WO2024014302A1

WO2024014302A1 - ディスクブレーキ

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Publication number: WO2024014302A1
Application number: PCT/JP2023/024218
Authority: WO
Inventors: 貴仁長田; 祥一野口
Original assignee: 日立Astemo株式会社
Priority date: 2022-07-14
Filing date: 2023-06-29
Publication date: 2024-01-18

Abstract

ディスクブレーキにおいて、ディスク（１０）の軸方向においてアウタビーム部（３２）と対向する位置に設けられた摩擦パッド（２３）をディスク（１０）の径方向に対し所定の角度傾斜させた状態で、摩擦材（２１２）のディスク（１０）側の面（３２１）におけるディスク（１０）の軸方向の端部とディスク（１０）とが当接する当接部（３８１）と、溝部と耳部とが接触する接触部と、を有する状態で、アウタビーム部（３２）と、摩擦パッド（２３）と、が当接する箇所に切欠部（３１１）が設けられた。

Description

ディスクブレーキ

　本発明は、ディスクブレーキに関する。
　本願は、２０２２年７月１４日に、日本に出願された特願２０２２－１１２９１４号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　制動時において摩擦パッドの挙動を安定させブレーキ鳴きの発生を抑制するために、摩擦パッドの裏板と、摩擦パッドを押圧する部材と、の間にシムを設ける技術が開示されている（例えば、特許文献１参照）。

特開２００３－３４３６１４号公報

　キャリアへの摩擦パッドの組み付け性の低下を抑制することが求められている。

　本発明は、キャリアへの摩擦パッドの組み付け性の低下を抑制することができるディスクブレーキを提供する。

　本発明に係る第１の態様によれば、ディスクブレーキは、摩擦パッドと、キャリアと、を有する。摩擦パッドは、ピストンの推力によってディスクの方向へ移動させられるプレートと、前記プレートにおける前記ディスク側の面に設けられる摩擦材と、前記プレートにおける前記摩擦材とは反対側の面に設けられるシムと、前記シムに設けられる切欠部と、前記プレートの長手方向において少なくとも片側に突設される耳部と、を有する。キャリアは、前記ディスクを跨ぎ前記ディスクの周方向に離間して設けられる一対のブリッジ部と、前記ブリッジ部に設けられる溝部と、前記一対のブリッジ部を連結し、前記ディスクの軸方向において前記摩擦パッドと対向する位置に設けられるアウタビーム部と、を有する。前記ディスクの軸方向において前記アウタビーム部と対向する位置に設けられた前記摩擦パッドを前記ディスクの径方向に対し所定の角度傾斜させた状態で、前記摩擦材の前記ディスク側の面における前記ディスクの軸方向の端部と、前記ディスクとが当接する当接部と、前記溝部と前記耳部とが接触する接触部と、を有する状態で、前記アウタビーム部と、前記摩擦パッドと、が当接する箇所に前記切欠部が設けられている。

　上記した態様によれば、キャリアへの摩擦パッドの組み付け性の低下を抑制することができる。

第１実施形態のディスクブレーキを示す正面図。第１実施形態のディスクブレーキを示す断面図。第１実施形態のディスクブレーキを示す部分拡大正面図。第１実施形態のディスクブレーキを示す部分拡大正面図。第１実施形態のディスクブレーキの第１パッドスプリングを示す斜視図。第１実施形態のディスクブレーキの第１パッドスプリングを示す正面図。第１実施形態のディスクブレーキのアウタ側摩擦パッドを示す正面図。第１実施形態のディスクブレーキのキャリアへのアウタ側摩擦パッドの組み付け過程を示す片側斜視図。第１実施形態のディスクブレーキのキャリアへのアウタ側摩擦パッドの組み付け過程を示す片側斜視図。第１実施形態のディスクブレーキのキャリアへのアウタ側摩擦パッドの組み付け過程を示す断面図。第１実施形態のディスクブレーキのキャリアへのアウタ側摩擦パッドの組み付け過程を示す部分拡大断面図。第１実施形態のディスクブレーキのシムの切欠部の設定について説明する模式図。第１実施形態のディスクブレーキのシムの切欠部の設定について説明する模式図。第１実施形態のディスクブレーキのシムの切欠部の設定について説明する模式図。第２実施形態のディスクブレーキのキャリアへのアウタ側摩擦パッドの組み付け過程を示す片側斜視図。第２実施形態のディスクブレーキのキャリアへのアウタ側摩擦パッドの組み付け過程を示す片側斜視図。第２実施形態のディスクブレーキの第１シムおよび第２シムを示す正面図。第２実施形態のディスクブレーキの第１シムおよび第２シムを示す図１８のＸＶＩＩＩ－ＸＶＩＩＩ断面図。第２実施形態のディスクブレーキのキャリアへのアウタ側摩擦パッドの組み付け過程を示す断面図。

［第１実施形態］
　第１実施形態を図１～図１４を参照して以下に説明する。
　図１および図２に示す実施形態のディスクブレーキ１は、自動車等の車両に制動力を付与する。ディスクブレーキ１は、具体的には四輪自動車の制動用のものである。ディスクブレーキ１は、車両の図示略の車輪と共に回転する円板状のディスク１０の回転を制動する。

　以下、ディスク１０の回転の中心である回転軸線をディスク回転軸線と称す。また、ディスク回転軸線の延びる方向をディスク軸方向と称す。ディスクブレーキ１内におけるディスク１０の径方向すなわちディスク回転軸線と直交する方向をディスク径方向と称す。
　ディスクブレーキ１内におけるディスク回転軸線に対する周方向すなわちディスク１０の回転方向をディスク周方向またはディスク回転方向と称す。車両前進時のディスクブレーキ１内におけるディスク１０の回転方向Ｒの出口側をディスク回転方向第１側とし、車両前進時のディスクブレーキ１内におけるディスク１０の回転方向の入口側をディスク回転方向第２側とする。ディスク径方向におけるディスク回転軸線側をディスク径方向内側と称す。ディスク径方向におけるディスク回転軸線とは反対側をディスク径方向外側と称す。ディスクブレーキ１内におけるディスク周方向の中央側をディスク周方向内側と称す。
　ディスクブレーキ１内におけるディスク周方向の中央とは反対側をディスク周方向外側と称す。このディスクブレーキ１が設けられた車両の車幅方向における外側をアウタ側と称す。このディスクブレーキ１が設けられた車両の車幅方向における内側をインナ側と称す。

　ディスクブレーキ１は、キャリア１１と、キャリパ１２と、を有している。キャリア１１は、キャリア本体２０と、図１に示す一対の第１パッドスプリング２１および第２パッドスプリング２２と、を有している。また、ディスクブレーキ１は、アウタ側摩擦パッド２３（摩擦パッド）と、図２に示すインナ側摩擦パッド２４と、を有している。

　ディスク回転軸線と、キャリア本体２０およびキャリパ１２のディスク周方向の中央とを通ってディスク径方向に沿う線をディスク径方向基準線と称す。このディスク径方向基準線はディスク回転軸線に直交する。このディスク径方向基準線とディスク回転軸線とを含む平面をディスク径方向基準面と称す。

　キャリア１１は、車両の車輪を支持する非回転の図示略のナックルに取り付けられる。
　キャリア１１は、ディスク１０の外周側を、ディスク軸方向に跨いだ状態で図示略のナックルに固定される。キャリア１１は、ディスクブレーキ１において、ディスクブレーキ１とは別の車両部品であるナックルに取り付けられる取付部材である。

　キャリア本体２０は、金属製である。キャリア本体２０は、継ぎ目なく一体成形されている。図１に示すように、キャリア本体２０は、固定部３１と、アウタビーム部３２と、一対の第１ブリッジ部３３（ブリッジ部）および第２ブリッジ部３４（ブリッジ部）と、を備えている。キャリア本体２０は、ディスク径方向基準面を基準とする鏡面対称の形状となっている。言い換えれば、ディスク径方向基準線およびディスク径方向基準面がキャリア本体２０のディスク周方向における中央位置を通る。

　図２に示すように、固定部３１は、ディスク１０に対しディスク軸方向の一側に設けられる。固定部３１は、図示略のナックルと対向する位置に設けられる。固定部３１は、図１に示すようにディスク周方向に延びる状態で、図示略のナックルに取り付けられる。言い換えれば、固定部３１は、ディスク軸方向においてディスク１０と図示略のナックルとの間に設けられる。ここで、キャリア本体２０が取り付けられる図示略のナックルは、ディスク１０に対しディスク軸方向のインナ側に配置されている。よって、このナックルに取り付けられる固定部３１も、図２に示すように、ディスク１０に対しディスク軸方向のインナ側に配置される。固定部３１は、ディスク１０にディスク軸方向において対向する。

　図１に示すように、固定部３１は、ディスク径方向基準面を基準とする鏡面対称の形状となっている。固定部３１は、第１取付部４１と、第２取付部４２と、インナ側接続部４３と、を備えている。

　第１取付部４１は、固定部３１におけるディスク回転方向第１側の端部にある。第１取付部４１は、第１取付孔部４５を有している。第１取付孔部４５は、第１取付部４１をディスク軸方向に沿って貫通している。

　第２取付部４２は、固定部３１におけるディスク回転方向第２側の端部にある。第２取付部４２は、第２取付孔部４６を有している。第２取付孔部４６は、第１取付部４１をディスク軸方向に沿って貫通している。

　インナ側接続部４３は、ディスク回転方向に延びて第１取付部４１と第２取付部４２とを繋いでいる。

　第１ブリッジ部３３と、第２ブリッジ部３４とは、ディスク径方向基準面を基準とする鏡面対称の形状となっている。
　第１ブリッジ部３３は、第１インナ側延出部５１と、第１ブリッジ本体部５２と、第１アウタ側延出部５３と、を有している。

　第１インナ側延出部５１は、固定部３１の第１取付部４１からディスク径方向外側に延びている。第１インナ側延出部５１は、ディスク１０に対してディスク軸方向のインナ側に配置されている。第１インナ側延出部５１は、ディスク１０にディスク軸方向において対向する。

　第１ブリッジ本体部５２は、第１インナ側延出部５１のディスク径方向外側の端部からディスク軸方向に沿ってアウタ側に延びると共にインナ側にも突出している。第１ブリッジ本体部５２は、アウタ側に延びる部分がディスク１０の径方向外側を、ディスク軸方向に跨いでいる。第１ブリッジ本体部５２には、ディスク軸方向におけるインナ側の端面から、ディスク軸方向に延びる図示略の第１キャリパ支持孔が、第１ブリッジ本体部５２の途中位置まで形成されている。

　第１アウタ側延出部５３は、第１ブリッジ本体部５２のアウタ側の端部からディスク径方向内側に延びている。第１アウタ側延出部５３は、ディスク１０に対してディスク軸方向のアウタ側に配置されている。第１アウタ側延出部５３は、ディスク１０にディスク軸方向において対向する。

　第１アウタ側延出部５３は、そのディスク周方向内側に第１アウタ側係止部５５が形成されている。第１アウタ側係止部５５は、第１アウタ側延出部５３のディスク周方向内側の端面からディスク周方向外側に凹んだ形状である。第１アウタ側係止部５５は、第１アウタ側延出部５３をディスク軸方向に貫通している。

　図３に示すように、第１アウタ側係止部５５は、第１アウタ側底面５６と、第１アウタ側内側壁面５７と、第１アウタ側外側壁面５８と、を有している。

　第１アウタ側底面５６は、第１アウタ側係止部５５におけるディスク周方向外側の端部にある。言い換えれば、第１アウタ側底面５６は、第１アウタ側係止部５５における凹み方向奥側の端部にある。第１アウタ側底面５６は、ディスク径方向基準面に平行に広がる平面状である。

　第１アウタ側内側壁面５７は、第１アウタ側底面５６のディスク径方向内側の端縁部からディスク周方向内側に広がっている。第１アウタ側内側壁面５７は、ディスク径方向基準線に垂直に広がる平面状である。

　第１アウタ側外側壁面５８は、第１アウタ側底面５６のディスク径方向外側の端縁部からディスク周方向内側に広がっている。第１アウタ側外側壁面５８は、ディスク径方向基準線に垂直に広がる平面状である。第１アウタ側内側壁面５７と第１アウタ側外側壁面５８とは、平行であり、対向している。

