JP3157276U - 既設木造建築物の補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】老朽化した木造軸組住宅などの耐震補強が、簡単な施工で、十分な強度を有するように行えるようにする。【解決手段】垂直材11と水平材12で囲まれる内側面に、垂直材11又は水平材12に添って固定される鋼材製の複数の第1水平添付材22、第2水平添付材23および垂直添付材と、これら添付材21とは別体で、添付材21同士を連結して添付材21にかかる荷重を支える斜材32からなる支持材31を有し、この支持材31が、前記添付材21を垂直材11と水平材12に添わせてから取り付けられるものである既設木造建築物の補強構造。【選択図】図1

Description

この考案は、既設の木造建築物を補強し、耐震性を向上するための既設木造建築物の補強構造に関する。
建築基準法改定前のたとえば昭和56年以前に建造された木造建築物は、現在の建築基準に照らし合わせると明らかに強度が不足している。特に、大型地震の可能性が高まる最近において、上述のように既設木造建築物を補強して耐震性を確保する必要がある。
なお、既設木造建築物の補強は、壁の補強、接合部の補強、基礎の補強、腐朽部位の取替え、建築物の軽量化の観点からなされる。
壁の補強は、既存の軸組に構造用合板等を張ったりして耐力壁をバランスよく増やすことで行われる。特許文献としては、たとえば下記特許文献1の開示された外付耐震補強装置がある。
接合部の補強は、既存の軸組を構成する土台や柱、梁などの接合部に既成の接合金物を固定することで行われる。
基礎の補強は、既存の基礎に鉄筋コンクリート基礎を抱き合わせたり、既存の布基礎の内側の地盤面に配筋してベタ基礎構造を構成したりして行われている。
登録実用新案第3135115号公報
しかし、壁を構造用合板等で補強しても、構造用合板等は柱材等の外側面に固定されるので、壁が変形するときに荷重がかかる部位が柱材の中心から大きくずれて、構造用合板等が本来発揮すべき十分な強度を得られない。また、構造用合板等の張り付けに際しては、張り付ける部分を大きく開放しておく必要があるため、補強箇所によってはたとえば天井の回り縁を外したりする必要が生じ、作業が大掛かりになってしまう。前記特許文献1に開示された外付耐震補強装置のように予め結合されてパネル状になったものを取り付ける場合も同様である。
接合部を接合金物で補強した場合には、接合部と柱材等の接合面の極限られた部分のみで荷重を支えることになり、全体的な補強にはなりえず、接合金物の接合箇所に腐朽などがあれば補強の意味をなさないことになるので、細部にわたる十分な診断を事前にしなければならない。
基礎を、鉄筋コンクリート基礎の抱き合わせやベタ基礎構造への転換で補強するには、大掛かりな工事が必要であって、コストも高くつくという難点がある。
そこで、この考案は、十分な強度を得られる補強が、より簡単な施工で行え、コストも抑えられるようにすることを主たる目的とする。
そのための手段は、被補強部に添って固定される鋼材製の複数の添付材と、これら添付材とは別体で、添付材同士を連結して添付材にかかる荷重を支える支持材を有し、該支持材が、前記添付材を被補強部に添わせてから取り付けられるものである、既設木造建築物の補強構造である。
前記添付材は、被補強部に対して直接接触して添うほか、他の部材を介して間接的に添うものであってもよい。前記添付材と支持材の結合も、直接の結合であるも、他の部材を介しての間接的な接合であるも、いずれでもよい。
壁の補強や接合部の補強を行うには、前記添付材が、木造建築物の軸組を構成する垂直材と水平材に添うものであり、前記支持材が、垂直材と水平材で囲まれる開口部の対角線方向に延びるものである既設木造建築物の補強構造を利用できる。
接合部の補強を行うには、前記添付材が、木造建築物の軸組を構成する水平材に添うものであり、前記支持材が、前記水平材同士で構成される隅角部分で斜めに延びるものである既設木造建築物の補強構造を利用できる。
この場合には、前記添付材に溝形鋼を用い、該溝形鋼の相対向する2片間に、前記支持材の端部を取り付ける構造であると、施工が極めて容易に行えるので良い。
