JP3917255B2 - 車いす用踏段付きエスカレータの制御装置 - Google Patents

車いす用踏段付きエスカレータの制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車いす用踏段付きエスカレータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車いすを使用する身体障害者がエスカレータを利用できるように、車いす用踏段付きエスカレータが公共の建物や施設に設置されている。この車いす用踏段付きエスカレータは一般に、無端状に列設された多数の通常踏段内に、少なくとも3段1セットの車いす等を搭載可能な特殊踏段を配置して、通常運転中は他の通常踏段と同じ形状で利用者を搬送するが、車いす運転時にはエスカレータ本体内に設けられた付勢装置を作動させて特殊踏段を変形動作させ、前後に連続して配置されている2段または3段の特殊踏段の踏板をほぼ同一高さまで持ち上げて保持し、車いすや電動三輪車が搭載できるように奥行きの長い搭載スペースを確保する機能を備えている。
【0003】
このような従来の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置では、運転中に停電が発生するとエスカレータが停止してしまうが、復電後には、キースイッチの入力によってエスカレータの運転が再開できるようにしている。
【0004】
停電によってエスカレータが停止しても、通常運転時であれば一般健常者が利用しているので停止した踏段を歩いて上り下りすればよいので、特に閉じ込めの問題はないが、車いす運転の場合には問題となる。そこで、従来の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置では、車いす運転中に停電が発生してエスカレータが停止した場合、復電後に救出運転モードにして車いす利用者をエスカレータから降車させている。
【0005】
この車いすの救出運転モードでは、停電してエスカレータが停止し、その後に復電すれば、その復電の時点で車いす運転モードを取りやめ、エスカレータ管理者が上階または下階のキースイッチを動作させることによってエスカレータを低速で始動し、残りの全行程を同じ低速にて車いす利用者を運搬する。例えば、車いす運転中の乗込み時に停電が発生し、その後に復電すると、復電した時点で救出運転モードに移行し、乗込んだ方向または降りる方向に上階までまたは下階まで低速で救出運転させ、車いす利用者をエスカレータより降車させるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置では、停電発生時の車いす運転状態を特別に記憶しておく機能を有していなかったために、車いす用踏段に乗込んだ車いす利用者を目的の階床まで運搬することは可能であるが、低速の救出運転でそれを行うために、特に長いエスカレータの場合には時間がかかる問題点があった。
【0007】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、車いす運転モード時に停電が発生し、その後に復電した場合には車いす運転を再開させるためのキースイッチの投入操作によって車いす運転を自動的に再開させ、目的の階床まで通常の車いす運転時の速度で運搬できるようにして、車いす利用者に長い時間待たせることがない車いす用踏段付きエスカレータの制御装置を提供することを特徴とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置は、エスカレータの各所に設置され、車いす用踏段の移動によって作動する複数のリミットスイッチと、停電復電後に、前記エスカレータを所定の低速度で始動する始動手段と、前記複数のリミットスイッチそれぞれの設置位置に対応して異なる速さの速度指令を記憶するデータテーブルと、前記複数のリミットスイッチのうち、前記エスカレータの復電後の始動によって最初に作動するリミットスイッチを検出し、前記データテーブルを参照して当該リミットスイッチの設置位置に対応する速度指令を出力する速度指令手段と、前記速度指令手段の出力する速度指令に応じた速さにて前記エスカレータを駆動する速度制御手段とを備えたものである。
【0009】
