JP4349283B2 - エッチング方法 - Google Patents

エッチング方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4349283B2
JP4349283B2 JP2004522729A JP2004522729A JP4349283B2 JP 4349283 B2 JP4349283 B2 JP 4349283B2 JP 2004522729 A JP2004522729 A JP 2004522729A JP 2004522729 A JP2004522729 A JP 2004522729A JP 4349283 B2 JP4349283 B2 JP 4349283B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
etching
groove
molding
crystal
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004522729A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2004010577A1 (ja
Inventor
俊介 佐藤
直樹 幸田
俊輔 福富
崇 白井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daishinku Corp
Original Assignee
Daishinku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daishinku Corp filed Critical Daishinku Corp
Publication of JPWO2004010577A1 publication Critical patent/JPWO2004010577A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4349283B2 publication Critical patent/JP4349283B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H3/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators
    • H03H3/007Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators for the manufacture of electromechanical resonators or networks
    • H03H3/02Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators for the manufacture of electromechanical resonators or networks for the manufacture of piezoelectric or electrostrictive resonators or networks
    • H03H3/04Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators for the manufacture of electromechanical resonators or networks for the manufacture of piezoelectric or electrostrictive resonators or networks for obtaining desired frequency or temperature coefficient
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/15Constructional features of resonators consisting of piezoelectric or electrostrictive material
    • H03H9/21Crystal tuning forks
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H3/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators
    • H03H3/007Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators for the manufacture of electromechanical resonators or networks
    • H03H3/02Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators for the manufacture of electromechanical resonators or networks for the manufacture of piezoelectric or electrostrictive resonators or networks
    • H03H2003/026Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators for the manufacture of electromechanical resonators or networks for the manufacture of piezoelectric or electrostrictive resonators or networks the resonators or networks being of the tuning fork type
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H3/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators
    • H03H3/007Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators for the manufacture of electromechanical resonators or networks
    • H03H3/02Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators for the manufacture of electromechanical resonators or networks for the manufacture of piezoelectric or electrostrictive resonators or networks
    • H03H3/04Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of impedance networks, resonating circuits, resonators for the manufacture of electromechanical resonators or networks for the manufacture of piezoelectric or electrostrictive resonators or networks for obtaining desired frequency or temperature coefficient
    • H03H2003/0414Resonance frequency
    • H03H2003/0492Resonance frequency during the manufacture of a tuning-fork

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Description

本発明は、水晶基板等の被成形物を所定形状にエッチング加工するためのエッチング方法に係る。特に、本発明は、エッチング工程における制御動作の簡素化を図るための対策に関する。
従来より、圧電振動デバイスの一種類として、小型化を図ることが容易な音叉型水晶振動子が知られている。この種の振動子は、エッチング加工により音叉型に成形された水晶ウェハに対してフォトリソグラフィー技術を利用して表面に所定の電極が形成されて成る音叉型水晶振動片を備えている(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来技術として、音叉型水晶振動片の各脚部それぞれの表裏面(主面)中央部に溝部を成形した構成が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。このように脚部の表裏面に溝部を成形した場合、振動片を小型化しても脚部の振動損失が抑制され、CI値(クリスタルインピーダンス)を低く抑えることができて有効である。この種の音叉型水晶振動子は、特に、時計等の精密機器に搭載するのに適している。
以下、この脚部の表裏面に溝部を備えた音叉型水晶ウェハの成形工程を、下記の特許文献2に開示されている方法に基づいて説明する。
先ず、図23(a)に示すように水晶基板(水晶Z板)100を板状に加工する。次に、図示しないスパッタ装置によって、水晶基板100の表裏面に、Cr(クロム)及びAu(金)で成る金属膜101,101を蒸着する(図23(b)参照)。そして、このように形成した金属膜101,101の上にフォトレジスト層102,102を形成する(図23(c)参照)。
次に、作製しようとする音叉型水晶ウェハの形状(音叉型形状)に合致する振動片成形領域103と、水晶基板100の外縁部分である枠部104,104にそれぞれフォトレジスト層102,102が残るようにフォトレジスト層102を一部除去し、外形パターニングを行う。この状態を断面で示したものが図23(d)であり、斜視図で示したものが図24(a)である。この状態では、図24(a)に示すように、音叉型水晶ウェハの所定形状が浮かび上がるように、フォトレジスト層102,102が形成される。
その後、図23(e)に示すように、上記図23(d)でフォトレジスト層102が形成されていない部分の金属膜101をAuエッチング液及びCrエッチング液によって除去する。これにより、図24(b)に示すように、金属膜101が除去された部分には水晶基板100が露出する。
次に、図23(f)に示すように、図23(e)で残っていたフォトレジスト層102をすべて除去する。その後、図23(g)に示すように、水晶基板100の全面にフォトレジスト層105を形成する。
そして、図23(h)に示すように、フォトレジスト層105の一部を除去する。具体的には、上記振動片成形領域103及び枠部104以外の部分のフォトレジスト層105を除去するだけでなく、溝部106(図23(k)参照)に相当する部分のフォトレジスト層105も除去する溝部パターニングを行う。
次に、図23(i)に示すように、水晶エッチング液による外形エッチングを行う。すなわち、振動片成形領域103及び枠部104のみを残す外形エッチングを行う。
続いて、図23(j)に示すように、音叉型水晶ウェハの脚部に成形する溝部106に相当する部分の金属膜101をAuエッチング液及びCrエッチング液によって除去する。
