JP3915640B2 - 水晶z板のエッチング方法及びその方法によって成形された水晶ウェハ - Google Patents

水晶z板のエッチング方法及びその方法によって成形された水晶ウェハ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水晶Z板を所定形状にエッチング加工するためのエッチング方法及びその方法によって成形された水晶ウェハに係る。特に、本発明は、水晶ウェハの加工精度の向上を図るための対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、圧電振動デバイスの一種類として、小型化を図ることが容易な音叉型水晶振動子が知られている。この種の振動子は、例えば下記の特許文献1に開示されているように、エッチング加工により音叉型に成形された水晶ウェハに対してフォトリソグラフィー技術を利用して表面に所定の電極が形成されて成る音叉型水晶振動片を備えている。
【0003】
また、下記の特許文献2には、音叉型水晶振動片の各脚部それぞれの表裏面(主面)中央部に溝部を成形した構成が開示されている。このように脚部の表裏面に溝部を成形した場合、振動片を小型化しても脚部の振動損失が抑制され、CI値(クリスタルインピーダンス)を低く抑えることができて有効である。この種の音叉型水晶振動子は、特に、時計等の精密機器に搭載するのに適している。
【0004】
以下、上記脚部の表裏面に溝部を備えた音叉型水晶ウェハの成形工程として特許文献2に開示されている工程について説明する。
【0005】
先ず、図21(a)に示すように水晶板(水晶Z板)である基板aを板状に加工する。この際、水晶基板aの表裏各面はポリッシュ加工により鏡面化されている。
【0006】
次に、図示しないスパッタ装置によって、水晶基板aの表面及び裏面に、Cr(クロム)及びAu(金)で成る金属膜b,bを蒸着する(図21(b)参照)。そして、このように形成した金属膜b,bの上に図21(c)に示すようにフォトレジスト層c,cを形成する。
【0007】
次に、作製しようとする音叉型水晶ウェハの形状(音叉型形状)に合致する振動片成形領域dと、水晶基板aの外縁部分である枠部e,eにそれぞれフォトレジスト層c,cが残るようにフォトレジスト層cを一部除去し、外形パターニングを行う。この状態を断面で示したのが図21(d)であり、斜視図で示したのが図22(a)である。この状態では、図22(a)に示すように、音叉型水晶ウェハの所定形状が浮かび上がるように、フォトレジスト層c,cが形成される。
【0008】
その後、図21(e)に示すように、上記図21(d)でフォトレジスト層cが形成されていない部分の金属膜bをAuエッチング液及びCrエッチング液によって除去する。したがって、図22(b)に示すように金属膜bが除去された部分には水晶基板aが露出することになる。
【0009】
次に、図21(f)に示すように、図21(e)で残っていたフォトレジスト層cをすべて除去する。
【0010】
その後、図21(g)に示すように、水晶基板aの全面にフォトレジスト層fを形成する。
【0011】
そして、図21(h)に示すように、フォトレジスト層fの一部を除去する。具体的には、上記振動片成形領域d及び枠部e以外の部分のフォトレジスト層fを除去するだけでなく、溝部g(図21(k)参照)に相当する部分のフォトレジスト層fも除去する溝部パターニングを行う。
【0012】
次に、図21(i)に示すように、水晶エッチング液による外形エッチングを行う。すなわち、振動片成形領域dと枠部eのみを残し外形エッチングを行う。
【0013】
続いて、図21(j)に示すように、音叉型水晶ウェハの脚部に成形する溝部gに相当する部分の金属膜bをAuエッチング液及びCrエッチング液によって除去する。
【0014】
そして、水晶エッチング液により水晶基板aを所定深さまでエッチングして、脚部の両面に溝部g,g,…を成形し、断面形状を略H型にする。その後、フォトレジスト層f及び金属膜bを除去することにより、図21(k)に示すような断面略H型の脚部を備えた音叉型水晶ウェハが作製されることになる。
【0015】
このようにして作製された音叉型水晶ウェハに対し、その振動領域の上下面に所定の電極が形成されて音叉型水晶振動片が作製され、この音叉型水晶振動片がパッケージ内に取り付けられることにより水晶振動子が作製される。
【0016】
【特許文献1】
特開平10−294631号公報
【特許文献2】
特開2002−76806号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した公報に開示されている方法によって脚部の表裏面に溝部を成形する場合、この溝部には極めて高い加工精度が要求される。以下、その理由について説明する。
【0018】
上記溝部を設けたものは、溝部を設けないものに比べて振動周波数のバラツキが大きくなる傾向がある。このため、このバラツキを抑制するためには、溝部の加工を高い精度で行うことが有効である。
【0019】
また、この溝部を成形したものにあってはCI値を低く抑えることができるが、このCI値を効果的に低く抑えるためにも溝部の加工を高い精度で行うことが必要である。
【0021】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水晶Z板を加工するためのエッチング方法に対し、水晶ウェハの加工精度の向上を図ることにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
−発明の概要−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決手段は、水晶Z板に対してエッチング処理を行うに際し、このエッチング処理を行う領域に対して少なくとも2段階のエッチング工程を施すようにしている。先ず、そのエッチング処理を行う領域の外縁部分の一部(例えばエッチング処理を行う領域の両サイド部分)に対してエッチング処理を実行した後に、またはその実行に遅れたタイミングで、残りの部分(例えばエッチング処理を行う領域の中央部分)に対するエッチング処理を実行する。つまり、前者のエッチング処理によってエッチング領域の形状等を予め決定しておき、その後、そのエッチング領域の略全体をエッチングするようにしている。
【0023】
また、水晶Z板に溝部を成形する場合において、溝部の内部形状を適切に得るようにすることも本発明の技術的思想に含まれる。具体的には、溝部の底部に突起を形成するエッチング処理を行ったり、溝部の底部を水晶Z板表面(音叉型水晶ウェハにあっては主面)に略平行な平坦面とするエッチング処理を行ったりしている。
【0024】
−解決手段−
具体的には、水晶Z板表面の所定のエッチング領域をエッチングして凹部を形成するためのエッチング方法を前提とする。このエッチング方法に対し、外縁エッチング工程と、それに遅れて開始される中央エッチング工程とを備えさせている。外縁エッチング工程では、上記エッチング領域のうち、その領域の外縁部の少なくとも一部分のみに対してエッチング処理を行う。中央エッチング工程では、上記エッチング領域のうち、外縁エッチング工程においてエッチングされた部分以外の領域であって、この外縁エッチング工程においてエッチングされた部分に連続する領域に対してエッチング処理を行う。
【0025】