　ここで、図示は略すが、第１インナ側延出部５１にも、第１アウタ側延出部５３の第１アウタ側係止部５５と同様の形状の第１インナ側係止部が形成されている。この第１インナ側係止部は、第１インナ側延出部５１のディスク周方向内側の端面からディスク周方向外側に凹んだ形状である。この第１インナ側係止部は、第１インナ側延出部５１をディスク軸方向に貫通している。この第１インナ側係止部は、第１アウタ側底面５６と同一平面に配置される図示略の第１インナ側底面と、第１アウタ側内側壁面５７と同一平面に配置される図示略の第１インナ側内側壁面と、第１アウタ側外側壁面５８と同一平面に配置される図示略の第１インナ側外側壁面と、を有している。

　第１インナ側延出部５１と第１ブリッジ本体部５２と第１アウタ側延出部５３とを有する第１ブリッジ部３３は、ディスク１０をディスク軸方向に跨いでいる。

　図４に示すように、第２ブリッジ部３４は、第２インナ側延出部６１と、第２ブリッジ本体部６２と、第２アウタ側延出部６３と、を有している。

　第２インナ側延出部６１は、固定部３１の第２取付部４２からディスク径方向外側に延びている。第２インナ側延出部６１は、ディスク１０に対してディスク軸方向のインナ側に配置されている。第２インナ側延出部６１は、ディスク１０にディスク軸方向において対向する。

　第２ブリッジ本体部６２は、第２インナ側延出部６１のディスク径方向外側の端部からディスク軸方向に沿ってアウタ側に延びると共にインナ側にも突出している。第２ブリッジ本体部６２は、アウタ側に延びる部分がディスク１０の径方向外側を、ディスク軸方向に跨いでいる。第２ブリッジ本体部６２には、ディスク軸方向におけるインナ側の端面から、ディスク軸方向に延びる図示略の第２キャリパ支持孔が、第２ブリッジ本体部６２の途中位置まで形成されている。

　第２アウタ側延出部６３は、第２ブリッジ本体部６２のアウタ側の端部からディスク径方向内側に延びている。第２アウタ側延出部６３は、ディスク１０に対してディスク軸方向のアウタ側に配置されている。第２アウタ側延出部６３は、ディスク１０にディスク軸方向において対向する。

　第２アウタ側延出部６３は、そのディスク周方向内側に第２アウタ側係止部６５が形成されている。第２アウタ側係止部６５は、第２アウタ側延出部６３のディスク周方向内側の端面からディスク周方向外側に凹んだ形状である。第２アウタ側係止部６５は、第２アウタ側延出部６３をディスク軸方向に貫通している。

　第２アウタ側係止部６５は、第２アウタ側底面６６と、第２アウタ側内側壁面６７と、第２アウタ側外側壁面６８と、を有している。

　第２アウタ側底面６６は、第２アウタ側係止部６５におけるディスク周方向外側の端部にある。言い換えれば、第２アウタ側底面６６は、第２アウタ側係止部６５における凹み方向奥側の端部にある。第２アウタ側底面６６は、ディスク径方向基準面に平行に広がる平面状である。

　第２アウタ側内側壁面６７は、第２アウタ側底面６６のディスク径方向内側の端縁部からディスク周方向内側に広がっている。第２アウタ側内側壁面６７は、ディスク径方向基準線に垂直に広がる平面状である。

　第２アウタ側外側壁面６８は、第２アウタ側底面６６のディスク径方向外側の端縁部からディスク周方向内側に広がっている。第２アウタ側外側壁面６８は、ディスク径方向基準線に垂直に広がる平面状である。第２アウタ側内側壁面６７と第２アウタ側外側壁面６８とは、平行であり、対向している。

　図３に示す第１アウタ側底面５６と図４に示す第２アウタ側底面６６とは、ディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて平行に配置されている。図３に示す第１アウタ側内側壁面５７と図４に示す第２アウタ側内側壁面６７とは、ディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて同一平面に配置されている。図３に示す第１アウタ側外側壁面５８と図４に示す第２アウタ側外側壁面６８とは、ディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて同一平面に配置されている。

　ここで、図示は略すが、第２インナ側延出部６１にも、第２アウタ側延出部６３の第２アウタ側係止部６５と同様の形状の第２インナ側係止部が形成されている。この第２インナ側係止部は、第２インナ側延出部６１のディスク周方向内側の端面からディスク周方向外側に凹んだ形状である。この第２インナ側係止部は、第２インナ側延出部６１をディスク軸方向に貫通している。この第２インナ側係止部は、第２アウタ側底面６６と同一平面に配置される図示略の第２インナ側底面と、第２アウタ側内側壁面６７と同一平面に配置される図示略の第２インナ側内側壁面と、第２アウタ側外側壁面６８と同一平面に配置される図示略の第２インナ側外側壁面と、を有している。

　第２インナ側延出部６１と第２ブリッジ本体部６２と第２アウタ側延出部６３とを有する第２ブリッジ部３４は、ディスク１０をディスク軸方向に跨いでいる。
　一対の第１ブリッジ部３３および第２ブリッジ部３４は、いずれもディスク１０を跨ぎ、図１に示すように、互いにディスク１０の周方向に離間して設けられている。

　アウタビーム部３２は、第１ブリッジ部３３の第１アウタ側延出部５３のディスク径方向内側の端部と、第２ブリッジ部３４の第２アウタ側延出部６３のディスク径方向内側の端部と、を繋いでいる。言い換えれば、アウタビーム部３２は、一対の第１ブリッジ部３３および第２ブリッジ部３４を連結している。アウタビーム部３２は、図２に示すように、ディスク１０に対しディスク軸方向のアウタ側に設けられる。アウタビーム部３２は、ディスク１０にディスク軸方向において対向する。アウタビーム部３２は、図１に示すようにディスク周方向に延びている。アウタビーム部３２は、ディスク径方向基準面を基準とする鏡面対称の形状となっている。

　アウタビーム部３２は、第１基端延出部８１（直線部）と、第２基端延出部８２（直線部）と、アウタ側接続部８３（凸部，弧状部）と、を備えている。

　第１基端延出部８１は、アウタビーム部３２におけるディスク回転方向第１側の端部にある。第１基端延出部８１は、第１ブリッジ部３３の第１アウタ側延出部５３のディスク径方向内側の端部から、ディスク周方向内側に延出している。第１基端延出部８１は、ディスク径方向基準面に垂直な直線形状である。

　第１基端延出部８１は、ディスク径方向外側に第１外面部９１を有している。第１外面部９１は、ディスク径方向基準線に垂直に広がる平面状である。
　第１基端延出部８１は、ディスク径方向内側に第１内面部９２を有している。第１内面部９２は、ディスク径方向基準線に垂直に広がる平面状である。

　第２基端延出部８２は、アウタビーム部３２におけるディスク回転方向第２側の端部にある。第２基端延出部８２は、第２ブリッジ部３４の第２アウタ側延出部６３のディスク径方向内側の端部から、ディスク周方向内側に延出している。第２基端延出部８２は、ディスク径方向基準面に垂直な直線形状である。第１基端延出部８１と第２基端延出部８２とは同一直線上に配置されている。

　第２基端延出部８２は、ディスク径方向外側に第２外面部９５を有している。第２外面部９５は、ディスク径方向基準線に垂直に広がる平面状である。第２外面部９５は、第１外面部９１とディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて同一平面上に配置されている。

　第２基端延出部８２は、ディスク径方向内側に第２内面部９６を有している。第２内面部９６は、ディスク径方向基準線に垂直に広がる平面状である。第２内面部９６は、第１内面部９２とディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて同一平面上に配置されている。

　アウタ側接続部８３は、アウタビーム部３２におけるディスク回転方向の中央位置に設けられている。アウタ側接続部８３は、第１基端延出部８１のディスク周方向内側の端部と、第２基端延出部８２のディスク周方向内側の端部とを繋いでいる。アウタ側接続部８３は、ディスク回転軸線を中心とする円弧状である。アウタ側接続部８３は、ディスク径方向外側への凸状の弧状部である。アウタ側接続部８３は、ディスク径方向外側への凸部である。アウタ側接続部８３は、ディスク周方向の内側ほど、ディスク径方向基準線の方向において、ディスク径方向外側に位置する。アウタ側接続部８３は、ディスク周方向の中央位置が、ディスク径方向基準線の方向において、最もディスク径方向外側に位置する。

　アウタ側接続部８３は、その円周方向の一端部が、第１基端延出部８１の第１内面部９２のディスク周方向内側の端部まで延びており、その円周方向の他端部が第２基端延出部８２の第２内面部９６のディスク周方向内側の端部まで延びている。アウタ側接続部８３は、その円周方向の一端側かつディスク径方向内側の第１端面部１０１が、平面状であり、第１基端延出部８１の第１内面部９２と同一平面に配置されて連続している。アウタ側接続部８３は、その円周方向の他端側かつディスク径方向内側の第２端面部１０２が平面状であり、第２基端延出部８２の第２内面部９６と同一平面に配置されて連続している。
　第１端面部１０１と第２端面部１０２とは、ディスク軸方向およびディスク径方向の位置を合わせて同一平面に配置されている。

　アウタ側接続部８３は、ディスク径方向外側に外側接続面部１０５を有している。外側接続面部１０５は、第１外面部９１のディスク周方向内側の端縁部と、第２外面部９５のディスク周方向内側の端縁部と、を繋いでいる。外側接続面部１０５は、ディスク回転軸線を中心とする円筒面の一部の形状である。外側接続面部１０５は、ディスク径方向外側に膨出する円弧状の形状を有する。外側接続面部１０５は、ディスク周方向の内側ほど、ディスク径方向基準線の方向において、ディスク径方向外側に位置する。外側接続面部１０５は、ディスク周方向の中央位置が、ディスク径方向基準線の方向において、最もディスク径方向外側に位置する。

　アウタ側接続部８３は、ディスク径方向内側に内側接続面部１０６を有している。内側接続面部１０６は、第１端面部１０１のディスク周方向内側の端縁部と、第２端面部１０２のディスク周方向内側の端縁部と、を繋いでいる。内側接続面部１０６は、ディスク回転軸線を中心とする円筒面の一部の形状である。内側接続面部１０６は、ディスク径方向内側に円弧状に凹む。内側接続面部１０６は、ディスク周方向の内側ほど、ディスク径方向基準線の方向において、ディスク径方向外側に位置する。内側接続面部１０６は、ディスク周方向の中央位置が、ディスク径方向基準線の方向において、最もディスク径方向外側に位置する。

　アウタ側接続部８３は、ディスク軸方向のディスク１０側、すなわちインナ側に、いずれもディスク軸方向に見て円弧状をなす、図２に示す外周側面部１１１と、内周側面部１１２と、を有している。
　外周側面部１１１は、ディスク回転軸線を中心とする円錐面の一部の形状である。言い換えれば、外周側面部１１１は、ディスク回転軸線を中心とするテーパ面状である。外周側面部１１１は、外側接続面部１０５のディスク軸方向のインナ側の端縁部からディスク径方向内方に広がっている。外周側面部１１１は、ディスク径方向内側ほどディスク軸方向のインナ側に位置するように傾斜している。外周側面部１１１は、その円周方向の一端縁部が、図１に示す第１端面部１０１まで延びて第１端面部１０１に繋がっており、その円周方向の他端縁部が第２端面部１０２まで延びて第２端面部１０２に繋がっている。

　図２に示す内周側面部１１２は、ディスク回転軸線に垂直な平面状である。内周側面部１１２は、外周側面部１１１のディスク径方向内側の端縁部からディスク径方向内方に広がっている。内周側面部１１２は、その円周方向の一端縁部が図１に示す第１端面部１０１まで延びて第１端面部１０１に繋がっている。内周側面部１１２は、その円周方向の他端縁部が第２端面部１０２まで延びて第２端面部１０２に繋がっている。

　図２に示すように、外周側面部１１１と外側接続面部１０５とで、これらの境界位置に、図２～図４に太破線で強調して示すエッジ部１１５が形成される。エッジ部１１５は、ディスク回転軸線を中心とする円弧状の形状を有する。エッジ部１１５も、図１に示すように、その円周方向の一端縁部が第１端面部１０１まで延びて第１端面部１０１に繋がっており、その円周方向の他端縁部が第２端面部１０２まで延びて第２端面部１０２に繋がっている。エッジ部１１５は、図２に示す外周側面部１１１と外側接続面部１０５との交点が、図１に示すようにアウタビーム部３２の軌跡によりなす連続線となっている。

　アウタ側接続部８３は、その円周方向において、第１基端延出部８１および第２基端延出部８２と重ならない部分が、この部分の円周方向、すなわちこの部分の延在方向に対して垂直方向の断面形状が一定となっている。

　第１基端延出部８１のディスク軸方向のインナ側の端面は、図２に示す外周側面部１１１よりもディスク軸方向のアウタ側に配置されている。図１に示す第２基端延出部８２のディスク軸方向のインナ側の端面も、図２に示す外周側面部１１１よりもディスク軸方向のアウタ側に配置されている。

