JP3913456B2 - 研削装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試運転を容易に行える研削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
摺動部材は、円滑な摺動を確保するために、その摺動面が研削され、所望の(幾何)公差、面粗度とされるのが一般的である。自動車用レシプロエンジンを一例にとれば、カム軸のカムやそのジャーナル、ピストンピン、クランクジャーナル、クランクピン等、種々の部分に研削加工が施される。
ところで、数値制御により研削が行われる場合、入力した数値データやプログラムが被研削ワークやその被研削面に応じて正しいか等を、実際に研削装置を動作させて確認する必要がある。つまり、本格的な製品の研削を始める前に、試運転を行う必要がある。
ここで、ジャーナルやピストンピン等のように、被研削ワークの軸と同軸的に形成された外周面を研削する場合であれば、砥石の送り量(切込み量)だけが問題となり、複雑なプロフィルデータ(PFD)を必要としないため、研削装置の試運転を比較的容易に行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、クランクピン等のように、被研削ワークの回転軸と同軸的に形成されていない被研削面を研削する場合、研削装置は多数の数値データに基づいて複雑な研削動作を行う。このため、試運転を行うとしても、作業者(オペレータ)の負担は非常に大きいものとなる。
具体的に述べると、作業者は、試運転中に砥石と被研削ワークとが接触や衝突を起したときに素早く対応できるように、ゆっくりと慎重に試運転を行い、複雑な研削動作を目視で確認し続ける必要がある。
【0004】
しかし、被研削ワークの回転に応じて、被研削ワークと砥石との位置関係が次々と変化するため、研削予定位置が砥石や被研削ワークの陰となり易く、被研削面のプロフィール全周に渡って、研削予定位置を目視で追い続けることは、非常に困難である。そして、入力データ等の間違いにより、目視困難な位置で砥石と被研削面とが接触(衝突)してしまうと、非常停止等の対応が遅れてしまい、砥石や研削装置の損傷等を招くこともある。
本発明の研削装置は、このような事情に鑑みて為されたものである。つまり、数値データに基づいて動作する研削装置であって、砥石の損傷等を抑制、防止しつつ、容易にまたは効率よく試運転を行える研削装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、被研削面と砥石との接触を検知できる接触検知手段を研削装置に設けることを思いつき、本発明の研削装置を開発するに至ったものである。
【0006】
すなわち、本発明の研削装置は、被研削ワークを回転させる主軸モータと、
砥石台に回転可能に支持された砥石を該被研削ワークの回転軸と直交する方向から該被研削ワークに対して相対移動させる砥石台駆動モータと、
相関関係を有する該被研削ワークの回転角データと該砥石の位置データとからなるプロフィルデータ(PFD)を含む加工動作プログラムを入力する手段と、
入力された該加工動作プログラムに基づいて該主軸モータと該砥石台駆動モータとを数値制御する数値制御装置と、
を備える研削装置であって、
前記加工動作プログラムの正誤を判断するために、前記被研削ワークに対して前記砥石接触しない方にオフセット値(Δr)だけオフセットして該加工動作プログラムを修正した修正プログラムを生成するプログラム修正手段と、
該プログラム修正手段により生成された修正プログラムにより前記主軸モータと前記砥石台駆動モータとを数値制御して、前記被研削ワークを取付けた状態で試運転を行う試運転実行手段と、
該試運転中に該被研削ワークと該砥石との間での接触を検知する接触検知手段と、
該接触検知手段により接触が検知されたときに前記入力された加工動作プログラムが誤っていると判断して該試運転を中断する中断手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る研削装置によれば、プログラム修正手段が、被研削ワークと砥石とが接触しない状態に前記加工動作プログラムを修正し、この修正された修正プログラムにより主軸モータと砥石台駆動モータとを数値制御して試運転を行う。
