JP2003342303A - ディップ成形用ラテックス、ディップ成形用組成物およびディップ成形物 - Google Patents
ディップ成形用ラテックス、ディップ成形用組成物およびディップ成形物Info
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Abstract
密着状態の持続性に優れるディップ成形物、該ディップ
成形物を与えるディップ成形用組成物、および該ディッ
プ成形組成物に使用するディップ成形用ラテックスを提
供する。 【解決手段】 特定組成の、1,3−ブタジエン、アク
リロニトリル、メタクリル酸からなる単量体混合物を共
重合するに際し、アクリルニトリルの一部とメタクリル
酸の一部とを、重合開始後に重合反応系に添加して共重
合して得られるカルボキシ変性アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体ラテックス。
Description
テックス、ディップ成形用組成物およびディップ成形物
に関し、さらに詳しくは、風合いに優れ、十分な引張強
度を有し、かつ密着状態の持続性に優れるディップ成形
物、該ディップ成形物を与えるディップ成形用組成物、
および該ディップ成形組成物に使用するディップ成形用
ラテックスに関する。
品製造業などの種々の工業用および医療用(特に手術
用)など、幅広く使用されている。ゴム手袋には、長時
間にわたり着用しても手が疲れないように、指の動きに
合わせてより小さな力で手袋の伸縮が追随しやすいこと
(風合いがよいこと)、着用中に破れたりしにくいこと
(引張強度が十分に高いこと)、指の動きに合わせて手
袋が変形してもたるみやしわの発生が少なく、密着状態
を維持できること(密着状態の持続性がよいこと)など
が要求されている。従来、ゴム手袋として、天然ゴムラ
テックスをディップ成形して得られるものが多用されて
いる。しかし、天然ゴムラテックス製の手袋には、ゴム
成分中に微量存在するたんぱく質により、使用者によっ
てはアレルギーを引き起こす恐れがあるため、そのよう
な懸念のない合成ゴムラテックス、たとえば、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス製の手袋が提
案されている。
報には、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体ラテックス、少量の酸化亜鉛、硫黄および加硫
促進剤からディップ成形され、100%伸張した際の、
伸張直後の応力に対する伸張直後から6分後の応力の割
合(応力保持率)がほとんどゼロになる特性を有する手
袋が開示されている。しかしながら、このような手袋
は、風合いに優れるものの、密着状態の持続性に劣る。
報には、酸化亜鉛を含有しないで、カルボキシ変性アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、アンモ
ニウムカゼイン、硫黄および加硫促進剤からディップ成
形された手袋が開示されている。このような手袋は、風
合いや密着状態の持続性が不十分である。
公報には、特定量のカルボキシル基を含有するアクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、極少量の酸
化亜鉛、硫黄および加硫促進剤からディップ成形され、
ディップ成形品の応力保持率が50〜70%の範囲にあ
る手袋が開示されている。このような手袋は、密着状態
の持続性に優れるものの、風合いと引張強度のバランス
に劣る場合がある。
事情に鑑み、風合いに優れ、十分な引張強度を有し、か
つ密着状態の持続性に優れるディップ成形物、該ディッ
プ成形物を与えるディップ成形用組成物、および該ディ
ップ成形用組成物に使用するディップ成形用ラテックス
を提供することにある。
を解決するために鋭意研究を行った結果、1,3−ブタ
ジエン、アクリロニトリル、メタクリル酸を含む単量体
混合物を共重合するに際し、アクリルニトリルの一部と
メタクリル酸の一部とを、重合開始後に重合反応系に添
加して共重合して得られるカルボキシ変性アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体ラテックスを用いることによ
り、前記の目的が達成できることを見出し、この知見に
基づき本発明を完成するに至った。
量体50〜89.5重量部、エチレン性不飽和ニトリル
単量体10〜40重量部、エチレン性不飽和酸単量体
0.5〜10重量部およびこれらと共重合可能なその他
のエチレン性不飽和単量体0〜19.5重量部からなる
単量体混合物100重量部を共重合して得られるディッ
プ成形用ラテックスであって、重合に使用する単量体の
うち、共役ジエン単量体の80重量%以上、エチレン性
不飽和ニトリル単量体の50〜90重量%、エチレン性
不飽和酸単量体の40〜90重量%およびこれらと共重
合可能なその他のエチレン性不飽和単量体の80重量%
以上を含む単量体混合物を用いて重合を開始し、その
後、重合反応系内の全単量体についての重合転化率が5
〜95重量%の範囲にある時に残余のエチレン性不飽和
ニトリル単量体と残余のエチレン性不飽和酸単量体とを
添加し、かつ、残余の共役ジエン単量体およびこれらと
共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体は、重合
反応を停止するまでに添加を完了して共重合することを
特徴とするディップ成形用ラテックスが提供される。ま
た、本発明によれば、上記ディップ成形用ラテックスを
含有してなるディップ成形用組成物が提供される。さら
に、本発明によれば、上記ディップ成形用組成物をディ
ップ成形してなるディップ成形物が提供される。
本発明のディップ成形用ラテックスは、共役ジエン単量
体50〜89.5重量部、エチレン性不飽和ニトリル単
量体10〜40重量部、エチレン性不飽和酸単量体0.