この特定事項により、外縁エッチング工程によって、先ず、エッチング領域の一部分(エッチング領域の外縁部の少なくとも一部分)に対して所定のエッチング量だけエッチング処理しておく。その後、中央エッチング工程によって、エッチング領域の略全体をエッチング処理して、所望のエッチング加工が完了する。このため、最終的に得られるエッチング領域の外縁形状は、その全体に亘って適切に設定されることになり、水晶ウェハの加工精度の向上を図ることができる。
【0027】
また、他の解決手段として、外縁エッチング工程では、上記エッチング領域のうち、その領域の外縁部の少なくとも一部分のみに対してエッチング処理を行い、この外縁エッチング工程よりも遅れて開始される中央エッチング工程では、上記エッチング領域のうち、外縁エッチング工程においてエッチングされた部分以外の領域であって、この外縁エッチング工程においてエッチングされた部分に連続する領域に対してエッチング処理を行い、且つこの領域の中央部分に突起部が残る状態でエッチング処理を終了することも掲げられる。
このように突起部が残る状態で中央エッチング工程を終了させると、凹部(後述する音叉型水晶ウェハの場合の溝部)内の表面積の拡大を図ることができる。このため、溝部内に形成される電極の面積も拡大でき、CI値を効果的に低く抑えることが可能になる。また、このCI値の抑制効果は、溝部の断面において最も薄肉の部分の厚さ寸法(溝部の深さ寸法(エッチング量)により決定される)に依存することが後述する実験から判った。つまり、溝部の断面において最も薄肉の部分の厚さを可能な限り小さくしながらも溝部の中央部に突起部を残すことで、水晶ウェハの剛性を十分に確保しながらCI値を十分に低く抑えることが可能になる。
【0028】
また、中央エッチング工程の開始タイミングとしては、外縁エッチング工程の終了後に開始する。
【0029】
上記解決手段の具体的な適用形態の一例としては、水晶Z板を外形エッチング工程によって音叉型形状に成形し、この音叉型形状に成形された水晶ウェハの主面上に対し、外縁エッチング工程及び中央エッチング工程によって凹部としての溝部を成形するものが掲げられる。例えば、外縁エッチング工程では、上記溝部における矩形状の開口の各辺のうち互いに対向する1対の辺及びその周辺のみに対してエッチング処理を行う。一方、中央エッチング工程では、上記外縁エッチング工程によりエッチングされた1対の辺の間の領域に対してエッチング処理を行う。
【0030】
このように音叉型水晶ウェハの主面上に溝部を成形した場合、振動片を小型化しても脚部の振動損失が抑制され、CI値を低く抑えることができて有効である。そして、上記解決手段によってこの溝部を成形することにより溝部の加工を高い精度で行うことができ、CI値を効果的に低く抑えることができると共に、振動周波数のバラツキを抑制することができる。
【0031】
上記外縁エッチング工程について詳しくは、この外縁エッチング工程においてエッチング処理が行われる領域の形状が、この形状に応じたエッチングストップ位置でのエッチング量と予め設定された所望のエッチング量とが略一致するように設定されている。つまり、外縁エッチング工程においてエッチング処理が行われる領域の形状を適切に設定しておくことにより、この外縁エッチング工程におけるエッチング量を所定量に設定することができる
【0032】
上述した如く音叉型水晶ウェハの主面上に溝部を成形する場合の具体的な成形方法としては以下の3タイプがある。
【0033】
先ず、第1のタイプとしては、水晶Z板を音叉型形状に成形する第1成形工程と、この第1成形工程の後に行われ、音叉型形状に成形された水晶ウェハの主面に対して凹部としての溝部を形成するための外縁エッチング工程及びその後に行われる中央エッチング工程で成る第2成形工程とによって行われるものである。
【0034】
第2のタイプとしては、水晶Z板を音叉型形状に成形する工程と上記外縁エッチング工程とが同時に行われ、その後に、溝部の中央部をエッチングする中央エッチング工程が行われるものである。
【0035】
第3のタイプとしては、エッチング領域のうち、中央エッチング工程によりエッチングされる領域の表面のみにエッチング遅延膜を予め存在させた状態で水晶Z板に対するエッチング処理を実行し、外縁エッチング工程の開始後、エッチング遅延膜が溶融除去された後に、中央エッチング工程が開始されるものである。
【0036】
特に、第2及び第3タイプの成形方法の場合、水晶Z板に対するエッチング回数を削減することができ、水晶ウェハ表面の面荒れ等の不具合を招くことがない
【0037】
上記中央エッチング工程によって溝部(エッチング領域)を所望の形状に成形する方法としては、エッチング領域の中央部が水晶Z板表面(水晶ウェハ主面)に略平行な平坦面になった状態で中央エッチング工程を終了するものが掲げられる
【0039】
このように溝部の中央部が水晶ウェハの主面に略平行な平坦面になった状態で中央エッチング工程を終了させた場合、音叉型水晶ウェハの左右脚部の断面形状を略対称形状に成形することが可能になり、また、この溝部内に形成される電極膜の膜厚も均一に得ることができる。このため、この水晶ウェハを使用する圧電機器(水晶振動子等)の特性を良好に得ることができ、高性能化を図ることが可能になる。
【0040】
また、上記各解決手段のうち何れか一つのエッチング方法において成形された水晶ウェハであって、エッチング領域のエッチング面に結晶面が現れているものも本発明の技術的思想の範疇である。つまり、水晶ウェハのエッチング面に結晶面が現れている状態を見れば、上記製造方法によって製造された水晶ウェハであると判断することができる。
【0041】
更に、上記エッチング方法において成形された水晶ウェハであって、エッチング領域の中央部(溝部の中央部)に突起部が形成されているものや、エッチング領域の中央部(溝部の中央部)が被成形物表面(水晶ウェハの主面)に略平行な平坦面になっているものも本発明の技術的思想の範疇である。従来のエッチング方法で上記溝部を形成した場合、溝部の中央部分は水晶ウェハの主面に対して傾斜した面として形成される。つまり、溝部の中央部の形状として突起部が形成されていたり主面に略平行な平坦面になっていることを見れば、上記製造方法によって製造されたエッチング成形品であると判断することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明は、音叉型水晶振動子を構成する音叉型水晶ウェハのエッチングによる成形方法に本発明を適用した場合について説明する。
【0043】
−音叉型水晶振動子の構成説明−
音叉型水晶ウェハのエッチングによる成形方法の説明の前に、先ず、音叉型水晶振動子の構成について説明する。
【0044】
図1(a)は本形態に係る音叉型水晶振動子に備えられる音叉型水晶振動片1を示す図である。また、図1(b)は図1(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
【0045】
この音叉型水晶振動片1は、2本の脚部11,12を備えており、各脚部11,12に第1及び第2の励振電極13,14が形成されている。図1(a)では、これら励振電極13,14の形成部分に斜線を付している。
【0046】
また、本音叉型水晶振動片1は、各脚部11,12それぞれの表裏面となる主面11a,12aの中央部に矩形状の溝部11c,12cが成形されている。これら溝部11c,12cを加工するためのエッチング工程については後述する。
【0047】
このように各脚部11,12の表裏面に溝部11c,12cを成形した場合、音叉型水晶振動片1を小型化しても脚部11,12の振動損失が抑制され、CI値(クリスタルインピーダンス)を低く抑えることができて有効である。
【0048】
