JP2012122261A - 木質構造の接合金物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、木造建築物の軸組構法における主要部材である、木質系の柱と梁の接合部での接合金物を提供すること。
【解決手段】横長の長方形の鋼板片3aで、前記鋼板片3aの中央下部に形成されている微少な三角形状の横に、長尺ボルトを挿通するボルト孔を備えている略L字形状鋼板の短片3cを、直交配置して形成されている第1接合金具3と、鋼板を略L字形状に折曲形成された短辺4cに、長尺ボルトを挿通するボルト孔が施され、長辺4bの幅中央の下部には、リブ機能を有する矩形状の鋼板4aが配置された第2接合金具4とを、重合させて、木質柱に有するスリット口に、前記横長の長方形の鋼板片3aを挿入し、前記木質柱に有する貫通孔11に、L字形状の短辺のボルト孔3c(4c)から、長尺ボルトを挿通し、重合された接合金具が木質柱に固定されていることを特徴とする木質構造用の接合金物。
【選択図】図3

Description

本発明は、木造建築物の軸組構法における主要部材である、木質系の柱と梁の接合部での接合金物に関するものである。
近年、地球温暖化防止など環境面で森林(若木の場合)でのCO2吸収効果が注目されて、森林保全によるCO2排出枠、および林業振興で地方再生も兼ねての林業活性化が叫ばれ、政府は木材利用を促進する方策として、今年10月1日「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」を施行した。法律の基本的な方向は、公共建築物における木材の利用の促進の意義を踏まえ、非木造化を指向してきた過去の考え方を抜本的に転換し、公共建築物については可能な限り木造化を図る法律となっている。公共建築物には、国や地方が建設する学校、社会福祉施設、庁舎、公務員宿舎等が含まれている。しかし、公共建築や民間の非住宅を木造での大規模な構造にしたくとも、規模が違うため蓄積がある木造住宅の技術は転用できない。すなわち、構造計画やコストの面で木造化が困難な場合もあり、大規模な木造の技術が系統立っていないのが現状である。
従来の木造住宅等の軸組構法は、まず、柱と梁で軸組を構成し、それに壁や床を取り付けて行く構法である。柱には「通し柱」と「管柱」があり、柱の構造的な役割は、通し柱、管柱ともに垂直荷重を支持し、耐力壁として外周に作用する圧縮力や引張力に抵抗し、また、風圧力(水平力)を受ける外壁面での変形を防ぐことである。
従来、木造住宅等の軸組構法での通し柱は、柱の中間に梁を差し込むため、柱の断面欠損が大きくて、曲げ耐力は期待できずに引張力も不足する場合が多い。そこで、建築基準法関係告示第1460号で必要性能を確保するため、継手・仕口ではホゾや相欠きと組み合わせながら補強・補助金物等が明記されている。
近年、木造住宅等の軸組構法での柱の断面欠損を少なくする工法として、梁と柱又は梁と桁を堅固確実に固定すると共に、金物との当接部を安定化し、かつ筋交いの固定を容易にすることを目的とした梁受け金物及び梁受け装置が、特開2002−227311号公報(第1公知例)で開示されている。
さらに、実願2002−3529号公報(第2公知例)では、上記の特開2002−227311号等を改良した工法、具体的には、上述した梁受け金物等は大きなせん断力のかかる梁に用いると、柱等にボルト・ナット類で取付ける部分が、折り曲げ加工でプレ−トが薄いため、梁と金物を接合したボルト及び打込みピンにより引っ張られ、縦一列にボルト・ナット類で金物が取付けている部位で、金物のプレ−ト自体が延びる等の問題が生じる恐れがあり、その金物変形を解消した方法が開示されている。
また、近年、住宅用の木質ラ−メン構法が注目され、車庫一体型の住宅や店舗兼用住宅、さらに、一般の住宅でも、大きなスパン、大きな開口のものが求められており、一般的な木質ラ−メン構法として、鋼板挿入式ドリフトピンの接合方法が、図9に示す方法で行われている。即ち、事前にスリット加工された集成材の柱16芯に、ドリフトピン孔8を有する鋼板17を挿入して、柱16の側面からドリフトピン5を差し込み、柱16に鋼板17を固定する。次に、柱16から突起している鋼板17に、集成材の梁18に加工されているスリット19を差し込み、梁の側面から、ドリフトピン5と呼ばれている丸鋼で連結して、柱16と梁18を一体化している。