5〜10重量部およびこれらと共重合可能なその他のエ
チレン性不飽和単量体0〜19.5重量部からなる単量
体混合物100重量部を共重合して得られるディップ成
形用ラテックスであって、重合に使用する単量体のう
ち、共役ジエン単量体の80重量%以上、エチレン性不
飽和ニトリル単量体の50〜90重量%、エチレン性不
飽和酸単量体の40〜90重量%およびこれらと共重合
可能なその他のエチレン性不飽和単量体の80重量%以
上を含む単量体混合物を用いて重合を開始し、その後、
重合反応系内の全単量体についての重合転化率が5〜9
5重量%の範囲にある時に残余のエチレン性不飽和ニト
リル単量体と残余のエチレン性不飽和酸単量体とを添加
し、かつ、残余の共役ジエン単量体およびこれらと共重
合可能なその他のエチレン性不飽和単量体は、重合反応
を停止するまでに添加を完了して得られる。
3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、
1,3−ペンタジエンおよびクロロプレンなどが挙げら
れる。なかでも、1,3−ブタジエンおよびイソプレン
が好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。これ
らの共役ジエン単量体は単独で又は2種以上を組合せて
用いることができる。共役ジエン単量体の使用量は、全
単量体100重量部に対して、50〜89.5重量部、
好ましくは55〜84重量部、より好ましくは65〜8
1重量部、特に好ましくは70〜80重量部である。こ
の量が少なすぎると風合いに劣り、逆に多すぎると引張
強度に劣る。
は、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
フマロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−シ
アノエチルアクリロニトリルなどが挙げられる。なかで
も、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ま
しく、アクリロニトリルがより好ましい。これらのエチ
レン性不飽和ニトリル単量体は単独で又は2種以上を組
合せて用いることができる。エチレン性不飽和ニトリル
単量体の使用量は、全単量体100重量部に対して、1
0〜40重量部、好ましくは15〜36重量部、より好
ましくは18〜27重量部、特に好ましくは18〜24
重量部である。この量が少なすぎると引張強度に劣り、
逆に多すぎると風合いに劣る。
ボキシル基、スルホン酸基、酸無水物基等の酸性基を含
有するエチレン性不飽和単量体であれば特に限定され
ず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などのエチレン
性不飽和モノカルボン酸単量体;イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸単量
体;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等のエチレン性
不飽和多価カルボン酸無水物;スチレンスルホン酸等の
エチレン性不飽和スルホン酸単量体;フマル酸モノブチ
ル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ−2−ヒド
ロキシプロピル等のエチレン性不飽和多価カルボン酸部
分エステル単量体;などが挙げられる。なかでも、エチ
レン性不飽和カルボン酸が好ましく、エチレン性不飽和
モノカルボン酸がより好ましく、メタクリル酸が特に好
ましい。これらのエチレン性不飽和酸単量体はアルカリ
金属塩またはアンモニウム塩として用いることもでき
る。これらのエチレン性不飽和酸単量体は単独でまたは
2種以上を組合せて用いることができる。エチレン性不
飽和酸単量体の使用量は、全単量体100重量部に対し
て、0.5〜10重量部、好ましくは1〜9重量部、よ
り好ましくは1〜8重量部、特に好ましくは2〜6重量
部である。この量が少なくすぎると引張強度に劣り、逆
に多すぎると風合いおよび密着状態の持続性に劣る。
不飽和単量体としては、例えば、スチレン、アルキルス
チレン、ビニルナフタレン等のビニル芳香族単量体;フ
ルオロエチルビニルエーテル等のフルオロアルキルビニ
ルエーテル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルア
ミド等のエチレン性不飽和アミド単量体;(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキ
シル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メ
タ)アクリル酸テトラフルオロプロピル、マレイン酸ジ
ブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、(メ
