JP7113161B1 - 耐力パネルおよび躯体構造 - Google Patents

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Abstract

初期剛性および降伏耐力は強化しつつ、降伏後の最大耐力については適度に抑制して周辺躯体に過大な応力が生じることを回避するとともに、面材の面外方向への変形も防止し得る耐力パネルと躯体構造とを提供する。互いに平行に対置された一対の横下地材21、22と、互いに平行に対置された一対の縦下地材23、23と、を接合して形成される矩形の下地枠体2に、木質合板31と金属板32とを重ね合わせた複合面材3が添接され、複合面材3の四辺縁部が下地枠体2に釘打ち接合される耐力パネルにおいて、複合面材3の各辺縁部の長さ方向における中央部分の釘打ち間隔を該辺縁部の両端部分の釘打ち間隔よりも密にする。さらに中央部分では釘33を千鳥配置する。

Description

本願が開示する発明は、木造建物の構造耐力を強化するための耐力パネルと躯体構造に関する。
木造建物の構造耐力要素として、矩形の枠体に合板等の面材を重ね、面材の周囲を枠体に釘打ちした面材耐力壁が広く利用されている。かかる面材耐力壁のせん断性能は、面材自体のせん断抵抗と、接合部位(釘打ち箇所)のせん断抵抗と、によって決まるので、面材耐力壁のせん断性能を強化するには、面材および接合部位の少なくとも一方を補強する必要がある。ただし、接合部位の強度を高めるために釘打ちのピッチを細かくすると、外力(荷重)に対する短期耐力は上昇するが、釘打ち箇所がミシン目のようになって、早期に面材の支圧破壊を生じるおそれもある。
特許文献1には、上下一対の横架材(例えば土台と梁)と、左右一対の直立材(例えば二本の柱)と、を接合して形成される矩形の構面に、複数枚の木質板材と補強材とを重ね合わせた建築用合板を釘やビス等の接合具で固定する耐力壁の構成が開示されている。補強板としては、ガラス繊維シート、ゴムシート、金属板、樹脂板等が挙げられている。釘等の接合具が木質板材を貫通する部位に前記補強板を介在させることで、過大な外力が作用したときに該貫通部位の周囲に支圧破壊が生じるのを防ぐことができる。さらに、前記補強材を、各接合具の貫通部位間に連続的に跨るように介在させることで、耐力壁全体の剛性も増大する。これらにより、この耐力壁を組み込んだ建物の耐震性を向上させることが可能になる。
特開2002-54266号公報
複数枚の木質板材の間に補強板を挟んだ複合面材を用いて構成される前記特許文献1記載の耐力壁は、建物の耐震性を向上させる点では有用である。しかし、耐力壁の最大耐力が増大すると、その耐力壁が組み付けられた周辺躯体(例えば柱梁接合部や柱脚と基礎との接合部等)にも過大な応力が生じることとなり、それに合わせて周辺躯体の接合強度も増強しなければならなくなるので、不経済な過剰設計になりかねない。
本願が開示する発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、構造耐力要素としての初期剛性(短期耐力)および降伏耐力(許容耐力)は強化しつつ、降伏後の最大耐力(終局耐力)については適度に抑制して周辺躯体に過大な応力が生じることを回避するとともに、面材の面外方向への変形も防止することのできる耐力パネルと、その耐力パネルを組み付けた躯体構造とを提供するものである。
前述の目的を達成するために本願が開示する発明は、間隔をあけて互いに平行に対置された一対の横下地材と、間隔をあけて互いに平行に対置された一対の縦下地材と、を接合して形成される矩形の下地枠体に、矩形の木質合板と金属板とを重ね合わせた複合面材が添接され、前記複合面材の四辺縁部が前記下地枠体に釘打ち接合される耐力パネルについて、前記複合面材の各辺縁部の長さ方向における中央部分の釘打ち間隔が該辺縁部の両端部分の釘打ち間隔よりも密となされている、との構成を採用する。
前記耐力パネルにおいて、前記複合面材は、前記下地枠体と前記木質合板との間に前記金属板を挟んで前記下地枠体に接合されているものとする。
