JPH06126530A - ギアホーニング加工装置 - Google Patents

ギアホーニング加工装置

Info

Publication number
JPH06126530A
JPH06126530A JP28463192A JP28463192A JPH06126530A JP H06126530 A JPH06126530 A JP H06126530A JP 28463192 A JP28463192 A JP 28463192A JP 28463192 A JP28463192 A JP 28463192A JP H06126530 A JPH06126530 A JP H06126530A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
work
grindstone
cutting feed
contact
gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28463192A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Kinoshita
秀機 木下
Tatsuyuki Nakatani
達行 中谷
Kunio Osawa
邦夫 大沢
Koji Okamoto
幸司 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Advanced Technologies Co Ltd
Original Assignee
Toyo Advanced Technologies Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Advanced Technologies Co Ltd filed Critical Toyo Advanced Technologies Co Ltd
Priority to JP28463192A priority Critical patent/JPH06126530A/ja
Publication of JPH06126530A publication Critical patent/JPH06126530A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23FMAKING GEARS OR TOOTHED RACKS
    • B23F19/00Finishing gear teeth by other tools than those used for manufacturing gear teeth
    • B23F19/05Honing gear teeth
    • B23F19/057Honing gear teeth by making use of a tool in the shape of an internal gear

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業者の負担を軽減し、ワークの前加工寸法
にかかわらずその切込み送り制御を適正かつ自動的に行
う。 【構成】 外歯車状のワーク10と内歯車状の砥石30
とをゼロバックラッシュ状態で噛合しながら同期回転さ
せることによりワーク10の表面を加工する装置。変位
量センサ38により、上記ワーク10を支持するテイル
ストック軸18の変位量を検出する。この変位量が一定
値に達した時点でワーク10と砥石30とがゼロバック
ラッシュ状態で接触したと判定し、この接触判定時点に
基づき、切込み送りモータ36による切込み送りを制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯車状のワークの表面
を、これに内接する歯車状の砥石によって加工するギア
ホーニング加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、歯車状のワークの歯面を仕上げ加
工する手段として、ギアホーニング加工装置が知られて
いる。この装置は、例えば図8に示すような外歯車状の
ワーク90を加工する場合、上記ワーク90に噛合う内
歯車状の砥石92を具備し、上記ワーク90を図の実線
に示す位置から同図矢印A1に示すような切込み送り方
向に移動させて図の二点鎖線位置すなわち砥石92とバ
ックラッシュがなくなる状態(以下、ゼロバックラッシ