上記第1の励振電極13は、一方の脚部11の表裏面(主面)11aに成形されている溝部11cの内部と他方の脚部12の側面12bとに設けられ、それぞれが接続されている。同様に、第2の励振電極14は、他方の脚部12の表裏面(主面)12aに成形されている溝部12cの内部と一方の脚部11の側面11bとに設けられ、それぞれが接続されている。これら励振電極13,14は、クロム(Cr)及び金(Au)の金属蒸着によって形成された薄膜であって、その膜厚は例えば2000Åに設定されている。
【0049】
また、図示しないが、この音叉型水晶振動片1はベースに支持され、このベースの外周部に音叉型水晶振動片1を覆うようにキャップが取り付けられて音叉型水晶振動子が構成される。
【0050】
−音叉型水晶ウェハのエッチング工程の説明−
次に、音叉型水晶ウェハのエッチングによる成形方法について複数の実施形態を説明する。
【0051】
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態について説明する。本形態に係る音叉型水晶ウェハの成形方法は、被成形物としての水晶基板を、溝部11c,12cを除いて所定形状(音叉型形状)に成形するための第1成形工程と、この第1成形工程の後に行われ、溝部11c,12cを成形するための第2成形工程とによって行われる。
【0052】
<第1成形工程>
先ず、第1成形工程について図2を用いて説明する。この図2は、図1においてII-II線に沿った断面における加工状態を示している。
【0053】
この第1成形工程では、先ず、図2(a)に示すように水晶基板2を板状に加工する。この際、水晶基板2の表裏各面はポリッシュ加工により鏡面化されている。
【0054】
次に、図示しないスパッタ装置によって、水晶基板2の表面及び裏面にCr、Auの金属膜3,3を蒸着する(図2(b)参照)。そして、このように形成した金属膜3,3の上に図2(c)に示すようにフォトレジスト層4,4を形成する。
【0055】
次に、図2(d)に示すように、作製しようとする音叉型水晶ウェハの形状に合致する振動片成形領域Aと、水晶基板2の外縁部分である枠部Cにそれぞれフォトレジスト層4,4が残るようにフォトレジスト層4を一部除去し、外形パターニングを行う。
【0056】
次に、図2(e)に示すように、上記図2(d)でフォトレジスト層4が形成されていない部分の金属膜3をAuエッチング液及びCrエッチング液によって除去する。これにより、金属膜3が除去された部分には、水晶基板2が露出することになる。
【0057】
その後、図2(f)に示すように、図2(e)で残っていたフォトレジスト層4をすべて除去する。
【0058】
次に、図2(g)に示すように、水晶エッチング液(フッ酸+フッ化アンモニウム溶液等)による外形エッチングを行う。すなわち、振動片成形領域Aと枠部Cのみを残し外形エッチングを行う。
【0059】
その後、図2(h)に示すように、振動片成形領域A及び枠部Cに対してフォトレジスト層5を形成する。
【0060】
以上が第1成形工程である。この第1成形工程によって水晶基板2から音叉形状の音叉型水晶ウェハ、つまり、2本の脚部11,12を備えた形状が成形されることになる。この状態では、未だ、溝部11c,12cは成形されていない。
【0061】
<第2成形工程>
次に、溝部11c,12cを成形するための第2成形工程について図3を用いて説明する。この図3では、一方の脚部11についてのみ示している。他方の脚部12においても同様の加工が同時に行われる。
【0062】
この第2成形工程では、先ず、図3(a)に示すように、フォトレジスト層5の一部を除去する。具体的には、溝部11cに相当する部分であって、この溝部11cの両サイド、つまり、図3(a)において溝部11cの左右両側縁部分のみに対してフォトレジスト層5を除去する溝部サイドパターニングを行う。詳しくは、本形態では図3(a)において仮想線で示す形状の溝部11cを形成する。この場合、本溝部サイドパターニングでは、この仮想線で示す形状の図中の左右両側縁部分のみに対してフォトレジスト層5を除去している。このため、脚部11に相当する部分では3箇所(図3(a)の如く、左右両側と中央の3箇所)にフォトレジスト層5が残ることになる。この場合のフォトレジスト層5を除去する幅寸法Wについては後述する。
【0063】
続いて、図3(b)に示すように、溝部11cに相当する部分の金属膜3をAuエッチング液及びCrエッチング液によって除去する。つまり、上記溝部サイドパターニングにおいてフォトレジスト層5が除去された部分に対応する金属膜3のみが除去される。
【0064】
そして、図3(c)に示すように、フォトレジスト層5を除去した後、図3(d)に示すように、水晶エッチング液により水晶基板2をエッチングする。これにより、溝部11cの両サイドのみがエッチングされて、サイド溝部11d,11dが形成されることになる。
【0065】
この際、エッチング処理が行われる領域の面積(水晶基板2上の面積であって幅寸法が上記Wの箇所の面積)は小さいため、エッチングストップ作用により、水晶基板2のエッチング量は規制される。つまり、ある程度エッチングが進んだ時点でエッチング面に結晶面が現れ、これにより、継続して水晶エッチング液に浸漬しておいてもエッチングが進むことはない。即ち、上記図3(a)で示した溝部サイドパターニングにおいて、フォトレジスト層5を除去する幅寸法Wを、溝部11cの設計深さ寸法に応じて予め設定しておくことにより、このエッチングストップ発生時点におけるサイド溝部11dの深さを所望の寸法に設定することができる。図4は、溝部サイドパターニングにおいてフォトレジスト層5を除去する幅寸法Wと、エッチングストップ発生時点におけるサイド溝部11dの深さ寸法との関係を示している。この図に示すように、幅寸法Wが大きいほどサイド溝部11dの深さ寸法は大きくなる。逆に、幅寸法Wを小さく設定するほどサイド溝部11dの深さ寸法も小さくなる。このように幅寸法Wとサイド溝部11dの深さ寸法とは相関があるため、成形しようとする溝部11cの設計深さ寸法に応じて幅寸法Wを予め設定しておくことにより、サイド溝部11dの深さを所望の寸法に設定することが可能である。具体的な例を掲げると、幅寸法Wを28μmとした場合にはサイド溝部11dの深さは23μmとなり、幅寸法Wを45μmとした場合にはサイド溝部11dの深さは36μmとなる。尚、これら数値は水晶エッチング液の種類など各種条件によって異なる。以上が、本発明における外縁エッチング工程である。
【0066】
次に、図3(e)に示すように、金属膜3の表面に対してフォトレジスト層6を形成する。そして、これらフォトレジスト層6のうち、図3(f)に示すように、中央に位置するフォトレジスト層6のみを除去した後、図3(g)に示すように、このフォトレジスト層6の除去に伴って露出した金属膜3のみをAuエッチング液及びCrエッチング液によって除去する。
【0067】
その後、図3(h)に示すように、フォトレジスト層6を除去した後、図3(i)に示すように、水晶エッチング液により水晶基板2をエッチングする。これにより、一対のサイド溝部11d,11dの間に残っていた水晶基板2の一部分がエッチングされることになる。つまり、成形しようとする溝部11cの中央部分に残っていた水晶をエッチングにより除去して所定形状の溝部11cが形成され、脚部11は断面形状が略H型に成形される。以上が、本発明における中央エッチング工程である。
【0068】
このようにして脚部11を断面略H型に成形した後、残っている金属膜3を除去することにより、音叉型水晶ウェハが完成する。
【0069】