そして、この水晶基板100を、予め設定された所定時間だけ水晶エッチング液に浸漬する。これにより、水晶基板100は、所定深さまでエッチングされ、脚部の表裏面に溝部106,106,…が成形されて、断面形状が略H型となる。その後、残っているフォトレジスト層105及び金属膜101を除去することにより、図23(k)に示すような断面略H型の脚部を備えた音叉型水晶ウェハが作製される。
このようにして作製された音叉型水晶ウェハに対し、その振動領域の各面に所定の電極が形成されて音叉型水晶振動片が作製され、この音叉型水晶振動片がパッケージ内に取り付けられることにより水晶振動子が作製される。
ところで、このように脚部の表裏面に溝部106,106,…を備える音叉型水晶ウェハにあっては、この溝部106に極めて高い加工精度が要求される。その理由について、以下に説明する。
上述のような溝部106を有する音叉型水晶振動子は、溝部106を設けないものに比べて振動周波数のバラツキが大きくなる傾向がある。このため、このバラツキを抑制するためには、この溝部106の加工を高い精度で行うことが有効である。
また、この溝部106が形成された音叉型水晶振動子は、CI値が低く抑えられるが、このCI値を効果的に低く抑えるためには溝部106の加工を高い精度で行うことが必要である。
尚、以上の説明では音叉型水晶ウェハの外形及び溝部の加工に関して述べたが、その他の水晶ウェハ(ATカット水晶ウェハ等)の加工においても同様に高い精度で加工が行えることが好ましい。
特開平10−294631号公報 特開2002−76806号公報
しかしながら、上述した特許文献2に開示されている方法では以下に述べる問題があった。
上述した脚部の表裏面に溝部106,106,…を成形するためのエッチング工程(図23(j)の状態のものを水晶エッチング液に浸漬する工程)では、時間の経過と共に水晶基板100に対するエッチングが進んでいく。
このため、溝部106の深さ寸法を設計寸法どおりの最適値に加工するためには、水晶基板100を水晶エッチング液に浸漬しておく時間(エッチング時間)を厳密に管理することが必要になる。つまり、このエッチング時間が短すぎる場合には溝部106の深さ寸法が十分に得られず、逆に、エッチング時間が長すぎる場合には溝部106の深さ寸法が大きくなり過ぎ、場合によっては表裏各面の溝部106,106同士が繋がってしまって脚部に貫通孔が成形されてしまうといった不具合が生じる。このようなことから、上記特許文献2に開示されている方法では、エッチング時間の管理が煩雑であり、作業性の悪化を招いていた。
特に、生産効率の向上を図る観点から、単位時間当たりのエッチング量が大きく得られる水晶エッチング液を使用して短時間で溝部106,106,…の成形が完了できるようにすることが考えられるが、この場合、エッチング時間が最適エッチング時間よりも僅かにずれただけでも溝部106の深さ寸法は設計寸法から大きくずれて水晶ウェハは不良品となってしまう。このため、特許文献2に開示されている方法では、水晶ウェハの生産効率の向上と歩留まりの向上とを両立させることが困難であった。
また、一般に、低インピーダンス化を図ることができるものとして比較的大型の音叉型水晶ウェハが挙げられる。この種の水晶ウェハは、エッチング加工によって脚部の表裏面に溝部が形成される。この溝部底面の面積は比較的大きく形成される。また、一般に水晶ウェハ内部には水晶育成過程で生成されるピットが複数箇所に存在しており、このピットは水晶エッチング液によって溶解することがない。
このため、上述したような溝部底面の面積が大きい構造では、そのエッチング過程において、その底面に多数のピットが露出してしまう可能性が高くなる。溝部の底面に多数のピットが露出した場合、このピットの露出部分の総体積分だけ水晶ウェハの質量が目標質量よりも大きくなってしまうことになり、水晶振動子の発振周波数を目標周波数に合わせ込むことができなくなってしまう。このピットの発生箇所や発生個数は不特定であるため、エッチング量(エッチング時間)の調整のみでピットの露出個数を抑制することは困難であり、上記特許文献2に開示されている方法では、水晶振動子に所望の発振周波数を得ることができない可能性が高くなるといった課題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水晶基板等の被成形物を加工するためのエッチング方法において、エッチング時間の管理を不要にすることでエッチング工程における制御動作の簡素化を図りながらも、被成形物として水晶基板を適用し、この水晶基板にエッチング加工により溝部を形成する場合、その溝部の底面におけるピットの露出を抑制することにある。
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決手段は、エッチング処理を行う際、そのエッチング処理が行われる領域の形状を予め設定しておくことでその領域に応じてエッチング量が決定される所謂エッチングストップ技術を利用してエッチング成形品の加工精度の向上を図るようにしたものである。
具体的に、本発明のエッチング方法は、被成形物をエッチング処理することによって、所定の外形形状及び溝部を有するエッチング成形品を成形するために、上記被成形物に対し、成形しようとするエッチング成形品の外縁よりも外側の領域をエッチングにより除去する外形エッチングと、被成形物上における溝部成形領域をエッチングにより凹陥させる溝部エッチングとを実行し、被成形物をエッチングするエッチング方法であって、エッチングレートが互いに異なる材料が積層され、その上層が下層よりもエッチングレートが低い材料からなるコート層を、成形しようとするエッチング成形品の外縁よりも内側の領域に形成しておき、上記溝部成形領域の表面の上記コート層に対して上記上層のみを除去することにより露出した下層をエッチング遅延膜として利用し、上記溝部成形領域の表面のみに上記エッチング遅延膜を予め存在させた状態で被成形物に対するエッチング処理を実行し、上記外形エッチングの開始後、この外形エッチングと共にエッチング遅延膜を溶融し、このエッチング遅延膜を溶融除去した後に、上記溝部エッチングを開始することによって被成形物をエッチングするに際し、上記溝部成形領域に対する溝部エッチング時に、この溝部成形領域の形状に応じたエッチングストップ位置でエッチングが停止した時点のエッチング量が予め設定された設計溝深さ寸法に略一致するように、上記溝部成形領域における上記エッチング遅延膜を用いたエッチング領域の幅寸法を決定することを特徴とする。また、エッチング領域を矩形状とした場合には、エッチング処理時におけるエッチングストップ位置でのエッチング量が設計エッチング量に略一致するように、エッチング領域の短辺側の幅寸法を予め決定してもよい。
または、本発明の別のエッチング方法は、被成形物をエッチング処理することによって、所定の外形形状及び溝部を有するエッチング成形品を成形するために、上記被成形物に対し、成形しようとするエッチング成形品の外縁よりも外側の領域をエッチングにより除去する外形エッチングと、被成形物上における溝部成形領域をエッチングにより凹陥させる溝部エッチングとを実行し、被成形物をエッチングするエッチング方法であって、エッチングレートが互いに異なる材料が積層され、その上層が下層よりもエッチングレートが低い材料からなるコート層を、成形しようとするエッチング成形品の外縁よりも内側の領域に形成しておき、上記溝部成形領域の表面の上記コート層に対してフォトレジスト層を用いた溝部パターニングを行い、溝部パターニングによりフォトレジスト層を形成していない上記上層のみを除去することにより露出した下層をエッチング遅延膜として利用し、上記溝部成形領域の表面のみに上記エッチング遅延膜を予め存在させた状態で被成形物に対するエッチング処理を実行し、上記外形エッチングの開始後、この外形エッチングと共にエッチング遅延膜を溶融し、このエッチング遅延膜を溶融除去した後に、上記溝部エッチングを開始することによって被成形物をエッチングするに際し、上記溝部成形領域に対する溝部エッチング時に、この溝部成形領域の形状に応じたエッチングストップ位置でエッチングが停止した時点のエッチング量が予め設定された設計溝深さ寸法に略一致するように、上記溝部成形領域における上記フォトレジスト層の除去幅寸法を決定することを特徴とする。
これら特定事項により、被成形物をエッチング液に浸漬しておく時間(エッチング時間)を厳密に管理する必要がなく、必要最短時間以上のエッチング時間を確保すれば適切なエッチング量が得られて設計寸法どおりの形状にエッチング領域をエッチングできる。即ち、エッチング領域の形状を予め適切に設定しておくのみで、エッチング時間が長すぎても適切なエッチング量が得られ、このエッチング領域を高い加工精度をもって成形できる。しかも、上述した如くエッチング時間を厳密に管理する必要がないため、制御動作の簡素化を図ることもできる。
更には、エッチングストップ技術によって得られたエッチング領域のエッチング面には結晶面が現れている。上記ピットは、本来、結晶面から露出するものではないので、エッチング領域のエッチング面にピットが露出してしまうことが回避でき、被成形物表面にピットの存在しない所定形状のエッチング領域を成形することが可能になる。この技術を水晶振動子に適用すれば、水晶ウェハの質量が目標質量となるようにエッチングすることができ、水晶振動子の発振周波数を目標周波数に合わせ込むことが可能になる。
上記方法を利用しながら被成形物の外形及び溝部をエッチング加工するための手段として以下のものが掲げられる。つまり、被成形物をエッチング処理することによって、所定の外形形状及び溝部を有するエッチング成形品を成形するために、上記被成形物に対し、成形しようとするエッチング成形品の外縁よりも外側の領域をエッチングにより除去する外形エッチング動作と、被成形物上における溝部成形領域をエッチングにより凹陥させる溝部エッチング動作とを実行するエッチング方法を対象とする。このエッチング方法において、溝部成形領域の表面のみにエッチング遅延膜を予め存在させた状態で被成形物に対するエッチング処理を実行し、外形エッチング動作の開始後、この外形エッチングと共にエッチング遅延膜を溶融し、このエッチング遅延膜を溶融除去した後に、上記溝部エッチング動作を開始することによって被成形物をエッチングするに際し、上記溝部成形領域に対する溝部エッチング動作時に、この溝部成形領域の形状に応じたエッチングストップ位置でエッチングが停止した時点のエッチング量が予め設定された設計溝深さ寸法に略一致するように、上記エッチング遅延膜の形状を予め設定しておくようにしている(後述する図4を用いて説明する実施例2の方法に相当)。
この場合、エッチング遅延膜としては、溝部エッチング動作の開始時に外形エッチング動作が並行されるように形成(材料や膜厚の設定)してもよいし、溝部エッチング動作の開始時には既に外形エッチング動作が終了しているように形成してもよい。
そして、上記エッチング遅延膜を溝部成形領域の表面に存在させておくための手法としては以下のものが掲げられる。先ず、エッチングレートが互いに異なる材料が積層され、上層が下層よりもエッチングレートが低い材料からなるコート層を、成形しようとするエッチング成形品の外縁よりも内側の領域に形成しておく。ここで、下層にはエッチングレートの高い材料すなわちエッチング液に、より容易に溶融する材料を用い、上層にはエッチングレートの低い材料すなわちエッチング液に容易には溶融しない材料を用いることができる。そして、溝部成形領域において上記上層のみを除去することにより露出した下層をエッチング遅延膜として利用して被成形物に対するエッチング処理を実行する。
この特定事項により、被成形物に対するエッチング処理を開始した時点では、被成形物上におけるエッチング遅延膜が存在していない領域、つまり成形しようとするエッチング成形品の外縁よりも外側の領域では直ちにエッチングが開始される(外形エッチング動作の開始)。これに対し、被成形物上におけるエッチング遅延膜が存在している領域、つまり溝部成形領域ではエッチング遅延膜の溶融が開始されるのみであって、この部分での被成形物のエッチングは未だ開始されない。
