JP5440154B2 - 研削プログラム、自動研削プログラム及び円筒研削盤 - Google Patents

研削プログラム、自動研削プログラム及び円筒研削盤 Download PDF

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Description

本発明は、いわゆる円筒研削盤に用いられる研削プログラム、自動研削プログラム、及び円筒研削盤に関する。
従来より、数値制御装置等の制御装置を搭載して予め設定された研削プログラムに従って、研削加工前の寸法がほぼ似ている複数のワークを次々と自動的に研削し、全てのワークに対して研削加工後の寸法がほとんど同じ仕上げ寸法となるように研削する、種々の円筒研削盤が知られている。
例えば特許文献1に記載された従来技術には、大量のワークを順次、同一寸法に研削する際、最初に研削するワーク、あるいは数回の研削の後(砥石が磨耗するため)、ワークと砥石の相対位置関係を設定し直す原点設定方法が開示されている。当該原点設定方法では、予め設定した初期位置(ワークと砥石が接触する手前の位置)に砥石先端を相対移動させた後、ワーク回転軸方向に砥石を相対移動させてワーク回転軸方向におけるワークの端面と砥石との接触位置(ワーク回転軸方向の座標)を求め、ワーク回転軸に直交する方向に砥石を相対移動させてワーク回転軸に直交する方向におけるワークの円筒面と砥石との接触位置(ワーク回転軸に直交する方向の座標)を求め、2つの接触位置のそれぞれを含む直交する2つの接触線を基準座標軸と設定している。
また特許文献2に記載された従来技術では、旋回台に外研砥石と内研砥石と端面測定装置とを備え、旋回台の旋回軸から外研砥石の先端までの距離、旋回軸から内研砥石の先端までの距離、旋回軸から端面測定装置の先端までの距離、外研砥石がワークを研削する際の旋回台の角度、内研砥石がワークを研削する際の旋回台の角度、端面測定装置をワークに接触させる際の旋回台の角度、等を予め記憶しておく。そして、端面測定装置とワークとが実際に接触するテーブルの位置を求め、求めた位置と、予め記憶している距離及び角度に基づいて、ワークに対する砥石の相対位置を位置決めする研削装置が開示されている。
特開平2−53186号公報 特許第2619497号公報
特許文献1に記載された従来技術は、大量のワークを順次、同一寸法に研削する際、最初に研削するワーク、あるいは数回の研削の後、ワークと砥石の相対位置関係を補正する原点設定方法であり、予め設定した初期位置(砥石がワークに接触する手前の位置)に砥石を自動的に相対移動させている。この初期位置がワークに近すぎるとワークと衝突する可能性があり、ワークから遠すぎると接触位置を検出する際の低速移動時間が長くなる。従って、この初期位置は、マージンを含めて、近すぎず、且つ遠すぎない、適切な位置が設定されている。ところが量産用ワークでなく単品ワークの加工の場合等、被加工個所の寸法が任意であるワークの研削に対しては、初期位置が適切でない場合があり、初期位置に砥石を移動させる際、ワークと砥石が衝突したり(近すぎる場合)、接触位置を検出する際の低速移動時間が長くなったり(遠すぎる場合)する可能性がある。
また特許文献2に記載された従来技術は、量産用ワークでなく単品ワークの加工の場合等、被加工個所の寸法が任意であるワークの研削に対しては、例えば外研の場合、ワークと外研砥石が接触する際の基準点(例えば旋回軸)の位置(座標)を求め、取り代分を研削する際の基準点の移動経路となる座標へと作業者が換算し、換算した座標を作業者が入力してやらなければならず、換算する手間と時間がかかるとともに、誤換算する可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、任意の寸法のワークの研削に対して、作業者の手間をより少なくすることが可能であり、より短時間に研削加工することができる研削プログラム、自動研削プログラム、及び円筒研削盤を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの研削プログラムである。
請求項1に記載の研削プログラムは、円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有して被加工個所の寸法が任意であるとともにワーク回転軸回りに回転するワークを、回転する砥石にて研削する円筒研削盤における研削プログラムである。
そして研削プログラムは、ワークに対する砥石の位置を制御するコンピュータを、作業者の手動操作によって、ワークの被加工個所の円筒面と端面の境界部に砥石の加工個所の先端が接触するまで、ワーク回転軸方向、及びワーク回転軸に直交する方向へとワークに対して砥石を相対移動させる手動移動手段、ワークの被加工個所の円筒面と端面の境界部に砥石の加工個所の先端が接触した状態における、砥石の加工個所の先端のワーク回転軸方向の位置、及びワーク回転軸に直交する方向の位置、を記憶する接触位置記憶手段、作業者からの、ワーク回転軸方向における取り代、及びワーク回転軸に直交する方向における取り代の入力が可能な取り代入力手段、ワークと砥石とを一旦離間させてワークの回転と砥石の回転を開始し、接触位置記憶手段に記憶されている位置と、取り代入力手段から入力された取り代に基づいて、ワークに対して砥石を相対移動させ、入力された取り代分を研削する研削制御手段、として機能させる。
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの研削プログラムである。
請求項2に記載の研削プログラムは、円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有して被加工個所の寸法が任意であるとともにワーク回転軸回りに回転するワークを、回転する砥石にて研削する円筒研削盤における研削プログラムである。
そして研削プログラムは、ワークに対する砥石の位置を制御するコンピュータを、作業者の手動操作によって、ワークの被加工個所の端面と砥石の端面とが接触するまで、また、ワークの被加工個所の円筒面と砥石の円筒面が接触するまで、ワークに対して砥石を相対移動させる手動移動手段、手動移動手段にてワークの被加工個所の端面と砥石の端面が接触した状態において、砥石のワーク回転軸方向の位置を記憶する第1接触位置記憶手段、手動移動手段にてワークの被加工個所の円筒面と砥石の円筒面が接触した状態において、砥石のワーク回転軸に直交する方向の位置を記憶する第2接触位置記憶手段、ワーク回転軸方向におけるワークの被加工個所の前記端面の取り代、及びワーク回転軸に直交する方向におけるワークの被加工個所の前記円筒面の取り代、を作業者により入力可能な取り代入力手段、ワークと砥石とを一旦離間させてワークの回転と砥石の回転を開始し、第1接触位置記憶手段と第2接触位置記憶手段に記憶されている位置と、前記取り代入力手段から入力された前記取り代に基づいて、ワークに対して砥石を相対移動させ、入力された取り代分を研削する研削制御手段、として機能させる。