前記耐力パネルにおいて、釘打ち間隔が密となされている各辺縁部の前記中央部分は、該辺縁部の長さの40%~60%の範囲とするのが好ましい。
さらに、前記複合面材の各辺縁部の長さ方向における両端部分には、釘が前記縦下地材または前記横下地材の材長方向に沿って等間隔で直列配置され、該辺縁部の長さ方向における中央部分には、釘が前記直列配置の延長線を挟んで千鳥配置されていると、より好ましい。
さらに、本願が開示する発明は、前記耐力パネルを利用した躯体構造の発明として、鉛直方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の横架材と、水平方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の直立材と、によって囲まれる構面の開口面内に前記耐力パネルが組み付けられ、前記耐力パネルの前記横下地材および前記縦下地材が、それぞれ前記横架材および前記直立材に対して適宜の固定具により接合された、との構成を採用する。
また、同じく前記耐力パネルを利用した躯体構造の発明として、水平方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の横架材と、水平方向に間隔をあけて前記横架材と直交する向きに対置された一対の水平材と、によって囲まれる構面の開口面内に前記耐力パネルが組み付けられ、前記耐力パネルの前記横下地材および前記縦下地材が、それぞれ前記横架材および前記水平材に対して適宜の固定具により接合された、との構成を採用する。
さらに、本願が開示する発明は、前記耐力パネルの下地枠体を省いた躯体構造の発明として、鉛直方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の横架材と、水平方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の直立材と、によって囲まれる構面の見付面に、木質合板と金属板とを重ね合わせた矩形の複合面材が添接され、前記複合面材の四辺縁部が前記構面に釘打ち接合される躯体構造において、前記複合面材の各辺縁部の長さ方向における中央部分の釘打ち間隔が該辺縁部の両端部分の釘打ち間隔よりも密となされている、との構成を採用する。
また、前記耐力パネルの下地枠体を省いた躯体構造の発明として、水平方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の横架材と、水平方向に間隔をあけて前記横架材と直交する向きに対置された一対の水平材と、によって囲まれる構面の上面に、木質合板と金属板とを重ね合わせた矩形の複合面材が載架され、前記複合面材の四辺縁部が前記構面に釘打ち接合される躯体構造において、前記複合面材の各辺縁部の長さ方向における中央部分の釘打ち間隔が該辺縁部の両端部分の釘打ち間隔よりも密となされている
、との構成を採用する。
これらの躯体構造においても、前記複合面材は、前記構面と前記木質合板との間に前記金属板を挟んで前記構面に接合されているものとする。
前記躯体構造において、釘打ち間隔が密となされている各辺縁部の前記中央部分は、該辺縁部の長さの40%~60%の範囲とするのが好ましい。
さらに、前記複合面材の各辺縁部の長さ方向における両端部分には、釘が、前記構面を囲む部材の材長方向に沿って等間隔で直列配置され、該辺縁部の長さ方向における中央部分には、釘が前記直列配置の延長線を挟んで千鳥配置されていると、より好ましい。
前述のように構成される耐力パネルおよび躯体構造は、木質合板と薄い金属板とを重ね合わせた複合面材を採用したことにより、面材の厚みがほとんど増えることなく、面材自体のせん断抵抗が大きくなって、構造耐力要素としての初期剛性および降伏耐力が強化される。
さらに、その複合面材が、下地枠体と木質合板との間に薄い金属板を挟んで下地枠体に接合されていると、接合部における金属板の局所的な面外変形が下地枠体と木質合板とで抑制されるので、耐力パネルおよび躯体構造の初期剛性および降伏耐力がさらに強化される。