そして、この状態が所定時間継続し、溝部成形領域に存在していたエッチング遅延膜が完全に溶融除去された後には、この溝部成形領域においても被成形物のエッチングが開始される(溝部エッチング動作の開始)。つまり、溝部エッチング動作が外形エッチング動作と並行されることになる。また、溝部エッチング動作の開始時には既に外形エッチング動作が終了している場合もある。
これにより、溝部成形領域にあっては、所定深さの溝部が成形されており、溝部エッチング動作よりも先行してエッチングが開始されていたエッチング成形品の外縁よりも外側の領域では、十分なエッチング量が得られてエッチング成形品の外形が所望の形状で得られている。
尚、上述した如くエッチングレートの異なる2種類の材料を利用する場合、例えば、エッチングレートの高い材料としてはCrが、エッチングレートの低い材料としてはAuが使用される。つまり、上記2層のコート層を使用する場合には、成形しようとするエッチング成形品の外縁よりも内側の領域(エッチング成形品となるべき部分)ではCrとAuの2層構造となり、溝部成形領域ではCrのみの1層構造となっている。その結果、この2層構造部分ではエッチングは行われず、1層構造部分ではCrの溶融後に溝部エッチング動作によって所定量(溝の深さ分だけ)のエッチングが行われることになる。ここで使用可能な材料としてはこれらに限るものではない。
上記エッチング方法によって成形される成形品として、具体的には音叉型水晶ウェハが掲げられる。この場合、溝部は、その主面中央部に成形されることになる。
このように音叉型水晶ウェハの主面上に溝部を成形した場合、この音叉型水晶ウェハを使用して作製される音叉型水晶振動片を小型化しても脚部の振動損失が抑制され、CI値を低く抑えることができて有効である。
また、上記各解決手段のうち何れか一つのエッチング方法において成形されたエッチング成形品も本発明の技術的思想の範疇である。
上記中央エッチング工程によって溝部(エッチング領域)を所望の形状に成形する方法としては以下のものが掲げられる。先ず、エッチング領域の中央部に突起部を残す状態で中央エッチング工程を終了するものである。また、エッチング領域の中央部が被成形物表面(水晶ウェハにあっては主面)に略平行な平坦面になった状態で中央エッチング工程を終了するものである。
これらを音叉型水晶ウェハの成形に適用した場合であって、溝部の中央部に突起部が残る状態で中央エッチング工程を終了させると、溝部内の表面積の拡大を図ることができる。このため、溝部内に形成される電極の面積も拡大でき、CI値を効果的に低く抑えることが可能になる。また、このCI値の抑制効果は、溝部の断面において最も薄肉の部分の厚さ寸法(溝部の深さ寸法(エッチング量)により決定される)に依存することが後述する実験から判った。つまり、溝部の断面において最も薄肉の部分の厚さを可能な限り小さくしながらも溝部の中央部に突起部を残すことで、水晶ウェハの剛性を十分に確保しながらCI値を十分に低く抑えることが可能になる。
一方、溝部の中央部が水晶ウェハの主面に略平行な平坦面になった状態で中央エッチング工程を終了させた場合、音叉型水晶ウェハの左右脚部の断面形状を略対称形状に成形することが可能になり、また、この溝部内に形成される電極膜の膜厚も均一に得ることができる。このため、この水晶ウェハを使用する圧電機器(水晶振動子等)の特性を良好に得ることができ、高性能化を図ることが可能になる。
更に、上記エッチング方法において成形されたエッチング成形品であって、エッチング領域の中央部(溝部の中央部)に突起部が形成されているものや、エッチング領域の中央部(溝部の中央部)が被成形物表面(水晶ウェハの主面)に略平行な平坦面になっているものも本発明の技術的思想の範疇である。従来のエッチング方法で上記溝部を形成した場合、溝部の中央部分は水晶ウェハの主面に対して傾斜した面として形成される。つまり、溝部の中央部の形状として突起部が形成されていたり主面に略平行な平坦面になっていることを見れば、上記製造方法によって製造されたエッチング成形品であると判断することができる。
また、上記ピットの露出を抑制しながらも面積の比較的大きなエッチング加工範囲を得るための構成としては以下のものが掲げられる。つまり、被成形物表面に設定されたエッチング加工範囲を、互いに隣接する複数のエッチング領域に区画しておき、これらエッチング領域に対するエッチング処理として、上述した各解決手段のうちの何れか一つのエッチング方法を使用し、溝部を被成形物表面に形成するようにしている。
この特定事項によれば、個々のエッチング領域におけるエッチング面はエッチングストップ技術によって得られており、結晶面が現れている。上記ピットは、この結晶面から露出するものではないので、複数のエッチング領域の集合で成るエッチング加工範囲全体としてエッチング面にピットが露出してしまうことが抑制できる。このように、複数のエッチング領域の集合によって被成形物表面にエッチング加工範囲を設定していることで、ピットの露出を抑制しながらも面積の比較的大きなエッチング加工範囲を得ることが可能になる。特に、大型の被成形物にあってはエッチング加工範囲も大型になる傾向があるが、この場合にもピットの露出を抑制することができ、被成形物表面に所定形状のエッチング加工を行うことができる。この技術を水晶振動子に適用すれば、水晶ウェハの質量が目標質量となるようにエッチングすることができ、水晶振動子の発振周波数を目標周波数に合わせ込むことが可能になる。
また、この場合の各エッチング領域の具体的な形状としては、各エッチング領域を、互いに独立した溝部を被成形物表面に形成するものとして設定したり、各エッチング領域を、互いに連続する溝部を被成形物表面に形成するものとして設定するものが掲げられる。
また、この解決手段に係るエッチング方法において成形されたエッチング成形品であって、被成形物表面において互いに隣接する複数のエッチング領域のエッチング面に結晶面が現れているものも本発明の技術的思想の範疇である。つまり、エッチング成形品のエッチング面に結晶面が現れている状態を見れば、上記製造方法によって製造されたエッチング成形品であると判断することができる。
本発明によれば、水晶基板等の被成形物を加工するためのエッチング方法において、エッチング時間の管理を不要にすることでエッチング工程における制御動作の簡素化を図りながらも、被成形物として水晶基板を適用し、この水晶基板にエッチング加工により溝部を形成する場合、その溝部の底面におけるピットの露出を抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明は、音叉型水晶振動子を構成する音叉型水晶ウェハのエッチングによる成形方法に本発明を適用した場合について説明する。
<実施例>
−音叉型水晶振動子の構成説明−
音叉型水晶ウェハのエッチングによる成形方法の説明の前に、音叉型水晶振動子の構成について説明する。
図1(a)は本形態に係る音叉型水晶振動子に備えられる音叉型水晶振動片1を示す正面図である。また、図1(b)は図1(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
この音叉型水晶振動片1は、2本の脚部11,12を備えており、各脚部11,12に第1及び第2の励振電極13,14が形成されている。図1(a)では、これら励振電極13,14の形成部分に斜線を付している。
また、本音叉型水晶振動片1は、各脚部11,12それぞれの表裏面となる主面11a,12aの中央部に矩形状の溝部11c,12cが成形されている。これら溝部11c,12cを加工するためのエッチング工程については後述する。
このように各脚部11,12の表裏面に溝部11c,12cを成形した場合、音叉型水晶振動片1を小型化しても脚部11,12の振動損失が抑制され、CI値(クリスタルインピーダンス)を低く抑えることができて有効である。
上記第1の励振電極13は、一方の脚部11の表裏面(主面)11aに成形されている溝部11cの内部と他方の脚部12の側面12bとに設けられ、それぞれが接続されている。同様に、第2の励振電極14は、他方の脚部12の表裏面(主面)12aに成形されている溝部12cの内部と一方の脚部11の側面11bとに設けられ、それぞれが接続されている。これら励振電極13,14は、クロム(Cr)及び金(Au)の金属蒸着によって形成された薄膜であって、その膜厚は例えば2000Åに設定されている。
また、図示しないが、この音叉型水晶振動片1はベースに支持され、このベースの外周部に音叉型水晶振動片1を覆うようにキャップが取り付けられて音叉型水晶振動子が構成される。
−音叉型水晶ウェハのエッチング工程の説明−
次に、音叉型水晶ウェハのエッチングによる成形方法について、本発明にかかる参考例および実施例を説明する。
参考例1
先ず、参考例1について図2及び図3を用いて説明する。本形態に係る音叉型水晶ウェハの成形方法は、被成形物としての水晶基板を、溝部11c,12cを除いて所定形状(音叉型形状)に成形するための第1成形工程と、この第1成形工程の後に行われ、溝部11c,12cを成形するための第2成形工程とによって行われる。
<第1成形工程>
先ず、第1成形工程について説明する。図2は、図1においてII-II線に沿った断面における加工状態を示している。
この第1成形工程では、先ず、図2(a)に示すように水晶基板2を板状に加工する。この際、水晶基板2の表裏各面はポリッシュ加工により鏡面化されている。
次に、図示しないスパッタ装置によって、水晶基板2の表面及び裏面にCr膜31を、そのCr膜31の表面にAu膜32をそれぞれ蒸着する(図2(b)参照)。そして、このように形成した金属膜31,32の上にフォトレジスト層4,4を形成する(図2(c)参照)。
次に、図2(d)に示すように、作製しようとする音叉型水晶ウェハの形状(音叉型形状)に合致する振動片成形領域Aと、水晶基板2の外縁部分である枠部Cにそれぞれフォトレジスト層4,4が残るようにフォトレジスト層4を一部除去し、外形パターニングを行う。
次に、図2(e)に示すように、上記図2(d)でフォトレジスト層4が形成されていない部分の各金属膜31,32をAuエッチング液及びCrエッチング液によって除去する。これにより、金属膜31,32が除去された部分には、水晶基板2が露出することになる。
その後、図2(f)に示すように、図2(e)で残っていたフォトレジスト層4をすべて除去する。
その後、図2(g)に示すように、水晶基板2の表裏全面にフォトレジスト層5を形成する。
そして、図2(h)に示すように、フォトレジスト層5の一部を除去する。具体的には、上記振動片成形領域A及び枠部C以外の部分のフォトレジスト層5を除去するだけでなく、溝部11c,12c(図2(l)参照)に相当する部分のフォトレジスト層5も除去する溝部パターニングを行う。
この溝部パターニングによって除去されるフォトレジスト層5の除去幅寸法(図2(h)における寸法Wであって、本発明でいうエッチング領域の短辺側の幅寸法に相当)を、成形しようとする溝部11c,12cの深さ寸法(設計寸法)に応じて決定する点が本発明の特徴である。このフォトレジスト層5の除去幅寸法Wの詳細については後述する。
次に、図2(i)に示すように、水晶エッチング液(フッ酸+フッ化アンモニウム溶液等)による外形エッチングを行う。すなわち、振動片成形領域A及び枠部Cのみを残す外形エッチングを行う。
以上が第1成形工程である。この第1成形工程によって水晶基板2から音叉形状の音叉型水晶ウェハ、つまり、2本の脚部11,12を備えた形状が成形されることになる。この状態では、未だ、溝部11c,12cは成形されていない。