請求項1の発明の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置では、車いす運転中に停電が発生してエスカレータが停止すると、復電後に始動手段がエスカレータを所定の低速度で始動させる。速度指令手段はこの復電後のエスカレータの始動によって最初に作動するリミットスイッチの位置を検出し、複数のリミットスイッチそれぞれの設置位置に対応して異なる速さの速度指令を記憶するデータテーブルを参照して当該リミットスイッチの設置位置に対応する速度指令を出力し、エスカレータを該当する速度で運転させる。
【0010】
これによって、車いす運転中に停電が発生してエスカレータが停止し、復電後に運転を再開する場合には、車いすの位置に応じた速度で車いす運転を再開することができ、従来の救出運転のように車いすの位置によらず残りの全行程を一定の低速度で運転再開する場合よりも早く車いす利用者を運搬することができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置においてさらに、前記エスカレータの上下の乗降場それぞれに設置されている踏段切替装置の直後の位置に設置され、前記車いす用踏段を構成する複数の踏段単体各々の通過によって作動する変形確認用リミットスイッチと、前記変形確認用リミットスイッチそれぞれの作動回数を記憶するスイッチ作動回数記憶手段とを備え、前記速度指令手段が、エスカレータの復電後の始動によって前記変形確認用リミットスイッチが作動した時に前記スイッチ作動回数記憶手段に記憶されている作動回数と加算し、所定の作動回数に達した時に前記エスカレータの定格速度運転を指令するようにしたものである。
【0012】
請求項2の発明の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置では、エスカレータの上下の乗降場それぞれに設置されている踏段切替装置の直後の位置に設置され、車いす用踏段を構成する複数の踏段単体各々の通過によって作動する変形確認用リミットスイッチの作動回数をスイッチ作動回数記憶手段によって記憶させ、停電が発生した時点でその作動回数を保持させておく。そして復電後にエスカレータを低速度で始動し、当該変形確認用リミットスイッチが作動すると、速度指令手段がスイッチ作動回数記憶手段に保持されている停電発生時の作動回数に新たな作動回数を加算し、所定の作動回数に達した時にエスカレータを定格速度で運転するように速度指令を出力する。
【0013】
これによって、車いす用踏段の変形途中に停電が発生したような場合でも、復電後に車いす用特殊踏段を構成する複数の踏段単体すべてが完全に変形した状態を確認してから定格速度の運転に移行することができ、安全性の確保と共に定格速度運転により、従来の救出運転の場合よりも早く車いす利用者を目的階に運搬することができる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1または2の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置において、前記速度指令手段が、エスカレータの上り運転において前記エスカレータの傾斜部の下端近くに設置されている下り運転減速地点検出用リミットスイッチの作動を検出した時に、またエスカレータの下り運転において前記エスカレータの傾斜部の上端近くに設置されている上り運転減速地点検出用リミットスイッチの作動を検出した時にそれぞれ定格速度指令を出力するようにしたものである。
【0015】
請求項3の発明の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置では、車いす用踏段が変形確認用のリミットスイッチの位置を過ぎてから傾斜部に入る直前で停電が発生した場合、復電後にエスカレータが始動されると、速度指令手段はエスカレータの上り運転において傾斜部の下端近くに設置されている下り運転減速地点検出用リミットスイッチの作動を検出した時に、またエスカレータの下り運転において傾斜部の上端近くに設置されている上り運転減速地点検出用リミットスイッチの作動を検出した時にそれぞれ定格速度指令を出力する。
【0016】
したがって停電復電後に、従来のように車いす用踏段に傾斜部を低速度で移動させるのではなく、定格速度で目的階へ移動させることができ、通常の車いす運転と変わらない早さで車いす利用者を運搬することができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1〜3の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置において、前記速度指令手段が、前記始動手段によるエスカレータの始動の後、所定時間、いずれのリミットスイッチも作動しない時に定格速度指令を出力するようにしたものである。
