JP5045892B2 - 圧電振動片及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電振動片及びその製造方法に関する。
音叉型圧電振動片は、一対の振動腕を有し、振動腕には励振電極が形成されている。また、振動腕に溝を形成して振動腕側面及び溝内に励振電極が形成される(特許文献1)。この構成によると、振動腕及び溝内の電極間に発生する電界を効率よく利用することができ、CI値が減少する。しかし、特許文献1の図4に示すように、ウェットエッチングによって振動腕全体を形成した場合、対向する内面の傾斜角度が左右非対象になる。すると、振動腕が斜め方向に振動し、そのために振動特性が安定しないことがあった。それを解消するために、振動腕の溝をドライエッチングによって形成し、溝を断面コの字状にする方法も知られている。しかし、振動腕を小型化した場合、振動全体の剛性が低下し、特に溝底面と溝側面の接合部周辺の剛性不足によって、振動に悪影響を及ぼす可能性がある。
特開2006−352771号公報
本発明の目的は、振動腕の剛性を確保して振動特性を向上させることにある。
(1)本発明に係る圧電振動片は、
基部と、
前記基部から延びる一対の振動腕と、
それぞれの前記振動腕に形成されている励振電極膜と、
を含み、
それぞれの前記振動腕は、相互に反対を向く平行な第1及び第2の表面と、前記第1及び第2の表面の両側に略垂直に接続される第1及び第2の側面と、を有し、
前記第1及び第2の表面には、それぞれ、前記振動腕の長手方向に延びる溝が形成され、
前記溝は、前記第1の側面と背中合わせに延びる第1の内面と、前記第2の側面と背中合わせに延びる第2の内面と、前記第1及び第2の内面間の底面と、を含み、
前記第1の表面に形成された前記溝の前記第1及び第2の内面は、互いに非平行であり、前記第1及び第2の表面の幅方向の中心を通り、かつ前記第1及び第2の表面に垂直な対称面に対して面対称になっており、
前記第2の表面に形成された前記溝の前記第1及び第2の内面は、互いに非平行であり、前記対称面に対して面対称になっている。本発明によれば、第1及び第2の側面が第1及び第2の表面に対して垂直になっているので振動腕の振動効率が良い。一方、溝の第1及び第2の内面は、傾斜しているので剛性を確保することができ、第1及び第2の表面に対して垂直に形成した場合と比べて、底面とで形成される角に応力が集中しにくいため、振動効率を低下させる要因が少ない。しかも、第1及び第2の内面は、面対称になっているので振動特性が安定する。
(2)この圧電振動片において、
前記底面は、凸曲面になっていてもよい。
(3)この圧電振動片において、
前記溝は、さらに前記第1及び第2の内面の両端を接続する第3及び第4の内面を含み、
前記第1の表面に形成された前記溝の前記第3及び第4の内面は、互いに非平行であり、前記対称面に直交するとともに前記第1及び第2の表面に垂直な第2の対称面について面対称になっており、
前記第2の表面に形成された前記溝の前記第3及び第4の内面は、互いに非平行であり、前記第2の対称面について面対称になっていてもよい。
(4)この圧電振動片において、
前記第1の表面に形成された前記溝の前記第1の内面と、前記第2の表面に形成された前記溝の前記第2の内面とは、前記対称面に対する角度が同じであり、
前記第1の表面に形成された前記溝の前記第2の内面と、前記第2の表面に形成された前記溝の前記第1の内面とは、前記対称面に対する角度が同じであってもよい。
(5)本発明に係る圧電振動片の製造方法は、
(a)圧電体ウエハの相互に反対を向く平行な表面及び裏面を、それぞれ部分的にウェットエッチングレジストで覆ってウェットエッチングによるフルエッチングを行う工程と、
(b)前記(a)工程後に、前記表面及び裏面を、それぞれ部分的にドライエッチングレジストで覆ってドライエッチングによるハーフエッチングを行う工程と、
を含み、
前記ウェットエッチングレジストによる被覆領域は、前記表面及び裏面の一部から、振動腕の第1及び第2の表面を形成するための領域を含み、
