JP3148016B2 - ギアホーニング加工装置のドレスタイミング判定方法及び装置 - Google Patents

ギアホーニング加工装置のドレスタイミング判定方法及び装置

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JP3148016B2
JP3148016B2 JP28463092A JP28463092A JP3148016B2 JP 3148016 B2 JP3148016 B2 JP 3148016B2 JP 28463092 A JP28463092 A JP 28463092A JP 28463092 A JP28463092 A JP 28463092A JP 3148016 B2 JP3148016 B2 JP 3148016B2
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23FMAKING GEARS OR TOOTHED RACKS
    • B23F19/00Finishing gear teeth by other tools than those used for manufacturing gear teeth
    • B23F19/05Honing gear teeth
    • B23F19/057Honing gear teeth by making use of a tool in the shape of an internal gear

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯車状のワーク表面を
砥石で加工するギアホーニング加工装置において上記砥
石のドレスタイミングを判定する方法及び装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、歯車状のワークの歯面を仕上げ加
工する手段として、ギアホーニング加工装置が知られて
いる。この装置は、例えば図7に示すような外歯車状の
ワーク90を加工する場合、上記ワーク90に噛合う内
歯車状の砥石92を具備し、上記ワーク90を図の実線
に示す位置から同図矢印A1に示すような切込み送り方
向に移動させて図の二点鎖線位置すなわち砥石92とバ
ックラッシュがなくなる状態(以下、ゼロバックラッシ
ュ状態と称する。)まで噛合う位置へ移動させ、さらに
上記切込み送りを行いながら砥石92及びワーク90を
矢印A2方向に同期回転させることにより、上記ワーク
90の歯面を加工するものである。
【0003】ところで、このようなギアホーニング加工
装置では、他の砥粒加工装置と同様、加工を繰り返すに
つれて上記砥石92が摩耗してその切れ味が鈍るため、
適当なタイミングで砥石92をドレスする必要がある。
ここで従来は、作業者の経験に基づきドレスタイミング
の目安となるワーク加工回数を設定し、この設定された
回数だけワーク90の加工を行った後に砥石92のドレ
スを行うといったことが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記砥石92による各
ワークの加工条件は毎回一定であるとは限らず、比較的
少ない回数加工を行っただけでも砥石92の切れ味が著
しく鈍る場合や、比較的多くの回数加工しても砥石92
の切れ味がさほど鈍らない場合がある。ここで前者の場
合には、砥石92の切れ味が不十分であるにもかかわら
ずドレスが行われないまま加工が続行されることにな
り、これによりワークの加工精度が低下する不都合が生
じる。逆に後者の場合は、砥石92の切れ味はまだ十分
確保されているにもかかわらずドレスが実行されること
になり、非常に不経済である。
【0005】本発明は、このような事情に鑑み、砥石の
ドレスを実際の砥石状態に応じた適正なタイミングで行
うことを可能にし、これにより常に良好な加工精度を確
保することができるギアホーニング加工装置のドレスタ
イミングの判定方法及び装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、歯車状のワー
クを回転可能に支持するワーク支持部材と、上記ワーク
の歯に対しこれに内接した状態で噛合される歯車状に形
成された砥石と、この砥石を回転可能に支持する砥石支
持部材と、上記砥石と上記ワークとをその径方向に相対
移動させる切込み送り手段と、上記砥石とワークとを両