そして、複合面材の各辺縁部の長さ方向における中央部分の釘打ち間隔を両端部分の釘打ち間隔よりも密にすることで、せん断変形が進展したときの最大耐力の上昇が適度に抑制されるとともに、複合面材の内部応力分布が不均等化して張力場が発生するのも回避することができる。特に、中央部分の釘を千鳥配置とすることで、隣接する釘同士の間隔を保持しながら釘の配置密度を高めることができる。
かくして、構造耐力要素としての初期剛性および降伏耐力は強化しつつ、降伏後の最大耐力の上昇は適度に抑えることが可能になるので、周辺躯体に過大な応力が生じて周辺躯体の接合部等が損壊するのを防ぐことができる。
本願が開示する発明の一実施形態に係る耐力パネルを組み付けた躯体構造の分解斜視図である。 図1の躯体構造の複合面材を透明に表した正面図と、釘打ち接合部の拡大図である。 本願が開示する発明に係る耐力パネルに水平力が作用した場合の変形状態を有限要素解析によって検証する解析モデルの概念図である。 前記有限要素解析の対象とする、釘打ち間隔を変えた3種類の解析モデルのパターンを示す図である。 前記有限要素解析によって得られた水平荷重と層間変形角との関係を表すグラフである。 パターン2の解析モデルに所定の層間変位が生じたときに(a)木質合板および(b)金属板に生じるせん断応力を表したコンター図である。 パターン3の解析モデルに所定の層間変位が生じたときに(a)木質合板および(b)金属板に生じるせん断応力を表したコンター図である。 本願が開示する発明に係る耐力パネルについて行った面内せん断試験の試験結果を表すグラフである。
以下、本願が開示する発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1および図2は、本願が開示する発明の耐力パネルを躯体の鉛直構面に組み付けた一実施形態を示している。
構面1は、鉛直方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の横架材と、水平方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の直立材と、を正面視矩形に接合して形成される。例示の構面1における横架材は、木材からなる梁11およびコンクリート製の基礎梁12であり、直立材は木材からなる柱13、13である。梁11と柱13の頭部とは、図示しない適宜の柱梁接合金物を介して梁勝ちとなるように接合されている。また、基礎梁12と柱13の脚部とは、基礎梁12に埋め込まれた図示しないアンカーボルトに適宜の柱脚金物14を結合するなどして接合されている。
この構面1の開口面内に、耐力パネルの下地枠体2が組み付けられる。下地枠体2は、間隔をあけて互いに平行に対置された木材からなる一対の横下地材21、22と、間隔をあけて互いに平行に対置された木材からなる一対の縦下地材23、23と、を正面視矩形に接合して形成される。上側の横下地材21は梁11に、また左右の縦下地材23、23は左右の柱13、13に、それぞれ構面1の開口面内側から外向きに、釘25、あるいはビス、ボルト・ナットその他適宜の固定具を用いて接合される。下側の横下地材22は、その両端部がL字形の補強金物26(図2参照)等を介して柱13の脚部に接合されている。
さらに、幅方向における中間部には1本の縦中桟材24が組み付けられている。縦中桟材24の上端部および下端部は、上下の横下地材21、22にそれぞれ形成した欠込部27に嵌め込まれて、図示しない斜めビスや適宜の接合金物等により接合されている。