ュ状態と称する。)まで噛合う位置へ移動させ、さらに
上記切込み送りを行いながら砥石92及びワーク90を
矢印A2方向に同期回転させることにより、上記ワーク
90の歯面を加工するものである。
【0003】ところで、このようなギアホーニング加工
では、上記ワーク90の切込み送り速度をその位置に応
じて適宜制御する必要がある。具体的には、ワーク90
と砥石92が接触するまでは、加工時間を短縮するため
に可及的速やかにワーク90を砥石92に近付け(割り
出し)、ワーク90が砥石92とゼロバックラッシュで
接触するまでは切込み速度を落とし、両者が接触した
後、両者の間に加工を行うのに十分な圧接力が生じるま
では素早く切込み送りし(圧接用速度)、その後、実際
に加工を行う際にはその加工精度に応じた遅い速度(加
工用速度)で切込み送りを行うといった制御等が好適で
ある。このような制御を実行するには、上記二点鎖線位
置すなわちワーク90が砥石92とゼロバックラッシュ
状態で噛合される位置を推測する必要がある。そこで従
来は、作業者が手動でワーク90を切込み送り方向へ移
動させ、かつ砥石92を微小回転させながら、両者の間
にガタがなくなる切込み送り位置を探索し、この位置を
ゼロバックラッシュ位置としてプログラムに入力してお
き、これを目安にワーク90の切込み送りを制御させる
といったことが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような手段で
は、以下に示すような解決すべき課題がある。
【0005】A)作業者が手動で切込み送り及び砥石微
小回転を行いながらゼロバックラッシュ位置を探索する
作業は極めて難しく、作業者の負担の増大及び作業能率
の低下を招いている。また、ワーク90と砥石92とが
ゼロバックラッシュ状態で噛合されているか否かの判断
は作業者の勘によっており、正確な判断は困難である。
【0006】B)砥石92により加工される前のワーク
90の寸法は常に一定であるとは限らず、実際には前加
工の段階で寸法にバラツキが生じており、従って、ワー
ク90が砥石92とゼロバックラッシュ状態で接触し始
める位置にもバラツキがある。このため、寸法が小さめ
のワーク90について探索したゼロバックラッシュ位置
に合わせて切込み速度の切換時を設定すると、寸法が大
きめのワーク90を加工する際、切込み送り速度を上記
圧接用速度から加工用速度に落とすタイミングが適正な
タイミングよりも遅れ、上記圧接用速度でワーク90を
切込み送りする際に砥石92との圧接力が過剰になる不
都合が生じる。逆に、寸法が大きめのワーク90につい
て探索したゼロバックラッシュ位置に合わせて切込み速
度の切換時を設定すると、寸法が小さめのワーク90を
加工する際、このワーク90と砥石92との圧接力が十
分高まる前に切込み送り速度が加工用速度に落とされ、
有効な加工が行われていないにもかかわらずワーク90
が極めて遅い加工用速度で切込み送りされるいわゆる
「から回り」が生じることになり、加工時間のロスを招
く。
【0007】C)上記のように従来装置では、ワーク9
0に寸法バラツキがあると、ゼロバックラッシュ位置
(すなわち実質上ワーク90と砥石92とが有効に接触
する位置)を正確に把握できないため、このゼロバック
ラッシュ位置から加工が終了するまでのワークの切込み
量を一定にすることができず、これに伴ってワーク90
の最終の仕上げ加工精度にもバラツキが生じる不都合が
ある。特に、加工前寸法が小さめのワーク90を加工し
た場合には、その切込み量が不十分であるために形状精
度が低下し易く、最悪の場合、ギアホーニング加工後も
ワーク90表面に加工されない面が残るいわゆる「黒皮
残り」が発生するおそれがある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑み、作業者
の負担を軽減し、ワークの前加工寸法にかかわらずその
切込み送り制御を適正かつ自動的に行うことができ、さ
らには常に安定した切込み量を得ることができるギアホ
ーニング加工装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、歯車状のワー
クを回転可能に支持するワーク支持部材と、上記ワーク
の歯に対しこれに内接した状態で噛合される歯車状に形
成された砥石と、この砥石を回転可能に支持する砥石支
持部材と、上記砥石と上記ワークとをその径方向に相対
移動させる切込み送り手段と、上記砥石とワークとを両
