JPS589006Y2 - デイスクブレ−キ用キヤリア - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、摩擦パッドの脱落を防止することによりディ
スクブレーキの組付作業を能率良く行えるようにしたデ
ィスクブレーキ用キャリアに関するものである。

従来のディスクブレーキ用キャリアには、第１図ｉいし
第３図に示すようなものがある。

これを説明すると、それぞれ略コ字状をした腕部１，２
がディスク３を跨してその円周方向に所定間隔あけて配
置され、この腕部１，２はディスク３０片面側に設けた
インナービーム４とディスク３の他面側に設けたアウタ
ービーム５とにより連結されている。

つ捷り、腕部１，２とインナービーム４及びアウタービ
ーム５とは一体成形されている。

腕部１，２には、ディスク３の軸方向（第２図上下方向
）に互いに平行に伸びる支承部６Ａ、６Ｂ及び７Ａ、７
Ｂが相対峙して形成されてかり、支承部６Ｂ、７Ｂはデ
ィスク３とアウタービーム５との間に位置する。

この支承部６Ａ、６Ｂ及び７Ａ、７Ｂは、それぞれ第１
図における上面が平板状となっており、支承部６Ａ、７
Ａには裏金８のつば部８ａ 、８ｂを介して摩擦パッド
９が支承され、又支承部６Ｂ、７Ｂには裏金１０のつば
部１０ａ、１０ｂを介して摩擦パッド１１が支承されて
いる。

各摩擦パッド９，１１は、その裏金８゜１０のつば部８
ａ、８ｂ、１０ａ、１０ｂが支承部６Ａ、７Ａ及び６Ｂ
、７Ｂ上を摺動することによりディスク３の軸方向に
移動自在である。

なお、図中１２．１３は、腕部１，２に設けられた図示
しないキャリパのビンが摺動可能に挿入される穴である
。

前記アウタービーム５は、第１図に示すようにその中央
部が若干上方に屈曲して、摩擦パッド１１の移動に伴い
その裏金１０とアウタービーム５の内面５Ａ（ディスク
３側の面）とが当接するようになっている。

ところが、従来のキャリアにおいては、前記アウタービ
ーム５側の支承部６Ｂ 、７Ｂは、その先端６Ｂ−１，
７Ｂ−１がアウタービーム５の内面５Ａに達せず両者間
に隙間（その隙間を第２図、第３図においてδで表わす
）が形成されている。

これは、支承部６Ｂ 、７Ｂが摩擦パッド１１の移動に
必要な最小の長さ分だけしか有しておらず（なるべく材
料を少なくして軽量化及び低廉化を図ると共に、取付ス
ペースの面で自由度を増す為）、したがって、支承部６
Ｂ、７Ｂの先端６Ｂ−１゜７Ｂ−１の面とアウタービー
ム５の内面５Ａとを同一面とすると、キャリア全体は鋳
造により製造されるので、鋳物の寸法公差（これは比較
的太きいもので通常±１〜１．５１１ｔＴＩＬ）によっ
てアウタービーム５の内面５Ａが先端６Ｂ−１，７Ｂ−
１の面よりディスク３側に突出してしまう虞れがあり、
これを妨ぐ為に、上述の隙間δを形成するようにしてい
る。

しかし、この隙間δがある為、ディスクブレーキ組付時
に摩擦パッド９，１１ｅ支承部６Ａ 、７Ａ及び６Ｂ
、７Ｂに支承させた後、図示を略すキャリパをキャリア
の上部より被せようとした場合、誤って摩擦パッド１１
をその裏金１０がアウタービーム５の内面５Ａに当接す
るような位置１で押し下げると、裏金１０が支承部６Ｂ
。

７Ｂより外れて摩擦パッド１１がキャリアより脱落する
ということが生じ易かった。

本考案は以上のような欠点を解消するもので、腕部１，
２にアウタービーム５の内面５Ａを越えてディスク３よ
り離れる方向へ延びる突起を形成−該突起に支承部６Ｂ
、７Ｂにつづく延長支承部を形成したことを特徴とする
。