尚、この残っている金属膜3は、除去することなく、その後に行われる電極形成時の配線パターンの一部として利用したり、音叉型水晶振動子の周波数調整時に部分的に除去(例えば周波数調整を行うためのミーリング)するための重み付け電極として利用してもよい。
【0070】
このようにして成形された音叉型水晶ウェハの各脚部11,12に、上記第1及び第2の励振電極13,14を形成して音叉型水晶振動片1を作製し、これをベースに支持し、このベースの外周部にキャップが取り付けられて音叉型水晶振動子が作製されることになる。このようにして作製された音叉型水晶振動子の共振周波数としては、例えば20kHz、32kHz、40kHz、60kHz、75kHz、77.5kHzなどが掲げられる。また、これら周波数以外の音叉型水晶振動子も作製することは可能である。また、表面実装型の音叉型水晶振動子等として作製してもよい。
【0071】
以上説明したように、本形態では、上記第2成形工程において、先ず、比較的狭い領域に対し、エッチングストップ技術を利用して適切なエッチング量だけ予めエッチング処理を行っておく(外縁エッチング工程)。その後、残されたエッチング領域に対してエッチング処理を行う(中央エッチング工程)。このため、水晶ウェハに形成される溝部11c,12cの加工精度の向上を図ることができる。その結果、CI値を効果的に低く抑えることができると共に、振動周波数のバラツキを抑制することができる
【0072】
また、従来のエッチング方法では、溝部全体に亘って同時にエッチングしていたために、形成される溝部の底面は、水晶ウェハの主面11a,12aに対して傾斜した面として形成されてしまう(例えば図18(b)に示す形状)。これに対し、本形態では、外縁エッチング工程において溝部11c,12cの中央部に突起状に水晶を残しておき、その後の中央エッチング工程において、この突起状に残っている水晶をエッチングしていくことより、溝部11c,12cの中央部を水晶ウェハの主面11a,12aに略平行な平坦面として形成することができる。このため、音叉型水晶ウェハの左右脚部11,12の断面形状を略対称形状に成形することが可能になり、それぞれの振動特性の均等化を図ることができる。また、溝部11c,12c内に形成される励振電極13,14の膜厚も略均一に得ることが可能である。その結果、この水晶ウェハを使用して作製される水晶振動子の特性を良好に得ることができ、高性能化を図ることが可能になる。
【0073】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本形態に係る音叉型水晶振動片1の成形方法は、水晶基板2に対して、音叉型水晶ウェハの外形の所定形状への成形とサイド溝部11dの成形とを同時に行うものである。以下、この成形工程について図5及び図6を用いて説明する。
【0074】
図5における(a)〜(c)の各工程は上述した第1実施形態における図2(a)〜(c)の各工程と同一であるのでここでの説明は省略する。
【0075】
その後、図5(d)に示すように、作製しようとする音叉型水晶ウェハの形状に合致する振動片成形領域Aと、水晶基板2の外縁部分である枠部Cと、溝部11c,12cの形成領域の一部分にそれぞれフォトレジスト層4,4が残るようにフォトレジスト層を一部除去し、外形パターニングを行う。
【0076】
この溝部11c,12cの形成領域の一部分に残すフォトレジスト層4,4としては、溝部11c,12cに相当する部分であって、上述した第1実施形態における図3(a)で示した溝部サイドパターニングと同様に、溝部11c,12cの両サイド、つまり、図5(d)において溝部11c,12cの左右両側縁部分のみに対してフォトレジスト層4を除去する。
【0077】
次に、図5(e)に示すように、上記図5(d)でフォトレジスト層4が形成されていない部分の金属膜3をAuエッチング液及びCrエッチング液によって除去する。これにより、金属膜3が除去された部分には、水晶基板2が露出することになる。
【0078】
その後、図5(f)に示すように、図5(e)で残っていたフォトレジスト層4をすべて除去する。
【0079】
次に、各脚部11,12を拡大表示する図6(a)に示すように、水晶エッチング液による外形エッチングを行う。すなわち、振動片成形領域Aと枠部Cのみを残し外形エッチングを行う。この際、溝部11c,12cの両サイドもエッチングされ、サイド溝部11d,12dが形成されることになる。この際にも、エッチング処理が行われる領域の面積(水晶基板2上の面積)は小さいため、エッチングストップ作用により、水晶基板2のエッチング量は規制される。つまり、ある程度エッチングが進んだ時点でエッチング面に結晶面が現れ、これにより、継続して水晶エッチング液に浸漬しておいてもエッチングが進むことはない。つまり、上記図5(d)で示した溝部サイドパターニングにおいて、フォトレジスト層4を除去する幅寸法を、溝部11c,12cの設計深さ寸法に応じて予め設定しておくことにより、このエッチングストップ発生時点におけるサイド溝部11d,12dの深さを所望の寸法に設定することができる。
【0080】
図6(b)〜(f)の各工程は上述した第1実施形態における図3(e)〜(i)の各工程と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0081】
本形態においても、水晶ウェハに形成される溝部11c,12cの加工精度の向上を図ることができる。その結果、CI値を効果的に低く抑えることができると共に、振動周波数のバラツキを抑制することができる。また、上記第1実施形態の場合と同様に、溝部11c,12cの中央部を水晶ウェハの主面11a,12aに略平行な平坦面として形成することができるため、左右脚部11,12の断面形状を略対称形状に成形することができ、且つ励振電極13,14の膜厚も均一に得ることができて、水晶振動子の特性を良好に得ることができる。
【0082】
加えて、本形態では、音叉型水晶ウェハの外形エッチングとサイド溝部11d,12dのエッチングとを同時に行うことができる。つまり、第1実施形態のものに対して水晶基板2に対するエッチング回数を削減することができ、水晶ウェハ表面の面荒れ等の不具合を招くことがない。
【0083】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本形態に係る音叉型水晶振動片1の成形方法も、上述した第2実施形態の場合と同様に、水晶基板2に対して、音叉型水晶ウェハの外形の所定形状への成形とサイド溝部11d,12dの成形とを同時に行うものである。以下、この成形工程について図7及び図8を用いて説明する。
【0084】
図7における(a)〜(f)の各工程は上述した第2実施形態における図5(a)〜(f)の各工程と同一であるのでここでの説明は省略する。
【0085】
その後、図7(g)に示すように、水晶基板2の全面にフォトレジスト層5を形成する。この場合、水晶基板2には未だサイド溝部11d,12dが形成されていないので、スピンコート法によってフォトレジスト層5を水晶基板2の全面に均一に形成することが可能である。このため、高いパターニング精度を得ることができる。
【0086】
そして、図7(h)に示すように、フォトレジスト層5の一部を除去する。具体的には、溝部11c,12cの両サイドに位置している金属膜3を覆っているフォトレジスト層5のみを残し、それ以外のフォトレジスト層5を除去する。
【0087】
