本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1には、本発明の加熱調理器の実施形態の一例として、ガスこんろ1を示している。ガスこんろ1は、図1に示すように、本体ケーシング1a(加熱調理機器本体)の上部に設けられたトッププレート11で、ガスこんろ1の天面部が構成されており、トッププレート11には、こんろバーナ21を主体とするこんろ部2を複数設けている。当該ガスこんろ1は、こんろ部2として、標準バーナ21aを備えた左こんろ部2aが向かって左側(正面視左側)の手前に設けてあり、小バーナ21bを備えた後こんろ部2bが左右方向中央の奥に設けてあり、高火力バーナ21cを備えた右こんろ部2cが向かって右側(正面視右側)の手前に設けてある。トッププレート11の上面には各こんろバーナ21(21a,21b,21c)を中央に配置した五徳22を設けており、各五徳22はこんろバーナ21によって鍋等の被加熱物を加熱する際に載置するための載置部となる。
また、ガスこんろ1は加熱部として、上記こんろ部2に加えて、グリル3を備える。グリル3は、図1、図2に示すように、ガスこんろ1内に設けたグリルバーナ32と、当該グリルバーナ32を配備したグリル庫30とで主体が構成されている。グリル庫30はガスこんろ1の前面に開口を有すると共に、当該前面に設けたグリル扉31によってグリル庫30の開口が開閉自在に閉塞される。グリル庫30内の下部には、グリル受皿37が設けられると共に、グリル受皿37上に、被加熱物34を載置させる載置部としての焼き網33が載置されている。そのため、グリル庫30は、焼き網33に載置された被加熱物34を、グリルバーナ32にて加熱するように構成されている。更に、グリル庫30の後方側には、グリルバーナ32の燃焼排ガスを器外に排気させる排気通路38が、上方側に延びる状態で連設されており、当該排気通路38にてグリルバーナ32の燃焼排ガスを排気口15に導くように構成されている。更に、グリルバーナ32は、グリル庫30の上部に配設され被加熱物34の上面側を加熱する上バーナ32aと、グリル庫30の下部に配設され被加熱物34の下面側を加熱する左右一対の下バーナ32bとに区別される。
また、こんろバーナ21やグリルバーナ32へのガスの供給は、図3に示すように、ガス供給路41を介してなされており、このガス供給路41には開閉弁42が設けられている。開閉弁42は電磁弁を主体とし、その開閉はガスこんろ1に設けた制御部(図示せず)によって制御されており、制御部はマイクロコンピュータを備える。そして、図3に示すように、ガス供給路41は開閉弁42よりも下流側が、各こんろバーナ21及びグリルバーナ32側の夫々に分岐し、これら各分岐路43には流量調整弁44が設けられている。各流量調整弁44の開度は流量調整弁44毎に設けたステッピングモータの駆動により変更される。このステッピングモータの駆動は制御部によって制御されており、当該制御により各こんろバーナ21やグリルバーナ32の燃焼量、即ち火力(加熱量)が調整される。
更に、こんろバーナ21及びグリルバーナ32には各々点火プラグ45を設けており、各点火プラグ45を作動させるイグナイタは制御部からの指令により動作する。そして、こんろバーナ21には各々着火状態検知手段として熱電対46が設けられており、熱電対46の検知結果に基づいて対応するこんろバーナ21が着火状態にあるか否かを判定できるようになっている。
また、ガスこんろ1は、各こんろ部2(こんろバーナ21)の点火時において、当該こんろ部2の途中消火(立ち消え)や当該こんろ部2上に配置した被加熱物が高温になったことを検知する異常検知手段を備える。そして、上記異常検知手段により異常を検知した際に、制御部は開閉弁42を閉じて、こんろ部2へのガスの供給を停止し、こんろ部2を消火状態とする。例えば、上記途中消火は、こんろ部2毎に設けた着火状態検知手段(本実施形態では熱電対46)や、五徳22上に載置された被加熱物の温度を検知する温度検知手段23を用いて検知される。そして、被加熱物が高温となった状態(以下、高温状態という)は、温度検知手段23を用いて検知される。つまり、本実施形態では、着火状態検知手段や温度検知手段23が異常検知手段を構成している。
また、図1に示すように、ガスこんろ1は前面部を構成する前面パネル12に、各こんろ部2のこんろバーナ21を操作するための操作部14が設けられている。そして、操作部14はガスこんろ1の右こんろ部2c側、即ち向かって右側(正面視右側)の部位に複数配置されている。更に、操作部14は手動で操作され、対応するこんろバーナ21の点火と消火の切り替えや火力調節等を指令するものであり、この指令(操作入力)を受けて制御部が各こんろ部2の点火と消火の切り替えや火力調節を行う。また、操作部14は、標準バーナ21aを操作するための操作部14aと、小バーナ21bを操作するための操作部14bと、高火力バーナ21cを操作するための操作部14cとに区別され、三つの操作部14は上記こんろ部2の並びと同順序で左右方向に並んでいる。つまり、三つの操作部14は、操作部14a、14b、14cの順序で向かって左側から並んでいる。
以下、上記操作部14を操作して加熱動作を行う場合を説明する。前面部に設けた自動復帰型で押し釦式の電源スイッチ13をONにした後、加熱動作に用いる任意のこんろ部2に対応した操作部14を押し操作して、当該操作部14を前方に突出させて、制御部に点火の指令を送る。この指令を受けると制御部は、開閉弁42を開き、且つ上記こんろ部2に対応する流量調整弁44を所定開度で開くと共に、点火プラグ45をスパークさせて、上記こんろ部2(こんろバーナ21)を点火状態にする。
そして、上記操作部14を前面部から突出させた前進状態において、当該突出した操作部14を指で摘んで回動操作することで、該当するこんろ部2の火力調整が行われる。更に、上記突出した操作部14を本体ケーシング1a側に押し込むことで、該当するこんろ部2が消火すると共に、押し込まれた操作部14の前面が前面部と略面一となった後退状態になり、この後退状態に維持される。なお、こんろ部2の点火状態時において、異常検知手段によりこんろ部2の途中消火やこんろ部2上に配置した被加熱物が高温になったことを検知した場合、制御部は開閉弁42を閉じて、こんろ部2へのガスの供給を停止し、こんろ部2を消火状態にする。
