JP3919551B2 - 炊飯器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炊飯釜を収納するケーシングと、前記炊飯釜の上部を閉じる状態と開く状態とに開閉自在な蓋と、前記炊飯釜を加熱する加熱手段とが設けられ、前記蓋には、前記炊飯釜の上部を閉じる状態において、前記炊飯釜の内部空間と外部とを連通する蒸気孔が設けられている炊飯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような炊飯器は、加熱手段にて炊飯釜を加熱することにより炊飯を行い、その炊飯に伴って炊飯釜の内部空間から泡と蒸気を含むおねばが発生するものであり、加熱量など炊飯の条件によっては、泡を含むおねばが蒸気孔を通して外部に漏出し、おねばの吹きこぼれが生じる虞があるので、そのおねばの吹きこぼれを防止することが求められている。
【0003】
そして、その要求に応えるために、例えば、特開平9−224822号公報に示されているように、蓋に着脱自在でかつ蓋に装着した状態において蒸気孔を形成する蒸気孔形成部材が設けられ、炊飯に伴って炊飯釜の内部空間から発生するおねばを、蒸気孔形成部材に設けられた蒸気通過孔を上昇させて、その上昇中におねばを冷やすことにより、おねばを蒸気と液体成分とに分離させ、蒸気のみを蒸気孔を通して外部に放出させることによって、泡を含むおねばが蒸気孔を通して外部に漏出するのを防止し、おねばの吹きこぼれを防止するようにしている。
【0004】
説明を加えると、蒸気孔形成部材は、上面に蒸気放出孔が形成された蒸気カバーと、蒸気カバーの内部で上下動可能なバケットから構成され、バケットの外面と蒸気カバーの内面との間に蒸気通過孔を形成し、その蒸気通過孔、バケットの内外を連通する複数の連通孔、および、蒸気放出孔などから蒸気孔を形成し、炊飯釜の内部空間から発生した蒸気の圧力により、バケットが上方側に押し上げられることにより、おねばを蒸気通過孔に噴出させる。
そして、その蒸気通過孔を上昇中におねばが冷やされることにより、おねばに形成された泡が液体成分となり、その比重が重い液体成分は、バケット内に落下し、比重の軽い蒸気は蒸気カバーの蒸気放出孔を通して外部に放出され、蒸気のみを蒸気放出孔を通して外部に放出するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の炊飯器では、蒸気通過孔を上昇中におねばが冷却されることを利用して、おねばを液体成分と蒸気とに分離して、蒸気のみを蒸気孔を通して外部に放出することによって、おねばの吹きこぼれを防止するようにしている。
しかしながら、蒸気孔形成部材に蒸気通過孔を形成する構造が複雑であるので、おねばの吹きこぼれを防止するための構成が複雑になるという問題がある。
【0006】
また、上記従来の炊飯器では、単に、おねばを蒸気通過孔を上昇させているだけであるので、おねばを液体成分と蒸気とに確実に分離させ難く、蒸気通過孔の長さを長くするなど、おねばを液体と蒸気とに分離させやすくするための構造を付加する必要が生じるなどして、おねばの吹きこぼれを防止するための構成がさらに複雑なものとなる虞がある。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、容易な構成でおねばの吹きこぼれを防止することが可能となる炊飯器を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、炊飯釜を収納するケーシングと、前記炊飯釜の上部を閉じる状態と開く状態とに開閉自在な蓋と、前記炊飯釜を加熱する加熱手段とが設けられ、前記蓋には、前記炊飯釜の上部を閉じる状態において、前記炊飯釜の内部空間と外部とを連通する蒸気孔が設けられている炊飯器において、
炊飯に伴って前記炊飯釜の内部空間から発生するおねばに対して、前記蒸気孔を通して外部に漏出する前に加熱作用し、前記おねばに形成された泡を潰す加熱式泡破壊手段が設けられている。
【0009】
すなわち、加熱式泡破壊手段を設けることにより、蒸気孔を通して外部に漏出する前に、おねばに対して加熱作用することが可能となるので、その加熱作用によりおねばを局部的に乾燥させて、おねばに形成された泡を潰し、おねばを液体成分と蒸気とに分離させることが可能となって、蒸気のみを蒸気孔を通して外部に放出させることにより、泡を含むおねばが蒸気孔を通して外部に漏出することを防止し、おねばの吹きこぼれを防止することが可能となる。