タ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エ
トキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエトキシエ
チル、(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アク
リル酸−2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸−1−
シアノプロピル、(メタ)アクリル酸−2−エチル−6
−シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸−3−シアノプ
ロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、グリシジル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量
体;ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アク
リレート等の架橋性単量体;などを挙げることができ
る。これらのエチレン性不飽和単量体は単独で又は2種
以上を組み合わせて使用することができる。
は、全単量体100重量部に対して、19.5重量部以
下、好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重
量部以下、特に好ましくは8重量部以下である。この量
が多すぎると、風合いと引張強度のバランスに劣る。
記単量体混合物100重量部を共重合、好ましくは乳化
共重合して得られる。
使用する単量体のうち、共役ジエン単量体の80重量%
以上、エチレン性不飽和ニトリル単量体の50〜90重
量%、エチレン性不飽和酸単量体の40〜90重量%お
よびこれらと共重合可能なその他のエチレン性不飽和単
量体の80重量%以上を含む単量体混合物を用いて重合
を開始し、その後、重合反応系内の全単量体についての
重合転化率が5〜95重量%の範囲にある時に残余のエ
チレン性不飽和ニトリル単量体と残余のエチレン性不飽
和酸単量体とを添加し、かつ、残余の共役ジエン単量体
およびこれらと共重合可能なその他のエチレン性不飽和
単量体は、重合反応を停止するまでに添加を完了するこ
とが必須である。
に使用するエチレン性不飽和ニトリル単量体の50〜9
0重量%、好ましくは55〜85重量%、より好ましく
は60〜85重量%を重合反応器に仕込み、重合を開始
し、その後に残余のエチレン性不飽和ニトリル単量体を
重合反応系に添加する。重合反応器に仕込むエチレン性
不飽和ニトリル単量体の割合が少ないと引張強度に劣
り、逆に多いと風合いおよび引張強度に劣る。
重合転化率が5〜95重量%、より好ましくは10〜9
0重量%、特に好ましくは20〜90重量%の範囲内に
ある時に、残余のエチレン性不飽和ニトリル単量体を重
合反応系に添加する。重合転化率が低いと風合いおよび
引張強度に劣り、逆に高いと引張強度に劣る。
は、重合反応系内のエチレン性不飽和ニトリル単量体の
重合転化率が40〜95重量%、より好ましくは45〜
92重量%、特に好ましくは45〜85重量%の範囲に
ある時に、重合反応系に添加することが好ましい。この
範囲で添加すると、より引張強度が向上する。
単量体を、2分割以上に分けて、重合反応系に添加する
ことが好ましい。この場合、残余のエチレン性不飽和ニ
トリル単量体は、分割回数に応じて、等分して重合反応
系に添加することが好ましい。このようにすると、より
風合いと引張強度のバランスが向上する。分割回数を無
限回とする、即ち、連続的に添加する方法を採用しても
よい。
するエチレン性不飽和酸単量体の40〜90重量%、好
ましくは50〜85重量%、より好ましくは60〜80
重量%を重合反応器に仕込み、重合を開始し、その後に
残余のエチレン性不飽和酸単量体を重合反応系に添加す
る。重合反応器に仕込むエチレン性不飽和酸単量体の割
合が少ないと引張強度および密着状態の持続性に劣り、
逆に多いと風合いおよび引張強度に劣る。
応系に添加する時期は、重合反応系内の全単量体につい
ての重合転化率が5〜95重量%、好ましくは10〜9
0重量%、より好ましくは20〜80重量%、特に好ま
しくは40〜70重量%の範囲内にある時である。この
範囲で添加することにより、引張強度、風合いおよび密
着状態のバランスがさらに向上する。
応系に添加する方法は、例えば、一括で、分割して、あ
るいは連続的に添加する方法が採用できる。なかでも、
一括で添加する方法が好ましい。
ジエン単量体の、好ましくは80重量%以上、より好ま
しくは90重量%以上を重合反応器に仕込み、重合を開
始し、その後に残余の共役ジエン単量体は、重合反応を
停止するまでに添加を完了する。重合に使用する共役ジ
エン単量体の全量を重合反応器に仕込み、重合を開始す
ることが特に好ましい。
リル単量体およびエチレン性不飽和酸単量体と共重合可