また、前面パネル12は、図1に示すように、下部の左右に各々操作パネル5を収納自在に備え、各操作パネル5には、加熱部の加熱動作における加熱条件の設定を選択操作するためのスイッチを複数有する。そして、当該選択操作用の全てのスイッチは、当該スイッチを操作可能とした状態で、使用者が視認することができる表示形態及び位置に設けられている。なお、視認可能な全てのスイッチとは少なくとも、調理用の加熱動作における加熱条件の設定を操作可能なスイッチが全て視認可能であればよく、クリーニング用等の調理用でないスイッチは視認可能でなくてもよい。
そして、操作パネル5は、本体ケーシング1aに取り付けられた可動部材6の上面に設けられている。可動部材6は前面上部を押し操作することで、上方を前方下側に倒すように回動し、操作パネル5を前方に突き出し上方に露出させる構成となっている。つまり、操作パネル5は所謂カンガルーポケット機構によって本体ケーシング1aに収納自在となっている。なお、操作パネル5の収納機構はカンガルーポケット機構に限らず、本体ケーシング1aから突き出した状態で、操作パネル5が本体ケーシング1aから露出されて操作可能となる構成であればよい。例えば、前後方向にスライドして突没自在のものや、突出し時に取り外し可能なもの等であってもよい。
更に、ガスこんろ1は、操作パネル5を本体ケーシング1aから突出させた状態(操作パネル5の開動作)を検知する開検知手段を更に備え、開検知手段は、リードスイッチ(図示せず)と、永久磁石(図示せず)とで主体が構成される。当該開検知手段は、操作パネル5を本体ケーシング1a内に収納した収納状態で、永久磁石からの磁束によってリードスイッチの電極(接点)間が通電状態となり、操作パネル5の収納状態を検知する。そして、開検知手段は、操作パネル5が収納状態から開動作によって本体ケーシング1aから突出した操作可能な状態に切り替わると、リードスイッチの電極間が非通電状態となり、上記操作パネル5の突出した状態を検知する。
操作パネル5のうち、操作部14の下側に設けられた操作パネル5は、対応するこんろ部2の調理の設定を指令するための設定手段を構成するこんろ用設定入力パネル5aとなっている。
こんろ用設定入力パネル5aは、図4に示すように、左こんろ部2aと右こんろ部2cにおける調理時間を設定するためのタイマースイッチ51と、異常検知手段の高温状態検知用の閾値温度を高温側にシフト設定するためのあぶり高温炒めスイッチ52と、自動調理のメニューを設定するための自動調理入力部と、時間又は温度を設定するための増減スイッチ55(「+」「−」スイッチ)とを備える。自動調理入力部は、温度スイッチ53と、湯沸しスイッチ54と、炊飯スイッチ57とで主体が構成されており、自動調理のメニューは「揚げ物」と「湯沸し」と「炊飯」の三種類で設定可能となっている。
そして、こんろ用設定入力パネル5aは表示部として、設定時間又は設定温度が表示される7セグメントディスプレイ56と、炊飯スイッチ57で選択した炊飯調理の設定(加熱条件)を表示する炊飯表示部57aとを更に備える。なお、上記表示部において、図4(a)に示すように、消灯状態を白抜きで記載し、図4(b)に示すように、点灯状態を黒塗りで記載し、図面上に表現する。
タイマースイッチ51は、タイマースイッチ51を押した後、増減スイッチ55を何回押すかで、目的の調理時間(点火状態を維持する時間)を設定(選択)することができると共に、7セグメントディスプレイ56に設定時間が表示され、また表示の時間は調理時間の経過に伴い減じられるようになっている。温度スイッチ53は、温度スイッチ53を押した後、増減スイッチ55を何回押すかで、例えば160℃から200℃迄の温度の揚げ物調理の中から目的とする温度の揚げ物調理を設定(選択)できると共に、7セグメントディスプレイ56に設定温度が表示されるようになっている。湯沸しスイッチ54は、1回押すと、湯沸し後に5分保温した後、自動消火する湯沸しを設定(選択)でき、また増減スイッチ55を押すことによって湯沸し後の保温時間を変更でき、変更した保温時間経過後、自動消火する湯沸しを設定できると共に、7セグメントディスプレイ56に前記設定した保温時間が表示されるようになっている。
また、炊飯スイッチ57は、何回押し操作するかで「ごはん」、「おかゆ」といった複数種類の炊飯調理の中から目的とする炊飯調理を設定(選択)することができる。そして、炊飯表示部57aは炊飯調理の種類に対応した文字表示の横に設けたLED(発光ダイオード)のうち、該当するLEDを点灯させると共に、上記操作に伴う設定切替に対応して点灯させるLEDを切り替え、選択されている設定(炊飯調理の種類)を表示する。
このように、本実施形態では、こんろ用設定入力パネル5aで設定できる便利機能用のスイッチとして、タイマースイッチ51と、温度スイッチ53と、湯沸しスイッチ54と、炊飯スイッチ57とを備える。そして、こんろ部2における制御部の制御によって加熱部の加熱動作を行う機能(所謂、便利機能)は、自動調理入力部の操作に対応し上記三種類のメニューから選択される自動調理、及びタイマースイッチ51の操作に対応し設定した調理時間に達すると自動で消火するタイマー調理となっている。なお、本実施形態では、左こんろ部2aと右こんろ部2cにおいて、揚げ物モードと湯沸しモードの自動調理が可能で、後こんろ部2bにおいては炊飯モードの自動調理が可能となっているが、こんろ部2で可能な自動調理の設定は特に限定されない。例えば、全てのこんろ部2において、揚げ物モードと炊飯モードと湯沸しモードの自動調理が可能であってもよい。
以下、上記こんろ用設定入力パネル5aを操作して加熱動作を行う場合を、上記自動調理を例にして説明する。なお、各スイッチの設定手順(操作手順)についての詳細は、後述する。
使用者は、可動部材6を操作して、こんろ用設定入力パネル5aを前面パネル12より前方に突き出し、こんろ用設定入力パネル5aを操作可能にする。そして、使用者がこんろ用設定入力パネル5aを操作して任意の自動調理モードに設定した後、選択されたこんろ部2に対応する操作部14を押し操作して、制御部に点火の指令を送ることで、こんろバーナ21が点火し、制御部が自動調理を開始する。当該自動調理時に、制御部は、選択された該当のこんろ部2に対して、選択された加熱条件の設定に基づき火力調整等の加熱制御を行い、当該こんろ部2で被加熱物を加熱し、その後、上記加熱条件の設定時間や設定温度等に基づいてこんろ部2を自動で消火する。これにより、各モードにより設定された加熱条件(燃焼条件)で燃焼するこんろ部2の炎により、対応する五徳22上に載置した被加熱物を加熱することができる。なお、操作部14の操作によるこんろ部2への点火の指令は、こんろ用設定入力パネル5での設定操作前に行ってもよく、このものでは、制御部が点火指令後一定時間の間自動調理の設定操作を受け入れるものとなる。