このとき、各種数値制御データが正しければ、試運転中に被研削面に砥石が接触することはない。一方、設定値の入力ミス等により各種数値制御データに誤りがあると、砥石と被研削面との接触が起り得る。
ここで、本発明の研削装置では、接触検知手段を備えるため、その接触を自動的に検出できる。そして、接触検知手段により接触が検出されると、中断手段が誤った試運転用PFDに基づく試運転を中断する。この結果、目視可能な位置であるか不可能な位置であるかに関係なく、どのような位置で接触が起きても、接触以降に試運転が続行されることがない。従って、砥石等の各部の損傷を抑制、防止できる。
さらに、接触検知手段を備えることにより、作業者(オペレータ)は、砥石の動きを目視で逐次追い続ける必要がない。そして、試運転を自動化すれば、作業者の試運転に費やす労力を著しく軽減できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の研削装置に係る実施形態を示して、本発明をさらに詳しく説明する。
(1)接触検知手段
接触検知手段は、試運転中に起る被研削ワークと砥石との接触を検知するものであり、接触式、非接触式等、種々の形態が考えられる。例えば、接触時の振動を検知するセンサや接触時の電気抵抗の変化を検知するセンサ等である。特に、接触検知手段が、AE(Accostic Emission)センサからなると、好適である。
【0009】
AEセンサは、被研削ワークと砥石とが接触した場合、接触点で発生する弾性波(Accostic Emission)を検知するものである。対象とする周波数範囲は10kHz〜2MHzの超音波領域であり、このような高周波の信号を対象とすることにより、機械振動などの外乱に影響されにくい。このため、AEセンサは、被研削ワークあるいは砥石の状態の変化を極めて敏感に、かつ、忠実に検知することができ、検知時期が早いといった点で優れる。
また、接触検知手段を設ける位置は、センサ等の特性に応じて適宜決めれば良く、特に限定されるものではないが、被研削ワークの近傍に設けると検知精度が向上する。例えば、AEセンサの場合、被研削ワークを支持する主軸台や心押台(ラム等)に設けると良い。また、砥石台や砥石の回転軸端に設けても良い。
【0010】
(2)中断手段
中断手段は、接触検知手段により接触が検知されたときに試運転を中断するものである。具体的には、この中断手段は、主軸モータと砥石台駆動モータとを停止させる停止手段であると、好適である。
接触検知手段が接触を検知して接触検知信号(例えば、AE信号)を出力したとき、その接触検知信号の入力のあった数値制御装置やPLC(プログラム・ロジック・コントローラ)等は、主軸モータや砥石台駆動モータを停止させることにより、試運転を停止させることができる。このとき、非常停止がかかるようにして、主軸モータや砥石台駆動モータへの電力供給を遮断しても良い。また、接触検知信号の入力があったときに、被研削ワークや砥石が所定位置に復帰するようにプログラムしておいても良い。
【0011】
(3)数値制御装置
数値制御装置は、加工動作プログラムに基づいて主軸モータと砥石台駆動モータとを数値制御するものである。
この加工動作プログラムは、例えば、被研削ワークに対する砥石の切り込み動作を制御する切込み動作プログラムと、相関関係を有する被研削ワークの回転角データと砥石の位置データとからなるプロフィルデータ(PFD)とをもつ。
勿論、加工動作プログラムは、砥石の研削開始(予定)位置までの前進移動や研削終了後の後退移動の数値データ等を含んでも良い。
【0012】
このように数値制御装置は、主軸モータと砥石台駆動モータとを数値制御することにより、PFDに基づいて被研削ワークと砥石とを創成運動させると共に、研削代を研削する粗研削送り、精研削送り、微研削送り、被研削ワークを所定の寸法(仕上径)とするスパークアウト等の被研削ワークに対する砥石の切り込み動作をさせ、被研削ワークの回転軸と同軸でない被研削面を研削(試運転)するものである。
【0013】
なお、数値制御装置は、前記接触検知手段により接触が検知されたときに、接触位置情報を記憶する記憶手段を備えると好ましい。