<第2成形工程>
次に、溝部11c,12cを成形するための第2成形工程について説明する。この第2成形工程では、先ず、図2(j)に示すように、成形しようとする溝部11c,12cに相当する部分の各金属膜31,32をAuエッチング液及びCrエッチング液によって除去する。つまり、上記フォトレジスト層5の除去幅寸法Wに対応した領域の各金属膜31,32が除去される。
そして、図2(k)に示すように、水晶エッチング液により水晶基板2をエッチングして、脚部の表裏面に溝部11c,11c,12c,12cを成形し、断面形状を略H型にする。
この際、エッチング処理が行われる領域の面積(水晶基板2上の面積であって幅寸法が上記溝部11c,12cの幅寸法に一致する面積)は小さいため、エッチングストップ作用により、水晶基板2のエッチング量は規制される。つまり、ある程度エッチングが進んだ時点でエッチング面に結晶面が現れ、これにより、継続して水晶エッチング液に浸漬しておいてもエッチングが進むことはない。即ち、上記図2(h)で示した溝部パターニングにおいて、フォトレジスト層5を除去する幅寸法Wを、溝部11c,12cの設計深さ寸法に応じて予め設定しておくことにより、このエッチングストップ発生時点における溝部11c,12cの深さを所望の寸法(設計寸法)に設定することができる。
図3は、溝部パターニングにおいてフォトレジスト層5を除去する幅寸法Wと、エッチングストップ発生時点における溝部11c,12cの深さ寸法との関係を示している。この図に示すように、フォトレジスト層5を除去する幅寸法Wを大きく設定するほど溝部11c,12cの深さ寸法は大きくなる。言い換えると、溝部11c,12cの幅寸法(上記寸法Wに一致する)が大きいほど溝部11c,12cの深さ寸法は大きくなる。逆に、このフォトレジスト層5を除去する幅寸法Wを小さく設定するほど溝部11c,12cの深さ寸法も小さくなる。言い換えると、溝部11c,12cの幅寸法が小さいほど溝部11c,12cの深さ寸法も小さくなる。このように幅寸法と溝部11c,12cの深さ寸法とは相関があるため、成形しようとする溝部11c,12cの設計深さ寸法に応じて幅寸法Wを予め設定しておくことにより、溝部11c,12cの深さを所望の寸法に設定することが可能である。
そして、上記図2(k)に示すように、脚部の表裏面に溝部11c,11c,12c,12cを成形した後、残っているフォトレジスト層5及び各金属膜31,32を除去することにより、図2(l)に示すような断面略H型の脚部を備えた音叉型水晶ウェハ1Aが作製されることになる。
尚、図2(k)に示す状態で水晶ウェハ1A上に残っている金属膜31,32は、除去することなく、その後に行われる電極形成時の配線パターンの一部として利用したり、音叉型水晶振動子の周波数調整時に部分的に除去(例えば周波数調整を行うためのミーリング)するための重み付け電極として利用してもよい。
このようにして成形された音叉型水晶ウェハ1Aの各脚部11,12に、上記第1及び第2の励振電極13,14を形成して音叉型水晶振動片1を作製し、これをベースに支持し、このベースの外周部にキャップが取り付けられて音叉型水晶振動子が作製されることになる。このようにして作製された音叉型水晶振動子の共振周波数としては、例えば20kHz、32kHz、40kHz、60kHz、75kHz、77.5kHzなどが掲げられる。また、これら周波数以外の音叉型水晶振動子も作製することは可能である。また、表面実装型の音叉型水晶振動子等として作製してもよい。
以上説明したように、本形態では、上記第2成形工程において、エッチングストップ技術を利用して適切なエッチング量だけエッチング処理を行い、これによって音叉型水晶ウェハ1Aに成形される溝部11c,12cの深さ寸法を設計寸法どおりの最適値に設定することができるようにしている。つまり、水晶基板2を水晶エッチング液に浸漬しておく時間(エッチング時間)を厳密に管理する必要がなく、必要最短時間以上のエッチング時間を確保すれば適切な深さ寸法の溝部11c,12cが成形されることになる。即ち、上記溝部パターニングにおけるフォトレジスト層5の除去幅寸法Wを適切に設定しておくのみで、エッチング時間が長すぎても適切な深さ寸法の溝部11c,12cが得られ、この溝部11c,12cを高い加工精度をもって成形できる。その結果、CI値を効果的に低く抑えることができると共に、振動周波数のバラツキを抑制することができ、しかも、エッチング時間を管理する必要がないため、制御動作の簡素化を図ることもできる。
更には、生産効率の向上を図るべく、単位時間当たりのエッチング量が大きく得られる水晶エッチング液を使用して短時間で溝部11c,12cの成形が完了できるようにした場合であっても、溝部11c,12cの深さ寸法が設計寸法からずれてしまうといったことはなく、音叉型水晶ウェハ1Aの生産効率の向上と歩留まりの向上とを両立することができる。
また、上述した如く、エッチングストップ技術によって得られたエッチング面は結晶面が現れており、上記ピットは、この結晶面から露出するものではないので、溝部11c,12cにピットが露出してしまうことが回避できる。このため、音叉型水晶振動片1の各脚部11,12それぞれに所定形状(ピットが露出していない形状)の溝部11c,12cを形成することが可能になる。その結果、水晶ウェハの質量が目標質量となるようにエッチングすることができ、水晶振動子の発振周波数を目標周波数に合わせ込むことが可能になる。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。本形態に係る音叉型水晶振動片1の成形方法は、水晶基板2に対して、音叉型水晶ウェハの外形の所定形状への成形と溝部11c,12cの成形とを同時に行うものである。以下、この成形工程について図4を用いて説明する。
図4における(a)〜(g)の各工程は上述した参考例1における図2(a)〜(g)の各工程と同一であるのでここでの説明は省略する。
上記図4(g)の工程の後、図4(h)に示すように、フォトレジスト層5の一部を除去する。具体的には、成形しようとする溝部11c,12cに相当する部分のフォトレジスト層5を除去する溝部パターニングを行う。
本実施例2にあっても、この溝部パターニングによって除去されるフォトレジスト層5の除去幅寸法Wを、成形しようとする溝部11c,12cの深さ寸法(設計寸法)に応じて予め決定している。
次に、図4(i)に示すように、上記図4(h)でフォトレジスト層5が形成されていない部分のAu膜32のみをAuエッチング液によって除去する。これにより、溝部11c,12cに相当する部分では、金属膜としてCr膜31のみが残った状態になる。
その後、図4(j)に示すように、図4(i)で残っていたフォトレジスト層5をすべて除去する。これにより、溝部11c,12cに相当する部分ではエッチング遅延膜として機能するCr膜31のみが存在し、溝部11c,12cに相当する部分以外の金属膜としてはCr膜31とAu膜32の2層が存在することになる。
尚、CrとAuとを比較した場合、Crの方がエッチングレートが高い。つまり、エッチング液(本形態の場合には、フッ酸+フッ化アンモニウム溶液)により容易に溶融する材料である。これに対し、Auはエッチング液による溶融は殆どない材料である。
続いて、水晶エッチング液による外形エッチングを行う。すなわち、金属膜31,32が存在しておらず水晶基板2が露出している部分がエッチングされることになる。この際、溝部11c,12cに相当する部分では金属膜としてCr膜31が存在しているのみであるため、このCr膜31も水晶エッチング液によってエッチング(溶融除去)されていく。図4(k)は、この外形エッチング工程の途中の状態であって、溝部11c,12cに相当する部分のCr膜31が完全に除去された状態を示している。この時、未だ外形エッチング工程は完了しておらず、部分的に水晶基板2が薄板の状態で残っている。
この状態を経て、更に水晶エッチング液によるエッチングを進めていくと、Cr膜31が完全に除去された溝部11c,12cに相当する部分においても水晶基板2のエッチングが開始される。つまり、水晶ウェハ外形エッチング工程と溝部エッチング工程とが並行されることになる。
このエッチング工程を継続することにより、水晶ウェハ1Aの外形が所定の音叉型形状に成形されると共に、溝部11c,12cの成形部分では、エッチングストップ作用によりエッチングが停止する。この状態では、その後、水晶ウェハ1Aを水晶エッチング液に浸漬し続けても形状変化することはない。つまり、上記図4(h)に示した溝部パターニングにおけるフォトレジスト層5の除去幅寸法Wを適切に設定しておくのみで、エッチング時間が長すぎても適切な深さ寸法の溝部11c,12cが得られ、この溝部11c,12cを高い加工精度をもって成形できる。
これにより、図4(l)に示すように、脚部の表裏面に設計寸法どおりの深さ寸法を有する溝部11c,12cが成形され、この脚部は断面形状が略H型となる。このようにして所定の外形形状であって主面に溝部11c,12cを有する水晶ウェハ1Aが成形され、残っている各金属膜31,32をAuエッチング液及びCrエッチング液によって除去して、図4(m)に示すような断面略H型の脚部を備えた音叉型水晶ウェハ1Aが完成する。
尚、本形態においても、図4(l)に示す状態で水晶ウェハ1A上に残っている金属膜31,32は、除去することなく、その後に行われる電極形成時の配線パターンの一部として利用したり、音叉型水晶振動子の周波数調整時に部分的に除去するための重み付け電極として利用してもよい。
以上説明したように、本形態では、上述した参考例1における効果に加えて以下に述べる効果を奏することができる。つまり、水晶基板2に対するエッチング工程を一度行うのみで音叉型水晶ウェハ1Aの外形を所定の音叉型形状に成形できると共に、その主面に溝部11c,12cを成形することができる。つまり、水晶基板2に対して複数回のエッチングを行うことがないため、加工作業の煩雑化や加工時間の長時間化を回避することができると共に、水晶ウェハ1A表面の面荒れ等の不具合を招くことがなく高品質の音叉型水晶ウェハ1Aを作製することができる。
参考例3
次に、参考例3について説明する。上述したように、溝部11c,12cは、その設計幅寸法によってその深さ寸法が決定されるため、溝部11c,12cの深さ寸法を必要以上に大きくすることなしに、幅寸法のみを大きくするといったことが上記参考例1及び実施例2における方法では実現できない。本参考例3は、これを実現するための方法である。つまり、図5(図1に相当する図)に示すように、深さ寸法は上記参考例1及び実施例2のものと等しく、且つ幅寸法が上記参考例1及び実施例2のものよりも大きい溝部11c,12cを、上記エッチングストップ技術を用いて実現するのが本参考例3である。
参考例3に係る音叉型水晶ウェハの成形方法も、被成形物としての水晶基板を、溝部11c,12cを除いて所定形状(音叉型形状)に成形するための第1成形工程と、この第1成形工程の後に行われ、溝部11c,12cを成形するための第2成形工程とによって行われる。
<第1成形工程>
先ず、第1成形工程を図6を用いて説明する。この図6は、図5においてVI-VI線に沿った断面における加工状態を示している。
この第1成形工程における図6(a)〜(f)の各工程は上述した参考例1における図2(a)〜(f)の各工程と同一であるのでここでの説明は省略する。尚、以下の各実施例の図面では、Cr及びAuで成る金属膜3を一つの層として表す。
図6(f)に示すようにフォトレジスト層4をすべて除去した後、図6(g)に示すように、水晶エッチング液による外形エッチングを行う。すなわち、振動片成形領域Aと枠部Cのみを残し外形エッチングを行う。
その後、図6(h)に示すように、振動片成形領域A及び枠部Cに対してフォトレジスト層5を形成する。