この下地枠体2の片側の見付面に、木質合板31と金属板32とを重ね合わせた複合面材3が取り付けられて、耐力パネルが構成される。木質合板31としては厚さ9mm前後の構造用合板、金属板32としては厚さ0.3~0.5mm程度の鋼板を、特に好適に利用することができる。0.5mm以下の鋼板は下孔無しでも釘が貫通することから、加工性、施工性がともに向上する。木質合板31および金属板32は、ともに下地枠体2の外形と略等しい縦横寸法に形成され、下地枠体2と木質合板31との間に金属板32を挟むようにして下地枠体2に添接される。木質合板31と金属板32とは、非接着状態で下地枠体2に添接されてもよいし、あらかじめ適宜の接着剤等を介して一体化されていてもよい。そして、複合面材3の四辺縁部が下地枠体2の横下地材21、22または縦下地材23、23に釘打ち接合され、幅方向の中心部分が縦中桟材24に釘打ち接合される。釘33は、木質合板31と金属板32とを一体的に貫通して打ち込まれる。なお、図2では、複合面材を透明化して下地枠体2に対する釘33の配置を表している。
本願が開示する発明の要部は、複合面材3を下地枠体2に接合する釘33の配置にある。すなわち、複合面材3の各辺縁部において、その長さ方向における中央部分の釘打ち間隔が、両端部分の釘打ち間隔よりも密となされている。ここで「中央部分」とは、各辺縁部の長さ(高さHまたは幅B)の30%~70%(より好ましくは40%~60%)の範囲を目安として設定される。その中央部分を挟んだ両端部分においては、釘33が、縦下地材23、23または横下地材21、22の材長方向に沿って略等間隔の直列配置となるように打設される。中央部分においては、釘33が、両端部分よりも狭い間隔で、前記直列配置の延長線を挟んで千鳥配置となるように打設される。具体的には、中央部分の釘打ち間隔を両端部分の釘打ち間隔の半分程度にするのが好ましい。縦中桟材24に対しては、縦下地材23、23または横下地材21、22の両端部分よりもさらに広い間隔の直列配置となるように釘33が打設される。
図2に示した形態は、下地枠体2を構成する横下地材21、22、縦下地材23、23、縦中桟材24の見付寸法をいずれも45mmとし、複合面材3の各辺縁部の両端H/4またはB/4の部分における列方向の釘打ち間隔Pを60mm、中央H/2またはB/2の部分における列方向の釘打ち間隔Qを30mm、振れ幅Rを10mmとしたものである。
このように、複合面材3の各辺縁部における両端部分と中央部分との間で釘打ち間隔に粗密の変化を設けることで、せん断変形が進展したときの最大耐力の上昇を適度に抑制することができるとともに、複合面材3の内部応力分布が不均等化して張力場が発生するのも回避することができる。
さらに、中央部分の釘33を千鳥配置とすることにより、隣接する釘33同士の間隔を保持しつつ釘33の配置密度を高めることができる。これにより、複合面材3と下地枠体2とが一体化される部分の幅が拡がって、複合面材3と下地枠体2との接合強度が増大する。
前述の作用効果の裏付けとして、耐力パネルに水平力が作用した場合の各部の変形状態を有限要素解析によって検証した。解析モデルの条件は、図3に示すように、木質面材および金属板をシェル要素(両者の接触条件は摩擦係数0)、下地枠体は梁要素、接合具はMSS要素で構成した。図4は、釘打ち間隔を変えた3パターンの解析モデルを示す。パターン1は複合面材3の全辺縁部における釘打ち間隔を一定にしたもの(一般例)、パターン2は各辺縁部の両端部分の釘打ち間隔を中央部分の釘打ち間隔よりも密にしたもの(比較例)、パターン3は各辺縁部の中央部分の釘打ち間隔を両端部分の釘打ち間隔よりも密にしたもの(本願が開示する発明の実施例)である。
図5は、解析によって得られた水平荷重と層間変形角との関係を表すグラフである。層間変形角が5×10-3rad(1/200rad)に達するとき、釘打ち間隔を一定にしたパターン1では約18kNの水平荷重(設計耐力)が得られているのに対し、釘打ち間隔に粗密の変化を設けたパターン2およびパターン3では、ともに約26kNの水平荷重(設計耐力)が得られている。これらより、釘打ち間隔を部分的に密にすることで耐力パネルの初期剛性および降伏耐力が上昇することがわかる。