前記ドライエッチングレジストからの露出領域は、溝を前記振動腕に形成するための領域を含み、
前記(a)工程で、前記振動腕の、前記第1及び第2の表面の幅方向の両側に接続される第1及び第2の側面が、前記第1及び第2の表面に対して略垂直になるように、前記ウェットエッチングを行い、
前記(b)工程で、前記溝の、前記第1及び第2の側面とそれぞれ背中合わせに延びる第1及び第2の内面が、互いに非平行であって、前記振動腕の幅方向の中心を通り、かつ前記第1及び第2の表面と垂直に交わる対称面について面対称になるように、前記ドライエッチングを行う。本発明によれば、ドライエッチングによって、面対称の第1及び第2の内面を含む溝を形成することができる。
(6)この圧電振動片の製造方法において、
前記ドライエッチングレジストをCrで形成し、
前記溝の底面が凸曲面になるように、前記ドライエッチングを行ってもよい。
(7)この圧電振動片の製造方法において、
前記(b)工程で、前記表面及び裏面にそれぞれ前記ドライエッチングレジストが付着した状態で前記表面に対してハーフエッチングし、その後に、前記表面及び裏面にそれぞれ前記ドライエッチングレジストが付着した状態で前記裏面に対してハーフエッチングしてもよい。
(8)この圧電振動片の製造方法において、
前記(b)工程は、
前記表面に前記ドライエッチングレジストが付着し、前記裏面を覆う第2の保護膜が付着した状態で、前記表面に対してハーフエッチングし、その後、
前記表面の前記ドライエッチングレジスト及び前記裏面の前記第2の保護膜を除去し、その後、
前記裏面に前記ドライエッチングレジストが付着し、前記表面及び前記表面の前記溝を覆う第1の保護膜が付着した状態で、前記裏面に対してハーフエッチングし、その後、
前記裏面の前記ドライエッチングレジスト及び前記表面の前記第1の保護膜を除去することを含んでもよい。
図1は、本発明の実施の形態に係る圧電振動片を示す平面図である。図2は、図1に示す圧電振動片のII−II線断面拡大図である。図3は、図1に示す圧電振動片のIII−III線断面拡大図である。なお、底面図は平面図と対称に表れる。
圧電振動片(例えば音叉型圧電振動片)は、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料からなる。圧電振動片を水晶から構成する場合、水晶ウエハは、X軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系において、Z軸を中心に時計回りに0度ないし5度の範囲で回転して切り出した水晶Z板を所定の厚みに切断研磨して得られるものを用いる。圧電振動片は、基部16と、基部16から延びる一対の振動腕18と、を含む。
基部16には、第1及び第2の表面12,14に括れた形状が表れるように対向方向に一対の切り込み22が形成されている。基部16は、一対の切り込み22を挟んで両側に位置する第1及び第2の部分24,26と、一対の切り込み22の間で第1及び第2の部分24,26を接続する接続部28と、を含む。切り込み22によって、振動腕18の振動の伝達が遮断されるので、振動が基部16や支持腕38を介して外部に伝わり、振動エネルギーを損失すること(振動漏れ)を抑制し、CI値の上昇を防止することができる。切り込み22の長さ(深さ)は、基部16の強度を確保できる範囲で長い(深い)ほど、振動漏れ抑制効果は大きい。一対の切り込み22の間の幅(接続部28の幅)は、一対の振動腕18の対向する側面の間隔よりも小さくしてもよいし大きくしてもよいし、一対の振動腕18の相互に反対を向く側面の距離よりも小さくしてもよいし大きくしてもよい。
一対の振動腕18は、基部16の第1の部分24から第1及び第2の表面12,14に平行に延びる。振動腕18は、相互に反対を向く平行な第1及び第2の表面12,14と、第1及び第2の表面12,14の両側に垂直に接続する第1及び第2の側面32,34と、を有する。圧電振動片を水晶から構成する場合、結晶方位について、第1の側面32がX軸の+方向を向き、第2の側面34がX軸の−方向を向き、基部16から+Y軸に沿って延びるように構成する。