以上が第1成形工程である。この第1成形工程によって水晶基板2から音叉形状の音叉型水晶ウェハ、つまり、2本の脚部11,12を備えた形状が成形されることになる。この状態では、未だ、溝部11c,12cは成形されていない。
<第2成形工程>
次に、溝部11c,12cを成形するための第2成形工程を図7を用いて説明する。この図7では、一方の脚部11についてのみ示している。他方の脚部12においても同様の加工が同時に行われる。
この第2成形工程では、先ず、図7(a)に示すように、フォトレジスト層5の一部を除去する。具体的には、溝部11cに相当する部分であって、この溝部11cの両サイド、つまり、図7(a)において溝部11cの左右両側縁部分のみに対してフォトレジスト層5を除去する溝部サイドパターニングを行う。詳しくは、本形態では図7(a)において仮想線で示す形状の溝部11cを成形する。この場合、本溝部サイドパターニングでは、この仮想線で示す形状の図中の左右両側縁部分のみに対してフォトレジスト層5を除去している。このため、脚部11に相当する部分では3箇所(図7(a)の如く、左右両側と中央の3箇所)にフォトレジスト層5が残ることになる。この場合のフォトレジスト層5を除去する幅寸法Wも上述した各実施例と同様に、成形しようとする溝部11c,12cの深さ寸法(設計寸法)に応じて予め決定している。
続いて、図7(b)に示すように、溝部11cに相当する部分の金属膜3をAuエッチング液及びCrエッチング液によって除去する。つまり、上記溝部サイドパターニングにおいてフォトレジスト層5が除去された部分に対応する金属膜3のみが除去される。
そして、図7(c)に示すように、フォトレジスト層5を除去した後、図7(d)に示すように、水晶エッチング液により水晶基板2をエッチングする。これにより、溝部11cの両サイドのみがエッチングされて、サイド溝部11d,11dが成形されることになる。
この際、エッチング処理が行われる領域の面積(水晶基板2上の面積であって幅寸法が上記Wの箇所の面積)は小さいため、エッチングストップ作用により、水晶基板2のエッチング量は規制される。つまり、ある程度エッチングが進んだ時点でエッチング面に結晶面が現れ、これにより、継続して水晶エッチング液に浸漬しておいてもエッチングが進むことはない。即ち、上記図7(a)で示した溝部サイドパターニングにおいて、フォトレジスト層5を除去する幅寸法Wを、溝部11cの設計深さ寸法に応じて予め設定しておくことにより、このエッチングストップ発生時点におけるサイド溝部11dの深さを所望の寸法に設定することができる。上述の場合と同様に、溝部サイドパターニングにおいてもフォトレジスト層5を除去する幅寸法Wとサイド溝部11dの深さ寸法とは相関がある。このため、成形しようとする溝部11cの設計深さ寸法に応じて幅寸法Wを予め設定しておくことにより、サイド溝部11dの深さを所望の寸法に設定することが可能である。具体的な例を掲げると、幅寸法Wを28μmとした場合にはサイド溝部11dの深さは23μmとなり、幅寸法Wを45μmとした場合にはサイド溝部11dの深さは36μmとなる。尚、これら数値は水晶エッチング液の種類など各種条件によって異なる。以上が、本発明における外縁エッチング工程である。
次に、図7(e)に示すように、金属膜3の表面に対してフォトレジスト層6を形成する。そして、これらフォトレジスト層6のうち、図7(f)に示すように、中央に位置するフォトレジスト層6のみを除去した後、図7(g)に示すように、このフォトレジスト層6の除去に伴って露出した金属膜3のみをAuエッチング液及びCrエッチング液によって除去する。
その後、図7(h)に示すように、フォトレジスト層6を除去した後、図7(i)に示すように、水晶エッチング液により水晶基板2をエッチングする。これにより、一対のサイド溝部11d,11dの間に残っていた水晶基板2の一部分がエッチングされることになる。つまり、成形しようとする溝部11cの中央部分に残っていた水晶をエッチングにより除去して所定形状の溝部11cが成形され、脚部11は断面形状が略H型に成形される。この場合、完成品としての溝部11cの深さ寸法は、エッチング時間に拘わりなく、上記図7(d)で成形されたサイド溝部11dの深さ寸法に略一致することになる。言い換えると、完成品としての溝部11cの深さ寸法は図7(d)の時点で決定されていることになる。以上が、本発明における中央エッチング工程である。
このようにして脚部11を断面略H型に成形した後、残っている金属膜3を除去することにより、音叉型水晶ウェハが完成する。
以上説明したように、本形態では、第2成形工程において、先ず、比較的狭い領域に対し、エッチングストップ技術を利用して適切なエッチング量だけ予めエッチング処理を行っておく(外縁エッチング工程)。その後、残されたエッチング領域に対してエッチング処理を行う(中央エッチング工程)。この中央エッチング工程では、外縁エッチング工程で適切に得られたエッチング量に従ってエッチング領域の全体が所定量だけエッチングされることになる。このため、最終的に得られるエッチング領域のエッチング量は、その全体に亘って適切に設定されることになり、水晶ウェハに成形される溝部11c,12cの加工精度の向上を図ることができる。その結果、CI値を効果的に低く抑えることができると共に、振動周波数のバラツキを抑制することができる。また、エッチングストップ技術を利用したことによって、外縁エッチング工程及び中央エッチング工程の何れにおいてもエッチング時間の制御を行うことなしに高い加工精度を得ることができ、制御動作の簡素化を図ることもできる。更に、本形態では、溝部11c,12cの深さ寸法を必要以上に大きくすることなしに、幅寸法のみを大きくするといったことが可能であり、溝部11c,12cの設計自由度の拡大を図ることができる。本参考例3では、上記参考例1及び実施例2における方法によって成形された溝部11c,12cよりも幅寸法が大きい溝部11c,12cが成形されている。
また、従来のエッチング方法では、溝部全体に亘って同時にエッチングしていたために、形成される溝部の底面は、水晶ウェハの主面11a,12aに対して傾斜した面として形成されてしまう(例えば図18(b)に示す形状)。これに対し、本形態では、外縁エッチング工程において溝部11c,12cの中央部に突起状に水晶を残しておき(例えば図18(a)に示す形状)、その後の中央エッチング工程において、この突起状に残っている水晶をエッチングしていくことより、溝部11c,12cの中央部を水晶ウェハの主面11a,12aに略平行な平坦面として形成することができる。このため、音叉型水晶ウェハの左右脚部11,12の断面形状を略対称形状に成形することが可能になり、それぞれの振動特性の均等化を図ることができる。また、溝部11c,12c内に形成される励振電極13,14の膜厚も略均一に得ることが可能である。その結果、この水晶ウェハを使用して作製される水晶振動子の特性を良好に得ることができ、高性能化を図ることが可能になる。
参考例4
次に、参考例4について説明する。本形態に係る音叉型水晶振動片1の成形方法は、上記参考例3の場合と同様に、溝部11c,12cの成形工程においては外縁エッチング工程を行った後に中央エッチング工程を行うものである。それに加えて、本参考例4は、音叉型水晶ウェハの外形の所定形状への成形とサイド溝部11dの成形とを同時に行うものである。以下、この成形工程について図8及び図9を用いて説明する。
図8における(a)〜(c)の各工程は上述した参考例1における図2(a)〜(c)の各工程と同一であるのでここでの説明は省略する。
その後、図8(d)に示すように、作製しようとする音叉型水晶ウェハの形状に合致する振動片成形領域Aと、水晶基板2の外縁部分である枠部Cと、溝部11c,12cの成形領域の一部分にそれぞれフォトレジスト層4,4が残るようにフォトレジスト層を一部除去し、外形パターニングを行う。
この溝部11c,12cの成形領域の一部分に残すフォトレジスト層4,4としては、溝部11c,12cに相当する部分であって、上述した参考例3における図7(a)で示した溝部サイドパターニングと同様に、溝部11c,12cの両サイド、つまり、図8(d)において溝部11c,12cの左右両側縁部分のみに対してフォトレジスト層4を除去する。そして、この場合のフォトレジスト層4を除去する幅寸法も上述した各実施例と同様に、成形しようとする溝部11c,12cの深さ寸法(設計寸法)に応じて予め決定している。
次に、図8(e)に示すように、上記図8(d)でフォトレジスト層4が形成されていない部分の金属膜3をAuエッチング液及びCrエッチング液によって除去する。これにより、金属膜3が除去された部分には、水晶基板2が露出することになる。
その後、図8(f)に示すように、図8(e)で残っていたフォトレジスト層4をすべて除去する。
次に、各脚部11,12を拡大表示する図9(a)に示すように、水晶エッチング液による外形エッチングを行う。すなわち、振動片成形領域Aと枠部Cのみを残し外形エッチングを行う。この際、溝部11c,12cの両サイドもエッチングされ、サイド溝部11d,12dが成形されることになる。この際にも、エッチング処理が行われる領域の面積(水晶基板2上の面積)は小さいため、エッチングストップ作用により、水晶基板2のエッチング量は規制される。つまり、ある程度エッチングが進んだ時点でエッチング面に結晶面が現れ、これにより、継続して水晶エッチング液に浸漬しておいてもエッチングが進むことはない。つまり、上記図8(d)で示した溝部サイドパターニングにおいて、フォトレジスト層4を除去する幅寸法を、溝部11c,12cの設計深さ寸法に応じて予め設定しておくことにより、このエッチングストップ発生時点におけるサイド溝部11d,12dの深さを所望の寸法に設定することができる。
図9(b)〜(f)の各工程は上述した参考例3における図7(e)〜(i)の各工程と同一であるので、ここでの説明は省略する。
本形態においても、上記参考例3の場合と同様に、水晶ウェハに成形される溝部11c,12cの加工精度の向上を図ることができる。その結果、CI値を効果的に低く抑えることができると共に、振動周波数のバラツキを抑制することができる。また、エッチングストップ技術を利用したことによって、エッチング時間の制御を行うことなしに高い加工精度を得ることができ、制御動作の簡素化を図ることもできる。更に、本形態では、音叉型水晶ウェハの外形エッチングとサイド溝部11d,12dのエッチングとを同時に行うことができる。つまり、上記参考例3のものに対して水晶基板2に対するエッチング回数を削減することができ、水晶ウェハ表面の面荒れ等の不具合を招くことがない。更に、上記参考例1の場合と同様に、溝部11c,12cの中央部を水晶ウェハの主面11a,12aに略平行な平坦面として形成することができるため、左右脚部11,12の断面形状を略対称形状に成形することができ、且つ励振電極13,14の膜厚も均一に得ることができて、水晶振動子の特性を良好に得ることができる。
参考例5
次に、参考例5について説明する。本形態に係る音叉型水晶振動片1の成形方法も、上述した参考例4の場合と同様に、音叉型水晶ウェハの外形の所定形状への成形とサイド溝部11d,12dの成形とを同時に行うものである。以下、この成形工程について図10及び図11を用いて説明する。
図10における(a)〜(f)の各工程は上述した参考例4における図8(a)〜(f)の各工程と同一であるのでここでの説明は省略する。
その後、図10(g)に示すように、水晶基板2の全面にフォトレジスト層5を形成する。この場合、水晶基板2には未だサイド溝部11d,12dが成形されていないので、スピンコート法によってフォトレジスト層5を水晶基板2の全面に均一に形成することが可能である。このため、高いパターニング精度を得ることができる。