【0018】
請求項4の発明の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置では、長い傾斜部の途中を車いすが走行中に停電が発生したような場合、復電後の低速度での運転再開でいずれかのリミットスイッチに到達するまでには長い時間がかかることがあり得るが、このような場合を想定して、始動が一定時間の間にいずれのリミットスイッチも作動しなければ傾斜部を走行しているものと見なし、定格速度運転に移行させることにより、停電復電後の車いす利用者の運搬を早くする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1〜図6は一般的な車いす用踏段付きエスカレータの機械的な構成を示し、図7は一般的な車いす運転のタイミングチャートを示している。エスカレータ1には3段1セットの特殊踏段1a,1b,1cが用意されていて、上下階それぞれの乗降場の機械室に設置されている付勢装置12によって、図4及び図6に示すように車いす用踏段として特殊踏段1a,1b,1cの3段をほぼ同一面に並ぶように変形させ、またそのように変形させた車いす用踏段を図5に示すような通常の踏段形状に復帰させるようになっている。この変形、復帰の機構は後述する。
【0020】
エスカレータ1が設置されている上下階の乗降口2それぞれの近傍に係員4を呼出すためのインターホン3が設置されている。また欄干5の乗降口2の近くの位置に、車いす運転切替えスイッチ6が設置されている。エスカレータ1の水平部10には、係員4が車いす8を特殊踏段1a,1b,1c上に乗込ませた時点で操作する乗込み確認操作ボタン9と、逆に車いす8が降り側水平部10に到着して降り作業を完了した時に操作する降り確認操作ボタン14と、乗込みが正しく行えなかった時に運転停止させるための車いす運転停止ボタン16が設置されている。
【0021】
さらに特殊踏段1a,1b,1cの位置を検出するために、トラス21内にはガイドレール22に沿って所定の位置に特殊踏段位置検出リミットスイッチ23、降り減速開始リミットスイッチ24、乗込みオーバーランリミットスイッチ25、そして付勢装置12の直前後に踏段変形確認リミットスイッチ26、踏段復帰確認リミットスイッチ27が設置されており、これらは特殊踏段1a,1b,1cに設けられた突出片(図示せず)の通過によって作動する。
【0022】
位置検出リミットスイッチ23は上下の乗降口2のほぼ直下位置に設置され、エスカレータを通常運転速度から車いす運転に移行するために減速を開始する点を検出する。降り減速開始リミットスイッチ24は傾斜部11と水平部10との間のR部に設置され、車いす8をエスカレータ1から降ろすために定格運転速度から降り速度まで減速する開始点を検出する。乗込みオーバーランリミットスイッチ25は乗込み確認ボタン16が押されずにこのリミットスイッチ25が作動した時に、乗込みが正しく行えなかったことを検知するためのもので、このリミットスイッチ25の作動によってエスカレータ1をいったん停止させて係員4に時間的余裕を与え、正しく車いす8を特殊踏段1a,1b,1cの位置に乗込ませるようにする。
【0023】
さらに踏段変形確認リミットスイッチ26、踏段復帰確認リミットスイッチ27は、付勢装置12と共に昇降して特殊踏段1a,1b,1cが変形したこと、変形復帰したことをそれぞれ確認するスイッチである。
【0024】
図2〜図6に基づいて、水平2段・傾斜1段型の特殊踏段1a,1b,1cの変形、復帰機構について説明する。車いす運転の要求がない場合には、図2に示すように付勢装置12のラック31が低下した位置にあり、特殊踏段1a,1b,1cがこの付勢装置12の上方を通過する時にそれらのピニオンギア32a,32b,32cと噛み合うことはない。したがって、付勢装置12の上方を通過しても特殊踏段1a,1b,1cは通常の踏段と同じく1段ずつ独立したものとして動作する。
【0025】
しかしながら車いす運転要求があれば、、図3に示すように付勢装置12のラック31は上昇し、この付勢装置12の上方を特殊踏段1a,1b,1cが順に通過する時に、次のように動作する。図3及び図4に示すように、ラック31にピニオンギア32a,32b,32cが順に噛み合って、これらの回転力を利用して駆動部33a,33b,33cそれぞれが特殊踏段1a,1b,1cそれぞれを駆動する。
【0026】