特開2002−227311号 実願2002−3529号
しかしながら、第1公知例等を改良した第2公知例の梁受け金物は、集成材の柱と梁の接合として、せん断力と軸力(引張・圧縮)を考慮して開発されたものである。近年、曲げ応力を考慮して開発された、代表的な図9の鋼板挿入のドリフトピンを使用している架構方式においても、完全な剛にできない課題があり、半剛接合(ピンと剛の中間)の評価である。例えば、図9に示す、鋼板挿入式ドリフトピンの接合方法は、集成材をスリットして鋼板を挿入する方式である。力の伝達は、梁のモ−メント――ドリフトピンのせん断力――鋼板の曲げ――ドリフトピンのせん断力――柱のモ−メントとなり、曲げに対しては鋼板のみで抵抗するシステムであり、外側ほど力学的性能の高い集成材の特性を有効に利用しているとは思えない。近年、高性能な木質ラ−メン構法への期待が高まっているが、木質ラ−メンの構法性能に関する設計法が確立しているとは言い難い。
本発明の解決すべき課題は、大規模な木造建築物、すなわち、柱と柱の間隔(スパン)が長い、天井が高いといった公共建築物等の構造的特性に対応した、高耐久架構技術に追従し、集成材の特性(外層ラミナ)を活かした剛接合の金物を提供するものである。
本発明者は、前記課題を解決すべく検討した結果、集成材の特性を活かした、新しいモ−メント抵抗接合の形式、すなわち、集成材の外層面(一般的に、コストを考慮して強度的に重要な梁の外層面である梁の上層面と下層面には、高強度樹種の高価なベイマツ等、内層ラミナには低強度樹種の杉等が使用されている)を活用しての接合金物の技術的知見を得た。その要旨とするところは以下の通りである。
(1)木造建築物の軸組構法における柱と梁の接合部において、横長の略長方形に複数のドリフトピン孔が施されている鋼板片で、前記鋼板片の中央下部に形成されている微少な三角形状の横に、長尺ボルトを挿通するボルト孔を備えている略L字形状鋼板の短片を、直交配置して、長辺の幅中心近傍の上側に前記鋼板片が形成されている第1接合金具と、鋼板を略L字形状に折曲形成された短辺に、長尺ボルトを挿通するボルト孔が施され、長辺の幅中央の下部には、複数のドリフトピン孔が施され、リブ機能を有する矩形状の鋼板が配置された第2接合金具とを、重合させて、木質柱に有するスリット口に、前記横長の長方形の鋼板片を挿入し、前記木質柱に有する貫通孔に、L字形状の短辺のボルト孔から、長尺ボルトを挿通し、前記の重合された接合金具が前記木質柱に固定されていることを特徴とする木質構造用の接合金物。
(2)木造建築物の軸組構法における柱と梁の接合部において、L字形状に折曲形成された鋼板で、垂直面に複数のボルト孔を有し、前記垂直面と水平面の幅中央部から、ドリフトピン孔を複数有した突起プレ−トを備えているL型接合金具と、L字形状に曲げた鋼板の短辺に、長尺ボルトを挿通するボルト孔が複数施され、長辺の幅中央の下部には、複数のドリフトピン孔が施され、リブ機能を有する矩形状の鋼板を配置して形成されたT型接合金具と、長方形で複数のボルト孔を有する座金プレ−トの部品で構成してなる接合方法において、木質柱にボルトを挿通する貫通孔が複数形成され、ボルトを挿通して前記ボルト孔の該当箇所の部品が、前記木質柱に固定されることを特徴とする木質構造用の接合金物。
本発明に係る木質構造用の接合金物によれば、従来の梁受け金物は、木造住宅等の軸組構法の場合、主にせん断力と軸力を考慮して開発されたものであり、近年の曲げ応力を考慮したモ−メント抵抗接合型の木質ラ−メン構法においても、半剛接合(ピンと剛の中間)での評価である。本発明では、木質柱と木質梁の接合箇所において、集成材の特性(外層ラミナ)を活用しての、せん断・軸力・曲げ応力の伝達が可能な、剛接合での金物のシステムであり、従来工法より大スパン(張間)を長くすることが可能で、公共建築物等の構造的特性に対応した、高性能な木質ラ−メン構法ができる。したがって、耐震性、耐久性を重要視した設計を合理的に行うことができ、粘り強い構造等の効果が得られる。