振動腕18は、基部16に接続される根本部において、基部16側に向けて幅を拡げてあり、広い幅で基部16に接続するので剛性が高くなっている。振動腕18は、第1及び第2の側面32,34の間隔によって定義される幅が、基部16から先端に向けて細くなっている。このようなテーパを形成することにより、振動腕18は振動しやすくなっている。ただし、振動腕18は、先端に近い位置で、幅が先端に向けて太くなるように逆テーパが付けられている。逆テーパを付けることで、先端部分が錘の機能を果たすので、振動周波数を低くすることができる。テーパから逆テーパに反転する位置が溝36よりも先端近くに位置するように、振動腕18は形成されている。
振動腕18には、第1及び第2の表面12,14に、長手方向に延びる溝36がそれぞれ形成されている。溝36は、振動腕18の長さの50〜70%の長さを有する。また、溝36は、振動腕18の幅の60〜90%の幅を有する。
溝36は、第1の側面32と背中合わせに延びる第1の内面33と、第2の側面34と背中合わせに延びる第2の内面35と、を含む。第1の表面12に形成された溝36の第1及び第2の内面33,35は、互いに非平行である。また、第1及び第2の内面33,35は、第1の表面12に対して垂直ではない。第1及び第2の内面33,35は、振動腕18の長手方向と平行であって第1及び第2の表面12,14の中心を通り、かつそれらに垂直な対称面Sについて面対称になっている。同様に、第2の表面14に形成された溝36の第1及び第2の内面33,35も、互いに非平行であり、対称面Sについて面対称になっている。溝36は、第1及び第2の内面33,35間の底面37を含む。底面37は、凸曲面になっていてもよいし、平面であってもよい。
溝36は、底面37の長手方向の両端及び第1及び第2の内面33,35の長手方向の両端に接続する第3及び第4の内面39,41を含む。第1の表面12に形成された溝36の第3及び第4の内面39,41は、互いに非平行である。また、第3及び第4の内面39,41は、対称面Sに直交するとともに第1及び第2の表面12,14に垂直な第2の対称面Sについて面対称になっている。第2の表面14に形成された溝36の第3及び第4の内面39,41も、互いに非平行であり、第2の対称面Sについて面対称になっている。
溝36の内側において第1の内面33と対称面Sとがなす狭角と、第2の内面35と対称面Sとがなす狭角は同じで、例えば、70〜90°である。同様に、第3の内面、第4の内面が、それぞれ第2の対称面Sとなす狭角は同一である。
本実施の形態によれば、溝36の第1及び第2の内面33,35は、傾斜しているので剛性を確保することができる。したがって、第1及び第2の内面33,35を第1及び第2の表面12,14に対して垂直に形成した場合と比べて、底面37とで形成される角に応力が集中しにくいため、振動に悪影響を及ぼす要因が少ない。しかも、第1及び第2の側面32,34は第1及び第2の表面12,14に対して略垂直になっており、かつ第1及び第2の内面33,35は面対称になっているので、振動腕全体が対称面Sに対して対称になっている。そのため、z方向変位を含む斜め方向の振動が発生する可能性を低減でき、振動が安定する。
圧電振動片は、基部16の第2の部分26から延びる一対の支持腕38を有する。一対の支持腕38は、基部16から一対の振動腕18が延びる方向とは交差方向であってそれぞれ相互に反対方向に延び、一対の振動腕18の延びる方向に屈曲してさらに延びる。屈曲することで、支持腕38は小型化される。支持腕38は、図示しないパッケージなどに取り付けられる部分であり、支持腕38での取り付けによって、振動腕18及び基部16は浮いた状態になる。
