JP3917718B2 - 耐力壁パネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、急激な破壊が生じない耐力壁パネル及びその取り付け構造に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
これまでに、パネルを組み立てて建物を構築する工法が知られている。この工法で使用されるパネルは、縦材と横材を接合して形成される骨組に面材が張り付けられて構成される。そして、建物の荷重は壁パネルによって支えられるので、壁パネルは、安全性を確保できるだけの十分な強度を有していた。
【0003】
しかしながら、従来の壁パネルは、限界を越える外力が加えられると、急激に壊れてしまっていた。具体的には、縦材と横材の接合が壊れて面材に亀裂が入り、この亀裂が急激に広がって壊れるようになっていた。耐震構造という見地からは、限界を超える外力が加えられても、急激には壊れないことが好ましい。
【0004】
そこで、本出願人は、日本特許情報機構(JAPIO)の先行技術調査(パトリス)を利用して調査を行ったところ、例えば特開平3−117007号公報に開示されるように、壁パネル内にブレースを設ける先行技術が公知であることを見いだした。
【0005】
しかし、ブレースを設けても、このブレースが壁パネルの枠体から外れてしまえば、急激な破壊を避けられない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、限界を超える外力が加えられても急激な破壊が生じない耐力壁パネル及びその取付構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、連結手段を介して基礎に固定される下側横材と、上部構造体が載せられる上側横材と、前記下側横材と前記上側横材との間に設けられる複数の縦材と、で構成される骨組に、面材が張り付けられてなる耐力壁パネルであって、
前記下側横材と少なくとも一つの前記縦材とに固定される補強部材を有し、
前記補強部材は、鋼製の箱状金物と、木質の角材と、を含み、
前記箱状金物は、前記下側横材の内側面に取り付けられ、前記連結手段を介して前記下側横材と共に前記基礎に固定され、
前記角材は、接着剤を介して前記縦材の内側面に固着されるとともに、前記箱状金物と連結されることを特徴とする。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、下側横材と少なくとも一つの縦材とに固定される補強部材が、連結手段によって下側横材とともに基礎に固定されることから、下側横材と縦材との接合部が破損しにくい。また、補強部材が耐力壁パネルにおける当初の取付位置から外れにくい。このため、面材の耐力の限界を超える外力が加えられても、耐力壁パネル全体の急激な破壊が生じにくい。
【0009】
また、補強部材が、下側横材の内側面に取り付けられて基礎に固定される部材と、縦材の内側面に固着される部材とを含み、この両部材が互いに連結されることから、下側横材と縦材とを基礎に簡単に連結固定することができる。
ここで、下側横材に固定される部材が鋼製の箱状金物であることから、製造が容易で、強度が高く、かつ、変形を許容し得る。このため、限界を超える外力によっても箱状金物が急激に破損しにくい。また、縦材に固着される部材が木質の角材であることから、接着剤で簡単かつ確実に固定することができる。このため、角材固定用の釘やビス等の金物を節約することができる。特に、角材が木質であることから、縦材が木質であるときは木同士の接着となり、高い接着強度を得ることができる。そして、このような箱状金物と角材とが連結されることから、面材の限界を超える外力が加えられた場合でも、箱状金物が変形して縦材と下側横材との接合を維持するため、耐力壁パネル全体の急激な破壊が防止される。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の耐力壁パネルにおいて、前記連結手段は、前記基礎に固定されるボルト及びナットを含み、前記下側横材及び前記補強部材は、前記ボルトを挿通する穴を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、連結手段がボルト及びナットを含み、下側横材及び補強部材にボルトを挿通するための穴があることから、連結手段を介して、補強部材を下側横材及び基礎に簡単に固定することができる。従って、取付の容易な耐力壁パネルを得ることができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、連結手段を介して基礎に固定される下側横材と、上部構造体が載せられる上側横材と、前記下側横材と前記上側横材との間に設けられる複数の縦材と、で構成される骨組に、面材が張り付けられてなる耐力壁パネルであって、