また、図1に示すように、前面パネル12における向かって左側(正面視左側)、即ち、グリル扉31を挟んでこんろ用設定入力パネル5aと左右方向における反対側に位置する操作パネル5は、グリルバーナ32の点火・消火の切り替えや火力調整を指令するためのグリル用設定入力パネル5bとなっている。
グリル用設定入力パネル5bは、図5に示すように、グリルバーナ32の点火・消火を操作するための点火・消火スイッチ61と、グリル3による調理時間(焼成時間)を設定するためのタイマー増減スイッチ62(「+」「−」スイッチ)と、グリルバーナ32の火力を切り替えるための火力切替スイッチ63と、焼成するメニュー(グリル調理のメニュー)を選んで該当するメニューに対応した焼成制御を選択するためのオートメニュースイッチ64と、焼き加減を選んで該当する焼き加減に対応した焼成制御を選択するための焼き加減スイッチ65と、ダッチオーブンモード、クリーンモードを選んでその加熱モードに対応した制御を選択するための選択スイッチ66とを備える。
そして、グリル用設定入力パネル5bは表示部として、設定時間が表示される7セグメントディスプレイ67と、オートメニュースイッチ64で選択したメニュー(設定)を表示する焼成メニュー表示部64aと、焼き加減スイッチ65で選択した焼き加減(設定)を表示する焼き加減表示部65aと、火力切替スイッチ63で選択した火力(設定)を表示する火力表示部63aと、選択スイッチ66で選択したモード(設定)を表示するモード表示部66aとを更に備える。なお、上記表示部において、図5(a)に示すように、消灯状態を白抜きで記載し、図5(b)に示すように、点灯状態を黒塗りで記載し、図面上に表現する。
オートメニュースイッチ64は設定された焼成条件(加熱条件)でグリル庫30内の被加熱物34を焼成する(自動調理する)ためのオートグリルモードのメニューを設定するための選択操作用のスイッチとなっている。そして、当該オートメニュースイッチ64は、「姿焼」「切身」「干物」の三種類のメニューから加熱条件の設定を選択可能で、「切身」がデフォルト(初期設定)となっており、押し操作がなされる毎に、加熱条件の設定がデフォルトから、「姿焼」、「干物」、メニュー選択のキャンセル、「切身」の順に切り替わる。更に、焼成メニュー表示部64aはメニューに対応した文字表示の横に設けたLEDのうち、該当するLEDを点灯させると共に、上記操作に伴う設定切替に対応して点灯させるLEDを切り替え、選択されている設定を表示する。
焼き加減スイッチ65は、「強」「標準」「弱」の三種類の焼き加減から加熱条件の設定を選択可能で、且つ「標準」がデフォルトとなっており、押し操作がなされる毎に、加熱条件の設定がデフォルトから、「強」、「弱」、「標準」の順に切り替わる。そして、焼き加減表示部65aは、焼き加減に対応した文字表示の横に設けたLEDのうち、該当するLEDを点灯させると共に、上記操作に伴う設定切替に対応して点灯させるLEDを切り替え、選択されている設定を表示する。
火力切替スイッチ63は上バーナ32a(上火)と下バーナ32b(下火)との火力を調整するためのスイッチとなっている。そして、火力切替スイッチ63としては、「上火強,下火強(上バーナ32a強火,下バーナ32b強火)」、「上火弱,下火強」、「上火強,下火弱」、「上火弱,下火弱」の四種類の火力から加熱条件の設定を選択可能で、且つ「上火強,下火強」がデフォルトとなっており、押し操作がなされる毎に、加熱条件の設定がデフォルトから、「上火弱,下火強」、「上火強,下火弱」、「上火弱,下火弱」、「上火強,下火強」の順に切り替わる。更に、火力表示部63aはグリルバーナ32の火を模した上下に並ぶ複数のLEDを有し、該当するLEDを点灯させると共に、上記操作に伴う設定切替に対応して点灯させるLEDを切り替え、選択されている設定を表示する。
このように、本実施形態では、グリル用設定入力パネル5bで設定可能な便利機能用のスイッチとして、オートメニュースイッチ64、選択スイッチ66、タイマー増減スイッチ62を備える。そして、グリル3における制御部の制御によって加熱部の加熱動作を行う機能(所謂、便利機能)が、オートメニュースイッチ64の操作に対応し上記三種類のメニューから選択される自動調理、選択スイッチ66の操作に対応し選択される二つの加熱モード、マニュアルグリルモード(詳細は後述する)時にタイマー増減スイッチ62の操作に対応し設定した調理時間に達すると自動で消火するタイマー調理となっている。なお、オートメニュースイッチ64のメニューや焼き加減スイッチ65の焼き加減や火力切替スイッチ63の火力は、例示のみに限定されず、選択可能な項目が二種類以下や四種類以上であってもよい。また、選択スイッチ66で選択可能な加熱モードは、例示のみに限定されず、クリーンモードを選択するスイッチが別スイッチや当該モードを備えないものや、ダッチオーブンモードが複数のメニューから選択可能なもの等であってもよい。
また、グリル3は温度上昇速度(温度上昇勾配という)を計測するためのグリル温度検出手段を更に備える。そして、制御部は、当該グリル温度検出手段の測定結果(検出情報)から、グリルバーナ32による加熱を開始した後の初期において、焼き網33における被加熱物34の載置状態の違いに応じて変化する温度上昇勾配を求める判定用情報算出処理を行うと共に、求めた前記温度上昇勾配の情報に基づいて、当該判定用情報算出処理を実行してから被加熱物34に対する加熱を終了するまでの総加熱時間を求める。総加熱時間は、メニューの種類と、被加熱物34の載置状態に応じて、予め定められた値を適用する或いは予め定められた算出式から値を求めるものである。
以下、グリル3を使用する場合(グリル3の加熱動作)を、上記オートグリルモードを例にして説明する。なお、加熱動作を行うにあたっての各スイッチの設定手順(操作手順)についての詳細は、後述する。
使用者は、可動部材6を操作して、グリル用設定入力パネル5bを前面パネル12より前方に突き出し、グリル用設定入力パネル5bを操作可能にする。そして、使用者はグリル用設定入力パネル5bのオートメニュースイッチ64等を操作して任意のオートグリルモードを設定した後、点火・消火スイッチ61を押し操作して、制御部に点火の指令を送ることで、グリルバーナ32を点火し、グリル調理を開始する。当該グリル調理時に、制御部は選択された加熱条件の設定に基づき火力調整等の加熱制御をグリル3に対して行い、グリル3で被加熱物34の自動調理を行う。なお、上記グリル3における自動調理中に自動調理を中止したい場合には点火・消火スイッチ61を指で押すことで消火して自動調理を中止できる。
