JP2023061243A - 耐震壁および耐震壁の構築方法 - Google Patents

耐震壁および耐震壁の構築方法 Download PDF

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淳 久保田
Atsushi Kubota
真次 高谷
Shinji Takatani
泰嗣 黒川
Yasutsugu Kurokawa
尚広 羽田
Naohiro Haneda
昌典 久田
Masanori Hisada
大樹 日向
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Abstract

【課題】高い耐力と靭性能を容易に確保できる耐震壁等を提供する。【解決手段】耐震壁6は、耐震壁6の高さ方向の全長に亘って配置された鋼板1と、鋼板1を前後から挟むように配置された一対の木質板2と、を具備する。鋼板1の上端と下端は、上下の梁3から突出した接合板31にボルト接合され、一対の木質板2は、鋼板1側に押し付けられるように接合される。また木質板2の鋼板1側の面に欠き込み23が形成され、鋼板1と接合板31との接合部が欠き込み23内に収容される。【選択図】図1

Description

本発明は、耐震壁とその構築方法に関する。
炭素固定化やウェルネス、意匠性などの観点から、近年、構造物に木質材が多く使用されており、CLT(Cross Laminated Timber)やLVL(Laminated Veneer Lumber)等の耐震壁への適用が進んでいる。
木質材を耐震壁に適用する場合、鋼製のドリフトピンやボルトなどの接合金物を用い、板状の木質材を骨組(フレーム)から突出した鋼板に接合する方法が従来知られている。
また特許文献1には、梁から突出した鋼製部材を間に挟んで一対の板状の木質材を圧着した耐震壁が開示されており、鋼製部材の表面に目荒らし部を形成し、目荒らし部を木質材に噛み込ませることで、木質材と鋼製部材とが接合される。
特開2018-204397号公報
従来の耐震壁は、木質材と鋼板との接合部近傍における木質材の脆性的な破壊により耐力が決まってしまうため、高い耐力や靭性能を確保することが難しいという課題があった。特許文献1の耐震壁も、接合部のみに鋼製部材を用いていることから同様の課題が存在する。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い耐力と靭性能を容易に確保できる耐震壁等を提供することである。
前述した目的を達成するための第1の発明は、耐震壁の上端部から下端部に亘って配置された鋼板と、前記鋼板を前後から挟むように配置された一対の木質板と、を具備し、前記鋼板の上端と下端が、上下の骨組材から突出した接合板にボルト接合され、前記一対の木質板が、前記鋼板側に押し付けられるように接合されたことを特徴とする耐震壁である。
本発明の耐震壁では、耐震壁の上端部から下端部に亘って配置された鋼板を、上下の骨組材の接合板に接合し、一対の木質板により鋼板を前後に挟んでこれらの木質板により鋼板を前後から押し付ける。耐震壁の耐震性能は主に鋼板によって実現され、また耐震壁の水平せん断変形等による鋼板の座屈が一対の木質板により拘束されるので、木を現しにした意匠の耐震壁でありながら、高い耐力と靭性能を容易に確保できる。また鋼板は耐震壁の上端部から下端部に亘って配置され、鋼板と接合板の接合部では一般的に鉄骨造で用いられているボルト接合が行われるので、全体の部材数を少なくでき、施工も簡便である。
前記木質板の前記鋼板側の面に欠き込みが形成され、前記鋼板と前記接合板との接合部が前記欠き込み内に収容されてもよい。
これにより、鋼板と接合板との接合部が木質板で隠れ、意匠性が向上する。
複数枚の前記鋼板が、その一部が重なるように配置されてもよい。
複数枚の鋼板を重ねて配置することにより、鋼板の全体形状のバリエーションが多様になって設計の自由度が向上し、また個々の鋼板を小型化、単純形状化できるので、運搬性や施工性が良く、基材からの鋼板切り出し時の歩留まりも向上する。
複数枚の前記鋼板が、X字状に重ねて配置され、その重複部分において前記鋼板同士が接合されてもよい。
これにより、耐震壁のせん断変形時に圧縮力を負担する一方の鋼板を他方の鋼板に固定することで、当該一方の鋼板の座屈長さを短くして座屈を抑制することができる。