その接触位置情報により、入力データや加工動作プログラム等のデバッグを効率的に行い得る。
接触位置情報は、例えば、被研削ワークの回転角データと砥石の位置データとである。勿論、それらのデータそのものでなくとも、接触位置のPFDのアドレスやプログラムの行番号等を記憶しているものでも良い。また、その記憶情報に基づいて、モニタにプログラムの実行停止位置を表示等するものであると、好ましい。
【0014】
(4)プログラム修正手段
プログラム修正手段は、被研削ワークと砥石とが接触しない状態に加工動作プログラムを修正するものである。
加工動作プログラムが切込み動作プログラムとPFDとからなるとき、プログラム修正手段は、それらの少なくともいずれか一方を修正する。
例えば、切込み動作プログラムを修正する場合、プログラム修正手段は、切込み動作プログラムにより定義される砥石の切込み前進端位置を、加工時に使用する位置に対して所定量後方にずらすように切込み動作プログラムを修正する。
より具体的には、プログラム修正手段が、切込み動作プログラムにより定義される砥石の切込み前進端位置を、実際の加工における砥石の切込み前進端位置、即ち、被研削ワークが仕上径となる位置に対してΔrだけプラス側にオフセットさせた位置になるように切込み動作プログラムを修正すると良い。
【0015】
これにより、砥石外周とクランクピン外周との間に略Δrのクリアランスが生じ、試運転を実行することができる。但し、Δrは、研削代を考慮した適切な値とする必要があることは、言うまでもない。
従って、本発明の研削装置は、加工動作プログラムが、被研削ワークに対する砥石の切込み動作を制御する切込み動作プログラムとPFDとからなり、プログラム修正手段が、この切込み動作プログラムにより定義される砥石の切込み前進端位置を、加工時に使用する位置に対して所定量後方にずらすように切込み動作プログラムを修正するものであると、好適である。
【0016】
また、研削用PFDとは別に、あるいは、研削用PFDをベースに、被研削ワークと砥石とが接触しないように、研削用PFDを修正して試運転用PFDを作成しても良い。具体的には、クランクピンの外周面を被研削面とする試運転用PFDを作成する場合を考えると、試運転用PFDの作成に際して、クランクピン径dに替えて、クランクピン径d+Δd(Δd>0)を入力すれば良い。そうすると、PFDの計算プログラムや他の設定入力データが正しい限り、砥石外周とクランクピン外周との間にΔd/2(=Δr)のクリアランスが生じる試運転用PFDが得られる。但し、Δdは、研削代を考慮した適切な値とする必要があることは、言うまでもない。
【0017】
また、研削用PFDの砥石の位置データをΔrだけプラス側にオフセットさせた試運転用PFDを作成しても良い。
このように、本発明の研削装置は、プログラム修正手段が、被研削ワークと砥石とが接触しないようにPFDを修正して試運転用PFDを作成するものでも良い。
さらに、プログラム修正手段は、前記加工動作プログラムを直接修正するものでなくとも、砥石台の進退移動軸における該砥石台の原点座標をΔrだけプラス側にオフセットさせて、砥石外周とクランクピン外周との間に略Δrのクリアランスが得られるようにしたものでも良い。但し、Δrは、研削代を考慮した適切な値とする。
【0018】
(5)試運転実行手段
試運転実行手段は、前記プログラム修正手段により修正された修正プログラムにより前記主軸モータと前記砥石台駆動モータとを数値制御して試運転を行うものである。勿論、砥石の修正前進端位置までの前進移動や試運転終了後の後退移動等を含んでも良い。
このような試運転を行うことにより、被研削ワークと砥石とが接触しない状態で創成運動を行うことにより、実際の研削を行う迄もなく、研削用の各種数値制御データが正しいか否かを判断することができる。
【0019】
(6)その他
▲1▼砥石
砥石が普通砥石である場合に、本発明の研削装置を用いると、一層好適である。
普通砥石は、接触により衝撃力が加わると割れ等が発生し易い。しかし、本発明の研削装置によれば、接触検知手段が素早く接触を検知し、中断手段がそれ以降の接触を行わせない。このため、試運転中に接触が生じたとしても、普通砥石に大きな衝撃力が加わることはなく、普通砥石の破損を防止できる。