第1の特殊踏段1aは踏段の一部が傾斜する傾斜踏段部41と固定踏段部42から成り、傾斜踏段部41に取り付けられている駆動部33aと連動して動く保持子43が固定踏段部42の保持器44と噛み合い、一体となっている。車いす運転時には、保持子43が固定踏段部42の保持器44から外れ、傾斜回転軸45を中心に回転する。第2の特殊踏段1bは、第3の特殊踏段1cの上昇踏板46を連結し、傾斜部11を走行する時には約2段分の踏段面を形成する連結装置47を備えている。この連結装置47は駆動部33bと連動して上昇踏板46に対して進入・退出動作し、第3の特殊踏段1cを連結、分離する。第3の特殊踏段1cは、固定踏段部48と前述した上昇踏板46から成り、それぞれがパンタグラフ49で連結されている。固定踏段部48に取り付けられている駆動部33cと連動して動く保持子50が上昇踏板46の保持器51と噛み合い、一体となっている。
【0027】
したがって車いす運転時に、エスカレータ1の水平部10から傾斜部11に特殊踏段1a,1b,1cが移動すると、第2の特殊踏段1bの連結装置47が第3の特殊踏段1cの上昇踏板46を連結し、同時に第3の特殊踏段1cの保持器51が保持子50から外れ、第2の特殊踏段1bと第3の特殊踏段1cとが一体となって第2の特殊踏段1bの連結装置47に支持されて第3の特殊踏段1cの上昇踏板46が同じ平面にとどまるように引き上げられ、これによってパンタグラフ49が延び、図4及び図6に示す状態になる。この時には、第3の特殊踏段1cに設けられている車止め52も駆動部33cと連動して突出する。
【0028】
なお、特殊踏段には水平3段型も知られているが、この特殊踏段の変形機構そのものは本発明の要旨ではないので詳しく説明しない。しかしながら、本発明のこのような水平3段型にも適用することができる。
【0029】
上記の機械的な構成を有する車いす用踏段付きエスカレータの車いす運転について、図1のシステム図と図7のタイミングチャートに基づいて説明する。車いす利用者7がエスカレータ1の下階の乗降口2の近傍に設置されたインターホン3で係員4を呼出すと、係員4が来てエスカレータ1の欄干5に設置されている車いす切替えスイッチ6を操作して車いす運転モードに切り替える(T1)。インバータ制御されているエスカレータ1は、3段1セットの特殊踏段1a,1b,1cが乗降口2の近くに来て特殊踏段位置検出リミットスイッチ23が動作すると減速され(T2)、微速(3.5m/min)にて移動する(T3)。この間に、付勢装置12のラック31が上昇し、その上を特殊踏段1a,1b,1cが通過する際に車いす搭載可能なように変形してその状態を保持する。またオートアナウンスその他の音声で係員4に乗込みを許可し、係員4は車いす利用者7の車いす8を特殊踏段1a,1b,1c上に乗せ、乗込みが完了した時点で、係員4が車いす運転操作ボタン9を押す(T4)。すると、エスカレータ1は微速運転状態で進行し、変形確認リミットスイッチ26の作動によって3段の特殊踏段1a,1b,1cがすべて通過したことを検知すると、通常速度(定格速度=30m/min)まで加速し、傾斜部11を通常速度で上昇する。
【0030】
なお、乗込み確認ボタン9が押されずに、特殊踏段1aが乗込みオーバーランリミットスイッチ25の位置まで来ると、乗込みが正しく行われていないものと見なして一旦エスカレータ1の運転を停止する。そして乗込みが正しく行われ、乗込み確認ボタン9が押されると、ここから定格速度に加速して上昇することになる。
【0031】
上階に到着して降りる場合は、乗込む場合と逆に、降り減速リミットスイッチ24が動作すると特殊踏段1a,1b,1cが傾斜部11から水平部10にかけて減速し(T5)、水平部10で低速(7.5m/min)運転になり(T6)、オートアナウンスその他の音声で係員4に降りを許可する。また上階の付勢装置12で特殊踏段1a,1b,1cを元の通常の状態に戻す。特殊踏段1a,1b,1cの変形復帰は復帰確認リミットスイッチ27によって確認する。そして車いすが完全に降り終われば、係員4が上階の乗降口2の近くに設置されている降り確認スイッチ14を押し、一連の車いす運転を終了させる(T7)。エスカレータはこの後、通常の定格速度運転に戻る。
【0032】
なお、降り確認スイッチ14が押されず、特殊踏段1aが位置検出リミットスイッチ23が作動するとエスカレータ1の運転をいったん停止させることによって降り動作時の安全を確保している。
【0033】