前記下側横材と全ての前記縦材とに固定される補強部材を有し、
前記補強部材は、前記連結手段によって、前記下側横材とともに前記基礎に固定されることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、補強部材が下側横材と全ての縦材とに固定されることから、下側横材と縦材との全接合部が補強部材によって補強される。そのため、急激な破壊が一層発生しにくい耐力壁パネルを得ることができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の耐力壁パネルにおいて、
前記連結手段は、前記基礎に固定されるボルト及びナットを含み、
前記下側横材及び前記補強部材は、前記ボルトを挿通する穴を有することを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4記載の耐力壁パネルにおいて、
前記補強部材は、鋼製の箱状金物と、木質の角材と、を含み、
前記箱状金物は、前記下側横材の内側面に取り付けられ、前記連結手段を介して前記基礎に固定され、
前記角材は、接着剤を介して前記縦材の内側面に固着されるとともに、前記箱状金物と連結されることを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項3または請求項4記載の耐力壁パネルにおいて、
前記補強部材は、硬質ゴムで構成されることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、補強部材が硬質ゴム製であることから、接着剤で確実に固定することができる。また、硬質ゴムは丈夫な上、かなり大きな変形をも許容することから、面材の限界を超える外力が加えられた場合でも、下側横材と縦材との接合部の変形を許容して、耐力壁パネルの急激な破壊を防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明にかかる耐力壁パネルの第一の実施形態を示す一部分解斜視図である。
【0023】
同図において、耐力壁パネル20は、矩形の骨組22と、この骨組22の内側に取り付けられる補強部材32と、骨組22の両パネル面に取り付けられる面材30とを含んで形成される。
【0024】
ここで、骨組22は、下側横材24と上側横材26の間に3本の縦材28が配されてなる。その材質は、耐力壁パネルの骨組として適当な強度を実現可能な限り特に限定されないが、本実施形態においては、角材や集成材等の木質系材料を使用する。
【0025】
また、面材30は、骨組22のパネル面に合わせた大きさ及び形状をなす薄板状の部材であり、骨組22に固定されてその強度を高めている。耐力平パネル20の水平方向の基本的な耐力は、この面材30によって実現される。この面材30の材質は、耐力壁パネル20の面材として使用可能な限り特に限定されないが、本実施形態においては、合板を使用する。
【0026】
補強部材32は、下側横材24と縦材28との接合部を補強するための部材であり、鋼製の箱状金物34と、角材36を含んでなる。そして、骨組22の内側において、3本の縦材28のうち両端の2本のそれぞれに沿って取り付けられる。ここで、この補強部材32周辺の拡大図を図2に示す。
【0027】
図1及び図2において、鋼製の箱状金物34は、略立方体状をなし、一の側面が開放され、かつ、上面及び下面に他の部材との連結用の穴34aを備える。そして、開放された側面を一方のパネル面方向に向けて、下側横材24上に設置される。このとき、下側横材24の内側面24a及び一の縦材28の内側面28aの双方に箱状金物34が接触するように配置される。
【0028】
角材36は、箱状金物34の上面と略等しい大きさ及び形状の横断面をなす縦長の部材であり、長手方向に沿って貫通する貫通孔37が中心部に形成されている。そして、この角材36は、箱状金物34の上に載置され、隣接する縦材28の内側面28aに接着剤で固着される。さらに、貫通孔37から挿入される連結金物38によって、箱状金物34に連結される。
【0029】
この角材36と箱状金物34とを連結する連結金物38の具体的構成は、確実な連結が可能な限り特に問わないが、本実施形態ではボルト及びナットを使用している。このように角材36と箱状金物34とを連結することにより、箱状金物34が骨組22の内側の所定位置に固定される。
【0030】
なお、下側横材24における箱状金物34の設置位置には、箱状金物34の底面の穴34aに対応する穴24bが形成されている。
【0031】
本実施形態にかかる耐力壁パネル20は、上述のように構成されている。次に、この耐力壁パネル20の取付構造について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