また、選択スイッチ66としては、加熱容器を使用した加熱調理を行う「ダッチオーブンモード」、グリル庫30の油汚れや臭い成分等を焼ききるクリーニングのためにグリル庫30の加熱を行う「クリーンモード」の二種類のモードから選択可能で、且つ「ダッチオーブンモード」がデフォルトとなっている。そして、選択スイッチ66は、押し操作がなされる毎に、加熱条件の設定がデフォルトから、「クリーンモード」、モード選択のキャンセル、「ダッチオーブンモード」の順に切り替わる。モード表示部66aはモードに対応した文字表示の横に設けたLEDのうち、該当するLEDを点灯させると共に、上記操作に伴う設定切替に対応して点灯させるLEDを切り替え、選択されている設定を表示する。なお、キャンセル時には、上記LEDがいずれも消灯する。
更に、これら二つのモードでの加熱動作は、使用者が選択スイッチ66を操作して上記二つのモードのいずれかを選択入力し、点火・消火スイッチ61で点火入力操作した場合に、グリルバーナ32を点火して、グリル庫30内の加熱が開始される。「ダッチオーブンモード」は、ダッチオーブン鍋等の加熱容器を使用する場合のように、熱容量の大きい被加熱物34を加熱対象とする加熱制御となっている。このモードでは、時間設定により最大30分間までの任意の時間加熱を継続するように設定することができ、加熱動作を継続した後、グリルバーナ32を消火させてグリル調理を終了する。そして、「クリーンモード」では、クリーニングの終了を判定するために、グリル温度検出手段が閾値の温度(例えば、320℃以上)を検出すると、グリルバーナ32を消火する。
また、ガスこんろ1は、制御部での操作入力受付が有効なスイッチを他のスイッチに比べて強調して表示する強調表示部を更に備える。当該強調表示部は、例えば、照明部材で主体が構成され、点灯・消灯に加えて点滅の表示形態を有し、点灯又は点滅を行ったり、消灯から点滅に切り替えたり、点滅から点灯に表示形態を切り替えたりすることで、該当するスイッチを強調して表示する。
例えば、便利機能等の加熱条件の設定が確定するまでは、操作入力受付が有効なスイッチを点滅させることによって、強調して表示する。そして、加熱条件の設定が確定した後は、その加熱条件の設定を点灯させることで強調して表示すると共に、その加熱条件で実行中の加熱動作を解除するためのスイッチ(解除スイッチ)等を操作入力受付が有効なスイッチとして点灯させることで強調して表示する。そのため、上記操作入力受付が有効なスイッチを使用者に認識させ易くし、加熱条件の設定(加熱動作の設定)を選択する手順や加熱動作の解除を使用者に認識させ易くすることができる。そして、強調表示部の点灯や点滅、消灯、上記表示形態の切り替え、点滅の時間当たりの回数の変更(点滅のピッチ)等は、操作パネル5等の操作に応じて制御部が制御する。
更に、当該操作入力受付が有効なスイッチとは、図4(c)、図5(c)に示すように、スイッチを操作して対応する指令が制御部に入力された際に、その指令を制御部が受け付けるスイッチとなっている。上記制御部が指令を受け付けるスイッチを以下、有効なスイッチという。なお、有効なスイッチ以外の残りのスイッチを、制御部が指令を受け付けない或いは拒否するスイッチとして無効なスイッチとするが、当該無効なスイッチは、選択済みの加熱条件の設定をキャンセルするスイッチを含まない。
また、強調表示部は、スイッチの裏面側に配置されスイッチを裏面側から照らすものと、表示部を照明部材として用いたものとに区別され、上記スイッチの裏面側に配置される照明部材は、例えばLED(発光ダイオード)で主体が構成される。そして、強調表示部を裏面側に配置したスイッチは、タイマースイッチ51、温度スイッチ53、湯沸しスイッチ54、炊飯スイッチ57、あぶり高温炒めスイッチ52、点火・消火スイッチ61、オートメニュースイッチ64、焼き加減スイッチ65となっている。なお、強調表示部のスイッチの裏面側を照らす上記照明部材において、図4(a)、図5(a)に示すように、消灯状態を白抜きで記載し、図4(b)、図5(b)に示すように、点灯状態を斜線塗りで記載し、図4(c)、図5(c)に示すように、点滅状態を斜線塗り及び放射状の線で記載し、図面上に表現する。
更に、表示部を照明部材に用いたスイッチは、増減スイッチ55、タイマー増減スイッチ62、火力切替スイッチ63、選択スイッチ66となっている。当該スイッチは裏面側にLEDを備えていないが、増減スイッチ55は7セグメントディスプレイ56を、タイマー増減スイッチ62は7セグメントディスプレイ67を、火力切替スイッチ63は火力表示部63aのLEDを、選択スイッチ66はモード表示部66aのLEDを点灯や点滅させることで、有効なスイッチとなった際に強調表示する構成となっている。なお、強調表示部を兼ねた上記表示部において、図4(a)、図5(a)に示すように、消灯状態を白抜きで記載し、図4(b)、図5(b)に示すように、点灯状態を黒塗りで記載し、図4(c)、図5(c)に示すように、点滅状態を黒塗り及び放射状の線で記載し、図面上に表現する。
以下、操作パネル5の操作に応じた強調表示部の強調表示を、ガスこんろ1の操作手順に沿って説明する。なお、以下の説明において、点滅のピッチは特に記載しない限り、10秒間に7回のピッチとして記載を省略するが、点滅のピッチは上記例示のピッチに限らない。また、動作を行う時間や動作を切り替える時間等の数値は、以下の説明中で例示の数値に限らない。
図6に示すように、第1チャートでは、電源スイッチ13がON操作される(ステップS1)と、器具電源(図示せず)がONとなり、制御部、開閉弁42、流量調整弁44、操作パネル5、表示部、強調表示部等と器具電源(電源入力部)との通電がなされると共に、電源確認ランプ13aが点灯する。当該通電に伴い制御部は、各操作パネル5の有効なスイッチに対応した強調表示部を点滅させ(ステップS2)、有効なスイッチを強調状態にし、一定時間(例えば、10秒)点滅後、強調表示部を消灯させ(ステップS3)、非強調状態に切り替える。そして、当該ステップS2における有効なスイッチは、こんろバーナ21の点火操作が可能な操作部14に加えて、こんろ用設定入力パネル5a側が、図7(a)に示すように、タイマースイッチ51、温度スイッチ53、湯沸しスイッチ54、あぶり高温炒めスイッチ52、炊飯スイッチ57となっており、グリル用設定入力パネル5b側が、図7(b)に示すように、オートメニュースイッチ64、点火・消火スイッチ61、選択スイッチ66となっている。