第2の発明は、一対の木質板と鋼板を有する耐震壁の構築方法であって、耐震壁の上端部から下端部に亘る鋼板を上下の骨組材の間に建て込み、前記鋼板の上端と下端を、上下の前記骨組材から突出した接合板にボルト接合する工程と、前記鋼板を前後から挟むように一対の木質板を配置し、前記一対の木質板を、前記鋼板側に押し付けるように接合する工程と、を具備することを特徴とする耐震壁の構築方法である。
第3の発明は、一対の木質板と鋼板を有する耐震壁の構築方法であって、少なくとも一方の木質板が、耐震壁の上端部から下端部に亘る鋼板を予め固定することによりユニットとされており、前記ユニットを上下の骨組材の間に建て込み、前記鋼板の上端と下端を、上下の前記骨組材から突出した接合板にボルト接合する工程と、前記鋼板を前後から挟むように配置された一対の前記木質板を、前記鋼板側に押し付けるように接合する工程と、を有することを特徴とする耐震壁の構築方法である。
第2、第3の発明は第1の発明の耐震壁の構築方法である。第2の発明では木質板の配置前に鋼板と接合板の接合作業等を行えるので施工が容易であり、第3の発明では木質板と鋼板を予め一体化したユニットを用いることで、施工を短期間で行える。
本発明によれば、高い耐力と靭性能を容易に確保できる耐震壁等を提供できる。
耐震壁6を示す図。 木質板2の上下端に欠き込み23を設けた例。 耐震壁6の構築方法を示す図。 鋼板1のバリエーションを示す図。 鋼板1のバリエーションを示す図。 耐震壁6aを示す図。 耐震壁6aの構築方法を示す図。 鋼板1と木質板2の構成の例を示す図。 耐震壁6bを示す図。 鋼板1同士の接合の例。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(1.耐震壁6)
図1(a)、(b)は本発明の第1の実施形態に係る耐震壁6を示す図である。図1(a)は耐震壁6の壁面を見た図である。また図1(b)は耐震壁6を梁軸方向の側方から見た図であり、図1(a)の線A-Aによる断面に対応する。梁軸方向は図1(a)の左右方向に対応する。
耐震壁6は、鋼板1と一対の木質板2を有する壁部材であり、構造物の骨組(フレーム)材である上下の梁3の間に配置される。梁3は例えば鉄骨梁であるが、これに限ることはなく、RC(鉄筋コンクリート)造、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造、木造等であってもよい。
耐震壁6は、図1(c)に示すように、鋼板1を間に挟むように一対の木質板2を前後に配置して構成される。なお、前後方向は耐震壁6の壁面の法線方向に対応する。また図1(c)の鋼板1と木質板2はその概略のみ示されており、鋼板1や木質板2の詳細構成(例えば、後述する木質板2の欠きこみ23等)の図示は省略している。
鋼板1は板面がX字状となる鋼製の板状部材であり、耐震壁6の上端部から下端部に亘って耐震壁6の高さ方向の略全長に配置される。鋼板1の上端と下端は、上下の梁3から突出する鋼製の接合板31に接合される。上側の梁3からは接合板31が下方に突出し、下側の梁3からは接合板31が上方に突出する。
鋼板1の上端と上側の梁3の接合板31、および、鋼板1の下端と下側の梁3の接合板31はボルト接合される。鋼板1の上下端と上下の梁3の接合板31にはボルト挿通用の孔(不図示)が設けられる。
本実施形態では、鋼板1の上端と上側の梁3の接合板31を突き合わせ、鋼板1と接合板31を跨ぐ添接板5を、鋼板1と接合板31の前後に配置する。そして、これらの添接板5同士を、高力ボルトとナットによる締結具4によって鋼板1と接合板31を挟んで締結する。これにより、鋼板1の上端と上側の梁3の接合板31がボルト接合される。鋼板1の下端と下側の梁3の接合板31も同様にしてボルト接合することで、鋼板1が上下の梁3に固定される。
木質板2は、矩形状の板面を有する板状の木質材である。鋼板1の前後の木質板2は、ボルトとナット等による締結具25を用いて締結される。これにより、一対の木質板2が鋼板1側に押し付けられるように押圧接合される。
締結具25は鋼板1を避けた位置に配置され、当該位置では木質板2にボルト挿通用の孔(不図示)が設けられる。
木質板2の下端では、鋼板1側の面に欠き込み23が形成され、鋼板1の下端と下側の梁3の接合板31との接合部が、この欠き込み23内に収容される。これにより、当該接合部が外側から目視できないように隠される。
