JP3919865B2 - パチンコ機の球タンク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機の上方の補給経路から補給されたパチンコ球を貯留する球タンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、パチンコ機は遊技盤の裏面に合成樹脂製の機構板が開閉可能に装着されており、該機構板にはその上部に周知のように球タンク,該球タンクの底部に設けられた落下口に連通しその下方に位置するタンクレール,該タンクレールの流下端にカーブレールを介して連通する景品球払出装置等がそれぞれ所定位置に装着されており、また機構板のほぼ中央部に窓孔が開設され、該窓孔内に遊技状態を制御するための回路基板を収納した基板ボックスが配設されている。
【0003】
ところで、最近のパチンコ機にあっては遊技内容の高度化・複雑化に伴って大きな回路基板が必要とされるようになってきており、このため回路基板を収納する基板ボックスも大型化されて機構板の窓孔部分に装着することが困難な状態になりつつある。このようなことは機構板の窓孔を大きくすることによって簡単に解決できると考えられるが、機構板には上記した球タンク,タンクレール,景品球払出装置等の裏部品が装着されている関係上、窓孔の大きさも限られたものとなって該窓孔を大きくすることは無理であった。
【0004】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、底部に通路部を設けると共に該通路部の球出口に景品球払出装置を一体に組み込むことにより、従来のタンクレールを不要とすると共に景品球払出装置を所定位置に設ける必要をなくし、窓孔を要請に応え得る大きさにすると共に機構板の裏部品を簡素化してこれらの成形や組付作業の簡略化を図ることができ、しかも球タンク内での球噛み、球詰りを防止するようにしたパチンコ機の球タンクを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明に係るパチンコ機の球タンクは、景品球払出装置を一体に組み込んで形成される。球タンクは上面が開口し、底部に長手方向に沿って断面凹形状の通路部が傾斜状に設けられると共に該通路部の下流端部に球出口が設けられる。また、前記景品球払出装置は、球出口に配置されかつ通路部を流下するパチンコ球を1個ずつ球タンクから払い出すリードスクリューと、該リードスクリューを回転させる駆動モータとから構成される。駆動モータは入賞球の発生毎に駆動するように電気的に制御され、前記球タンクから払い出されたパチンコ球は、排出通路を介してパチンコ機前面の打球供給皿へ導かれる。このように、球タンクの底部に通路部を設けると共に該通路部の球出口に景品球払出装置を一体に組み込むようにしたので、従来のタンクレール及び景品球払出装置が不要となり、これにより窓孔を要請に応え得る大きさとすることができると共に機構板の裏部品が簡素化されそれらの成形や組付作業の簡略化が図られる。
【0006】
また、通路部の下流端部が所要長さの底部を残した位置に設けられると共に該下流端部に球出口が設けられ、球出口の外側であって前記底部の下側にリードスクリューを配置させると共にその底部に所要幅の切欠開口を設けた構成としても良い。そこで、リードスクリューの回転に伴い切欠開口を介してリードスクリューの外周面に接触するパチンコ球が回転することとなり、これに伴いこれらパチンコ球と接触して積み重なる他のパチンコ球も回転して球くずしが起こされるので、球タンク内での球噛みや球詰り状態の発生を防止することができる。
【0007】
また、通路部内に沿って基端部がリードスクリューの先端面のほぼ中心に固着される所要長さの球くずしバーを配設した構成としても良い。そこで、リードスクリューと共に球くずしバーが回転して通路部内及びその隣部に重なるパチンコ球が回転することとなり、これによりこれらパチンコ球の球くずしが起され、通路部及びその隣部での球噛みや球詰まり状態の発生を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係るパチンコ機の球タンクの実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る球タンクが装着されたパチンコ機の裏面図であり、図中、1はパチンコ機の前面枠、2は前面枠1の後面に着脱自在に取り付けられる遊技盤であって、該遊技盤2の裏面には入賞球集合カバー3が配設されており、該カバー3の裏面に基板ボックス4が装着されている。この基板ボックス4には遊技盤2の表面に設けられた始動入賞口,可変表示装置,大入賞口等の動作を駆動制御するための回路基板が収容されている。