能なその他のエチレン性不飽和単量体は、重合に使用す
るその他のエチレン性不飽和単量体の、好ましくは80
重量%以上、より好ましくは90重量%以上を重合反応
器に仕込み、重合を開始し、その後に、残余のその他の
エチレン性不飽和単量体は、重合反応を停止するまでに
添加を完了する。重合に使用するその他のエチレン性不
飽和単量体の全量を重合反応器に仕込み、重合を開始す
ることが特に好ましい。
の方法を用いればよい。例えば、乳化共重合の場合、水
と乳化剤の存在下に、重合開始剤により、単量体混合物
を重合し、所定の重合転化率で重合停止剤を添加して重
合反応を停止する。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアル
キルエステル等の非イオン性乳化剤;ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、オレイン酸、リノレン酸の如き脂肪酸の
塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアル
キルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステ
ル塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化
剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジア
ルキルアンモニウムクロライド、ベンジルアンモニウム
クロライド等のカチオン性乳化剤;α,β−不飽和カル
ボン酸のスルホエステル、α,β−不飽和カルボン酸の
サルフェートエステル、スルホアルキルアリールエーテ
ル等の共重合性乳化剤などを挙げることができる。なか
でも、アニオン性乳化剤が好適に用いられる。これらの
乳化剤は単独で又は2種以上を組合せて用いることがで
きる。乳化剤の使用量は、単量体混合物100重量部に
対して、0.1〜10重量部である。
に対して、80〜500重量部、好ましくは100〜3
00重量部である。
例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無
機過酸化物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチル
ブチルハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、
アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチル
バレロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合
物;などを挙げることができる。これらの重合開始剤
は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせ
て使用することができる。過酸化物開始剤は、ラテック
スを安定して製造することができ、しかも、機械的強度
が高く、風合いが柔らかなディップ成形物が得られるの
で好ましく用いられる。重合開始剤の使用量は、単量体
混合物100重量部に対して、0.01〜1.0重量部
であることが好ましい。
せて、レドックス系重合開始剤として使用することがで
きる。この還元剤としては、特に限定されないが、硫酸
第一鉄、ナフテン酸第一銅等の還元状態にある金属イオ
ンを含有する化合物;メタンスルホン酸ナトリウム等の
スルホン酸化合物;ジメチルアニリン等のアミン化合
物;などが挙げられる。これらの還元剤は単独で又は2
種以上を組合せて用いることができる。還元剤の使用量
は、過酸化物1重量部に対して0.03〜10重量部で
あることが好ましい。
ルアミン、ヒドロキシアミン硫酸塩、ジエチルヒドロキ
シアミン、ヒドロキシアミンスルホン酸およびそのアル
カリ金属塩、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、
ハイドロキノン誘導体、カテコール誘導体、ならびに、
ヒドロキシジメチルベンゼンチオカルボン酸、ヒドロキ
シジエチルベンゼンジチオカルボン酸、ヒドロキシジブ
チルベンゼンジチオカルボン酸などの芳香族ヒドロキシ
ジチオカルボン酸およびこれらのアルカリ金属塩;など
が挙げられる。重合停止剤の使用量は、特に限定されな
いが、通常、全単量体100重量部に対して、0.1〜
2重量部である。
量調整剤、粒径調整剤、キレート化剤、酸素捕捉剤等の
重合副資材を使用することができる。
0〜95℃、好ましくは5〜70℃である。重合反応を
停止する際の重合転化率は、好ましくは90重量%以
上、より好ましくは93重量%以上である。
応の単量体を除去し、固形分濃度やpHを調整してラテ
ックスを得る。
剤、防腐剤、抗菌剤、分散剤などを適宜添加できる。
60〜300nm、より好ましくは80〜150nmで
ある。なお、この粒子径は、乳化剤および重合開始剤の