このような車いす用踏段付きエスカレータの制御装置は、図4の示す機能構成を備えている。図4において61は車いす運転制御装置であり、この車いす運転制御装置61は上記の車いす運転制御を、車いす運転切替えスイッチ6、乗込み確認ボタン9、降り確認ボタン14、車いす運転停止ボタン16の操作スイッチ群からの入力信号と、特殊踏段位置検出リミットスイッチ23、降り減速開始リミットスイッチ24、乗込みオーバーランリミットスイッチ26、変形確認リミットスイッチ26、復帰確認リミットスイッチ27のリミットスイッチ群からの入力信号を受けて実行する。エスカレータ1の運転制御は、インバータ62を制御することによってエスカレータ駆動電動機63を制御し、また特殊踏段1a,1b,1cの変形・復帰付勢装置12を制御することによって行う。またこの車いす運転制御装置61は、停電復電後の車いす運転再開制御も実行する
そして本発明にかかる停電復電後の車いす運転再開制御のために、上下の特殊踏段位置検出リミットスイッチ23、上下の降り減速開始リミットスイッチ24、上下の乗込みオーバーランリミットスイッチ26、上下の付勢装置12それぞれの直後の位置に設置されている変形確認リミットスイッチ26、上下の付勢装置12それぞれの直前に設置されている復帰確認リミットスイッチ27(図8ではリミットスイッチa,b,c…として示してある)からのオン/オフ信号を個別に取込んでそのオン/オフ作動回数をカウントするカウンタ65を備えており、停電復電後、このカウンタ65の記憶内容に基づいて車いす運転の再開制御を行う。
【0034】
図9は停電復電後の車いす運転の再開制御のフローチャートを示しいる。以後、説明を簡明にするために、エスカレータ1を上り運転する場合について説明する。カウンタ65は、車いす運転制御装置61から下階の車いす運転切替スイッチ6の投入後、下階側の特殊踏段位置検出リミットスイッチ23がオンした時にリセット信号を受けてリセットし、以後カウンタ65はリミットスイッチa,b,c,…の作動回数をリミットスイッチごとに個別にカウントして記憶していく。
【0035】
そして停電が発生し(ステップS1)、復電すると(ステップS2)、カウンタ65が記憶している停電時の各リミットスイッチa,b,c,…のオン作動回数を読み込んでセーブする(ステップS3)。
【0036】
そして復電後、運転再開スイッチが操作されると、車いす運転制御装置61は低速度3.1m/minで車いす運転を再開する(ステップS4,S5)。そして最初に作動するリミットスイッチを検知し、そのリミットスイッチが何回目のオンなのかを停電前の当該リミットスイッチのオン回数に照らして確認する(ステップS7)。
【0037】
この確認処理で、特殊踏段1a,1b,1cの変形段階、走行位置を特定し、例えば、特殊踏段1a,1b,1cの1段目までしか変形されていなくて、さらに1段の変形を確認したのであれば、変形の途中で停電が発生したものと判断することができ、以降、3段の特殊踏段1a,1b,1c全部の変形確認を行う所から車いす運転制御に移行する。また特殊踏段1a,1b,1cが傾斜部11の下方部に設置されている下り側減速開始リミットスイッチ24の作動を検出すれば、停電発生時にはすでに特殊踏段1a,1b,1cの変形が完了し、定格速度で上昇運転に入っていたはずであるので、低速度運転から定格速度まで加速して傾斜部11を上昇する所から車いす運転制御に移行する(ステップS8)。
【0038】
図10及び図11は、上記の車いす運転の再開制御の動作原理を示している。下階の付勢装置12の直前に設置されている変形復帰確認リミットスイッチ27(当該リミットスイッチ27のオン作動信号は上り運転時には車いす運転制御には利用されないものであるが、運転再開制御には利用する)、変形確認リミットスイッチ26、及び乗込みオーバーランリミットスイッチ25(上り運転時には、乗込み確認ボタン16が操作されないで当該リミットスイッチ25がオンすれば車いす運転制御装置61はエスカレータ1をいったん停止させる信号として使用するが、運転再開制御では特殊踏段の位置検出に利用する)について、それらの停電発生時のオン作動回数と、停電復電後の最初のオン信号の入力による車いす運転再開制御は、次のようになる。
【0039】
図10に示すように、車いす運転切替スイッチ6が投入され、特殊踏段1a,1b,1cが位置検出リミットスイッチ23を通過してエスカレータ1を減速し、乗込み準備に入った所で停電が発生したとする。この時には、カウンタ65はいずれのリミットスイッチa(27),b(26),c(25)も作動回数=0を記憶している。
【0040】
そこで停電復電後に運転再開スイッチが投入されると、車いす運転制御装置61は低速運転で再起動されるが、この再起動により先頭の特殊踏段1aが最初に変形復帰確認リミットスイッチ27を作動させることになり、車いす運転制御装置61は、このリミットスイッチ27の作動信号を入力して、図11に示すように先頭の特殊踏段1aが付勢装置12の上に差し掛かったと判断する。