そして、図10(h)に示すように、フォトレジスト層5の一部を除去する。具体的には、溝部11c,12cの両サイドに位置している金属膜3を覆っているフォトレジスト層5のみを残し、それ以外のフォトレジスト層5を除去する。
次に、各脚部11,12を拡大表示する図11(a)に示すように、水晶エッチング液による外形エッチングを行う。すなわち、振動片成形領域Aと枠部Cのみを残し外形エッチングを行う。この際、溝部11c,12cの両サイドもエッチングされ、サイド溝部11d,12dが成形されることになる。この際にも、エッチング処理が行われる領域の面積(水晶基板2上の面積)は小さいため、エッチングストップ作用により、水晶基板2のエッチング量は規制される。つまり、ある程度エッチングが進んだ時点でエッチング面に結晶面が現れ、これにより、継続して水晶エッチング液に浸漬しておいてもエッチングが進むことはない。つまり、上記図10(d)で示した溝部サイドパターニングにおいて、フォトレジスト層4を除去する幅寸法を、溝部11c,12cの設計深さ寸法に応じて予め設定しておくことにより、このエッチングストップ発生時点におけるサイド溝部11d,12dの深さを所望の寸法に設定することができる。
図11(b)〜(d)の各工程は上述した参考例3における図7(g)〜(i)の各工程と同一であるので、ここでの説明は省略する。
本形態においても、上記各実施例の場合と同様に、溝部11c,12cの加工精度の向上を図ることができ、CI値の抑制及び振動周波数のバラツキの抑制を図ることができる。また、エッチングストップ技術を利用したことによる制御動作の簡素化を図ることもできる。更に、上記参考例4の場合と同様に、水晶基板2に対するエッチング回数を削減することができ、水晶ウェハ表面の面荒れ等の不具合を招くことがない。また、溝部11c,12cの中央部を水晶ウェハの主面11a,12aに略平行な平坦面として形成することができ、水晶振動子の特性を良好に得ることができる。
[実施例6]
次に、実施例6について説明する。本形態に係る音叉型水晶振動片1の成形方法は、溝部11c,12cの成形工程として、外縁エッチング工程の開始後で且つその終了前に中央エッチング工程を開始させるものである。つまり、中央エッチング工程の開始時には、この中央エッチング工程と外縁エッチング工程とが並行されるものである。以下、この成形工程について図12及び図13を用いて説明する。
図12における(a)〜(g)の各工程は上述した参考例5における図10(a)〜(g)の各工程と同一であるのでここでの説明は省略する。
その後、図12(h)に示すように、フォトレジスト層5の一部を除去する。具体的には、溝部11c,12cに相当する部分のうち中央エッチング工程においてエッチングされる領域(以下、この領域を溝中央領域と呼ぶ)のみのフォトレジスト層5を除去するパターニングを行う。そして、この場合のフォトレジスト層5を除去する幅寸法も上述した各実施例と同様に、成形しようとする溝部11c,12cの深さ寸法(設計寸法)に応じて予め決定している。
次に、図12(i)に示すように、上記図12(h)でフォトレジスト層5が形成されていない部分の金属膜3のうちAuのみをAuエッチング液によって除去する。これにより、溝中央領域に相当する部分では、本発明でいうエッチング遅延膜として機能するCr膜のみが残った状態になる。
そして、図12(j)に示すように、フォトレジスト層5の一部を除去する。具体的には、溝部11c,12cの両サイドに位置している金属膜3を覆っているフォトレジスト層5のみを残し、それ以外のフォトレジスト層5を除去する。
次に、各脚部11,12を拡大表示する図13(a)に示すように、水晶エッチング液による外形エッチングを行う。すなわち、振動片成形領域Aと枠部Cのみを残し外形エッチングを行う。この際、溝部11c,12cの両サイドもエッチングされ、サイド溝部11d,12dが成形され始める。この際、溝中央領域に相当する部分では金属膜3としてCr膜が存在しているのみであるため、このCr膜も水晶エッチング液によってエッチング(溶融除去)されていく。図13(b)は、この外形エッチング工程の途中の状態であって、溝中央領域に相当する部分のCr膜が完全に除去された状態を示している。この時、未だ外形エッチング工程及びサイド溝部11d,12dのエッチング工程(外縁エッチング工程)は完了していない。
この状態を経て、更に水晶エッチング液によるエッチングを進めていくと、図13(c)に示すように、Cr膜が完全に除去された溝中央領域に相当する部分においても水晶基板2のエッチングが開始される。つまり、水晶ウェハ外形エッチング工程と外縁エッチング工程と中央エッチング工程とが並行されることになる。
このエッチング工程を所定時間継続していくと、水晶基板2が所定の音叉型に成形される。また、溝部11c,12cの成形にあっては、先ず、外縁エッチング工程が上記エッチングストップ作用により完了する。これにより、サイド溝部11d,12dが成形される。その後、中央エッチング工程のエッチング量が上記サイド溝部11d,12dの深さに達した時点でエッチングが進むことがなくなり、所定深さの溝部11c,12cが成形される(図13(d)参照)。
本形態においても、上記各実施例の場合と同様に、溝部11c,12cの加工精度の向上を図ることができ、CI値の抑制及び振動周波数のバラツキの抑制を図ることができる。また、エッチングストップ技術を利用したことによる制御動作の簡素化を図ることもできる。更に、本形態では、水晶ウェハ外形エッチング工程と外縁エッチング工程と中央エッチング工程とが並行されるため、水晶基板2に対するエッチング回数が1回で済み、水晶ウェハ表面の面荒れ等の不具合を確実に阻止することができる。また、加工作業の煩雑化及び加工時間の短縮化を図ることもできる。また、溝部11c,12cの中央部を水晶ウェハの主面11a,12aに略平行な平坦面として形成することができ、水晶振動子の特性を良好に得ることができる。
尚、本実施例6及び上述した実施例2では、Cr膜31のみを存在させる領域と、Cr膜31及びAu膜32の2層を存在させる領域とを備えさせ、Cr膜31のみを存在させた領域においてのみエッチング動作の開始が遅延されるようにしていた。これに限らず、Cr膜を存在させる領域と、酸化Cr膜を存在させる領域とを備えさせ、Cr(非酸化)膜を存在させた領域においてのみエッチング動作の開始が遅延されるようにしてもよい。このCr膜に対して部分的に酸化させる手法としては、エキシマUV照射、UV−O3ドライ洗浄、O2プラズマなどが掲げられる。
[実施例7]
次に、実施例7について説明する。上述した各参考例や各実施例では、溝部11c,12cの底部が主面11a,12aに略平行な平坦面となるように中央エッチング工程を行っていた。本形態は、この中央エッチング工程の終了時点で、溝部11c,12cの底部に突起部が残るようにしたものである。つまり、溝部11c,12cの底部の突起部が完全にエッチング除去されて平坦面となる前に中央エッチング工程を終了させるようにしている。この中央部のエッチング工程は、上述した参考例3〜5および実施例6それぞれに対して適用可能である。
先ず、上述した参考例3において溝部11c,12cの底部に突起部を残すようにした場合の工程について図14を用いて説明する。この図14は、上記参考例3の第2成形工程(図7)に相当する図である。つまり、図14に示す工程の前工程として図6に示す第1成形工程が既に完了している。
図14における(a)〜(g)の各工程は上述した参考例3における図7(a)〜(g)の各工程と同一であるのでここでの説明は省略する。
図14(h)に示すように、フォトレジスト層6を除去した後、水晶エッチング液により水晶基板2をエッチングする。これにより、一対のサイド溝部11d,11dの間に残っていた水晶基板2の一部分(突起部21)のエッチングが開始される。そして、このエッチング時間を比較的短時間(上述した参考例3の場合よりも短時間)で終了させることにより、図14(i)に示すように、溝部11cの底部には突起部21が残る。
このようにして溝部11cの底部に突起部21を残した状態で中央エッチング工程を終了する。この場合、溝部11c内の表面積の拡大を図ることができ、溝部11c内に形成される励振電極13の面積も拡大できて、CI値を効果的に低く抑えることが可能になる。
また、このCI値の抑制効果は、溝部11cが形成されている部分の断面において最も薄肉の部分の厚さ寸法に依存することが実験により確認されている。つまり、本実施例において成形される水晶ウェハにあっては、溝部11cの断面において最も薄肉の部分の厚さを可能な限り小さくしながらも溝部11cの中央部に突起部21を残すことで、水晶ウェハの剛性を十分に確保しながらCI値を十分に低く抑えることが可能になる。
図15は、上記参考例4において溝部11c,12cの底部に突起部21が残るようにした場合における図9に相当する図である。図16は、上記参考例5において溝部11c,12cの底部に突起部21が残るようにした場合における図11に相当する図である。図17は、上記実施例6において溝部11c,12cの底部に突起部21が残るようにした場合における図13に相当する図である。
これら何れにおいても、一対のサイド溝部11d,11dの間に残っていた水晶基板2の一部分(突起部21)のエッチング動作にあっては、そのエッチング処理を比較的短時間で終了させることにより、溝部11c,12cの底部に突起部21,21が残るようにしている。これにより、溝部11c内の表面積の拡大を図ることができ、溝部11c内に形成される励振電極13の面積も拡大できて、CI値を効果的に低く抑えることが可能になる。
[実施例8]
次に、実施例8について説明する。上述した各参考例や各実施例では、音叉型水晶振動片1の各脚部11,12それぞれに1つの溝部11c,12cを形成していた。本実施例では、各脚部11,12それぞれに複数のエッチング領域(小面積エッチング領域)を設定し、これら小面積エッチング領域の集合によってエッチング加工範囲を設計したものである。
本実施例に係る音叉型水晶振動子に備えられる音叉型水晶振動片1の第1タイプを図19に示している。また、本実施例に係る音叉型水晶振動子に備えられる音叉型水晶振動片1の第2タイプを図20に示している。
先ず、図19に示すものでは、各脚部11,12それぞれに互いに独立した10個の小面積エッチング領域11A,11A,…、12A,12A,…を形成し、各小面積エッチング領域11A,11A,…、12A,12A,…に対して、上述した各実施例の場合と同様のエッチング処理を行って溝部11c,11c,…、12c,12c,…を形成している。
この場合、各脚部11,12それぞれにおける溝部11c,11c,…、12c,12c,…の形成領域の総面積は比較的大きく得られ、それでいて個々の溝部11c,11c,…、12c,12c,…にあっては、底面の面積が小さいのでエッチングストップ技術を利用して所定量のエッチング処理を行うことができる。
上述した如く、エッチングストップ技術によって得られたエッチング面は結晶面が現れており、上記ピットは、この結晶面から露出するものではないので、エッチング領域の全体としてエッチング面にピットが露出してしまうことが回避できる。このため、音叉型水晶振動片1の各脚部11,12それぞれに所定形状の溝部11c,12cを形成することが可能になる。このように、複数の小面積エッチング領域11A,11A,…、12A,12A,…の集合によって音叉型水晶振動片1の各脚部11,12にエッチング領域を設定していることで、ピットの露出を抑制しながらも面積の比較的大きなエッチング加工範囲を得ることが可能になる。特に、低インピーダンス化を図ることができる比較的大型の音叉型水晶振動片1に適用した場合には、エッチング加工範囲におけるピットの露出個数を大幅に削減することができ、音叉型水晶振動子の発振周波数を目標周波数に合わせ込むことが可能になる。