振動腕18には、励振電極膜40が形成されている。図2に示す励振電極膜40は1層で構成されているが、100Å以上300Å以下の厚みを有する下地のCr膜と、Cr膜上に形成された200Å以上500Å以下の厚みを有するAu膜と、を含む多層構造であってもよい。Cr膜は水晶との密着性が高く、Au膜は電気抵抗が低く酸化し難いことで知られている。励振電極膜40は、第1及び第2の表面12,14にそれぞれ形成された表裏電極膜(複数の表電極膜と複数の裏電極膜)と、第1及び第2の側面32,34にそれぞれ形成された第1及び第2の側面電極膜と、溝36の内面に形成された内面電極膜と、を含む。
励振電極膜40によって、第1及び第2の励振電極42,44が構成される。1つの振動腕18において、第1及び第2の励振電極42,44間に電圧を印加して、振動腕18の第1及び第2の側面32,34を伸縮させることで振動腕18を振動させる。溝36を形成することによって、励振電極42及び44間に発生する電界のz方向成分が減少し、x方向成分が増加する。したがって、溝を設けない場合に比べ、電界を効率的に利用することが可能になり、CI値を下げることができる。なお、第1及び第2の励振電極42,44は、振動腕18の70%までは、長いほどCI値が下がることが分かっている。
第1の励振電極42は、溝36の内面に形成された内面電極膜を含む。第1の表面12の溝36に形成された内面電極膜と、第2の表面14の溝36に形成された内面電極膜と、は電気的に接続されている。すなわち、第1及び第2の表面12,14それぞれに形成された一対の第1の励振電極42は電気的に接続されている。一方の振動腕18に形成された一対の第1の励振電極42は、基部16上の第1及び第2の表面12,14それぞれに形成された引き出し電極46に接続され、これらの引き出し電極46が、他方の振動腕18の第1又は第2の側面電極膜に接続されることで電気的に接続される。
第2の励振電極44は、第1及び第2の側面32,34に形成された第1及び第2の側面電極膜を含む。また、第1及び第2の側面電極膜は電気的に接続されている。その電気的接続は、振動腕18の溝36が形成されていない部分(例えば先端部)において、第1及び第2の表面12,14の少なくとも一方(あるいは両方)上に形成された接続電極48によってなされている。
一方の振動腕18に形成された第1の励振電極42と、他方の振動腕18に形成された第2の励振電極44と、は基部16上の引き出し電極46で電気的に接続されている。引き出し電極46は、第2の励振電極44が形成される振動腕18の隣に並ぶ支持腕38上に至るまで形成されている。引き出し電極46は、支持腕38の第1及び第2の表面12,14(あるいはさらに側面)に形成してもよい。支持腕38上で、引き出し電極46を外部との電気的接続部にすることができる。
図4は、本実施の形態に係る圧電振動片の動作を説明する図である。図4に示すように、一方の振動腕18の第1及び第2の励振電極42,44に電圧が印加され、他方の振動腕18の第1及び第2の励振電極42,44に電圧が印加される。ここで、一方の振動腕18の第1の励振電極42と他方の振動腕18の第2の励振電極44が同じ電位(図4の例では+電位)となり、一方の振動腕18の第2の励振電極44と他方の振動腕18の第1の励振電極42が同じ電位(図4の例では−電位)となるように、第1の励振電極42及び第2の励振電極44は、クロス配線によって交流電源に接続され、駆動電圧としての交番電圧が印加されるようになっている。印加電圧によって、図4に矢印で示すように電界が発生し、これにより、振動腕18は、互いに逆相振動となるように(振動腕18の先端側が互いに接近・離間するように)励振されて屈曲振動する。また、基本モードで振動するように交番電圧が調整されている。
(第1の実施の形態に係る圧電振動片の製造方法)
図5(A)〜図6(C)は、本発明の第1の実施の形態に係る圧電振動片の製造方法を説明する図である。本実施の形態では、水晶等からなる圧電体ウエハ10を使用する。圧電体ウエハ10は、相互に反対を向く平行な表面11及び裏面13を有する板材である。
