膜厚が不均一になる。塩化カルシウムを
含有する凝着液において、塩化カルシウムを他の凝固剤
で一部置き換えることができる。塩化カルシウム以外の
凝固剤としては、例えば硝酸カルシウム、酢酸カルシウ
ムなどが挙げられる。塩化カルシウムを他の凝固剤で一
部置き換える場合、置換量は塩化カルシウムの30重量
%未満、好ましくは10重量%未満である。塩化カルシ
ウム以外の凝固剤が多くなると膜厚が均一なディップ成
形物を得ることができない。なお、本発明に用いる塩化
カルシウムを含有する凝着液には、必要に応じて、潤滑
剤、充填材などを含有させることができる。潤滑剤とし
ては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤な
どが用いられる。また、充填剤としては、シリカゾル、
タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが用い
られる。
【0016】凝着ディップ成形は、公知の方法で行う。
例えば、型を塩化カルシウムを含有する凝着液に浸漬
し、引き上げた後、引続きラテックスに浸漬してラテッ
クスを凝着させ、引き上げるアノード法;型をラテック
スに浸漬し、引き上げた後、引続き塩化カルシウムを含
有する凝着液に浸漬してラテックスを凝着させ、引き上
げるティーグ法;などがある。特に、平均膜厚が0.0
5mm以上0.3mm未満のディップ成形物を得るため
にはアノード法が好ましい。
【0017】凝着ディップ成形において、塩化カルシウ
ムを含有する凝着液又は重合体のラテックスに浸漬する
時間は、塩化カルシウムを含有する凝着液又は重合体の
ラテックスの濃度によって異なるが、通常0.1秒〜1
0分である。特に平均膜厚が0.05mm以上0.3m
m未満のディップ成形物を得るためには1秒〜5分が好
ましい。0.1秒未満又は10分超ではディップ成形物
の膜厚が不均一になる。
【0018】なお、凝着ディップ成形後、必要に応じ
て、温水処理又は熱処理を行うことができる。温水処理
又は熱処理することにより、塩化カルシウム、潤滑剤な
どを取り除くことができる。温水処理は、例えば、ラテ
ックスが凝着した型を温水に浸漬して行う。熱処理は、
例えばラテックスが凝着した型をオーブン等の中に入れ
て行うか、ラテックスが凝着した型に赤外線を照射して
行う。
【0019】本発明によれば、任意の膜厚において、膜
厚が均一で且つ風合いが柔らかなディップ成形物を得る
ことができる。特に平均膜厚が0.05mm以上0.3
mm未満において、膜厚単分散性比が8%以下で且つ風
合いが柔らかなディップ成形物を得るために好適であ
る。
【0020】
【発明の効果】かくして本発明によれば、任意の膜厚に
おいて、膜厚が均一で且つ風合いが柔らかなディップ成
形物を得ることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中の部及び%は特に断わりのな
い限り、重量基準である。
【0022】参考例1 窒素置換した反応器に、アクリロニトリル38.0部、
1,3−ブタジエン59.5部、メタアクリル酸2.5
部、分子量調整剤(TDM:t−ドデシルメルカプタ
ン)0.4部、1,1,3,3−テトラメチルブチルハ
イドロパーオキサイド0.1部、硫酸第一鉄0.008
部、軟水120部及び乳化剤(ワロラートu:東振化学
社製品)6.0部を仕込み、5℃に保持して40時間攪
拌し重合した。重合終了後、固形分濃度を45%に調整
しラテックスAを得た。このラテックスAの評価結果を
表1に示す。
【0023】参考例2〜8 ラテックスAの合成において、単量体の組成及び分子量
調整剤の量を変えた他は参考例1と同様の方法で固形分
濃度45%のラテックスB〜Hを得た。これらのラテッ
クスの評価結果を表1に示す。
【0024】ラテックスの評価は以下の方法で行った。 〔ラテックスの評価方法〕 (分子量)ラテックスをテトラヒドロフランに溶解し、
その溶液について、標準ポリスチレンについて求めた検
量線を基に、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ
ィー(キャリアー液:テトラヒドロフラン)を用いて求
めた。
【0025】(MEK不溶解分)ラテックスを枠付きガ
ラス板に流延し、25℃で4日間静置してフィルムを得
た。このフィルムの一定量を精秤して(重量W0 )、8
0メッシュの金網のカゴに入れて20℃のメチルエチル
ケトンに48時間浸漬した後、該カゴを引き上げ、25
℃で2日間真空乾燥後、溶解しないでカゴ内に残存する
固形分を精秤する(重量W1 )。MEK不溶解分はW1
のW0 に対する百分率で表した。
【0026】
【表1】