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの研削プログラムである。
請求項3に記載の研削プログラムは、円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有して被加工個所の寸法が任意であるとともにワーク回転軸回りに回転するワークを、回転する砥石にて研削する円筒研削盤における研削プログラムである。
そして研削プログラムは、ワークに対する砥石の位置を制御するコンピュータを、作業者の手動操作によって、ワークの被加工個所の円筒面と端面の境界部に砥石の加工個所の先端が接触する手前まで近接するように、ワーク回転軸方向、及びワーク回転軸に直交する方向へとワークに対して砥石を相対移動させる手動移動手段、作業者からの、ワーク回転軸方向における取り代、及びワーク回転軸に直交する方向における取り代の入力が可能な取り代入力手段、砥石とワークとの接触を検出する接触検出手段、ワークと砥石の回転を開始し、ワークに対して砥石をワーク回転軸方向に相対移動させて前記接触検出手段にてワーク回転軸方向における砥石とワークの接触を検出したときの砥石の加工個所の先端におけるワーク回転軸方向の位置を記憶する第1接触位置記憶手段、ワークに対して砥石をワーク回転軸方向に相対移動させてワークと砥石とを離間させた後、ワークに対して砥石をワーク回転軸に直交する方向に相対移動させて前記接触検出手段にてワーク回転軸に直交する方向における砥石とワークの接触を検出したときの砥石の加工個所の先端におけるワーク回転軸に直交する方向の位置を記憶する第2接触位置記憶手段、ワークに対して砥石をワーク回転軸に直交する方向に相対移動させてワークと砥石とを離間させた後、第1接触位置記憶手段と第2接触位置記憶手段に記憶されている位置と、取り代入力手段から入力された取り代に基づいて、ワークに対して砥石を相対移動させ、入力された取り代分を研削する研削制御手段、として機能させる。
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの自動研削プログラムである。
請求項4に記載の自動研削プログラムは、円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有してワーク回転軸回りに回転するワークの前記被加工個所を、回転する砥石にて、予め設定されたプログラムに基づいて自動的に研削する円筒研削盤における自動研削プログラムにおいて、更に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の研削プログラムを備えている自動研削プログラムである。
また、本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりの円筒研削盤である。
請求項5に記載の円筒研削盤は、円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有して被加工個所の寸法が任意であるとともにワーク回転軸回りに回転するワークを、回転する砥石にて研削するようにワークに対する砥石の位置を制御する制御装置を備えた円筒研削盤である。
そして前記制御装置は、作業者の手動操作によって、ワークの被加工個所の円筒面と端面の境界部に砥石の加工個所の先端が接触するまで、ワーク回転軸方向、及びワーク回転軸に直交する方向へとワークに対して砥石を相対移動させる手動移動手段と、ワークの被加工個所の円筒面と端面の境界部に砥石の加工個所の先端が接触した状態における、砥石の加工個所の先端のワーク回転軸方向の位置、及びワーク回転軸に直交する方向の位置、を記憶する接触位置記憶手段と、作業者からの、ワーク回転軸方向における取り代、及びワーク回転軸に直交する方向における取り代の入力が可能な取り代入力手段と、ワークと砥石とを一旦離間させ、接触位置記憶手段に記憶されている位置と、取り代入力手段から入力された取り代に基づいて、ワークに対して砥石を相対移動させ、入力された取り代分を研削する研削制御手段と、からなる制御手段を備えている。
また、本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりの円筒研削盤である。
請求項6に記載の円筒研削盤は、円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有して被加工個所の寸法が任意であるとともにワーク回転軸回りに回転するワークを、回転する砥石にて研削するようにワークに対する砥石の位置を制御する制御装置を備えた円筒研削盤である。
そして前記制御装置は、作業者の手動操作によって、ワークの被加工個所の端面と砥石の端面とが接触するまで、また、ワークの被加工個所の円筒面と砥石の円筒面が接触するまで、ワークに対して砥石を相対移動させる手動移動手段と、手動移動手段にてワークの被加工個所の端面と砥石の端面が接触した状態において、砥石のワーク回転軸方向の位置を記憶する第1接触位置記憶手段と、手動移動手段にてワークの被加工個所の円筒面と砥石の円筒面が接触した状態において、砥石のワーク回転軸に直交する方向の位置を記憶する第2接触位置記憶手段と、ワーク回転軸方向におけるワークの被加工個所の前記端面の取り代、及びワーク回転軸に直交する方向におけるワークの被加工個所の前記円筒面の取り代、を作業者により入力可能な取り代入力手段と、ワークと砥石とを一旦離間させ、第1接触位置記憶手段と第2接触位置記憶手段に記憶されている位置と、前記取り代入力手段から入力された前記取り代に基づいて、ワークに対して砥石を相対移動させ、入力された取り代分を研削する研削制御手段と、からなる制御手段を備えている。
また、本発明の第7発明は、請求項7に記載されたとおりの円筒研削盤である。
請求項7に記載の円筒研削盤は、円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有して被加工個所の寸法が任意であるとともにワーク回転軸回りに回転するワークを、回転する砥石にて研削するようにワークに対する砥石の位置を制御する制御装置を備えた円筒研削盤である。