しかも、蒸気孔を通して外部に漏出する前のおねばに対して、加熱作用するという容易な構成により、おねばを液体成分と蒸気とに分離させることが可能となるので、容易な構成でおねばの吹きこぼれを防止することが可能となる。
【0010】
以上のことをまとめると、請求項1に記載の発明によれば、容易な構成でおねばの吹きこぼれを防止することが可能となる炊飯器を提供できるに至った。
又、請求項1に記載の発明によれば、前記蓋に着脱自在でかつ前記蓋に装着した状態において前記蒸気孔を形成する筒状の蒸気孔形成部材が設けられ、前記加熱式泡破壊手段が、加熱状態において前記蒸気孔形成部材の内部空間を通過する前記おねばに対して加熱作用する作用部を備えて構成され、その作用部が、前記蒸気孔形成部材を前記蓋に装着した状態で、加熱可能になるように設けられている。
すなわち、蒸気孔形成部材を蓋に装着した状態で、蒸気孔形成部材の内部空間を通過するおねばに対して加熱作用する作用部を加熱可能となり、その作用部を加熱状態とすることにより、おねばに対して作用部にて加熱作用することが可能となるので、蒸気孔を通しておねばが外部に漏出する前のおねばに対して、的確に加熱作用することが可能となり、おねばの吹きこぼれを的確に防止することが可能となる。
そして、蒸気孔形成部材を蓋から離脱させて、例えば、蒸気孔形成部材を水で洗うことによって、おねばの通過により汚れた蒸気孔形成部材の内部空間を掃除することが可能となるので、おねばに対する清掃などのお手入れが行い易いものとなる。
又、請求項1に記載の発明によれば、前記作用部が、前記蒸気孔形成部材に備えられ、前記作用部を誘導加熱により加熱する加熱部が、前記蓋に設けられている。
すなわち、蒸気孔形成部材に備えられて、おねばに対して加熱作用する作用部を、蓋に設けられた加熱部による誘導加熱にて加熱することが可能となるので、加熱部が泡を含むおねばと直接接触しない状態で、加熱部にて作用部を加熱状態とすることが可能となる。
したがって、漏電を防止するために加熱部をシールするなど、漏電を防止するための特別な構成をとくに必要とせず、おねばの吹きこぼれを防止することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、炊飯釜を収納するケーシングと、前記炊飯釜の上部を閉じる状態と開く状態とに開閉自在な蓋と、前記炊飯釜を加熱する加熱手段とが設けられ、前記蓋には、前記炊飯釜の上部を閉じる状態において、前記炊飯釜の内部空間と外部とを連通する蒸気孔が設けられている炊飯器において、
炊飯に伴って前記炊飯釜の内部空間から発生するおねばに対して、前記蒸気孔を通して外部に漏出する前に加熱作用し、前記おねばに形成された泡を潰す加熱式泡破壊手段が設けられている。
すなわち、加熱式泡破壊手段を設けることにより、蒸気孔を通して外部に漏出する前に、おねばに対して加熱作用することが可能となるので、その加熱作用によりおねばを局部的に乾燥させて、おねばに形成された泡を潰し、おねばを液体成分と蒸気とに分離させることが可能となって、蒸気のみを蒸気孔を通して外部に放出させることにより、泡を含むおねばが蒸気孔を通して外部に漏出することを防止し、おねばの吹きこぼれを防止することが可能となる。
しかも、蒸気孔を通して外部に漏出する前のおねばに対して、加熱作用するという容易な構成により、おねばを液体成分と蒸気とに分離させることが可能となるので、容易な構成でおねばの吹きこぼれを防止することが可能となる。
以上のことをまとめると、請求項2に記載の発明によれば、容易な構成でおねばの吹きこぼれを防止することが可能となる炊飯器を提供できるに至った。
又、請求項2に記載の発明によれば、前記蓋に着脱自在でかつ前記蓋に装着した状態において前記蒸気孔を形成する筒状の蒸気孔形成部材が設けられ、前記加熱式泡破壊手段が、加熱状態において前記蒸気孔形成部材の内部空間を通過する前記おねばに対して加熱作用する作用部を備えて構成され、その作用部が、前記蒸気孔形成部材を前記蓋に装着した状態で、加熱可能になるように設けられている。
すなわち、蒸気孔形成部材を蓋に装着した状態で、蒸気孔形成部材の内部空間を通過するおねばに対して加熱作用する作用部を加熱可能となり、その作用部を加熱状態とすることにより、おねばに対して作用部にて加熱作用することが可能となるので、蒸気孔を通しておねばが外部に漏出する前のおねばに対して、的確に加熱作用することが可能となり、おねばの吹きこぼれを的確に防止することが可能となる。
