JP3916759B2 - 熱分解反応器の熱媒体圧力制御装置 - Google Patents

熱分解反応器の熱媒体圧力制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物(家庭やオフィスなどから出される都市ごみなどの一般廃棄物、廃プラスチック、カーシュレッダー・ダスト、廃オフィス機器、電子機器、化粧品などの産業廃棄物など、可燃物を含むもの)を焼却処理するに先立って該廃棄物を熱分解する熱分解反応器に係り、特にその熱媒体圧力制御装置及びそれを備えた廃棄物処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみ等の一般廃棄物や廃プラスチック等の可燃物を含む廃棄物の処理装置の一つとして、廃棄物を熱分解反応器に入れて低酸素雰囲気中で加熱して熱分解し、熱分解ガス(乾留ガス)と主として不揮発性成分からなる熱分解残留物とを生成し、この熱分解ガスと熱分解残留物とを排出装置において分離し、更に熱分解残留物を不活性雰囲気下の冷却装置で冷却した後、分離装置に供給して熱分解カーボンを主体とする燃焼性成分と、例えば金属や陶器、砂利等の不燃焼性成分とに分離し、燃焼性成分を粉砕して粉体とし、この粉砕された燃焼性成分と前記した熱分解ガスとを燃料(燃焼性物)として燃焼溶融炉に導いて1300℃程度の温度で燃焼させ、生じた燃焼灰をその燃焼熱により加熱して溶融スラグとなし、この溶融スラグを排出部から外部に排出して冷却固化させるようにした廃棄物処理装置が知られている(特公平6−56253号公報)。燃焼溶融炉で発生した高温の燃焼排ガス(約1200℃)は、後段に設けられている高温空気加熱器により熱エネルギーを回収され、更に集塵器で集塵され、最終的にクリーンな排ガスとなって煙突から大気中に放出される。
【0003】
ここで、高温空気加熱器と熱分解反応器は空気配管で結ばれて熱媒体を循環できるように熱媒体循環ラインが構成されている。更に、該熱媒体循環ラインの前記熱分解反応器の下流側と前記高温空気加熱器の上流側との間には送風機が設けられ、また該熱媒体循環ラインの前記高温空気加熱器の下流側と前記熱分解反応器の上流側との間には始動用加熱炉が設けられている。そして、高温空気加熱器で約550℃に加熱された空気が該ラインを通って熱分解反応器に熱媒体として送られ、熱分解反応器内の廃棄物を間接的に加熱し、約300℃に温度低下して該熱分解反応器を出る。この空気は前記送風機により前記高温空気加熱器に送られ、ここで再び加熱されて再循環されるようになっている。
【0004】
前記高温空気加熱器は、その耐腐食性向上等の理由で、その熱媒体の一部がパージガスとして利用され、前記熱媒体循環ライン外にリークする構造に形成されている。その結果、熱媒体循環ラインを循環する空気の量が減少するため、それを補充する必要がある。この空気の補充は、該ラインに設けられた大気開放の通気ダクトから、前記空気のリーク量に相当する量が該ライン内に吸引されて行われるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
熱分解反応器は、上記した如く、該熱分解反応器内を移動する廃棄物は、その伝熱管内を流れる熱媒体空気により間接加熱されて、熱分解ガスと熱分解残留物とに熱分解されるのであるが、万一伝熱管が破孔した場合、伝熱管内の空気圧がその外部より高いため、器内に熱媒体空気の一部が漏洩し、該器内を低酸素雰囲気に保持することができにくいという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、仮に熱分解反応器の伝熱管が破孔しても該伝熱管内の空気が外部に漏れず、もって熱分解反応器内を低酸素雰囲気に保持することができる熱分解反応器の熱媒体圧力制御装置及びそれを備えた廃棄物処理装置を提供することにある。