　以上により、アウタビーム部３２は、図１に示すように、ディスク径方向への凸部であるアウタ側接続部８３を有している。アウタビーム部３２は、ディスク径方向外側へ凸状の弧状部であるアウタ側接続部８３を有している。アウタビーム部３２は、いずれも直線形状である直線部である、第１基端延出部８１および第２基端延出部８２を有している。

　ここで、アウタビーム部３２の全部をアウタ側接続部８３としても良い。その場合、アウタビーム部３２の全部がアウタビーム部３２の延在方向に対して垂直方向の断面形状が一定となる。すなわち、アウタビーム部３２の少なくとも一部がアウタ側接続部８３を有していれば良い。また、アウタビーム部３２の少なくとも一部が、アウタビーム部３２の延在方向に対して垂直方向の断面形状が一定であれば良い。

　また、アウタビーム部３２の全部を第１基端延出部８１および第２基端延出部８２として、これらを連続させても良い。すなわち、アウタビーム部３２の少なくとも一部が第１基端延出部８１および第２基端延出部８２を有していれば良い。

　一対の第１パッドスプリング２１および第２パッドスプリング２２は、同形状の共通部品である。このため、第１パッドスプリング２１を例にとり説明する。

　図５および図６に示すように、第１パッドスプリング２１は、鏡面対称の形状を有する。第１パッドスプリング２１は、一定厚さの一枚の板材からプレス成形により形成される。第１パッドスプリング２１は、一対のパッド支持部１４１およびパッド支持部１４１と、一対のパッド支持部１４１およびパッド支持部１４１を接続する接続部１４２と、を有している。

　なお、一つの第１パッドスプリング２１において、一対のパッド支持部１４１およびパッド支持部１４１は、鏡面対称の形状を有している。このため、一方のパッド支持部１４１について説明する。

　パッド支持部１４１は、外端板部１５１と、外側支持板部１５２と、外側ガイド板部１５３と、先端板部１５４と、中間板部１５５と、ガイド板部１５６と、ベース板部１５７と、付勢板部１５８を有している。

　外端板部１５１は、パッド支持部１４１において最も接続部１４２側にある。外端板部１５１は、平板状の形状を有する。
　外側支持板部１５２は、平板状の形状を有する。外側支持板部１５２は、外端板部１５１の接続部１４２とは反対側の端縁部から外端板部１５１に垂直に延出している。

　外側ガイド板部１５３は、平板状の形状を有する。一方のパッド支持部１４１の外側ガイド板部１５３は、この一方のパッド支持部１４１の外側支持板部１５２における他方のパッド支持部１４１とは反対側の端縁部から、この他方のパッド支持部１４１とは反対側に延出している。外側ガイド板部１５３は、延出先端側ほど、外側支持板部１５２の厚さ方向において、接続部１４２側に位置するように、外側支持板部１５２に対して傾斜している。外側ガイド板部１５３と外側支持板部１５２との境界線は、外端板部１５１に垂直な直線状の形状を有する。

　先端板部１５４は、平板状である。先端板部１５４は、外側ガイド板部１５３の外側支持板部１５２とは反対側の端縁部から、外側支持板部１５２の厚さ方向において、接続部１４２側に延出している。先端板部１５４と外側ガイド板部１５３との境界線は、外端板部１５１に垂直な直線状の形状を有する。

　中間板部１５５は、平板状の形状を有する。中間板部１５５は、外側支持板部１５２の外端板部１５１とは反対側の端縁部から外側支持板部１５２に垂直に外端板部１５１から離れる方向に延出している。中間板部１５５は、外端板部１５１と平行に広がっている。

　ガイド板部１５６は、平板状の形状を有する。一方のパッド支持部１４１のガイド板部１５６は、この一方のパッド支持部１４１の中間板部１５５における他方のパッド支持部１４１とは反対側の端縁部から、この他方のパッド支持部１４１とは反対側に延出している。ガイド板部１５６は、延出先端側ほど、中間板部１５５の厚さ方向において、外側支持板部１５２とは反対側に位置するように、中間板部１５５に対して傾斜している。

　ベース板部１５７は、平板状の形状を有する。ベース板部１５７は、中間板部１５５の外側支持板部１５２とは反対側の端部から中間板部１５５に垂直に外側支持板部１５２と同側に延出している。ベース板部１５７は、外側支持板部１５２と平行に広がっている。

　外側支持板部１５２と外側ガイド板部１５３と中間板部１５５とガイド板部１５６とベース板部１５７とが、全体として外端板部１５１から凹む形状をなす嵌合凹状部１６１を構成している。

　一方のパッド支持部１４１の付勢板部１５８は、この一方のパッド支持部１４１のベース板部１５７における他方のパッド支持部１４１とは反対側の端縁部から、この他方のパッド支持部１４１とは反対側に延出しつつ外側支持板部１５２側に折り返されてベース板部１５７の外側支持板部１５２側に配置されている。

　付勢板部１５８は、折返部１７１と、内側支持板部１７２と、を有している。
　一方のパッド支持部１４１の折返部１７１は、ベース板部１５７の他方のパッド支持部１４１とは反対側の端部から外側支持板部１５２側に円弧状に折り返しつつ延出している。

　一方のパッド支持部１４１の内側支持板部１７２は、一方のパッド支持部１４１の折返部１７１の延出側の端部から他方のパッド支持部１４１の方向に直線状に延出している。
　内側支持板部１７２は、折返部１７１からの延出先端側ほど、ベース板部１５７の厚さ方向においてベース板部１５７から離れるように傾斜している。

　以上に述べた一方のパッド支持部１４１と、これと鏡面対称状をなす他方のパッド支持部１４１とを接続部１４２が繋いでいる。
　接続部１４２は、接続板部１７５と、位置決め部１７６とを、有している。

　接続板部１７５は、一対のパッド支持部１４１およびパッド支持部１４１のそれぞれの外端板部１５１の外側支持板部１５２とは反対側同士を接続している。
　位置決め部１７６は、一対のパッド支持部１４１とパッド支持部１４１との間に設けられている。位置決め部１７６は、接続板部１７５の外端板部１５１側の端縁部から外側支持板部１５２と同側に延出している。

　図３に示すように、第１パッドスプリング２１は、キャリア本体２０のディスク回転方向第１側にある第１ブリッジ部３３に取り付けられる。その際に、第１パッドスプリング２１は、接続部１４２を一対のパッド支持部１４１およびパッド支持部１４１よりもディスク径方向外側に配置した状態で、一方のパッド支持部１４１の凹状の嵌合凹状部１６１を、第１アウタ側延出部５３の第１アウタ側係止部５５に嵌合させ、他方のパッド支持部１４１の凹状の嵌合凹状部１６１を、第１インナ側延出部５１の図示略の第１インナ側係止部に嵌合させる。それと共に、第１パッドスプリング２１は、位置決め部１７６を第１インナ側延出部５１と第１アウタ側延出部５３との間に嵌合させる。このようにして、第１パッドスプリング２１が、キャリア本体２０に位置決めされて取り付けられる。

　この状態で、第１パッドスプリング２１は、第１アウタ側係止部５５に嵌合するアウタ側の嵌合凹状部１６１のベース板部１５７が、この嵌合凹状部１６１のディスク径方向内側に配置されて第１アウタ側係止部５５の第１アウタ側内側壁面５７に当接する。また、この状態で、第１パッドスプリング２１は、アウタ側の嵌合凹状部１６１の外側支持板部１５２が、この嵌合凹状部１６１のディスク径方向外側に配置されて第１アウタ側係止部５５の第１アウタ側外側壁面５８に面接触で当接する。また、この状態で、第１パッドスプリング２１は、アウタ側の嵌合凹状部１６１の中間板部１５５が、この嵌合凹状部１６１のディスク周方向の外側に配置されて第１アウタ側係止部５５の奥側の第１アウタ側底面５６に面接触で当接する。

　また、この状態で、第１パッドスプリング２１は、図示略の第１インナ側係止部に嵌合するインナ側の嵌合凹状部１６１のベース板部１５７が、この嵌合凹状部１６１のディスク径方向内側に配置されて図示略の第１インナ側内側壁面に当接する。また、この状態で、第１パッドスプリング２１は、インナ側の嵌合凹状部１６１の外側支持板部１５２が、この嵌合凹状部１６１のディスク径方向外側に配置されて図示略の第１インナ側外側壁面に面接触で当接する。また、この状態で、第１パッドスプリング２１は、インナ側の嵌合凹状部１６１の中間板部１５５が、この嵌合凹状部１６１のディスク周方向の外側に配置されて図示略の第１インナ側底面に面接触で当接する。

　第１パッドスプリング２１は、このように第１インナ側延出部５１および第１アウタ側延出部５３に取り付けられた状態で、図示略の第１インナ側係止部および第１アウタ側係止部５５に嵌合している一対の嵌合凹状部１６１がディスク周方向外方に凹む形状となる。

　第１パッドスプリング２１は、このときのアウタ側の嵌合凹状部１６１の内側における外側支持板部１５２および外側ガイド板部１５３と、付勢板部１５８との間が、アウタ側第１溝部１８１（溝部）となる。

　また、第１パッドスプリング２１は、このときのインナ側の嵌合凹状部１６１の内側における外側支持板部１５２および外側ガイド板部１５３と、付勢板部１５８との間が、図示略のインナ側第１溝部となる。

　図４に示すように、第２パッドスプリング２２は、キャリア本体２０のいずれもディスク回転方向第２側にある第２インナ側延出部６１および第２アウタ側延出部６３に取り付けられる。その際に、第２パッドスプリング２２は、接続部１４２を一対のパッド支持部１４１よりもディスク径方向外側に配置した状態で、一方のパッド支持部１４１の凹状の嵌合凹状部１６１を、第２アウタ側延出部６３の第２アウタ側係止部６５に嵌合させ、他方のパッド支持部１４１の凹状の嵌合凹状部１６１を、第２インナ側延出部６１の図示略の第２インナ側係止部に嵌合させる。それと共に、第２パッドスプリング２２は、位置決め部１７６を第２インナ側延出部６１と第２アウタ側延出部６３との間に嵌合させる。このようにして、第２パッドスプリング２２が、キャリア本体２０に位置決めされて取り付けられる。

　この状態で、第２パッドスプリング２２は、第２アウタ側係止部６５に嵌合するアウタ側の嵌合凹状部１６１のベース板部１５７が、この嵌合凹状部１６１のディスク径方向内側に配置されて第２アウタ側係止部６５の第２アウタ側内側壁面６７に当接する。また、この状態で、第２パッドスプリング２２は、アウタ側の嵌合凹状部１６１の外側支持板部１５２が、この嵌合凹状部１６１のディスク径方向外側に配置されて第２アウタ側係止部６５の第２アウタ側外側壁面６８に面接触で当接する。また、この状態で、第２パッドスプリング２２は、アウタ側の嵌合凹状部１６１の中間板部１５５が、この嵌合凹状部１６１のディスク周方向の外側に配置されて第２アウタ側係止部６５の奥側の第２アウタ側底面６６に面接触で当接する。

　また、この状態で、第２パッドスプリング２２は、図示略の第２インナ側係止部に嵌合するインナ側の嵌合凹状部１６１のベース板部１５７が、この嵌合凹状部１６１のディスク径方向内側に配置されて図示略の第２インナ側内側壁面に当接する。また、この状態で、第２パッドスプリング２２は、インナ側の嵌合凹状部１６１の外側支持板部１５２が、この嵌合凹状部１６１のディスク径方向外側に配置されて図示略の第２インナ側外側壁面に面接触で当接する。また、この状態で、第２パッドスプリング２２は、インナ側の嵌合凹状部１６１の中間板部１５５が、この嵌合凹状部１６１のディスク周方向の外側に配置されて図示略の第２インナ側底面に面接触で当接する。

　第２パッドスプリング２２は、このように第２インナ側延出部６１および第２アウタ側延出部６３に取り付けられた状態で、図示略の第２インナ側係止部および第２アウタ側係止部６５に嵌合している一対の嵌合凹状部１６１がディスク周方向外方に凹む形状となる。

　第２パッドスプリング２２は、このときのアウタ側の嵌合凹状部１６１の内側における外側支持板部１５２および外側ガイド板部１５３と、付勢板部１５８との間が、アウタ側第２溝部１８２（溝部）となる。

　また、第２パッドスプリング２２は、このときのインナ側の嵌合凹状部１６１の内側における外側支持板部１５２および外側ガイド板部１５３と、付勢板部１５８との間が、図示略のインナ側第２溝部となる。