次に、各脚部11,12を拡大表示する図8(a)に示すように、水晶エッチング液による外形エッチングを行う。すなわち、振動片成形領域Aと枠部Cのみを残し外形エッチングを行う。この際、溝部11c,12cの両サイドもエッチングされ、サイド溝部11d,12dが形成されることになる。この際にも、エッチング処理が行われる領域の面積(水晶基板2上の面積)は小さいため、エッチングストップ作用により、水晶基板2のエッチング量は規制される。つまり、ある程度エッチングが進んだ時点でエッチング面に結晶面が現れ、これにより、継続して水晶エッチング液に浸漬しておいてもエッチングが進むことはない。つまり、上記図7(d)で示した溝部サイドパターニングにおいて、フォトレジスト層4を除去する幅寸法を、溝部11c,12cの設計深さ寸法に応じて予め設定しておくことにより、このエッチングストップ発生時点におけるサイド溝部11d,12dの深さを所望の寸法に設定することができる。
【0088】
図8(b)〜(d)の各工程は上述した第1実施形態における図3(g)〜(i)の各工程と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0089】
本形態においても、上記各実施形態の場合と同様に、溝部11c,12cの加工精度の向上を図ることができ、CI値の抑制及び振動周波数のバラツキの抑制を図ることができる。また、溝部11c,12cの中央部を水晶ウェハの主面11a,12aに略平行な平坦面として形成することができ、水晶振動子の特性を良好に得ることができる。更には、上記第2実施形態の場合と同様に、水晶基板2に対するエッチング回数を削減することができ、水晶ウェハ表面の面荒れ等の不具合を招くことがない。
【0090】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本形態に係る音叉型水晶振動片1の成形方法は、溝部11c,12cの成形工程として、外縁エッチング工程の開始後で且つその終了前に中央エッチング工程を開始させるものである。つまり、中央エッチング工程の開始時には、この中央エッチング工程と外縁エッチング工程とが並行されるものである。以下、この成形工程について図9及び図10を用いて説明する。
【0091】
図9における(a)〜(g)の各工程は上述した第3実施形態における図7(a)〜(g)の各工程と同一であるのでここでの説明は省略する。
【0092】
その後、図9(h)に示すように、フォトレジスト層5の一部を除去する。具体的には、溝部11c,12cに相当する部分のうち中央エッチング工程においてエッチングされる領域(以下、この領域を溝中央領域と呼ぶ)のみのフォトレジスト層5を除去するパターニングを行う。
【0093】
次に、図9(i)に示すように、上記図9(h)でフォトレジスト層5が形成されていない部分の金属膜3のうちAuのみをAuエッチング液によって除去する。これにより、溝中央領域に相当する部分では、本発明でいうエッチング遅延膜として機能するCr膜のみが残った状態になる。
【0094】
そして、図9(j)に示すように、フォトレジスト層5の一部を除去する。具体的には、溝部11c,12cの両サイドに位置している金属膜3を覆っているフォトレジスト層5のみを残し、それ以外のフォトレジスト層5を除去する。
【0095】
次に、各脚部11,12を拡大表示する図10(a)に示すように、水晶エッチング液による外形エッチングを行う。すなわち、振動片成形領域Aと枠部Cのみを残し外形エッチングを行う。この際、溝部11c,12cの両サイドもエッチングされ、サイド溝部11d,12dが形成され始める。この際、溝中央領域に相当する部分では金属膜3としてCr膜が存在しているのみであるため、このCr膜も水晶エッチング液によってエッチング(溶融除去)されていく。図10(b)は、この外形エッチング工程の途中の状態であって、溝中央領域に相当する部分のCr膜が完全に除去された状態を示している。この時、未だ外形エッチング工程及びサイド溝部11d,12dのエッチング工程(外縁エッチング工程)は完了していない。
【0096】
この状態を経て、更に水晶エッチング液によるエッチングを進めていくと、図10(c)に示すように、Cr膜が完全に除去された溝中央領域に相当する部分においても水晶基板2のエッチングが開始される。つまり、水晶ウェハ外形エッチング工程と外縁エッチング工程と中央エッチング工程とが並行されることになる。
【0097】
このエッチング工程を所定時間継続していくと、水晶基板2が所定の音叉型に形成される。また、外縁エッチング工程及び中央エッチング工程により溝部11c,12cが成形される(図10(d)参照)。
【0098】
本形態においても、上記各実施形態の場合と同様に、溝部11c,12cの加工精度の向上を図ることができ、CI値の抑制及び振動周波数のバラツキの抑制を図ることができる。また、溝部11c,12cの中央部を水晶ウェハの主面11a,12aに略平行な平坦面として形成することができ、水晶振動子の特性を良好に得ることができる。更に、本形態では、水晶ウェハ外形エッチング工程と外縁エッチング工程と中央エッチング工程とが並行されるため、水晶基板2に対するエッチング回数が1回で済み、水晶ウェハ表面の面荒れ等の不具合を確実に阻止することができる。また、加工作業の簡素化及び加工時間の短縮化を図ることもできる。
【0099】
尚、本第4実施形態では、Cr膜31のみを存在させる領域と、Cr膜31及びAu膜32の2層を存在させる領域とを備えさせ、Cr膜31のみを存在させた領域においてのみエッチング動作の開始が遅延されるようにしていた。これに限らず、Cr膜を存在させる領域と、酸化Cr膜を存在させる領域とを備えさせ、Cr(非酸化)膜を存在させた領域においてのみエッチング動作の開始が遅延されるようにしてもよい。このCr膜に対して部分的に酸化させる手法としては、エキシマUV照射、UV−O3ドライ洗浄、O2プラズマなどが掲げられる。
【0100】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。上述した各実施形態では、溝部11c,12cの底部が主面11a,12aに略平行な平坦面となるように中央エッチング工程を行っていた。本形態は、この中央エッチング工程の終了時点で、溝部11c,12cの底部に突起部が残るようにしたものである。つまり、溝部11c,12cの底部の突起部が完全にエッチング除去されて平坦面となる前に中央エッチング工程を終了させるようにしている。この中央部のエッチング工程は、上述した第1〜第4実施形態それぞれに対して適用可能である。
【0101】
先ず、上述した第1実施形態において溝部11c,12cの底部に突起部を残すようにした場合の工程について図11を用いて説明する。この図11は、上記第1実施形態の第2成形工程(図3)に相当する図である。つまり、図11に示す工程の前工程として図2に示す第1成形工程が既に完了している。
【0102】
図11における(a)〜(g)の各工程は上述した第1実施形態における図3(a)〜(g)の各工程と同一であるのでここでの説明は省略する。
【0103】
図11(h)に示すように、フォトレジスト層6を除去した後、水晶エッチング液により水晶基板2をエッチングする。これにより、一対のサイド溝部11d,11dの間に残っていた水晶基板2の一部分(突起部21)のエッチングが開始される。そして、このエッチング時間を比較的短時間(上述した第1実施形態の場合よりも短時間)で終了させることにより、図11(i)に示すように、溝部11cの底部には突起部21が残る。
【0104】
このようにして溝部11cの底部に突起部21を残した状態で中央エッチング工程を終了する。この場合、溝部11c内の表面積の拡大を図ることができ、溝部11c内に形成される励振電極13の面積も拡大できて、CI値を効果的に低く抑えることが可能になる。