そして、蒸気孔形成部材を蓋から離脱させて、例えば、蒸気孔形成部材を水で洗うことによって、おねばの通過により汚れた蒸気孔形成部材の内部空間を掃除することが可能となるので、おねばに対する清掃などのお手入れが行い易いものとなる。
又、請求項2に記載の発明によれば、前記作用部が、前記蓋に設けられ、前記蒸気孔形成部材には、その蒸気孔形成部材を前記蓋に装着した状態で、前記作用部を前記蒸気孔形成部材の内部空間に突出させる状態に挿通させる装着溝部が形成されている。
すなわち、蒸気孔形成部材を蓋に装着した状態で、蓋に設けられた作用部を蒸気孔形成部材の装着溝部に装着することにより、作用部を蒸気孔形成部材の内部空間に突出させる状態に装着することが可能となるので、蒸気孔形成部材に形成された装着溝部を利用して、作用部を加熱する加熱部などが泡を含むおねばと接触することを防止しながら、作用部を所望の状態に装着させることが可能となる。
したがって、蒸気孔形成部材に装着溝部を形成するという容易な構成により、漏電を防止しながら、おねばの吹きこぼれを防止することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、前記炊飯釜の内部空間から前記おねばが発生するおねば発生状態を検出するおねば発生状態検出手段が設けられ、前記加熱式泡破壊手段が、前記おねば発生状態検出手段にておねば発生状態が検出されると、前記おねばに対して加熱作用するように構成されている。
すなわち、加熱式泡破壊手段は、おねば発生状態のときに、おねばに対して加熱作用するように構成されているので、例えば、加熱式泡破壊手段に通電させることにより、おねばに対して加熱作用するものでは、おねば発生状態のときには、加熱式泡破壊手段に通電させて、おねばに対して加熱作用させることにより、おねばの吹きこぼれを防止し、おねば発生状態以外のときには、加熱式泡破壊手段への通電を停止させることが可能となる。
したがって、おねばに対して加熱作用する必要のあるときだけ、加熱式泡破壊手段に通電させることが可能となり、常時、加熱式泡破壊手段に通電させるものと比べて、ランニングコストの低減を図ることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる炊飯器を図面に基づいて説明する。
〔参考の実施形態〕
この炊飯器は、図1および図2に示すように、都市ガスやプロパンガスなどのガス燃焼式のものであり、炊飯釜1が挿脱自在に収納される筒状のケーシング2と、そのケーシング2に枢支されて、炊飯釜1の上部を閉じる状態と開く状態とに開閉自在な蓋3と、ケーシング2に収納された炊飯釜1を加熱する加熱手段としてのバーナ4と、炊飯のためのバーナ4の燃焼などを制御する制御部Hと、その制御部Hに制御情報を指令する操作部Tなどから構成されている。
【0020】
前記ケーシング2は、筒状の外枠5、その外枠5の底部側に設置されている下枠6、および、外枠5と自己との間における空間のうち上端部分を閉じる状態で外枠5の内側に間隔を隔てて挿入される内胴7から構成され、下枠6には、炊飯釜を加熱するバーナ4が設けられている。
そして、ケーシング2に収納された炊飯釜1と内胴7との間の空間が、バーナ4による燃焼排ガスを外部に排出する排気路8として形成されている。
【0021】
前記蓋3は、外部に連通する外部連通孔9が形成された外蓋部10と、その内方に設置されて、炊飯釜1の内部空間1aに連通する釜連通孔11が形成された内蓋部12とを備えて構成され、内蓋部12は、内蓋取付軸13と内蓋取付パッキン14により外蓋部10に着脱自在に設けられ、外蓋部10との間に蓋内部空間15を形成する状態で、外蓋部10に装着されるように構成されている。
そして、蓋3は、炊飯釜1の上部を閉じる状態において、釜連通孔11、蓋内部空間15、および、外部連通孔9により、炊飯釜1の内部空間1aと外部とを連通するように構成され、釜連通孔11、蓋内部空間15、および、外部連通孔9により蒸気孔が構成されている。
【0022】
また、蓋3には、炊飯に伴って炊飯釜1の内部空間1aから発生するおねばに対して、蒸気孔を通して外部に漏出する前に加熱作用し、おねばに形成された泡を潰す加熱式泡破壊手段17が設けられている。
そして、釜連通孔11、蓋内部空間15、および、外部連通孔9からなる蒸気孔を通して外部に漏出する前のおねばに対して、加熱式泡破壊手段17にて加熱作用することによって、おねばを液体成分と蒸気とに分離し、蒸気のみを外部連通孔9から放出して、泡を含むおねばが蒸気孔から外部に漏出することを防止し、おねばの吹きこぼれを防止するように構成されている。