【0009】
5は遊技盤2の裏面に開閉可能に装着される合成樹脂製の機構板である。この機構板5は遊技盤2の裏面に相対する板状部6を有し、この板状部6のほぼ中央に基板ボックス4を臨ませるための窓孔7が開設されている。窓孔7の上方であり、かつ板状部6の裏面には本発明に係る球タンク8が固着される。また、窓孔7の右側方に位置する板状部6裏面にはパチンコ機の前面に装着される打球供給皿(図示せず。)に連通する排出通路9と球タンク8に貯留されるパチンコ球を排出通路9へ導く誘導レール10が配設される。また、窓孔7の下方の板状部6には入賞球集合部11に集められた入賞球を1個ずつ排出処理する入賞球排出処理装置12及びアウト球排出樋13等の各種裏部品が設けられている。
【0010】
図2は本発明に係る球タンク8の斜視図、図3は同分解斜視図、図4は同平面図、図5は図4のW−W線断面図、図6は図4のX−X線断面図をそれぞれ示す。次に図2ないし図6を参照して本発明に係る球タンク8の具体的な構造を説明する。球タンク8は機構板5に接する後側壁14と該後側壁14に対向する前側壁15と左側壁16及び右側壁17と底部18とによって上面が開口された長方形箱体8aとして構成される。この長方形箱体8aの底部18の長さ方向のほぼ中央には断面凹形状の通路部19が形成されている。また、通路部19を除く長方形箱体8aの底部18はその長さ方向には傾斜しておらず、かつ長さ方向と直角方向には通路部19に向かう傾斜がつけられている。
【0011】
前記通路部19は長方形箱体8aの左側壁16から右側壁17に向けて漸次深くなるように下り傾斜状に形成されており、その下流端部は右側壁17から所要長さの底部18aを残した位置に設けられると共に開口された球出口20として形成される。そして、図5に示されるように前記誘導レール10の上端が球出口20に接続されるようになっている。また、通路部19の内底面にはほぼ中央部から下流端部にかけて仕切壁21が設けられており、該仕切壁21によってパチンコ球が2列に整列しながら球出口20に向けて流下するように球通路19a,19bが形成されている。前記仕切壁21は図5に示されるように下流端方向に向けて漸次高くなるように形成されており、その下流端の高さはパチンコ球の直径より若干低くなるように形成されている。22は補強用のリブである。
【0012】
そして、前記球タンク8には景品球払出装置23が一体に組み込まれる。該景品球払出装置23は、電気的に制御され入賞球が入賞球排出処理装置12で1個ずつ処理されるたびに作動して球タンク8内のパチンコ球を所定量払い出すようにしており、払い出されたパチンコ球は排出通路9を介してパチンコ機前面の打球供給皿に排出される。すなわち、景品球払出装置23は、図3に示されるようにリードスクリュー24と該リードスクリュー24を回転させる駆動モータ25とからなる。
【0013】
リードスクリュー24は、図4,5に示されるように通路部19の球出口20の外側であって底部18aの下側に先端面が通路部19に臨むようにして配置される。これにより、図6に示されるようにリードスクリュー24と両球通路19a,19bとの間にパチンコ球が摺り抜けられる空間S,Sが形成される。また、円筒体26の外周表面には前記通路部19内の最先端のパチンコ球を受ける突条27を螺旋状に設けて形成されている。また、駆動モータ25は右側壁17から下方へ延設される突出片28に固着され、駆動軸29が下端縁の切欠凹部30を介して前記円筒体26の中心の軸孔31に嵌挿されている。なお、前記リードスクリュー24の突条27は、該リードスクリュー24が1回転することによって両球通路19a,19bの最先端のパチンコ球が突条27間に入り保持されつつ誘導レール10へ排出されるようにその螺旋形状が選ばれる。
【0014】
しかして、上記のように構成される球タンク8には図示しないパチンコ機の上方の補給経路から補給されるパチンコ球が貯留されるが、これらパチンコ球は底部18上面及び通路部19内に滞留する。そこで、入賞球排出処理装置12の入賞球検出器(図示せず。)が入賞球を検出すると、その検出信号に基づいて駆動モータ25が回転を開始し、同時にリードスクリュー24が回転する。このリードスクリュー24は所定回数回転し、これにより両球通路19a,19bを流下するパチンコ球B,Bの内、最先端のパチンコ球B,Bが円筒体26外周の突条27間に入り保持されながら空間S,Sを通過して交互に外側へ運ばれ、以後同様にして所定数のパチンコ球Bが誘導レール10に排出される。これら誘導レール10に排出されたパチンコ球Bは排出通路9を介して打球供給皿に払い出されることとなる。
【0015】
