JP3922836B2 - 燃焼式炊飯器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炊飯釜が装着される筒状のケーシングと、前記炊飯釜の上部を閉じる状態と開く状態とに開閉自在に前記ケーシングに支持されかつ外部に連通する外部連通孔を備えている蓋と、前記炊飯釜を加熱するバーナと、炊飯のために前記バーナの燃焼を制御する制御手段とが備えられ、
前記蓋が、その内方側に、前記炊飯釜の上部を閉じる状態において下方を向くように前記蓋から延設されている棒状の取付け部に着脱自在に装着され、かつ、前記蓋と自己との間の蓋内部空間と前記炊飯釜の内部とを連通する釜連通孔を備えている内蓋部を備えて構成され、
前記取付け部に着脱自在にかつ上下動可能に装着され、かつ、自重による下方側へ移動した状態において、前記内蓋部の前記釜連通孔を閉じるように構成されている移動体が設けられている燃焼式炊飯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような燃焼式炊飯器は、外部連通孔を備えている蓋が炊飯釜の上部を閉じる状態と開く状態とに開閉自在にケーシングに枢支され、釜連通孔を備えている内蓋部が蓋から延設されている棒状の取付け部に着脱自在に装着され、自重による下方側へ移動した状態において、内蓋部の釜連通孔を閉じるように構成されているリング状の移動体が棒状の取付け部に着脱自在にかつ上下動可能に装着され、炊飯釜の底部の温度を検出する温度センサが炊飯釜をケーシングに装着した状態で炊飯釜の底外面に接当するように設けられている。
そして、炊飯釜の水量を誤っても、炊飯に伴って炊飯釜から発生するおねばが外部に吹き出すのを防止するために、炊飯釜の容量を比較的大きくするとともに、温度センサの温度情報に基づいてバーナの燃焼量を調整するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の燃焼式炊飯器では、炊飯釜の容量を比較的大きくすることによって、おねばの外部への吹き出しを防止しているが、炊飯釜の容量を大きくするだけ燃焼式炊飯器が大型化するという不利があった。
また、たとえ炊飯釜の容量を少なくして、燃焼式炊飯器の小型化を図っても、炊飯のためにバーナの燃焼を制御する際に、バーナの燃焼量を大きくした状態で炊飯を行う方が炊飯釜内の熱の対流が活発になっておいしく炊きあがるので、バーナの燃焼量をできるだけ大きくするのが好ましく、そのときに、温度センサの温度情報に基づいてバーナの燃焼量を調整しても、実際におねばが外部に吹き出る状態を検出しておらず、依然としておねばが外部に吹き出す虞があった。
【0004】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、小型化を図るとともに、炊飯に伴って炊飯釜から発生するおねばが外部への吹き出しを確実に防止することができる燃焼式炊飯器を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、炊飯釜が装着される筒状のケーシングと、炊飯釜の上部を閉じる状態と開く状態とに開閉自在にケーシングに支持されかつ外部に連通する外部連通孔を備えている蓋と、炊飯釜を加熱するバーナと、炊飯のためにバーナの燃焼を制御する制御手段とが備えられ、
蓋が、その内方側に、炊飯釜の上部を閉じる状態において下方を向くように蓋から延設されている棒状の取付け部に着脱自在に装着され、かつ、蓋と自己との間の蓋内部空間と炊飯釜の内部とを連通する釜連通孔を備えている内蓋部を備えて構成され、
取付け部に着脱自在にかつ上下動可能に装着され、かつ、自重による下方側へ移動した状態において、内蓋部の釜連通孔を閉じるように構成されている移動体が設けられている燃焼式炊飯器において、
移動体が釜連通孔を閉じる位置から設定量以上上方へ移動したことを検出する上方移動検出手段が蓋側に備えられ、
制御手段が、炊飯のためにバーナの燃焼を制御しているときに、上方移動検出手段の検出情報に基づいて、炊飯に伴い炊飯釜から発生するおねばの外部への吹き出しを防止するようにバーナの燃焼を制御するように構成され、
前記上方移動検出手段が、前記取付け部に備えられている。
【0006】