　以上のように、キャリア本体２０に一対の第１パッドスプリング２１および第２パッドスプリング２２が取り付けられて、キャリア１１となる。

　アウタ側第１溝部１８１および図示略のインナ側第１溝部は、一対の第１ブリッジ部３３および第２ブリッジ部３４のうちの一方である第１ブリッジ部３３に設けられている。
　アウタ側第２溝部１８２および図示略のインナ側第２溝部は、一対の第１ブリッジ部３３および第２ブリッジ部３４のうちの他方である第２ブリッジ部３４に設けられている。

　図１に示すように、キャリア１１の互いに反対向きに凹むアウタ側第１溝部１８１およびアウタ側第２溝部１８２に、アウタ側摩擦パッド２３が、ディスク軸方向に移動可能となるように支持される。
　また、キャリア１１の互いに反対向きに凹む図示略のインナ側第１溝部および図示略のインナ側第２溝部に、図２に示すインナ側摩擦パッド２４が、ディスク軸方向に移動可能となるように支持される。

　図１に示すように、アウタ側摩擦パッド２３は、摩擦パッド本体２０１と、シム２０２と、スプリング２０３と、を有している。
　摩擦パッド本体２０１は、略鏡面対象の形状を有している。摩擦パッド本体２０１は、図７に示すように、プレート２１１と、摩擦材２１２と、を有している。

　プレート２１１は、平板状の基板部２２１と、一対の第１耳部２２２（耳部）および第２耳部２２３（耳部）と、図３に示す第１突起部２２４と、図８に示す第２突起部２２５と、を有している。

　図７に示す一対の第１耳部２２２および第２耳部２２３は、基板部２２１と連続する同一の平板状の形状を有している。一対の第１耳部２２２および第２耳部２２３は、プレート２１１の長手方向における基板部２２１の両端部から、この長手方向に沿って互いに反対向きに突設されている。基板部２２１は鏡面対称の形状である。第１耳部２２２と第２耳部２２３とは、鏡面対称の形状である。図３に示す第１突起部２２４は、第１耳部２２２から第１耳部２２２の厚さ方向に突出している。図８に示す第２突起部２２５は、第２耳部２２３から第２耳部２２３の厚さ方向に突出している。図３に示す第１突起部２２４および図８に示す第２突起部２２５は、図３に示す第１耳部２２２および図８に示す第２耳部２２３から、これらの厚さ方向の同側に突出している。

　ここで、アウタ側摩擦パッド２３およびプレート２１１において、第１耳部２２２と第２耳部２２３とを結ぶ方向が長手方向である。また、アウタ側摩擦パッド２３およびプレート２１１において、基板部２２１、第１耳部２２２および第２耳部２２３の厚さ方向が厚さ方向である。また、アウタ側摩擦パッド２３およびプレート２１１において、長手方向に対し直交し、厚さ方向に対し直交する方向を高さ方向とする。

　図７に示すように、摩擦材２１２は、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向における、プレート２１１の図３に示す第１突起部２２４および図８に示す第２突起部２２５とは反対側の貼着面２３１に貼着されている。貼着面２３１は、基板部２２１の厚さ方向に直交して広がる平面状の形状を有している。貼着面２３１は、基板部２２１と一対の第１耳部２２２および第２耳部２２３とに連続する平面状の形状を有している。

　プレート２１１は、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向における摩擦材２１２とは反対側に、図１に示す主面部２３２を有している。主面部２３２は、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向に直交して広がる平面状の形状を有している。主面部２３２は、基板部２２１と一対の第１耳部２２２および第２耳部２２３とに連続する平面状に形成されている。主面部２３２は、図７に示す貼着面２３１と平行に広がる平面状の形状を有している。図３に示す第１突起部２２４および図８に示す第２突起部２２５は、この主面部２３２から貼着面２３１とは反対方向に突出している。

　図７に示すように、基板部２２１は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向における両端側に一対の側面部２３３を有している。一対の側面部２３３は、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向に沿っており、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向にもほぼ沿っている。

　図８に示すように、基板部２２１は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方における一側に、膨出面部２３５と、面取部２３６と、を有している。また、基板部２２１は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向における膨出面部２３５とは反対側に、係合面部２５７を有している。

　膨出面部２３５は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向における一側に膨出する形状である。膨出面部２３５は、円筒面の一部の形状をなしている。
　面取部２３６は、膨出面部２３５と主面部２３２とを結んでいる。面取部２３６は、膨出面部２３５に対して鈍角をなしており、主面部２３２に対しても鈍角をなしている。

　図７に示すように、基板部２２１には、膨出面部２３５からアウタ側摩擦パッド２３の高さ方向において内側面部２３７の方向に凹む外側係合凹部２３８が形成されている。外側係合凹部２３８は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向における基板部２２１の中央位置に配置されている。

　基板部２２１には、内側面部２３７からアウタ側摩擦パッド２３の高さ方向において膨出面部２３５の方向に凹む一対の内側係合凹部２３９が形成されている。一対の内側係合凹部２３９は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向に離間して配置されている。

　第１耳部２２２は、基板部２２１の一対の側面部２３３のうちの、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向における一側の側面部２３３から突出している。
　第１耳部２２２は、第１先端面部２４１と、第１外側面部２４２と、第１内側面部２４３と、を有している。

　第１先端面部２４１は、第１耳部２２２の基板部２２１とは反対側の端部にある。第１先端面部２４１は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向に対し直交して広がる平面状である。言い換えれば、第１先端面部２４１は、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向に沿い、かつアウタ側摩擦パッド２３の高さ方向に沿う平面状の形状を有している。

　第１外側面部２４２は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向において、第１耳部２２２の膨出面部２３５側の端部にある。第１外側面部２４２は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向に対し直交して広がる平面状の形状を有している。言い換えれば、第１外側面部２４２は、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向に沿い、かつアウタ側摩擦パッド２３の長手方向に沿う平面状の形状を有している。

　第１内側面部２４３は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向において、第１耳部２２２の内側面部２３７側の端部にある。第１内側面部２４３は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向に対し直交して広がる平面状の形状を有している。言い換えれば、第１内側面部２４３は、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向に沿い、かつアウタ側摩擦パッド２３の長手方向に沿う平面状の形状を有している。さらに言い換えれば、第１内側面部２４３は、第１外側面部２４２に平行に広がる平面状の形状を有している。第１内側面部２４３は、また、第１先端面部２４１に対し垂直に広がる平面状の形状を有している。

　第１外側面部２４２と貼着面２３１とで、これらの境界位置に第１エッジ部２４５が形成されている。この第１エッジ部２４５は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向に延びる直線状の形状を有している。

　第２耳部２２３は、基板部２２１の一対の側面部２３３のうちの、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向における他側の側面部２３３から突出している。
　第２耳部２２３は、第２先端面部２５１と、第２外側面部２５２と、第２内側面部２５３と、を有している。

　第２先端面部２５１は、第２耳部２２３の基板部２２１とは反対側の端部にある。第２先端面部２５１は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向に対し直交して広がる平面状の形状を有している。言い換えれば、第２先端面部２５１は、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向に沿い、かつアウタ側摩擦パッド２３の高さ方向に沿う平面状の形状を有している。第２先端面部２５１は、第１先端面部２４１と平行に広がる平面状の形状を有している。

　第２外側面部２５２は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向において、第２耳部２２３の膨出面部２３５側の端部にある。第２外側面部２５２は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向に対し直交して広がる平面状の形状を有している。言い換えれば、第２外側面部２５２は、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向に沿い、かつアウタ側摩擦パッド２３の長手方向に沿う平面状の形状を有している。第２外側面部２５２は、第１外側面部２４２と同一平面に配置されている。

　第２内側面部２５３は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向において、第２耳部２２３の内側面部２３７側の端部にある。第２内側面部２５３は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向に対し直交して広がる平面状の形状を有している。言い換えれば、第２内側面部２５３は、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向に沿い、かつアウタ側摩擦パッド２３の長手方向に沿う平面状の形状を有している。第２内側面部２５３は、第１内側面部２４３と同一平面に配置されている。

　第２外側面部２５２と貼着面２３１とで、これらの境界位置に第２エッジ部２５５が形成されている。第２エッジ部２５５は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向に延びる直線状である。第２エッジ部２５５は、第１エッジ部２４５と同一直線上に配置されている。

　シム２０２は、図１および図２に示すように、シム本体２６１と、カバーシム２６２と、を有している。

　シム本体２６１は、鏡面対称の形状の形状を有している。シム本体２６１は、図２に示す主板部２７１および外側係合板部２７２と、図１に示す一対の内側係合板部２７３と、を有している。
　図２に示す主板部２７１は、平板状の形状を有している。主板部２７１は、プレート２１１の主面部２３２を覆うように配置される。その際に、主板部２７１は、主面部２３２に面接触で当接する。この状態で、主板部２７１は、その厚さ方向が、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向と一致する。

　外側係合板部２７２は、主板部２７１から主板部２７１の厚さ方向に沿って一側に突出している。
　外側係合板部２７２は、プレート２１１の外側係合凹部２３８に係合する。
　図１に示すように、一対の内側係合板部２７３は、主板部２７１から主板部２７１の厚さ方向に沿って図２に示す外側係合板部２７２と同側に突出している。図１に示すように、一対の内側係合板部２７３は、基板部２２１の一対の側面部２３３の一対の第１耳部２２２および第２耳部２２３よりも図７に示す内側面部２３７側の部分に係合する。

　図１および図２に示すシム本体２６１は、図２に示す外側係合板部２７２が外側係合凹部２３８に係合し、図１に示す一対の内側係合板部２７３が基板部２２１の一対の側面部２３３に係合する。これにより、シム本体２６１は、プレート２１１に対して位置決めされて取り付けられる。

　カバーシム２６２は、鏡面対称の形状である。カバーシム２６２は、図２に示すように、カバー板部２８１と、外側係止板部２８２と、一対の内側係止板部２８３と、を有している。
　カバー板部２８１は、平板状の形状を有している。カバー板部２８１は、シム本体２６１の主板部２７１をプレート２１１とは反対側から覆うように配置される。その際に、カバー板部２８１は、シム本体２６１の主板部２７１に面接触で当接する。この状態で、カバー板部２８１は、その厚さ方向が、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向と一致する。

　外側係止板部２８２は、カバー板部２８１からカバー板部２８１の厚さ方向に沿って一側に突出している。外側係止板部２８２は、シム本体２６１の外側係合板部２７２を覆って、プレート２１１の外側係合凹部２３８に係合する。
　一対の内側係止板部２８３は、カバー板部２８１からカバー板部２８１の厚さ方向に沿って外側係止板部２８２と同側に突出している。一対の内側係止板部２８３は、基板部２２１の図７に示す内側面部２３７の一対の内側係合凹部２３９に係合する。

　図２に示すように、カバーシム２６２は、シム本体２６１を覆う状態で、外側係止板部２８２が外側係合凹部２３８に係合し、一対の内側係止板部２８３が、プレート２１１の図７に示す内側面部２３７の一対の内側係合凹部２３９に係合することで、プレート２１１に対して位置決めされて取り付けられる。

　このようにして、シム本体２６１およびカバーシム２６２からなるシム２０２が、摩擦パッド本体２０１のプレート２１１に位置決めされて取り付けられる。

　図８および図９に示すように、シム本体２６１の主板部２７１には、本体切欠部２９１が形成されている。シム本体２６１が摩擦パッド本体２０１に位置決めされて取り付けられた状態とする。すると、本体切欠部２９１は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向において、主板部２７１の外側係合板部２７２とは反対側の端縁部から外側係合板部２７２の方向に凹んで形成されている。本体切欠部２９１は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向におけるシム本体２６１の中央位置に形成されている。本体切欠部２９１は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向における主板部２７１の一対の内側係合板部２７３間に形成されている。本体切欠部２９１は、主板部２７１を厚さ方向に貫通している。

　本体切欠部２９１は、奥縁部２９２と、一対の側縁部２９３と、を有している。
　奥縁部２９２は、本体切欠部２９１の外側係合板部２７２側の端部にある。奥縁部２９２は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向に延びる直線状の形状を有している。
　一対の側縁部２９３は、奥縁部２９２のアウタ側摩擦パッド２３の長手方向における両端部から、外側係合板部２７２とは反対側に延びている。

　カバーシム２６２のカバー板部２８１には、カバー切欠部３０１が形成されている。カバーシム２６２が摩擦パッド本体２０１に位置決めされて取り付けられた状態とする。すると、カバー切欠部３０１は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向において、カバー板部２８１の外側係止板部２８２とは反対側の端縁部から外側係止板部２８２の方向に凹んで形成されている。カバー切欠部３０１は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向におけるカバーシム２６２の中央位置に形成されている。カバー切欠部３０１は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向におけるカバー板部２８１の一対の内側係止板部２８３間に形成されている。カバー切欠部３０１は、カバー板部２８１を厚さ方向に貫通している。