このように、本発明に係る球タンク8は、該球タンク8に貯留されるパチンコ球Bを整列して排出通路9へ導くための通路部19を一体に形成すると共に景品球払出装置23を一体に組み込んで形成したものであるから、従来のパチンコ機のように球タンクの下方に位置しパチンコ球を整列して景品球払出装置へ導くためのタンクレールや球ならし等が不要となり、しかも該景品球払出装置を所定位置に設ける必要がなくなり、その分図1に示されるように機構板5に対する窓孔7の上方と右側方の設置面積を小さくすることができて基板ボックス4を臨ませるための窓孔7を大きく形成することができる。また、通路部19の形成によって球タンク8の容積が増大される。更に、球タンク8を取り付けることにより景品球払出装置23も同時に取り付けられることとなるので、これにより機構板の裏部品の成形や取付作業の簡略化が図られる。
【0016】
図7ないし図9はリードスクリュー24の上方の底部18aにリードスクリュー24の外周面にその軸方向に沿って1,2個のパチンコ球が乗って接し得る程度の横幅を有する切欠開口32を設けたものである。そこで、図9に示されるように底部18aのパチンコ球Bは切欠開口32内に入りリードスクリュー24の円筒体26の外周面に接触しており、所定量のパチンコ球を払い出すためリードスクリュー24が回転するとき、前記円筒体26の外周面に接触しているパチンコ球Bが回転させられる。これに伴い、これらパチンコ球Bと接触し積み重なる他のパチンコ球Bも回転することとなって球くずしが起されるので、球タンク8内での球噛みや球詰り状態の発生を防止することができる。
【0017】
図10ないし図12は通路部19内、詳しくは仕切壁21に沿ってその上方に一端部がリードスクリュー24の円筒体26の先端面のほぼ中心に固着され、他端部が軸受部34により軸支される所定長さの丸棒状の球くずしバー33を水平に配設したものである。これにより、リードスクリュー24の回転と共に球くずしバー33が回転する。これに伴い、図12に示されるように球くずしバー33の一端部側に接する通路部19内及びその隣部に重なるパチンコ球B、更には球くずしバー33の外周面全体に接するパチンコ球Bも回転することとなって球くずしが起され、球通路19a,19b内ではパチンコ球Bが整流されて流下し、正常なパチンコ球Bの払い出し動作が行なえるようになると共に球くずしバー33の全長に亘り広く球タンク8内の球くずしが行なえる。よって、通路部19及びその隣部での球噛みや球詰りが防止されることとなる。これは前記リードスクリュー24では充分でないとき、すなわち球タンク8内いっぱいにパチンコ球Bが貯留されているとき、または通路部19にのみパチンコ球Bが残りリードスクリュー24上方の底部18a上面にはパチンコ球Bが乗ってないときなどは効果的である。なお、前記軸受部34の上流側は各球通路19a,19bを流下するパチンコ球B,Bの障害とならないように尖らしておくことが望ましい。
【0018】
また、このような球くずしバーは、接触するパチンコ球Bが回転するのみではじかれるようなことがなく、これにより駆動モータ25に余り負荷が加わらないので、例えば高速でパチンコ球Bを払い出すのに適している。
【0019】
また、前記球くずしバー33の外周面には間隔が広くしかも各球通路19a,19bのパチンコ球B,Bを球出口20側へ送る螺旋状の僅かな高さの突条を設けるようにしても良い。これにより、各球通路19a,19bのパチンコ球B,Bを球出口側へ促す働きが有ると共に突条に接触するパチンコ球Bに回転及び僅かな振動が与えられることとなり、球くずし効果が一層高められる。また、前記螺旋状の突条の代りに僅かな高さの突起を複数設けるようにしても良い。この場合も前記接触するパチンコ球B,Bの回転及び僅かな振動が与えられ球くずし効果が一層高められる。
【0020】
また、前記球くずしバー33の他端部を図13に示されるように軸受部34で支持しないようにすれば、高速回転の場合は球くずしバー33のフリーな他端部が多少ぶれてバイブレーション効果が得られ、これによっても充分な球くずし効果が得られる。
【0021】
図14は、図13の球くずしバー33の代りに通路部19の上流側に向って突出する円錐形状の球くずしバー33aをリードスクリュー24の先端面に水平に固着したものであり、この場合は球くずしバー33aの外周面の傾斜角度が各球通路19a,19bの内底面の傾斜角度とほぼ同一になるようにしてある。これにより、各球通路19a,19b内で下流側、すなわちリードスクリュー24に近い側及びその隣部のパチンコ球Bが球くずしバー33aに接触して回転するので、特に球詰りを起し易いこの付近での球くずしが行なえ、球噛みや球詰り状態の発生を防止できる。
【0022】