【0105】
また、このCI値の抑制効果は、溝部11cが形成されている部分の断面において最も薄肉の部分の厚さ寸法に依存することが後述する実験例から判った。つまり、本実施形態において成形される水晶ウェハにあっては、溝部11cの断面において最も薄肉の部分の厚さを可能な限り小さくしながらも溝部11cの中央部に突起部21を残すことで、水晶ウェハの剛性を十分に確保しながらCI値を十分に低く抑えることが可能になる。
【0106】
図12は、上記第2実施形態において溝部11c,12cの底部に突起部21が残るようにした場合における図6に相当する図である。図13は、上記第3実施形態において溝部11c,12cの底部に突起部21が残るようにした場合における図8に相当する図である。図14は、上記第4実施形態において溝部11c,12cの底部に突起部21が残るようにした場合における図10に相当する図である。
【0107】
これら何れにおいても、一対のサイド溝部11d,11dの間に残っていた水晶基板2の一部分(突起部21)のエッチング動作にあっては、そのエッチング処理を比較的短時間で終了させることにより、溝部11c,12cの底部に突起部21,21が残るようにしている。これにより、溝部11c内の表面積の拡大を図ることができ、溝部11c内に形成される励振電極13の面積も拡大できて、CI値を効果的に低く抑えることが可能になる。
【0108】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。上述した各実施形態では、外縁エッチング工程においてエッチングストップ技術を利用することによって、エッチング量を設定するようにしていた。本形態では、エッチングストップ技術を利用することなしに外縁エッチング工程及び中央エッチング工程を行うものである。
【0109】
本第6実施形態も、上述した第1〜第4実施形態それぞれに対して適用可能である。
【0110】
先ず、上述した第1実施形態において、エッチングストップ技術を利用することなしに外縁エッチング工程及び中央エッチング工程を行い、且つ溝部11c,12cの底部に突起部21,21を残すようにした場合の工程について図15を用いて説明する。この図15は、上記第1実施形態の第2成形工程(図3)に相当する図である。
【0111】
この場合、図15(a)においてフォトレジスト層5を除去する幅寸法Wが予め大きく得られるようにしておく。つまり、エッチングストップによってエッチング量が制限されることがないようにしておく。そのためには、成形しようとする水晶ウェハの外形が上記実施形態と同様のものである場合には、上記幅寸法Wを比較的大きく設定しておく。この場合、突起部21の幅寸法が小さくなってしまう可能性がある。また、比較的大型の音叉型水晶ウェハの成形に使用する場合には、突起部21の幅寸法が小さくなってしまうことなしに、上記幅寸法Wを比較的大きく設定することが可能である。
【0112】
そして、図15(d)に示すように、溝部11cの両サイドのみをエッチングしてサイド溝部11d,11dを形成する場合のエッチング量を比較的小さく設定しておく。つまり、上述した実施形態の場合に比べて外縁エッチング工程の時間を短く設定する。
【0113】
その後の中央エッチング工程では、図15(i)に示すように、サイド溝部11d,11d及び突起部21が共にエッチングされ、所定のエッチング量が得られた時点で中央エッチング工程を終了する。つまり、サイド溝部11d,11dの深さ寸法が所定寸法に達し且つ溝部11cの底部に突起部21を残した状態で中央エッチング工程を終了する。
【0114】
本形態にあっても、溝部11c内の表面積の拡大を図ることができ、溝部11c内に形成される励振電極13の面積も拡大できて、CI値を効果的に低く抑えることが可能になる。また、溝部11cの断面において最も薄肉の部分の厚さを可能な限り小さくしながらも溝部11cの中央部に突起部21を残すことで、水晶ウェハの剛性を十分に確保しながらCI値を十分に低く抑えることが可能になる。
【0115】
図16は、上記第2実施形態において、エッチングストップ技術を利用することなしに外縁エッチング工程及び中央エッチング工程を行い、且つ溝部11c,12cの底部に突起部21,21を残すようにした場合における図6に相当する図である。図17は、上記第3実施形態において、エッチングストップ技術を利用することなしに外縁エッチング工程及び中央エッチング工程を行い、且つ溝部11c,12cの底部に突起部21,21を残すようにした場合における図8に相当する図である。尚、上記第4実施形態において、エッチングストップ技術を利用することなしに外縁エッチング工程及び中央エッチング工程を行い、且つ溝部11c,12cの底部に突起部21,21を残すようにした場合については上記図14と同様であるのでここでは図示を省略する。
【0116】
これら何れにおいても、溝部11c,12cの底部に突起部21,21が残るようにしているので、溝部11c内の表面積の拡大を図ることができ、溝部11c内に形成される励振電極13の面積も拡大できて、CI値を効果的に低く抑えることが可能になる。
【0117】
−実験例−
以下、実験例について説明する。この実験例で使用した水晶ウェハは、板厚が120μm、溝部全体の幅寸法が53μmのものを使用し、本発明に係る水晶ウェハは、上記図15で示したエッチング方法によって成形されたものであって外縁エッチング工程において形成される各サイド溝部11dの幅寸法が20μmであるものを採用した。
【0118】
表1及び表2は、本発明に係る方法によって成形された水晶ウェハを使用して水晶振動子を作製した場合の各部の寸法及びCI値を示している。特に、表1のものは、外縁エッチング工程におけるエッチング量を約10μmとし、中央エッチング工程におけるエッチング量を、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μmとしてそれぞれ成形した各水晶ウェハに対する実験結果である。尚、上述した如く、本実験例では図15で示したエッチング方法によって水晶ウェハを成形したので、中央エッチング工程にあってもサイド溝部11dはエッチングされる(以下の各表に示す水晶ウェハも同様)。また、表2のものは、外縁エッチング工程におけるエッチング量を約20μmとし、中央エッチング工程におけるエッチング量を、約10μm、約20μm、約30μm、約50μmとしてそれぞれ成形した各水晶ウェハに対する実験結果である。それぞれ4種類ずつ水晶ウェハを作製し、各水晶ウェハについて実験を行った。
【0119】
一方、表3及び表4は、従来のエッチング方法(溝部全体に亘って同時にエッチングを行うもの)によって形成された水晶ウェハを使用して水晶振動子を作製した場合の各部の寸法及びCI値を示している。特に、表3のものは、溝部エッチングを2回に分けて行い(溝部の全体に対するエッチングを2回に分けて行い)1回目の溝部エッチング量を約10μmとし、2回目の溝部エッチング量を、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μmとしてそれぞれ成形した各水晶ウェハに対する実験結果である。また、表4のものは、溝部エッチングを2回に分けて行い1回目の溝部エッチング量を約20μmとし、2回目の溝部エッチング量を、約10μm、約20μm、約30μm、約50μmとしてそれぞれ成形した各水晶ウェハに対する実験結果である。上記と同様に、それぞれ4種類ずつ水晶ウェハを作製し、各水晶ウェハについて実験を行った。
【0120】
【表1】
Figure 0003915640
【0121】
【表2】