　カバー切欠部３０１は、奥縁部３０２と、一対の側縁部３０３と、を有している。
　奥縁部３０２は、カバー切欠部３０１の外側係止板部２８２側の端部にある。奥縁部３０２は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向に延びる直線状である。
　一対の側縁部３０３は、奥縁部３０２のアウタ側摩擦パッド２３の長手方向における両端部から、外側係止板部２８２とは反対側に延びている。

　摩擦パッド本体２０１に位置決めされて取り付けられた状態のシム２０２を、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向に見ると、本体切欠部２９１とカバー切欠部３０１とは、重なる形状となっている。すなわち、本体切欠部２９１の奥縁部２９２とカバー切欠部３０１の奥縁部３０２とが、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向の位置を合わせると共に、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向の位置を合わせている。また、本体切欠部２９１の一対の側縁部２９３のうちの一方の側縁部２９３とカバー切欠部３０１の一対の側縁部３０３のうちの一方の側縁部３０３とが、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向の位置を一致させると共に、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向の位置を一致させている。また、本体切欠部２９１の一対の側縁部２９３のうちの他方の側縁部２９３とカバー切欠部３０１の一対の側縁部３０３のうちの他方の側縁部３０３とが、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向の位置を一致させると共に、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向の位置を一致させている。

　シム２０２は、切欠部３１１を有している。切欠部３１１は、本体切欠部２９１と、カバー切欠部３０１とから構成されている切欠部３１１は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向におけるシム２０２の一側に形成されている。切欠部３１１は、シム２０２をアウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向に貫通している。アウタ側摩擦パッド２３において、シム２０２の切欠部３１１の範囲内には、プレート２１１の主面部２３２が露出している。切欠部３１１は、図１に示すようにアウタ側摩擦パッド２３がキャリア１１に組み付けられると、シム２０２のディスク径方向内側の部分に形成されており、シム２０２のディスク径方向内側に抜けている。

　図７に示す摩擦材２１２は、プレート２１１の貼着面２３１に貼着されている。摩擦材２１２は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向および高さ方向の両方向において、基板部２２１の範囲内に設けられている。

　摩擦材２１２は、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向におけるプレート２１１とは反対側に、接触面３２１と、一対の傾斜面３２２と、を有している。

　接触面３２１は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向における摩擦材２１２の中間位置に設けられている。接触面３２１は、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向に対して直交して広がる平面状の形状を有する。摩擦材２１２は、接触面３２１においてディスク１０に接触する。

　一対の傾斜面３２２は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向における接触面３２１の両側に設けられている。一対の傾斜面３２２は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向における摩擦材２１２の両端位置に設けられている。一対の傾斜面３２２は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向に沿う平面状の形状を有する。一対の傾斜面３２２は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向において接触面３２１から離れるほど、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向において貼着面２３１に近づくように、接触面３２１に対して傾斜している。

　摩擦材２１２は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向における内側面部２３７側に、一対の内端面部３２５と、凹状面部３２６と、を有している。

　一対の内端面部３２５は、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向に垂直に広がる平面状の形状を有する。言い換えれば、一対の内端面部３２５は、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向に沿い、かつアウタ側摩擦パッド２３の長手方向に沿って広がっている。一対の内端面部３２５は、同一平面に配置されている。

　凹状面部３２６は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向において一対の内端面部３２５の間に配置されている。凹状面部３２６は、一対の内端面部３２５からアウタ側摩擦パッド２３の高さ方向における膨出面部２３５側に凹んでいる。凹状面部３２６は、円筒面の一部の形状をなしている。

　摩擦材２１２は、一対の内端面部３２５および凹状面部３２６と、接触面３２１と、で、これらの境界位置に形成されるエッジ部３３１を有している。

　このエッジ部３３１は、一対の端側エッジ構成部３３２と、中間エッジ構成部３３３と、を有している。アウタ側摩擦パッド２３の長手方向におけるエッジ部３３１の両端が一対の端側エッジ構成部３３２となっている。アウタ側摩擦パッド２３の長手方向における一対の端側エッジ構成部３３２の間が中間エッジ構成部３３３となっている。

　一対の端側エッジ構成部３３２は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向に延びる直線状の形状を有する。一対の端側エッジ構成部３３２は同一直線上に配置されている。エッジ部３３１は、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向において摩擦材２１２の最もプレート２１１とは反対側の端部にある。エッジ部３３１は、一対の端側エッジ構成部３３２が、アウタ側摩擦パッド２３の高さ方向において摩擦材２１２の最も内側面部２３７側の端部にある。

　図８に示すように、スプリング２０３は、摩擦パッド本体２０１のディスク回転方向第２側の第２耳部２２３の第２突起部２２５に取り付けられている。スプリング２０３を主面部２３２に当接させた状態で第２突起部２２５が加締められる。すると、スプリング２０３は第２耳部２２３に固定される。プレート２１１は、このように第２突起部２２５が加締められる前は、図９に示す第１突起部２２４と図８に示す第２突起部２２５とが鏡面対称状であり、全体として鏡面対称状である。

　スプリング２０３は、第２耳部２２３に取り付けられた状態で、主面部２３２側から、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向における外側に延出した後、折り返して、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向における第２耳部２２３よりも基板部２２１とは反対側を通って摩擦材２１２側に延びている。

　図２に示すように、アウタ側摩擦パッド２３は、プレート２１１に対し摩擦材２１２をインナ側に配置した状態とされる。この状態で、アウタ側摩擦パッド２３は、図３に示すように、第１耳部２２２が、キャリア１１のアウタ側第１溝部１８１に嵌合され、図４に示すように、第２耳部２２３が、キャリア１１のアウタ側第２溝部１８２に嵌合される。
　これにより、アウタ側摩擦パッド２３は、ディスク軸方向に摺動可能となるようにキャリア１１に支持される。

　その際に、アウタ側摩擦パッド２３は、スプリング２０３が、アウタ側第２溝部１８２を構成する中間板部１５５に当接して、アウタ側摩擦パッド２３をディスク回転方向第１側に押圧する。

　この状態で、図３に示すように、アウタ側摩擦パッド２３の第１耳部２２２の第１内側面部２４３が、第１パッドスプリング２１のアウタ側第１溝部１８１を構成する付勢板部１５８に当接する。また、この状態で、この付勢板部１５８の付勢力で、第１耳部２２２の第１外側面部２４２が、第１パッドスプリング２１のアウタ側第１溝部１８１を構成する外側支持板部１５２に面接触で当接する。また、この状態で、図４に示すスプリング２０３の付勢力で、図３に示す第１耳部２２２の第１先端面部２４１が、第１パッドスプリング２１のアウタ側第１溝部１８１を構成する中間板部１５５に面接触で当接する。

　また、この状態で、図４に示すように、アウタ側摩擦パッド２３の第２耳部２２３の第２内側面部２５３が、第２パッドスプリング２２のアウタ側第２溝部１８２を構成する付勢板部１５８に当接する。また、この状態で、この付勢板部１５８の付勢力で、第２耳部２２３の第２外側面部２５２が、第２パッドスプリング２２のアウタ側第２溝部１８２を構成する外側支持板部１５２に面接触で当接する。また、この状態で、第２耳部２２３の第２先端面部２５１が、第２パッドスプリング２２のアウタ側第２溝部１８２を構成する中間板部１５５に若干の隙間をもって対向する。

　図２に示すインナ側摩擦パッド２４は、図１に示すスプリング２０３が取り付けられる前のアウタ側摩擦パッド２３の摩擦パッド本体２０１と同形状の共通部品である。図２に示すインナ側摩擦パッド２４は、この摩擦パッド本体２０１の第１耳部２２２の第１突起部２２４にスプリング２０３を取り付けたものとなる。

　図２に示すように、インナ側摩擦パッド２４は、プレート２１１に対し摩擦材２１２をアウタ側に配置した状態とされる。この状態で、第１耳部２２２が、キャリア１１の図示略のインナ側第２溝部に嵌合され、第２耳部２２３が、キャリア１１の図示略のインナ側第１溝部に嵌合される。これにより、インナ側摩擦パッド２４は、ディスク軸方向に摺動可能となるようにキャリア１１に支持される。インナ側摩擦パッド２４は、スプリング２０３によってディスク回転方向第１側に付勢される。

　キャリパ１２は、図１に示すキャリパボディ３５１と、一対の図示略の第１スライドピンおよび図示略の第２スライドピンと、を備えている。図示略の第１スライドピンは、キャリパボディ３５１のディスク回転方向第１側の端部に取り付けられている。図示略の第２スライドピンは、キャリパボディ３５１のディスク回転方向第２側の端部に取り付けられている。

　キャリパ１２は、略鏡面対称の形状となっている。ディスク径方向基準線およびディスク径方向基準面は、キャリパ１２のディスク周方向の中央位置を通る。キャリパ１２は、図示略の第１スライドピンおよび図示略の第２スライドピンが、互いに軸方向の位置を合わせると共に平行に配置されてキャリパボディ３５１に固定されている。

　キャリパ１２は、図示略の第１スライドピンが、キャリア本体２０の第１ブリッジ部３３に形成された図示略の第１キャリパ支持孔に摺動可能に嵌合される。これにより、第１ブリッジ部３３には、キャリパ１２の図示略の第１スライドピンが移動可能に格納される。図示略の第１スライドピンの移動の軸方向は、図示略の第１キャリパ支持孔の軸方向であり、ディスク軸方向と一致する。

　また、キャリパ１２は、図示略の第２スライドピンが、キャリア本体２０の第２ブリッジ部３４に形成された図示略の第２キャリパ支持孔に摺動可能に嵌合する。これにより、第２ブリッジ部３４には、キャリパ１２の図示略の第２スライドピンが移動可能に格納される。図示略の第２スライドピンの移動軸方向は、図示略の第２キャリパ支持孔の軸方向であり、ディスク軸方向と一致する。

　これらにより、キャリパ１２は、キャリパボディ３５１が、図示略の第１スライドピンおよび図示略の第２スライドピンを介して、キャリア１１の第１ブリッジ部３３および第２ブリッジ部３４にディスク軸方向に摺動可能に支持される。

　キャリパボディ３５１は略鏡面対称の形状となっている。ディスク径方向基準線およびディスク径方向基準面は、キャリパボディ３５１のディスク周方向の中央位置を通る。
　キャリパボディ３５１は、図２に示すシリンダ部３６１、延出部３６２および爪部３６３と、図１に示す第１ピン取付部３６４および第２ピン取付部３６５と、を備えている。

　図２に示すように、シリンダ部３６１は、ディスク１０に対しディスク軸方向のインナ側に配置される。シリンダ部３６１は、有底筒状であり、ディスク軸方向のアウタ側に開口している。

　延出部３６２は、シリンダ部３６１のディスク径方向外側の部分からディスク軸方向に沿ってアウタ側に延出する。延出部３６２は、ディスク１０の外周を、そのディスク径方向外側でディスク軸方向に横断する。

　図１に示す第１ピン取付部３６４および第２ピン取付部３６５は、ディスク１０に対しディスク軸方向のインナ側に配置される。
　第１ピン取付部３６４は、図２に示すシリンダ部３６１からディスク回転方向第１側に延出する。第１ピン取付部３６４に図示略の第１スライドピンが固定される。図示略の第１スライドピンは第１ピン取付部３６４からディスク軸方向に沿ってアウタ側に延出する。

　図１に示す第２ピン取付部３６５は、図２に示すシリンダ部３６１からディスク回転方向第２側に延出する。第２ピン取付部３６５に図示略の第２スライドピンが固定される。
　図示略の第２スライドピンは第２ピン取付部３６５からディスク軸方向に沿ってアウタ側に延出する。

　爪部３６３は、図２に示すように、延出部３６２のディスク軸方向におけるアウタ側の端部からディスク径方向内側に延出してディスク１０よりもアウタ側に配置される。

　キャリパボディ３５１のシリンダ部３６１には、キャリパ１２を構成するピストン３７１が収容されている。ピストン３７１は、シリンダ部３６１に、ディスク軸方向に移動可能となるように収容されている。ピストン３７１はディスク１０のインナ側の面に対向している。ディスク１０のインナ側の面とピストン３７１との間にインナ側摩擦パッド２４が配置される。ピストン３７１はディスク軸方向に沿ってディスク１０に向かうとインナ側摩擦パッド２４に当接し、これを押圧してディスク１０に接触させる。
　ディスク１０のアウタ側の面と爪部３６３との間にアウタ側摩擦パッド２３が配置される。