また、熱分解反応器の伝熱管が破孔した場合はそれを初期段階で検知できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本願請求項1記載発明は、燃焼排ガスの熱を熱媒体である空気により回収する高温空気加熱器と、伝熱管内を通る熱媒体空気により廃棄物を間接加熱して熱分解する熱分解反応器と、該熱分解反応器と前記高温空気加熱器とを空気配管で結んで熱媒体を循環させる熱媒体循環ラインと、該熱媒体循環ラインの前記熱分解反応器の下流側と前記高温空気加熱器の上流側との間に設けられた送風機と、該熱媒体循環ラインの前記高温空気加熱器の下流側と前記熱分解反応器の上流側との間に設けられた始動用加熱炉とを備え、前記高温空気加熱器はその熱媒体の一部が前記熱媒体循環ライン外にリークする構造に形成され、前記送風機の吸引側に大気とつながると共に第1調節弁を有する第1連絡ダクトが設けられ、該送風機の吐出側に大気とつながると共に第2調節弁を有する第2連絡ダクトが設けられ、熱分解反応器の熱媒体入口近傍の空気配管に空気圧を検知する空気圧センサーが設けられ、該空気圧センサーの圧力検知信号に基づいて前記第1連絡ダクト及び第2連絡ダクトの各調節弁を制御し、熱分解反応器の伝熱管内を通る熱媒体空気圧を該熱分解反応器の器内雰囲気圧と同じか又は少し低圧にすることを特徴とするものである。
【0008】
これにより、仮に熱分解反応器の伝熱管が破孔しても、伝熱管内の空気圧は外部と同じか又はそれより少し低圧に維持されているため、熱媒体空気が該器内に漏れず、もって熱分解反応器内を低酸素雰囲気に保持することができる。ここで、「少し低圧に」維持するということにおけるその「少し」とは、低圧にすると、逆に伝熱管内へ外部気体の浸入が起こるが、その浸入によって伝熱管内外の全体的バランスがくずれない程度に少しという意味である。
【0009】
また請求項2記載発明は、請求項1記載発明において、熱媒体循環ラインの前記熱分解反応器の熱媒体出口近傍にCO濃度検知手段が設けられたことを特徴とするものである。伝熱管に破孔が生じると外部気体である熱分解ガス(COを含む)が少し伝熱管内の熱媒体空気中に侵入するので、そのCOをCO濃度検知手段で検知することにより破孔が生じたことを初期段階で的確に把握して対応できる。
【0010】
また請求項3記載発明は、請求項1又は2記載発明において、熱媒体循環ラインに、熱分解反応器をバイパスするバイパスラインが設けられ、熱分解反応器の熱媒体入口近傍の空気配管に空気温度を検知する第1温度計が設けられ、熱分解反応器の熱媒体出口近傍の空気配管に空気温度を検知する第2温度計が設けられ、高温空気加熱器の熱媒体出口近傍の空気配管に空気温度を検知する第3温度計が設けられ、前記バイパスラインに第3調節弁が設けられ、前記熱分解反応器の熱媒体出口近傍で前記バイパスラインとの合流点より上流の空気配管に第4調整弁が設けられ、前記第1温度計の検知信号に基づいて始動加熱炉の燃料流量又は前記送風機の回転数を制御し、前記第2温度計の検知信号により第3調節弁及び第4調節弁又は前記送風機の回転数を制御し、第3温度計の検知信号により前記送風機の回転数を制御し、これら各制御により熱分解反応器の伝熱管を流れる空気の温度を設定範囲内に維持するように形成されて成ることを特徴とするものである。
【0011】
通常、熱分解反応器の熱媒体空気の入口温度は、約550℃程度、出口温度は約300℃程度に設定されているが、本発明により、前記圧力制御をしつつ、熱媒体温度を所望の温度に維持しておくことができる。
【0012】