図6および図7は、それぞれパターン2およびパターン3について、層間変形角が10×10-3rad(1/100rad)に達したときに木質合板および金属板に生じるせん断応力を表したコンター図である。耐力パネルの変形が塑性領域まで進展すると、各辺縁部の両端部分の釘打ち間隔を密にしたパターン2では張力場が発生しているのに対して、各辺縁部の中央部分の釘打ち間隔を密にしたパターン3は安定したせん断応力分布を示している。このように、パターン2とパターン3とを比較すると、水平荷重―層間変形角関係では大きな差は見られなかったが、せん断応力分布には顕著な差が生じる。これらより、各辺縁部の両端部分ではなく中央部分の釘打ち間隔を密にすることで、初期剛性および降伏耐力が強化されるとともに、張力場の発生が抑えられ、周辺躯体に過大な応力が生じて周辺躯体の接合部等が損壊するのを防ぐことが可能となる。
前述の作用効果を確認するために行った面内せん断試験の結果を以下に開示する。試験は、財団法人日本住宅・木材技術センター「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」の「4.3 鉛直構面および水平構面の剛性と許容せん断耐力を算出するための試験」の柱脚固定式に準じて行った。
試験体の躯体モデルは図1、図2に示した躯体構造に準じるもので、各構成部材の仕様は以下の通りである。
・柱は120mm角のスプルース材
・下地枠体(横下地材、縦下地材、縦中桟材)は、いずれも見付45mm×見込110mmのスプルース材を、柱・梁に対しCN75の釘で間隔75mmの2列に留め付け
・木質合板は厚さ9mmの構造用合板
・金属板は厚さ0.4mmの亜鉛めっき鋼板
・複合面材を下地枠体に接合するための釘はCN50
この躯体モデルについて、前述した有限要素解析のパターン2に対応する試験体2と、パターン3に対応する試験体3とを用意した。それぞれの釘の配置は以下のように設定した。
[試験体2]
・各辺長の1/4ずつの両端部分は列方向間隔30mm、振れ幅10mmの千鳥配置
・各辺長の1/2の中央部分は60mm間隔の直列配置
・縦中桟材に対しては全長にわたって120mm間隔の直列配置
[試験体3]
・各辺長の1/4ずつの両端部分は60mm間隔の直列配置
・各辺長の1/2の中央部分は列方向間隔30mm、振れ幅10mmの千鳥配置
・縦中桟材に対しては全長にわたって120mm間隔の直列配置
加力は正負交番繰返し載荷とし、水平荷重が最大荷重の80%以下に低下するか、層間変形角が1/15rad以上に達するまでとした。繰り返し履歴は、真のせん断変形角が1/450、1/300、1/200、1/150、1/100、1/75、1/50、1/30radの正負変形時とし、繰り返し回数は3回とした。試験結果は以下の通りで、図8には各試験体の水平荷重-層間変形角の関係を示す。
[試験体2]
初期剛性3.4kN、降伏耐力19.3kN、最大耐力34.5kN、壁倍率9.86
[試験体3]
初期剛性3.5kN、降伏耐力20.2kN、最大耐力37.5kN、壁倍率10.3
試験体2、試験体3とも、金属板を重ねて釘打ち間隔を部分的に密にしたことにより、一般的な構造用合板一枚のみの耐力パネルに比べて遥かに大きな初期剛性および耐力を発揮する。そして、試験体2と試験体3とを比較すると、各辺縁部の両端部分の釘打ち間隔を密にするよりも中央部分の釘打ち間隔を密にしたほうが、初期剛性、耐力ともにやや増大することを確認できた。さらに、試験体2では張力場が発生して、金属板の面外変形が顕著にみられ、最終的には構造用合板が破壊した。一方、試験体3では大変形時の面外変形が試験体2に比べて抑制されており、構造用合板は健全であった。
以上に説明したように、木質合板と金属板とを重ね合わせた複合面材の採用によって面材自体のせん断抵抗が大きくなり、初期剛性および降伏耐力が強化される。そして、複合面材の各辺縁部の長さ方向における中央部分の釘打ち間隔を両端部分の釘打ち間隔よりも密にすることで、複合面材に張力場が発生するのも回避することができる。併せて、降伏後の最大耐力についてはその増大を適度に抑制することで、周辺躯体に過大な応力が生じて周辺躯体の接合部等が損壊するのを防ぐことも可能になる。