　キャリア１１のアウタビーム部３２は、ディスク軸方向において、アウタ側摩擦パッド２３と対向する位置に設けられている。アウタビーム部３２は、アウタ側摩擦パッド２３に対して、ディスク径方向の位置が重なり合い、ディスク周方向の位置も重なり合って、ディスク軸方向に対向している。

　アウタ側摩擦パッド２３は、プレート２１１と、プレート２１１とディスク１０との間に設けられる摩擦材２１２と、プレート２１１における摩擦材２１２とは反対側の主面部２３２に設けられるシム２０２と、を有している。

　シム２０２は、シム本体２６１の主板部２７１およびカバーシム２６２のカバー板部２８１が、アウタ側摩擦パッド２３のプレート２１１とキャリア１１のアウタビーム部３２との間に配置される。図１に示すように、シム２０２には、そのディスク径方向の内側に切欠部３１１が形成されている。切欠部３１１は、アウタビーム部３２のアウタ側接続部８３に対して、ディスク径方向の位置が重なり合い、ディスク周方向の位置も重なり合って、ディスク軸方向に対向する。その際に、シム２０２と、アウタビーム部３２とは、所定距離離間して設けられている。言い換えれば、アウタビーム部３２のアウタ側接続部８３は、切欠部３１１内に露出するプレート２１１の主面部２３２に対して、ディスク径方向の位置が重なり合い、ディスク周方向の位置も重なり合って、ディスク軸方向に対向する。シム２０２の一部は、アウタビーム部３２の形状に沿って設けられている。具体的に、シム２０２の一部である図８および図９に示す奥縁部２９２，３０２は、アウタビーム部３２の外側接続面部１０５の形状に沿って設けられている。シム２０２の長手方向は、アウタビーム部３２の長手方向と一致する。アウタビーム部３２のアウタ側接続部８３は、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向の中央に向かうほどディスク径方向外側に膨らんだ形状となっている。

　ディスクブレーキ１には、図示略のブレーキ配管を介して、図２に示すキャリパ１２のシリンダ部３６１内にブレーキ液が導入される。すると、シリンダ部３６１においてピストン３７１にブレーキ液圧が作用する。その結果、ピストン３７１が、ディスク１０側に前進し、ピストン３７１とディスク１０との間に配置されているインナ側摩擦パッド２４に接触して、これをディスク１０に向かって押圧する。すると、インナ側のインナ側摩擦パッド２４は、キャリア１１の図示略のインナ側第１溝部および図示略のインナ側第２溝部で案内されてディスク軸方向に移動し、摩擦材２１２においてディスク１０のインナ側の面に接触する。

　この押圧の反力で、キャリパボディ３５１がキャリア１１に対し図示略の第１スライドピンおよび図示略の第２スライドピンをスライドさせてディスク軸方向に移動する。すると、爪部３６３が、爪部３６３とディスク１０との間に配置されているアウタ側摩擦パッド２３のシム２０２のカバーシム２６２に当接して、アウタ側摩擦パッド２３をディスク１０に向かって押圧する。すると、アウタ側のアウタ側摩擦パッド２３は、アウタ側第１溝部１８１およびアウタ側第２溝部１８２で案内されてディスク軸方向に移動し、摩擦材２１２の接触面３２１においてディスク１０のアウタ側の面に接触する。

　キャリア１１に摺動可能に支持されたキャリパ１２は、このようにして、ピストン３７１の作動により、ピストン３７１と爪部３６３とで一対のインナ側摩擦パッド２４およびアウタ側摩擦パッド２３をディスク軸方向の両側から挟持する。言い換えれば、キャリパ１２は、一対のインナ側摩擦パッド２４およびアウタ側摩擦パッド２３を、ディスク軸方向において、ディスク１０に向かって押圧する。そして、キャリパ１２は、これらインナ側摩擦パッド２４およびアウタ側摩擦パッド２３をディスク１０の両側の面に押し付ける。その結果、インナ側摩擦パッド２４およびアウタ側摩擦パッド２３がディスク１０に摩擦抵抗を付与して、車両に制動力を与える。このように、ディスクブレーキ１は、キャリア１１に支持されたキャリパ１２が、同じくキャリア１１に支持されたインナ側摩擦パッド２４およびアウタ側摩擦パッド２３をディスク１０に押圧して、制動力を発生させる。キャリパ１２は、いわゆるフィスト型（スライド型）のキャリパである。キャリア１１は、このように車両に制動力を与えるキャリパ１２を移動可能に支持する。

　以上により、アウタ側摩擦パッド２３のプレート２１１が、ピストン３７１の推力によってディスク１０の方向へ押圧されて、アウタ側摩擦パッド２３が移動する。キャリア１１は、このように移動するアウタ側摩擦パッド２３のプレート２１１を移動可能に支持している。

　ディスクブレーキ１を図示略のナックルに組み付ける場合には、まず、キャリパ１２、インナ側摩擦パッド２４およびアウタ側摩擦パッド２３が組み付けられる前の状態のキャリア１１を図示略のナックルに取り付ける。すなわち、キャリア１１を、ディスク１０に対し、アウタビーム部３２がアウタ側に位置し固定部３１がインナ側に位置する状態とし、第１ブリッジ部３３および第２ブリッジ部３４がディスク１０を跨ぐようにして図示略のナックルに第１取付部４１および第２取付部４２において取り付ける。

　次に、アウタ側摩擦パッド２３を、ディスク径方向外側から内側に移動させて、図８～図１０に示すように、キャリア１１のアウタビーム部３２とディスク１０との間に挿入する。その際に、アウタ側摩擦パッド２３は、摩擦材２１２がディスク軸方向のディスク１０側に、シム２０２がディスク軸方向のアウタビーム部３２側に位置する向きとされる。
　その際に、アウタ側摩擦パッド２３は、図９に示すように第１耳部２２２がディスク回転方向第１側の端部に位置し、図８に示すように第２耳部２２３がディスク回転方向第２側の端部に位置する向きとされる。また、その際に、アウタ側摩擦パッド２３は、一対の第１パッドスプリング２１および第２パッドスプリング２２との干渉を避けるため、ディスク径方向外側の部分が、ディスク径方向内側の部分よりも、ディスク軸方向においてディスク１０から離れるように、ディスク径方向に対し傾斜して挿入される。

　このような傾斜状態での挿入中に、図１０に示すように、アウタ側摩擦パッド２３の摩擦材２１２のディスク１０側の接触面３２１におけるディスク１０の軸方向の端部に位置するエッジ部３３１の少なくとも一点と、ディスク１０とを当接させて、これらの当接部３８１を設ける。
　また、このような傾斜状態での挿入中に、図９に示すようにアウタ側摩擦パッド２３の第１耳部２２２のディスク周方向の位置をアウタ側第１溝部１８１に合わせる。それと共に、図１０に示すようにアウタ側摩擦パッド２３の第２耳部２２３のディスク周方向の位置をアウタ側第２溝部１８２に合わせる。
　また、このような傾斜状態での挿入中に、図９に示すように第１耳部２２２の第１エッジ部２４５のディスク径方向の位置を、アウタ側第１溝部１８１の外側支持板部１５２の位置に合わせる。それと共に、図８に示すように第２耳部２２３の第２エッジ部２５５のディスク径方向の位置を、アウタ側第２溝部１８２の外側支持板部１５２の位置に合わせる。

　そして、図１０に示すように当接部３８１を設けた状態のまま、図９に示すようにアウタ側摩擦パッド２３の第１エッジ部２４５を少なくとも一点でアウタ側第１溝部１８１の外側支持板部１５２に接触させて、これらの接触部である第１接触部３８２（接触部）を設ける。あるいは、図８に示すようにアウタ側摩擦パッド２３の第２エッジ部２５５を少なくとも一点でアウタ側第２溝部１８２の外側支持板部１５２に接触させて、これらの接触部である第２接触部３８３（接触部）を設ける。第１接触部３８２および第２接触部３８３の両方を設けても良い。すなわち、第１接触部３８２および第２接触部３８３のうちの少なくとも一方を設ける。

　シム２０２の切欠部３１１は、この状態で、アウタビーム部３２とアウタ側摩擦パッド２３とが当接する位置に、シム２０２とアウタビーム部３２とが当接しないように形成されている。すなわち、アウタ側摩擦パッド２３は、ディスク１０に対する角度によっては、第１接触部３８２および第２接触部３８３のうちの少なくとも一方と、当接部３８１と、を設けた状態で、アウタビーム部３２に当接することになる。その際には、図１０に示すように、アウタビーム部３２に、プレート２１１の主面部２３２が当接して、シム２０２では当接しない。シム２０２には、このようにキャリア１１へのアウタ側摩擦パッド２３の組み付け時におけるシム２０２とアウタビーム部３２との干渉を避ける範囲に切欠部３１１が形成されている。

　ここで、切欠部３１１の設定の仕方について説明する。
　アウタ側摩擦パッド２３は、上記のように、ディスク径方向に対しアウタ側摩擦パッド２３が所定の角度傾斜して配置された状態で、摩擦材２１２のエッジ部３３１が、ディスク１０へ押圧される接触面３２１におけるディスク１０の中心軸線側の端部に位置する。
　この状態で、エッジ部３３１の少なくとも一点と、ディスク１０と、のみを当接させて、これらのみが当接する当接部３８１（第１当接部）を設ける。

　この当接部３８１を有する状態において、図９に示すようにアウタ側摩擦パッド２３とアウタ側第１溝部１８１とを少なくとも一点で接触させて、これらが接触する第１接触部３８２を設ける。あるいは、図８に示すようにアウタ側摩擦パッド２３とアウタ側第２溝部１８２とを少なくとも一点で接触させて、これらが接触する第２接触部３８３を設ける。第１接触部３８２および第２接触部３８３のうちの少なくとも一方を設ける。

　そして、第１接触部３８２および第２接触部３８３のうちの少なくとも一方と、当接部３８１と、を有する状態において、さらに、図１０に示すように、アウタビーム部３２のエッジ部１１５と、アウタ側摩擦パッド２３と、を少なくとも一点で当接させて、これらが当接する第２当接部３８４を設ける。すなわち、第１接触部３８２および第２接触部３８３のうちの少なくとも一方と、当接部３８１と、第２当接部３８４とが設けられてアウタ側摩擦パッド２３が拘束された状態とする。この条件が満たされていれば、必ず、第２当接部３８４がシム２０２に接触せず、プレート２１１の主面部２３２に当接するように、シム２０２に切欠部３１１が設けられる。言い換えれば、この条件が満たされていれば、アウタビーム部３２と、アウタ側摩擦パッド２３と、が当接する箇所に切欠部３０１が設けられる。

　これを満足するために、第１接触部３８２および第２接触部３８３のうちの少なくとも一方と、当接部３８１と、第２当接部３８４とが設けられてアウタ側摩擦パッド２３が拘束された状態で、図１１に示すように、第２当接部３８４を交点としてプレート２１１の厚さ方向とディスク１０の軸方向とで作られる角（θ）と、シム２０２の厚さ（ｔ）とし、アウタ側摩擦パッド２３が角θをなして拘束された状態において、図１に示すように、ディスク１０の中心軸線を基準として、ディスク１０の中心軸線からアウタビーム部３２のディスクの径方向の変位（ｘ）と、をとる。この変位（ｘ）は、ディスク径方向基準面の位置が０となる。

　このとき、ディスク軸方向における第２当接部３８４のディスク径方向の偏導関数（Ｆ（ｘ））が、
　任意のｘの位置において、シム２０２の切欠部３１１＞Ｆ（ｘ）
　となるように、変位（ｘ）に応じてシム２０２へ切欠部３１１を設ける。

　すなわち、シム２０２に切欠部３１１がない状態で、例えば、第１接触部３８２および第２接触部３８３と、当接部３８１と、を設けると共に、図１２に示すように、シム２０２にアウタビーム部３２のエッジ部１１５を含む外周側面部１１１を当接させたと仮定する。そして、シム２０２に、図１３にハッチングで示すように、アウタビーム部３２の外周側面部１１１の外側接続面部１０５側の端縁部からｔ×ｓｉｎθの距離より大きい位置まで切欠部３１１を設ける。すると、図１４に示すように、シム２０２とアウタビーム部３２とが干渉せずに、アウタビーム部３２がプレート２１１の主面部２３２に当接できる。

　そして、図１に示す変位（ｘ）の位置によって、アウタビーム部３２の形状が異なるため、全ての第２当接部３８４を有する位置において、シム２０２の切欠部３１１＞Ｆ（ｘ）となるように、変位（ｘ）に応じてシム２０２へ切欠部３１１を設ければ、アウタビーム部３２が、シム２０２と干渉せずにプレート２１１の主面部２３２に当接できる。