【0032】
まず、布基礎10の所定位置にアンカーボルト42を埋設し、布基礎10の上面に土台12を設置する。このとき、アンカーボルト42の端部が、土台12から耐力壁パネル20の固定に必要な長さ突出するようにする。
【0033】
次に、アンカーボルト42の端部を下側横材24の穴24b及び箱状金物34の穴34aに挿入し、ワッシャ44及びナット46を用いて固く締める。これにより、箱状金物34が下側横材24及び布基礎10に固定される。同時に、耐力壁パネル20が布基礎10に緊結される。
【0034】
なお、本実施形態においては、アンカーボルト42、ワッシャ44,ナット46が連結金物40を構成する。また、アンカーボルト42等としては周知の構成のものを使用するため、詳しい説明を省略する。
【0035】
本発明の第一の実施形態は上述のように構成される。これにより、次のような作用・効果が生ずる。
【0036】
まず、下側横材24と少なくとも一本の縦材28とに補強部材32が固定され、この補強部材32が連結金物40を介して布基礎10に固定されることから、下側横材24と縦材28との接合部が破損しにくい。また、補強部材32が耐力壁パネル20における当初の取付位置から外れにくい。このため、面材30の耐力の限界を超える外力によっても、下側横材24と縦材28との接合が維持され、耐力壁パネル20が急激に破壊されにくくなる。
【0037】
さらに、補強部材32が、互いに連結される鋼製の箱状金物34と木質の角材36を含み、箱状金物が下側横材24と縦材28の双方に固定され、角材36が縦材28に接着剤で固着されることから、面材30の限界を超える外力による耐力壁パネル20の急激な破壊を一層確実に防止することができる。つまり、箱状金物34は、鋼製であることから、丈夫で壊れにくく、かつ、変形を許容する。そのため、面材30の限界を超える外力によっても急激に破壊されず、ある程度の形状を維持することができる。一方、角材36と縦材28とは、ともに木質であることから、高い接着力で接着され、面材30の限界を超える外力によっても容易に剥離しない。従って、このような箱状金物34と角材36とを組み合わせることにより、下側横材24と縦材28との接合部が補強されるとともに、この接合部の変形が許容され、面材30が破損しても、耐力壁パネル20全体の急激な破壊が生じにくくなる。
【0038】
そして、箱状金物34の一側面が開放され、この開放された側面をいずれかのパネル面方向に向けて取り付けられることから、アンカーボルト42の端部へのワッシャ44及びナット46の取付が容易となる。また、この箱状金物34と下側横材24のそれぞれにアンカーボルト42を挿入するための穴34a,24bが予め設けられていることから、施工現場における耐力壁パネル20の立設作業が簡単となる。
【0039】
図3は、本発明にかかる耐力壁パネルの第二の実施形態を示す一部分解斜視図である。
【0040】
同図において、耐力壁パネル50は、矩形の骨組52の両パネル面に面材60を取り付け、さらに骨組52の内側に2つの補強部材62を取り付けて形成される。
【0041】
骨組52は、下側横材54と、上側横材56と、2本の縦材58とを矩形に組んで形成される。これらの部材は、木質系の材料からできているものとする。
【0042】
補強部材62は、板状の硬質ゴムを略コ字状に成形したものであり、1つは下側横材54及び2本の縦材58に沿って固定され、他の1つは上側横材56及び2本の縦材58に沿って固定される。このとき、補強部材62の骨組への固定は、補強部材62から縦材58等に向けて打ち込まれる釘等の固定金物64による。
【0043】
この補強部材62は、縦材58と上側又は下側横材とを連結して接合部を補強するためのものであり、その寸法は、必要とされる強度に応じて種々設定される。従って、補強部材62の厚さは、材料の強度等も考慮して設定されるが、本実施形態のように硬質ゴムを用いて補強部材62を形成する場合には、各部の厚さは15mm〜30mmとすることが好ましい。
【0044】
この補強部材62の下側横材54又は上側横材56に沿って配置される部分には、連結金物70の一部をなすボルト74を挿入可能な穴62cが形成される。また、下側横材54及び上側横材56には、ボルト74を挿入可能な穴54b、56bが、補強部材62の穴62cに連通するように設けられる。
【0045】
本発明にかかる耐力壁パネルの第二の実施形態は、上述のように構成されており、次に、その基礎への取付方法について説明する。
【0046】