ところで、この耐力パネルは、躯体の鉛直構面だけでなく、水平構面にも組み付けることができる。図示は省くが、水平方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の横架材と、水平方向に間隔をあけて前記横架材と直交する向きに対置された一対の水平材と、によって囲まれる構面の開口面内に、前述の耐力パネルを水平に寝かせた姿勢で組み付け、耐力パネルの横下地材および縦下地材(ここでの縦横は便宜上のものとする)を、それぞれ下地枠体の横架材および水平材に対して釘、ビス、ボルト・ナットその他適宜の固定具により接合する。これにより、水平構面についても、構造耐力要素としての初期剛性および降伏耐力を強化しつつ、張力場の発生による複合面材の破壊を防ぐことができる。
さらに、本願が開示する発明は、前述の下地枠体を省いて、構面に直接、複合面材を接合する躯体構造としても実施可能である。すなわち、一対の横架材と一対の直立材とによって囲まれる鉛直構面、あるいは一対の横架材とそれらに直交する一対の水平材とによって囲まれる水平構面に複合面材を添接あるいは載架し、複合面材の四辺縁部を、前記構面を囲む部材(横架材、直立材または水平材)に直接、釘打ち接合するものである。この構成においても、構面と木質合板との間に金属板を挟み、各辺縁部の長さ方向における中央部分の釘打ち間隔が該辺縁部の両端部分の釘打ち間隔よりも密となるようにする。各辺縁部の中央部分は該辺縁部の長さの30%~70%(より好ましくは40%~60%)の範囲とし、その中央部分を挟んだ両端部分には、構面を囲む部材の材長方向に沿って釘を等間隔で直列配置する。該辺縁部の中央部分には、両端部分に配置された前記直列配置の延長線を挟むようにして、両端部分よりも狭い間隔で釘を千鳥配置する。これらにより、構面の開口面内に下地枠体を組み付ける前述の躯体構造と同様の作用効果を得ることができる。
以上、下地枠体に複合面材を接合した耐力パネルと、その耐力パネルを鉛直構面または水平構面に組み付けた躯体構造、さらに、鉛直構面または水平構面に複合面材を直接、釘打ち接合した躯体構造について説明したが、本願が開示する発明の技術的範囲は、例示した実施形態によって限定的に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて概念的に解釈されるべきものである。
本願が開示する発明の実施に際しては、特許請求の範囲において具体的に特定していない構成要素の形状、構造、材質、数量、接合形態、相対的な位置関係等を、例示形態と実質的に同等程度またはそれ以上の作用効果が得られる範囲内で、適宜、改変することが可能である。例えば、耐力パネルおよび構面を構成する各部材の断面寸法、厚さ、縦横比、複合面材を接合する釘打ち間隔等は、要求される剛性や耐力に応じて適宜、設定されればよい。より大きな剛性や耐力が必要になる場合は、複合面材を構成する木質合板および金属板のいずれか一方または両方を複数枚、重ね合わせてもよいし、下地枠体または構面の両面に複合面材を接合してもよい。
本願が開示する発明は、木造建物の構造耐力要素として、建物の規模や形態を問わずに幅広く利用することができる。
1 構面
11 梁(横架材)
12 基礎梁(横架材)
13 柱(直立材)
14 柱脚金物
2 下地枠体
21 横下地材
22 横下地材
23 縦下地材
24 縦中桟材
25 釘
26 補強金物
27 欠込部
3 複合面材
31 木質合板
32 金属板
33 釘

Claims (11)

  1. 間隔をあけて互いに平行に対置された一対の横下地材と、間隔をあけて互いに平行に対置された一対の縦下地材と、を接合して形成される矩形の下地枠体に、矩形の木質合板と金属板とを重ね合わせた複合面材が添接され、前記複合面材の四辺縁部が前記下地枠体に釘打ち接合される耐力パネルにおいて、
    前記複合面材の各辺縁部の長さ方向における中央部分の釘打ち間隔が該辺縁部の両端部分の釘打ち間隔よりも密となされている
    ことを特徴とする耐力パネル。
  2. 請求項1に記載された耐力パネルにおいて、