【0023】
前記加熱式泡破壊手段17は、図3に示すように、外蓋部10に形成され、下方側に突出する突起状の作用部17aと、その作用部17aを加熱する加熱部17bとから構成され、作用部17aが、加熱状態において炊飯に伴って釜連通孔11を通して蓋内部空間15に噴出されるおねばに対して加熱作用するように設けられている。
そして、加熱式泡破壊手段17が、後述する温度センサ22による検出温度に基づいて、炊飯釜1の内部空間1aからおねばが発生するおねば発生状態が検出されると、加熱部17bにて作用部17aを加熱し、作用部17aを加熱状態として、おねばに対して加熱作用するように構成されている。
【0024】
説明を加えると、加熱部17bにて作用部17aを加熱することにより、作用部17aが加熱状態となり、その作用部17aが、炊飯に伴って炊飯釜1の内部空間1aから発生し、釜連通孔11を通して蓋内部空間15に噴出するおねばに対して加熱作用するようにしている。
そして、その作用部17aによる加熱作用によりおねばを局部的に乾燥させて、おねばに形成された泡を潰すことにより、おねばを液体成分と蒸気とに分離させ、その分離された蒸気のみを外部連通孔9を通して外部に放出させて、泡を含むおねばが外部連通孔9を通して漏出するのを防止し、おねばの吹きこぼれを防止するようにしている。
【0025】
また、内蓋部12には、蓋内部空間15と炊飯釜1の内部空間1aとを連通するおねば戻し孔16が、内蓋部12における釜連通孔11の存在箇所から離れた箇所に複数形成されるとともに、そのおねば戻し孔16の形成箇所が、蓋3にて炊飯釜1の上部を閉じる状態において、釜連通孔11の存在箇所よりも低くなるように構成されている。
説明を加えると、釜連通孔13から蓋内部空間15に噴出されるおねばが、加熱式泡破壊手段17による加熱作用により、液体成分と蒸気とに分離されるので、その液体成分を釜連通孔11の存在箇所から離れたおねば戻し孔16の形成箇所の夫々に案内して、おねば戻し孔16を通して蓋内部空間15から炊飯釜1の内部空間1aに戻して、うまみ成分であるおねばの液体成分を炊飯釜1の内部空間1aに分散させる状態で戻すことにより、炊き上がりのうまみを最大限に引き出すように構成されている。
【0026】
前記バーナ4に対して燃焼ガスを供給する燃料供給路17には、図2に示すように、バーナの燃焼量を調整する電磁操作式の比例弁18と、燃料供給を断続する電磁操作式の2個の開閉弁19が設けられ、バーナ4の近くには、バーナ4に点火するイグナイタ20、バーナ4に着火したことを検出するフレームロッド21がそれぞれ設けられている。
そして、炊飯釜の底の温度を検出するおねば発生状態検出手段としての温度センサ22が、炊飯釜1をケーシング2に装着した状態で炊飯釜1の底外面に接当するように設けられている。
【0027】
また、内胴7には、底ヒータH1が設けられ、外蓋部10には、外蓋ヒータH2が設けられ、これら底ヒータH1および外蓋ヒータH2により、炊飯釜1を加熱して保温するように構成されている。
そして、外蓋ヒータH2については、図3に示すように、同じく、外蓋部10に設けられている加熱式泡破壊手段17の加熱部17bと、制御部Hにて切り換えられる切換スイッチS1により、通電可能となる状態が切り換えられるように構成されている。
説明を加えると、制御部Hは、炊飯中には、切換スイッチS1を加熱部17b側に切り換えて、加熱部17bへ通電可能な状態に切り換え、炊飯が終了すると、切換スイッチS1を外蓋ヒータH1側に切り換えて、外蓋ヒータH1へ通電可能な状態に切り換えるようにしている。
【0028】
前記操作部Tは、保温動作のON/OFFを指令する保温キー23、予約時刻や現在時刻をセットするときにON操作する予約キー24、予約時刻や現在時刻をセットする時・分キー25、白米、炊き込み、おかゆ、玄米などのメニューを選択するメニューキー26、キー操作の取り消しや予約・炊飯・保温の停止を指令する停止キー27、炊飯・タイマー炊飯を行うときにON操作する炊飯キー28、燃焼状態、選択されたメニュー、異常状態などを表示する表示部29のそれぞれが備えられている。
【0029】