そして前記制御装置は、作業者の手動操作によって、ワークの被加工個所の円筒面と端面の境界部に砥石の加工個所の先端が接触する手前まで近接するように、ワーク回転軸方向、及びワーク回転軸に直交する方向へとワークに対して砥石を相対移動させる手動移動手段と、作業者からの、ワーク回転軸方向における取り代、及びワーク回転軸に直交する方向における取り代の入力が可能な取り代入力手段と、砥石とワークとの接触を検出する接触検出手段と、ワークに対して砥石をワーク回転軸方向に相対移動させて前記接触検出手段にてワーク回転軸方向における砥石とワークの接触を検出したときの砥石の加工個所の先端におけるワーク回転軸方向の位置を記憶する第1接触位置記憶手段と、ワークに対して砥石をワーク回転軸方向に相対移動させてワークと砥石とを離間させた後、ワークに対して砥石をワーク回転軸に直交する方向に相対移動させて前記接触検出手段にてワーク回転軸に直交する方向における砥石とワークの接触を検出したときの砥石の加工個所の先端におけるワーク回転軸に直交する方向の位置を記憶する第2接触位置記憶手段と、ワークに対して砥石をワーク回転軸に直交する方向に相対移動させてワークと砥石とを離間させた後、第1接触位置記憶手段と第2接触位置記憶手段に記憶されている位置と、取り代入力手段から入力された取り代に基づいて、ワークに対して砥石を相対移動させ、入力された取り代分を研削する研削制御手段と、からなる制御手段を備えている。
また、本発明の第8発明は、請求項8に記載されたとおりの円筒研削盤である。
請求項8に記載の円筒研削盤は、円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有してワーク回転軸回りに回転するワークの前記被加工個所を、回転する砥石にて、予め設定されたプログラムに基づいて自動的に研削するようにワークに対する砥石の位置を制御する制御装置を備えた円筒研削盤である。
そして前記制御装置は、更に、請求項5〜7のいずれか一項に記載の制御手段を備えている。
請求項1に記載の研削プログラムでは、作業者は、ワークの端面及び円筒面のそれぞれに砥石の端面及び円筒面がそれぞれ接触する位置まで砥石を相対移動させる。そして、接触している砥石の端面及び円筒面の交わる位置、即ち砥石の先端の位置を基準点として記憶させ、この基準点に対する取り代を入力するだけでよいので、ワークの寸法が任意であっても適切に基準点を記憶させることができる。また、座標の換算は必要なく、作業者の手間をより少なくすることができ、誤換算も発生しない。また、制御手段は、一旦ワークと砥石とを離間させた後、所定の加工速度でワークに対して砥石を相対移動させて研削を行うが、任意の寸法のワークであっても、離間時におけるワークと砥石との距離を、近すぎず、且つ遠すぎない、適切な距離とすることができるので、より短時間に研削加工を行うことができる。
請求項2に記載の研削プログラムでは、作業者は、ワークの端面に砥石の端面が接触する位置まで砥石を相対移動させて、ワークの端面と砥石の端面とが接触したワーク回転軸方向の位置を記憶させる。また作業者は、ワークの円筒面と砥石の円筒面が接触する位置まで砥石を相対移動させて、ワークの円筒面と砥石の円筒面とが接触したワーク回転軸に直交する方向の位置を記憶させ、これらの位置より基準点を記憶させ、この基準点に対する取り代を入力するだけでよいので、ワークの寸法が任意であっても適切に基準点を記憶させることができる。また、座標の換算は必要なく、作業者の手間をより少なくすることができ、誤換算も発生しない。
また、請求項3に記載の研削プログラムでは、任意の寸法のワークの研削に対して、作業者は、ワークの端面及び円筒面のそれぞれに砥石の端面及び円筒面がそれぞれ「接触する手前(非接触)」の位置まで砥石を相対移動させて、取り代を入力するだけでよい。
すると制御手段が、ワークに対して砥石を相対移動させ、ワーク回転軸方向におけるワークの端面と砥石との第1接触位置(ワーク回転軸方向の座標)を自動的に求め、ワーク回転軸に直交する方向におけるワークの円筒面と砥石との第2接触位置(ワーク回転軸に直交する方向の座標)を自動的に求め、求めた接触位置を基準点として記憶し、この基準点からの取り代分、ワークを研削する。
このように、任意の寸法のワークであっても、ワークと砥石との距離を、近すぎず、且つ遠すぎない、適切な距離とする(作業者が移動させる)ことができるので、より短時間に研削加工を行うことができる。また、座標の換算も必要ないので、作業者の手間をより少なくすることができ、誤換算も発生しない。
また、請求項4に記載の自動研削プログラムでは、既存の自動研削プログラムに、請求項1〜3のいずれかに記載の研削プログラムを追加するだけでよいので、非常に便利である。
請求項5に記載の円筒研削盤を用いれば、量産用として予め自動研削プログラムが設定されていない任意の寸法の単品ワークであっても、作業者がワークの円筒面と端面との境界部に砥石の先端が接触するまで砥石を移動させて接触位置を記憶させる操作と、取り代の値を入力する操作を行うだけで、必要な座標の設定や、所望する取り代の設定が可能であり、より短時間に、所望する個所の取り代を研削加工することができる。
請求項6に記載の円筒研削盤を用いれば、量産用として予め自動研削プログラムが設定されていない任意の寸法の単品ワークであっても、作業者がワークの端面に砥石の先端が接触するまで移動させて接触位置を記憶させる操作と、ワークの円筒面に砥石の先端が接触するまで移動させて接触位置を記憶させる操作と、取り代の値を入力する操作を行うだけで、必要な座標の設定や、所望する取り代の設定が可能であり、より短時間に、所望する個所の取り代を研削加工することができる。
請求項7に記載の円筒研削盤を用いれば、量産用として予め自動研削プログラムが設定されていない任意の寸法の単品ワークであっても、作業者はワークの円筒面と端面との境界部の近傍まで(接触する手前まで)砥石の先端を移動させる操作と、取り代の値を入力する操作を行うだけでよく、あとは自動的に研削盤が接触位置を求めるので、より少ない手間で、より短時間に、所望する個所の取り代を研削加工することができる。
また、請求項8に記載の円筒研削盤を用いれば、量産用として予め自動研削プログラムが設定されていない任意の寸法の単品ワークであっても、より少ない手間で、より短時間に、所望する取り代にて研削加工することができるので、非常に便利である。