者が噛合された状態で相対回転させる回転駆動手段とを
備え、上記切込み送り手段により砥石とワークとを両者
が圧接する方向に相対移動させながら噛合状態で相対回
転させることによりワーク表面を加工するギアホーニン
グ加工装置において、上記砥石、ワークのうち外歯車状
の部材もしくはこれを支持する支持部材の基準位置から
の変位量を検出する変位検出手段と、この変位検出手段
で検出された変位量に基づいて砥石とワークとがその間
にバックラッシュを残さない程度まで接触した時点を判
定する接触判定手段と、この接触判定手段により接触と
判定された時点を基準に切込み送り速度を変化させる切
込み送り制御手段とを備えたものである(請求項1)。
【0010】また、上記接触判定手段は、上記砥石とワ
ークとを両者が噛合された状態で相対回転させる回転駆
動モータのモータ負荷に基づいて砥石とワークとがその
間にバックラッシュを残さない程度まで接触した時点を
判定するものであってもよい(請求項3)これらの装置
において、さらに、上記接触判定手段により接触と判定
された時点から予め定められた一定量だけ砥石とワーク
とを切込み送り方向に相対移動させた後に加工を停止さ
せるように上記切込み送り制御手段を構成することによ
り、後述のようなより優れた効果が得られる(請求項
2,4)。
【0011】
【作用】請求項1記載の装置において、ワークと砥石と
が離間した状態から両者が切込み送り手段の駆動で互い
に接近する際、ワークの前加工寸法に関係なく、両者が
ゼロバックラッシュ状態で接触した時点で、両者が互い
に受ける反力に起因してワーク、砥石のうち外歯車状で
ある側の部材を支持する支持部材が撓み、この支持部材
もしくは上記外歯車状部材の基準位置からの変位量(す
なわち変位検出手段により検出される変位量)が著しく
増大する。この変位量の増大に基づいて、接触判定手段
により上記ワークと砥石とがゼロバックラッシュ状態で
接触したことが判定され、この接触判定された時点に基
づいて切込み送り速度の制御が実行される。
【0012】また、上記ワークと砥石とがゼロバックラ
ッシュ状態で接触を開始した時点では、両者が噛合状態
で回転する際の回転抵抗が著しく増大し、この回転駆動
を行う回転駆動モータのモータ負荷も急激に増大するの
で、請求項3記載のように、このモータ負荷によっても
ゼロバックラッシュ状態での接触のタイミングを判定す
ることが可能である。
【0013】また、このようにゼロバックラッシュ状態
での接触時点が正確に判定されることに伴い、請求項
2,4記載の装置のように、上記接触時点から一定量だ
け切込み送りを行った後に加工を停止させることによ
り、ワークの加工前寸法にかかわらずその切込み量を常
に略一定とすることができる。
【0014】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図6に基づいて
説明する。
【0015】図1〜3に示すギアホーニング加工装置
は、ワーク10を支持するワーク支持系と、これを加工
するための砥石30を支持する砥石支持系とを備えてい
る。
【0016】上記ワーク10は、その全周にわたり外歯
12をもつ外歯車状に形成されている。ワーク支持系と
しては、図2に示すようなワーク支持台14が設置され
ている。このワーク支持台14上には、横向きに主軸1
6が設置されるとともに、この主軸16と対向した状態
でその軸方向(水平方向)にスライド可能にテイルスト
ック軸18が設置されている。そして、このテイルスト
ック軸18と上記主軸16とでワーク10が水平軸回り
(外歯車の中心軸回り)に回転可能に挾持されている。
【0017】砥石支持系としては、べッド20上に砥石
支持台22が水平方向(図1の左右方向;以下、切込み
送り方向と称する。)にスライド可能に設置され、この
砥石支持台22にリング状の軸受24が立直状態で保持
されている。この軸受24は、上記砥石支持台22側に
固定される外輪25と、この外輪25内にボール等を介
して回転可能に保持される内輪26とを有し、この内輪
26の内周面に沿い、位置決めリング28等を用いて上
記砥石30が固定されている。すなわち、砥石30は砥
石支持台22に対して上記ワーク10の回転中心軸と平
行な水平軸回りに回転可能に支持されている。この砥石
30の内周面には、上記ワーク10と内接し、かつその
外歯12と噛合可能な内歯32が形成されている。
【0018】上記砥石支持台22には、回転駆動モータ