前記制御部Hは、マイクロコンピュータを利用して、操作部Tの制御指令に基づいて、炊飯のためにバーナ4の燃焼や保温のために底ヒータH1および外蓋ヒータH2への通電を制御するとともに、バーナ4にて炊飯釜1を加熱している炊飯中には、温度センサ22による検出温度に基づいて、おねば発生状態が検出されると、加熱式泡破壊手段17の加熱部17bへの通電を行い、その加熱部17bにて作用部17aを加熱して、作用部17aを加熱状態とし、おねばに対して加熱作用するように構成されている。
【0030】
前記制御部Hの動作について説明を加えると、制御部Hは、基本的には、炊飯キー28により炊飯の開始が指令されると、炊飯工程、および、蒸らし工程を順に行って炊飯完了後に自動的に後述する保温制御を実行する炊飯制御を実行するように構成されている。
【0031】
具体的に説明すると、炊飯工程は、炊飯キー28により炊飯の開始が指令されると、開閉弁19を開弁させ、イグナイタ20にてバーナ4の点火動作を行い、フレームロッド21によってバーナ4の着火を確認する。
そして、温度センサ22の検出温度が予め設定されている予備炊き用設定温度になるように比例弁18にてバーナ4の燃焼量が調整され、このバーナ4の燃焼量の調整を予備炊き用設定時間の間継続し、その後、予め設定されている本炊き用燃焼条件、例えば、温度センサ22の検出温度が予め設定されている温度カーブになるように、比例弁18にてバーナ4の燃焼量が調整され、温度センサ22の検出温度が加熱停止用設定温度以上になると、比例弁18および開閉弁19を閉弁させてバーナ4の燃焼を停止させる。
蒸らし工程は、炊飯工程の終了後、予め設定されている蒸らし用設定時間の間継続するようにしている。
【0032】
また、制御部Hは、操作部Tの制御指令に基づいて、温度センサ22の検出温度が保温用設定温度になるように、底ヒータH1および外蓋ヒータH2により加熱作動させて保温する保温制御や、予約時刻の45分までにバーナ4に点火させて、炊飯制御にて炊飯を行い予約時刻後に自動的に保温制御を実行する予約炊飯制御などを実行するように構成されている。
【0033】
そして、制御部Hは、炊飯中に、切換スイッチS1を加熱部17b側に切り換えて、加熱部17bへ通電可能となる状態とし、炊飯が終了すると、切換スイッチS1を外蓋ヒータH2側に切り換えて、外蓋ヒータH2へ通電可能となる状態に切り換えて、外蓋ヒータH2へ通電するための構成を利用しながら、加熱部17bへも通電できるように構成されている。
また、制御部Hは、温度センサ22の検出温度により沸騰状態が検出されると、おねば発生状態であるとして、加熱部17bへの通電を行い、おねば発生状態以外のときには、加熱部17bへの通電を停止するようにして、おねばが発生するときだけ、加熱部17bに通電して、ランニングコストの低減を図るようにしている。
【0034】
前記制御部Hの炊飯制御における制御動作について、図4のフローチャートに基づいて説明を加える。
まず、炊飯釜1がケーシング2に収納されて、図外の釜セットセンサにて釜セットが検出された状態で、炊飯キー28がON操作されると、バーナ4への点火動作を行い、バーナ4にて炊飯釜1を加熱する炊飯工程を実行する(ステップ1〜3)。なお、炊飯工程では、切換スイッチS1が加熱部17b側に切り換えられる。
【0035】
そして、炊飯工程中に、温度センサ22の検出温度に基づいて、おねば発生状態が検出されると、加熱部17bへの通電を行い(ステップ4,5)、温度センサ22の検出温度Tkが加熱停止用設定温度Tsに到達すると、加熱部17bへの通電を停止し、炊飯工程を終了して蒸らし工程に移行する(ステップ6〜8)。なお、蒸らし工程に移行する際に、切換スイッチS1が外蓋ヒータH2側に切り換えられる。
その後、蒸らし工程を実行して、蒸らし用設定時間が経過すると、炊飯制御が終了される(ステップ9)。
【0036】
〔参考の別実施形態〕
この参考の別実施形態は、上記参考の実施形態における蒸気孔の別実施形態を示すものであり、図面に基づいて説明する。
ちなみに、その他の構成については、上記参考の実施形態と同様であるので、同符号を記すなどにより、その詳細な説明は省略する。
【0037】
上記参考の実施形態では、釜連通孔11、蓋内部空間15、および、外部連通孔9から蒸気孔を構成し、加熱式泡破壊手段17が、釜連通孔11を通して蓋内部空間15に噴出するおねばに対して加熱作用する作用部17aを備えて構成するようにしているが、この参考の別実施形態では、図5に示すように、蓋3に着脱自在でかつ蓋3に装着した状態において蒸気孔を形成する筒状の蒸気孔形成部材30が設けられ、加熱式泡破壊手段17が、加熱状態において蒸気孔形成部材30の内部空間31を通過するおねばに対して加熱作用する作用部17cを備えて構成され、その作用部17cが、蒸気孔形成部材30を蓋3に装着した状態で、加熱可能になるように設けられている。