本発明の研削プログラムを用いる際に使用する複合研削盤1の例を説明する平面図である。 本発明の研削プログラムの第1の実施の形態による、ワークWと砥石T1の動作状態を説明する図である。 本発明の研削プログラムの第1の実施の形態の処理手順の例を説明するフローチャートである。 本発明の研削プログラムの第2の実施の形態による、ワークWと砥石T1の動作状態の一部(第1の実施の形態との相違点)を説明する図である。 本発明の研削プログラムの第2の実施の形態の処理手順の例を説明するフローチャートである。 制御手段が備えている操作盤100と手動パルス発生器200の例を説明する図である。
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の研削プログラムを用いる際に使用する複合研削盤1の例の平面図を示している。
なお、各図において、X軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Y軸は鉛直上向きの方向を示し、X軸とZ軸は水平方向を示している。また、Z軸はワークWの回転軸であるワーク回転軸ZW方向を示し、X軸は旋回台12の進退方向(ワーク回転軸ZWに直交する方向)を示している。
●[複合研削盤1の構成(図1)]
次に図1を用いて、複合研削盤1の構成について説明する。
図1に示すように、複合研削盤1は、基台10と、基台10上でZ軸方向に往復移動可能な主軸テーブル11と、基台10上でX軸方向に往復移動可能な旋回台12と、を備えており、旋回台12はY軸と平行な旋回軸ZS回りに旋回可能である。
主軸テーブル11は、Z軸駆動モータ11Mと送りねじ11SにてZ軸方向に往復移動し、制御手段はエンコーダ等の位置検出手段11Eからの信号を検出しながらZ軸駆動モータ11Mに制御信号を出力して主軸テーブル11のZ軸方向の位置決めを行う。
旋回台12はX軸駆動モータ12Mと送りねじ12SにてX軸方向に往復移動し、制御手段はエンコーダ等の位置検出手段12Eからの信号を検出しながらX軸駆動モータ12Mに制御信号を出力して旋回台12のX軸方向の位置決めを行う。
主軸テーブル11には、センタ部材21を備えた主軸台20と、センタ部材31を備えた心押台30が載置されており、センタ部材21とセンタ部材31はZ軸方向に平行なワーク回転軸ZW上に配置されている。また主軸台20には、砥石をツルーイングするためのツルーイング装置25が設置されている。
センタ部材21は主軸22に設けられ、主軸22には図示しない駆動モータが設けられており、制御手段は、センタ部材21の先端をとおるワーク回転軸ZW回りに主軸22を、任意の角速度で任意の角度まで回転させることができる。
センタ部材31は心押軸32に設けられ、心押軸32は回転可能または回転不能に支持されている。
ワークWは、センタ部材21とセンタ部材31に両端(または両端近傍)が支持されており(センタ部材の代わりにチャックであってもよい)、砥石T1、あるいは砥石T2にて研削加工される。
旋回台12の中央近傍には、旋回モータ(図示省略)が設けられている。制御手段はエンコーダ等の角度検出手段からの信号を検出しながら旋回モータに制御信号を出力して旋回台12の旋回角度を制御する。
そして旋回台12上には、砥石T1(図1の例では、アンギュラ砥石)を有する砥石軸受装置40と砥石駆動モータ40Mとを備えた第1砥石装置と、砥石T2(図1の例では、プレーン砥石)を有する砥石軸受装置50と砥石駆動モータ50Mとを備えた第2砥石装置と、の2種類の砥石装置が旋回モータを囲むように配置されている。なお、砥石T1の回転軸である砥石回転軸ZT1と、砥石T2の回転軸である砥石回転軸ZT2は互いに平行であり、互いに旋回軸ZSに直交している。
また、複合研削盤1には、ワークWと各砥石との接触個所(研削点)の近傍にクーラントを供給するクーラントノズルが設けられているが図示省略する。
なお、ワーク回転軸ZWと砥石回転軸ZT1と砥石回転軸ZT2は、同一の平面(XZ平面)上にあり、当該平面上で移動する。
図6は、制御手段の操作盤100を示しており、操作盤100には各軸の現在の位置や設定情報等を表示するモニタ102、後述する仕上げ寸法等のデータ入力を行うキーボード104、現在位置座標を記憶する位置記憶ボタン106、記憶する座標軸を選択する記憶座標軸選択スイッチ107、加工モードを切り替えるモード切替スイッチ108、選択した加工モードを開始するモード開始ボタン110、緊急停止ボタン112等が備えられている。また、操作盤100には、手動パルス発生器200が連結されており、手動パルス発生器200には、動作させる軸を選択する軸選択スイッチ202、動作の送り速度を選択する倍率選択スイッチ204、選択された軸、倍率によって作業者の操作により各軸を前後動作させるハンドル206を備えている。
このハンドル206を操作することにより、例えば、X軸選択時には旋回台12の前進後退、Z軸選択時には主軸テーブル11の前進後退、Y軸選択時には旋回台12のZS軸回り旋回を手動操作により動作させることができる。
その他、各可動体を制御する制御手段(数値制御装置等)については、図示省略する。
上記構成の複合研削盤により、砥石をワークに対して相対移動させてワークの研削加工を行うものである。
通常、同種のワークを同一寸法に連続して研削加工するため、図略の制御手段には自動研削プログラムが組み込まれており、砥石をワークに対して相対移動させて、事前に入力されたワーク寸法、仕上げ寸法、加工開始位置、加工工程、等のデータに基づき、ワークの自動研削加工を行う。
●[第1の実施の形態における研削プログラムによる、ワークWと砥石T1の動作状態(図2)と処理手順(図3)]
次に、本発明の研削プログラムの第1の実施の形態について、処理手順を示すフローチャート(図3)、及びフローチャートの各処理に対応させたワークWと砥石T1の動作状態(図2)を用いて説明する。
なお、本研削プログラムは、前記自動研削プログラムとは別に、図略の制御手段に組み込まれており、前記同一寸法のワークとは寸法の異なるワーク単品を研削するためのプログラムである。
第1の実施の形態では、任意の寸法のワークWに対して、作業者の手動操作によって、ワークWの被加工個所に、砥石T1の加工個所の先端TT1が接触するまで、ワークWに対して砥石T1を相対移動させる点が、従来技術、及び第2の実施の形態とは異なる。作業者の手動操作によって、接触するまで移動させるので、任意の寸法のワークであっても、ワークWの被加工個所に対して砥石T1の加工個所の先端TT1を、(近すぎず、且つ遠すぎない)適切な位置へと、相対移動させることができる。
例えば、制御手段の操作盤100のモード切替スイッチを本研削プログラムに切り替えることで、作業者が本研削プログラムの実行を指示すると、図3のフローチャートに示す処理が開始される。
ステップS10にて、制御手段はワークWの回転と砥石T1の回転を停止する。例えば作業者は、センタ部材21とセンタ部材31にてワークWを支持させ、砥石T1にてワークWを研削できる角度まで、旋回台12を旋回させる(図2(A)参照)。