　上記した当接部３８１と、第１接触部３８２および第２接触部３８３と、を設けた状態から、図９に示すように第１エッジ部２４５をアウタ側第１溝部１８１の外側支持板部１５２に接触させながら第１耳部２２２をアウタ側第１溝部１８１に押し込んで嵌合させる。それと並行して、図８に示す第２エッジ部２５５をアウタ側第２溝部１８２の外側支持板部１５２に接触させながら第２耳部２２３をアウタ側第２溝部１８２に押し込んで嵌合させる。これにより、アウタ側摩擦パッド２３がキャリア１１に組み付けられる。

　このようにキャリア１１に組み付けられた状態のアウタ側摩擦パッド２３は、図２に示すように、プレート２１１に対し摩擦材２１２をインナ側に配置した状態となる。このとき、摩擦材２１２はディスク１０に対向する。この状態のアウタ側摩擦パッド２３は、図４に示すスプリング２０３が、第２パッドスプリング２２のアウタ側第２溝部１８２の中間板部１５５に当接する。また、この状態のアウタ側摩擦パッド２３は、図３に示す第１耳部２２２が、その第１内側面部２４３においてアウタ側第１溝部１８１を構成する付勢板部１５８に当接する。また、この状態のアウタ側摩擦パッド２３は、第１耳部２２２が、この付勢板部１５８の付勢力で、第１外側面部２４２においてアウタ側第１溝部１８１を構成する外側支持板部１５２に面接触で当接する。また、この状態のアウタ側摩擦パッド２３は、第１耳部２２２が、スプリング２０３の付勢力で、第１先端面部２４１においてアウタ側第１溝部１８１を構成する中間板部１５５に面接触で当接する。

　また、この状態のアウタ側摩擦パッド２３は、図４に示すように、第２耳部２２３が、その第２内側面部２５３においてアウタ側第２溝部１８２を構成する付勢板部１５８に当接する。また、この状態のアウタ側摩擦パッド２３は、第２耳部２２３が、この付勢板部１５８の付勢力で、第２外側面部２５２においてアウタ側第２溝部１８２を構成する外側支持板部１５２に面接触で当接する。また、この状態のアウタ側摩擦パッド２３は、第２耳部２２３が、第２先端面部２５１においてアウタ側第２溝部１８２を構成する中間板部１５５に若干の隙間をもって対向する。

　上記した特許文献１には、制動時において摩擦パッドの挙動を安定させブレーキ鳴きの発生を抑制するために、摩擦パッドの裏板と、摩擦パッドを押圧する部材と、の間にシムを設ける技術が開示されている。特許文献１では、摩擦パッドへの押圧力を低減するための貫通穴または切欠きがシムに設けられている。これにより摩擦パッドにおけるディスク周方向の両端部に作用する押圧力を中央部に対し大きくして、摩擦パッドの中央部の挙動安定性を向上させて、ブレーキ鳴きを抑制する。

　ところで、キャリアへの摩擦パッドの組み付け性の低下を抑制することが求められている。すなわち、例えば、軽自動車等へ向けたキャリパの小型化の要求がある。この要求に対応するため、キャリアのアウタビーム部をアウタ側の摩擦パッドに対して横通しで設けるニーズが高まっている。このように、キャリアのアウタビーム部をアウタ側の摩擦パッドに対して横通しで設ける構造では、キャリアにアウタ側の摩擦パッドを取り付ける際に、アウタビーム部にシムが干渉すると、シムに傷が付いてしまう。このような状況を避けるため、キャリアへのアウタ側摩擦パッドの組み付けを慎重に行う必要があり、キャリアへのアウタ側摩擦パッドの組み付け性が低下してしまう可能性がある。

　これに対して、第１実施形態のディスクブレーキ１は、上記のようにして、アウタ側摩擦パッド２３のキャリア１１への組み付け時に、アウタビーム部３２との干渉を避けるように、シム２０２に切欠部３１１が設けられている。これにより、ディスクブレーキ１は、キャリア１１にアウタ側摩擦パッド２３を組み付ける際に、アウタビーム部３２にシム２０２が干渉することが切欠部３１１によって回避される。よって、ディスクブレーキ１は、キャリア１１にアウタ側摩擦パッド２３を組み付ける際に、シム２０２に傷が付いてしまうことを、容易に回避して組み付けることができる。したがって、ディスクブレーキ１は、キャリア１１へのアウタ側摩擦パッド２３の組み付け性の低下を抑制することができる。

　また、ディスクブレーキ１は、アウタビーム部３２の少なくとも一部がディスク径方向への凸部であるアウタ側接続部８３を有している。このため、ディスクブレーキ１は、アウタ側摩擦パッド２３が、キャリア１１への組み付け時にアウタビーム部３２に一層干渉し易い構造になっている。このことから、ディスクブレーキ１は、切欠部３１１を設けることによるキャリア１１へのアウタ側摩擦パッド２３の組み付け性の低下を抑制する効果が高い。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１は、アウタビーム部３２の少なくとも一部が、ディスク径方向外側へ凸状の弧状部であるアウタ側接続部８３を有している。このため、ディスクブレーキ１は、アウタ側摩擦パッド２３が、キャリア１１への組み付け時にアウタビーム部３２に一層干渉し易い構造になっている。このことから、ディスクブレーキ１は、切欠部３１１を設けることによるキャリア１１へのアウタ側摩擦パッド２３の組み付け性の低下を抑制する効果が高い。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１は、アウタビーム部３２の少なくとも一部が直線形状である直線部である第１基端延出部８１および第２基端延出部８２を有している。このため、アウタビーム部３２を軽量化することができ、ひいてはキャリア１１を軽量化することができる。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１は、弧状部であるアウタ側接続部８３が、アウタ側摩擦パッド２３の長手方向の中央に向かうほど膨らんだ形状となっている。このため、ディスクブレーキ１は、アウタ側摩擦パッド２３が、キャリア１１への組み付け時にアウタビーム部３２に一層干渉し易い構造になっている。このことから、ディスクブレーキ１は、切欠部３１１を設けることによるキャリア１１へのアウタ側摩擦パッド２３の組み付け性の低下を抑制する効果が高い。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１は、アウタビーム部３２の少なくとも一部であるアウタ側接続部８３が、アウタビーム部３２の延在方向に対して垂直方向の断面形状が一定である。このため、ディスクブレーキ１は、アウタビーム部３２の強度を高めることができる。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１は、シム２０２の一部が、アウタビーム部３２の形状に沿って設けられている。このため、ディスクブレーキ１は、シム２０２が、アウタビーム部３２に干渉し易い。このことから、ディスクブレーキ１は、シム２０２に切欠部３１１を設けることによるキャリア１１へのアウタ側摩擦パッド２３の組み付け性の低下を抑制する効果が高い。

　また、第１実施形態のディスクブレーキ１は、シム２０２と、アウタビーム部３２と、が所定距離離間して設けられている。このため、ディスクブレーキ１は、キャリア１１へのアウタ側摩擦パッド２３の組み付け性の低下を一層抑制することができる。

［第２実施形態］
　次に、第２実施形態を主に図１５～図１９に基づいて第１実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第１実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。

　第２実施形態のディスクブレーキ１Ａにおいては、図１５および図１６に示すように、第１実施形態のアウタ側摩擦パッド２３とは一部異なるアウタ側摩擦パッド２３Ａ（摩擦パッド）がアウタ側摩擦パッド２３にかえて設けられている。

　アウタ側摩擦パッド２３Ａは、アウタ側摩擦パッド２３と同様の摩擦パッド本体２０１を有している。アウタ側摩擦パッド２３Ａにおいても、第１耳部２２２と第２耳部２２３とを結ぶ方向が長手方向である。また、アウタ側摩擦パッド２３Ａにおいても、基板部２２１、第１耳部２２２および第２耳部２２３の厚さ方向が厚さ方向である。また、アウタ側摩擦パッド２３Ａにおいても、長手方向に対し直交し、厚さ方向に対し直交する方向を高さ方向とする。

　アウタ側摩擦パッド２３Ａは、シム２０２とは異なる、第１シム２６１Ａおよび第２シム２６２Ａ（シム）をシム２０２にかえて有している。
　第１シム２６１Ａは、鏡面対称の形状であり、全体が平板状の形状を有している。

　第２シム２６２Ａは、鏡面対称の形状の形状を有している。第２シム２６２Ａ、主板部２８１Ａと、外側係止板部２８２Ａと、一対の内側係止板部２８３Ａと、を有している。
　主板部２８１Ａは、平板状の形状を有している。主板部２８１Ａは、第１シム２６１Ａを覆うように配置され、第１シム２６１Ａに面接触で当接する。第１シム２６１Ａは、第２シム２６２Ａに対し位置決めされた状態で主板部２８１Ａに接着等で一体化されている。

　第１シム２６１Ａは、プレート２１１の主面部２３２を覆うように配置される。その際に、第１シム２６１Ａは、主面部２３２に面接触で当接する。この状態で、第１シム２６１Ａは、その厚さ方向が、アウタ側摩擦パッド２３Ａの厚さ方向と一致する。
　第２シム２６２Ａは、主板部２８１Ａが第１シム２６１Ａをプレート２１１とは反対側から覆うように配置される。この状態で、主板部２８１Ａの厚さ方向が、アウタ側摩擦パッド２３の厚さ方向と一致する。

　外側係止板部２８２Ａは、主板部２８１Ａから主板部２８１Ａの厚さ方向に沿って第１シム２６１Ａ側に突出している。外側係止板部２８２Ａは、プレート２１１の外側係合凹部２３８に係合する。
　一対の内側係止板部２８３Ａは、主板部２８１Ａから主板部２８１Ａの厚さ方向に沿って外側係止板部２８２Ａと同側に突出している。一対の内側係止板部２８３Ａは、基板部２２１の一対の側面部２３３の一対の第１耳部２２２および第２耳部２２３よりも内側面部２３７側の部分に係合する。

　一体化された第１シム２６１Ａおよび第２シム２６２Ａは、第２シム２６２Ａの外側係止板部２８２Ａが外側係合凹部２３８に係合し、第２シム２６２Ａの一対の内側係止板部２８３Ａが、プレート２１１の一対の側面部２３３の一対の第１耳部２２２および第２耳部２２３よりも内側面部２３７側の部分に係合する。これにより、一体化された第１シム２６１Ａおよび第２シム２６２Ａはプレート２１１に対して位置決めされて取り付けられる。

　図１７および図１８に示すように、第２シム２６２Ａの主板部２８１Ａには、切欠部３０１Ａが形成されている。図１５および図１６に示すように、第２シム２６２Ａが第１シム２６１Ａと共に摩擦パッド本体２０１のプレート２１１に位置決めされて取り付けられた状態とする。すると、切欠部３０１Ａは、アウタ側摩擦パッド２３Ａの高さ方向において、主板部２８１Ａの外側係止板部２８２Ａとは反対側の端縁部から外側係止板部２８２Ａの方向に凹んで形成されている。切欠部３０１Ａは、アウタ側摩擦パッド２３Ａの高さ方向において、外側係止板部２８２Ａとは反対側に貫通している。切欠部３０１Ａは、アウタ側摩擦パッド２３Ａの長手方向における主板部２８１Ａの一対の内側係止板部２８３Ａおよび内側係止板部２８３Ａの間に形成されている。切欠部３０１Ａは、アウタ側摩擦パッド２３Ａの長手方向における第２シム２６２Ａの中央位置に形成されている。切欠部３０１Ａは、主板部２８１Ａを厚さ方向に貫通している。

　切欠部３０１Ａは、奥縁部３０２Ａと、一対の側縁部３０３Ａと、を有している。
　奥縁部３０２Ａは、切欠部３０１Ａの外側係止板部２８２Ａ側の端部にある。奥縁部３０２Ａは、アウタ側摩擦パッド２３Ａの長手方向に延びる直線状の形状を有している。
　一対の側縁部３０３Ａは、奥縁部３０２Ａのアウタ側摩擦パッド２３Ａの長手方向における両端部から、外側係止板部２８２Ａとは反対側に延びている。

　一体化された第１シム２６１Ａおよび第２シム２６２Ａが摩擦パッド本体２０１に位置決めされて取り付けられた状態で、これらをアウタ側摩擦パッド２３Ａの厚さ方向に見ると、切欠部３０１Ａは、アウタ側摩擦パッド２３Ａの高さ方向における第２シム２６２Ａの一側に形成されている。図１７に示すように、切欠部３０１Ａの範囲内は、第１シム２６１Ａが露出している。切欠部３０１Ａは、図１７および図１８に示すように、アウタ側摩擦パッド２３Ａがキャリア１１に組み付けられると、第１シム２６１Ａのディスク径方向内側の部分に形成される。