基礎の補強を行うには、前記添付材が、木造建築物の基礎における立ち上がり部分に添うものである既設木造建築物の補強構造を利用できる。この場合にはたとえば、2枚の添付材を基礎の立ち上がり部分を沿わせてから、これらの添付材を、立ち上がり部分を貫通するボルト等からなる支持材で挟み込むとよい。
また、基礎の補強を壁や接合部の補強と同時に行うには、前記添付材が、木造建築物の軸組を構成する水平材としての土台に添うものと、前記土台を支える基礎の立ち上がり部分に添うものである既設木造建築物の補強構造を利用できる。
この考案によれば、鋼材からなる添付材が被補強部に添って被補強部を補強し、この状態の添付材にかかる荷重を支持材が支えるので、荷重が掛かる部位と柱材等の中心を必要に応じて一致させ、または近づけることができる。しかも、特定の一部分のみではなく、全体的に荷重を支持する構造となる。このため、各部材の持つ強さを十分に発揮させた強度の高い補強構造を得られる。
また、添付材と支持材は別部材であり、先に添付材を被補強部に添わせてから支持材を取り付けるので、施工箇所に大きな空間がなくとも施工が可能である。このため、たとえば天井部分の回り縁等、補強に必要のない部位を除去したりせずとも所望の施工をすることが可能であり、必要最小限の施工で済ますことができる。この結果、施工が容易で工期の短縮も可能であって、コストの低減も可能である。
壁部分の補強構造の分解斜視図。 壁部分の補強構造の正面図。 壁部分の補強構造の縦断面図。 壁部分の補強構造の一部の分解斜視図。 壁部分の補強構造の一部の斜視図。 壁部分の補強構造の一部の斜視図。 他の例に係る壁部分の補強構造の一部の断面図。 水平面の隅角部分の補強構造の斜視図。 図8の分解斜視図。 他の例に係る水平面の隅角部分における補強構造の斜視図。 図10の分解斜視図。 基礎部分の補強構造の縦断面図。 他の例に係る基礎部分の補強構造の縦断面図。 図13の分解斜視図。 図13の正面図。 他の例に係る基礎部分の補強構造の一部破断縦断面図。 図16におけるA−A線矢視断面図。
この考案の既設木造建築物の補強構造(以下、「補強構造」という。)は、既設木造建築物の補強すべき部分である被補強部に添って固定される鋼材製の複数の添付材と、これら添付材とは別体で、添付材同士を連結して添付材にかかる荷重を支える支持材を有し、この支持材が、前記添付材を被補強部に添わせてから取り付けられるというものである。
被補強部は、耐震診断を行った結果によって、建物全体のバランスを考慮して選定される。
この考案を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。この説明においては、まず、壁部分の補強構造について説明し、続いて、他の部分の補強構造について順次説明する。
図1は、既設木造建築物における垂直材11と水平材12で囲まれる開口部13aを有する壁部分13(垂直面)の補強構造を示す分解斜視図であり、図2は、その補強構造を用いた耐力壁の正面図、図3はその縦断面図である。
補強構造は、前述のように添付材と支持材で構成される。図1の壁の補強構造では、添付材21として、水平材12たる梁材12aに添う第1水平添付材22と、水平材12たる土台12bに添う第2水平添付材23と、垂直材11たる柱材11aに添う2本の垂直添付材24を有する。
また、支持材31としては、前記垂直材11と水平材12の内側面に固定された前記各添付材22,23,24同士を連結して添付材22,23,24にかかる荷重を支えるべく、垂直材11と水平材12で囲まれる開口部13aの対角線方向に延びる2本の斜材32を有する。
これらのほかに、前記各添付材22,23,24と斜材32を接合する添接板41と、これらを結合する締結具としてのボルト51ナット52を有する。
前記各添付材22,23,24は、山形鋼(アングル材)で構成される。そして、各添付材22,23,24の両端部分には、前記添接板41との結合を行うための結合孔22a,23a,24aが設けられ、長手方向の中間部には、垂直材11又は水平材12に固定するコーチボルト等の固定部材(図示せず)を挿通する挿通孔22b,24bが複数個形成されている。なお、各添付材22,23,24の端部は、被補強部たる垂直材11又は水平材12に固定したときに、端部同士が接近した状態となるような形状と大きさに設定される。
前記斜材32は、平鋼又はターンバックルで構成され、両端部に、前記添接板41との結合を行うための結合孔32aが設けられる。