【0041】
車いす運転で特殊踏段1a,1b,1cのうち先頭の特殊踏段1aが付勢装置12の上に差し掛かった時に、これから特殊踏段1a,1b,1cの3段の変形が開始されるべき段階であるので、車いす運転制御装置61はそのように判断し、低速運転を維持しつつ付勢装置12による特殊踏段1a,1b,1cの変形を行わせる段階から車いす運転制御を再開する。
【0042】
ここで、例えば、停電発生時に復帰確認リミットスイッチ27が3回オン作動し、変形確認リミットスイッチ26が2回オン作動していたとすると、最後の特殊踏段1cだけが付勢装置12の上を通過していない状態であると判断することができ、復電後に変形確認リミットスイッチ26のオン信号が入力されると、特殊踏段1a,1b,1cの変形が完了したものと判断し、乗込み確認ボタン9の操作信号が入力されれば定格速度に加速する段階から車いす運転制御を再開することになる。
【0043】
また停電発生時に傾斜部11を走行中であれば、復電後の低速運転ではすぐにいずれかのリミットスイッチを作動させることがなく、比較的長い時間リミットスイッチのオン信号が入力されない。そこで、このような場合には、車いす運転制御装置61はタイマで復電後低速運転開始から時間計測し、例えば、10秒間いずれのリミットスイッチからもオン信号が入力されなければ傾斜部11を走行中であると判断し、定格速度に加速して上昇する段階から車いす運転制御を再開する。
【0044】
以上の低速運転再開後のリミットスイッチのオン信号入力によって、停電発生時のリミットスイッチのオン回数に照らして、いずれの段階から車いす運転を再開するかを判定するために、停電時のリミットスイッチ各々のオン作動回数と復電後の最初のリミットスイッチのオン信号との組み合わせで、車いす運転のいずれの段階から再開するかを示すデータテーブルを車いす運転制御装置61を持たせることができる。なお、車いすの停電復電後の再開運転制御においても、車いす運転制御装置61はエスカレータ1の運転と共に各段階で係員4に対して操作を促したり注意を促したりするためのメッセージも出力するものとする。
【0045】
このようにして本発明の実施の形態の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置では、通常の車いす運転制御と共に、エスカレータ各所に設置されている多数のリミットスイッチそれぞれの作動回数をカウンタ65で記憶し、停電発生時の各リミットスイッチのオン作動回数と、復電後の低速運転による運転再開時に最初のオンするリミットスイッチの設置場所と、カウンタ65に記憶されている各リミットスイッチの作動回数とから車いすの特殊踏段の変形状態や位置を判断し、それに対応した段階から車いす運転を再開することができる。
【0046】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、車いす運転中に停電が発生してエスカレータが停止し、復電後に運転を再開する場合には、車いすの位置に応じた速度で車いす運転を再開することができ、従来の救出運転のように車いすの位置によらず残りの全行程を一定の低速度で運転再開する場合よりも早く車いす利用者を運搬することができる。
【0047】
請求項2の発明によれば、車いす用踏段の変形途中に停電が発生したような場合でも、復電後に車いす用踏段を構成する複数の踏段単体すべてが完全に変形した状態を確認してから定格速度の運転に移行することができ、安全性の確保と共に定格速度運転により、従来の救出運転の場合よりも早く車いす利用者を目的階に運搬することができる。
【0048】
請求項3の発明によれば、車いす用踏段が変形確認用のリミットスイッチの位置を過ぎてから傾斜部に入る直前で停電が発生した場合、復電後にエスカレータが始動されると、速度指令手段はエスカレータの上り運転において傾斜部の下端近くに設置されている下り運転減速地点検出用リミットスイッチの作動を検出した時に、またエスカレータの下り運転において傾斜部の上端近くに設置されている上り運転減速地点検出用リミットスイッチの作動を検出した時にそれぞれ定格速度指令を出力するので、停電復電後に従来のように車いす用踏段に傾斜部を低速度で移動させるのではなく、定格速度で目的階へ移動させることができ、通常の車いす運転と変わらない早さで車いす利用者を運搬することができる。
【0049】