本実施形態では、鋼板1の上端と上側の梁3の接合板31との接合部が、木質板2の上方で現しとなるが、これは、接合部が図示しない天井面の天井裏に隠れるためである。ただし、図2のように、木質板2の上端にも下端と同様の欠き込み23を設け、当該欠き込み23内に接合部が収容されるようにしてもよい。あるいは、欠き込み23を設けずに、木質板2の上下において接合部が現しとなるようにしてもよい。また図2の例では、一方の木質板2に、他方の木質板2側に突出する突出部21を締結具25の位置で設け、当該突出部21を他方の木質板2と当接させている。突出部21は、木質板2とは別の、木、鉄、プラスチック、ゴム等による部材を木質板2に取付けて形成してもよく、木質板2そのものを欠き込んで木質板2と一体に形成してもよい。
(2.耐震壁6の構築方法)
図3は耐震壁6の構築方法を示す図である。耐震壁6を構築するには、まず、図3(a)に示すように上下の梁3に設けられた接合板31に対し、図3(b)に示すように鋼板1の上端と下端を接合する。接合方法は前記した通りであり、高力ボルト等の締結具4と添接板5を用いたボルト接合を行う。高力ボルトの数や配置は、耐震壁6が十分な耐力を発揮できるように決定される。
次に、図3(c)の矢印に示すように、鋼板1を前後から挟むように一対の木質板2を建て込む。これらの木質板2は、下端の欠き込み23が鋼板1側に面するように配置され、鋼板1の下端と下側の梁3の接合板31との接合部が欠き込み23内に収容される。
この後、図1(a)、(b)に示すようにボルト等の締結具25を用いて前後一対の木質板2を締結し、これらの木質板2を鋼板1側に押し付けるようにして接合する。ボルトを通した木質板2の孔(不図示)は、必要に応じて木栓等の閉塞材で閉塞し、耐震壁6が完成する。
以上説明したように、第1の実施形態の耐震壁6では、耐震壁6の上端部から下端部に亘って配置された鋼板1を、上下の梁3の接合板31に接合し、一対の木質板2により鋼板1を前後に挟んでこれらの木質板2により鋼板1を前後から押し付ける。
耐震壁6の耐震性能は主に鋼板1によって実現され、また耐震壁6の面内方向の水平せん断変形等による鋼板1の座屈が一対の木質板2により拘束される。仮に鋼板1を木質板2で挟まずに配置した場合には、耐震壁6に水平せん断変形が生じると、鋼板1の座屈による荷重低下が懸念されるが、木質板2で鋼板1を挟んで補剛する耐震壁6では、鋼板1が拘束されて座屈が抑制されるので、水平力に対して鋼板1が抵抗し、塑性化することで安定した挙動を示すようになり、高い耐力と靭性能を容易に確保できる。
鋼板1は耐震壁6の上端部から下端部に亘って配置され、鋼板1と接合板31の接合部では一般的に鉄骨造で用いられているボルト接合が行われるので、全体の部材数を少なくでき、施工も簡便である。また本実施形態では、この接合部を、木質板2に形成した欠き込み23内に配置することで、接合部を隠して木を現しにし、意匠性が向上する。
しかしながら、本発明は以上の実施形態に限定されない。例えば鋼板1の配置や形状には様々なものが考えられ、例えば図4(a)に示すように、2枚の帯状の鋼板1をX字状に重ねて配置してもよい。各鋼板1と接合板31の接合方法は前記と同様である。また図4(b)に示すように、鋼板1をV字状としてもよいし、図4(c)に示すように鋼板1を矩形状としてもよい。また図4(d)に示すように、帯状の鋼板1を左右に複数並べて配置してもよい。
特に、図4(a)のように、複数枚の鋼板1をその一部が重なるように配置することで、鋼板1の全体形状のバリエーションが多様化されて設計の自由度が向上し、また個々の鋼板1を小型化、単純形状化できるので、運搬性や施工性が良く、基材からの鋼板切り出し時の歩留まりも向上する。
例えば図5(a)の左図に概略を示すように、鋼板1の前後を一対の鋼板1で挟むことで、3枚の帯状の鋼板1をX字状に重ねることも可能である。この場合、上記一対の鋼板1と接合板31との接合に関しては、同右図に示すように、梁3から突出する接合板31を前後一対の鋼板1の間に挟み、これらの鋼板1を、高力ボルト等の締結具4によって接合板31を挟んで締結することが可能である。
また、図5(b)の左図に概略を示すように、2枚の帯状の鋼板1をV字状に配置することも可能である。この場合、V字の突端では2枚の鋼板1が前後に重なるが、この重複部分と梁3との接合に関しては、同右図に示すように、上記重複部分を梁3から突出する一対の接合板31の間に挟み、これらの接合板31を、高力ボルト等の締結具4によって上記重複部分を挟んで締結することが可能である。あるいは、図5(a)の右図と同様、梁3から突出する接合板31を2枚の鋼板1で挟み、これらの鋼板1を接合板31を挟んで締結することも可能である。