本発明に係る木質構造用の接合金物によれば、従来の梁受け金物の図9に示すモ−メント抵抗接合型の曲げに対する断面性能は、梁の成(高さ)に沿って鋼板を挿入していて、梁の外端部の位置に鋼板が存在しないため、梁の成(高さ)の中立軸からの遠端部の面積は微少である。本発明では、梁の外層面の位置に鋼板を設けているため、梁の成(高さ)の中心軸からの遠端部で鋼板での面積が生じ、有効な断面係数が発生する。すなわち、従来の半剛接合とは異なり剛接合が可能である。
本発明に係る木質構造用の接合金物で第1の実施例を示す模式図である。 本発明に係る第1の実施例を示す柱と梁との接合部の分解斜視図である。 本発明に係る第1の実施例で第1接合金具と第2接合金具を重合した形態の説明図である。 本発明に係る第1の実施例で第1接合金具の実施例を示す模式図であり、(a)は実施の形態を示した正面図、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図である。 本発明に係る第1の実施例で第2接合金具の実施例を示す模式図であり、(a)は実施の形態を示した正面図、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図である。 本発明に係る第1の実施例で作業手順の一例を示す説明図であり、(a)は柱内部の加工形態を示す模式図、(b)は梁の加工形態を示す模式図、(c)は柱と第1接合金具の接合過程を示す模式図である。 本発明に係る木質構造用の接合金物の第2の実施例を示す、柱と梁との接合部の分解斜視図であり、(a)はL型接合金具の模式図、(b)はT型接合金具の模式図、(c)は座金プレ−トの模式図である。 本発明に係る第2の実施例で作業手順の一例を示す説明図であり、(a)は柱内部の加工形態を示す模式図、(b)は梁の加工形態を示す模式図、(c)は柱と第2接合金具の接合過程を示す模式図である。 従来技術に係る木造建築物の軸組構法における、木質ラ−メン構法の一例を示す模式図である。
以下、図1〜図9に基づいて、本発明に係る木質構造用の接合金物の2通りの実施形態例を説明する。
(実施例1)
図2は本発明に係る第1の実施例を示す柱と梁との接合部の分解斜視図であり、図3は本発明に係る第1の実施例で、第1接合板と第2接合板を重合した形態の説明図である。この例において、木質柱1,木質梁2,木質梁の上層面2a、木質梁の下層面2b、梁のスリット2c、第1接合金具3,横長プレ−ト3a、アングル長辺3b、アングル短辺3c、第2接合金具4、矩形プレ−ト4a、アングル長辺4b、アングル短辺4c、ドリフトピン5,長尺ボルト6,座金7,ドリフトピン孔8,ボルト孔9,ドリフトピン挿入穴10,貫通孔11、および木質柱のスリット12から構成される。以下、これに沿って説明する。
まず、木質柱1と木質梁2を接合する接合金物の構成について説明する。図3に示すように、本発明の接合金物は、第1接合金具3と第2接合金具4とを重合して形成されている。図1と図2に示すように、第1接合金具3は、横長プレ−ト3aが木質柱1に組み込まれて、木質梁2のエンドと下層面2bを固定する金具である。また、第2接合金具4は、上部から当該部に差し込み、第2接合金具4の矩形プレ−ト4aが、第1接合金具3の横長プレ−ト3a面の横に設置され、木質梁の上層面2aを固持し、木質柱1に、アングル短辺4cを通じて長尺ボルト6で緊結する。なお、第1接合金具3と第2接合金具4との接続は、ドリフトピン5で連結する構造になっている。