【0038】
説明を加えると、蒸気孔形成部材30は、下面部が下方側に突出した形状に形成され、蓋3には、蒸気孔形成部材30を装着するための凹状の装着部3aが形成され、その装着部3aの中央部分には、蒸気孔形成部材30を装着部3aに装着した状態において、蒸気孔形成部材30の突出した下面部を炊飯釜1の内部空間1aに露出させるための釜連通孔11aが形成されている。
そして、蒸気孔形成部材30には、装着部3aに装着した状態で、その突出した下面部に、その内部空間31と炊飯釜1の内部空間1aとを連通する内部側連通孔32が形成され、上面部に、その内部空間31と外部とを連通する外部側連通孔33が形成されている。
【0039】
このようにして、蒸気孔形成部材30を装着部3aに装着した状態で、内部側連通孔32、蒸気孔形成部材30の内部空間31、および、外部側連通孔33により、炊飯釜1の内部空間1aと外部とが連通されて、蒸気孔を構成するようにしている。
【0040】
また、蒸気孔形成部材30の内部空間31には、炊飯に伴って炊飯釜1の内部空間1aから発生し、内部側連通孔32からその内部空間31に噴出するおねばに対して加熱作用する突起状の作用部17cが設けられている。
そして、蒸気孔形成部材30を装着部3aに装着した状態で、作用部17cの基端部に設けられた接続部Qと外蓋部10に設けられた加熱部17dとが接触するように設けられ、それら接続部Qと加熱部17dとを接触させることにより、作用部17cが加熱可能となるように構成されている。
ちなみに、接続部Qは、パッキンなどによりシールされて、漏電を防止するようにしている。
【0041】
また、蒸気孔形成部材30には、装着部3aに装着した状態で、内部側連通孔32の存在箇所から離れた箇所に内部空間31と蓋3の蓋内部空間15とを連通する戻し連通孔34が形成されている。
そして、内部側連通孔32から蒸気孔形成部材30の内部空間31に噴出されるおねばが、加熱式泡破壊手段17による加熱作用により、液体成分と蒸気とに分離されるので、その液体成分を戻し連通孔34を通して蓋内部空間15に戻し、さらに、複数のおねば戻し孔16から炊飯釜1の内部空間1aに戻して、うまみ成分であるおねばの液体成分を炊飯釜1の内部空間1aに分散させる状態で戻すことにより、炊き上がりのうまみを最大限に引き出すように構成されている。
【0042】
〔第1実施形態〕
この第1実施形態は、上記参考の別実施形態における蒸気孔形成部材30および加熱式泡破壊手段の別実施形態を示すものであり、図面に基づいて説明する。
ちなみに、その他の構成については、上記参考の別実施形態と同様であるので、同符号を記すなどにより、その詳細な説明は省略する。
【0043】
上記参考の別実施形態では、加熱状態において蒸気孔形成部材30の内部空間31を通過するおねばに対して加熱作用する作用部17cが蒸気孔形成部材30に設けられているが、この第1実施形態では、図6に示すように、加熱状態において蒸気孔形成部材30aの内部空間31aを通過するおねばに対して加熱作用する作用部17eが蓋3に設けられ、蒸気孔形成部材30aには、その蒸気孔形成部材30aを蓋3に装着した状態で、作用部17eを内部空間31aに突出させる状態に挿通させる装着溝部35が形成されている。
【0044】
説明を加えると、外蓋部10には、加熱状態において円筒状の蒸気孔形成部材30aの内部空間31aを通過するおねばに対して加熱作用する突起状の作用部17e、および、その作用部17eを加熱する加熱部17fが設けられている。
前記蒸気孔形成部材30aには、図7および図8に示すように、作用部17eを蒸気孔形成部材30aの下方側から上方側に挿通させる上下切欠溝部35aと、その上下切欠溝部35aの上端部分からから蒸気孔形成部材30aの周方向に切欠いた周切欠溝部35bとが形成され、これら上下切欠溝部35aおよび周切欠溝部35bにより装着溝部35が構成されている。
【0045】
前記蓋3の装着部3aに対する、蒸気孔形成部材30aの装着の仕方について説明を加えると、蓋3の装着部3aに対して、蒸気孔形成部材30aを上方側から装着させて、上下切欠溝部35aの案内により、作用部17eを上下切欠溝部35aの上端部分に位置させる。