まず、布基礎10を形成する際に、連結金物70の一部をなす基礎側金物72を布基礎10に埋設しておく。この基礎側金物72は、上述したボルト74に螺合可能なナット部72aと、このナット部72aの下端に接続される棒状のアンカー部72bからなり、布基礎10から突出しないように埋め込まれる。次に、布基礎10の上面に土台12が取り付けらる。このとき、基礎側金物72の埋設位置の上では、ボルト74を挿入可能な穴12aを土台12に設けておく。その後、耐力壁パネル50を土台12に載置し、下側横材54の穴54b及びこの下側横材54に取り付けられた補強部材62の穴62cと、土台12の穴12aを合わせ、補強部材62側からボルト74を挿入して基礎側金物72に螺合させる。これにより、補強部材62が下側横材54とともに布基礎10に固定される。また、耐力壁パネル50が布基礎10上に立設される。
【0047】
このような構成を有することにより、本実施形態においては、次のような作用・効果が生ずる。
【0048】
まず、補強部材62が硬質ゴムであることから、かなり大きな変形をも許容し得る。このため、面材60の耐力の限界を超える外力が加えられた場合でも、耐力壁パネル50全体のが急激な破壊が防止される。
【0049】
また、補強部材62が略コ字状という単純な形状をなすことから、簡単な工程で補強部材62を形成することができる。
【0050】
さらに、補強部材62が下側横材54と全ての縦材58に固定されることから、下側横材54と縦材58との全接合部が補強部材62によって補強される。そのため、急激な破壊が一層発生しにくい耐力壁パネル50を得ることができる。
【0051】
そして、連結金物70が、ボルト74と、このボルト74に螺合可能なナット部72aを有する基礎側金物72を含むことから、両者を螺合させるだけで、下側横材54及び補強部材62を簡単に布基礎10に固定することができる。特に、下側横材54,補強部材62のそれぞれに、ボルト74を挿入可能な穴54b,62cが予め設けられることから、建築現場における取付作業を迅速化することが可能となる。
【0052】
図4は、本発明にかかる耐力壁パネルの第三の実施形態を示す一部分解斜視図である。
【0053】
同図において、耐力壁パネル80は、骨組82の両パネル面に面材90を張り付け、内部に補強部材92を2つ取り付けて形成される。
【0054】
ここで、骨組82及び面材90は、上述した第一の実施形態における骨組22及び面材30と同様に構成される。
【0055】
各補強部材92は、板状の硬質ゴムをロ字状に形成してなる。その大きさは、隣接し合う一対の縦材88の間に納まる大きさとする。また、各部の厚みは、材料の強度を考慮して種々設定されるが、硬質ゴムの場合は15mm〜30mmとすることが好ましい。そして、下側横材84及び隣接し合う一対の縦材88に接着剤で接着される。
【0056】
また、下側横材84及びこの下側横材84に沿って固定された補強部材92の一辺には、連結金物100の一部をなすアンカーボルト102を挿入可能な穴84b、92aが形成される。
【0057】
このような構成を有する耐力壁パネル80は、上述した第一の実施形態とほぼ同様な構造で布基礎10に固定される。つまり、布基礎10に埋設されて土台12から突出するアンカーボルト102の端部を下側横材84の穴84b及び補強部材92の穴92aに挿入し、連結金物100の一部である座金104をはめ込み、ナット106を螺合させて固定される。
【0058】
このような構成とすることにより、次のような作用・効果が得られる。
【0059】
第一に、補強部材92が硬質ゴム製であり、かなり大きな変形をも許容することから、面材90の耐力の限界を超える外力が加えられた場合でも、耐力壁パネル80の急激な破壊を防止することができる。また、補強部材92が接着剤で骨組82に固着されることから、固定金物の省略によるコストの低減化及び補強部材92取付作業の簡略化を図ることが可能となる。特に、硬質ゴムは接着性に優れることから、接着剤により骨組82に確実に固定することができる。そのため、補強部材92が下側横材84等から剥離しにくく、下側横材84と縦材88との接合部の確実な補強が図られる。
【0060】
なお、本発明の実施の形態は、上述の3つの例に限定されるものではなく、発明の範囲内において種々変更し得る。例えば、第一の実施形態において、角材36を釘等の固定金物で縦材28に固定しても良いし、箱状金物34又は角材36のいずれか一方のみで補強部材32を構成したり、全ての縦材28のそれぞれに補強部材32を取り付けたりすることもできる。また、第二の実施形態において、上側横材56に沿って取り付けられる補強部材62を省略しても良いし、アンカーボルトを含んで連結金物70を構成しても良い。あるいは、第三の実施形態のように、一対の縦材58の間にさらに他の縦材を取り付け、隣接し合う縦材間に補強部材62を取り付けてもよい。さらに、縦材の間に配される補強用の横材を含んで骨組を形成することもできる。そして、補強部材の材質や形状は、縦材と下側横材に固定可能であって、接合部を補強可能な強度を有する限り、種々設定し得る。例えば、材質としては、硬質ゴムの他、鋼材を使用することもできる。また、形状としては、例えば、コーナ補強用のハンチやリブあるいは筋交いを設けたり、というように変更することもできる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、下側横材と少なくとも一つの縦材とに固定される補強部材が、連結手段によって下側横材とともに基礎に固定されることから、下側横材と縦材との接合部が破損しにくい。また、補強部材が耐力壁パネルにおける当初の取付位置から外れにくい。このため、面材の耐力の限界を超える外力が加えられても、パネル全体が急激に破壊されない耐力壁パネルを得ることができる。