者が噛合された状態で相対回転させる回転駆動手段とを
備え、上記切込み送り手段により砥石とワークとを両者
が圧接する方向に予め定められた速度で相対移動させな
がら噛合状態で相対回転させることによりワーク表面を
加工するギアホーニング加工装置において、上記砥石、
ワークのうち外歯車状の部材もしくはこれを支持する支
持部材の基準位置からの変位量を検出し、加工中におけ
る切込み送り手段によるワークと砥石との相対移動量に
対する上記検出変位量の変化率が予め設定した値を超え
た時点で上記砥石のドレスを行うものである(請求項
1)。
【0007】この方法において、加工中の切込み送り速
度が一定であることを前提に、上記検出変位量の時間変
化率に基づいて砥石のドレスタイミングを判定するよう
にしてもよい。
【0008】また本発明は、上記方法を実施するための
装置として、上記砥石、ワークのうち外歯車状の部材も
しくはこれを支持する支持部材の基準位置からの変位量
を検出する変位検出手段と、上記加工中における切込み
送り手段によるワークと砥石との相対移動量に対する上
記検出変位量の変化率を演算する変化率演算手段と、こ
の演算された変化率が予め設定した値を超えた時点で上
記砥石のドレス指令を出力するドレス判定手段とを備え
たものである(請求項2)。
【0009】ここで、加工開始時に上記砥石とワークと
が離間した状態から互いに接近する際に上記変位検出手
段で検出された変位量に基づいて砥石とワークとがその
間にバックラッシュを残さない程度まで接触した時点を
判定する接触判定手段と、この接触判定手段により接触
と判定された時点を基準に切込み送り速度を変化させる
切込み送り制御手段とを備え、上記接触判定手段により
接触が判定された時点から一定量の切込み送りを行った
後に上記変位検出手段により検出される変位量が予め設
定した値を超えた時点で上記砥石のドレス指令を出力す
るようにドレス判定手段を構成すれば、上記変化率演算
手段を省略することが可能である(請求項3)。
【0010】
【作用】上記ギアホーニング加工装置において、砥石の
切れ味が鈍くなると、ワークと砥石とを所定量切込み送
り方向に相対移動させた時に砥石がワークを切り込む量
が減少し、その分砥石あるいはワークが相手方から逃げ
るためにその変位量は増大する。従って、請求項1記載
の方法のように、上記切込み送り方向のワークと砥石と
の相対移動量(すなわち切込み送り量)に対する検出変
位量の変化率に基づき、砥石の実際の切れ味を正確に判
断することができ、これにより適正なドレスタイミング
を設定できる。
【0011】具体的に、請求項2記載の装置では、加工
中に上記砥石もしくはワークの基準位置からの変位量が
検出され、上記加工中における切込み送り手段によるワ
ークと砥石との相対移動量に対する上記検出変位量の変
化率が演算されるとともに、この演算された変化率が予
め設定した値を超えた時点でドレス判定手段から上記砥
石のドレス指令が出力され、砥石のドレスが行われるこ
ととなる。
【0012】また、請求項3記載の装置では、上記砥石
とワークとが離間した状態から互いに接近する際(すな
わち割り出しの際)、上記変位検出手段で検出された変
位量に基づいて砥石とワークとがその間にバックラッシ
ュを残さない状態(以下、ゼロバックラッシュ状態と称
する。)で接触する時点が判定され、この接触判定時点
を基準に切込み送り速度が制御されるので、上記ゼロバ
ックラッシュ状態での接触が始まってからの加工動作は
ワークの大小にかかわらず一定となる。従ってこの装置
では、上記接触判定時点から一定量の切込み送りが行わ
れた時点で上記変位検出手段により検出される変位量の
大小を基準に上記砥石のドレスタイミングの判定を行っ
ても、切込み送り量に対する上記検出変位量の変化率に
基づいてドレスタイミングの判定を行うのと実質上同等
になる。
【0013】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図6に基づいて
説明する。
【0014】図1〜3に示すギアホーニング加工装置
は、ワーク10を支持するワーク支持系と、これを加工
するための砥石30を支持する砥石支持系とを備えてい
る。
【0015】上記ワーク10は、その全周にわたり外歯
12をもつ外歯車状に形成されている。ワーク支持系と
しては、図2に示すようなワーク支持台14が設置され
ている。このワーク支持台14上には、横向きに主軸1