その他、図5(c)の左図に概略を示すように、V字状の鋼板1を上下に組み合わせ、全体としてX字状に配置することも可能である。上下の鋼板1は、同右図に壁厚方向の断面を示すように、高力ボルト等の締結具4と添接板5を用いたボルト接合によって接合することができる。木質板2には、この接合部を収容するための欠き込み26を予め鋼板1側の面に形成しておくことで、接合部を隠すことができる。
以下、本発明の別の例について、第2、第3の実施形態として説明する。各実施形態はそれまでに説明した実施形態と異なる点について説明し、同様の構成については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。また、第1の実施形態も含め、各実施形態で説明する構成は必要に応じて組み合わせることができる。
[第2の実施形態]
図6(a)~(c)は、第2の実施形態の耐震壁6aを図1(a)~(c)と同様に示す図であり、図6(b)は図6(a)の線B-Bによる断面に対応する。第2の実施形態の耐震壁6aは、木質板2に鋼板1を接着等により予め固定したユニットの組み合わせにより構成される点で、第1の実施形態の耐震壁6と主に異なる。
各ユニットは、鋼板1同士が対向するように配置される。各ユニットの鋼板1と接合板31との接合に関しては、図5(a)の右図と同様、梁3から突出する接合板31を各ユニットの鋼板1の間に挟み、これらの鋼板1を、高力ボルト等の締結具4によって接合板31を挟んで締結することが可能である。
また図6(a)、(b)に示すように、木質板2の下端の鋼板1に対応する位置には、木質板2を前後に貫通する作業孔27が形成され、本実施形態では前記の欠き込み23が省略される。
耐震壁6aを構築する際は、図7(a)に示すように上下の梁3に設けられた接合板31に対し、図7(b)に示すように、鋼板1と木質板2のユニットを前後から建て込む。この時、先に建て込んだユニットの鋼板1の上端と下端をボルトとナットで上下の梁3の接合板31に仮接合することで、ユニットの仮固定を行うことができる。ボルトを挿通するための孔としては、仮接合専用の孔を鋼板1や接合板31に別途設けることができるが、本接合用の孔を仮接合に用いることもできる。
その後、各ユニットの鋼板1の上端と下端を、上下の梁3の接合板31に前記したように接合(本接合)する。前記の作業孔27は、仮接合や本接合の作業を円滑に行うために形成され、図示しない閉塞材によって後から閉塞される。
この後は第1の実施形態と同様の手順となり、図6に示すようにボルト等の締結具25を用いて各ユニットの木質板2同士を締結する。これにより、一対の木質板2が、鋼板1側に押し付けるように接合され、耐震壁6aが構築される。
第2の実施形態でも、耐震壁6aの上端部から下端部に亘って配置された鋼板1を、上下の梁3の接合板31に接合し、一対の木質板2により鋼板1を前後に挟んでこれらの木質板2により鋼板1を前後から押し付けることにより、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また第2の実施形態では木質板2と鋼板1を予め一体化したユニットを用いることで、施工を短期間で行える。一方、第1の実施形態では、木質板2の配置前に鋼板1と接合板31の接合作業等を行えるので、施工が容易になるという利点がある。
なお、第2の実施形態では木質板2に鋼板1を一体化した一対のユニットによって耐震壁6aを構成したが、一方の木質板2のみ、鋼板1を固定したユニットとしてもよい。この場合、先に当該ユニットを建て込み、鋼板1の上端と下端を図1(b)と同様に締結具4と添接板5を用いて上下の梁3の接合板31に接合した後、他方の木質板2の建て込みを行って前後一対の木質板2を締結具25で締結すればよい。
また第2の実施形態においても鋼板1の形状は限定されず、例えば各ユニットの鋼板1を図8(a)に示すように矩形状としてもよい。また図8(b)に示すように、全体としてV字を構成する2枚の帯状の鋼板1を、V字の突端で両鋼板1が重なるように各ユニットのそれぞれの木質板2に一体化してもよい。
また本実施形態では各ユニットの木質板2に作業孔27を形成したが、一方のユニットの鋼板1に高力ボルトを予め固定しておくことで、当該ユニットの木質板2の作業孔27を省略することも可能である。
[第3の実施形態]
図9(a)、(b)は、第3の実施形態の耐震壁6bを図1(a)、(c)と同様に示す図である。第3の実施形態の耐震壁6bは、各ユニットの木質板2に固定された帯状の鋼板1が、X字状に重ねられ、その重複部分が接合される点で第2の実施形態と主に異なる。