請求項4記載発明は、廃棄物を熱分解して熱分解ガスおよび熱分解残留物を生成する熱分解反応器と、前記熱分解残留物を不活性雰囲気下で冷却する冷却装置と、冷却された熱分解残留物を燃焼性成分および不燃焼性成分に分離する分離装置と、前記熱分解ガスおよび燃焼性成分を灰分を溶融させる温度で燃焼させて不燃焼分を溶融スラグとして排出部から排出する燃焼溶融炉と、燃焼溶融炉で生じた高温ガスの熱を空気と熱交換させて回収する高温空気加熱器とを備えた廃棄物処理装置において、前記熱分解反応機は請求項1〜3のいずれかに記載の発明に係る熱媒体圧力制御装置を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
これにより、熱分解反応器の伝熱管が万一破孔しても、それを確実に初期段階で検知し、ただちに運転を停止する等の対応をとることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る熱不分解反応器の熱媒体圧力制御装置の実施の形態を図1に基づいて説明する。
図1において、高温空気加熱器1は燃焼排ガスの熱を熱媒体である空気により回収するものである。また熱分解反応器52は伝熱管(図示せず)内を通る熱媒体空気により該熱分解反応器52内を移動する廃棄物を間接加熱して熱分解するものである。この熱分解反応器52と高温空気加熱器1とは空気配管2で接続されて熱媒体循環ライン3が形成され、該ライン3により熱媒体を循環するようになっている。そして、熱媒体循環ライン3の熱分解反応器52の下流側と高温空気加熱器1の上流側との間に送風機4が設けられ、更に熱媒体循環ライン3の高温空気加熱器1の下流側と熱分解反応器52の上流側との間に始動用加熱炉5が設けられている。この例では該ライン3に熱分解反応器52をバイパスするバイパスライン12が設けられ、該バイパスライン12冷却用の熱交換器13と流量調節弁14が設けられている。
【0015】
また、当該高温空気加熱器1はその熱媒体空気の一部が前記熱媒体循環ライン3外にリークする構造に形成されている。すなわち、リーク空気11により、該高温空気加熱器1の金属部分に外部の腐食性ガス成分が浸透して接触する恐れを無くしている。
【0016】
そして、前記送風機4の吸引側に大気とつながると共に流量調節用の第1調節弁6を有する第1連絡ダクト7が設けられ、送風機4の吐出側には大気とつながると共に第2調節弁8を有する第2連絡ダクト9が設けられている。更に、熱分解反応器52の熱媒体入口近傍の空気配管2に空気圧を検知する空気圧センサー10が設けられている。また更に、熱分解反応器52の熱媒体出口近傍の空気配管2にCO分析計16が設けられている。
【0017】
次に上記実施の形態例の作用を説明する。先ず、始動用加熱炉5が停止している場合は、空気圧センサー10の切替スイッチ15で第1調節弁6を制御し、第2調節弁8は全閉状態にされる。第1調節弁6は空気圧センサー10により空気配管2内の検知空気圧が熱分解反応器52内の雰囲気圧と同じか又は少し低圧となるように、この例では0mmAqとなるように開閉制御される。具体的には高温空気加熱器1のリーク空気11と同量の空気を補充しつつ前記低圧(0mmAq)となるように制御されることになり、この補充空気が第1連絡ダクト7を通じて供給されるが、その時、第1調節弁6の存在により圧力損失を生じさせ、前記低圧(0mmAq)を維持しつつ空気補充が行える。
【0018】
また始動用加熱炉5が運転状態にある場合は、空気圧センサー10の切替スイッチ15で第2調節弁8を制御し、第1調節弁6は全閉状態とされる。始動用加熱炉5が運転されると、そこから排ガスが発生して該ライン3の空気配管2内の空気圧が高くなるからである。この場合は、始動用加熱炉5から発生する排ガスと前記リーク空気11の差と同量の空気が第2連絡ダクト9から外部に排出される。すなわち、空気圧センサー10により空気配管2内の検知空気圧が熱分解反応器52内の雰囲気圧と同じか又は少し低圧となるように、この例では0mmAqとなるように第2調節弁8が開閉制御される。この時も第2調節弁8の存在による圧力損失により前記低圧(0mmAq)を維持しつつ空気排出が行える。尚、上記説明では切替スイッチ15を用いて調節弁6、8の切替をする場合を説明したが第1調節弁6と第2調節弁8が同時に開かないようにしたシーケンス制御を構築しておけば、前記切替スイッチ15は不要である。