(回転駆動手段)34が取付けられ、べッド20には切
込み送りモータ36が取付けられている。上記回転駆動
モータ34は、上記砥石支持台22に対して砥石30を
回転駆動するものであり、切込み送りモータ36は、上
記べッド20に対して砥石支持台22を切込み送り方向
にスライド駆動するものである。
【0019】さらに、この装置の特徴として、上記テイ
ルストック軸18のすぐ側方の位置(すなわち切り込み
送り方向に離れた位置)には、非接触式の変位量センサ
(変位検出手段)38が設けられている。この変位量セ
ンサ38は、その検出部からテイルストック軸18周面
までの距離の変化、換言すれば無負荷状態での基準位置
からテイルストック軸軸18が切込み送り方向に変位す
る量を検出するものであり、静電容量型センサや光セン
サ、超音波センサ等、従来から知られている種々の距離
センサ等を適用できるものである。
【0020】この変位量センサ38からの検出信号は、
図1に示すような制御装置40に入力される。この制御
装置40は、制御信号の出力によって上記回転駆動モー
タ34や切込み送りモータ36の駆動制御を行う。
【0021】具体的に、この制御装置40は、上記切込
み送りモータ36の駆動を制御する手段として、図4に
示すような変位量設定器42、比較器44、切込み送り
制御器46、及びモータ制御器48を備えている。
【0022】変位量設定器(接触判定手段を構成)42
は、予め設定された設定変位量を記憶し、これを比較器
44に出力するものである。この設定変位量は、後述の
ようにワーク10の外歯12と砥石30の内歯32とが
ゼロバックラッシュ状態で接触したと判定するための基
準値となるものである。
【0023】比較器(接触判定手段を構成)44は、上
記変位量設定器42から入力された設定変位量と、変位
量センサ38で検出される実際の変位量とを比較し、後
者が前者以上となった時に接触判定信号を切込み送り制
御器46に出力するものである。
【0024】切込み送り制御器46は、上記比較器44
から接触判定信号が出力される時点、すなわちワーク1
0と砥石30とがゼロバックラッシュ状態で接触したと
判定される時点を基準にし、モータ制御器48に適宜指
令信号を出力して後述のように切込み送り速度の制御を
行うものである。モータ制御器48は、上記切込み送り
制御器46から出力される指令信号に基づき、切込み送
りモータ36に制御信号を出力してこれを実際に適正の
速度で作動させるものである。なお、この実施例では上
記切込み送りモータ36としてサーボモータが用いら
れ、モータ制御器48からはパルス信号が出力され、そ
のステップ数が切込み送り制御器46に入力されるよう
になっている。
【0025】次に、この制御装置40の行う制御動作を
図5(a)(b)のグラフも参照しながら説明する。
【0026】ワーク10の割り出し動作(図5点O→
点A):まず、ワーク10と砥石30とが所定距離離間
した位置(図5の点O)から所定切込み送り量taだけ
ワーク10を大きな速度(割出し用速度)で切込み送り
方向に迅速に移動させる。なお、この時の切込み送り量
taは、ワーク10の加工前寸法の大小にかかわらず、
ワーク10と砥石30とがゼロバックラッシュ状態で接
触しないような量に制限されている。
【0027】接触動作(点A→点B):上記割り出し
領域の終点Aに達した後、切込み送り速度を上記割出し
用速度よりも少し小さい接触用速度に落として切込み送
りを続行する一方、適当なタイミングで砥石30の回転
駆動を開始する。この動作中、ワーク10の外歯12が
砥石30の内歯32にバックラッシュを残して接触して
いる間は、ワーク10及び砥石30は大きな抵抗を受け
ることなく同期回転するのみで、両者が互いに受ける反
力はほとんど生じないが、両者がゼロバックラッシュ状
態で噛合い始めると、回転抵抗が急激に増大するととも
に、ワーク10が砥石30から切込み送り方向に受ける
反力も急激に高まり、これを支持するテイルストック軸
18の撓み量すなわち変位量センサ38により検出され
る変位量が急増する。そして、この検出変位量が変位量
設定器42で設定されている設定変位量まで上昇した時
点で比較器44が切込み送り制御器46に接触判定信号
を出力する。
【0028】圧接力付与動作(点B→点C):ワーク
10と砥石30とがゼロバックラッシュ状態で接触して
も、両者間の圧接力が十分高まるまでは、両者が噛合状
態で同期回転してもいわゆる「空回り」の状態となって