勿論、普通砥石に限らず、CBN(Cubic Boron Nitride:立方晶窒化硼素)砥石等を使用しても良い。
【0020】
▲2▼被研削ワーク
回転軸と同軸的でない被研削面をもつ被研削ワークを研削する場合、本発明の研削装置は好適である。例えば、カムシャフトのカム面やクランクピンの外周面を研削する場合である。
特に、被研削ワークが、研削時にワーク回転中心に対して偏心した位置で遊星運動した状態で砥石により研削されるクランクピンを有するクランクシャフトであると、好適である。
クランクシャフトは、クランクジャーナルとクランクピンとを繋ぐクランクアームやバランスウエイトが複雑な形状で存在するため、クランクピンと砥石との位置関係を全周的に作業者が目視確認することは、非常に困難だからである。
そこで、本発明の研削装置は、前記砥石が、普通砥石であり、前記被研削ワークが、研削時にワーク回転中心に対して偏心した位置で遊星運動した状態で該砥石により研削されるクランクピンを有するクランクシャフトであると、好適である。
【0021】
▲3▼なお、これまで、回転軸と同軸的でない被研削面をもつ被研削ワークを研削する場合を主に取上げて説明してきたが、本発明の研削装置は、これに限られるものではない。例えば、回転軸と同軸的な円筒外周面を研削する場合であっても良い。
また、研削装置について説明してきたが、それ以外に、数値制御された旋盤、フライス盤、マシンニングセンタ等の工作機械であっても、本発明と同様の考え方をすることができる。つまり、試運転時の接触を検出する接触検知手段と、その接触が検知されたときに試運転を中断する中断手段とを備えることを特徴とする工作機械にまで、本発明の考え方は拡張可能である。
【0022】
【実施例】
以下に、本発明の研削装置に係る実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
(研削装置の全体的構成)
図1に、本発明の研削装置の一実施例であるクランクピン研削装置100の全体図を示した。以降、各部について説明する。
クランクピン研削装置100は、ベッド1の横長手方向に、平行して設けられた1対のガイド3上に、テーブル2が横方向(Z軸方向)に摺動自在に載置されている。テーブル2上には、その両端に主軸台7と心押台8とが対向配置されている。主軸台7には主軸モータ9が配設され、クランクシャフトCS(被研削ワーク)は、チャックにより軸端を把持されている。また、心押台8は、センターにより、クランクシャフトCSの他方の軸端側を支持している。そして、本発明でいう接触検知手段である、AEセンサ70が心押台8のセンターに取付けられている。
【0023】
ところで、主軸モータ9は、クランクシャフトCSをクランクジャーナルの軸(C軸)周りに、後述の数値制御装置50の指令に基づいて制御回転させられる。
ベッド1には、Z軸方向の送りねじ4が配置され、その左端に設けられたテーブル駆動モータ5により、テーブル2を横方向に摺動させる。そして、テーブル2をZ軸方向に移動させることにより、異なったクランクピンCP1、CP2等の位置に、回転砥石16を移動させることができる。
テーブル2の摺動方向(Z軸方向)と直交する方向(X軸方向)には、平行な一対のX軸ガイド12が設けられている。そして、砥石台11は、X軸送りねじ13、砥石台駆動モータ14によりX軸ガイド12上を摺動可能に載置されている。さらに、砥石台11は、図示しない駆動モータにより回転駆動される円盤状の回転砥石16を一方側に有する。
【0024】
なお、主軸モータ9、テーブル駆動モータ5および砥石台駆動モータ14は、後述の数値制御装置50により制御回転可能なサーボモータからなると共に、それぞれ、エンコーダ10、6、15を備え、後述の各制御回路に回転信号を出力している。
ところで、クランクピン研削装置100の数値制御装置50は、CPU52、メモリ60、インターフェース53を内部に有する。
メモリ60には、クランクピンの研削用PFD、切込み動作プログラム等からなる加工動作プログラムと、本発明のプログラム修正手段により該加工動作プログラムが修正された修正プログラムである試運転動作プログラムとが記憶されており、これらは、入出力装置51から入力される。