Figure 0003915640
【0122】
【表3】
Figure 0003915640
【0123】
【表4】
Figure 0003915640
【0124】
尚、各表中の寸法a,b,cは図18に示している。図18(a)は本実験例で使用した本発明に係る方法で成形された水晶ウェハの脚部断面形状を示しており、図18(b)は本実験例で使用した従来方法で成形された水晶ウェハの脚部断面形状を示している。
【0125】
これら表から判るように、従来のエッチング方法によって形成された水晶ウェハの寸法cと、本発明に係る水晶ウェハの寸法bとが略一致するものにあってはCI値も略近似した値になっている。例えば、従来の水晶ウェハの寸法cが65μmのもの(表4)と本発明に係る水晶ウェハの寸法bが62μmのもの(表2)とでは、CI値は58〜61(kΩ)程度の値である。同様に、従来の水晶ウェハの寸法cが49μmのもの(表4)と本発明に係る水晶ウェハの寸法bが50μmのもの(表2)とでは、CI値は52〜56(kΩ)程度の値である。
【0126】
つまり、これらはCI値の抑制効果としては同等の性能をもっていることになる。そして、これらの形状を比較した場合、従来の水晶ウェハにあっては、溝部の大部分が寸法cとなっているのに対し(図18(b)参照)、本発明に係る水晶ウェハにあっては、溝部の局部のみが寸法bとなっており、その他の部分では突起部21の存在によってこの寸法bよりも大きな肉厚が確保されている(図18(a)参照)。つまり、本発明に係る水晶ウェハにあっては、水晶ウェハの剛性を十分に確保しながらもCI値を十分に低く抑えることが可能であることが判る。その結果、本発明によれば、割れなどの破損の発生の回避とCI値の十分な抑制とを両立することが可能な水晶ウェハを提供することが可能である。
【0128】
−その他の実施形態−
また、各実施形態は何れもウエットエッチングによって水晶基板2を所定の音叉型形状に成形する場合について説明した。本発明はこれに限らず、ドライエッチングによって水晶基板2を音叉型形状に成形する場合についても適用可能である。
【0130】
また、上記実施形態では、外縁エッチング工程にあっては、溝部11c,12cにおける矩形状の開口の各辺のうち互いに対向する1対の辺及びその周辺のみに対してエッチング処理を行っていた。本発明はこれに限らず、矩形状の開口の各辺のうち一つの辺及びその周辺のみに対してエッチング処理を行ったり、3つの辺及びその周辺に対してエッチング処理を行ってもよい。
【0131】
更に、上記外縁エッチング工程としては、溝部11c,12cの中央部分のエッチングを行わずに外縁(サイド)部分のみのエッチング処理を行う場合に限らず、中央部分及び外縁部分の両方のエッチングを並行し且つ中央部分が外縁部分よりもエッチング量が少なくなるようにエッチング処理を行うものであってもよい。同様に、中央エッチング工程としても、溝部11c,12cの外縁部分のエッチングを行わずに中央部分のみのエッチング処理を行う場合に限らず、中央部分及び外縁部分の両方のエッチングを並行して溝部11c,12cを所定の形状に成形するものであってもよい。
【0132】
加えて、上述した如く溝部11c内に形成される励振電極13の面積を拡大すれば、CI値を効果的に低く抑えることが可能である。この点に鑑みれば、励振電極13の面積を拡大するべく各脚部11,12の表面積を大きくする構成を採用することが好ましい。図19及び図20は、参考例として各脚部11,12の表面積を大きくするための各種構成を示している
【0133】
以下、図19及び図20に示した各水晶ウェハの形状について簡単に説明する。先ず、図19は水晶ウェハの主面に凹部(溝部)を形成したものである。具体的に、(a)は、脚部11,12の長手方向に亘って複数の矩形状の溝部11c,11c,…、12c,12c,…を形成したものである。(b)は、脚部11,12の先端に開放する溝部11c,12cを形成したものである。(c)は、水晶ウェハの基端に開放する溝部11c,12cを形成したものである。(d)は、水晶ウェハの先端から基端に亘ってそれぞれに開放する溝部11c,12cを形成したものである。(e)は、脚部11,12の幅方向に一対の矩形状の溝部11c,11c、12c,12cを形成したものである。(f)は、脚部11,12の中央部に形成した溝部11c,12cの底部に複数の段部を形成したものである。(g)は、脚部11,12の複数箇所に円形の凹部11c,11c,…、12c,12c,…を形成したものである。(h)は、各脚部11,12に形成されている溝部11c,12c同士を連結して連続した凹部としたものである。
【0134】
一方、図20における(a)は、脚部11,12の外側コーナ部に溝部11c,12cを形成したものである。(b)は、脚部11,12の内側コーナ部に溝部11c,12cを形成したものである。(c)は、脚部11,12の中央部に形成した溝部11c,12cの一部を側面11b,12bに開放したものである。(d)は、各脚部11,12の中央部から先端部に亘って溝部11c,12cの底部と面一にしたものである。(e)は、脚部11,12の表裏に亘る貫通孔11e,12eと溝部11c,12cとを併用したものである。
【0135】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、水晶Z板に対してエッチング処理を行うに際し、先ず、そのエッチング処理を行う領域の外縁部分の一部に対してエッチング処理を実行した後に、残りの部分に対するエッチング処理を実行するようにしている。このため、水晶ウェハの加工精度の向上を図ることができ、信頼性の高い水晶ウェハを得ることができる。
【0136】
また、この技術を利用して音叉型水晶ウェハの主面上の中央部分に溝部を成形した場合には、この溝部の外縁形状を精度高く得ることができる
【0137】
更に、上記溝部の中央部に突起部が残る状態で中央エッチング工程を終了させた場合には、溝部内の表面積の拡大を図ることができる。このため、溝部内に形成される電極の面積も拡大でき、CI値を効果的に低く抑えることが可能になる。一方、溝部の中央部が水晶ウェハの主面に略平行な平坦面になった状態で中央エッチング工程を終了させた場合には、音叉型水晶ウェハの左右脚部の断面形状を略対称形状に成形することが可能になり、また、この溝部内に形成される電極膜の膜厚も均一に得ることができる。このため、この水晶ウェハを使用する水晶振動子の特性を良好に得ることができ、高性能化を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施形態に係る音叉型水晶振動片を示す図であり、(b)は(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
【図2】第1実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形方法の第1成形工程を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形方法の第2成形工程を示す図である。
【図4】溝部サイドパターニングにおいてフォトレジスト層を除去する幅寸法とエッチングストップ発生時点におけるサイド溝部の深さ寸法との関係を示す図である。
【図5】第2実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち前半の工程を示す図である。
【図6】第2実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図である。