そして、作用部17eを上下切欠溝部35aの上端部分に位置させた状態で、蒸気孔形成部材30aを装着部3a内で回転させることにより、周切欠溝部35bの案内により、作用部17eを蒸気孔形成部材30aの内部空間31aに突出させる状態に挿通させ、釜連通孔11bおよび内部側連通孔32を通して内部空間31bに噴出させるおねばに対して加熱作用できる位置に作用部17eを装着させるようにしている。
【0046】
ちなみに、蒸気孔形成部材30aに形成された内部側連通孔32は、作用部17eを上下切欠溝部35aの上端部分に位置させた状態で蒸気孔形成部材30aを装着部3a内で回転させることにより、内蓋部12に形成された釜連通孔11bの上部に位置するように形成されている。
【0047】
このようにして、蒸気孔形成部材30aを装着部3aに装着させる際に、装着溝部35を利用して、作用部17eを蒸気孔形成部材30aの内部空間31aに突出させる状態に挿通させる位置に装着し、加熱部17fにて作用部17eを加熱し、作用部17eを加熱状態として、炊飯に伴って炊飯釜1の内部空間1aから発生し、内部側連通孔32から蒸気形成部材30aの内部空間31aに噴出するおねばに対して作用部17eにて加熱作用するようにしている。
【0048】
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、上記参考の別実施形態における加熱式泡破壊手段の別実施形態を示すものであり、図面に基づいて説明する。
ちなみに、その他の構成については、上記参考の別実施形態と同様であるので、同符号を記すなどにより、その詳細な説明は省略する。
【0049】
上記参考の別実施形態では、加熱状態において蒸気孔形成部材30の内部空間31を通過するおねばに対して加熱作用する作用部17cが蒸気孔形成部材30に設けられ、加熱部17dが蓋3に設けられ、加熱部17dと接続部Qとの接触により、作用部17cが加熱可能となるように構成されているが、この第2実施形態では、図9に示すように、加熱状態において蒸気孔形成部材30bの内部空間31bを通過するおねばに対して加熱作用する作用部17gが、蒸気孔形成部材30bに備えられ、作用部17gを誘導加熱により加熱する加熱部17hが、蓋3に設けられている。
【0050】
説明を加えると、蒸気孔形成部材30bの内部空間31bには、作用部17gとして、例えば、突起状の鉄片が設けられ、外蓋部10には、蒸気孔形成部材30bを蓋3の装着部3aに装着した状態で、作用部17gに対応する位置に加熱部17hとしての誘導コイルが設けられ、その誘導コイルに通電することにより、作用部17gとしての鉄片を加熱し、その鉄片にて内部側連通孔32から内部空間31に噴出するおねばに対して加熱作用して、おねばに形成された泡を潰すようにしている。
【0051】
〔別実施形態〕
(1)上記参考の実施形態では、内蓋部12に釜連通孔11を2つ形成するようにしているが、釜連通孔11の数については、ひとつまたは3つ以上でもよく、適宜変更が可能である。
また、釜連通孔11の形成箇所についても、適宜変更が可能であり、釜連通孔11の形成箇所が変更されると、その変更された釜連通孔11を通して蓋内部空間15に噴出するおねばに対して加熱作用するように作用部17aの形成箇所も変更されることになる。
【0052】
(2)上記参考の別実施形態、及び、第1〜第2実施形態では、蒸気孔形成部材30,30a,30bに内部側連通孔32をひとつ形成するようにしているが、内部側連通孔32の数については、2つ以上でもよく、適宜変更が可能である。
また、蒸気孔形成部材30,30a,30bの形状についても、各種の形状が適応可能である。
【0053】
(3)上記参考の実施形態、参考の別実施形態、及び、第1〜第2実施形態では、制御部Hが、温度センサ22の検出情報に基づいて、おねば発生状態を検出するようにしているが、炊飯の開始から設定時間が経過すると、おねば発生状態であると検出するようにして実施することも可能であり、各種の情報に基づいて、おねば発生状態を検出することが可能である。
【0054】
また、制御部Hは、おねば発生状態が検出されると、加熱部17b,17d,17f,17hへの通電を行い、おねばに対して加熱作用するようにしているが、おねば発生状態であるか否かにかかわらず、常時、加熱部17b,17d,17f,17hへの通電を行うようにして実施することも可能である。
【0055】
