JP3916753B2 - 鉄道用ブレーキの制輪子構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は鉄道用のディスクブレーキの制輪子構造に関し、とくにブレーキパッドの熱による変形対策に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、実開平6−14571号公報にもあるが、鉄道用のディスクブレーキの制輪子は、例えば図8、図9のように構成されている。
【0003】
制動時に車輪(ディスク)を両側から挟み付け、制動力を発生するための制輪子1には、車輪と接触するパッド2が裏板3に取り付けられている。パッド2は複数、例えば3つに分割され、各パッド2がリベット4により裏板3に強固に固定される。裏板3の背面にはキャリパ側の制輪子取付部に取付けるために案内板6が一体に固定され、これが図示しない嵌合用のアリ溝に嵌合することで、制輪子1が支持される。
【0004】
各パッド2のほぼ中央にはパッド2の摩耗量を検出するための一定の深さの摩耗検出溝5が形成され、摩耗検出溝5の深さからパッド2の摩耗程度を判定し、例えば摩耗検出溝5が無くなったら、パッド2を交換する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
制動時にパッド2が車輪に接触すると摩擦熱が発生するが、通常、パッド2と裏板3とは異なる材質、例えばパッド2は焼結合金、裏金3は鉄などで構成され、このため互いの線膨張係数が異なり、この熱膨張差により制輪子1が変形を生じることがある。
【0006】
例えば、4本のリベット4により固定されたパッド2と裏板3は、バイメタルと同じ原理で反り返り、制輪子1が長手方向に対して変形し、この変形量はリベット4による支持間隔が大きくなるのにしたがって増大する。
【0007】
この結果、制輪子1とディスクとの偏当たりを生じ、偏摩耗を起こし、またパッド2を固定するリベット4には専断力が働き、リベット4が折れ曲がり、パッド2が脱落したりすることもあり、さらには制輪子の変形により、交換時など制輪子取付部からの取り外しがうまくいかないなどの問題もでてくる。
【0008】
本発明はこれらの問題を解決することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、裏板にリベットを介してパッドを固定した鉄道用ブレーキの制輪子構造において、前記パッドを制輪子長手方向について複数に分割する少なくとも一つのスリットを設け、このスリットは一部を残してパッドの表面から裏面まで貫通すると共に、スリットの一部に残された両側のパッドを結合する連結部にはスリット延長上に摩耗検出溝が設けられ、この検出溝の深さをパッド表面からの摩耗限界と対応させ、スリットを概略車輪回転中心に向かって放射状に延びるように形成し、連結部をパッドの摺動内周側に形成する。
【0010】
第2の発明は、前記スリットの両側に沿ってパッドに段部を設け、この段部のパッド表面からの深さを連結部の摩耗検出溝と同じ深さに設定する。
【0011】
第3の発明は、前記リベット周囲とパッドとの間に隙間を形成した。
【0012】
【発明の作用・効果】
第1の発明によれば、パッドはスリットの部分において完全に分割されているので、制輪子長手方向について、リベットにより裏板と結合されている実質的な支持間隔がそれだけ小さくなり、パッドと裏板との線膨張係数の相違に基づく、制動時の摩擦熱による変形が小さくなる。このため、パッドの偏摩耗が減り、その寿命が改善され、またパッドの交換時など制輪子の取り外しが容易となる。
【0013】
第2の発明では、スリットの両側に位置して摩耗検出溝と同じ深さの段部を設けたので、パッド表面からの段部の深さを見ることで、パッドの摩耗状態が容易に判定できる。
【0014】
第3の発明では、リベット周囲に隙間を設けたので、制輪子の変形時にリベットに作用する専断応力を減らし、その耐久性を高められ、パッドの脱落防止機能を改善できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜図5に本発明の実施形態を示す。
【0016】