実質上の加工はなされない。そこで、上記比較器44か
ら接触判定信号が出力された時点、すなわちワーク10
が砥石30にゼロバックラッシュ状態で接触したと判定
した時点(点B)から上記接触用速度よりも大きな速度
で迅速に所定切込み送り量tcだけ切込み送りを行い、
短時間で圧接力を十分に高めるようにする。
【0029】加工動作(点C→点D):上記切込み送
り量tcの切込み送りが終了した後は、上記切込み送り
速度を所望の加工精度に適応した比較的低い加工用速度
まで落とし、ワーク10表面の仕上げ加工を行う。そし
て、上記接触判定時点(点B)から予め設定された切込
み送り量tdだけ切込み送りを行った後に加工を停止
し、ワーク10を砥石30から離間させる。
【0030】このようなギアホーニング加工装置によれ
ば、個々のワーク10の加工の際、テイルストック軸1
8の撓み量(基準位置からの変位量)に基づき、ワーク
10と砥石30とがゼロバックラッシュ状態で接触する
時点が逐次自動的に判定されるので、予め手作業でゼロ
バックラッシュ位置を探索するといった操作が不要にな
り、作業者の負担が大幅に軽減される。しかも、このゼ
ロバックラッシュ位置の判定はワーク10の加工前寸法
の大小にかかわらず各ワーク10について正確に行われ
るので、この判定結果に基づき、実際のワーク10と砥
石30との接触状態に応じた適正な切込み送り速度の制
御が各ワーク10毎に実行されることとなり、加工時間
のロスも大幅に削減され、能率の高い加工が実現され
る。
【0031】また、上記のようにゼロバックラッシュ位
置が正確に判定されるため、この実施例のように接触判
定時点(点B)から一定の切込み送り量tdだけ切込み
送りを行った後に加工を停止させることにより、ワーク
10の加工前に寸法バラツキがあるにもかかわらず、各
ワーク10について常に略一定の切込み量を確保するこ
とができる。このため、ワーク10の加工精度(特に形
状精度)が安定し、いわゆる「黒皮残り」の発生も未然
に防がれる。
【0032】図6は、互いに異なる25個のワークにつ
いて、その歯面の基準位置からの距離を示したもので、
切込み位置がマイナス方向に大きいほど切込みが進んで
いることを表す。図において、実線50は加工前の状態
における各ワークの切込み位置、実線52はワーク支持
部材の撓み量を含まない本発明装置による加工終了時の
ワーク表面の切込み位置、二点鎖線51はワーク支持部
材の撓み量を含まない従来装置による加工終了時のワー
ク表面の切込み位置、一点鎖線53はワーク支持部材の
撓み量をも含めた従来装置による加工終了時のワーク表
面の切込み位置、二点鎖線54はワーク支持部材の撓み
量をも含めた本発明装置による加工終了時のワーク表面
の切込み位置をそれぞれ示したものである。上記一点鎖
線53に示すように、従来装置では、ワークの加工前寸
法のバラツキに関係なく、換言すればワークが砥石とゼ
ロバックラッシュ状態で接触するタイミングに関係な
く、一定量切込み送りを行った時点で加工を終了してい
るため、実線50と実線52との上下方向の距離である
ワーク切込み量は大きくばらついており、これにより加
工精度が安定していないことがわかる。これに対して本
発明装置では、実際にワークと砥石とが接触した時点か
ら一定量切込み送りを行った後に加工を終了しているの
で、実線50及び二点鎖線51,54に示されるよう
に、ワークの加工前寸法にかかわらず、切込み量は25
個の各ワークについてほぼ一定となっている。
【0033】なお、この実施例において、上記非接触式
の変位量センサ38に代え、テイルストック軸18の周
面に直接ひずみゲージを貼り付け、このテイルストック
軸18の撓み量を検出するようにしても上記と同様の効
果を得ることができる。また、変位量の検出対象は上記
テイルストック軸18に限らず、ワーク支持系の他の部
分例えば主軸16や、ワーク10そのものの変位量を検
出するようにしてもよい。
【0034】次に、第2実施例を図7に基づいて説明す
る。前記第1実施例に示した装置において、ワーク10
と砥石30とがゼロバックラッシュ状態で噛合され始め
る時点では、両者の同期回転の回転抵抗が急激に増大
し、従ってこの時の回転駆動モータ34のモータ電流も
急増する。そこでこの実施例では、上記モータ電流に基
づいてゼロバックラッシュ位置を判定する制御装置60
が用いられている。
【0035】具体的に、この制御装置60は、モータ電
流設定器62、比較器64、切込み送り制御器66、モ