使用量を調節するなどの方法により、所望の値に調整で
きる。
ディップ成形用ラテックスを含有してなる。
剤および加硫促進剤を配合することが好ましく、さらに
所望により、酸化亜鉛を配合してもよい。加硫剤として
は、ディップ成形において通常用いられるものが使用で
き、例えば、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫
黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などの硫黄;ヘキサメチ
レンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン等のポリアミン類;などが挙げられる。な
かでも、硫黄が好ましい。加硫剤の使用量は、ラテック
ス固形分100重量部に対して、好ましくは0.5〜1
0重量部、より好ましく2〜5重量部、特に好ましくは
3.5〜4.5重量部である。
て通常用いられるものが使用でき、例えば、ジエチルジ
チオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸、ジ−
2−エチルヘキシルジチオカルバミン酸、ジシクロヘキ
シルジチオカルバミン酸、ジフェニルジチオカルバミン
酸、ジベンジルジチオカルバミン酸などのジチオカルバ
ミン酸類およびそれらの亜鉛塩;2−メルカプトベンゾ
チアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2
−メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフ
ィド、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチ
アゾール、2−(N,N−ジエチルチオ・カルバイルチ
オ)ベンゾチアゾール、2−(2,6−ジメチル−4−
モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、2−(4′−モル
ホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール、4−モルホニリル
−2−ベンゾチアジル・ジスルフィド、1,3−ビス
(2−ベンゾチアジル・メルカプトメチル)ユリアなど
が挙げられる。なかでも、ジブチルジチオカルバミン酸
亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプ
トベンゾチアゾール亜鉛が好ましい。これらの加硫促進
剤は、単独で又は2種以上を組合せて用いることができ
る。加硫促進剤の使用量は、ラテックス固形分100重
量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好
ましくは0.5〜5重量部、特に好ましくは1〜3重量
部である。
00重量部に対して、好ましくは5重量部以下、より好
ましくは1重量部以下、特に好ましくは0.5重量部以
下である。
に所望により、通常配合される、pH調整剤、増粘剤、
老化防止剤、分散剤、顔料、充填剤、軟化剤などを配合
してもよい。また、本発明の目的を損なわない限り、天
然ゴムラテックス、イソプレンゴムラテックス等のその
他のラテックスを併用することもできる。
度は、好ましくは20〜40重量%、より好ましくは2
5〜35重量%である。本発明のディップ成形用組成物
のpHは、8.5〜12、好ましくは9〜11の範囲に
あることが好ましい。
成形用組成物をディップ成形してなる。ディップ成形法
は、通常の方法を採用すればよい。ディップ成形法とし
ては、例えば、直接浸漬法、アノード凝着浸漬法、ティ
ーグ凝着浸漬法などが挙げられる。なかでも、均一な厚
みを有するディップ成形物が得られやすい点で、アノー
ド凝着浸漬法が好ましい。
ップ成形用型を凝固剤溶液に浸漬して、該型表面に凝固
剤を付着させた後、それをディップ成形用組成物に浸漬
して、該型表面にディップ成形層を形成する。
塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化ア
ルミニウムなどのハロゲン化金属;硝酸バリウム、硝酸
カルシウム、硝酸亜鉛などの硝酸塩;酢酸バリウム、酢
酸カルシウム、酢酸亜鉛など酢酸塩;硫酸カルシウム、
硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩など
が挙げられる。なかでも、塩化カルシウム、硝酸カルシ
ウムが好ましい。凝固剤は、通常、水、アルコール、ま
たはそれらの混合物の溶液として使用する。凝固剤濃度
は、通常、5〜70重量%、好ましくは20〜50重量
%である。
理を施し加硫する。加熱処理を施す前に、水、好ましく
は30〜70℃の温水、に1〜60分程度浸漬し、水溶
性不純物(例えば、余剰の乳化剤や凝固剤など)を除去
してもよい。この操作は、ディップ成形層を加熱処理し
た後に行ってもよいが、より効率的に水溶性不純物を除