前記添接板41は、垂直材11と水平材12で構成される隅角部分の内側に嵌る角部41aを有する板状をなし、前記各添付材22,23,24と斜材31を結合する結合孔41bを有する。
これら添付材22,23,24と斜材31の長さと端部の形状、結合孔22a,23a,24a,32a等の位置、及び添接板41の形状と結合孔41bの位置は、補強部位たる垂直材11又は水平材12で囲まれた開口部13aの内側面の四隅の位置をレーザー測定器等で測定して、決定される。添付材22,23,24等の切断や孔明けの加工は工場で行われ、現場にはバラバラの状態で搬入される。
前記の各部材は現場に搬入された後、次のようにして被補強部たる壁部分13に固定される。
まず、垂直添付材24を柱材11aに添わせて固定し、次に、第2水平添付材23と第1水平添付材22をそれぞれ土台12b及び梁材12aに添わせて固定する。固定はコーチボルトや釘等で適宜行われる。
続いて、添接板41とボルト51及びナット52を用いて第1水平添付材22、第2水平添付材23及び垂直添付材24を相互に固定すると、垂直材11と水平材12で囲まれた開口部13aの内側面の全体に、各添付材22,23,24が枠状になった状態で添うことになる。
つぎに、前記添接板41に、2本の斜材32の両端部をボルト51及びナット52で固定する。最後に、前記垂直添付材24の挿通孔24bにコーチボルト等の適宜の固定部材(図示せず)を挿通して、柱材11aに対する固定状態を保持する。図5は、各部材を固定した状態の柱材11aと梁材12aの隅角部分を示している。図6も同様に、その固定状態の柱材11aと土台12bの隅角部分を示している。
なお、第2水平添付材23の固定に際しては、図7に示したように基礎61に対してアンカーボルト62を接着系アンカー62a(たとえば「ケミカルアンカー」(日本デコラックス(株)の登録商標))を用いて基礎61に固定した上で、そのアンカーボルト62に固定するとよい。この場合、アンカーボルト62の位置は、図2に仮想線で示したように、左右の柱材11aに近い両端位置であるのが好ましい。なお、アンカーボルト62が既にある場合には、そのアンカーボルト62に固定することも可能である。
このようにして各添付材22,23,24と斜材32が前記開口部13aに固定された状態では、図3にも示したように、各添付材22,23,24で構成される枠と、この枠の対角線状に延びる斜材32が、開口部13a内で突っ張ったような状態なる。このとき、各添付材22,23,24は、垂直材11や水平材12自体の脆弱性を補うので、たとえそれらの一部に腐朽があっても、その部位を取り換えることなく強度を確保できる。そして、被補強部の強さを補う各添付材22,23,24は、それぞれ端部同士が接近した状態で添接板41によって結合されるので、枠状の形態からも補強が行える。しかも、前記斜材32が、開口部13aが荷重を受けた際に生じうる引っ張りの応力を支え、強度を確保する。したがって、耐震性を向上することができる。
このように、鋼材からなる添付材22,23,24が被補強部たる垂直材11や水平材12に添って補強し、この状態の添付材22,23,24にかかる荷重を鋼材からなる斜材32が支えるので、図3に示したように、荷重が掛かる部位と柱材等の壁厚方向の中心を必要に応じて一致させ、または近づけることができる。しかも、各添付材22,23,24が開口部13aに収まる枠状に組まれるので、特定の一部分のみではなく、開口部13aの全体の荷重を支持する構造となる。このため、鋼材からなる添付材等の各部材の持つ強さを十分に発揮させた強度の高い補強構造となる。また、斜材32と添接板41のボルト51及びナット52による接合部は、支持材としての斜材32に作用する荷重が降伏応力になるまで増加した場合であっても破断することのない保有耐力接合とすることができる。
また、添付材22,23,24と斜材32は別部材であり、先に添付材22,23,24を梁材12a等の被補強部に添わせて枠状に組んでから斜材32を取り付けるので、施工箇所に大きな空間がなくとも施工が可能である。このため、たとえば天井部分の回り縁等、補強に必要のない部位を除去したりせずとも所望の施工をすることが可能であり、必要最小限の施工で済ますことができる。この結果、施工が容易で工期の短縮も可能であって、コストの低減も可能である。