【0027】実施例1 硫黄0.5部、亜鉛華5.0部、酸化チタン3.0部及
び10%アンモニアカゼイン0.2部及び水8.3部を
混合して固形分濃度50%の加硫剤溶液を得た。 ラテ
ックスA220部に、加硫剤溶液17部を混合してラテ
ックス配合液を得た。一方、水79部、塩化カルシウム
20部及びノニオン性界面活性剤(エマルゲン−81
0:花王社製)1部を混合して凝着液を得た。この凝着
液に30cm×5cm×5cmの棒状の型を縦に垂直に
立てて、型の最下端から20cmの位置まで浸漬し、型
の最下端から10cmの位置の浸漬時間が10秒になっ
た時点で引き上げ、その後20℃で3分間乾燥し、凝着
液を型に付着させた。次に、凝着液を付着させた型を上
記と同様にラテックス配合液に型の最下端から20cm
の位置まで浸漬し、型の最下端から10cmの位置の浸
漬時間が10秒になった時点で引き上げ、その後20℃
で3分間乾燥した。次にその型を35℃の温水に6分間
浸漬し、引き上げ後80℃で20分間、引続き100℃
で40分間熱処理して、型の表面に固形皮膜物を得た。
最後に型の最下端から10cmの位置に得られた固形皮
膜物の表面に油性ペンで線を引いた後、この固形皮膜物
を型から剥しディップ成形物を得た。このディップ成形
物の評価結果を表2に示す。
【0028】実施例2〜5 実施例1において、ラテックスA及び凝着液の組成を表
2に示すラテックスB〜E及び凝着液の組成に変えた他
は実施例1と同様の方法でディップ成形物を得た。これ
らディップ成形物の評価結果を表2に併せて示す。
【0029】比較例1〜3 実施例1において、ラテックスA及び凝着液の組成を表
2に示すラテックスF〜H及び凝着液の組成に変えた他
は実施例1と同様の方法でディップ成形物を得た。これ
らディップ成形物の評価結果を表2に併せて示す。
【0030】比較例4 実施例1において、凝着液に含有させた塩化カルシウム
を硝酸カルシウムに変えた他は実施例1と同様の方法で
ディップ成形物を得た。これらディップ成形物の評価結
果を表2に併せて示す。
【0031】ディップ成形物の評価は以下の方法で行っ
た。 〔ディップ成形物の評価方法〕 (膜厚及びその単分散性比)ディップ成形物の線を引い
た部分の膜厚を20箇所測定し、その平均値及び標準偏
差を求めた。膜厚は平均値で示し、膜厚の単分散性比は
標準偏差を平均値で除して百分率で表した。
【0032】(膜表面の平滑性)ディップ成形物をカッ
ターを用いて切断し、その切断面を光学顕微鏡を用いて
観察し、膜表面を下記の基準で評価した。 ○・・・凹凸がなく、なめらかである。 △・・・微細な凹凸又はエッジがある。 ×・・・大きな凹凸がある。
【0033】(風合い)ダンベル変形2号(小型)で打
ち抜いたディップ成形物の試験片を引張速度200mm
/分で引っ張り、伸び率が300%の時の引張強度を測
定した。値が小さい方が風合いは柔らかいことを示す。
【0034】(強度)ダンベル変形2号(小型)で打ち
抜いたディップ成形物の試験片を引張速度200mm/
分で引っ張り、破断直前の引張力を測定した。値が大き
い方が強度が大きいことを示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2から、分子量が50,000未満の重
合体のラテックスを用いた場合(比較例2)では、ディ
ップ成形物の膜厚が不均一で、強度が低いことがわか
る。分子量が500,000超の重合体のラテックスを
用いた場合(比較例3)又はMEK不溶解分が50重量
%超の共重合体のラテックスを用いた場合(比較例1)
では、ディップ成形物の膜厚が不均一で、風合いが硬い
ことがわかる。また、塩化カルシウムの代わりに硝酸カ
ルシウムを用いた場合(比較例4)には、ディップ成形
物の膜厚が不均一になり、膜表面の平滑性も悪いことが
わかる。これに対して、本発明において、分子量が5
0,000〜500,000であり且つMEK不溶解分
が50重量%以下の重合体のラテックスを塩化カルシウ
ムを含有する凝着液を用いて凝着ディップ成形すること
によって、平均膜厚が0.3mm未満でも、膜厚が均一
で且つ風合いが柔らかなディップ成形物が得られること
がわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスチレン換算重量平均分子量が5
    0,000〜500,000であり且つメチルエチルケ
    トン不溶解分が50重量%以下である重合体のラテック
    スを、塩化カルシウムを含有する凝着液を用いて凝着デ
    ィップ成形することを特徴とするディップ成形物の製造
    方法。
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