また、電源スイッチ13のON操作から3分経過するまでの間、制御部は、上記有効なスイッチの操作入力を受け付け(ステップS4)、有効なスイッチである操作部14或いは操作パネル5の上記スイッチが操作されると、制御部は、操作された有効なスイッチに対応したこんろ部2又はグリル3の操作用の強調表示に強調表示部の表示を切り替える(図8に示す第2チャート又は図9に示す第3チャートへ移行する)。そして、非強調状態で無効なスイッチが操作されると、制御部はガスこんろ1に設けた報知部(図示せず)でブザー音等の音声報知を行い、有効なスイッチに対応した強調表示部を数回(例えば、2,3回程度)点滅させた後、消灯する。また、有効なスイッチの操作入力がない状態で3分経過する(ステップS5)と、器具電源がOFFとなると共に、電源確認ランプ13aが消灯する(ステップS6)。
次に、前述のステップS4において、操作部14が操作され、図8に示す第2チャートに移行した場合を説明する。この第2チャートでは、こんろ用設定入力パネル5aを操作して自動調理を設定する操作及び制御のチャートとなっている。
まず、第2チャートへの移行時に、左こんろ部2aに対応する操作部14a、又は右こんろ部2cに対応する操作部14cが操作された場合(図8のステップS7に移行した場合)で説明する。
操作部14a,14cが操作され、該当するこんろバーナ21a,21cを点火する(ステップS7)と、対応するこんろ部2a,2cのタイマースイッチ51及び自動調理入力部(温度スイッチ53、湯沸しスイッチ54)及びあぶり高温炒めスイッチ52を有効なスイッチとして、該当する強調表示部を点滅させ(ステップS8)強調状態にする。例えば、ステップS8後、タイマースイッチ51が押し操作される(ステップS9)と、ガスこんろ1はタイマー設定モードとなり、制御部は押し操作されたタイマースイッチ51の強調表示部を点灯に切り替え加熱条件設定済みとして強調状態を維持し、対応するこんろ部2a,2cの自動調理入力部及びあぶり高温炒めスイッチ52の強調表示部を消灯させ非強調状態にする(ステップS10)。
そして、当該モードに移行すると、7セグメントディスプレイ56に初期設定値(例えば、1分)を表示させると共に、当該表示(数値)を点滅させ(ステップS11)強調状態にし、一定時間の間増減スイッチ55の操作(設定時間の変更)を受け付ける(ステップS12)。当該ステップS12において、増減スイッチ55が操作されると、当該操作に対応して設定時間を変更すると共に、7セグメントディスプレイ56で表示する数値(設定時間)を変更後の値に変更する。
上記一定時間経過後、制御部は7セグメントディスプレイ56の表示を点灯に切り替え(ステップS13)加熱条件設定済みとして強調状態を維持し、設定時間に達するまで加熱動作を行うと共に、加熱時間の経過に応じて7セグメントディスプレイ56の表示(時間)を減じる。更に、制御部は、設定時間に達する所定の時間前(例えば、30秒前)に報知部で音声報知を行い、設定時間に達するとこんろ部2を消火する(ステップS14)。当該ステップS14において、制御部は、7セグメントディスプレイ56の表示を所定回数点滅させた(例えば、0分の表示を10回点滅)後、消灯させ、またタイマースイッチ51の強調表示部を消灯させる。
また、ステップS8において、温度スイッチ53が押し操作される(ステップS15)とガスこんろ1は揚げ物温度設定モードとなり、制御部は、押し操作された温度スイッチ53の強調表示部を点灯に切り替え強調状態を維持し、対応するこんろ部2a,2cのタイマースイッチ51及び湯沸しスイッチ54及びあぶり高温炒めスイッチ52の強調表示部を消灯させ非強調状態に切り替える(ステップS16)。
そして、当該モードに移行すると、7セグメントディスプレイ56に初期設定値(例えば、160℃)を表示させ、当該表示(数値)を点滅させ(ステップS17)強調状態にし、一定時間の間増減スイッチ55の操作(設定温度の変更)を受け付ける(ステップS18)。ステップS18において、増減スイッチ55が操作されると、当該操作に対応して設定温度を変更すると共に、7セグメントディスプレイ56で表示する数値(設定温度)を変更後の値に変更する。
上記一定時間経過後、制御部は7セグメントディスプレイ56の表示を点灯に切り替え(ステップS19)強調状態を維持し、強火と弱火とを切り替えて設定温度を維持されるよう加熱制御を開始する。なお、当該加熱制御中に、増減スイッチ55が操作されると、加熱制御は上記操作によって変更された設定温度を維持されるよう変更される。
また、ステップS8において、湯沸しスイッチ54が押し操作される(ステップS20)と、ガスこんろ1は湯沸し設定モードとなり、制御部は、押し操作された湯沸しスイッチ54の強調表示部を点灯に切り替え強調状態を維持し、対応するこんろ部2a,2cのタイマースイッチ51及び温度スイッチ53及びあぶり高温炒めスイッチ52の強調表示部を消灯させる(ステップS21)。
そして、当該モードに移行すると、7セグメントディスプレイ56に保温時間の初期設定値(例えば、5分)を表示させ、当該表示(数値)を表示を点滅させ(ステップS22)強調表示し、一定時間の間増減スイッチ55の操作を受け付ける(ステップS23)。ステップS23において、一定時間の間に増減スイッチ55の操作が行われなかった場合、7セグメントディスプレイ56の表示を点灯に切り替え強調状態を維持し、初期設定の保温時間を5分とした自動消火モードに移行する(ステップS24)。また、ステップS23において、増減スイッチ55の操作が行われた(ステップS25)場合、7セグメントディスプレイ56に上記操作で設定された数値を表示させると共に、7セグメントディスプレイ56の表示を点灯に切り替え(ステップS26)強調状態を維持する。
そして、ステップS24又はステップS26後、湯沸し動作を行い(ステップS27)、温度検知手段23等で被加熱物の沸騰を検知すると、弱火に切り替え保温動作に移行すると共に、保温時間の経過に応じて7セグメントディスプレイ56の表示(時間)を減じ(ステップS28)、保温の設定時間に達するとこんろ部2を消火する(ステップS29)。更に、当該ステップS29において、制御部は、7セグメントディスプレイ56の表示を所定回数点滅させた(例えば、0分の表示を10回点滅)後、消灯させ、また湯沸しスイッチ54の強調表示部を消灯させ非強調状態にする。