次に、第1接合金具3の構成について説明する。図4に示すように、第1接合金具3は、長方形鋼板片の中央下部にリブ加工が施されている横長プレ−ト3aと、鋼板をL字状に折曲げ加工された不等辺アングルとで形成されている。図3に示すように、横長プレ−ト3aの左約半分は、木質柱(垂直材)1に挿入され、柱に固定されるため、ドリフトピン5用のドリフトピン孔8が複数施されており、横長プレ−ト3aの右約半分には、第2接合金具4と重合し、木質梁2を固定するため、ドリフトピン5用のドリフトピン孔8が複数施されている、次いで、図4に示すように、横長プレ−ト3aの下部には、不等辺アングルの長辺3bが水平に、長尺ボルト6用にボルト孔9を有するアングル短辺3cが垂直に設けられている。なお、横長プレ−ト3a下部に微少な三角形状にしているが、長尺ボルト6(引きボルト)の引張力負担時にアングル短辺3cが変形する(鋼板を折曲げ加工されたアングルは、片方の辺に力が作用するとエッジ部で角度が変わる)。そこで、アングル短辺3cの変形防止用のリブを備えて構成している。
次いで、第2接合金具4の構成について説明する。第2接合金具4は、図5に示すように、アングル短辺4cには、長尺ボルト6を挿通するためのボルト孔9が形成され、アングル長辺4bの下部にはリブを有する横長プレ−ト4aが形成されている。前記横長プレ−ト4aにはドリフトピン孔8が複数形成されて、前記ドリフトピン孔8は、第1接合金具3のドリフトピン孔8と、孔径、ピッチとも相似しており、また、木質梁2の側面のドリフトピン挿入穴10とも合致するよう構成されている。
続いて、接合金物の接合形態について説明する。図1と図2に示すように、木質柱1と木質梁2は、第1接合金具3を通じて接合され、重合している横長プレ−ト3aと矩形プレ−ト4aがドリフトピン5で接続され、第1接合金具3と第2接合金具4が合体するため、木質梁2の上層面2aと下層面2bが、アングル長辺の4bと3b間で挟持されている。さらに、木質柱1内部に有する横長プレ−ト3aの上下に施されている貫通孔11を通じて、アングル短辺3c、4cと座金7間を、長尺ボルト6で緊結し、第2接合金具4が木質柱1に固定されている。力の伝達は、外周に作用する引張力に対しては、横長プレ−ト3aと、長尺ボルト6で、圧縮力に対しては柱・梁で負担する役割で構成され、また、せん断力に対しては、横長プレ−ト3aと矩形プレ−ト4aで、曲げに対しては、第1接合金具3と第2接合金具4とを重合したアングル形状の面で、集成材外層面の面圧応力を負担する役割で構成されている。
次に、木質梁2と接合金物の接続について説明する。図2に示すように、木質梁2のスリット2c部を、木質柱1より突起している横長プレ−ト3aに差し込み、第1接合金具3のアングル長辺3bの上面に、木質梁下層部2bを当接する。次に、第2接合金具の矩形プレ−ト4aを上部やや斜めから差し込み、第1接合金具の横長プレ−ト3aと第2接合金具の矩形プレ−ト4aを重合(横長プレ−ト3aのドリフトピン孔8と、矩形プレ−ト4aのドリフトピン孔8と、さらに、木質梁2の側面のドリフトピン挿入穴10径と、ピッチは合致している)し、図1に示すように、木質梁2側面のドリフトピン挿入穴10からの、ドリフトピン5を打ち込み梁が固定化している。
なお、集成材の外層部の高強度樹種(外層ラミナ)で構成されている、梁の上層面と下層面と接合金物の接続であるが、図1に示すように、木質梁の上層面2aには、第2接合金具4のアングル長辺4bが、下層面2bには、第1接合金具3のアングル長辺3bを当接し挟持している。また、木質梁の側面では、第1と第2の接合金具のプレ−ト(4aと3aのドリフトピン孔8は合致している)に、ドリフトピン5を差し込み連結して、ドリフトピン5のせん断力で固持している。すなわち、合体した接合金物から集成材が抜け出さないように、集成材の横と上下と四方から金物で固持している。すなわち、集成材の外層部で強度的に重要な該当箇所の高強度樹種(ベイマツ、ヒノキ等)を効果的に活かすことができるシステム構造となっている。
施行例を作業手順により説明する。柱と梁が工場で、図6(a)に示すように、木質柱1に固定される木質梁2の位置に、横長プレ−ト3a挿入用のスリット12と長尺ボルト挿通用の貫通孔11を加工し、他の面にはドリフトピン5の挿通用に複数のドリフトピン挿入穴10の加工が施されている。次に、図6(b)に示すように、木質梁2の両端部に垂直のスリット加工2cを行い、梁の側面には、ドリフトピン5挿通用の複数のドリフトピン挿入穴10が加工され形成されている。