以下に本考案の実施例を図面にしたがって説明するが、
従来のものと同一構成部分には同一符号を付してその説
明は省略する。

第４図ないし第６図において、腕部１，２にはアウター
ビーム５の内面５Ａを越えてディスク３より離れる方向
へ延びる突起１４．１５が形成されておシ、該突起１４
．１５に、摩擦パッド１’ｌ支承するアウタービーム５
側の支承部６Ｂ、７Ｂにづづく支承部延長６Ｃ，７Ｃが
形成されている。

実施例においては、突起１４．１５の先端１４Ａ、１５
Ａを、アウタービーム５の内面５Ａより長さｔだけ延長
させた場合を示す。

なお、この場合、腕部１，２の幅（第６図左右方向の長
さ）は何ら変更する必要がな〈従来のものと同様にしで
ある。

上記構成において、前述の場合と同様に支承部６Ｂ 、
７Ｂに摩擦パッド１１を支承させてディスクブレーキの
組付けを行う場合、例え摩擦パッド１１がその裏金１０
とアウタービーム５の内面５Ａとが当接する位置に１で
押し下げられても、突起１４．１５に形成された延長支
承部６Ｃ、７Ｃがアウタービーム５の内面５Ａを越えた
長さに延長されているため、裏金１０のつば部１０ａ。

１０ｂが延長支承部６Ｃ，７Ｃ上に載り、該裏金１０が
延長支承部６Ｃ，７Ｃより外れるということは皆無とな
り、組付作業中に摩擦パッド１１がキャリアより脱落す
ることはない。

なお、突起１４．１５（支承部６Ｃ，７Ｃ）は、その先
端１４Ａ、１５Ａが少くともアウタービーム５の内面５
Ａよりもディスク３より離れる方向に延長していればよ
い。

本考案は以上述べたように、アウタービーム側の支承部
分を延長して、摩擦パッドの裏金とアウタービームとが
当接する位置においても、この裏金を確実に支承するよ
うにしたので、ディスクブレーキの組付時にキャリアよ
シ摩擦パッドが脱落することはなく、組付作業を能率良
く行うことができる。

また、アウタービーム側の支承部分を腕部より突出させ
た突起により延長するようにしたので、腕部を若干設計
変更するだけで本考案を適用することができると共に、
重量増加を僅少にすることができ価格的にも低廉なもの
ができる。

更には、キャリア全体が大きなものとならないので、取
付スペースの増大を来すことなく、取付スペースの面で
の自由度を損うこともない等種々の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は従来のディスクブレーキ用キャリ
アを示すもので、第１図はその正面図、第２図は平面図
、第３図は第２図■−■線に釦ける断面図である。 捷た、第４図ないし第６図は本考案によるディスクブレ
ーキ用キャリアを示すもので、第４図はその正面図、第
５図は平面図、第６図は第５図ＶＩ−ＶＩ線における断
面図である。 １．２・・・腕部、３・・・ディスク、４・・・インナ
ービーム、５・・・アウタービーム、６Ａ、６Ｂ、７Ａ
。 ７Ｂ・・・支承部、６Ｃ，７Ｃ・・・延長支承部、８，
１０・・・裏金、９．１１・・・摩擦パッド、１４．１
５・・・突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ディスクを跨いでその円周方向に所定間隔で配置される
   一対の腕部と、ディスクの一面側に設けられ、前記両腕
   部を連結するインナービームと、ディスクの他面側に設
   けられ、前記両腕部を連結するアウタービームと、互い
   に平行と々るように相対峙して前記腕部に設けられ、該
   腕部間にディスクを挾む一対の摩擦パッドをディスクの
   軸方向に移動自在に支承する支承部と、備え、前記アウ
   タービーム内面が、前記ディスク他面側にある摩擦パッ
   ドの背面に臨んでなるディスクブレーキ用キャリアにお
   いて、 前記腕部は、前記アウタービームの内面を越えて前記デ
   ィスクから離れる方向へ延びる突起を有し、該突起に前
   記支承部につづく延長支承部を形成したことを特徴とす
   るディスクブレーキ用キャリア。