図示するように、制輪子1の裏板3は車輪円周方向に延びる長手形状に形成され、この裏板3に3つのパッド2が、それぞれ4隅をリベット4により固定される。各パッド2にはそのほぼ中央に位置して、概略車輪回転中心に向かって放射状に延びるスリット11が形成される。
【0017】
スリット11はパッド2の表面から裏面まで貫通するが、パッド2の摺動内周側において、一部が両側のパッド2を結合する連結部12に形成される。連結部12はスリット延長上に、その深さがパッド2の表面からの摩耗限界と一致させた摩耗検出溝13が設けられる。
【0018】
パッド2を裏板3に固定するためのリベット4の周囲には、パッド2との間に所定の隙間14が形成される。
【0019】
以上のように構成され、したがって、裏板3にリベット4によって固定されるパッド2は、それぞれ中央部分のスリット11により、円周方向に実質的に2分割されたことになる。このため、制動時に発生した摩擦熱により、裏板3とパッド2の線熱膨張係数の相違で、バイメタルのように反り返ろうとするが、制輪子1の長手方向に対するパッド2の実質的な支持長さが短くなり、これに応じて変形量もそれだけ小さくなる。
【0020】
このため制輪子1の全体的な変形が小さく、パッド2の偏当たりが無くなり、パッド2の偏摩耗が防止され、パッド2の寿命が延びる。また、制輪子1が変形すると、その交換時など案内板6の嵌合面からの抜けが悪くなるが、このような問題も解消する。
【0021】
パッド2を裏板3に固定するリベット4の周囲には、パッド2との間に隙間14が形成されるので、パッド2と裏板3の接合面方向に応力が発生しても、リベット4の剪断力として直接的には作用せず、このためリベット4の曲がりが防止でき、パッド2の脱落を防ぐことができる。
【0022】
パッド2の摩耗量については、摺動内周側の連結部12に設けた摩耗検出溝13の深さを判定することにより、容易に判断することができる。なお、パッド2はこの連結部12があるため、完全には分割されず、このためパッド2の交換時などの取り扱いが容易となる。
【0023】
次に別の実施形態について、図6、図7によって説明する。
【0024】
これはパッド2のスリット11の両側に沿って、摩耗検出溝13と同じ深さの段部15を形成したものである。このように段部15を形成すると、摺動内周側の連結部12の摩耗検出溝13だけでなく、その反対の摺動外周側から、つまり車輪の外側からもこの段部15の深さを判定でき、パッド2の摩耗量を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す制輪子の正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】同じくB−B線断面図である。
【図4】同じくC方向矢示図である。
【図5】要部の斜視図である。
【図6】第2の実施形態のC方向矢示図に相当する図である。
【図7】要部の斜視図である。
【図8】従来例の正面図である。
【図9】同じくそのC−方向矢示図である。
【符号の説明】
1 制輪子
2 パッド
3 裏板
4 リベット
11 スリット
12 連結部
13 摩耗検出溝
15 段部
Claims (3)
- 裏板にリベットを介してパッドを固定した鉄道用ブレーキの制輪子構造において、前記パッドを制輪子長手方向について複数に分割する少なくとも一つのスリットを設け、このスリットは一部を残してパッドの表面から裏面まで貫通すると共に、スリットの一部に残された両側のパッドを結合する連結部にはスリット延長上に摩耗検出溝が設けられ、この検出溝の深さをパッド表面からの摩耗限界と対応させ、前記スリットを概略車輪回転中心に向かって放射状に延びるように形成し、前記連結部をパッドの摺動内周側に形成することを特徴とする鉄道用ブレーキの制輪子構造。
- 前記スリットの両側に沿ってパッドに段部を設け、この段部のパッド表面からの深さを連結部の摩耗検出溝と同じ深さに設定する請求項1に記載の鉄道用ブレーキの制輪子構造。
- 前記リベット周囲とパッドとの間に隙間を形成した請求項1または2に記載の鉄道用ブレーキの制輪子構造。
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