図5(A)に示すように、表面11及び裏面13を、それぞれ部分的にウェットエッチングレジスト50で覆う。ウェットエッチングレジスト50は、パターニングされた金属層(例えばCr膜とその上のAu膜)及び金属層上のパターニングされた樹脂層からなる。金属層を形成し、その上に感光性の樹脂によって樹脂層を形成し、フォトリソグラフィによって樹脂層をパターニングし、パターニングされた樹脂層をマスクとしたエッチング(ドライ・ウェットのどちらでもよいがウェットを適用可能)によって金属層をパターニングする。ウェットエッチングレジスト50による被覆領域は、表面11及び裏面13の一部から振動腕18の第1及び第2の表面12,14を形成するための領域を含む。
図5(B)に示すように、圧電体ウエハ10の表面11及び裏面13を、ウェットエッチングレジスト50をマスクとしてウェットエッチングによるフルエッチングを行う。ウェットエッチングは、振動腕18の、第1及び第2の表面12,14の幅方向の両側に接続される第1及び第2の側面32,34が、第1及び第2の表面12,14に対して略垂直になるように行う。ウェットエッチングによって、低コストで効率的にエッチングを行うことができる。これによって、基部16及び基部16から延びる一対の振動腕18を抜き出す。結晶方位に依存性があるウェットエッチングであっても、エッチング時間やエッチング条件によって、表面11及び裏面13に対して垂直の第1及び第2の側面32,34を形成することができる。
図5(C)に示すように、圧電体ウエハ10の表面11及び裏面13を、それぞれ部分的にドライエッチングレジスト54で覆う。ドライエッチングレジスト54として、Cr膜を使用してもよい。Cr膜は無電解メッキで形成することができる。ドライエッチングレジスト54からの露出領域は、溝36を振動腕18に形成するための領域を含む。
図6(A)に示すように、表面11に対してドライエッチングによるハーフエッチングを行う。ハーフエッチングは、ウェットエッチングよりもドライエッチングによって簡単に行うことができる。ドライエッチングは、溝36が上述した形状になるように行う。ドライエッチングレジスト54をCrで形成し、マスク選択比(マスクエッチング速度/圧電体ウエハ10のエッチング速度)を小さくしてドライエッチングを行う。これにより、溝36の底面37を凸曲面にすることができる。こうして、振動腕18の表面11に溝36を形成する。ドライエッチングは結晶方位に依存しないが、ドライエッチングレジスト54の開口の間隔が狭いため、溝36の内面が傾斜する。ただし、ドライエッチングでは、ウェットエッチングと異なり、溝36の対向する内面の傾斜が面対称の形状になる。なお、表面11及び裏面13にそれぞれドライエッチングレジスト54が付着した状態で表面11に対してハーフエッチングを行う。
図6(B)に示すように、裏面13に対してもドライエッチングによるハーフエッチングを行う。こうして、振動腕18の表面11及び裏面13に溝36を形成する。なお、表面11及び裏面13にそれぞれドライエッチングレジスト54が付着した状態で裏面13に対してハーフエッチングする。
図6(C)に示すように、ドライエッチングレジスト54を除去する。そして、図1〜図3に示すように、励振電極膜40を形成する。
本実施の形態によれば、溝36の形成をドライエッチングによって行うので精密な加工が可能である。ウェットエッチングを行った後にドライエッチングを行うので、全てをウェットエッチングで行うよりも精密に加工することができ、全てをドライエッチングで行うよりも効率的に行うことができる。なお、本実施の形態では、ウェットエッチング及びドライエッチングを組み合わせているので、ドライエッチングだけで行うよりも、エッチングガス(例えばCF)の排出を20%削減することができる。その他、本実施の形態に係る製造方法は、上述した構成から自明の製造プロセス及び周知のプロセスを含む。さらに、必要に応じて、ドライエッチングの工程を追加してもよい。例えば、ドライエッチングによって、接続部28に貫通穴(図示せず)を形成するプロセスを追加してもよい。
(第2の実施の形態に係る圧電振動片の製造方法)