また、図19に示すものでは、小面積エッチング領域11A、12Aとして面積の異なる2種類を設計しているが、全ての小面積エッチング領域11A、12Aに対して1回のエッチング処理によって溝部11c,12cを形成してもよいし(上述した参考例1や実施例2と同様のエッチング処理による形成)、面積の大きい側の小面積エッチング領域11A、12Aに対しては、上述した外縁エッチング工程と中央エッチング工程とによって溝部11c,12cを形成するようにしてもよい(上述した参考例3〜5や実施例6,7と同様のエッチング処理による形成)。尚、各脚部11,12の基端部分の小面積エッチング領域11A、12Aを他の小面積エッチング領域11A、12Aよりも小さくしているのは、図示しない引き回し電極や側面電極の主面への回り込み寸法を大きく確保して電極間のショートを回避するためである。
また、図20に示すものでは、図19で示した各小面積エッチング領域11A,11A,…、12A,12A,…を部分的に互いに連続させたものである。この場合にも、ピットの露出を抑制しながらも面積の比較的大きなエッチング加工範囲を得ることが可能になり、特に、大型の音叉型水晶振動片1に適用した場合には、エッチング加工範囲におけるピットの露出個数を大幅に削減することができ、音叉型水晶振動子の発振周波数を目標周波数に合わせ込むことが可能になる。
また、この図20に示す形状の小面積エッチング領域11A,11A,…、12A,12A,…に対してエッチング処理を行う際においても、全ての小面積エッチング領域11A、12Aに対して1回のエッチング処理によって溝部11c,12cを形成してもよいし(上述した参考例1実施例2と同様のエッチング処理による形成)、面積の大きい側の小面積エッチング領域11A、12Aに対しては、上述した外縁エッチング工程と中央エッチング工程とによって溝部11c,12cを形成するようにしてもよい(上述した参考例3〜5や実施例6,7と同様のエッチング処理による形成)。
−その他の実施例−
以上説明した各実施例は何れも音叉型水晶ウェハのエッチングによる成形方法に本発明を適用した場合であった。本発明はこれに限らず、その他の水晶ウェハ(ATカット水晶ウェハ等)の成形にも適用可能である。
また、各実施例は何れもウエットエッチングによって水晶基板2を所定の音叉型形状に成形する場合について説明した。本発明はこれに限らず、ドライエッチングによって水晶基板2を音叉型形状に成形する場合についても適用可能である。
また、本発明は、水晶ウェハに限らず、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムなどを使用した圧電振動片や、その他種々の電子部品の製造に適用することも可能である。更に、被成形物として圧電材料に限らず、ガラス、金属、半導体などの種々の材料に対しても適用可能である。
また、上記参考例3〜5や実施例6,7では、外縁エッチング工程にあっては、溝部11c,12cにおける矩形状の開口の各辺のうち互いに対向する1対の辺及びその周辺のみに対してエッチング処理を行っていた。本発明はこれに限らず、矩形状の開口の各辺のうち一つの辺及びその周辺のみに対してエッチング処理を行ったり、3つの辺及びその周辺に対してエッチング処理を行ってもよい。
加えて、上述した如く溝部11c内に形成される励振電極13の面積を拡大すれば、CI値を効果的に低く抑えることが可能である。この点に鑑みれば、励振電極13の面積を拡大するべく各脚部11,12の表面積を大きくする構成を採用することが好ましい。図21及び図22は、各脚部11,12の表面積を大きくするための各種構成を示している。これら形状の水晶ウェハを本発明に係るエッチング方法によって成形することでCI値を効果的に低く抑えることが可能である。
以下、図21及び図22に示した各水晶ウェハの形状について簡単に説明する。先ず、図21は水晶ウェハの主面に凹部(溝部)を形成したものである。具体的に、(a)は、脚部11,12の長手方向に亘って複数の矩形状の溝部11c,11c,…、12c,12c,…を形成したものであって上述した実施例8のものと略同じ溝形状のものであ。(b)は、脚部11,12の先端に開放する溝部11c,12cを形成したものである。(c)は、水晶ウェハの基端に開放する溝部11c,12cを形成したものである。(d)は、水晶ウェハの先端から基端に亘ってそれぞれに開放する溝部11c,12cを形成したものである。(e)は、脚部11,12の幅方向に一対の矩形状の溝部11c,11c、12c,12cを形成したものである。(f)は、脚部11,12の中央部に形成した溝部11c,12cの底部に複数の段部を形成したものである。(g)は、脚部11,12の複数箇所に円形の凹部11c,11c,…、12c,12c,…を形成したものである。(h)は、各脚部11,12に形成されている溝部11c,12c同士を連結して連続した凹部としたものである。特に、図21(a)、(e)(g)のものにあっては、エッチングストップ技術によって得られたエッチング面に結晶面が現れているため、エッチング領域の全体としてエッチング面にピットが露出してしまうことが回避でき、音叉型水晶振動子の発振周波数を目標周波数に合わせ込むことが容易である。
一方、図22における(a)は、脚部11,12の外側コーナ部に溝部11c,12cを形成したものである。(b)は、脚部11,12の内側コーナ部に溝部11c,12cを形成したものである。(c)は、脚部11,12の中央部に形成した溝部11c,12cの一部を側面11b,12bに開放したものである。(d)は、各脚部11,12の中央部から先端部に亘って溝部11c,12cの底部と面一にしたものである。(e)は、脚部11,12の表裏に亘る貫通孔11e,12eと溝部11c,12cとを併用したものである。
本発明に係るエッチング方法は、音叉型水晶振動子のCI値を低く抑えるべく、音叉型水晶振動片の各脚部それぞれの表裏面に溝部を成形する場合に利用可能である。
図1は、参考例1及び実施例2に係る音叉型水晶振動片を示す図であり、(a)は音叉型水晶振動片の正面図、(b)は(a)におけるB−B線に沿った断面図である。 図2は、参考例1に係る音叉型水晶ウェハの成形工程を示す図である。 図3は、溝部パターニングにおいてフォトレジスト層を除去する幅寸法とエッチングストップ発生時点における溝部の深さ寸法との関係を示す図である。 図4は、実施例2に係る音叉型水晶ウェハの成形工程を示す図である。 図5は、参考例3〜5,実施例6に係る音叉型水晶振動片を示す図であり、(a)は音叉型水晶振動片の正面図、(b)は(a)におけるB−B線に沿った断面図である。 図6は、参考例3に係る音叉型水晶ウェハの成形方法の第1成形工程を示す図である。 図7は、参考例3に係る音叉型水晶ウェハの成形方法の第2成形工程を示す図である。 図8は、参考例4に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち前半の工程を示す図である。 図9は、参考例4に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図である。 図10は、参考例5に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち前半の工程を示す図である。 図11は、参考例5に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図である。 図12は、実施例6に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち前半の工程を示す図である。 図13は、実施例6に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図である。 図14は、実施例7に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図7相当図である。 図15は、実施例7に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図9相当図である。 図16は、実施例7に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図11相当図である。 図17は、実施例7に係る音叉型水晶ウェハの成形工程のうち後半の工程を示す図13相当図である。 図18(a)は、本発明に係る方法で成形された水晶ウェハの一例を示す脚部断面形状を、図18(b)は従来方法で成形された水晶ウェハの脚部断面形状をそれぞれ示す図である。 図19は、実施例8に係る第1タイプの音叉型水晶振動片を示す図である。 図20は、実施例8に係る第2タイプの音叉型水晶振動片を示す図である。 図21は、脚部の表面積を大きくするための各種構成を示す水晶ウェハの斜視図である。 図22は、脚部の表面積を大きくするための他の各種構成を示す水晶ウェハの斜視図である。 図23は、従来技術における音叉型水晶ウェハの成形工程を示す図である。 図24は、従来技術における音叉型水晶ウェハ成形途中の水晶基板を示す斜視図である。

Claims (6)

  1. 被成形物をエッチング処理することによって、所定の外形形状及び溝部を有するエッチング成形品を成形するために、上記被成形物に対し、成形しようとするエッチング成形品の外縁よりも外側の領域をエッチングにより除去する外形エッチングと、被成形物上における溝部成形領域をエッチングにより凹陥させる溝部エッチングとを実行し、被成形物をエッチングするエッチング方法であって、
    エッチングレートが互いに異なる材料が積層され、その上層が下層よりもエッチングレートが低い材料からなるコート層を、成形しようとするエッチング成形品の外縁よりも内側の領域に形成しておき、上記溝部成形領域の表面の上記コート層に対して上記上層のみを除去することにより露出した下層をエッチング遅延膜として利用し、上記溝部成形領域の表面のみに上記エッチング遅延膜を予め存在させた状態で被成形物に対するエッチング処理を実行し、上記外形エッチングの開始後、この外形エッチングと共にエッチング遅延膜を溶融し、このエッチング遅延膜を溶融除去した後に、上記溝部エッチングを開始することによって被成形物をエッチングするに際し、
    上記溝部成形領域に対する溝部エッチング時に、この溝部成形領域の形状に応じたエッチングストップ位置でエッチングが停止した時点のエッチング量が予め設定された設計溝深さ寸法に略一致するように、上記溝部成形領域における上記エッチング遅延膜を用いたエッチング領域の幅寸法を決定することを特徴とするエッチング方法。
  2. 被成形物をエッチング処理することによって、所定の外形形状及び溝部を有するエッチング成形品を成形するために、上記被成形物に対し、成形しようとするエッチング成形品の外縁よりも外側の領域をエッチングにより除去する外形エッチングと、被成形物上における溝部成形領域をエッチングにより凹陥させる溝部エッチングとを実行し、被成形物をエッチングするエッチング方法であって、
    エッチングレートが互いに異なる材料が積層され、その上層が下層よりもエッチングレートが低い材料からなるコート層を、成形しようとするエッチング成形品の外縁よりも内側の領域に形成しておき、上記溝部成形領域の表面の上記コート層に対してフォトレジスト層を用いた溝部パターニングを行い、溝部パターニングによりフォトレジスト層を形成していない上記上層のみを除去することにより露出した下層をエッチング遅延膜として利用し、上記溝部成形領域の表面のみに上記エッチング遅延膜を予め存在させた状態で被成形物に対するエッチング処理を実行し、上記外形エッチングの開始後、この外形エッチングと共にエッチング遅延膜を溶融し、このエッチング遅延膜を溶融除去した後に、上記溝部エッチングを開始することによって被成形物をエッチングするに際し、