請求項4の発明によれば、長い傾斜部の途中を車いすが走行中に停電が発生したような場合、復電後の低速度での運転再開でいずれかのリミットスイッチに到達するまでには長い時間がかかることがあり得るが、このような場合を想定して、始動が一定時間の間にいずれのリミットスイッチも作動しなければ傾斜部を走行しているものと見なし、定格速度運転に移行させるので、停電復電後の車いす利用者の運搬を早くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態の説明図。
【図2】上記の実施の形態における車いす用特殊踏段の変形付勢していない状態の説明図。
【図3】上記の実施の形態における車いす用特殊踏段の変形付勢状態を示す説明図。
【図4】上記の実施の形態における車いす用特殊踏段の変形状態を示す説明図。
【図5】上記の実施の形態における車いす用特殊踏段の通常使用時の変形状態の斜視図。
【図6】上記の実施の形態における車いす用特殊踏段の車いす運搬のための変形状態の斜視図。
【図7】上記の実施の形態の車いす運転制御のタイミングチャート。
【図8】上記の実施の形態の機能構成を示すブロック図。
【図9】上記の実施の形態の停電復電後の車いす運転再開制御のフローチャート。
【図10】上記の実施の形態における停電発生時の特殊踏段とリミットスイッチとの位置関係を示す説明図。
【図11】上記の実施の形態における停電復電後の運転再開直後の特殊踏段とリミットスイッチとの位置関係を示す説明図。
【符号の説明】
1 エスカレータ
1a,1b,1c 特殊踏段
2 乗降口
3 インターホン
4 係員
5 欄干
6 車いす運転切替えスイッチ
7 車いす利用者
8 車いす
9 乗込み確認ボタン
10 水平部
11 傾斜部
12 付勢装置
14 降り確認ボタン
16 車いす運転停止ボタン
23 特殊踏段位置検出リミットスイッチ
24 降り減速開始リミットスイッチ
25 乗込みオーバーランリミットスイッチ
26 変形確認リミットスイッチ
27 変形復帰確認リミットスイッチ
61 車いす運転制御装置
62 インバータ
63 駆動電動機
65 カウンタ

Claims (4)

  1. エスカレータの各所に設置され、車いす用踏段の移動によって作動する複数のリミットスイッチと、
    停電復電後に、前記エスカレータを所定の低速度で始動する始動手段と、
    前記複数のリミットスイッチそれぞれの設置位置に対応して異なる速さの速度指令を記憶するデータテーブルと、
    前記複数のリミットスイッチのうち、前記エスカレータの復電後の始動によって最初に作動するリミットスイッチを検出し、前記データテーブルを参照して当該リミットスイッチの設置位置に対応する速度指令を出力する速度指令手段と
    前記速度指令手段の出力する速度指令に応じた速さにて前記エスカレータを駆動する速度制御手段とを備えて成る車いす用踏段付きエスカレータの制御装置。
  2. 前記エスカレータの上下の乗降場それぞれに設置されている踏段切替装置の直後の位置に設置され、前記車いす用踏段を構成する複数の踏段単体各々の通過によって作動する変形確認用リミットスイッチと、前記変形確認用リミットスイッチそれぞれの作動回数を記憶するスイッチ作動回数記憶手段とを備え、
    前記速度指令手段は、前記エスカレータの復電後の始動によって前記変形確認用リミットスイッチが作動した時に前記スイッチ作動回数記憶手段に記憶されている作動回数と加算し、所定の作動回数に達した時に前記エスカレータの定格速度運転を指令することを特徴とする請求項1に記載の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置。
  3. 前記速度指令手段は、エスカレータの上り運転において前記エスカレータの傾斜部の下端近くに設置されている下り運転減速地点検出用の車いす用踏段位置検出リミットスイッチの作動を検出した時に、またエスカレータの下り運転において前記エスカレータの傾斜部の上端近くに設置されている上り運転減速地点検出用の車いす用踏段位置検出リミットスイッチの作動を検出した時にそれぞれ定格速度指令を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置。
  4. 前記速度指令手段は、前記始動手段によるエスカレータの始動の後、所定時間、いずれのリミットスイッチも作動しない時に定格速度指令を出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車いす用踏段付きエスカレータの制御装置。
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