図7(A)〜図7(D)は、本発明の第2の実施の形態に係る圧電振動片の製造方法を説明する図である。本実施の形態では、第1の実施の形態の図5(C)を参照して説明した工程の代わりに、図7(A)に示す工程を行う。すなわち、表面11にドライエッチングレジスト54を形成し、裏面13にはこれを覆うように第2の保護膜56を形成する。第2の保護膜56は裏面13の全面を覆ってもよい。ただし、すでに、図5(A)〜図5(B)に示す工程の後であるため、振動腕18及び基部16が抜き出されている。
図7(B)に示すように、表面11にドライエッチングレジスト54が付着し、裏面13(例えばその全面)を覆う第2の保護膜56が付着した状態で、表面11に対してハーフエッチングする。これにより、表面11に溝36を形成する。また、裏面13が第2の保護膜56で覆われているので、裏面13がエッチングされるのを防止し、次に行う裏面13のエッチングによって、表面11及び裏面13の均一なエッチングを可能にしている。また、裏面13を覆う第2の保護膜56が、図6(A)に示す裏面13のドライエッチングレジスト54よりも大きいので、冷却効果が大きく、ドライエッチングを効率的に行うことができる。その後、表面11のドライエッチングレジスト54及び裏面13の第2の保護膜56を除去する。
図7(C)に示すように、裏面13にドライエッチングレジスト54を形成し、表面11にはこれを覆うように第1の保護膜58を形成する。第1の保護膜58は表面11の全面を覆ってもよい。
図7(D)に示すように、裏面13にドライエッチングレジスト54が付着し、表面11及び表面11の溝36を覆う第1の保護膜58が付着した状態で、裏面13に対してハーフエッチングする。これにより、裏面13に溝36を形成する。また、表面11が第1の保護膜58で覆われているので、表面11が再度エッチングされるのを防止し、表面11及び裏面13の均一なエッチングを可能にしている。また、表面11及び溝36を覆う第1の保護膜58が、図6(B)に示す表面11のドライエッチングレジスト54よりも大きいので、冷却効果が大きく、ドライエッチングを効率的に行うことができる。その後、裏面13のドライエッチングレジスト54及び表面11の第1の保護膜58を除去する。その他の点について、本実施の形態に係る製造方法には、上述した第1の実施の形態で説明した製造方法を適用することができる。本実施の形態でも、第1の実施の形態と同じ効果を達成することができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
図1は、本発明に係る圧電振動片の実施の形態を示す平面図である。 図2は、図1に示す圧電振動片のII−II線断面拡大図である。 図3は、図1に示す圧電振動片のIII−III線断面拡大図である。 図4は、本実施の形態に係る圧電振動片の動作を説明する図である。 図5(A)〜図5(C)は、本発明の第1の実施の形態に係る圧電振動片の製造方法を説明する図である。 図6(A)〜図6(C)は、本発明の第1の実施の形態に係る圧電振動片の製造方法を説明する図である。 図7(A)〜図7(D)は、本発明の第2の実施の形態に係る圧電振動片の製造方法を説明する図である。
符号の説明
S1…対称面、 S2…対称面、 10…圧電体ウエハ、 11…表面、 12…第1の表面、 13…裏面、 14…第2の表面、 16…基部、 18…振動腕、 22…切り込み、 24…第1の部分、 26…第2の部分、 28…接続部、 32…第1の側面、 33…第1の内面、 34…第2の側面、 35…第2の内面、 36…溝、 37…底面、 38…支持腕、 39…第3の内面、 41…第4の内面、 40…励振電極膜、 42…第1の励振電極、 44…第2の励振電極、 46…電極、 48…接続電極、 50…ウェットエッチングレジスト、 54…ドライエッチングレジスト、 56…第2の保護膜、 58…第1の保護膜

Claims (5)

  1. 基部と、
    前記基部から延びる一対の振動腕と、
    それぞれの前記振動腕に形成されている励振電極膜と、
    を含み、