次に、現場で資材搬入後、建て方作業の前に、木質柱1と第1接合金具3の一体化を実施する。図6(c)に示すように、まず、地上で木質柱1を枕木等(図面を省略した、養生材兼作業台)の上に水平に並べて、木質柱1に有するスリット12(図面を省略した)に、第1接合金具の横長プレ−ト3aを挿入し、ドリフトピン挿入穴10にドリフトピン5を打ち込み、木質柱1と第1接合金具3を固定する。次に、アングル短辺3cのボルト孔9と貫通孔11に長尺ボルト6を挿通して、座金7と組み合わせナットで緊結を行い、木質柱1と、第1接合金具3を一体化する。
続いて、図2に示すように、まず、建て方作業にて木質柱1を垂直に建てて、水平材である木質梁のスリット2cを、木質柱1より突起している横長プレ−ト3aに差し込み、木質梁の下層面2bを、アングル長辺3bの上面に仮に設置する。次に、第2接合金具の矩形プレ−ト4aを上部右やや斜めから差し込み、第1接合金具の横長プレ−ト3aと第2接合金具の矩形プレ−ト4aを重合し、図1に示すように、木質梁2の側面のドリフトピン挿入穴10より、ドリフトピン5を打ち込み、木質梁2を固定する。次いで、図2に示すように、アングル短辺4cに有するボルト孔9と、貫通孔11に長尺ボルト6を挿通し、座金7と組み合わせてナットで緊結を行い、木質柱1と、第1接合金具を固持し、木質柱1と木質梁2が一体化して剛性が確保されている。
上述した金物類の材質は、一般構造用圧延鋼材(SS400)を代表として示したが、本発明ではこれに限ることなく、機能的に満足すべき強度が得られることができれば、公知
の材質で良い。例えば、鋳物、アルキャスト等を挙げることができる。なお、当該金物のサイズは、設計時の諸条件により決められるが、プレ−トの厚は4.5〜9.0mm程度、幅は150〜300mm程度、高さは300〜600mm程度、長さは600〜900mm程度である。
(実施例2)
図7は、本発明に係る木質構造用の接合金物の第2の実施例を示す、柱と梁との接合部の分解斜視図であり、(a)はL型接合金具の模式図、(b)はT型接合金具の模式図、(c)は座金プレ−トの模式図である。この例において、木質柱1,木質梁2,木質梁の上層面2a、木質梁の下層面2b、梁のスリット2c、長尺ボルト6,ボルト孔9,貫通孔11,L型接合金物13,垂直プレ−ト3a、水平プレ−ト3b、突起プレ−ト3c、T型接合金物14,矩形プレ−トW14a、アングル長辺W14b、アングル短辺W14c、および座金プレ−ト15から構成される。以下、これに沿って説明する。
まず、柱と梁を接合する接合金物の部品の構成について説明する。図7に示すように、本発明の接合金物は、L型接合金具13とT型接合金具14とを重合して形成されている。図7に示すように、L型接合金具13は、垂直プレ−ト13aを木質柱1に当接し、長尺ボルト6で緊結して、木質梁2のエンドと下層面2bを固定する金具である。また、T型接合金具14は、上部から当該部に差し込み、T型接合金具14の矩形プレ−トW14aが、L型接合金具13の突起プレ−ト13c面の横に重合して、アングル長辺W14bで木質梁の上層面2aを固持し、アングル短辺W14cに当接する木質柱1には、長尺ボルト6で緊結する構成になっている。なお、L型接合金具13とT型接合金具14の接続は、ドリフトピン5で連結する構造になっている。
次に、L型接合金具13の構成について説明する。図7(a)に示すように、L型接合金具13は、鋼板片をL字形状に加工が施されている垂直プレ−ト13aと、水平プレ−ト13b、および、垂直プレ−ト13a面と、水平プレ−ト13b面の中央部から直角に延出している突起プレ−ト13cとで形成されている。図7に示すように、垂直プレ−ト13aは、長尺ボルト6を緊結して木質柱(垂直材)1に固定されるため、長尺ボルト6の挿通用のボルト孔9が複数施されており、突起プレ−ト13cには、T型接合金具14と重合して、木質梁2を固定するため、ドリフトピン5用のドリフトピン孔8が複数施されている。