(4)上記参考の実施形態、参考の別実施形態、及び、第1〜第2実施形態では、蓋3を外蓋部10と内蓋部12とから構成するようにしているが、内蓋部12を設けずに、外蓋部10のみにて蓋3を構成することも可能である。
【0056】
(5)上記参考の実施形態、参考の別実施形態、及び、第1〜第2実施形態では、外蓋部10に外蓋ヒータH2が設けられ、その外蓋ヒータH2へ通電するための構成を利用して、切換スイッチS1により、加熱部17b,17d,17f,17hへ通電可能となる状態と、外蓋ヒータH2へ通電可能となる状態とに切り換えるように構成されているが、加熱部17b,17d,17f,17hへの通電するための構成と、外蓋ヒータH2へ通電するための構成を各別に設けるようにして実施することも可能である。
【0057】
(6)上記参考の実施形態、参考の別実施形態、及び、第1〜第2実施形態では、保温機能や予約炊飯機能などを備えた炊飯器を例示しているが、これに限ることなく、例えば、単に炊飯を行うだけのものでもよい。
【0058】
(7)上記参考の実施形態、参考の別実施形態、及び、第1〜第2実施形態では、本発明にかかる炊飯器として、炊飯釜1を加熱するバーナ4が設けられたガス燃焼式炊飯器を例示したが、誘導コイルへの電流供給により炊飯釜を加熱する電気式炊飯釜、あるいは、灯油などを用いたその他の燃焼式炊飯器に適応することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 炊飯器の斜視図
【図2】 炊飯器の概略構成図
【図3】 参考の実施形態における炊飯器の要部拡大図
【図4】 炊飯器の炊飯制御を示すフローチャート
【図5】 参考の別実施形態における炊飯器の要部拡大図
【図6】 第1実施形態における炊飯器の要部拡大図
【図7】 第1実施形態における蒸気孔形成部材の斜視図
【図8】 第1実施形態における蒸気孔形成部材に対する作用部の装着状態を示す図
【図9】 第2実施形態における炊飯器の要部拡大図
Claims (3)
- 炊飯釜を収納するケーシングと、前記炊飯釜の上部を閉じる状態と開く状態とに開閉自在な蓋と、前記炊飯釜を加熱する加熱手段とが設けられ、前記蓋には、前記炊飯釜の上部を閉じる状態において、前記炊飯釜の内部空間と外部とを連通する蒸気孔が設けられている炊飯器であって、
炊飯に伴って前記炊飯釜の内部空間から発生するおねばに対して、前記蒸気孔を通して外部に漏出する前に加熱作用し、前記おねばに形成された泡を潰す加熱式泡破壊手段が設けられ、
前記蓋に着脱自在でかつ前記蓋に装着した状態において前記蒸気孔を形成する筒状の蒸気孔形成部材が設けられ、
前記加熱式泡破壊手段が、加熱状態において前記蒸気孔形成部材の内部空間を通過する前記おねばに対して加熱作用する作用部を備えて構成され、
その作用部が、前記蒸気孔形成部材を前記蓋に装着した状態で、加熱可能になるように設けられ、
前記作用部が、前記蒸気孔形成部材に備えられ、前記作用部を誘導加熱により加熱する加熱部が、前記蓋に設けられている炊飯器。 - 炊飯釜を収納するケーシングと、前記炊飯釜の上部を閉じる状態と開く状態とに開閉自在な蓋と、前記炊飯釜を加熱する加熱手段とが設けられ、前記蓋には、前記炊飯釜の上部を閉じる状態において、前記炊飯釜の内部空間と外部とを連通する蒸気孔が設けられている炊飯器であって、
炊飯に伴って前記炊飯釜の内部空間から発生するおねばに対して、前記蒸気孔を通して外部に漏出する前に加熱作用し、前記おねばに形成された泡を潰す加熱式泡破壊手段が設けられ、
前記蓋に着脱自在でかつ前記蓋に装着した状態において前記蒸気孔を形成する筒状の蒸気孔形成部材が設けられ、
前記加熱式泡破壊手段が、加熱状態において前記蒸気孔形成部材の内部空間を通過する前記おねばに対して加熱作用する作用部を備えて構成され、
その作用部が、前記蒸気孔形成部材を前記蓋に装着した状態で、加熱可能になるように設けられ、
前記作用部が、前記蓋に設けられ、前記蒸気孔形成部材には、その蒸気孔形成部材を前記蓋に装着した状態で、前記作用部を前記蒸気孔形成部材の内部空間に突出させる状態に挿通させる装着溝部が形成されている炊飯器。 - 前記炊飯釜の内部空間から前記おねばが発生するおねば発生状態を検出するおねば発生状態検出手段が設けられ、
前記加熱式泡破壊手段が、前記おねば発生状態検出手段にておねば発生状態が検出されると、前記おねばに対して加熱作用するように構成されている請求項1または2に記載の炊飯器。
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