図2(A)〜(E)の例では、ワークWの円筒面WE2を、砥石T1の円筒面用の研削面MEにて研削し、ワークWの端面WT2(円筒面WE2に直交する端面)を、砥石T1の端面用の研削面MTにて研削する例を示している。
そして作業者は、手動パルス発生器200を用いて手動操作により、ワークWの被加工個所の円筒面WE2と砥石T1の円筒面用の研削面MEが接触するまでワークWに対して砥石T1をX軸方向に相対移動させる(図2(B))(ステップS11)。
この場合、研削プログラムはコンピュータを(制御手段を)作業者からの手動操作によって、ワークWに対して砥石T1を相対移動させる手動移動手段として機能させる。
次に、位置記憶ボタン106によりワークWの円筒面WE2と砥石T1の研削面MEが接触したときのX座標Xoを記憶する(ステップS12)。なお、ワークWと砥石T1とが接触したか否かの確認は、例えば、砥石T1を手で回転させて抵抗があるか否かで確認することができる。
この場合、研削プログラムはコンピュータを(制御手段を)接触位置であるX座標Xoを記憶する第1接触位置記憶手段として機能させる。
次に、手動パルス発生器200を用いて手動操作により、砥石T1をX軸方向でワークWから離間する方向に少し戻した後(ステップS13)、ワークWの被加工個所の端面WT2と砥石T1の端面用の研削面MTが接触するまでワークWに対して砥石T1をZ軸方向に相対移動させる(図2(C))(ステップS14)。この場合、前述と同じく、研削プログラムはコンピュータを(制御手段を)作業者からの手動操作によって、ワークWに対して砥石T1を相対移動させる手動移動手段として機能させる。
そして、位置記憶ボタン106によりワークWの円筒面WE2と砥石T1の研削面MEが接触したときのZ座標Zoを記憶する(ステップS15)。
この場合、研削プログラムはコンピュータを(制御手段を)接触位置であるZ座標Zoを記憶する第2接触位置記憶手段として機能させる。
次のステップS20では、制御手段は、これらの記憶した座標(Xo、Zo)、即ち、円筒面WE2と端面WT2の境界部に砥石T1の先端TT1が位置した個所を基準位置Pstdとして、この基準位置Pstdの座標(X、Z)を(Xo、Zo)に設定し、ここを原点とする。
ここで、複合研削盤1は、センタ部材21の先端に装置基準位置Sstdが設定され、旋回軸ZSに砥石基準位置Tstdが設定されている。そして制御手段は、装置基準位置Sstdから砥石基準位置TstdまでのX軸方向の距離LX1とZ軸方向の距離LZ1とを常に把握している。また、砥石T1をワークWに向けた旋回角度において、砥石基準位置Tstdから砥石T1の先端TT1までのX軸方向の距離LX2とZ軸方向の距離LZ2は既知である(予め制御手段に記憶されている)。これらより基準位置Pstd(Xo、Zo)の位置(座標)を求めることができる。
次のステップS30では、作業者にて、操作盤100から、X軸方向における取り代ΔXT(円筒面WE2の取り代)とZ軸方向における取り代ΔZT(端面WT2の取り代)を入力する。なお、このステップS30の処理は、上述したステップS10〜ステップS20のどの時点で行ってもよい。
この場合、研削プログラムは、コンピュータを(制御手段を)、作業者からの取り代の入力を可能とする取り代入力手段として機能させる。
次のステップS34では、制御手段は、基準位置Pstd(Xo、Zo)に先端TT1が接触している砥石T1を一旦、ワークWから離間させる(図2(D))。なお、図2(D)の例では、X軸方向に対して離間距離Dx、Z軸方向に対して離間距離Dz、ワークWに対して砥石T1を後退させる(後退位置PX(Xo−Dx、Zo−Dz)に後退させる)。
次のステップS40では、制御手段は、ワークWの回転、及び砥石T1の回転を開始し、砥石T1の先端TT1を(接触位置)基準位置Pstd(Xo、Zo)に向けて、所定の速度で相対移動させる。
この際、砥石T1をX軸方向にのみ移動させてワークの円筒面のプランジ研削後、Z軸方向に送り、残りの円筒面のトラバース研削に続き、端面の研削をしても良い。
また、Z軸方向に送ってワークの端面部を先に研削してからX軸方向送りにより円筒面を研削しても良い。
そしてステップS50では、制御手段は、基準位置Pstd(Xo、Zo)から更にX軸方向に取り代ΔXT分の距離(円筒面WE2の取り代)、Z軸方向に取り代ΔZT分の距離(端面WT2の取り代)だけ、所定の切り込み速度で切り込み、入力された取り代分を研削する。なお、取り代ΔXT、ΔZTを研削すると、基準位置Pstd(Xo、Zo)がワークW上に存在しなくなるので、研削後のワークW上に存在するPNstd(Xo+ΔXT、Zo+ΔZT)を新たな基準位置として設定してもよい。
この場合、研削プログラムは、コンピュータを(制御手段を)、ワークWと砥石T1を離間させた後、接触位置記憶手段に記憶されている位置(基準位置Pstd(Xo、Zo))と、入力された取り代ΔXT、ΔZTに基づいて、取り代分を研削する研削制御手段として機能させる。
そしてステップS60では、ワークWと砥石T1とを離間して、ワークWの回転と砥石T1の回転を停止して処理を終了する。
以上、第1の実施の形態では、自動研削加工プログラムによる量産加工とは別に、量産加工の途中であっても、異なる寸法の単品ワークの研削加工を1台の研削盤で容易に行うことができる。即ち、ワークWの寸法が任意の寸法であっても、ワークWの被加工個所に近すぎず、且つ遠すぎない、適切な位置に、砥石T1の先端TT1を相対移動させることができるので、より短時間に研削加工することができる。また、離間距離Dx、Dzを適切な値に設定することで、更に短時間に研削加工することができる。
また、作業者は、接触位置(基準位置Pstd(Xo、Zo))まで砥石T1の先端を手動で誘導する作業と、取り代ΔXT、ΔZTの入力を行うだけでよく、座標の変換等は不要であり、作業者の手間をより少なくすることができ、誤変換も発生しない。
そして、第1の実施の形態にて説明した研削プログラムを搭載した制御装置(制御手段)を円筒研削盤に備えることで、量産用として予め自動研削プログラムが設定されていない任意の寸法の単品ワークであっても、より少ない手間で、より短時間に、所望する取り代にて研削加工することができる。