【0019】
以上のように、空気圧センサー10の圧力検知信号に基づいて前記第1連絡ダクト7及び第2連絡ダクト9の各調節弁6、8を制御し、熱分解反応器52の伝熱管内を通る熱媒体空気圧を該熱分解反応器52の器内雰囲気圧と同じか又は少し低圧になるようにして運転される。これにより、仮に熱分解反応器52の伝熱管が破孔しても、熱媒体空気が伝熱管内から外部(該器内)に漏れず、熱分解反応器52内を低酸素雰囲気に保持することができると共に、CO分析計により破孔を直ちに検知することができる。
【0020】
図2は本発明の他の実施の形態を示す。この実施の形態例は以下の条件を満たすように制御されるものである。
▲1▼熱分解反応器の入口の熱媒体空気温度を550℃に維持すること、
▲2▼熱分解反応器の出口の熱媒体空気温度を300℃に維持すること、
▲3▼高温空気加熱器の出口の熱媒体空気温度を550℃以下に維持すること、
▲4▼始動用加熱炉を運転している場合バイパスラインには原則流さないこと、
▲5▼熱分解反応器の伝熱管内を通る熱媒体空気圧をその外部と同じか又は少し低圧になるようにすること。
そのためにこの例では、熱媒体循環ライン3に、熱分解反応器52の熱媒体入口近傍の空気配管2に空気温度を検知する第1温度計20が設けられ、熱分解反応器52の熱媒体出口近傍の空気配管2に空気温度を検知する第2温度計21が設けられ、高温空気加熱器1の熱媒体出口近傍の空気配管2に空気温度を検知する第3温度計22が設けられている。更に、前記バイパスライン12に第3調節弁23が設けられ、前記熱分解反応器52の熱媒体出口近傍で前記バイパスライン12との合流点より上流の空気配管2に第4調整弁24が設けられている。
【0021】
始動用加熱炉5が停止している場合(灯油最小量運転を含む)、第1温度計20が550℃を維持するように切替スイッチ25を介して送風機4の回転数が制御され、且つ第2温度計21が300℃を維持するように切替スイッチ26を介してバイパスライン12の第3調節弁23が制御され、そこを流れる空気の流量が調節される。ここで第3調節弁23が全開でも第2温度計21が300℃以上である時は第4調整弁24が閉じられていくようになっている。
【0022】
始動用加熱炉5が運転している場合(灯油最小量運転は除くは)、第1温度計20が550℃を維持するように切替スイッチ25を介して始動用加熱炉5の燃焼量が制御され、且つ第2温度計21が300℃を維持するように切替スイッチ26を介して送風機4の回転数が制御される。この回転数を減らしていき、第3温度計が550℃以上の場合は、この温度が550℃になるように切替スイッチ27を介して送風機4の回転数が調整される。また、この時は第2温度計が300℃以上となるため、第2温度計21でバイパスライン12の第3調節弁23を調整し、その温度が300℃になるように制御される。
【0023】
以上のように、第1温度計20の検知信号に基づいて始動加熱炉5の燃料流量又は前記送風機4の回転数を制御し、第2温度計21の検知信号により第3調節弁23及び第4調節弁24又は送風機4の回転数を制御し、第3温度計22の検知信号により送風機4の回転数を制御し、これら各制御により熱分解反応器52の伝熱管を流れる空気の温度を設定範囲内に維持するように形成されて成るものである。すなわち、この例では、熱分解反応器52の熱媒体空気の入口温度は、約550℃程度、出口温度は約300℃程度に維持しつつ、前記圧力制御を行えるものである。
【0024】
次に、前記燃焼溶融炉の炉内温度検知装置を備えた廃棄物処理装置の一実施の形態例を図3に基づいて説明する。