以上のようにして補強を行うことになった箇所の上下の部分、すなわち上部の梁、下部の土台、基礎が地震時にこの補強構造が負担すべき荷重によって生じる応力に耐えうるかを検討し、もし不充分な場合、以下に説明する補強構造を用いて補強する。
その補強構造について、以下に-説明する。この説明において、先の構成と同一又は同等の部位については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図8は、梁材や桁材等の水平材12で構成された接合部のうちの水平面の隅角部分14の補強構造を示す斜視図であり、図9は、その分解斜視図である。
この水平材12同士の接合部の補強構造も、添付材21と支持材31で構成される。図8の補強構造では、添付材21として、水平材12に添う2本の水平添付材25を有する。
また、支持材31としては、前記水平材12の内側面に固定された前記水平添付材25同士を連結して水平添付材25にかかる荷重を支えるべく、水平面の隅角部分で斜めに延びる火打ち材33を有する。
これらのほかに、前記水平添付材25と火打ち材33を接合するボルト51ナット52を有する。
前記水平添付材25は、溝形鋼で構成される。すなわち、水平添付材25は、ウェブ25aの両側縁に、相対向する2枚のフランジ25bを有する構造である。前記ウェブ25aには、水平材12に対して固定するためにコーチボルト等の固定部材53を挿通するための挿通孔25cが適宜形成される。また、前記フランジ25bにおける前記火打ち材33を固定する位置にも、前記ボルトを挿通するための挿通孔25dが形成されている。なお、水平添付材25における相互に接する側の端部は、水平材12に固定したときに、端部同士が接近した状態となるような形状と大きさに設定される。また、水平添付材25の長さは、水平材12の全体に添う長さであるも、一部に添う長さであるもよい。
前記火打ち材33は、木材で構成され、縦断面方形状で両端面の小口が傾斜する形態である。火打ち材33の高さは、前記水平添付材25のフランジ25b間に収まる寸法に設定されている。そして、火打ち材33のフランジ25b間に収まる両端部には、フランジ25bに形成された挿通孔25dに対応する貫通孔33aが高さ方向に形成されている。
これら水平添付材25と火打ち材33の長さと端部の形状、挿通孔25c,25d等の位置は、被補強部たる水平材12で囲まれた水平面の内側面の隅角位置を中心として決定される。水平添付材25等の切断や孔明けの加工は工場で行われ、現場にはバラバラの状態で搬入される。
前記の各部材は現場に搬入された後、次のようにして被補強部に固定される。
まず、図9に仮想線で示したように、水平添付材25を水平材12の内側の側面に添わせて固定する。このとき、水平添付材25同士の対向部分は互いに接近させる。すると、水平材12で形成された少なくとも隅角部分14の内側面に、水平添付材25がアングル状になった状態で添うことになる。
続いて、火打ち材33の両端部を水平添付材25のフランジ25b間に差し込み、ボルト51ナット52を用いて固定する。この固定により、火打ち材33が水平添付材25間で突っ張った状態となる。
このようにして水平添付材25と火打ち材33が水平面の隅角部分14に固定された状態では、前述と同様の作用効果を有するが、特に、図8に示したように、水平添付材25で構成される少なくとも三角形をなす形態と、この三角形をなす隅角部分で斜めに延びる火打ち材33が、水平な開口部内で突っ張ったような状態なる。このとき、水平添付材25は、その長さに応じて、添付された被補強部たる水平材12自体の脆弱性を補うので、たとえそれらの一部に腐朽があっても、その部位を取り換えることなく強度を確保できる。そして、前記火打ち材33が、水平面の隅角部分14に荷重がかかったときに生じうる応力を支え、強度を確保する。
このように、鋼材からなる水平添付材25が水平材12に添って補強し、この状態の水平添付材25にかかる圧縮方向の荷重を火打ち材31が支えるので、図8に示したように、荷重が掛かる部位と水平材12の中心を一致させることができる。しかも、水平添付材25が隅角部分に収まる三角形の枠状に組まれ、これを火打ち材33が支える構造であるので、特定の一部分のみではなく、水平面の隅角部分14における比較的広い部分を全体的に支持する構造となる。このため、強度の高い補強構造となる。