【図7】第3実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち前半の工程を示す図である。
【図8】第3実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図である。
【図9】第4実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち前半の工程を示す図である。
【図10】第4実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図である。
【図11】第5実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図3相当図である。
【図12】第5実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図6相当図である。
【図13】第5実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図8相当図である。
【図14】第5実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図10相当図である。
【図15】第6実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図3相当図である。
【図16】第6実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図6相当図である。
【図17】第6実施形態に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図8相当図である。
【図18】実験例で使用した水晶ウェハの断面形状を示し、(a)は本発明に係る方法で成形された水晶ウェハの脚部断面形状を、(b)は従来方法で成形された水晶ウェハの脚部断面形状をそれぞれ示す図である。
【図19】脚部の表面積を大きくするための各種構成を示す水晶ウェハの斜視図である。
【図20】脚部の表面積を大きくするための他の各種構成を示す水晶ウェハの斜視図である。
【図21】従来技術における音叉型水晶ウェハの成形工程を示す図である。
【図22】従来技術における音叉型水晶ウェハ成形途中の水晶基板を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 音叉型水晶振動片
11c,12c 溝部
2 水晶基板(被成形物)

Claims (13)

  1. 水晶Z板表面の所定のエッチング領域をエッチングして凹部を形成するためのエッチング方法であって、
    上記エッチング領域のうち、その領域の外縁部の少なくとも一部分のみに対してエッチング処理を行う外縁エッチング工程と、
    この外縁エッチング工程よりも遅れて開始され、上記エッチング領域のうち、外縁エッチング工程においてエッチングされた部分以外の領域であって、この外縁エッチング工程においてエッチングされた部分に連続する領域に対してエッチング処理を行う中央エッチング工程とを備えていることを特徴とする水晶Z板のエッチング方法。
  2. 水晶Z板表面の所定のエッチング領域をエッチングして凹部を形成するためのエッチング方法であって、
    上記エッチング領域のうち、その領域の外縁部の少なくとも一部分のみに対してエッチング処理を行う外縁エッチング工程と、
    この外縁エッチング工程よりも遅れて開始され、上記エッチング領域のうち、外縁エッチング工程においてエッチングされた部分以外の領域であって、この外縁エッチング工程においてエッチングされた部分に連続する領域に対してエッチング処理を行い、且つこの領域の中央部分に突起部が残る状態でエッチング処理を終了する中央エッチング工程とを備えていることを特徴とする水晶Z板のエッチング方法。
  3. 請求項1または2記載の水晶Z板のエッチング方法において、
    中央エッチング工程は、外縁エッチング工程の終了後に開始されることを特徴とする水晶Z板のエッチング方法。
  4. 請求項1〜のうち何れか一つに記載の水晶Z板のエッチング方法において、
    水晶Z板が外形エッチング工程によって音叉型形状に成形されており、
    この音叉型形状に成形された水晶ウェハの主面上に対し、外縁エッチング工程及び中央エッチング工程によって凹部としての溝部を形成することを特徴とする水晶Z板のエッチング方法。
  5. 請求項記載の水晶Z板のエッチング方法において、
    外縁エッチング工程では、上記溝部における矩形状の開口の各辺のうち互いに対向する1対の辺及びその周辺のみに対してエッチング処理を行う一方、
    中央エッチング工程では、上記外縁エッチング工程によりエッチングされた1対の辺の間の領域に対してエッチング処理を行うことを特徴とする水晶Z板のエッチング方法。
  6. 請求項1〜のうち何れか一つに記載の水晶Z板のエッチング方法において、
    外縁エッチング工程においてエッチング処理が行われる領域の形状は、この形状に応じたエッチングストップ位置でのエッチング量が、予め設定された所望のエッチング量に略一致するように設定されていることを特徴とする水晶Z板のエッチング方法。
  7. 請求項1〜のうち何れか一つに記載の水晶Z板のエッチング方法において、
    水晶Z板を音叉型形状に成形する第1成形工程と、
    この第1成形工程の後に行われ、音叉型形状に成形された水晶ウェハの主面に対して凹部としての溝部を形成するための外縁エッチング工程及びその後に行われる中央エッチング工程で成る第2成形工程とを備えていることを特徴とする水晶Z板のエッチング方法。
  8. 請求項1〜のうち何れか一つに記載の水晶Z板のエッチング方法において、
    水晶Z板を音叉型形状に成形する工程と、この音叉型形状に成形された水晶ウェハの主面上に形成する凹部としての溝部の外縁部の一部分をエッチングする外縁エッチング工程とが同時に行われ、
    その後に、溝部の中央部をエッチングする中央エッチング工程が行われることを特徴とする水晶Z板のエッチング方法。
  9. 請求項1〜のうち何れか一つに記載の水晶Z板のエッチング方法において、
    エッチング領域のうち、中央エッチング工程によりエッチングされる領域の表面のみにエッチング遅延膜を予め存在させた状態で水晶Z板に対するエッチング処理を実行し、外縁エッチング工程の開始後、エッチング遅延膜が溶融除去された後に、中央エッチング工程が開始されることを特徴とする水晶Z板のエッチング方法。
  10. 請求項記載の水晶Z板のエッチング方法において、
    中央エッチング工程では、エッチング領域の中央部が水晶Z板表面に略平行な平坦面になった状態でエッチング処理が終了されることを特徴とする水晶Z板のエッチング方法。
  11. 請求項1〜10のうち何れか一つに記載の水晶Z板のエッチング方法において成形された水晶ウェハであって、
    エッチング領域のエッチング面に結晶面が現れていることを特徴とする水晶ウェハ
  12. 請求項記載の水晶Z板のエッチング方法において成形された水晶ウェハであって、
    エッチング領域の中央部に突起部が形成されていることを特徴とする水晶ウェハ
  13. 請求項10記載の水晶Z板のエッチング方法において成形された水晶ウェハであって、
    エッチング領域の中央部が水晶Z板表面に略平行な平坦面として形成されていることを特徴とする水晶ウェハ
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