本実施の形態の廃棄物処理装置において、都市ごみ等の廃棄物50aは、例えば二軸剪断式等の破砕機で、150mm角以下の大きさにに破砕され、コンベア等により投入部50内に投入される。投入部50に投入された廃棄物50aはスクリューフィーダ51を経て熱分解反応器52内に供給される。熱分解反応器52としてはこの例では横型回転式ドラムが用いられ、ドラム内の加熱分解室は図示しないシール機構により、その内部は低酸素雰囲気に保持されている。
【0025】
廃棄物50aは熱分解反応器52内で熱分解されるが、その熱源は、後述する燃焼溶融炉53の後流側に配置された熱交換器である高温空気加熱器1により加熱され加熱空気ラインである熱媒体循環ライン3を介して供給される加熱空気8g(熱媒体)である。この加熱空気8gにより熱分解反応器52内は300〜600℃に、通常は450℃程度に維持される。
【0026】
更に、加熱空気8gにより加熱された廃棄物50aは、熱分解して熱分解ガスG1と、主として不揮発性成分からなる熱分解残留物54とになり、排出装置55に送られて分離される。排出装置55で分離された熱分解ガスG1は、排出装置55の上部から熱分解ガスラインL2を経て燃焼溶融炉53のバーナ56に供給される。排出装置55から排出された熱分解残留物54は、450℃程度の比較的高温であるため、後述する構造の冷却装置57により不活性雰囲気下で80℃程度に冷却される。
【0027】
その後、冷却された熱分解残留物54は、例えば磁選式、うず電流式、遠心式又は風力選別式等の公知の単独又は組み合わされた分離装置58に供給され、ここで細粒の燃焼性成分58d(灰分を含む)と鉄、瓦礫等の不燃焼性成分58cとに分離され、不燃焼性成分58cはコンテナ59に回収され再利用される。
【0028】
更に、燃焼性成分58dは、主として熱分解カーボンから成るが、粉砕機60により、例えば1mm以下に微粉砕されて粉体カーボンとなり、燃焼性成分ラインL3を経て燃焼溶融炉53のバーナ56に供給され、熱分解ガスラインL2から供給された熱分解ガスG1と送風機61により空気ラインL4から供給された燃焼用空気61eと共に1,300℃程度の高温域で燃焼される。
【0029】
上記燃焼で発生した灰分はその燃焼熱により溶融スラグ53fとなって、この燃焼溶融炉53の内壁に付着し、更に、内壁を流下し底部排出口62から水槽63に落下し冷却固化される。燃焼溶融炉53は一般に溶解炉とも言われるものであって、カーボン等の燃焼性成分58dを1300℃程度の高温で燃焼させ、灰分を含む不燃焼分を溶融させて溶融スラグ53fと高温の燃焼排ガスG2とを生成する。燃焼排ガスG2は、秒速2〜3m、温度1000〜1100℃のガス流となって、炉内下流側に設けた高温空気加熱器1の伝熱管体により熱回収される。
【0030】
ここで、高温空気加熱器1と熱分解反応器52は図1、2に示した熱媒体圧力制御装置を備えている。これにより、熱分解反応器52内を、その伝熱管の破孔等が万一あっても確実に低酸素雰囲気に保持することができると共に、破孔を検知できる。
【0031】
前記高温空気加熱器1の部分を通過した燃焼排ガスG2は、煙道ガスラインL5を介して廃熱ボイラ64で熱回収され、集塵器65で除塵され、更に排ガス浄化装置66で塩素等の有害成分が除去された後、低温のクリーンな排ガスG3となって誘引送風機67を介して煙突68から大気へ放出される。廃熱ボイラ64で生成した蒸気は、蒸気タービンを有する発電機69で発電に利用される。
【0032】
尚、以上においては、本発明を図示の実施形態について詳述したが、本発明はそれらの実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱せずして種々改変を加え、多種多様の変形をなし得ることは云うまでもない。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、仮に熱分解反応器の伝熱管が破孔しても該伝熱管内の空気が外部に漏れず、もって熱分解反応器内を低酸素雰囲気に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱分解反応器の熱媒体圧力制御装置の一例を示す構成図である。