インターフェース53は、主軸モータ制御回路41、砥石台駆動モータ制御回路43およびテーブル駆動モータ制御回路42と相互通信可能であり、各制御回路は、それぞれ、主軸モータ9(C軸)、砥石台駆動モータ14(X軸)およびテーブル駆動モータ5(Z軸)に制御信号を送信する。
【0025】
(研削装置の動作)
次に、このクランクピン研削装置100による動作を簡単に説明しておく。
数値制御装置50は、先ず、クランクピンCP(例えば、CP1)の位置と回転砥石16の位置とが整列するように、テーブル駆動モータ5を駆動してテーブル2をZ軸方向に移動させる。次に、切込み動作プログラムに基づき、砥石台駆動モータ14を駆動して砥石台11をX軸方向に砥石台前進位置まで移動させる。ここでは、砥石台前進位置は、図4や図6に示したように、回転砥石16の外周とクランクピンCPの外周との間にΔrのクリアランスができる位置である。続いて、PFDに基づき主軸モータ9を駆動して、クランクシャフトCSを回転させると共に、このクランクピンCPの遊星回転位相に応じて(つまり、相関して)、砥石台駆動モータ14を駆動し、回転砥石16をX軸方向に進退移動させる。こうして、クランクピン研削装置100の試運転が行なわれる。
【0026】
(PFDと試運転動作プログラム)
次に、数値制御装置50のメモリ60内に格納されたPFDと試運転動作プログラムとについて説明する。
PFDは、図2に示すように、C軸周りのクランクシャフトCSの回転角と、X軸方向の砥石の位置(座標)とからなる。例えば、1°毎に細分化されたθnとそれに相関したXθnとからなる。
図2では、研削用PFDとして1種類のみ示したが、粗研削用PFD、仕上研削用PFD等の各工程毎のPFDが存在しても良い。
【0027】
次に、試運転動作プログラム(手順)について、図3に示したフローチャートを参照しつつ、説明する。
先ず、ステップS1で、クランクシャフトCSのクランクピン径、アーム長等のデータを入出力装置51から入力する。
ステップS2で、試運転用の被研削ワークであるマスターワークを主軸台7および心押台8に取付けて、初期設定を行う。
ステップS3で、クランクピンCPと回転砥石16との間で接触しないように、オフセット値(Δr)を入力する。
【0028】
ステップS4で、切込み動作プログラムにより定義される砥石の切込み前進端位置を、即ち、被研削ワークが仕上径となる位置に対してステップS3で入力されたオフセット値(Δr)だけプラス側にオフセットさせた位置を、該試運転動作プログラムにおける砥石の前進位置とするように、切込み動作プログラムを修正してメモリ60に格納する(プログラム修正手段)。
【0029】
ステップS5で、オペレータが試運転用の起動スイッチをONさせたか否かを判断する。スイッチがONされると、ステップS6で、試運転を行うクランクピンCPに応じて、テーブル2がZ軸方向に移動して位置決めされる。
【0030】
ステップS7で、砥石台駆動モータ14がパルス出力を受け、砥石台11が低速で徐々に前進していき、所定の前進位置に到達するまで継続される(ステップS9)。なお、この前進途中に、回転砥石16がクランクシャフトCSのいずれかに接触したときは、ステップS8でAEセンサ70から接触検知信号が数値制御装置50に出力され、ステップS15、ステップS16に進む。ステップS15とステップS16については後述する。
【0031】
次に、砥石台11が所定の前進位置まで前進すると、ステップS10で、前記PFDに基づいて数値制御装置50からパルス出力を受けた主軸モータ10と砥石台駆動モータ14とが同期運転を行う。その途中で、回転砥石16とクランクピンとが接触し、AEセンサから接触検知信号が出力されると、前述のステップS15、ステップS16に進む。
一方、接触等がなく所定回転すると現在試運転を行っているクランクピンCPは正常であると判断し(ステップS12)、ステップS13で主軸モータ9と砥石台駆動モータ14とを一旦停止させ、それから砥石台駆動モータ14を逆転させて、砥石台11を後退させる。
【0032】
さらに、ステップS14で、全てのクランクピンについて試運転を行ったかを確認する。全てのクランクピンについての試運転を終了したときは、試運転を終了し、本来の研削を開始する。一方、全てのクランクピンについての試運転が終了していないときは、ステップS6に戻って次のクランクピンの試運転を行う。本発明でいう試運転実行手段は、ステップS5〜ステップS14により構成される。
ここでは、全てのクランクピンについて試運転を行っているが、サイクルタイム短縮のため、1カ所、あるいは数カ所のクランクピンを指定して試運転を行っても良い。
【0033】
ところで、AEセンサ70により回転砥石16とクランクシャフトCSとの接触が検知されたとき、ステップS15に移り、主軸モータ9と砥石台駆動モータ14へのパルス出力の供給を停止する。そして、主軸の回転と砥石台11のX軸方向の移動を停止させる(停止手段)。このとき同時に、接触位置情報を数値制御装置50のメモリ60(記憶手段)に記憶して、ステップS16で行われる入力データ等の確認、修正に役立てる。そして、新たに数値データ等が入力されると、前述のステップS4に戻って、試運転を再開し、再度、入力データ等を確認する。
【0034】
(他の実施例)
図5は、上述した試運転動作プログラム(手順)において、プログラム修正手段によりPFDを変更したものである。つまり、前述のステップS4をステップS4’に変更し、このステップS4’において、ステップS3で入力されたオフセット値(Δr)に基づいて、試運転用PFDを作成し、メモリ60に格納したものである。
クランクピンCPの外周面を被研削面とする試運転用PFDの作成は、図6に示すように、クランクピン径dに替えて、クランクピン径d+Δr×2とすることにより、回転砥石16の外周とクランクピンCPの外周との間にΔrのクリアランスが生じる試運転用PFDが得られる。但し、Δrは、研削代を考慮した適切な値とする。そして、試運転用PFDが作成されることにより、砥石台11の前進位置が定められることは、言うまでもない。
上述した試運転用PFDを用いて試運転を行うことにより、研削用の各種数値制御データが正しいか否かを厳密に判断することができる。
【0035】
さらに、上述したようにステップS1で入力されたクランクシャフトCPのクランクピン径、ステップS3で入力されたオフセット値(Δr)等から試運転用PFDを再演算するまでもなく、研削用PFDの砥石台の位置データをΔrだけプラス側にオフセットさせて試運転用PFDを作成することも可能である。
さらに、プログラム修正手段は、被研削ワークに対する砥石の切り込み動作を制御する切込み動作プログラムや、相関関係を有する被研削ワークの回転角データと砥石の位置データとからなるプロフィルデータ(PFD)を変更するものに限られず、砥石台の進退移動軸における砥石台の原点座標をΔrだけプラス側にオフセットして、研削用PFDをそのまま使用するようにしたものでも良い。
上述してきたように、このクランクピン研削装置100は、基本的構成を従来と同様にしつつ、試運転機能に特徴をもたせたものである。そして、試運転終了後は、従来と同様にクランクピンの研削を行うことができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の研削装置によれば、プログラム修正手段が加工動作プログラムを修正して試運転を行うが、このとき、仮に入力された数値制御データが誤っていて砥石と被研削面とが接触を起すことがあっても、接触検知手段によりその接触が検出されると、中断手段が試運転を中断する結果、試運転の際における作業者の負担を著しく軽減できる。また、砥石の破損等も防止できる。
また、本発明の研削装置によれば、プログラム修正手段が、切込み動作プログラムにより定義される砥石の切り込み前進端位置を、正規の加工位置に対して所定量後方にずらすのみで、試運転用の修正プログラムが得られる。
また、本発明の研削装置によれば、プログラム修正手段が、正規の研削用PFDを修正して試運転用PFDが得られるため、研削用の各種数値制御データが正しいか否かを厳密に判断することができる。
【0037】
また、本発明の研削装置によれば、砥石と被研削ワークとが接触したとき試運転が中断されるため、砥石が普通砥石であっても、普通砥石の破損を防止できる。また、被研削ワークがクランクシャフトである場合、砥石と被研削ワークとの接触の有無を作業者が目視で観察することは困難であるが、本発明の研削装置によれば、作業者は、このような作業から解放される。
また、本発明の研削装置によれば、接触検知手段がAEセンサからなるため、外乱による影響をほとんど受けることなく、素早く接触を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるクランクピン研削装置の全体図である。
【図2】その実施例の研削用PFDを示す図である。
【図3】その実施例の試運転動作プログラムの一例を示すフローチャートである。
【図4】その実施例の回転砥石とクランクピンとの間に形成されるクリアランスを示す図である。
【図5】他の実施例の試運転動作プログラムの一例を示すフローチャートである。
【図6】他の実施例の試運転用PFDを示す図である。
【符号の説明】
9 主軸モータ
11 砥石台
14 砥石台駆動モータ
16 回転砥石
50 数値制御装置
70 AEセンサ(接触検知手段)
CS クランクシャフト(被研削ワーク)
CP クランクピン

Claims (7)

  1. 被研削ワークを回転させる主軸モータと、
    砥石台に回転可能に支持された砥石を該被研削ワークの回転軸と直交する方向から該被研削ワークに対して相対移動させる砥石台駆動モータと、
    相関関係を有する該被研削ワークの回転角データと該砥石の位置データとからなるプロフィルデータ(PFD)を含む加工動作プログラムを入力する手段と、
    入力された該加工動作プログラムに基づいて該主軸モータと該砥石台駆動モータとを数値制御する数値制御装置と、
    を備える研削装置であって、
    前記加工動作プログラムの正誤を判断するために、前記被研削ワークに対して前記砥石接触しない方にオフセット値(Δr)だけオフセットして該加工動作プログラムを修正した修正プログラムを生成するプログラム修正手段と、
    該プログラム修正手段により生成された修正プログラムにより前記主軸モータと前記砥石台駆動モータとを数値制御して、前記被研削ワークを取付けた状態で試運転を行う試運転実行手段と、
    該試運転中に該被研削ワークと該砥石との間での接触を検知する接触検知手段と、
    該接触検知手段により接触が検知されたときに前記入力された加工動作プログラムが誤っていると判断して該試運転を中断する中断手段と、
    を備えることを特徴とする研削装置。
  2. 請求項1記載の研削装置において、
    前記加工動作プログラムは、前記被研削ワークに対する前記砥石の切込み動作を制御する切込み動作プログラムと前記PFDとからなり、
    前記プログラム修正手段は、該切込み動作プログラムにより定義される該砥石の切込み前進端位置を、加工時に使用する位置に対して前記オフセット値(Δr)だけ後方にずらすように該切込み動作プログラムを修正することを特徴とする研削装置。
  3. 請求項1記載の研削装置において、
    前記プログラム修正手段は、前記PFD中の前記被研削ワークの仕上径(d)をd+Δr×2(Δr:前記オフセット値)に替えて該PFDを修正してなる試運転用PFDを作成することを特徴とする研削装置。
  4. 請求項1記載の研削装置において、
    前記プログラム修正手段は、前記PFD中の前記砥石の位置データを前記オフセット値(Δr)だけプラス側にオフセットさせて該PFDを修正してなる試運転用PFDを作成することを特徴とする研削装置。
  5. 請求項1記載の研削装置において、
    前記プログラム修正手段は、前記砥石台の進退移動軸における該砥石台の原点座標を前記オフセット値(Δr)だけプラス側にオフセットさせたことを特徴とする研削装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項記載の研削装置において、
    前記砥石は、普通砥石であり、
    前記被研削ワークは、研削時にワーク回転中心に対して偏心した位置で遊星運動した状態で該砥石により研削されるクランクピンを有するクランクシャフトであることを特徴とする研削装置。
  7. 請求項1〜のいずれか一項記載の研削装置において、
    前記接触検知手段は、AEセンサからなることを特徴とする研削装置。
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