去できる点から、熱処理前に行うのが好ましい。
は、100〜150℃の温度で、10〜120分の加熱
処理を行い、加硫する。加熱の方法としては、赤外線や
熱空気による外部加熱または高周波による内部加熱によ
る方法が採用できる。なかでも、熱空気による加熱が好
ましい。
型から脱着することによって、ディップ成形物が得られ
る。脱着方法は、手で成形用型から剥がしたり、水圧や
圧縮空気の圧力により剥がしたりする方法が採用でき
る。
10〜120分の加熱処理を行ってもよい。
び/または外側の表面に、表面処理層を形成してあって
もよい。
伸張時の応力が2.5MPa以下、引張強度が15MP
a以上、好ましくは20MPa以上、かつ100%伸張
してから6分間後の応力保持率が70%以上、好ましく
は70%を超えるものが容易に得られる。さらに、メチ
ルエチルケトン膨潤率(以下、「MEK膨潤率」と略す
ることがある。)が200%以下、好ましくは180%
以下であるディップ成形物が得られる。この数値が小さ
いほど、耐油性に優れる。
1〜約3ミリのものが製造でき、特に厚みが0.1〜
0.3ミリの薄手のものに好適に使用できる。具体的に
は、哺乳瓶用乳首、スポイト、導管、水枕などの医療用
品;風船、人形、ボールなどの玩具や運動具;加圧成形
用バッグ、ガス貯蔵用バッグなどの工業用品;手術用、
家庭用、農業用、漁業用および工業用の手袋;指サック
などが挙げられる。特に、薄手の手術用手袋に好適であ
る。
説明する。なお、実施例中の「%」および「部」は特に
断りのない限り、重量基準である。
液の一部を採取し、ガスクロ法によって、未反応アクリ
ロニトリル量を測定した。この量と仕込みのアクリロニ
トリル量とから、仕込みのアクリロニトリル量に対す
る、共重合体に転化したアクリロニトリル量の割合を計
算した。
製)ASTM D412に準じて、ゴム手袋状のディッ
プ成形品をダンベル(Die−C)で打ち抜いて、試験
片とした。 (300%伸張時の応力)試験片を、テンシロン万能試
験機(RTC−1225A:株式会社オリエンテック
製)で、引張速度500mm/分で引っ張り、伸び率が
300%の時の引張応力を測定した。この値が小さいほ
ど、風合いに優れる。
験機で、引張速度500mm/分で引っ張り、破断直前
の引張強度を測定した。 (破断時伸び)試験片を、テンシロン万能試験機で、引
張速度500mm/分で引っ張り、破断直前の伸びを測
定した。
万能試験機で、伸び率100%にした直後の引張応力
(Md0)と伸び率100%のまま6分間保持した後の
引張応力(Md6)を測定し、Md6をMd0で除して
応力保持率(百分率で示す。)を求めた。応力保持率が
高いほど、密着状態の持続性に優れる。
いて、直径2cm(D1)の円板状試験片を作製した。
この試験片を十分な量のメチルエチルケトンに、20℃
で72時間浸漬した。膨潤後の試験片の直径(D2)を
測定し、下記(1)式により、MEK膨潤率を求めた。 MEK膨潤率(%)=(D2/D1)2×100 (1)
ニトリル18部、メタクリル酸3部、1,3−ブタジエ
ン74部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタ
ン0.3部、脱イオン水150部、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム2.5部、過硫酸カリウム0.2部
およびエチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.1部を仕
込んだ後、系内温度を39℃にして重合反応を開始し
た。重合反応系内の全単量体についての重合転化率が6
0%になった時点(この時の重合系内のアクリロニトリ
ルの重合転化率は66%であった。)で、アクリロニト
リル4部およびメタクリル酸1部を重合反応系に添加し
た。さらに、39℃を保持したまま、重合転化率が95
%になるまで重合反応を継続し、その後、ジエチルヒド
ロキシルアミン0.1部を添加して重合反応を停止し
た。得られた共重合体ラテックスから、未反応単量体を
留去した後、固形分濃度とpHを調整し、固形分濃度4
5%、pH8.5の共重合体ラテックスAを得た。硫黄
3.5部、酸化亜鉛0.1部、ジブチルカルバミン酸亜
鉛2部、水酸化カリウム0.03部および水5.63部
を混合して調製した加硫剤分散液11.26部を、共重
合体ラテックス250部(固形分100部)に混合した
後、適量の脱イオン水を加えて、固形分濃度30%のデ
ィップ成形用組成物を得た。
乳化剤のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル
0.05部及び水80部を混合して調製した凝固剤水溶
液に手袋型を1分間浸漬し、引き上げた後、3分間50
℃で乾燥して、凝固剤を手袋型に付着させた。次に、凝
固剤の付着した手袋型を上記のディップ成形用組成物に
6分間浸漬し、引き上げた後、そのディップ成形層が形