    上記溝部成形領域に対する溝部エッチング時に、この溝部成形領域の形状に応じたエッチングストップ位置でエッチングが停止した時点のエッチング量が予め設定された設計溝深さ寸法に略一致するように、上記溝部成形領域における上記フォトレジスト層の除去幅寸法を決定することを特徴とするエッチング方法。
  3. 請求項1または2に記載のエッチング方法において、
    上記エッチング成形品を音叉型水晶ウェハとし、
    上記溝部をその主面中央部に成形することを特徴とするエッチング方法。
  4. 被成形物表面に設定されたエッチング加工範囲を、互いに隣接する複数のエッチング領域に区画し、
    これらエッチング領域に対するエッチング処理として、請求項1乃至3のうちいずれか1つに記載のエッチング方法を使用して、溝部を被成形物表面に形成することを特徴とするエッチング方法。
  5. 請求項4に記載のエッチング方法において、
    上記各エッチング領域を、互いに独立した溝部を被成形物表面に形成するものとして設定していることを特徴とするエッチング方法。
  6. 請求項4に記載のエッチング方法において、
    上記各エッチング領域を、互いに連続する溝部を被成形物表面に形成するものとして設定していることを特徴とするエッチング方法。
JP2004522729A 2002-07-23 2003-07-14 エッチング方法 Expired - Fee Related JP4349283B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002213738 2002-07-23
JP2002213738 2002-07-23
PCT/JP2003/008945 WO2004010577A1 (ja) 2002-07-23 2003-07-14 エッチング方法及びその方法によって成形されたエッチング成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2004010577A1 JPWO2004010577A1 (ja) 2005-11-17
JP4349283B2 true JP4349283B2 (ja) 2009-10-21

Family

ID=30767848

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004522729A Expired - Fee Related JP4349283B2 (ja) 2002-07-23 2003-07-14 エッチング方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7560040B2 (ja)
JP (1) JP4349283B2 (ja)
CN (1) CN1557048B (ja)
AU (1) AU2003281555A1 (ja)
WO (1) WO2004010577A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3915640B2 (ja) * 2002-07-02 2007-05-16 株式会社大真空 水晶z板のエッチング方法及びその方法によって成形された水晶ウェハ
JP2008079033A (ja) * 2006-09-21 2008-04-03 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 圧電振動子の製造方法、圧電振動子及び電子部品
JP5045892B2 (ja) * 2007-03-20 2012-10-10 セイコーエプソン株式会社 圧電振動片及びその製造方法
JP5839919B2 (ja) * 2011-09-28 2016-01-06 エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計
JP2013251672A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Seiko Epson Corp 振動片、電子デバイス、電子機器および振動片の製造方法
US9059038B2 (en) * 2012-07-18 2015-06-16 Tokyo Electron Limited System for in-situ film stack measurement during etching and etch control method
JP6373669B2 (ja) * 2013-07-12 2018-08-15 シチズンファインデバイス株式会社 水晶振動子
CN107453726A (zh) * 2017-08-08 2017-12-08 随州泰华电子科技有限公司 一种用于提升音叉晶振离子蚀刻速率的工艺
CN112607703B (zh) * 2020-12-10 2023-10-13 北京自动化控制设备研究所 用于提升驱动增益的石英音叉敏感结构的制备方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5252597A (en) 1975-10-27 1977-04-27 Citizen Watch Co Ltd Bend type piezoelectric vibrator
US4768751A (en) * 1987-10-19 1988-09-06 Ford Motor Company Silicon micromachined non-elastic flow valves
US5141596A (en) * 1991-07-29 1992-08-25 Xerox Corporation Method of fabricating an ink jet printhead having integral silicon filter
JP3161216B2 (ja) 1994-04-27 2001-04-25 株式会社村田製作所 圧電共振子の共振周波数調整方法
JP3374878B2 (ja) * 1994-09-02 2003-02-10 三菱電機株式会社 半導体エッチング方法
JPH09284074A (ja) 1996-04-10 1997-10-31 Seiko Epson Corp 水晶振動子及びその製造方法並びにその水晶振動子を有する電子機器
JP3729249B2 (ja) 2000-09-01 2005-12-21 セイコーエプソン株式会社 振動片の製造方法、振動片、振動片を有する振動子、発振器及び携帯電話装置
JP4524916B2 (ja) 2000-12-27 2010-08-18 エプソントヨコム株式会社 高周波圧電デバイス
JP2003017976A (ja) 2001-06-29 2003-01-17 Toyo Commun Equip Co Ltd 圧電基板、圧電振動素子、圧電デバイス及び圧電基板母材
JP3900513B2 (ja) 2001-10-29 2007-04-04 セイコーエプソン株式会社 音叉型圧電振動片、振動子、発振器、電子機器及び音叉型圧電振動片の製造方法
JP2003133895A (ja) 2001-10-29 2003-05-09 Seiko Epson Corp 振動片、振動子、発振器及び電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
CN1557048B (zh) 2010-04-21
US7560040B2 (en) 2009-07-14
CN1557048A (zh) 2004-12-22
WO2004010577A1 (ja) 2004-01-29
AU2003281555A1 (en) 2004-02-09
JPWO2004010577A1 (ja) 2005-11-17
US20040248423A1 (en) 2004-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7485238B2 (en) Etching method, etched product formed by the same, and piezoelectric vibration device, method for producing the same
EP1883123B1 (en) Method for manufacturing piezoelectric resonator
US8093787B2 (en) Tuning-fork-type piezoelectric vibrating piece with root portions having tapered surfaces in the thickness direction
JP4435758B2 (ja) 水晶片の製造方法
US8365371B2 (en) Methods for manufacturing piezoelectric vibrating devices
JP3888107B2 (ja) 圧電振動デバイス用圧電振動板のエッチング方法
JP4349283B2 (ja) エッチング方法
JP3915640B2 (ja) 水晶z板のエッチング方法及びその方法によって成形された水晶ウェハ
JP2007243435A (ja) 圧電振動片、圧電振動片の周波数調整方法
JP2010136202A (ja) 圧電振動片の製造方法、圧電振動片及び圧電振動子
JP2004040399A (ja) エッチング方法及びその方法によって成形されたエッチング成形品
JP5219676B2 (ja) 水晶振動子用素子、水晶振動子及び電子部品
JP2010178184A (ja) 水晶振動子の製造方法
JP2007028580A (ja) 圧電振動片、圧電振動子、圧電振動片の周波数調整方法
US20150145381A1 (en) Quartz vibrator and manufacturing method thereof
JP5002304B2 (ja) 水晶振動子の製造方法
JP5769557B2 (ja) 水晶振動子片の製造方法
KR101606962B1 (ko) 수정 진동자 및 그 제조방법
JP4955038B2 (ja) 水晶片の製造方法及びこの方法により製造した水晶振動子
JP4341340B2 (ja) 圧電振動デバイスの製造方法および製造装置
JP2008035441A (ja) 圧電振動子の製造方法、圧電振動子及び電子部品
JP2006108825A (ja) 水晶振動子の製造方法
JP2003298373A (ja) 圧電振動デバイスの製造方法及びその製造方法により製造された圧電振動デバイス
JP2008219542A (ja) 圧電振動片の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090424

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090602

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090605

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090630

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090713

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130731

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees