JP2009038518A - 薄膜圧電共振器の製造方法及び薄膜圧電共振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエットエッチング法により薄膜圧電共振器を製造するにあたり、プロセス余裕度が高く、そのため工程が容易であり、製造コストの低廉化を図ることができる薄膜圧電共振器の製造方法を提供すること。
【解決手段】金属膜からなる下部電極及びこの下部電極から引き出される配線部位と、圧電体薄膜とを形成した後、前記基板の表面に金属膜を形成する。次に上部電極となる部位と、圧電体薄膜に覆われていない下部電極から引き出される配線部位とを被覆すると共に、上部電極と下部電極とを分離するために、前記配線部位と上部電極となる部位との間が開口するレジストマスクを基板の表面に形成し、しかる後、前記基板をエッチング液に接触させて、前記レジストマスクに覆われていない金属膜をエッチングにより除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜圧電共振器の製造方法及び薄膜圧電共振器に関し、特にウエットエッチング法による薄膜圧電共振器の製造に関する。
薄膜圧電共振器には、圧電体薄膜の膜厚方向の縦振動を利用した共振器と、圧電体薄膜の形状で決まる輪郭モード振動を利用した共振器がある。前者はFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)或いはBAW(Bulk Acoustic Wave)素子等とも呼ばれ、その共振周波数は圧電体薄膜の音速及び膜厚によって定まる。例えば、圧電体薄膜としてAlNやZnOを用いた場合、0.4〜2μmの膜厚で(膜厚に反比例して)2〜5GHzの共振周波数が得られる。後者は、圧電体薄膜の外形形状と寸法で共振周波数を規定できるため、異なる共振周波数の共振器を複数組み合わせる必要のあるフィルタ用途に適した共振器である(例えば、非特許文献1参照)。いずれもGHz帯で高いQ値と低インピーダンスの特長を持つために、高周波発振器やフィルタ用の共振器として有望である。さらに薄膜圧電共振器は、SAW(弾性表面波)共振器のように圧電性単結晶基板上でなく、シリコン基板上に形成できるために、LSIとの一体化(ワンチップ化)が可能であり、移動体通信端末のRFフロントエンドの小型化・モジュール化に寄与できるため注目されている。
圧電体薄膜の膜厚方向の縦振動を利用するFBAR型薄膜圧電共振器と圧電体薄膜の形状で決まる輪郭モード振動を利用する輪郭振動型薄膜圧電共振器は、振動モードが異なるだけで、基本的な素子構造は同一であり、圧電体薄膜を上下の電極で挟んだ積層体を浮かせた構造を有する。そこで以下では、FBAR型薄膜圧電共振器について説明する。
特許文献1には、代表的なFBAR型の薄膜圧電共振器の構造並びにその製造方法が開示されている。FBAR型薄膜圧電共振器の構造の一例を図6に示すと、図6中の10はシリコン等の基板であり、当該基板10表面の略中央部には凹部11が形成されている。そしてこの凹部11を覆うようにして下部電極12、圧電体薄膜13、上部電極14をこの順に積層した積層体15が形成され、下部電極12並びに上部電極14は外部接続端子(電極パッド)16a,16bまで引き出されている。また基板10の表面に形成された凹部11と積層体15下面との間には空洞17が形成されている。また図6に示すように前記下部電極12において圧電体薄膜13に覆われていない領域は引き出し配線部位12aとして構成されている。
この薄膜圧電共振器の製造は、次のようにして行われる。先ず図7(a)に示すようにシリコン基板10表面に異方性エッチングを利用して窪み(凹部)11を形成し、引き続き基板10上に犠牲層20を形成する。その後、Si基板10の表面が露出するまで犠牲層20を研磨し、犠牲層20の面が平坦化される。この結果、Si基板10の表面に犠牲層20が埋め込まれ、その周辺にはSi基板10表面が露出することになる。引き続き、図7(b)及び図7(c)に示すように下部電極12及び圧電体薄膜13が順次成膜される。続いてこの圧電体薄膜13の上に上部電極14が形成される。
この上部電極14の形成工程について詳しく述べると、基板10表面全体にスパッタ法により金属膜25を形成する(図7(d))。そしてこの金属膜25の表面にレジスト膜26を形成し、当該レジスト膜26を所定の形状のパターンとなるように露光及び現像する(図8(a))。続いてこのレジスト膜26をマスクにして金属エッチング液で金属膜25をエッチングすることで所定の形状にパターニングされた上部電極14を形成する(図8(b))。そして基板10表面に残っているレジスト膜26を全て剥離した後(図8(c))、リフトオフ法により各電極12,14の表面に外部への電気接続のための電極パッド16a,16bを形成し、その後、犠牲層20に達するまで穴が穿けられ、この穴を通じて犠牲層20を選択エッチングにより除去し、Si基板10と下部電極12との間に予め形成した窪みに相当する空洞(キャビティ)17を形成する(図8(d))。これら一連の工程を経て、図6に示すFBAR型の薄膜圧電共振器が完成する。
この薄膜圧電共振器は次のようにして発振する。即ち、上部電極14及び下部電極12に電圧を印加することで圧電体薄膜13の厚み方向に励振された弾性振動が上部電極14と空気との境界面、並びに下部電極12と空洞17との境界面で反射され、圧電体薄膜13の膜厚によって決まる共振周波数で共振が起こる。
前記空洞は基板10表面側を掘り込んで形成される必要はなく、例えば特許文献2にある、凸型キャビティを有するエアギャップ型、あるいは例えば特許文献3にある、基板裏面から開口部を設けたメンブレン型の空洞であっても構わない。なお、空洞を設ける代わりに例えば特許文献4にある、音響多層膜(音響ミラーあるいはブラッグリフレクターとも呼ばれる)を用いたSMR(Solidly Mounted Resonator)と呼ばれるFBAR型薄膜圧電共振器もある。
上述した特許文献1の薄膜圧電共振器の製造は、空洞形成、犠牲層埋め込み、研磨による平坦化、下部電極、圧電体薄膜、上部電極を夫々パターニングして積み重ねることによって行われる。パターニングは露光(リソグラフィ)工程により薄膜上に形成したレジストパターンをマスクとして、薬液を用いたウエットエッチング法、あるいは反応性ガスを用いたドライエッチング(リアクティブイオンエッチング)法によって行われる。ドライエッチングにおいては、フッ素や塩素等のハロゲン原子を含む反応性ガスのプラズマを発生させ、プラズマ中に生成されるラジカルならびにイオンにより被エッチング材料を揮発性生成物とすることによってエッチングが進行する。
ドライエッチング法は、専用のプラズマ源を備えた真空装置のみならず、反応性ガスの漏洩に対する安全対策や排ガス処理系等の付帯設備が不可欠であり、薄膜圧電共振器の製造コストを引き上げる要因となっている。これに対して、ウエットエッチング法は、薬液を取り扱えるドラフト等の設備があれば行えるので、ドライエッチングに比較し、低コストで薄膜圧電共振器の製造が可能である。このためドラフトエッチング法よりも、ウエットエッチング法による薄膜圧電共振器の製造が求められている。
しかし、上述した薄膜圧電共振器の製造工程において、次のような問題がある。薄膜圧電共振器の上部電極14及び下部電極12としては、例えばモリブテン(Mo)、タングステン(W)等の音響インピーダンスが大きな金属が用いられるが、製造コストを下げるために、上部電極14及び下部電極12の材料は同一であることが望ましい。上部電極14及び下部電極12を同じ材料とした場合、圧電体薄膜13のパターンニング工程後、基板10上に上部電極14となる金属膜25を形成すると、図7(d)に示すように圧電体薄膜13に覆われていない下部電極12の引き出し配線部位12aは、金属膜25で覆われることになる。この金属膜25は図8(b)に示すようにフォトリソ工程によりレジスト膜26をマスクにして金属エッチング液でエッチングされ、上部電極14としてパターンニングされることになるが、このパターニング工程において厳密な時間管理が必要となる。即ち、エッチング時間が長くなると、圧電体薄膜13に覆われていない下部電極12の引き出し配線部位12a上に形成されている金属膜25が全てエッチングされた後、更に前記配線部位12aまでもエッチングされる。この結果当該配線部位12aの膜厚が薄くなり、配線抵抗が増大したり、また極端な場合にはこの部分が消失してしまう。逆にエッチング時間が短いと、前記引き出し配線部位12a上に上部電極14が残り,上部電極14と下部電極12とがショートする。従って、エッチング終点の管理が非常に重要となる。しかしながらウエットエッチング法では、液温やエッチング液の流れでエッチングレートが敏感に変化するため、このような厳密な終点管理は容易ではない。
G.Piazza and A.P.Pisano, "Dry-Released Post-CMOS Compatible Contour-Mode Aluminum Nitride Micromechanical Resonators for VHF Applications," Technical Digest of Solid-State Sensor, Actuator and Microsystems Workshop, pp.37-40(2004). 特開2000−69594号公報 特開2005−109702号公報 再表2004/1964号公報 特開2004−235886号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的はウエットエッチング法により薄膜圧電共振器を製造するにあたり、プロセス余裕度が高く、そのため工程が容易であり、製造コストの低廉化を図ることができる薄膜圧電共振器の製造方法及びこの方法により製造した薄膜圧電共振器を提供することにある。
本発明は、基板上に、下部電極、圧電体薄膜及び上部電極が積層された薄膜圧電共振器を製造する方法において、
前記基板の表面に金属膜からなる下部電極及びこの下部電極から引き出される配線部位をパターニングにより形成する工程と、
前記下部電極の表面に圧電体薄膜をパターンニングにより形成する工程と、
しかる後、前記基板の表面に金属膜を形成する工程と、
次いで上部電極となる部位と、圧電体薄膜に覆われていない、下部電極から引き出される配線部位とを被覆すると共に、上部電極と下部電極とを分離するために、前記配線部位と上部電極となる部位との間に開口するレジストマスクを基板の表面に形成する工程と、
前記基板をエッチング液に接触させて、前記レジストマスクに覆われていない金属膜をエッチングにより除去する工程と、
その後、前記レジストマスクを除去する工程と、を含むことを特徴とする。
また上述した製造方法において、前記レジストマスクは、圧電体薄膜の上面に、上部電極と下部電極とを分離するための開口部が形成されていることが好ましい。また上述した製造方法において、前記上部電極と前記下部電極とは同じ材料からなることが好ましい。また前記上部電極及び下部電極としては、例えばモリブテン、タングステン、タンタル、ニオブ、ルテニウム及び白金等から選ばれる。
また本発明の薄膜圧電共振器は、上述した薄膜圧電共振器の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明によれば、ウエットエッチング法を用いたとしてもプロセス余裕度の高い薄膜圧電共振器の製造が可能となる。その結果として、製造工程が容易となり安価な薄膜圧電共振器を提供することができる。
本発明に係る製造方法により製造される薄膜圧電共振器の一例を、図1を参照しながら説明する。図1は本実施の形態に係る薄膜圧電共振器を模式的に示した斜視図である。図1中の30は矩形状のシリコン製の基板であり、当該基板30表面の略中央部には、後述の圧電体薄膜33の横幅よりも少し左右にはみ出る大きさの矩形状の凹部31が形成されている。前記基板30の表面には下部電極32及びこの下部電極32から引き出された配線部位(配線膜)32aが形成されており、これらを構成する金属膜の形成領域は、この例では基板30の一端側から前記凹部31を跨いで当該凹部31の他縁側を少し越えた位置まで形成されている。なお、本明細書では、当該金属膜において圧電体薄膜33に覆われた部位を下部電極32と称し、圧電体薄膜33に覆われていない部位を、下部電極32から引き出された配線部位32aと称することとする。
また下部電極32及び基板30の表面には矩形状の圧電体薄膜33が形成されており、当該圧電体薄膜33の形成領域は、この例では基板30の他端側から前記凹部31を跨いで当該凹部31の一縁側まで形成されている。また前記圧電体薄膜33の表面には上部電極34が形成されており、当該上部電極34の形成領域は、この例では圧電薄膜33の一端側から他端側まで形成されている。このように凹部31の上に下部電極32、圧電体薄膜33及び上部電極34の積層体が位置することにより、当該積層体の下方に空洞36が形成されることになる。さらに圧電体薄膜33の他端側に位置する上部電極34の表面には電極パッド35aが形成されている。
また図1に示すように圧電体薄膜33に覆われていない下部電極32の引き出し配線部位32aの表面、及び圧電体薄膜33の一端面から上面の一部に跨る領域には、後述するように上部電極パターンを形成する際に除去されずに残った金属膜47が形成されている。この金属膜47は前記上部電極34とは繋がっておらず、上部電極34aと金属膜47との間には隙間37が形成されており、当該隙間37から圧電体薄膜33が露出している。さらに基板30の一端側に位置する金属膜47の表面には電極パッド35bが形成されている。