    それぞれの前記振動腕は、相互に反対を向く平行な第1及び第2の表面と、前記第1及び第2の表面の両側に略垂直に接続される第1及び第2の側面と、を有し、
    前記第1及び第2の表面には、それぞれ、前記振動腕の長手方向に延びる溝が形成され、
    前記溝は、前記第1の側面と背中合わせに延びる第1の内面と、前記第2の側面と背中合わせに延びる第2の内面と、前記第1及び第2の内面間の底面と、を含み、
    前記第1の表面に形成された前記溝の前記第1及び第2の内面は、互いに非平行であり、前記第1及び第2の表面の幅方向の中心を通り、かつ前記第1及び第2の表面に垂直な対称面に対して面対称になっており、
    前記第2の表面に形成された前記溝の前記第1及び第2の内面は、互いに非平行であり、前記対称面に対して面対称になっており、
    前記溝は、さらに前記第1及び第2の内面の両端を接続する第3及び第4の内面を含み、
    前記第1の表面に形成された前記溝の前記第3及び第4の内面は、互いに非平行であり、前記対称面に直交するとともに前記第1及び第2の表面に垂直な第2の対称面について面対称になっており、
    前記第2の表面に形成された前記溝の前記第3及び第4の内面は、互いに非平行であり、前記第2の対称面について面対称になっている圧電振動片。
  2. 請求項1に記載された圧電振動片において、
    前記底面は、凸曲面になっている圧電振動片。
  3. 請求項1又は2に記載された圧電振動片において、
    前記第1の表面に形成された前記溝の前記第1の内面と、前記第2の表面に形成された前記溝の前記第2の内面とは、前記対称面に対する角度が同じであり、
    前記第1の表面に形成された前記溝の前記第2の内面と、前記第2の表面に形成された前記溝の前記第1の内面とは、前記対称面に対する角度が同じである圧電振動片。
  4. (a)圧電体ウエハの相互に反対を向く平行な表面及び裏面を、それぞれ部分的にウェットエッチングレジストで覆ってウェットエッチングによるフルエッチングを行う工程と、
    (b)前記(a)工程後に、前記表面及び裏面を、それぞれ部分的にドライエッチングレジストで覆ってドライエッチングによるハーフエッチングを行う工程と、
    を含み、
    前記ウェットエッチングレジストによる被覆領域は、前記表面及び裏面の一部から、振動腕の第1及び第2の表面を形成するための領域を含み、
    前記ドライエッチングレジストからの露出領域は、溝を前記振動腕に形成するための領域を含み、
    前記(a)工程で、前記振動腕の、前記第1及び第2の表面の幅方向の両側に接続される第1及び第2の側面が、前記第1及び第2の表面に対して略垂直になるように、前記ウェットエッチングを行い、
    前記(b)工程で、前記溝の、前記第1及び第2の側面とそれぞれ背中合わせに延びる
    第1及び第2の内面が、互いに非平行であって、前記振動腕の幅方向の中心を通り、かつ前記第1及び第2の表面と垂直に交わる対称面について面対称になるように、前記ドライエッチングを行い、
    前記(b)工程は、
    前記表面に前記ドライエッチングレジストが付着し、前記裏面を覆う第2の保護膜が付着した状態で、前記表面に対してハーフエッチングし、その後、
    前記表面の前記ドライエッチングレジスト及び前記裏面の前記第2の保護膜を除去し、その後、
    前記裏面に前記ドライエッチングレジストが付着し、前記表面及び前記表面の前記溝を覆う第1の保護膜が付着した状態で、前記裏面に対してハーフエッチングし、その後、
    前記裏面の前記ドライエッチングレジスト及び前記表面の前記第1の保護膜を除去することを含む圧電振動片の製造方法。
  5. 請求項に記載された圧電振動片の製造方法において、
    前記ドライエッチングレジストをCrで形成し、
    前記溝の底面が凸曲面になるように、前記ドライエッチングを行う圧電振動片の製造方法。
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