また、ステップS8において、あぶり高温炒めスイッチ52が3秒以上継続して押し操作されることで、異常検知手段の閾値温度を高温側にシフトさせたあぶり炒めモードに移行する。そして、当該モードへの移行時に、制御部は、押し操作されたあぶり高温炒めスイッチ52の強調表示部を点灯に切り替え強調状態を維持し、対応するこんろ部2のタイマースイッチ51及び自動調理入力部の強調表示部を消灯させ非強調状態にする。なお、あぶり高温炒めスイッチ52の押し操作中(3秒経過するまでの間)及びあぶり高温炒めモード移行時においては、移行時を上記操作中に比べて短いピッチで電子音を鳴らす等で、夫々異なる報知形態で音声報知することが好ましい。
また、第2チャートへの移行時に、後こんろ部2bに対応する操作部14bが操作され、図10に示す第4チャートへ移行した場合(図10のステップS30に移行した場合)を説明する。
操作部14bが操作されて対応するこんろバーナ21bを点火する(ステップS30)と、対応する後こんろ部2bの炊飯スイッチ57を有効なスイッチとし、該当する強調表示部を点滅させる(ステップS31)。当該ステップS31において、炊飯スイッチ57が押し操作される(ステップS32)と、ガスこんろ1は炊飯モードとなる。
当該モードに移行後、制御部は押し操作された炊飯スイッチ57の強調表示部を点灯に切り替え、初期設定となっているごはん用の炊飯モードとなると共に、炊飯表示部57aの初期設定の表示として「ごはん」に該当するLEDを点灯させ強調状態にし、一定時間の間炊飯スイッチ57の操作を受け付ける(ステップS33)。当該一定時間の間(操作入力受付期間中)に、炊飯スイッチ57が一度押し操作される(ステップS34)と、制御部はおかゆ用の炊飯モードに切り替わると共に、炊飯表示部57aの「ごはん」のLEDを消灯させ「おかゆ」に該当するLEDを点灯させ(ステップS35)強調表示部で強調する表示を切り替える。ステップS33又はステップS35の状態で一定時間が経過すると、ステップS38に移行し、制御部は選択された炊飯モードでの加熱制御を行う。
また、ステップS35の状態で且つ上記一定時間の間に、炊飯スイッチ57が押し操作される(ステップS36)と、制御部は炊飯スイッチ57の強調表示部及び炊飯表示部のLEDを全て消灯させ、炊飯モードを解き(ステップS37)、当該状態で更に炊飯スイッチ57が押し操作される(ステップS32)と、ステップS33のごはん用の炊飯モードに切り替わる。なお、ステップS38の炊飯モードでの加熱制御中に、炊飯スイッチ57が操作されると、制御部は炊飯モードを終了させると共に、点灯中の炊飯スイッチ57の強調表示部及び炊飯表示部57aのLEDを消灯させる。
なお、本実施形態において、7セグメントディスプレイ56は設定時間を表示するにあたって、設定時間に達するまでの残時間を表示するカウントダウン式の構成となっているが、経過時間を表示するカウントアップ式の構成であってもよい。
次に、前述の図6に示す第1チャートのステップS4において、グリル用設定入力パネル5bが操作され、図9に示す第3チャートに移行した場合を説明する。この第3チャートでは、グリル用設定入力パネル5bを操作してグリル3での調理(加熱動作)を設定する操作及び制御のチャートとなっている。そして、第3チャート移行時に、制御部は、グリル用設定入力パネル5bの有効なスイッチのうち、操作されたスイッチの強調表示部を点灯させる。なお、ステップS4において、有効なスイッチの強調表示部が点滅した状態で第3チャートに移行した場合、制御部はグリル用設定入力パネル5bの操作されなかったスイッチの強調表示部を消灯させる。
まず、第3チャートへの移行時に、オートメニュースイッチ64が操作された場合(図9に示すステップS50に移行した場合)を説明する。
ステップS50に移行すると、制御部はオートグリルモードにおけるオートメニュー設定モードとなり、オートメニュースイッチ64の強調表示部を点灯させ(ステップS51)、グリル調理のメニューの初期設定である切身用の加熱条件(切身用の焼成モード)になり、オートメニュースイッチ64の操作を受け付ける(ステップS52)。当該操作入力受付中に、制御部は、焼成メニュー表示部64aの初期設定の表示として「切身」に該当するLEDを点灯させ、オートメニュースイッチ64が押し操作される毎に、姿焼用の焼成モード、干物用の焼成モード、オートグリルモードの解除、切身用の焼成モードの順序で切り替わると共に、当該モードの変更(切替)に対応して焼成メニュー表示部64aの点灯させるLEDを切り替え(ステップS53)、焼き加減スイッチ65の強調表示部を点滅させる(ステップS54)。そして、オートグリルモードの解除が選択された状態では焼成メニュー表示部64aの全てのLEDが消灯され、当該解除が選択された状態で、一定時間が経過する(ステップS55)と、制御部は焼き加減スイッチ65の強調表示部を消灯させ、オートグリルモードを終了する。なお、ステップS55において、一定時間が経過する前に、オートメニュースイッチ64が操作されると、ステップS51に戻る。
また、グリル調理(自動調理)のメニューのいずれかが選択された(解除以外が選択された)状態で、焼き加減スイッチ65が操作される(ステップS56)と、焼き加減スイッチ65の強調表示部を点灯に切り替え(ステップS57)、焼き加減スイッチ65の操作入力を受け付ける(ステップS58)。
ステップS58において、制御部は、焼き加減表示部65aの初期設定の表示として「標準」に該当するLEDを点灯させ、当該操作入力受付中に、焼き加減スイッチ65が操作される毎に、焼き加減(加熱条件の設定)を切り替えると共に、当該焼き加減の切替(設定変更)に対応して焼き加減表示部65aの点灯させるLEDを切り替え(ステップS59)、点火・消火スイッチ61を点滅させる(ステップS60)。
点滅中の点火・消火スイッチ61が押し操作される(ステップS61)と、グリルバーナ32を点火し(ステップS62)、選択された加熱条件(焼成条件)の設定となるよう加熱制御を開始すると共に、点火・消火スイッチ61を点灯に切り替える(ステップS63)。また、オートグリルモードでの加熱動作が終了すると、制御部は、オートメニュースイッチ64、焼き加減スイッチ65、点火・消火スイッチ61の各強調表示部、及び焼成メニュー表示部64a、焼き加減表示部65aの点灯中のLEDを消灯させる。
なお、ステップS56への移行前(焼き加減スイッチ65の操作前)において、点火・消火スイッチ61や選択スイッチ66が押し操作されると、押し操作されたスイッチの操作入力を制御部が無効なスイッチからの操作入力として拒否し(受け入れず)、焼き加減スイッチ65の強調表示部が点滅前(ステップS54移行前)であれば加減スイッチ65の強調表示部を点滅させ、焼き加減スイッチ65を有効なスイッチとして強調表示する。そして、上記無効なスイッチの操作入力後、一定時間が経過するまでに、焼き加減スイッチ65の操作入力が無い場合、制御部は点灯中の焼成メニュー表示部64aのLED及び点滅中の焼き加減スイッチ65の強調表示部を消灯させ、オートグリルモードを終了する。
次に、第3チャートへの移行時(ステップS4)に、点火・消火スイッチ61が操作された(ステップS64)場合を説明する。
ステップS64に移行すると、制御部はマニュアルグリルモードにおける加熱条件設定モードとなり、点火・消火スイッチ61の強調表示部を点灯させ、グリルバーナ32を点火し(ステップS65)、初期設定の火力(上火強,下火強)となるよう加熱制御を行い、加熱動作が開始される。そして、制御部は、7セグメントディスプレイ67を点灯させ(ステップS66)、当該7セグメントディスプレイ67にグリル庫30内温度により予め設定されている加熱時間の初期設定時間(例えば、6分や9分)を表示させ(ステップS67)、火力表示部63aに上記火力の初期設定を表示させる(ステップS68)。
そして、制御部は、上記加熱動作が設定時間に達する所定の時間前(例えば、30秒前)に、報知部で音声報知を行い、設定時間に達すると、グリルバーナ32を消火し、7セグメントディスプレイ67の表示を所定回数点滅させた(例えば、0分の表示を10回点滅)後、消灯させ、また点火・消火スイッチ61の強調表示部を消灯させ、マニュアルグリルモードを終了する。なお、オートメニュースイッチ64や選択スイッチ66が押し操作されると、押し操作されたスイッチに対応したモード、オートメニュースイッチ64であれば前述のオートグリルモードに、選択スイッチ66であればダッチ・クリーンモード(詳細は後述する)に切り替わる。
また、上記加熱動作中に、制御部はタイマー増減スイッチ62及び火力切替スイッチ63の操作を受け付けており、加熱動作が終了するまでの間、7セグメントディスプレイ67、火力表示部63aのグリルバーナ32の火力に対応したLEDを点灯させている。例えば、上記加熱動作中に、タイマー増減スイッチ62が操作される(ステップS69)と、7セグメントディスプレイ67を点滅させ強調状態にし、タイマー増減スイッチ62の操作に対応して設定時間及び7セグメントディスプレイの表示(設定時間)を変更し(ステップS70)、火力切替スイッチ63の操作入力を受け付ける(ステップS71)。
そして、火力切替スイッチ63が操作される(ステップS72)と、火力切替スイッチ63の操作に対応してグリルバーナ32の火力(加熱条件の設定)及び火力表示部63aの表示(点灯させるLED)を変更する(ステップS73)。また、7セグメントディスプレイの点滅中において、タイマー増減スイッチ62又は火力切替スイッチ63が一定時間操作されないと、制御部は7セグメントディスプレイを点灯に切り替える。なお、火力切替スイッチ63が先に操作され、当該操作後にタイマー増減スイッチ62が操作される手順であってもよく、またタイマー増減スイッチ62と火力切替スイッチ63のうちの一方のみが操作される場合であってもよい。
また、第3チャートへの移行時(ステップS4)に、選択スイッチ66が操作され、第3チャートから第5チャートへ移行した場合(図11に示すステップS75に移行した場合)を説明する。
図11に示すように、ダッチ・クリーンモード(ステップS75)に移行すると、ダッチオーブンモードとクリーンモードとを選択するモード選択状態となり、モード表示部66aに初期設定としてダッチオーブンモードに該当するLEDを点灯させ(ステップS76)、一定時間の間選択スイッチ66の操作入力を受け付ける。ダッチオーブンモードに該当するLEDの点灯中で且つ上記一定時間の間に、選択スイッチ66が操作される(ステップS77)と、クリーンモードに切り替わると共に、モード表示部66aにダッチオーブンモードのLEDを消灯させクリーンモードに該当するLEDを点灯させる(ステップS78)と共に、報知部で警告アラーム音としての音声報知を行い、クリーンモードが選択されたことを報知する。なお、クリーンモードに該当するLEDの点灯中で且つ上記一定時間の間に、選択スイッチ66が更に操作される(ステップS79)と、ダッチ・クリーンモードが解除され(ステップS80)、当該解除状態で一定時間が経過すると第1チャートのステップS5に戻る。
また、上記一定時間経過時にダッチオーブンモードが選択されていた場合、制御部は、ダッチオーブンモードに移行し、7セグメントディスプレイ67を点灯させ、初期設定として例えば10分を表示させ(ステップS81)、点火・消火スイッチ61を点滅させる(ステップS82)。点火・消火スイッチ61点滅中に、7セグメントディスプレイ67を点滅させ(ステップS83)、タイマー増減スイッチ62の操作を受け付ける。そして、点火・消火スイッチ61が操作される(ステップS84)と、グリルバーナ32を点火し、点火・消火スイッチ61を点灯に切り替え(ステップS85)、7セグメントディスプレイ67の表示を点灯に切り替え非強調状態にし、設定時間に達するまで加熱動作を行うと共に、加熱時間の経過に応じて7セグメントディスプレイ67の表示(時間)を減じる。
更に、上記一定時間経過時にクリーンモードが選択されていた場合、制御部は、クリーンモードに移行し、7セグメントディスプレイ67を点灯させ、初期設定として例えば8分を表示させ、点火・消火スイッチ61を点滅させる(ステップS86)。そして、点火・消火スイッチ61が操作される(ステップS87)と、グリルバーナ32を点火し、点火・消火スイッチ61を点灯に切り替え(ステップS88)、設定時間に達するまで加熱動作を行うと共に、加熱時間の経過に応じて7セグメントディスプレイ67の表示(時間)を減じる。
このように、本実施形態における加熱調理器は、操作パネル5にスイッチ及び表示部を視認可能に設けると共に、有効なスイッチを強調表示する強調表示部を設け、制御部が操作に応じて強調表示するスイッチを切り替える構成となっている。そのため、自動調理等の便利機能の操作開始時に、操作パネル5が如何なるスイッチを備えるかを使用者に認識させ易くすることができると共に、強調表示部の強調表示によって各操作時に有効なスイッチを使用者に認識させ易くすることができる。そして、操作に応じて強調表示するスイッチを切り替えるため、各操作時に加熱条件等の加熱動作の設定を使用者に選択させ易くすることができると共に、加熱条件の設定を選択する手順(加熱条件を設定する手順)を使用者に認識させ易くすることができる。そのため、加熱動作を行うための操作(加熱条件の設定)が使用者に分かり易くなり、使用者が加熱調理器を操作し易くすることができ、加熱調理器を使用者が利用し易くなる。
また、強調表示時において、有効なスイッチが一定時間操作されない際に、有効なスイッチを非強調状態にすると共に、この非強調状態で無効なスイッチが操作された際に、有効なスイッチを再度強調表示する構成となっている。そのため、非強調状態への切り替わりによって有効なスイッチの強調表示に伴う消費電力の増加を抑え易くすることができ、また非強調状態での操作再開時に、有効なスイッチを使用者に認識させ易くなり、操作を行い易くすることができる。
なお、こんろ部2での便利機能の利用時において、こんろ用設定入力パネル5aで加熱条件を設定した後、操作部14を操作してこんろバーナ21を点火し、便利機能の加熱動作を開始してもよい。このものでは、操作パネル5での加熱条件の設定後、例えば3分程度の所定時間操作部14による点火指令を受け付け、点火指令が入力されると制御部は、加熱動作を開始し、設定された加熱条件となるよう加熱制御を行う。そして、設定後上記点火指令の入力がない状態で上記所定時間が経過した場合には、選択された設定を解除した後(初期設定に戻した後)、器具電源がOFFとなると共に、電源確認ランプ13aが消灯する。
また、操作パネル5の開動作に対応して有効なスイッチを強調表示する構成であってもよい。例えば、こんろ用設定入力パネル5aを収納状態から取出状態に切り替える場合を説明する。この場合において、例えば、図12に示すように、右こんろ部2cが設定温度200℃の揚げ物モードで加熱動作中となっており、左こんろ部2a及び後こんろ部2bが非加熱動作中(非動作中)となっている。
右こんろ部2cに該当するスイッチ及び表示部は、加熱動作中となっているため、前述の通り、実行中の加熱動作に対応した表示部(7セグメントディスプレイ56)及び強調表示部(温度スイッチ53)が点灯されている。なお、上記点灯している強調表示部や表示部は、操作パネル5が収納状態になると、消灯し、取出状態になると点灯する構成とすることで、消費電力を抑え易くなり好ましい。
また、非加熱動作中となっている左こんろ部2aに該当するスイッチ及び表示部のうち、こんろ用設定入力パネル5aが取出状態になると、制御部はタイマースイッチ51及び自動調理入力部及びあぶり高温炒めスイッチ52の強調表示部を点滅させ当該スイッチを有効なスイッチとして強調表示する。そして、非加熱動作中となっている後こんろ部2bに該当するスイッチ及び表示部のうち、こんろ用設定入力パネル5aが取出状態になると、制御部は炊飯スイッチ57の強調表示部を点滅させ、当該スイッチを有効なスイッチとして強調表示する。
つまり、こんろ用設定入力パネル5aが開動作によって取り出されると、制御部は、加熱動作中のこんろ部2の実行中の加熱動作を強調表示し、また非加熱動作中のこんろ部2の有効なスイッチの強調表示部を点滅させ、非加熱動作中のこんろ部2の有効なスイッチを強調表示する構成となっている。なお、グリル用設定入力パネル5bは、非加熱動作中の場合、取出状態で、点火・消火スイッチ61及びオートメニュースイッチ64の強調表示部、モード選択表示部66aの二つのLEDを点滅させ、グリル3が非加熱動作中である点及び有効なスイッチを強調表示する。
このように、本体ケーシング1aからの操作パネル5の取り出し検出時に、制御部が強調表示部で有効なスイッチを強調表示することで、操作パネル5を利用するための開動作に合わせて、使用者に有効なスイッチを認識させ易くなり、操作を行い易くすることができる。そして、こんろ用設定入力パネル5aにおいて、上記状態から、非加熱動作中のこんろ部2を加熱動作に切り替える場合、こんろ用設定入力パネル5aで加熱条件を設定した後、操作部14を操作して、こんろバーナ21を点火し、加熱動作を開始してもよい。なお、第1チャートのステップS3とステップS4の間に、開検知手段による操作パネル5の取り出しを検知させるステップを設けてもよい。
また、ガスこんろ1は、図1に示すように、加熱部の加熱動作を禁止するチャイルドロックモードを有すると共に、当該チャイルドロックモードに移行するために操作されるチャイルドロックスイッチ16と、チャイルドロックモード時にチャイルドロックモードであることを報知するロック報知ランプ16aとを備える。当該チャイルドロックスイッチ16及びロック報知ランプ16aは前面パネル12の向かって右側(正面視右側)の上部、詳しくは、操作部14aの上方側に設けられている。
このチャイルドロックモード時において、制御部は、操作部14及び操作パネル5の全てのスイッチを無効なスイッチとして操作入力を拒否し、チャイルドロックスイッチ16を有効なスイッチとして操作入力を受け付ける。そして、チャイルドロックスイッチ16は、一定時間(例えば、3秒間)継続して押し操作されることで、チャイルドロックモード以外のモード時にはチャイルドロックモードに移行し、チャイルドロックモード時にチャイルドロックモードを解除する解除スイッチとして機能する。ロック報知ランプ16aはチャイルドロックモード時に点灯され、当該モード時に無効なスイッチが操作されると、制御部の制御によって、10秒の間に40回のピッチで高速点滅されて強調表示した後、点灯に切り替わる。
つまり、ロック報知ランプ16aは、点灯や10秒間に7回のピッチでの点滅等のチャイルドロックモード以外(操作パネル5)での表示形態と異なる表示形態で、チャイルドロックモード時にチャイルドロックスイッチ16を強調表示する強調表示部として機能する。そのため、チャイルドロックモードであることを使用者に認識させ易くすることができ、また当該モードの解除操作を使用者に促し易くすることができると共に、操作を行い易くすることができる。
なお、強調表示部は点灯・点滅によって強調表示するものに限らず、色彩や強度(光度)を変化させて強調表示するものであってもよく、更に照明部材を配置する部位は裏面側に限らず、スイッチの周囲を照らす構成であってもよく、照明部材はLEDに限らない。また、加熱調理器は、ガスこんろ1に限らず、電気調理器等であってもよい。