図9(c)はこの接合部の壁厚方向の断面を示したものであり、本実施形態では、各ユニットの鋼板1同士が高力ボルトとナットによる締結具7によって締結され、接合される。また各ユニットの木質板2の上記接合部に該当する位置には作業孔28が形成される。
なお、各ユニットの鋼板1の上端と下端は、図1(b)と同様に上下の梁3の接合板31と接合され、各ユニットの木質板2の下端には、第2の実施形態と同様の作業孔27が、当該ユニットの鋼板1の下端に当たる位置で形成される。
耐震壁6bの構築方法は基本的には第2の実施形態と同様であるが、本実施形態では、各ユニットの建て込みを行った後、各ユニットの鋼板1の重複部分を、作業孔28を利用して締結具7によって締結する。作業孔28は、木栓等の閉塞材によって作業後に閉じられる。
第3の実施形態でも、耐震壁6bの上端部から下端部に亘って配置された鋼板1を、上下の梁3の接合板31に接合し、一対の木質板2により鋼板1を前後に挟んでこれらの木質板2により鋼板1を前後から押し付けることにより、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、第3の実施形態では、各ユニットの鋼板1の重複部分を締結具7によって接合する。地震等により架構に水平方向のせん断力が生じた際は、各ユニットの鋼板1の一方に圧縮力が生じ、他方に引張力が生じるが、上記のように鋼板1同士の接合を行い、上記一方の鋼板1を他方の鋼板1に固定することで、上記一方の鋼板1の座屈長が鋼板1の上端または下端から接合部までの距離となって短くなり、その座屈を抑制することができる。こうして鋼板1が座屈しにくい構造とすることは、耐震壁6bの高さが大きい場合などに特に有用である。なお、必要に応じて、一対の鋼板1の間に別の鋼板を挟んだ状態で、これら一対の鋼板1同士を締結具7によって接合すること等も可能である。
また、第3の実施形態は、第1の実施形態のように、鋼板1と木質板2をユニット化しない場合にも適用でき、この場合もX字状に配置された鋼板1同士の重複部分を図10に示すように締結具7によって締結すればよい。その後建て込む木質板2には、接合部を収容するための欠き込み29を予め鋼板1側の面に形成しておくことで、接合部を隠すことができる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1:鋼板
2:木質板
3:梁
6、6a、6b:耐震壁
31:接合板

Claims (6)

  1. 耐震壁の上端部から下端部に亘って配置された鋼板と、
    前記鋼板を前後から挟むように配置された一対の木質板と、
    を具備し、
    前記鋼板の上端と下端が、上下の骨組材から突出した接合板にボルト接合され、
    前記一対の木質板が、前記鋼板側に押し付けられるように接合されたことを特徴とする耐震壁。
  2. 前記木質板の前記鋼板側の面に欠き込みが形成され、前記鋼板と前記接合板との接合部が前記欠き込み内に収容されたことを特徴とする請求項1記載の耐震壁。
  3. 複数枚の前記鋼板が、その一部が重なるように配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の耐震壁。
  4. 複数枚の前記鋼板が、X字状に重ねて配置され、その重複部分において前記鋼板同士が接合されたことを特徴とする請求項3記載の耐震壁。
  5. 一対の木質板と鋼板を有する耐震壁の構築方法であって、
    耐震壁の上端部から下端部に亘る鋼板を上下の骨組材の間に建て込み、前記鋼板の上端と下端を、上下の前記骨組材から突出した接合板にボルト接合する工程と、
    前記鋼板を前後から挟むように一対の木質板を配置し、前記一対の木質板を、前記鋼板側に押し付けるように接合する工程と、
    を具備することを特徴とする耐震壁の構築方法。
  6. 一対の木質板と鋼板を有する耐震壁の構築方法であって、
    少なくとも一方の木質板が、耐震壁の上端部から下端部に亘る鋼板を予め固定することによりユニットとされており、
    前記ユニットを上下の骨組材の間に建て込み、前記鋼板の上端と下端を、上下の前記骨組材から突出した接合板にボルト接合する工程と、
    前記鋼板を前後から挟むように配置された一対の前記木質板を、前記鋼板側に押し付けるように接合する工程と、
    を有することを特徴とする耐震壁の構築方法。
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