なお、以上に説明した第1の実施の形態では、図2(A)に示す砥石の先端TT1を、ワークWの円筒面WE2に接触(図2(B)の状態)させた後、ワークWの端面WT2に接触(図2(C)の状態)させたが、砥石の先端TT1を、ワークWの円筒面WE2と端面WT2との境界部(図2(D)におけるPstd(Xo、Zo)の位置)に接触させるようにしてもよい。この場合、作業者は、砥石の先端TT1が境界部に接触するまで砥石を相対移動させ、接触した位置(Pstd(Xo、Zo))を記憶させて、ここを原点とする。
そして、この研削プログラムを搭載した制御装置(制御手段)を円筒研削盤に備えることで、量産用として予め自動研削プログラムが設定されていない任意の寸法の単品ワークであっても、より少ない手間で、より短時間に、所望する取り代にて研削加工することができる。
●[第2の実施の形態における研削プログラムによる、ワークWと砥石T1の動作状態(図4)と処理手順(図5)]
次に、本発明の研削プログラムの第2の実施の形態について、処理手順を示すフローチャート(図5)、及びフローチャートの一部の処理(第1の実施の形態と相違する処理)に対応させたワークWと砥石T1の動作状態(図4)を用いて説明する。
第2の実施の形態では、任意の寸法のワークWに対して、作業者の手動操作によって、ワークWの被加工個所に、砥石T1の加工個所の先端TT1が「接触する手前まで(非接触)」、ワークWに対して砥石T1を相対移動させる点が、従来技術、及び第1の実施の形態とは異なる。作業者の手動操作によって、接触する手前(接触直前となる非接触の位置)まで移動させるので、任意の寸法のワークであっても、ワークWの被加工個所に対して砥石T1の加工個所の先端TT1を、(近すぎず、且つ遠すぎない)適切な位置へと、相対移動させることができる。
以下、第1の実施の形態との相違点について主に説明する。図5に示す第2の実施の形態のフローチャートでは、図3に示す第1の実施の形態のフローチャートに対して、ステップS30、S40、S50、S60の処理内容は同じであるが、ステップS02、S31〜S38は、第1の実施の形態とは異なる処理内容である。
また、第2の実施の形態では、旋回台12には、ワークWと砥石T1の接触を検出可能な接触検出手段(例えばアコースティックセンサ等)が設けられている。
以下、図5のフローチャートを用いて、本研削プログラムによる処理手順について説明する。
例えば制御手段の操作盤100から作業者が本研削プログラムの実行を指示すると、図5のフローチャートに示す処理が開始される。
ステップS02にて、制御手段はワークWの回転と砥石T1の回転を停止する。例えば作業者は、センタ部材21とセンタ部材31にてワークWを支持させ、砥石T1にてワークWを研削できる角度まで、旋回台12を旋回させる(ここまでは第1の実施の形態と同じであり、図2(A)参照)。
そして作業者は、手動操作にて、ワークWの被加工個所の円筒面WE2と端面WT2の境界部に、砥石T1の加工個所の先端TT1が接触する手前(接触する直前の非接触となる位置)まで近接するように、ワークWに対して砥石T1を相対移動させる(図4(B−1))。ここで、移動先の砥石T1の先端TT1の位置を位置PM(Xm、Zm)とする。
この場合、研削プログラムは、コンピュータを(制御手段を)、作業者からの手動操作によって、ワークWに対して砥石T1を相対移動させる手動移動手段として機能させる。
次のステップS30では、作業者にて、操作盤等から、X軸方向における取り代ΔXT(円筒面WE2の取り代)とZ軸方向における取り代ΔZT(端面WT2の取り代)を入力する。なお、このステップS30の処理は、ステップS02〜ステップS38のどの時点で行ってもよい。
この場合、研削プログラムは、コンピュータを(制御手段を)、作業者からの取り代の入力を可能とする取り代入力手段として機能させる。
次のステップS31では、制御手段は、ワークWの回転、及び砥石T1の回転を開始し、ワークWの端面WT2と砥石T1の先端TT1とが接触するまで、ワークWに対して砥石T1をワーク回転軸方向(Z軸方向)に相対移動させる。
そしてステップS32では、制御手段は、ワークWの端面WT2と砥石T1の先端TT1が接触したか否かを判定する。接触したか否かは、接触検出手段からの検出信号にて判定することができる。接触したと判定した(Yes)場合はステップS33に進み、接触していないと判定した(No)場合はステップS31に戻る。
ステップS33に進んだ場合、制御手段は、相対移動を停止して、第1接触位置PM1(Xm、Zo)のZ軸方向の位置(座標Zo)を記憶する(図4(B−2))。
この場合、研削プログラムは、コンピュータを(制御手段を)、ワークWと砥石T1の回転を開始し、ワークWに対して砥石T1をZ軸方向に相対移動させて接触を検出し、接触した位置(この場合、第1接触位置PM1(Xm、Zo)のZ軸方向の座標Zo)を記憶する第1接触位置記憶手段として機能させる。
次のステップS34では、制御手段は、ワークWに対して砥石T1をZ軸方向の反対方向に離間距離Dzだけ相対移動させて、ワークWと砥石T1とを離間する。離間距離Dzは、ステップS02にて手動操作で砥石が接触する前に近接させた時の座標に戻すようにしても良い。又は、ステップS33までの移動距離と同じだけ戻すようにしても良い。このとき、砥石T1の先端TT1の位置は、位置PZ(Xm、Zo−Dz)となる(図4(B−3))。
次のステップS35では、制御手段は、ワークWの円筒面WE2と砥石T1の先端TT1とが接触するまで、ワークWに対して砥石T1をワーク回転軸に直交する方向(X軸方向)に相対移動させる。
そしてステップS36では、制御手段は、ワークWの円筒面WE2と砥石T1の先端TT1が接触したか否かを判定する。接触したか否かは、接触検出手段からの検出信号にて判定することができる。接触したと判定した(Yes)場合はステップS37に進み、接触していないと判定した(No)場合はステップS35に戻る。
ステップS37に進んだ場合、制御手段は、相対移動を停止して、第2接触位置PM2(Xo、Zo−Dz)のX軸方向の位置(座標Xo)を記憶する(図4(B−4))。
この場合、研削プログラムは、コンピュータを(制御手段を)、ワークWに対して砥石T1をZ軸方向に離間させた後、X軸方向に相対移動させて接触を検出し、接触した位置(この場合、第1接触位置PM2(Xo、Zo−Dz)のX軸方向の座標Xo)を記憶する第2接触位置記憶手段として機能させる。
次のステップS38では、制御手段は、ワークWに対して砥石T1をX軸方向の反対方向に離間距離Dxだけ相対移動させて、ワークWと砥石T1とを離間する。このとき、砥石T1の先端TT1の位置は、後退位置PX(Xo−Dx、Zo−Dz)となる(図4(B−5))。
以上より、ワークWの円筒面WE2と端面WT2との境界部である基準位置Pstd(Xo、Zo)を求めることができる。なお、図4(B−5)に示す状態は、第1の実施の形態における図2(C)に示す状態と同じである。