　アウタ側摩擦パッド２３Ａも、キャリア１１に、アウタ側摩擦パッド２３と同様に配置される。これにより、アウタ側摩擦パッド２３Ａは、ディスク軸方向に摺動可能となるようにキャリア１１に支持される。すると、キャリア１１のアウタビーム部３２が、ディスク軸方向において、アウタ側摩擦パッド２３Ａと対向する位置に設けられる。アウタビーム部３２は、アウタ側摩擦パッド２３Ａに対して、ディスク径方向の位置が重なり合い、ディスク周方向の位置も重なり合って、ディスク軸方向に対向する。

　アウタ側摩擦パッド２３Ａは、プレート２１１と、プレート２１１とディスク１０との間に設けられる摩擦材２１２と、プレート２１１における摩擦材２１２とは反対側の主面部２３２に設けられる第１シム２６１Ａおよび第２シム２６２Ａと、を有している。第２シム２６２Ａの主板部２８１Ａおよび第１シム２６１Ａが、アウタ側摩擦パッド２３Ａのプレート２１１とキャリア１１のアウタビーム部３２との間に配置される。第２シム２６２Ａには、そのディスク径方向の内側に切欠部３０１Ａが形成されている。切欠部３０１Ａは、アウタビーム部３２のアウタ側接続部８３に対して、ディスク径方向の位置が重なり合い、ディスク周方向の位置も重なり合って、ディスク軸方向に対向する。その際に、第２シム２６２Ａと、アウタビーム部３２とは、所定距離離間して設けられている。言い換えれば、アウタビーム部３２のアウタ側接続部８３は、切欠部３０１Ａ内に露出する第１シム２６１Ａに対して、ディスク径方向の位置が重なり合い、ディスク周方向の位置も重なり合って、ディスク軸方向に対向する。第２シム２６２Ａの一部は、アウタビーム部３２の形状に沿って設けられている。第２シム２６２Ａの長手方向は、アウタビーム部３２の長手方向と一致する。アウタビーム部３２のアウタ側接続部８３は、アウタ側摩擦パッド２３Ａの長手方向の中央に向かうほどディスク径方向外側に膨らんだ形状となっている。

　ディスクブレーキ１Ａを図示略のナックルに組み付ける場合には、まず、キャリア１１を、ディスクブレーキ１と同様にして図示略のナックルに取り付ける。
　次に、アウタ側摩擦パッド２３Ａを、アウタ側摩擦パッド２３と同様にして、キャリア１１のアウタビーム部３２とディスク１０との間に挿入する。この挿入中に、図１９に示すように、アウタ側摩擦パッド２３Ａの摩擦材２１２のディスク１０側の接触面３２１におけるディスク１０の軸方向の端部に位置するエッジ部３３１の少なくとも一点と、ディスク１０とを当接させて、これらの当接部３８１を設ける。

　そして、当接部３８１を設けた状態のまま、図１６に示すように、アウタ側摩擦パッド２３Ａの第１エッジ部２４５を少なくとも一点でアウタ側第１溝部１８１の外側支持板部１５２に接触させて、これらの接触部である第１接触部３８２を設ける。あるいは、図１５に示すように、アウタ側摩擦パッド２３Ａの第２エッジ部２５５を少なくとも一点でアウタ側第２溝部１８２の外側支持板部１５２に接触させて、これらの接触部である第２接触部３８３を設ける。第１接触部３８２および第２接触部３８３のうちの少なくとも一方を設ける。

　第２シム２６２Ａの切欠部３０１Ａは、この状態で、アウタビーム部３２とアウタ側摩擦パッド２３Ａとが当接する位置に、第２シム２６２Ａとアウタビーム部３２とが当接しないように形成されている。すなわち、アウタ側摩擦パッド２３Ａは、ディスク１０に対する角度によっては、第１接触部３８２および第２接触部３８３の少なくとも一方と、当接部３８１と、を設けた状態で、図１９に示すように、アウタビーム部３２に当接することになる。その際には、アウタビーム部３２に第１シム２６１Ａが当接して、第２シム２６２Ａでは当接しない。第２シム２６２Ａには、このようにキャリア１１へのアウタ側摩擦パッド２３Ａの組み付け時における第２シム２６２Ａとアウタビーム部３２との干渉を避ける範囲に切欠部３０１Ａが形成されている。

　ここで、切欠部３０１Ａの設定について説明する。切欠部３０１Ａの設定は、切欠部３０１の設定とほぼ同様である。

　アウタ側摩擦パッド２３Ａは、上記のように、ディスク径方向に対しアウタ側摩擦パッド２３Ａが所定の角度傾斜して配置された状態で、摩擦材２１２のエッジ部３３１が、ディスク１０へ押圧される接触面３２１におけるディスク１０の中心軸線側の端部に位置する。そして、この状態で、エッジ部３３１の少なくとも一点と、ディスク１０と、のみを当接させて、これらのみが当接する当接部３８１（第１当接部）を設ける。

　また、この当接部３８１を有する状態において、図１６に示すようにアウタ側摩擦パッド２３Ａとアウタ側第１溝部１８１とを少なくとも一点で接触させて、これらが接触する第１接触部３８２を設ける。あるいは、図１５に示すようにアウタ側摩擦パッド２３Ａとアウタ側第２溝部１８２とを少なくとも一点で接触させて、これらが接触する第２接触部３８３を設ける。第１接触部３８２および第２接触部３８３のうちの少なくとも一方を設ける。

　そして、第１接触部３８２および第２接触部３８３のうちの少なくとも一方と、当接部３８１と、を有する状態において、さらに、アウタビーム部３２のエッジ部１１５と、アウタ側摩擦パッド２３Ａと、を少なくとも一点で当接させて、これらが当接する第２当接部３８４を設ける。すなわち、第１接触部３８２および第２接触部３８３のうちの少なくとも一方と、当接部３８１と、第２当接部３８４とが設けられてアウタ側摩擦パッド２３Ａが拘束された状態とする。この条件が満たされていれば、必ず、第２当接部３８４が第２シム２６２Ａに接触せず、第１シム２６１Ａに当接するように、第２シム２６２Ａに切欠部３０１Ａが設けられる。言い換えれば、この条件が満たされていれば、アウタビーム部３２と、アウタ側摩擦パッド２３Ａと、が当接する箇所に切欠部３０１Ａが設けられる。

　これを満足するために、第１接触部３８２および第２接触部３８３のうちの少なくとも一方と、当接部３８１と、第２当接部３８４とが設けられてアウタ側摩擦パッド２３が拘束された状態で、第２当接部３８４を交点としてプレート２１１の厚さ方向とディスク１０の軸方向とで作られる角（θ）と、シム２０２の厚さ（ｔ）とし、アウタ側摩擦パッド２３が角θをなして拘束された状態において、ディスク１０の中心軸線を基準として、ディスク１０の中心軸線からアウタビーム部３２のディスクの径方向の変位（ｘ）と、をとる。

　このとき、ディスク軸方向における第２当接部３８４のディスク径方向の偏導関数（Ｆ（ｘ））が、
　シム２０２の切欠部３１１＞Ｆ（ｘ）となるように変位（ｘ）に応じて第２シム２６２Ａへ切欠部３０１Ａを設ける。
　これにより、アウタビーム部３２が、第２シム２６２Ａと干渉せずに第１シム２６１Ａに当接できる。

　第２実施形態のディスクブレーキ１Ａは、上記のようにして、アウタ側摩擦パッド２３Ａのキャリア１１への組み付け時に、アウタビーム部３２との干渉を避けるように、第２シム２６２Ａに切欠部３０１Ａを設けている。これにより、ディスクブレーキ１は、キャリア１１にアウタ側摩擦パッド２３Ａを組み付ける際に、アウタビーム部３２に第２シム２６２Ａが干渉することを切欠部３０１Ａが回避する。よって、ディスクブレーキ１Ａは、キャリア１１にアウタ側摩擦パッド２３Ａを組み付ける際に、第２シム２６２Ａに傷が付いてしまうことを容易に回避して組み付けることができる。したがって、ディスクブレーキ１Ａは、キャリア１１へのアウタ側摩擦パッド２３Ａの組み付け性の低下を抑制することができる。

　第２実施形態のディスクブレーキ１Ａは、その他、第１実施形態のディスクブレーキ１と同様の効果を奏することができる。

　以上の第１および第２実施形態においては、アウタ側第１溝部１８１およびアウタ側第２溝部１８２が、第１パッドスプリング２１および第２パッドスプリング２２に形成される場合を例にとり説明したが、第１パッドスプリング２１および第２パッドスプリング２２を設けずに、キャリア本体２０の第１アウタ側係止部５５および第２アウタ側係止部６５を溝部としても良い。

　また、以上の第１および第２実施形態においては、アウタ側摩擦パッド２３，２３Ａが、一対の第１耳部２２２および第２耳部２２３を有する場合を例にとり説明したが、一対の第１耳部２２２および第２耳部２２３のうちの一方のみが設けられる構造にも、本発明を適用することができる。すなわち、アウタ側摩擦パッド２３，２３Ａが、プレート２１１の長手方向において少なくとも片側に突設される耳部を有していれば良い。

　１，１Ａ　　ディスクブレーキ
　１０　　ディスク
　１１　　キャリア
　２３，２３Ａ　　アウタ側摩擦パッド（摩擦パッド）
　３２　　アウタビーム部
　３３　　第１ブリッジ部（ブリッジ部）
　３４　　第２ブリッジ部（ブリッジ部）
　８１　　第１基端延出部（直線部）
　８２　　第２基端延出部（直線部）
　８３　　アウタ側接続部（凸部，弧状部）
　１８１　　アウタ側第１溝部（溝部）
　１８２　　アウタ側第２溝部（溝部
　２０２　　シム
　２１１　　プレート
　２１２　　摩擦材
　２２２　　第１耳部（耳部）
　２２３　　第２耳部（耳部）
　２６２Ａ　　第２シム（シム）
　３０１Ａ，３１１　　切欠部
　３７１　　ピストン
　３８１　　当接部（第１当接部）
　３８２　　第１接触部（接触部）
　３８３　　第２接触部（接触部）
　３８４　　第２当接部。

Claims

　ピストンの推力によってディスクの方向へ移動させられるプレートと、前記プレートにおける前記ディスク側の面に設けられる摩擦材と、前記プレートにおける前記摩擦材とは反対側の面に設けられるシムと、前記シムに設けられる切欠部と、前記プレートの長手方向において少なくとも片側に突設される耳部と、を有する摩擦パッドと、
　前記ディスクを跨ぎ前記ディスクの周方向に離間して設けられる一対のブリッジ部と、前記ブリッジ部に設けられる溝部と、前記一対のブリッジ部を連結し、前記ディスクの軸方向において前記摩擦パッドと対向する位置に設けられるアウタビーム部と、を有するキャリアと、
　を有するディスクブレーキであって、
　前記ディスクの軸方向において前記アウタビーム部と対向する位置に設けられた前記摩擦パッドを前記ディスクの径方向に対し所定の角度傾斜させた状態で、前記摩擦材の前記ディスク側の面における前記ディスクの軸方向の端部と、前記ディスクとが当接する当接部と、
　前記溝部と前記耳部とが接触する接触部と、
　を有する状態で、
　前記アウタビーム部と、前記摩擦パッドと、が当接する箇所に前記切欠部が設けられている、
　ディスクブレーキ。
　前記アウタビーム部の少なくとも一部は、前記ディスクの径方向への凸部を有する、
　請求項１記載のディスクブレーキ。
　前記アウタビーム部の少なくとも一部は、直線形状である直線部を有する、
　請求項１記載のディスクブレーキ。
　前記アウタビーム部の少なくとも一部は、前記ディスクの径方向外側へ凸状の弧状部を有する、
　請求項１記載のディスクブレーキ。
　前記弧状部は、前記摩擦パッドの長手方向の中央に向かうほど膨らんだ形状となる、
　請求項４記載のディスクブレーキ。
　前記アウタビーム部の少なくとも一部は、前記アウタビーム部の延在方向に対して垂直方向の断面形状が一定である、
　請求項１記載のディスクブレーキ。
　前記シムの一部は、前記アウタビーム部の形状に沿って設けられている、
　請求項１記載のディスクブレーキ。
　前記シムと、前記アウタビーム部と、は所定距離離間して設けられている、
　請求項１記載のディスクブレーキ。