また、補強部材が、下側横材の内側面に取り付けられて基礎に固定される鋼製の箱状部材と、縦材の内側面に接着剤で固着される木質の角材とを含み、箱状金物と角材とが互いに連結されることから、面材の限界を超える外力によっても急激に破壊されにくく、製造及び取付も簡単な耐力壁パネルを得ることができる。
【0062】
請求項2記載の発明によれば、連結手段がボルト及びナットを含み、下側横材及び補強部材にボルトを挿通するための穴があることから、連結手段を介して、補強部材を下側横材及び基礎に簡単に固定することができる。
【0063】
請求項3記載の発明によれば、補強部材が下側横材と全ての縦材とに固定されることから、下側横材と縦材との全接合部が補強部材によって補強される。そのため、急激な破壊が一層発生しにくい耐力壁パネルを得ることができる。
この場合、請求項4及び請求項5に示すような構成を採用することができる。
【0064】
請求項6記載の発明によれば、補強部材が硬質ゴム製であることから、接着剤で確実に固定することができる。また、硬質ゴムは丈夫な上、かなり大きな変形をも許容することから、面材の限界を超える外力が加えられた場合でも、耐力壁パネルの急激な破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる耐力壁パネルの第一の実施形態を示す一部分解斜視図である。
【図2】補強部材周辺を示す一部拡大図である。
【図3】本発明にかかる耐力壁パネルの第二の実施形態を示す一部分解斜視図である。
【図4】本発明にかかる耐力壁パネルの第三の実施形態を示す一部分解斜視図である。
【符号の説明】
10 布基礎(基礎)
20,50,80 耐力壁パネル
22,52,82 骨組
24,54,84 下側横材
24b,54b,84b 下側横材の穴
26,56,86 上側横材
28,58,88 縦材
30,60,90 面材
32,62,92 補強部材
34 箱状金物
36 角材
40,70,100 連結手段
Claims (6)
- 連結手段を介して基礎に固定される下側横材と、上部構造体が載せられる上側横材と、前記下側横材と前記上側横材との間に設けられる複数の縦材と、で構成される骨組に、面材が張り付けられてなる耐力壁パネルであって、
前記下側横材と少なくとも一つの前記縦材とに固定される補強部材を有し、
前記補強部材は、鋼製の箱状金物と、木質の角材と、を含み、
前記箱状金物は、前記下側横材の内側面に取り付けられ、前記連結手段を介して前記下側横材と共に前記基礎に固定され、
前記角材は、接着剤を介して前記縦材の内側面に固着されるとともに、前記箱状金物と連結されることを特徴とする耐力壁パネル。 - 請求項1記載の耐力壁パネルにおいて、
前記連結手段は、前記基礎に固定されるボルト及びナットを含み、
前記下側横材及び前記補強部材は、前記ボルトを挿通する穴を有することを特徴とする耐力壁パネル。 - 連結手段を介して基礎に固定される下側横材と、上部構造体が載せられる上側横材と、前記下側横材と前記上側横材との間に設けられる複数の縦材と、で構成される骨組に、面材が張り付けられてなる耐力壁パネルであって、
前記下側横材と全ての前記縦材とに固定される補強部材を有し、
前記補強部材は、前記連結手段によって、前記下側横材とともに前記基礎に固定されることを特徴とする耐力壁パネル。 - 請求項3記載の耐力壁パネルにおいて、
前記連結手段は、前記基礎に固定されるボルト及びナットを含み、
前記下側横材及び前記補強部材は、前記ボルトを挿通する穴を有することを特徴とする耐力壁パネル。 - 請求項3または請求項4記載の耐力壁パネルにおいて、
前記補強部材は、鋼製の箱状金物と、木質の角材と、を含み、
前記箱状金物は、前記下側横材の内側面に取り付けられ、前記連結手段を介して前記基礎に固定され、
前記角材は、接着剤を介して前記縦材の内側面に固着されるとともに、前記箱状金物と連結されることを特徴とする耐力壁パネル。 - 請求項3または請求項4記載の耐力壁パネルにおいて、
前記補強部材は、硬質ゴムで構成されることを特徴とする耐力壁パネル。
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