以降の処理であるステップS40〜ステップS60は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。なお、ステップS40にてワークWの回転と砥石T1の回転を開始させているが、既に回転している場合は、ステップS40にて改めて回転を開始させなくてもよい。
以上、第2の実施の形態では、自動研削加工プログラムによる量産加工とは別に、量産加工の途中であっても、異なる寸法の単品ワークの研削加工を1台の研削盤で容易に行うことができる。即ち、ワークWの寸法が任意の寸法であっても、ワークWの被加工個所に近すぎず、且つ遠すぎない、適切な位置に、砥石T1の先端TT1を相対移動させることができ、より短時間に研削加工することができる。また、離間距離Dx、Dzを適切な値に設定することで、更に短時間に研削加工することができる。
また、作業者は、接触位置(基準位置Pstd(Xo、Zo))の手前(直前)まで砥石T1の先端を手動で誘導する作業と、取り代ΔXT、ΔZTの入力を行うだけでよく、座標の変換等は不要であり、作業者の手間をより少なくすることができ、誤変換も発生しない。
そして、第2の実施の形態にて説明した研削プログラムを搭載した制御装置(制御手段)を円筒研削盤に備えることで、量産用として予め自動研削プログラムが設定されていない任意の寸法の単品ワークであっても、より少ない手間で、より短時間に、所望する取り代にて研削加工することができる。
本発明の研削プログラム、自動研削プログラム、及び円筒研削盤は、本実施の形態で説明した処理手順、機能、構成、構造等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施の形態の説明では、砥石T1と砥石T2を備えた複合研削盤1を用いた例を説明したが、本発明の研削プログラムは、砥石の数が2個に限定されるものではなく、また砥石の種類もアンギュラ砥石とプレーン砥石の組み合わせに限定されるものではなく、種々の数の砥石、及び種々の種類の砥石を備えた研削盤に適用することができる。
また、本実施の形態の説明では、アンギュラ砥石を用いて円筒面と端面を研削する例で説明したが、プレーン砥石を用いて円筒面と端面を研削するようにしてもよい。
1 複合研削盤
10 基台
11 主軸テーブル
12 旋回台
20 主軸台
30 心押台
40 砥石軸受装置
40M 砥石駆動モータ
50 砥石軸受装置
50M 砥石駆動モータ
T1 砥石
T2 砥石
W ワーク
ZS 旋回軸
ZT1 砥石回転軸
ZT2 砥石回転軸
ZW ワーク回転軸
ΔXT、ΔZT 取り代

Claims (8)

  1. 円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有して被加工個所の寸法が任意であるとともにワーク回転軸回りに回転するワークを、回転する砥石にて研削する円筒研削盤における研削プログラムであって、
    ワークに対する砥石の位置を制御するコンピュータを、
    作業者の手動操作によって、ワークの被加工個所の円筒面と端面の境界部に砥石の加工個所の先端が接触するまで、ワーク回転軸方向、及びワーク回転軸に直交する方向へとワークに対して砥石を相対移動させる手動移動手段、
    ワークの被加工個所の円筒面と端面の境界部に砥石の加工個所の先端が接触した状態における、砥石の加工個所の先端のワーク回転軸方向の位置、及びワーク回転軸に直交する方向の位置、を記憶する接触位置記憶手段、
    作業者からの、ワーク回転軸方向における取り代、及びワーク回転軸に直交する方向における取り代の入力が可能な取り代入力手段、
    ワークと砥石とを一旦離間させ、接触位置記憶手段に記憶されている位置と、取り代入力手段から入力された取り代に基づいて、ワークに対して砥石を相対移動させ、入力された取り代分を研削する研削制御手段、
    として機能させるための研削プログラム。
  2. 円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有して被加工個所の寸法が任意であるとともにワーク回転軸回りに回転するワークを、回転する砥石にて研削する円筒研削盤における研削プログラムであって、
    ワークに対する砥石の位置を制御するコンピュータを、
    作業者の手動操作によって、ワークの被加工個所の端面と砥石の端面とが接触するまで、また、ワークの被加工個所の円筒面と砥石の円筒面が接触するまで、ワークに対して砥石を相対移動させる手動移動手段、
    手動移動手段にてワークの被加工個所の端面と砥石の端面が接触した状態において、砥石のワーク回転軸方向の位置を記憶する第1接触位置記憶手段、
    手動移動手段にてワークの被加工個所の円筒面と砥石の円筒面が接触した状態において、砥石のワーク回転軸に直交する方向の位置を記憶する第2接触位置記憶手段、
    ワーク回転軸方向におけるワークの被加工個所の前記端面の取り代、及びワーク回転軸に直交する方向におけるワークの被加工個所の前記円筒面の取り代、を作業者により入力可能な取り代入力手段、
    ワークと砥石とを一旦離間させ、第1接触位置記憶手段と第2接触位置記憶手段に記憶されている位置と、前記取り代入力手段から入力された前記取り代に基づいて、ワークに対して砥石を相対移動させ、入力された取り代分を研削する研削制御手段、
    として機能させるための研削プログラム。
  3. 円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有して被加工個所の寸法が任意であるとともにワーク回転軸回りに回転するワークを、回転する砥石にて研削する円筒研削盤における研削プログラムであって、
    ワークに対する砥石の位置を制御するコンピュータを、
    作業者の手動操作によって、ワークの被加工個所の円筒面と端面の境界部に砥石の加工個所の先端が接触する手前まで近接するように、ワーク回転軸方向、及びワーク回転軸に直交する方向へとワークに対して砥石を相対移動させる手動移動手段、
    作業者からの、ワーク回転軸方向における取り代、及びワーク回転軸に直交する方向における取り代の入力が可能な取り代入力手段、
    砥石とワークとの接触を検出する接触検出手段、
    ワークに対して砥石をワーク回転軸方向に相対移動させて前記接触検出手段にてワーク回転軸方向における砥石とワークの接触を検出したときの砥石の加工個所の先端におけるワーク回転軸方向の位置を記憶する第1接触位置記憶手段、