次に、図1に示す薄膜圧電共振器の製造方法について図2〜図5を参照しながら説明する。先ず、シリコン(100)基板30上に、レジスト塗布、フォトリソグラフィーにより、図1に示す空洞36に対応する開口部を有する熱酸化膜41をパターニングにより形成する(図2(a))。続いてこの熱酸化膜41をマスクにして基板30をシリコンの異方性エッチャント(基板エッチング液)である水酸化カリウム(KOH)水溶液あるいは4メチル水酸化アンモニウム(TMAH)水溶液に浸漬してウエットエッチングを行って、熱酸化膜41に覆われていない基板30をエッチングし、基板30表面にテーパー状の凹部31を形成する(図2(b))。なお、シリコンの等方性エッチャントであるフッ硝酸水溶液を用いれば、矩形断面の凹部31を形成することができる。
次に基板30表面全体にCVD法によりホウ素(B)及びリン(P)をドープしたシリケートガス(BPSG)等に代表されるSiO系の犠牲層42を成膜して基板30上に形成した凹部31を完全に埋め込む(図2(c))。その後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により、熱酸化膜41面あるいはシリコン基板30面が露出するまで犠牲層42の表面を研磨し当該犠牲層42の表面を平坦化する(図2(d))。
次に平坦化されたシリコン基板30面上に、マグネトロンスパッタ法等により膜厚が例えば0.1〜0.3μmの金属膜を形成し、リソグラフィー及びウエットエッチングによりパターニングして下部電極32及び当該下部電極32から引き出される配線部位32aを形成する(図2(e))。この金属膜としては例えばモリブテン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)等の音響インピーダンスが高い金属が用いられ、この例ではMoを用いている。Moを用いた場合には、エッチャント(エッチング液)としては例えば燐酸と硝酸の水溶液(H:HNO:HO=5:1:4)、あるいは硫酸と硝酸の水溶液(HSO:HNO:HO=1:1:3)が適している。またMo膜と基板30との密着性を確保するためにMo膜の成膜に先立ち、例えばチタン(Ti)やクロム(Cr)等を下地膜として成膜してもよい。
次に、基板30の表面にRFマグネトロンスパッタ法により例えば膜厚が0.8〜1.5μmの圧電体膜を成膜して、リソグラフィー及びウエットエッチングによりパターニングして圧電体薄膜33を形成する(図3(a))。この圧電体薄膜33の膜厚は所望の共振周波数が得られるように設定する。前記圧電体膜としては例えば窒化アルミニウム(AlN)あるいは酸化亜鉛(ZnO)等が用いられ、この例ではAlNを用いている。AlNを用いた場合には、エッチャントとしては例えば熱燐酸や水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等が適している。
圧電体薄膜33のパターニング後、基板30の表面にマグネトロンスパッタ法等により膜厚が例えば0.1〜0.3μmの金属膜47を形成する(図3(b))。前記金属膜47としては下部電極32を形成するために用いられた金属と同じ金属が用いられ、この例ではMoを用いている。そして基板30の表面、即ち金属膜47の表面にレジスト46を塗布し(図3(c))、フォトリソグラフィーによりレジストマスク48を形成する。このレジストマスク48は、図3(d)及び図5に示すように金属膜47のうち上部電極34となる部位と、圧電体薄膜33に覆われていない下部電極32から引き出される配線部位32aと、圧電体薄膜33の一端面から上面の一部に跨る領域とを被覆すると共に、上部電極34と下部電極32とを分離するために、前記圧電体薄膜33の一端面付近と上部電極34との間に形成された開口部6を有している。
続いて図4(a)に示すようにこのレジストマスク48を用いて下部電極32のパターンニング時と同じエッチング液に基板30を浸漬してウエットエッチングを行って、レジストマスク48に覆われていない金属膜47をエッチングして、上述したように上部電極34パターンを形成する。この時、圧電体薄膜33に覆われていない下部電極32から引き出される配線部位32aは、金属膜47及びレジストマスク48でカバーされているので、上部電極エッチング時のエッチャントでエッチングされることはない。よって上部電極34パターンを確実に形成できる時間だけ基板30をエッチャントに浸漬しておけば良く、特別な管理は不要である。
次に基板30表面に残っているレジストマスク48を全て剥離し、上部電極34パターンが完成する(図4(b))。さらに必要であれば、外部への電気接続のための電極パッド35a,35bをリフトオフ法により形成する(図4(c))。最後に空洞36に埋め込んだシリケートガラス犠牲層42をエッチングするための開口部を有するレジストパターンをリソグラフィーで形成し、バッファードフッ酸によりシリケート系ガラス犠牲層42をエッチングする(図4(d))。こうして、下部電極32の下に空洞36が形成され、図1に示す薄膜圧電共振器が完成する。
上述の実施の形態によれば、圧電体薄膜33に覆われていない下部電極32から引き出された配線部位32aをレジストマスク48で覆うことによって、厳密なエッチング終点管理を不要とし、プロセス余裕度を向上させることができる。即ち、図4(a)に示すように圧電体薄膜33に覆われていない下部電極32から引き出された配線部位32aが金属膜47及びレジストマスク48により保護されているため、上部電極34のパターニング工程が多少オーバーエッチングとなったとしても、下部電極32から引き出された配線部位32aの目減りや消失は起こり得ない。そのためエッチング液に起因する配線抵抗の増大や上下電極間のショート等の問題が生じることがない。このようにプロセス余裕度が向上することから、工程管理が容易になり、また歩留まりの向上にもつながることから、結果として製造コストを低廉化することができる。
なお、上述の実施の形態では、基板30表面に凹部31の空洞36を形成したFBAR型の薄膜圧電共振器について説明したが、凸型キャビティを有するエアギャップ型、あるいは基板裏面から空洞を形成したメンブレン型の薄膜圧電共振器であっても構わない。さらに、音響多層膜を用いたSMR型の薄膜圧電共振器であってもよい。
以上の説明においては、圧電体薄膜の膜厚方向の縦振動を利用するFBAR型薄膜圧電共振器に適用した場合について説明したが、圧電体薄膜の形状で決まる輪郭モード振動を利用する輪郭振動型薄膜圧電共振器にも適用することができる。
本発明の実施の形態に係る薄膜圧電共振器の斜視図である。 上記薄膜圧電共振器の製造工程の説明図である。 上記製造工程の第2の説明図である。 上記製造工程の第3の説明図である。 上部電極パターンを形成するために用いられるレジストマスクを示す説明図である。 従来の薄膜圧電共振器の斜視図である。 従来の薄膜圧電共振器の製造工程の説明図である。 上記製造工程の第2の説明図である。
符号の説明
30 基板
31 凹部
32 下部電極
32a 引き出し配線部位
33 圧電体薄膜
34 上部電極
35a,35b 電極パッド
36 空洞
37 隙間
41 熱酸化膜
42 犠牲層
47 金属膜
48 レジストマスク
6 開口部

Claims (5)

  1. 基板上に、下部電極、圧電体薄膜及び上部電極が積層された薄膜圧電共振器を製造する方法において、
    前記基板の表面に金属膜からなる下部電極及びこの下部電極から引き出される配線部位をパターニングにより形成する工程と、
    前記下部電極の表面に圧電体薄膜をパターンニングにより形成する工程と、
    しかる後、前記基板の表面に金属膜を形成する工程と、
    次いで上部電極となる部位と、圧電体薄膜に覆われていない、下部電極から引き出される配線部位とを被覆すると共に、上部電極と下部電極とを分離するために、前記配線部位と上部電極となる部位との間に開口するレジストマスクを基板の表面に形成する工程と、
    前記基板をエッチング液に接触させて、前記レジストマスクに覆われていない金属膜をエッチングにより除去する工程と、
    その後、前記レジストマスクを除去する工程と、を含むことを特徴とする薄膜圧電共振器の製造方法。
  2. 前記レジストマスクは、圧電体薄膜の上面に、上部電極と下部電極とを分離するための開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜圧電共振器の製造方法。
  3. 前記上部電極と前記下部電極とは同じ材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜圧電共振器の製造方法。
  4. 前記上部電極及び下部電極はモリブテン、タングステン、タンタル、ニオブ、ルテニウム及び白金から選ばれる少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の薄膜圧電共振器の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一つに記載の薄膜圧電共振器の製造方法により製造されたことを特徴とする薄膜圧電共振器。
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