また、火打ち材33は、木材で構成したので、加工が容易で、しかも木材の持つ粘りを活かすこともできる。しかも、火打ち材33の両端が固定される水平添付材25には溝形鋼を用いているので前述のように火打ち材33の固定が容易で、強度も高い。そして固定時には、木材ゆえに端面が変形し得るため水平添付材25に対する密着性が向上し、圧縮方向にかかる荷重を十分に支えることができる。
なお、図10に示したように、添付材21として、前記溝形鋼からなる水平添付材25に加えて、木材からなる補助水平添付材26を用いた構成とすることもできる。
すなわち、補助水平添付材26は、被補強部たる既存の水平材12の下面に接合され得る角材からなる。補助水平添付材26の長さは、水平材12の全体にわたる長さのものであるとよいが、そうでなくともよい。その他の部材については、前述の構成と同様である。
この補強構造では、まず先に図11に示したように、補助水平添付材26を被補強部たる水平材12の下面に添わせて接合する。接合はボルトナット等の適宜の手段(図示せず)で行う。つづいて鋼材製の前記水平添付材25を前述と同様にして、水平材12と補助水平添付材26の内側の側面に固定し、最後に火打ち材33を水平添付材25に固定する。
このように補助水平添付材26を用いると、水平材12の高さが高くなった状態になって、これら自体の強さ、特に破断強度を補うことが効率よくでき、この状態で水平添付材25による補強がなされるので、補強強度はより高いものとなる。
図12は、基礎61の補強構造を示す断面図である。
この基礎61の補強構造も、添付材21と支持材31で構成される。図12の補強構造では、添付材21として、基礎61の立ち上がり部分63の両側面に添う鋼板からなる2枚の添付板27を有する。
また、支持材31としては、前記基礎61の両側面に添う前記添付板27同士を連結して添付板27にかかる荷重を支えるべく、基礎61の中を貫通して添付板27を締め付けるボルト34とナット35を有する。このボルト34を挿通する挿通孔27aが前記添付板27の適宜位置に形成されている。
これらの各部材は現場に搬入された後、次のようにして被補強部に固定される。
まず、添付板27を被補強部たる基礎61の立ち上がり部分63の両側面に添わせる。そして、この状態を保持すべく、基礎61の立ち上がり部分63に予め形成された貫通孔63aに前記ボルト34を挿通し、ナット35を締めて2枚の添付板27で基礎61の立ち上がり部分63を挟み込んで締め付ける。
このように基礎61を挟持する如く添付板27がボルト34とナット35で連結されると、前述と同様の作用効果を有する。
図13は、基礎の補強を前記壁の補強と同時に行う補強構造を示す断面図である。
すなわち、この補強構造も添付材21と支持材31で構成され、添付材21として、図1に示した前記壁の補強構造の添付材22,23,24に加えて、水平材12としての土台12bに添う第3水平添付材28と、基礎61の立ち上がり部分63に添う基礎側添付板29を有する。
第3水平添付材28は、図14に示したように断面L字状をなす鋼材で構成され、一方の片28aが土台12bの上面に面接触し、他方の片28bが基礎61の立ち上がり部分63の一方の外側面に沿って延びるように固定されるものである。第3水平添付材28の長さは、土台12bにおける2本の柱材11aで挟まれた部分に対応する長さであるもよいが、図14に示したように、柱材11aの下端部の近傍を覆う程度の長さであれば足りる。
基礎側添付板29は、鋼板で構成され、前記第3水平添付材28の他方の片28bが延びる側の立ち上がり部分63に添わされ、第3水平添付材28の他方の片28bに現場で溶接して一体化されるものである。この基礎側添付板29には、前記図12で示した添付板27と同様に、基礎61に対する固定のための挿通孔29aが適宜形成されている。
なお、第3水平添付材28を土台12bの上に介在させる関係上、壁の補強構造の垂直添付材24が若干短く形成されることになる。
このような各部材は、現場に搬入された後、次のようにして被補強部に固定される。