ータ制御器68を備えている。モータ電流設定器62
は、上記ゼロバックラッシュ状態でワーク10と砥石3
0とが接触したことを判定するための設定電流値を記憶
し、これを出力するものである。比較器64は、回転駆
動モータ34において発生するモータ電流を常時監視
し、この電流が上記設定電流値以上となった時点で接触
判定信号を出力するものである。切込み送り制御器66
及びモータ制御器68の働きは前記第1実施例における
切込み送り制御器46及びモータ制御器48のそれと同
等である。
【0036】このような装置においても、上記モータ電
流を利用してゼロバックラッシュ位置を判定でき、この
判定結果に基づき、適正な切込み送り制御を実行するこ
とができる。なお、この実施例では回転駆動モータ34
に電気モータを用いた場合を説明したが、これに油圧モ
ータなどを利用した場合には、その負荷圧に基づいて接
触判定を行うことができる。
【0037】また、本発明は以上の実施例に限定される
ものでなく、例として次のような態様をとることも可能
である。
【0038】(1) 上記実施例では、外歯車状のワーク1
0を加工する装置を示したが、内歯車状のワークを加工
する場合には、これに内接する外歯車状の砥石を用いれ
ばよい。この場合において、前記第1実施例のように変
位量に基づく接触判定を行う場合には、外歯車状部材で
ある砥石の支持系もしくは砥石そのものの変位量を検出
すればよい。
【0039】(2) 上記実施例では、砥石30を回転駆動
してこれにワーク10を従動させるものを示したが、ワ
ーク10を回転駆動するようにしてもよいし、砥石30
とワーク10の双方を回転駆動するようにしてもよい。
また、上記実施例では砥石30を切込み送り方向にスラ
イド駆動するものを示したが、ワーク10を移動させる
ようにしてもよいし、ワーク10と砥石30とを相互逆
方向にスライド駆動するようにしてもよい。
【0040】(3) 上記実施例では、ゼロバックラッシュ
状態での接触が開始された時点で切込み送り速度を変化
させるものを示したが、本発明はこれに限らず、接触判
定時点から一定時間ずれたタイミングで切込み送り速度
を変える制御を行うものにも有効に適用できる。例えば
図5(a)(b)に示した制御例において、接触判定時
点(点B)を過ぎた後も速度を変えず、この時点から一
定の切込み送り量tcだけ切込み送りした時点(点C)で
加工用速度に落とすといった制御を行う場合でも、この
点Cでの速度の切換時期を上記接触判定時点に基づいて
適正に判断することができる効果が生じる。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明は、ワークと砥石が
互いに内接する歯車状に形成されているギアホーニング
加工装置において、外歯車状部材もしくはその支持部材
の変位量や、ワークあるいは砥石を回転駆動する回転駆
動モータのモータ負荷に基づき、上記ワークと砥石とが
ゼロバックラッシュ状態で接触する時点を自動的にかつ
正確に判定し、この接触判定時点に基づいて切込み送り
速度の制御を行うようにしたものであるので、手作業に
よるゼロバックラッシュ位置の探索を不要にすることに
より、作業者の負担を大幅に軽減するとともに、ワーク
の加工前寸法の大小にかかわらずその切込み送り速度の
制御を実際の接触状態に応じて適正に行うことができ、
加工能率の向上を図ることができる。
【0042】さらに、請求項2,4記載の装置は、上記
のように接触判定が行われた時点から一定量の切込み送
りを行った後に加工を終了するようにしたものであるの
で、ワークの加工前寸法にバラツキがあっても常に略一
定のワーク切込み量を確保することができ、これにより
加工精度特に形状精度を安定化し、いわゆる黒皮残りの
発生も未然に防ぐことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるギアホーニング加
工装置の一部断面正面図である。
【図2】上記ギアホーニング加工装置の要部を示す一部
断面側面図である。
【図3】上記ギアホーニング加工装置の要部を示す一部
断面平面図である。
【図4】上記ギアホーニング加工装置に設けられる制御
装置の機能ブロック図である。
【図5】(a)は上記ギアホーニング加工装置において
検出されるテイルストック軸のたわみ量の時間変化を示
すグラフ、(b)は上記ギアホーニング加工装置におけ
る切込み送り量の時間変化を示すグラフである。