6が設置されるとともに、この主軸16と対向した状態
でその軸方向(水平方向)にスライド可能にテイルスト
ック軸18が設置されている。そして、このテイルスト
ック軸18と上記主軸16とでワーク10が水平軸回り
(外歯車の中心軸回り)に回転可能に挾持されている。
【0016】砥石支持系としては、べッド20上に砥石
支持台22が水平方向(図1の左右方向;以下、切込み
送り方向と称する。)にスライド可能に設置され、この
砥石支持台22にリング状の軸受24が立直状態で保持
されている。この軸受24は、上記砥石支持台22側に
固定される外輪25と、この外輪25内にボール等を介
して回転可能に保持される内輪26とを有し、この内輪
26の内周面に沿い、位置決めリング28等を用いて上
記砥石30が固定されている。すなわち、砥石30は砥
石支持台22に対して上記ワーク10の回転中心軸と平
行な水平軸回りに回転可能に支持されている。この砥石
30の内周面には、上記ワーク10と内接し、かつその
外歯12と噛合可能な内歯32が形成されている。
【0017】上記砥石支持台22には、回転駆動モータ
(回転駆動手段)34が取付けられ、べッド20には切
込み送りモータ36が取付けられている。上記回転駆動
モータ34は、上記砥石支持台22に対して砥石30を
回転駆動するものであり、切込み送りモータ36は、上
記べッド20に対して砥石支持台22を切込み送り方向
にスライド駆動するものである。
【0018】さらに、この装置の特徴として、上記テイ
ルストック軸18のすぐ側方の位置(すなわち切り込み
送り方向に離れた位置)には、非接触式の変位量センサ
(変位検出手段)38が設けられている。この変位量セ
ンサ38は、その検出部からテイルストック軸18周面
までの距離の変化、換言すれば無負荷状態での基準位置
からテイルストック軸18が切込み送り方向に変位する
量を検出するものであり、静電容量型センサや光セン
サ、超音波センサ等、従来から知られている種々の距離
センサ等を適用できるものである。
【0019】この変位量センサ38からの検出信号は、
図1に示すような制御装置40に入力される。この制御
装置40は、制御信号の出力によって上記回転駆動モー
タ34や切込み送りモータ36の駆動による加工動作や
ドレス動作の制御を行う。
【0020】具体的に、この制御装置40は、図4に示
すような変位量設定器41、比較器42、切込み送り制
御器43、変化率演算器44、変化率設定器45、比較
器46、ドレス制御器47、及びモータ制御器48を備
えている。
【0021】変位量設定器(接触判定手段を構成)41
は、予め設定された設定変位量を記憶し、これを比較器
42に出力するものである。この設定変位量は、後述の
ようにワーク10の外歯12と砥石30の内歯32とが
ゼロバックラッシュ状態で接触したと判定するための基
準値となるものである。比較器(接触判定手段を構成)
42は、上記変位量設定器41から入力された設定変位
量と、変位量センサ38で検出される実際の変位量とを
比較し、後者が前者以上となった時に接触判定信号を切
込み送り制御器43に出力するものである。切込み送り
制御器43は、上記比較器42から接触判定信号が出力
される時点、すなわちワーク10と砥石30とがゼロバ
ックラッシュ状態で接触したと判定される時点を基準に
し、モータ制御器48に適宜指令信号を出力して後述の
ように切込み送り速度の制御を行うものである。
【0022】一方、変化率演算器(変化率演算手段)4
4は、上記切込み送り制御器43の制御の下、後述のよ
うに砥石30による実際のワーク10の加工動作が開始
された時点から1個のワークの加工が終了するまでの一
定期間、変位量センサ38で検出される変位量を一定の
サンプリング時間経過毎にサンプリングし、上記サンプ
リング時間当たりの変位量の変化量(すなわち変位量の
時間変化率)を演算するとともに、その平均値を最終的
な上記変位量の平均時間変化率としてワーク加工終了後
に算出し、比較器46に出力するものである。
【0023】変化率設定器(ドレス判定手段を構成)4
5は、上記変位量の平均時間変化率について予め設定さ
れた設定変化率を記憶し、これを比較器46に出力する
ものである。この設定変化率は、後述のように砥石30
のドレスタイミングを判定するための基準値となるもの
である。比較器(ドレス判定手段を構成)46は、上記
変化率設定器45から入力された設定変化率と、変化率
演算器44で算出される実際の変位量の平均時間変化率