まず、図14に仮想線で示したように、第3水平添付材28を、一方の片28aが土台12bの上面に上から面接触するように添わせるとともに、基礎側添付板29を基礎61の立ち上がり部分63の側面に添わせて、基礎61に予め形成した貫通孔63aにボルト54を通して、基礎61に固定する。また、この基礎側添付板29と第3水平添付材28を、溶接28cにより固定する。
この後、図1を用いて示したようにして壁の補強構造を、前記第3水平添付材28を介して構成する。すなわち、第2水平添付材23を、第3水平添付材28を介在させた状態で間接的に土台12bに固定し、続いて2本の斜材32の両端部の固定を行うと、図15に示すようになる。
このように構成された補強構造では、前述と同様の作用効果を得られる。特に、壁の補強構造が支えるべき荷重が大きくなると基礎61の立ち上がり部分63にかかる負荷が大きくなるが、基礎61も同時に補強されるので、荷重を確実に支持し十分な強度を確保できる。
なお、基礎側添付板29は、基礎61の立ち上がり部分63を挟むように2枚備えるもよい。このときには、前記ボルト54は、支持材としての機能を果たし、図12で説明した前記ボルト34と同様の構成要素となる。
また、第3水平添付材28と基礎側添付板29は一体であるもよい。
さらに、基礎61が鉄筋コンクリート基礎であり、倒位T型である場合には、図16、図17に示したように、既存の基礎の倒位T型のウェブ部分の一部を削って、鉄筋64を露出させ、基礎側添付板29に形成した短冊状の突片29bと溶接29cにより一体化するとよい。一体化の後は、削った部分にコンクリートを打設する。鉄筋64との一体性が得られるので、補強強度をさらに高めることができ、耐震性が向上する。
この考案の構成と、前記一形態の構成との対応において、
この考案の被補強部は、前記壁部分13、水平面の隅角部分14、基礎61に対応し、
以下同様に、
添付材は、第1水平添付材22、第2水平添付材23、垂直添付材24、水平添付材25、添付板27、第3水平添付材28、基礎側添付板29に対応し、
支持材は、斜材32、火打ち材33、ボルト34及びナット35に対応し、
溝形鋼の相対向する2片は、フランジ25aに対応するも、
この考案は前記の構成のみに限定されるものではなく、その他の形態を採用することができる。
11…垂直材
12…水平材
13…壁部分
13a…開口部
14…水平面の隅角部分
21…添付材
31…支持材
61…基礎
63…立ち上がり部分

Claims (6)

  1. 被補強部に添って固定される鋼材製の複数の添付材と、
    これら添付材とは別体で、添付材同士を連結して添付材にかかる荷重を支える支持材を有し、
    該支持材が、前記添付材を被補強部に添わせてから取り付けられるものである
    既設木造建築物の補強構造。
  2. 前記添付材が、木造建築物の軸組を構成する垂直材と水平材に添うものであり、
    前記支持材が、垂直材と水平材で囲まれる開口部の対角線方向に延びるものである
    請求項1に記載の既設木造建築物の補強構造。
  3. 前記添付材が、木造建築物の軸組を構成する水平材に添うものであり、
    前記支持材が、前記水平材同士で構成される隅角部分で斜めに延びるものである
    請求項1または請求項2に記載の既設木造建築物の補強構造。
  4. 前記添付材に溝形鋼が用いられ、該溝形鋼の相対向する2片間に、前記支持材の端部が取り付けられた
    請求項3に記載の既設木造建築物の補強構造。
  5. 前記添付材が、木造建築物の基礎における立ち上がり部分に添うものである
    請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の既設木造建築物の補強構造。
  6. 前記添付材が、木造建築物の軸組を構成する水平材としての土台に添うものと、前記土台を支える基礎の立ち上がり部分に添うものである
    請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載の既設木造建築物の補強構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113846866A (zh) * 2021-10-29 2021-12-28 王成 一种建筑结构垂直处加固连接结构

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