つまり、炊飯に伴って炊飯釜から炊飯蒸気とおねばが発生するが、おねばが発生して炊飯釜の内部を上昇すると、炊飯蒸気とおねばの密度の違いによって、自重により釜連通孔を閉じている移動体を炊飯蒸気よりも上方へ、すなわち設定量以上押し上げて、釜連通孔を開いて釜連通孔から蓋内部空間に噴出され、蓋内部空間に噴出されたおねばが外部連通孔から外部に吹き出すことになるので、上方移動検出手段にておねばが外部に吹き出す前の状態を検出することができる。
したがって、上方移動検出手段の検出情報に基づいて、移動体が釜連通孔を閉じる位置から設定量以上上方へ移動していると判別すると、おねばの外部への吹き出しを防止するように、例えば、バーナの燃焼量を減少させるなど、バーナの燃焼を制御することが可能となり、炊飯釜の容量を大きくすることなく、燃焼式炊飯器の小型化を図るとともに、おねばの外部への吹き出しを防止することが可能となる。
【0007】
また、おねばの吹き上がりにより上方へ押し上げられる移動体自体が、取付け部に着脱自在に装着されているので、たとえおねばが移動体に付着しても、移動体自体を取付け部から取り外して容易にかつ的確に掃除することが可能となり、上方移動検出手段にて移動体が釜連通孔を閉じる位置から設定量以上上方へ移動したことを正確に検出することができる。
つまり、移動体自体が取付け部から着脱できないものでは、移動体を掃除しようとしても、移動体自体が取り外せないので、移動体を容易にかつ的確に掃除できず、移動体におねばが付着している虞がある。そのために、おねばが釜連通孔から蓋内部空間に噴出しているにもかかわらず、移動体が釜連通孔を閉じる位置から設定量以上上方へ移動していないなど、上方移動検出手段にておねばが外部に吹き出す前の段階でおねばの吹き上がりを確実に検出することができない虞があるが、移動体を取付け部に着脱自在に装着するという既設の構成を利用して、上方移動検出手段により確実におねばが蓋内部空間に噴出していることを検出することができ、おねばの外部への吹き出しを防止することが可能となる。
又、請求項1に記載の発明によれば、上方移動検出手段が、取付け部に備えられている。
つまり、移動体が取付け部に沿って上下動するので、上方移動検出手段を蓋に備えるものと比べて、移動体の上下動を精度よく検出することができ、さらに、上方移動検出手段を移動体に備えるものと比べて、上方移動検出手段の検出情報を制御手段に伝達するための電線の配線を蓋側に設けることができ、その電線の配線処理を容易に行うことが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、釜連通孔から噴出されるおねばを移動体の存在箇所に貯留するように、移動体の外周を覆う筒状体が、内蓋部に備えられている。
つまり、炊飯に伴って炊飯釜から発生するおねばが釜連通孔から噴出され、筒状体にて移動体の存在箇所に貯留されるので、筒状体にて釜連通孔から噴出されるおねばが移動体の存在箇所から離れた箇所に流出するのを防止することができ、釜連通孔から噴出されるおねばを移動体に対して的確に上方側へ押圧作用させることが可能となり、上方移動検出手段にて移動体が釜連通孔から設定量以上上方側へ移動したことを確実に検出することが可能となる。
【0009】
請求項3に記載の発明によれば、筒状体が、内蓋部を形成する部材の屈曲形成にて形成されている。
つまり、筒状体を内蓋部を形成する部材とは別の部材で形成するものでは、釜連通孔から噴出するおねばを移動体の存在箇所に貯留するために、内蓋部を形成する部材との間に隙間が生じないように筒状体を形成するなど、筒状体の形成が複雑になって、その形成作業が煩雑になる虞があるが、内蓋部を形成する部材の屈曲形成にて筒状体を形成するので、筒状体の形成が容易になり、その形成作業が煩雑になるのを防止することが可能となる。
【0010】
請求項4に記載の発明によれば、移動体の側周部には、周方向に間隔を隔てて突部が備えられている。
つまり、移動体の側周部に周方向に間隔を隔てて備えられている突部によって、移動体と筒状体との間に隙間を設けることが可能となり、移動体が、釜連通孔から噴出されるおねばにより押し上げられて上方側へ移動されるときに、または、自重による下方側へ移動されるときに、移動体と移動体の外周を覆う筒状体との抵抗を低減することができ、筒状体との間に大きな抵抗を受けることなく、移動体を上下動させることができる。
【0011】
請求項5に記載の発明によれば、内蓋部における釜連通孔の存在箇所から離れた箇所に、蓋内部空間と炊飯釜の内部とを連通する内蓋連通孔が形成され、かつ、内蓋連通孔の形成箇所が、蓋にて炊飯釜の上部を閉じる状態において釜連通孔の存在箇所よりも低くなるように構成されている。
つまり、釜連通孔から噴出されるおねばのうち液体成分を釜連通孔の存在箇所から離れた内蓋連通孔の形成箇所に案内して、内蓋連通孔を通して蓋内部空間から炊飯釜の内部に戻すことが可能となる。
したがって、蓋内部空間に噴出されるおねばを炊飯釜の内部に戻すことができ、おねばが蓋内部空間に貯留されるのを抑制することができ、おねばの外部への吹き出しをより一層確実に防止することが可能となる。
【0013】
請求項6に記載の発明によれば、制御手段が、炊飯のためにバーナの燃焼を開始するときに、上方移動検出手段の検出情報に基づいて、移動体が釜連通孔を閉じる位置から設定量以上上方へ移動していると判別すると、報知作動するように構成されている。
つまり、おねばは炊飯に伴って炊飯釜から発生するので、炊飯のためにバーナの燃焼を開始するときに、移動体が釜連通孔を閉じる位置から設定量以上上方へ移動していると判別されると、なんらかの異常が発生しているので、その異常が発生している状態を使用者に報知することができ、その異常の発生によるあらたな異常の発生を未然に防止することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる燃焼式炊飯器を図面に基づいて説明する。
この燃焼式炊飯器は、都市ガスやプロパンガスなどのガス燃焼式のものであって、図1〜3に示すように、炊飯釜1が挿脱自在に装着される筒状のケーシング2と、炊飯釜1の上部を閉じる状態と開く状態とに開閉自在にケーシング2に枢支されかつ外部に連通する外部連通孔3を備えている蓋4と、ケーシング2に装着された炊飯釜1を加熱するバーナ5と、炊飯のためにバーナ5の燃焼を制御する制御手段としての制御部Hと、その制御部Hに制御情報を指令する操作部Tとから構成されている。
【0015】
前記ケーシング2は、筒状の外枠6、その外枠6の底部側に設置されている下枠7、および、外枠6と自己との間における空間のうち上端部分を閉じる状態で外枠6の内側に間隔を隔てて挿入される内胴8から構成され、下枠7には、炊飯釜を加熱するバーナ5が設けられている。
そして、ケーシング2に装着された炊飯釜1と内胴8との間の空間が、バーナ5による燃焼排ガスを外部に排出する排気路9として形成されている。
【0016】
前記蓋4は、その内方側に、炊飯釜1の上部を閉じる状態において下方を向くように蓋4から延設されている棒状の取付け部10に着脱自在に装着され、かつ、蓋4と自己との間の蓋内部空間11と炊飯釜1の内部とを連通する釜連通孔12を備えている内蓋部13を備えて構成されている。
そして、取付け部10に着脱自在にかつ上下動可能に装着され、かつ、自重による下方側へ移動した状態において、内蓋部13の釜連通孔12を閉じるように構成されている移動体としてのフロート14が設けられ、このフロート14の外周を覆う筒状体15が、内蓋部13を形成する部材とは別の部材で形成され、かつ、釜連通孔12から噴出されるおねばをフロート14の存在箇所に貯留するように内蓋部13に備えられている。
【0017】
具体的に説明すると、図4および5に示すように、蓋4は、蓋4から延設されている棒状の取付け部10にリング状のフロート14が取付けパッキン10aを介して装着され、そのフロート14を取付け部10に装着した状態で内蓋部13が取付け部10に装着され、フロート14および内蓋部13を掃除するときなどに、フロート14および内蓋部13を取付け部10から取り外すようにしている。
そして、蓋4にフロート14および内蓋部13を装着して、蓋4にて炊飯釜1の上部を閉じる状態において、フロート14が自重により取付け部10に沿って内蓋部13の釜連通孔12を閉じる位置まで下方側へ移動することになる。
【0018】
このようにして、蓋4にて炊飯釜1の上部を閉じる状態において、炊飯を行い、炊飯に伴って炊飯釜1から発生する炊飯蒸気およびおねばが釜連通孔12から噴出するようにしている。そして、釜連通孔12から噴出する炊飯蒸気およびおねばによって、釜連通孔12を自重により閉じているフロート14を押し上げて取付け部10に沿って上方側へ移動させ、炊飯蒸気およびおねばが蓋内部空間11に噴出するようにしている。
【0019】
また、前記釜連通孔12からは炊飯蒸気またはおねばのいずれかが噴出されるが、炊飯蒸気が噴出される場合とおねばが噴出される場合では、おねばが噴出されるときの方が、フロート14が釜連通孔12を閉じる位置から上方側へ大きく移動することになり、さらに、筒状体15にてフロート14の存在箇所に貯留するようにして、釜連通孔12から噴出されるおねばがフロート14に対して適正に押圧作用するようにして、おねばの押圧作用によって、フロート14が釜連通孔12を閉じる位置から上方側へ大きく移動するようにしている。
つまり、炊飯蒸気およびおねばが釜連通孔12から蓋内部空間11に噴出するときには、フロート14が釜連通孔12を閉じる位置から上方側へ移動するが、密度の違いによって、おねばの方がフロート14を上方側へ移動することになる。
なお、蓋内部空間11に噴出された炊飯蒸気は、蓋4の外部連通孔3から外部に噴出されるようにしている。
【0020】
前記フロート14の側周部には、周方向に間隔を隔てて突部16が備えられ、この突部16にて、フロート14と筒状体15との間に隙間を設けて、フロート14が上下動するときにおける筒状体15との抵抗を低減するようにして、釜連通孔12から噴出される炊飯蒸気およびおねばによる押圧作用による上方側への移動、および、自重による下方側への移動をスムーズに行えるようにしている。
【0021】
そして、蓋内部空間11と炊飯釜1の内部とを連通する内蓋連通孔17が、内蓋部13における釜連通孔12の存在箇所から離れた箇所に形成され、かつ、その内蓋連通孔17の形成箇所が、蓋4にて炊飯釜1の上部を閉じる状態において釜連通孔12の存在箇所よりも低くなるように構成されている。
つまり、釜連通孔12から噴出されるおねばのうち液体成分を釜連通孔12の存在箇所から離れた内蓋連通孔17の形成箇所に案内して、内蓋連通孔17を通して蓋内部空間11から炊飯釜1の内部に戻すことが可能となり、おねばが蓋内部空間11に貯留されるのを抑制することができる。
【0022】
前記フロート14が釜連通孔12を閉じる位置から設定量以上上方へ移動したことを検出する上方移動検出手段としてのリードスイッチ18が、取付け部10に備えられ、このリードスイッチ18は、フロート14に埋設されている磁石19の磁力を検出して、ON/OFFされるように構成されている。
つまり、フロート14が釜連通孔12を閉じる位置から設定量以上上方へ移動すると、リードスイッチ18にてフロート14の磁力を検出してON作動するようにしている。
【0023】
説明を加えると、釜連通孔12から蓋内部空間11に炊飯蒸気およびおねばが噴出するときには、密度の違いによって、おねばの方がフロート14を上方側へ移動させるので、リードスイッチ18にてフロート14が釜連通孔12を閉じる位置から設定量以上上方へ移動したことを検出することによって、釜連通孔12から蓋内部空間11におねばが噴出したときのみ、そのおねばの噴出をリードスイッチ18にて検出することが可能となり、リードスイッチ18にておねばが外部に吹き出す前の状態を検出するようにしている。
【0024】
前記バーナ5に対して燃焼ガスを供給する燃料供給路20には、バーナの燃焼量を調整する電磁操作式の比例弁21と、燃料供給を断続する電磁操作式の2個の開閉弁22が設けられ、バーナ5の近くには、バーナ5に点火するイグナイタ23、バーナ5に着火したことを検出するフレームロッド24がそれぞれ設けられている。
また、炊飯釜の底の温度を検出する温度センサ25が、炊飯釜1をケーシング2に装着した状態で炊飯釜1の底外面に接当するように設けられている。
【0025】
前記操作部Tは、保温動作のON/OFFを指令する保温キー26、予約時刻や現在時刻をセットするときにON操作する予約キー27、予約時刻や現在時刻をセットする時・分キー28、白米、炊き込み、おかゆ、玄米などのメニューを選択するメニューキー29、キー操作の取り消しや予約・炊飯・保温の停止を指令する停止キー30、炊飯・タイマー炊飯を行うときにON操作する炊飯キー31、燃焼状態、選択されたメニュー、異常状態などを表示する表示部32のそれぞれが備えられている。
【0026】
前記制御部Hは、マイクロコンピュータを利用して、前記操作部Tの制御指令に基づいて、炊飯のためにバーナ5の燃焼を制御して、炊飯工程、予約炊飯工程、保温工程のそれぞれの工程を実行するとともに、炊飯のためにバーナ5の燃焼を制御しているときに、リードスイッチ18の検出情報に基づいて、炊飯に伴い炊飯釜から発生するおねばの外部への吹き出しを防止するようにバーナ5の燃焼を制御するように構成されている。
つまり、制御部Hは、基本的には、炊飯の開始が指令されると、開閉弁22を開弁させ、イグナイタ23にてバーナ5の点火動作を行い、フレームロッド24によってバーナ5の着火を確認する。そして、炊飯中には、それぞれの燃焼条件に基づいて比例弁21の開度を調整して、バーナ5の燃焼量を調整し、炊飯が終了すると、比例弁21および開閉弁22を閉弁させてバーナ5の燃焼を停止させるように構成されている。
【0027】
各工程について説明すると、炊飯工程は、予備炊き工程、本炊き工程、および、蒸らし工程を順に行って炊飯完了後に自動的に保温工程を実行する。そして、予備炊き工程は、予約時刻の45分までにバーナ5に点火させて、炊飯工程にて炊飯を行い予約時刻後に自動的に保温工程を実行する。また、保温工程は、炊飯釜の底の温度を検出する温度センサ25の検出温度が保温用設定温度になるようにバーナ5を燃焼させて保温する。
【0028】
前記予備工程においては、温度センサの検出温度が予め設定されている予備炊き用設定温度になるように比例弁21にてバーナ5の燃焼量が調整され、このバーナ5の燃焼量の調整を予備炊き用設定時間の間継続するように構成されている。
また、本炊き工程においては、予め設定されている本炊き用燃焼条件、例えば、温度センサ25の検出温度が予め設定されている温度カーブになるように、比例弁21にてバーナ5の燃焼量が調整され、温度センサ25の検出温度が加熱停止用設定温度以上になると、比例弁21および開閉弁22を閉弁させてバーナ5の燃焼を停止させるように構成されている。
前記蒸らし工程は、本炊き工程の終了後、予め設定されている蒸らし用設定時間の間継続するように構成されている。
【0029】
そして、制御部Hは、炊飯のためにバーナ5の燃焼を制御しているときに、リードスイッチ18の検出情報に基づいて、フロート14が釜連通孔12を閉じる位置から設定量以上上方へ移動していると判別すると、バーナ5の燃焼量を設定量減少させるように、比例弁21の開度を調整するようにしている。
また、炊飯のためにバーナ5の燃焼を開始するときに、リードスイッチ18の検出情報に基づいて、フロート14が釜連通孔12を閉じる位置から設定量以上上方へ移動していると判別すると、表示部32に異常の表示を行うようにしている。
【0030】
このようにして、フロート14を取付け部10に着脱自在に装着するという既設の構成を利用して、フロート14を取付け部10から取り外して容易にかつ的確に掃除して、塵埃の付着を防止してリードスイッチ18による検出精度を向上させながら、リードスイッチ18にておねばのふきあがりを直接的に検出することができるので、既設の構成を十分に利用して、炊飯釜の容量を大きくする必要もなく、おねばの吹き上がりを検出して、おねばの外部への吹き出しを防止することができる。
【0031】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、上方移動検出手段がフロート14の磁力によりON/OFFするリードスイッチ18にて構成されているが、上方移動検出手段の構成については、各種変更が可能であるが、例えば、図6に示すように、上方移動検出手段としての光センサ33を取付け部10に備えて、この光センサ33がフロート14に対して投射するとともに、フロート14にて反射された光を検出して、その検出情報に基づいて、フロート14が釜連通孔12を閉じる位置から設定量以上上方へ移動したことを検出するように構成されている。
つまり、光センサ33が、フロート14が釜連通孔12を閉じる位置から設定量以上上方へ移動すると、光センサ33にて投射される光がフロート14にて反射される位置に配置されている。
【0033】
(2)上記実施形態では、筒状体15が、内蓋部13を形成する部材とは別の部材にて形成されているが、図6に示すように、内蓋部13を形成する部材の屈曲形成にて形成するようにしてもよい。
また、この筒状体15を内蓋部13に備えなくてもよい。
【0034】
(3)上記実施形態では、炊飯に伴い炊飯釜1から発生するおねばの外部への吹き出しを防止するために、炊飯のためにバーナ5の燃焼を制御しているときに、リードスイッチ18の検出情報に基づいて、フロート14が釜連通孔12を閉じる位置から設定量以上上方へ移動していると判別すると、バーナ5の燃焼量を設定量減少させるようにしているが、炊飯に伴い炊飯釜1から発生するおねばの外部への吹き出しを防止するためのバーナ5の燃焼の制御は、適宜変更が可能であり、バーナ5の燃焼を停止させるようにしてもよい。