【図2】本発明に係る熱媒体圧力制御装置の他の例を示す構成図である。
【図3】本発明に係る廃棄物処理装置の概略図である。
【符号の説明】
1 高温空気加熱器
2 空気配管
3 熱媒体循環ライン
4 送風機
5 始動用加熱炉
6 第1調節弁
7 第1連絡ダクト
8 第2調節弁
9 第2連絡ダクト
10 空気圧センサー
16 CO分析計
20 第1温度計
21 第2温度計
22 第3温度計
23 第3調節弁
24 第4調節弁
52 熱分解反応器

Claims (4)

  1. 燃焼排ガスの熱を熱媒体である空気により回収する高温空気加熱器と、伝熱管内を通る熱媒体空気により廃棄物を間接加熱して熱分解する熱分解反応器と、該熱分解反応器と前記高温空気加熱器とを空気配管で結んで熱媒体を循環させる熱媒体循環ラインと、該熱媒体循環ラインの前記熱分解反応器の下流側と前記高温空気加熱器の上流側との間に設けられた送風機と、該熱媒体循環ラインの前記高温空気加熱器の下流側と前記熱分解反応器の上流側との間に設けられた始動用加熱炉とを備え、
    前記高温空気加熱器はその熱媒体の一部が前記熱媒体循環ライン外にリークする構造に形成され、
    前記送風機の吸引側に大気とつながると共に第1調節弁を有する第1連絡ダクトが設けられ、該送風機の吐出側に大気とつながると共に第2調節弁を有する第2連絡ダクトが設けられ、
    熱分解反応器の熱媒体入口近傍の空気配管に空気圧を検知する空気圧センサーが設けられ、
    該空気圧センサーの圧力検知信号に基づいて前記第1連絡ダクト及び第2連絡ダクトの各調節弁を制御し、熱分解反応器の伝熱管内を通る熱媒体空気圧を該熱分解反応器の器内雰囲気圧より少し低圧にすることを特徴とする熱分解反応器の熱媒体圧力制御装置。
  2. 請求項1において、熱媒体循環ラインの前記熱分解反応器の熱媒体出口近傍にCO濃度検知手段が設けられたことを特徴とする熱分解反応器の熱媒体圧力制御装置。
  3. 請求項1又は2において、熱媒体循環ラインに、熱分解反応器をバイパスするバイパスラインが設けられ、熱分解反応器の熱媒体入口近傍の空気配管に空気温度を検知する第1温度計が設けられ、熱分解反応器の熱媒体出口近傍の空気配管に空気温度を検知する第2温度計が設けられ、高温空気加熱器の熱媒体出口近傍の空気配管に空気温度を検知する第3温度計が設けられ、前記バイパスラインに第3調節弁が設けられ、前記熱分解反応器の熱媒体出口近傍で前記バイパスラインとの合流点より上流の空気配管に第4調整弁が設けられ、
    前記第1温度計の検知信号に基づいて始動加熱炉の燃料流量又は前記送風機の回転数を制御し、前記第2温度計の検知信号により第3調節弁及び第4調節弁又は前記送風機の回転数を制御し、第3温度計の検知信号により前記送風機の回転数を制御し、これら各制御により熱分解反応器の伝熱管を流れる空気の温度を設定範囲内に維持するように形成されて成ることを特徴とする熱分解反応器の熱媒体圧力制御装置。
  4. 廃棄物を熱分解して熱分解ガスおよび熱分解残留物を生成する熱分解反応器と、前記熱分解残留物を不活性雰囲気下で冷却する冷却装置と、冷却された熱分解残留物を燃焼性成分および不燃焼性成分に分離する分離装置と、前記熱分解ガスおよび燃焼性成分を灰分を溶融させる温度で燃焼させて不燃焼分を溶融スラグとして排出部から排出する燃焼溶融炉と、燃焼溶融炉で生じた高温ガスの熱を空気と熱交換させて回収する高温空気加熱器とを備えた廃棄物処理装置において、前記熱分解反応機は請求項1〜3のいずれかに記載の熱媒体圧力制御装置を備えていることを特徴とする廃棄物処理装置。
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