また、図15は通路部19の球出口20部位の内底面に下流側が低い段部35を設け、通路部19と誘導レール10の内底面間に段差を設けるようにしたものである。これにより通路部19の内底面の傾斜角度が緩くでき、各通路部19a,19b内で球くずしバー33に接触するパチンコ球が多くなるので、この分これらパチンコ球Bと接して回転するパチンコ球Bの数が増え、更に、段部35を設けることによっても球くずし効果が得られ、これらが相乗的に働いて球くずし効果が一層高められる。
【0023】
なお、前記球くずしバー33,33aは図7ないし図9に示される球タンク8についても適用され、また図示は省略するが通路部19の球通路が1条または3条の場合であっても本発明が適用できることは勿論である。
【0024】
【発明の効果】
以上、説明したことから明らかなように、本発明においては、球タンクにパチンコ球を整列して排出通路へ導くための通路部を形成し、しかも景品球払出装置を一体に組み込んで形成したものであるから、従来のパチンコ機のようにタンクレール,球ならし等が不要となり、更には景品球払出装置を所定位置に設ける必要がなくなって機構板に対するタンクの設置面積を小さくすることができ、その結果、基板ボックスを臨ませるための窓孔を大きく形成することができる。更に、球タンクを取り付けることで同時に景品球払出装置が取り付けられることとなり、これにより機構板の裏面に取り付けられる裏部品の成形や取付作業が簡略化されるという効果を有する。
【0025】
また、請求項2記載のように通路部の下流端部を所要長さの底部を残した位置に設けると共に該下流端部に球出口を設け、リードスクリューを該底部の下側に配置し、該底部に所要幅の切欠開口を設けるようにしたので、切欠開口を介してリードスクリューの外周面に接するパチンコ球が回転し、これにより球タンク内に貯留されるパチンコ球の球噛みや球詰り状態の発生を防止することができる。
【0026】
更に、請求項1又は2記載のように通路部内に沿って一端部がリードスクリューの先端面のほぼ中央に固着される所要長さの球くずしバーを配設したことにより、通路部及びその隣部、引いては球タンク内での球噛み,球詰りが防止され、しかも通路部のパチンコ球は整流されて流下し、正常なパチンコ球の払い出し動作が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるパチンコ機の裏面図。
【図2】本発明に係る球タンクの斜視図。
【図3】同分解斜視図。
【図4】同平面図。
【図5】図4におけるW−W線断面図。
【図6】図4におけるX−X線断面図。
【図7】他の実施の形態に係る球タンクの斜視図。
【図8】同横断正面図。
【図9】図8におけるY−Y線断面図。
【図10】他の実施の形態における球タンクの斜視図。
【図11】同横断正面図。
【図12】図11のZ−Z線断面図。
【図13】他の実施の形態に係る球タンクの横断正面図。
【図14】他の実施の形態に係る球タンクの横断正面図。
【図15】他の実施の形態に係る球タンクの横断正面図。
【符号の説明】
8 球タンク
18,18a 底部
19 通路部
20 球出口
23 景品球払出装置
24 リードスクリュー
25 駆動モータ
B パチンコ球
32 切欠開口
33 球くずしバー
Claims (2)
- 景品球払出装置を一体に組み込んで形成され、球タンクは上面が開口し、底部に長手方向に沿って断面凹形状の通路部が傾斜状に設けられると共に該通路部の下流端部に球出口が設けられ、また前記景品球払出装置は球出口に配置されかつ通路部を流下するパチンコ球を1個ずつ球タンクから払い出すリードスクリューと該リードスクリューを回転させる駆動モータとからなり、さらに一端部がリードスクリューの先端面のほぼ中心に固着される所要長さの球くずしバーを通路部内に沿って配設したことを特徴とするパチンコ機の球タンク。
- 景品球払出装置を一体に組み込んで形成され、球タンクは上面が開口し、底部に長手方向に沿って断面凹形状の通路部が傾斜状に設けられ、該通路部の下流端部が所要長さの底部を残した位置に設けられると共に該下流端部に球出口が設けられ、また前記景品球払出装置は球出口の外側であって前記底部の下側に配置されかつ通路部を流下するパチンコ球を1個ずつ球タンクから払い出すリードスクリューと該リードスクリューを回転させる駆動モータとからなり、リードスクリュー上方の底部には所要幅の切欠開口を設け、さらに一端部がリードスクリューの先端面のほぼ中心に固着される所要長さの球くずしバーを通路部内に沿って配設したことを特徴とするパチンコ機の球タンク。
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