    ワークに対して砥石をワーク回転軸方向に相対移動させてワークと砥石とを離間させた後、ワークに対して砥石をワーク回転軸に直交する方向に相対移動させて前記接触検出手段にてワーク回転軸に直交する方向における砥石とワークの接触を検出したときの砥石の加工個所の先端におけるワーク回転軸に直交する方向の位置を記憶する第2接触位置記憶手段、
    ワークに対して砥石をワーク回転軸に直交する方向に相対移動させてワークと砥石とを離間させた後、第1接触位置記憶手段と第2接触位置記憶手段に記憶されている位置と、取り代入力手段から入力された取り代に基づいて、ワークに対して砥石を相対移動させ、入力された取り代分を研削する研削制御手段、
    として機能させるための研削プログラム。
  4. 円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有してワーク回転軸回りに回転するワークの前記被加工個所を、回転する砥石にて、予め設定されたプログラムに基づいて自動的に研削する円筒研削盤における自動研削プログラムにおいて、
    更に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の研削プログラムを備えている、
    自動研削プログラム。
  5. 円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有して被加工個所の寸法が任意であるとともにワーク回転軸回りに回転するワークを、回転する砥石にて研削するようにワークに対する砥石の位置を制御する制御装置を備えた円筒研削盤において、
    前記制御装置は、
    作業者の手動操作によって、ワークの被加工個所の円筒面と端面の境界部に砥石の加工個所の先端が接触するまで、ワーク回転軸方向、及びワーク回転軸に直交する方向へとワークに対して砥石を相対移動させる手動移動手段と、
    ワークの被加工個所の円筒面と端面の境界部に砥石の加工個所の先端が接触した状態における、砥石の加工個所の先端のワーク回転軸方向の位置、及びワーク回転軸に直交する方向の位置、を記憶する接触位置記憶手段と、
    作業者からの、ワーク回転軸方向における取り代、及びワーク回転軸に直交する方向における取り代の入力が可能な取り代入力手段と、
    ワークと砥石とを一旦離間させ、接触位置記憶手段に記憶されている位置と、取り代入力手段から入力された取り代に基づいて、ワークに対して砥石を相対移動させ、入力された取り代分を研削する研削制御手段と、
    からなる制御手段を備えている、
    ことを特徴とする円筒研削盤。
  6. 円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有して被加工個所の寸法が任意であるとともにワーク回転軸回りに回転するワークを、回転する砥石にて研削するようにワークに対する砥石の位置を制御する制御装置を備えた円筒研削盤において、
    前記制御装置は、
    作業者の手動操作によって、ワークの被加工個所の端面と砥石の端面とが接触するまで、また、ワークの被加工個所の円筒面と砥石の円筒面が接触するまで、ワークに対して砥石を相対移動させる手動移動手段と、
    手動移動手段にてワークの被加工個所の端面と砥石の端面が接触した状態において、砥石のワーク回転軸方向の位置を記憶する第1接触位置記憶手段と、
    手動移動手段にてワークの被加工個所の円筒面と砥石の円筒面が接触した状態において、砥石のワーク回転軸に直交する方向の位置を記憶する第2接触位置記憶手段と、
    ワーク回転軸方向におけるワークの被加工個所の前記端面の取り代、及びワーク回転軸に直交する方向におけるワークの被加工個所の前記円筒面の取り代、を作業者により入力可能な取り代入力手段と、
    ワークと砥石とを一旦離間させ、第1接触位置記憶手段と第2接触位置記憶手段に記憶されている位置と、前記取り代入力手段から入力された前記取り代に基づいて、ワークに対して砥石を相対移動させ、入力された取り代分を研削する研削制御手段と、
    からなる制御手段を備えている、
    ことを特徴とする円筒研削盤。
  7. 円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有して被加工個所の寸法が任意であるとともにワーク回転軸回りに回転するワークを、回転する砥石にて研削するようにワークに対する砥石の位置を制御する制御装置を備えた円筒研削盤において、
    前記制御装置は、
    作業者の手動操作によって、ワークの被加工個所の円筒面と端面の境界部に砥石の加工個所の先端が接触する手前まで近接するように、ワーク回転軸方向、及びワーク回転軸に直交する方向へとワークに対して砥石を相対移動させる手動移動手段と、
    作業者からの、ワーク回転軸方向における取り代、及びワーク回転軸に直交する方向における取り代の入力が可能な取り代入力手段と、
    砥石とワークとの接触を検出する接触検出手段と、
    ワークに対して砥石をワーク回転軸方向に相対移動させて前記接触検出手段にてワーク回転軸方向における砥石とワークの接触を検出したときの砥石の加工個所の先端におけるワーク回転軸方向の位置を記憶する第1接触位置記憶手段と、
    ワークに対して砥石をワーク回転軸方向に相対移動させてワークと砥石とを離間させた後、ワークに対して砥石をワーク回転軸に直交する方向に相対移動させて前記接触検出手段にてワーク回転軸に直交する方向における砥石とワークの接触を検出したときの砥石の加工個所の先端におけるワーク回転軸に直交する方向の位置を記憶する第2接触位置記憶手段と、
    ワークに対して砥石をワーク回転軸に直交する方向に相対移動させてワークと砥石とを離間させた後、第1接触位置記憶手段と第2接触位置記憶手段に記憶されている位置と、取り代入力手段から入力された取り代に基づいて、ワークに対して砥石を相対移動させ、入力された取り代分を研削する研削制御手段と、
    からなる制御手段を備えている、
    ことを特徴とする円筒研削盤。
  8. 円筒面と当該円筒面に直交する端面とを被加工個所として有してワーク回転軸回りに回転するワークの前記被加工個所を、回転する砥石にて、予め設定されたプログラムに基づいて自動的に研削するようにワークに対する砥石の位置を制御する制御装置を備えた円筒研削盤において、
    前記制御装置は、
    更に、請求項5〜7のいずれか一項に記載の制御手段を備えている、
    ことを特徴とする円筒研削盤。

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