次いで、T型接合金具14の構成について説明する。T型接合金具14は、図7(b)に示すように、アングル短辺W14cには、長尺ボルト6を挿通するためのボルト孔9が形成され、アングル長辺W14bの下部にはリブを有する矩形プレ−トW14aが形成されている。前記矩形プレ−トW14aにはドリフトピン孔8が複数形成されて、前記ドリフトピン孔8は、L型接合金具13のドリフトピン孔8と、孔径、ピッチとも相似しており、また、木質梁2の側面のドリフトピン挿入穴10とも相似して構成されている。
続いて、接合金物の接合形態について説明する。図7に示すように、木質柱1と木質梁2は、L型接合金具13を通じて接合され、重合する突起プレ−ト13cと矩形プレ−トW14aをドリフトピン5で接続し、L型接合金具13とT型接合金具14とが合体され、木質柱1に施されている貫通孔11を通じて、アングル短辺W14cと座金プレ−ト15間を、長尺ボルト6で緊結し、T型接合金具14が木質柱1に固定される。したがって、木質梁2の上層面2aと下層面2bが、アングル長辺W14bとアングル長辺3b間で挟持されている。力の伝達は、外周に作用する引張力に対しては、長尺ボルト6で、圧縮力に対しては柱・梁で負担する役割で構成され、また、せん断力に対しては、突起プレ−ト13cと矩形プレ−トW14aで、曲げに対しては、L型接合金具13とT型接合金具14とを重合したアングル形状の面で、集成材外層面の面圧応力を負担する役割で構成されている。
次に、木質梁2と接合金物の接続について説明する。図7に示すように、木質梁2のスリット2c部を、木質柱1より突起している突起プレ−ト13cに差し込み、L型接合金具13の水平プレ−ト13bの上面に、木質梁下層部2bを当接する。次に、T型接合金具の矩形プレ−トW14aを上部やや斜めから差し込み、L型接合金具の突起プレ−ト13cとT型接合金具の矩形プレ−トW14aを重合(突起プレ−ト13cのドリフトピン孔8と、矩形プレ−トW14aのドリフトピン孔8と、さらに、木質梁2の側面のドリフトピン挿入穴10径と、ピッチは合致している)し、木質梁2側面のドリフトピン挿入穴10からの、ドリフトピン5を打ち込むことにより梁が固定化される。
なお、集成材の外層部の高強度樹種(外層ラミナ)で構成されている、梁の上層面と下層面の接合金物との接続であるが、図7に示すように、木質梁の下層面2bには、L型接合金具13の水平プレ−ト13bを、上層面2aには、T型接合金具14のアングル長辺W14bを当接して挟持する仕組みになっている。また、木質梁2の側面では、矩形プレ−トW14aと突起プレ−ト13cが重合されているドリフトピン孔8に、ドリフトピン5を差し込み連結して、ドリフトピン5のせん断力で固定化するシステムである。すなわち、合体した接合金物から集成材が抜け出さないように、集成材の横と上下と四方から金物で固持する。すなわち、集成材の外層部で強度的に重要な該当箇所の高強度樹種(ベイマツ、ヒノキ等)を効果的に活かすことができるシステム構造となっている。
施行例を作業手順により説明する。柱と梁が工場で、図8(a)に示すように、木質柱1に固定される木質梁2の位置に、長尺ボルト挿通用の貫通孔11が施されている。次に、図8(b)に示すように、木質梁2の両端部に垂直のスリット加工2cを行い、梁の側面には、ドリフトピン5挿通用の複数のドリフトピン挿入穴10が加工され形成されている。
次に、現場で資材搬入後、建て方作業の前に、木質柱1とL型接合金具13の一体化を実施する。図8(c)に示すように、まず、地上で木質柱1を枕木等(図面を省略した、養生材兼作業台)の上に水平に並べて、木質柱1に有する貫通孔11と、L型接合金具の垂直プレ−ト13aに有するボルト孔9を合致させ、長尺ボルト6を挿通して、座金プレ−ト15と組み合わせてナットで緊結を行い、木質柱1と、L型接合金具13を一体化する。