    前記複合面材は、前記下地枠体と前記木質合板との間に前記金属板を挟んで前記下地枠体に接合されている
    ことを特徴とする耐力パネル。
  3. 請求項1または2に記載された耐力パネルにおいて、
    釘打ち間隔が密となされている各辺縁部の前記中央部分は、該辺縁部の長さの40%~60%の範囲である
    ことを特徴とする耐力パネル。
  4. 請求項1、2または3に記載された耐力パネルにおいて、
    前記複合面材の各辺縁部の長さ方向における両端部分には、釘が前記縦下地材または前記横下地材の材長方向に沿って等間隔で直列配置され、
    該辺縁部の長さ方向における中央部分には、釘が前記直列配置の延長線を挟んで千鳥配置されている
    ことを特徴とする耐力パネル。
  5. 鉛直方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の横架材と、水平方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の直立材と、によって囲まれる構面の開口面内に、請求項1~4のいずれか一項に記載された耐力パネルが組み付けられ、
    前記耐力パネルの前記横下地材および前記縦下地材が、それぞれ前記横架材および前記直立材に対して適宜の固定具により接合された
    ことを特徴とする躯体構造。
  6. 水平方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の横架材と、水平方向に間隔をあけて前記横架材と直交する向きに対置された一対の水平材と、によって囲まれる構面の開口面内に、請求項1~4のいずれか一項に記載された耐力パネルが組み付けられ、
    前記耐力パネルの前記横下地材および前記縦下地材が、それぞれ前記横架材および前記水平材に対して適宜の固定具により接合された
    ことを特徴とする躯体構造。
  7. 鉛直方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の横架材と、水平方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の直立材と、によって囲まれる構面の見付面に、木質合板と金属板とを重ね合わせた矩形の複合面材が添接され、前記複合面材の四辺縁部が前記構面に釘打ち接合される躯体構造において、
    前記複合面材の各辺縁部の長さ方向における中央部分の釘打ち間隔が該辺縁部の両端部分の釘打ち間隔よりも密となされている
    ことを特徴とする躯体構造。
  8. 水平方向に間隔をあけて互いに平行に対置された一対の横架材と、水平方向に間隔をあけて前記横架材と直交する向きに対置された一対の水平材と、によって囲まれる構面の上面に、木質合板と金属板とを重ね合わせた矩形の複合面材が載架され、前記複合面材の四辺縁部が前記構面に釘打ち接合される躯体構造において、
    前記複合面材の各辺縁部の長さ方向における中央部分の釘打ち間隔が該辺縁部の両端部分の釘打ち間隔よりも密となされている
    ことを特徴とする躯体構造。
  9. 請求項7または8に記載された躯体構造において、
    前記複合面材は、前記構面と前記木質合板との間に前記金属板を挟んで前記構面に接合されている
    ことを特徴とする躯体構造。
  10. 請求項7、8または9に記載された躯体構造において、
    釘打ち間隔が密となされている各辺縁部の前記中央部分は、該辺縁部の長さの40%~60%の範囲である
    ことを特徴とする躯体構造。
  11. 請求項7、8、9または10に記載された躯体構造において、
    前記複合面材の各辺縁部の長さ方向における両端部分には、釘が、前記構面を囲む部材の材長方向に沿って等間隔で直列配置され、
    該辺縁部の長さ方向における中央部分には、釘が前記直列配置の延長線を挟んで千鳥配置されている
    ことを特徴とする躯体構造。
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