【図6】上記ギアホーニング加工装置及び従来のギアホ
ーニング加工装置により多数のワークを加工した時の切
込み位置を示すグラフである。
【図7】第2実施例におけるギアホーニング加工装置に
設けられる制御装置の機能ブロック図である。
【図8】一般のギアホーニング加工装置における砥石と
ワークとの噛合状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ワーク 14 ワーク支持台(ワーク支持部材) 16 主軸(ワーク支持部材) 18 テイルストック軸(ワーク支持部材) 20 べッド(砥石支持部材) 22 砥石支持台(砥石支持部材) 24 軸受(砥石支持部材) 30 砥石 34 回転駆動モータ 36 切込み送りモータ(切込み送り手段) 38 変位量センサ(変位検出手段) 40,60 制御装置 42 変位量設定器(接触判定手段を構成) 44,64 比較器(接触判定手段を構成) 46,66 切込み送り制御器(切込み送り制御手段を
構成) 48,68 モータ制御器(切込み送り制御手段を構
成) 62 モータ電流設定器(接触判定手段を構成)
フロントページの続き (72)発明者 岡本 幸司 広島市南区宇品東5丁目3番38号 トーヨ ーエイテック株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯車状のワークを回転可能に支持するワ
    ーク支持部材と、上記ワークの歯に対しこれに内接した
    状態で噛合される歯車状に形成された砥石と、この砥石
    を回転可能に支持する砥石支持部材と、上記砥石と上記
    ワークとをその径方向に相対移動させる切込み送り手段
    と、上記砥石とワークとを両者が噛合された状態で相対
    回転させる回転駆動手段とを備え、上記切込み送り手段
    により砥石とワークとを両者が圧接する方向に相対移動
    させながら噛合状態で相対回転させることによりワーク
    表面を加工するギアホーニング加工装置において、上記
    砥石、ワークのうち外歯車状の部材もしくはこれを支持
    する支持部材の基準位置からの変位量を検出する変位検
    出手段と、この変位検出手段で検出された変位量に基づ
    いて砥石とワークとがその間にバックラッシュを残さな
    い程度まで接触した時点を判定する接触判定手段と、こ
    の接触判定手段により接触と判定された時点を基準に切
    込み送り速度を変化させる切込み送り制御手段とを備え
    たことを特徴とするギアホーニング加工装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のギアホーニング加工装置
    において、上記接触判定手段により接触と判定された時
    点から予め定められた一定量だけ砥石とワークとを切込
    み送り方向に相対移動させた後に加工を停止させるよう
    に上記切込み送り制御手段を構成したことを特徴とする
    ギアホーニング加工装置。
  3. 【請求項3】 歯車状のワークを回転可能に支持するワ
    ーク支持部材と、上記ワークの歯に対しこれに内接した
    状態で噛合される歯車状に形成された砥石と、この砥石
    を回転可能に支持する砥石支持部材と、上記砥石と上記
    ワークとをその径方向に相対移動させる切込み送り手段
    と、上記砥石とワークとを両者が噛合された状態で相対
    回転させる回転駆動モータとを備え、上記切込み送り手
    段により砥石とワークとを両者が圧接する方向に相対移
    動させながら噛合状態で相対回転させることによりワー
    ク表面を加工するギアホーニング加工装置において、上
    記回転駆動モータのモータ負荷に基づいて砥石とワーク
    とがその間にバックラッシュを残さない程度まで接触し
    た時点を判定する接触判定手段と、この接触判定手段に
    より接触と判定された時点を基準に切込み送り速度を変
    化させる切込み送り制御手段とを備えたことを特徴とす
    るギアホーニング加工装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のギアホーニング加工装置
    において、上記接触判定手段により接触と判定された時
    点から予め定められた一定量だけ砥石とワークとを切込
    み送り方向に相対移動させた後に加工を停止させるよう