また、例えば、上記実施形態において、上方移動検出手段としてのリードスイッチ18を取付け部10の上下方向に間隔を隔てて3つ備え、一番下方側に位置するリードスイッチのみがONされているときには、バーナ5の燃焼量を第一設定量減少させ、下方側から一番目と二番目のリードスイッチがONされているときには、第一設定量よりも多い第二設定量減少させ、すべてのリードスイッチがONされているときには、バーナ5の燃焼を停止するようにしてもよい。
【0035】
(4)上記実施形態では、フロート14の側周部に、周方向に間隔を隔てて突部16が備えられているが、この突部16を備えなくてもよい。
【0036】
(5)上記実施形態では、炊飯のためにバーナ5の燃焼を開始するときに、リードスイッチ18の検出情報に基づいて、フロート14が釜連通孔12を閉じる位置から設定量以上上方へ移動していると判別すると、表示部32に異常の表示を行うようにしているが、使用者への報知については、報知ランプや報知ブザーを備えて、使用者に報知するようにしてもよい。
【0037】
(6)上記実施形態では、都市ガスやプロパンガスなどのガス燃焼式の燃焼式炊飯器を示しているが、灯油などを用いたその他の燃焼式炊飯器に適応することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃焼式炊飯器の斜視図
【図2】燃焼式炊飯器の正面断面図
【図3】燃焼式炊飯器の側面断面図
【図4】燃焼式炊飯器の要部拡大図
【図5】燃焼式炊飯器の要部拡大図
【図6】別実施形態における燃焼式炊飯器の要部拡大図
【符号の説明】
1 炊飯釜
2 ケーシング
3 外部連通孔
4 蓋
5 バーナ
10 取付け部
11 蓋内部空間
12 釜連通孔
13 内蓋部
14 移動体
15 筒状体
16 突部
17 内蓋連通孔
18 上方移動検出手段
H 制御手段
Claims (6)
- 炊飯釜が装着される筒状のケーシングと、前記炊飯釜の上部を閉じる状態と開く状態とに開閉自在に前記ケーシングに支持されかつ外部に連通する外部連通孔を備えている蓋と、前記炊飯釜を加熱するバーナと、炊飯のために前記バーナの燃焼を制御する制御手段とが備えられ、
前記蓋が、その内方側に、前記炊飯釜の上部を閉じる状態において下方を向くように前記蓋から延設されている棒状の取付け部に着脱自在に装着され、かつ、前記蓋と自己との間の蓋内部空間と前記炊飯釜の内部とを連通する釜連通孔を備えている内蓋部を備えて構成され、
前記取付け部に着脱自在にかつ上下動可能に装着され、かつ、自重による下方側へ移動した状態において、前記内蓋部の前記釜連通孔を閉じるように構成されている移動体が設けられている燃焼式炊飯器であって、
前記移動体が前記釜連通孔を閉じる位置から設定量以上上方へ移動したことを検出する上方移動検出手段が前記蓋側に備えられ、
前記制御手段が、炊飯のために前記バーナの燃焼を制御しているときに、前記上方移動検出手段の検出情報に基づいて、炊飯に伴い前記炊飯釜から発生するおねばの外部への吹き出しを防止するように前記バーナの燃焼を制御するように構成され、
前記上方移動検出手段が、前記取付け部に備えられている燃焼式炊飯器。 - 前記釜連通孔から噴出されるおねばを前記移動体の存在箇所に貯留するように、前記移動体の外周を覆う筒状体が、前記内蓋部に備えられている請求項1に記載の燃焼式炊飯器。
- 前記筒状体が、前記内蓋部を形成する部材の屈曲形成にて形成されている請求項2に記載の燃焼式炊飯器。
- 前記移動体の側周部には、周方向に間隔を隔てて突部が備えられている請求項2または3に記載の燃焼式炊飯器。
- 前記内蓋部における前記釜連通孔の存在箇所から離れた箇所に、前記蓋内部空間と前記炊飯釜の内部とを連通する内蓋連通孔が形成され、かつ、前記内蓋連通孔の形成箇所が、前記蓋にて前記炊飯釜の上部を閉じる状態において前記釜連通孔の存在箇所よりも低くなるように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃焼式炊飯器。
- 前記制御手段が、炊飯のために前記バーナの燃焼を開始するときに、前記上方移動検出手段の検出情報に基づいて、前記移動体が前記釜連通孔を閉じる位置から設定量以上上方へ移動していると判別すると、報知作動するように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃焼式炊飯器。
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