成された手袋型を25℃で3分間乾燥し、次いで40℃
の温水に3分間浸漬して、水溶性不純物を溶出させた。
次いで、その手袋型を80℃で20分間乾燥し、引続
き、120℃で25分間熱処理してディップ成形層を加
硫させた。最後に加硫したディップ成形層を手袋型から
剥し手袋形状のディップ成形物を得た。このディップ成
形物の評価結果を表1に示す。
の仕込み量、重合反応開始後に添加するアクリロニトリ
ル量およびメタクリル酸量、並びにその添加する際の条
件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様
に行ない、共重合体ラテックスBおよびCを得た。共重
合体ラテックスAに代えて、それぞれ、共重合体ラテッ
クスBおよびCを用いた以外は、実施例1と同様にディ
ップ成形物を得た。ディップ成形物の評価結果を表1に
示す。
の仕込み量、重合反応開始後に添加するアクリロニトリ
ル量およびメタクリル酸量、並びにその添加する際の条
件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様
に行ない、共重合体ラテックスDおよびEを得た。共重
合体ラテックスAに代えて、それぞれ、共重合体ラテッ
クスDおよびEを用いた以外は、実施例1と同様にディ
ップ成形物を得た。ディップ成形物の評価結果を表1に
示す。
を全量仕込んで共重合して得られた比較例1の共重合体
ラテックスDを用いて製造したディップ成形物は、応力
保持率は比較的良好であるものの、風合いにやや劣り、
引張強度もやや不十分である。単量体混合物の共重合を
開始した後に、アクリロニトリルとメタクリル酸とを添
加しているものの、初期にメタアクリル酸を仕込まずに
共重合して得られた比較例2の共重合体ラテックスEを
用いて製造したディップ成形物は、比較例1に比べ、引
張強度が同等程度であるものの、応力保持率および風合
いに劣る。これらの比較例に対して、実施例1〜3のア
クリロニトリルとメタクリル酸を含む単量体混合物の重
合を開始した後に、残余のアクリロニトリルとメタクリ
ル酸を添加して共重合して得られた共重合体ラテックス
A〜Cを用いて製造したディップ成形物は、いずれも、
風合いに優れ、十分な引張強度を有し、かつ応力保持率
が高い。
引張強度を有し、かつ密着状態の持続性に優れるディッ
プ成形物、該ディップ成形物を与えるディップ成形用組
成物、および該ディップ成形組成物に使用するディップ
成形用ラテックスが提供される。
Claims (8)
- 【請求項1】 共役ジエン単量体50〜89.5重量
部、エチレン性不飽和ニトリル単量体10〜40重量
部、エチレン性不飽和酸単量体0.5〜10重量部およ
びこれらと共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量
体0〜19.5重量部からなる単量体混合物100重量
部を共重合して得られるディップ成形用ラテックスであ
って、重合に使用する単量体のうち、共役ジエン単量体
の80重量%以上、エチレン性不飽和ニトリル単量体の
50〜90重量%、エチレン性不飽和酸単量体の40〜
90重量%およびこれらと共重合可能なその他のエチレ
ン性不飽和単量体の80重量%以上を含む単量体混合物
を用いて重合を開始し、その後、重合反応系内の全単量
体についての重合転化率が5〜95重量%の範囲にある
時に残余のエチレン性不飽和ニトリル単量体と残余のエ
チレン性不飽和酸単量体とを添加し、かつ、残余の共役
ジエン単量体およびこれらと共重合可能なその他のエチ
レン性不飽和単量体は、重合反応を停止するまでに添加
を完了して共重合することを特徴とするディップ成形用
ラテックス。 - 【請求項2】 重合反応系内のエチレン性不飽和ニトリ
ル単量体の重合転化率が40〜95重量%の範囲にある
時に、残余のエチレン性不飽和ニトリル単量体を重合反
応系に添加する請求項1に記載のディップ成形用ラテッ
クス。 - 【請求項3】 重合反応系内の全単量体についての重合
転化率が20〜80重量%の範囲にある時に、残余のエ
チレン性不飽和酸単量体を重合反応系に添加する請求項
1または2に記載のディップ成形用ラテックス。 - 【請求項4】 残余のエチレン性不飽和ニトリル単量体
を2分割以上に分けて重合反応系に添加する請求項1〜
3のいずれかに記載のディップ成形用ラテックス。 - 【請求項5】 請求項1に記載のディップ成形用ラテッ
クスを含有してなるディップ成形用組成物。 - 【請求項6】 請求項5記載のディップ成形用組成物を
ディップ成形してなるディップ成形物。 - 【請求項7】 300%伸張時の応力が2.5MPa以
下、引張強度が15MPa以上、かつ100%伸張して
から6分間後の応力保持率が70%を超えるディップ成
形物。 - 【請求項8】 さらにメチルエチルケトン膨潤率が20
0%以下である請求項7記載のディップ成形品。
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