    に上記切込み送り制御手段を構成したことを特徴とする
    ギアホーニング加工装置。
JP28463192A 1992-10-22 1992-10-22 ギアホーニング加工装置 Pending JPH06126530A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28463192A JPH06126530A (ja) 1992-10-22 1992-10-22 ギアホーニング加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28463192A JPH06126530A (ja) 1992-10-22 1992-10-22 ギアホーニング加工装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06126530A true JPH06126530A (ja) 1994-05-10

Family

ID=17680975

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28463192A Pending JPH06126530A (ja) 1992-10-22 1992-10-22 ギアホーニング加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06126530A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07164244A (ja) * 1993-12-13 1995-06-27 Honda Motor Co Ltd 歯車の仕上加工方法
US9327356B2 (en) 2011-07-18 2016-05-03 Aisin Ai Co., Ltd Tooth flank machining device and gear manufacturing method

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07164244A (ja) * 1993-12-13 1995-06-27 Honda Motor Co Ltd 歯車の仕上加工方法
US9327356B2 (en) 2011-07-18 2016-05-03 Aisin Ai Co., Ltd Tooth flank machining device and gear manufacturing method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2637488B2 (ja) 数値制御研削盤
JP2012000770A (ja) 切削ウォームのねじ山間隙にドレッシング工具をセンタリングするための装置ならびに方法
JPS6332587B2 (ja)
US5766059A (en) Method of grinding a workpiece
JP3850224B2 (ja) 研削加工方法及び数値制御研削盤
JP2007125644A (ja) 砥石車のツルーイング装置
JP3148034B2 (ja) ギアホーニング加工方法及び装置
JPH06126530A (ja) ギアホーニング加工装置
JP3293300B2 (ja) 研削装置
JP3344064B2 (ja) 研削装置
JP3050712B2 (ja) ギアホーニング加工方法
JP3148016B2 (ja) ギアホーニング加工装置のドレスタイミング判定方法及び装置
JP3812869B2 (ja) 円筒研削方法及び装置
JP4517091B2 (ja) 同期駆動による歯車仕上げ加工方法
JPH0760622A (ja) ツイストエンドミル用研削装置
JP3913456B2 (ja) 研削装置
JP4635143B2 (ja) 同期駆動による歯車仕上げ加工方法
JP3783998B2 (ja) 半径測定式定寸制御方法及び半径測定式定寸装置
JP3385666B2 (ja) 研削装置
JP5262437B2 (ja) 砥石のツルーイング方法および研削加工方法
JP3120578B2 (ja) 研削装置
JPH0957624A (ja) 内歯車形ハードギヤホーニングのドレス方法
JPH07164243A (ja) 歯車加工装置およびその加工方法
JPH06134668A (ja) 研削盤
JP2019089154A (ja) ねじ状砥石のツルーイング装置及びツルーイング方法