続いて、図7に示すように、まず、建て方作業にて木質柱1を垂直に建てて、水平材である木質梁のスリット2cを、木質柱1より突起している突起プレ−ト13cに差し込み、木質梁の下層面2bを、垂直プレ−ト13bの上面に仮に設置する。次に、T型接合金具の矩形プレ−トW14aを上部右やや斜めから差し込み、L型接合金具の突起プレ−ト3aとT型接合金具の矩形プレ−トW14aを重合し、木質梁2の側面から、ドリフトピン挿入穴10に、ドリフトピン5を打ち込み、木質梁2の固定化を図る。さらに、アングル短辺W14cに有するボルト孔9と、貫通孔11に長尺ボルト6を挿通し、座金プレ−ト15と組み合わせてナットで緊結を行い、木質柱1と、T型接合金具14を固持し、木質柱1と木質梁2の一体化を図り剛性の確保をしている。
上述した金物類の材質は、一般構造用圧延鋼材(SS400)を代表として示したが、本発明ではこれに限ることなく、機能的に満足すべき強度が得られることができれば、公知
の材質で良い。例えば、鋳物、アルキャスト等を挙げることができる。なお、当該金物のサイズは、設計時の諸条件により決められるが、プレ−トの厚は4.5〜9.0mm程度、幅は150〜300mm程度、高さは300〜600mm程度、長さは300〜600mm程度である。
以上説明したように木質構造用の接合金物の本発明に係るによれば、集成材の特性(外層ラミナ)を活用しての剛接合ができる接合金物である。すなわち、大規模な木造建築物の公共建築物等の構造的特性に対応した、ラ−メン構法が可能な接合金物を提供することで、耐震性、耐久性を重要視した構造設計を合理的に行うことができ、粘り強い構造等の効果が得られる。したがって、大規模な木造の技術が系統立っていない現状に貢献することも可能であり、建設業界およびCO2絡みの環境面での社会に与える効用は極めて大きい。
1 木質柱
2 木質梁
2a 木質梁の上層面
2b 木質梁の下層面
2c 梁のスリット
3 第1接合金具
3a 横長プレ−ト
3b アングル長辺
3c アングル短辺
4 第2接合金具
4a 矩形プレ−ト
4b アングル長辺
4c アングル短辺
5 ドリフトピン
6 長尺ボルト
7 座金
8 ドリフトピン孔
9 ボルト孔
10 ドリフトピン挿入穴
11 貫通孔
12 木質柱のスリット
13 L型接合金具
13a 垂直プレ−ト
13b 水平プレ−ト
13c 突起プレ−ト
14 T型接合金具
14a 矩形プレ−トW
14b アングル長辺W
14c アングル短辺W
15 座金プレ−ト
16 従来の柱
17 従来の鋼板
18 従来の梁
19 従来の梁のスリット








Claims (2)

  1. 木造建築物の軸組構法における柱と梁の接合部において、横長の略長方形に複数のドリフトピン孔が施されている鋼板片で、前記鋼板片の中央下部に形成されている微少な三角形状の横に、長尺ボルトを挿通するボルト孔を備えている略L字形状鋼板の短片を、直交配置して、長辺の幅中心近傍の上側に前記鋼板片が形成されている第1接合金具と、鋼板を略L字形状に折曲形成された短辺に、長尺ボルトを挿通するボルト孔が施され、長辺の幅中央の下部には、複数のドリフトピン孔が施され、リブ機能を有する矩形状の鋼板が配置された第2接合金具とを、重合させて、木質柱に有するスリット口に、前記横長の長方形の鋼板片を挿入し、前記木質柱に有する貫通孔に、L字形状の短辺のボルト孔から、長尺ボルトを挿通し、前記の重合された接合金具が前記木質柱に固定されていることを特徴とする木質構造用の接合金物。
  2. 木造建築物の軸組構法における柱と梁の接合部において、略L字形状に折曲形成された鋼板で、垂直面に複数のボルト孔を有し、前記垂直面と水平面の幅中央部から、ドリフトピン孔を複数有した突起プレ−トを備えているL型接合金具と、略L字形状に曲げた鋼板の短辺に、長尺ボルトを挿通するボルト孔が複数施され、長辺の幅中央の下部には、複数のドリフトピン孔が施され、リブ機能を有する矩形状の鋼板を配置して形成されたT型接合金具と、長方形で複数のボルト孔を有する座金プレ−トの部品で構成してなる接合方法において、木質柱にボルトを挿通する貫通孔が複数形成され、ボルトを挿通して前記ボルト孔の該当箇所の部品が、前記木質柱に固定されることを特徴とする木質構造用の接合金物。





















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