とを比較し、後者が前者以上となった時にドレス指令信
号をドレス制御器47に出力するものである。ドレス制
御器47は、上記比較器46からドレス指令信号が出力
された時点で、所定のドレス動作、すなわちワーク10
に代えて設置されたドレス工具に対して砥石30を適当
に切込み送り駆動及び回転駆動してドレスする動作を行
うように、モータ制御器48に適宜指令信号を出力する
ものである。
【0024】モータ制御器48は、上記切込み送り制御
器43やドレス制御器47から出力される指令信号に基
づき、切込み送りモータ36に制御信号を出力してこれ
を実際に適正な速度で作動させるものである。なお、こ
のモータ制御器48からは上記切込み送り量に関する情
報信号が上記切込み送り制御器43やドレス制御器47
に入力されるようになっている。
【0025】次に、この制御装置40の行う加工制御動
作及びドレス制御動作を図5(a)(b)及び図6のグ
ラフも参照しながら説明する。
【0026】ワーク10の割り出し動作(図5点O→
点A):まず、ワーク10と砥石30とが所定距離離間
した位置(図5の点O)から所定切込み送り量taだけ
ワーク10を大きな速度(割出し用速度)で切込み送り
方向に迅速に移動させる。なお、この時の切込み送り量
taは、ワーク10の加工前寸法の大小にかかわらず、
ワーク10と砥石30とがゼロバックラッシュ状態で接
触しないような量に制限されている。
【0027】接触動作(点A→点B):上記割り出し
領域の終点Aに達した後、切込み送り速度を上記割出し
用速度よりも少し小さい接触用速度に落として切込み送
りを続行する一方、適当なタイミングで砥石30の回転
駆動を開始する。この動作中、ワーク10の外歯12が
砥石30の内歯32にバックラッシュを残して接触して
いる間は、ワーク10及び砥石30は大きな抵抗を受け
ることなく同期回転するのみで、両者が互いに受ける反
力はほとんど生じないが、両者がゼロバックラッシュ状
態で噛合い始めると、回転抵抗が急激に増大するととも
に、ワーク10が砥石30から切込み送り方向に受ける
反力も急激に高まり、これを支持するテイルストック軸
18のたわみ量すなわち変位量センサ38により検出さ
れる変位量が急増する。そして、この検出変位量が変位
量設定器41で設定されている設定変位量まで上昇した
時点で比較器42が切込み送り制御器43に接触判定信
号を出力する。
【0028】圧接力付与動作(点B→点C):ワーク
10と砥石30とがゼロバックラッシュ状態で接触して
も、両者間の圧接力が十分高まるまでは、両者が噛合状
態で同期回転してもいわゆる「空回り」の状態となって
実質上の加工はなされない。そこで、上記比較器42か
ら接触判定信号が出力された時点、すなわちワーク10
が砥石30にゼロバックラッシュ状態で接触したと判定
した時点(点B)から上記接触用速度よりも大きな速度
で迅速に所定切込み送り量tcだけ切込み送りを行い、
短時間で圧接力を十分に高めるようにする。
【0029】加工動作(点C→点D):上記切込み送
り量tcの切込み送りが終了した後は、上記切込み送り
速度を所望の加工精度に適応した比較的低い加工用速度
まで落とし、ワーク10表面の仕上げ加工を行う。そし
て、上記接触判定時点(点B)から予め設定された切込
み送り量tdだけ切込み送りを行った後に加工を停止
し、ワーク10を砥石30から離間させる。
【0030】ドレスタイミング判定動作及びドレス制
御動作:上記加工動作と並行して、変化率演算器44
は、上記加工用速度による切込み送りが開始された時点
から1個のワークの加工が終了するまでの一定期間(図
5点C→点D)、変位量センサ38で検出される変位量
を一定のサンプリング時間経過毎にサンプリングし、こ
の変位量の時間変化率を逐次演算するとともに、その平
均値を最終的な上記変位量の平均時間変化率としてワー
ク加工終了後に算出し、比較器46に出力する。
【0031】この平均時間変化率は、図5に示す線分C
Dの傾きとなるが、この変化率は砥石30の切れ味が鈍
くなるほど大きくなる。なぜならば、砥石30の切れ味
が鈍ると、ワーク10に対して砥石30を所定量切込み
送りした時に砥石30がワーク10を実際に切り込む量
が減少し、その分ワーク10が砥石30から逃げる方向
(図1では左方)により大きく変位するからである。
【0032】そこで上記比較器46は、上記変化率演算
器44で算出された変化率が変化率設定器45に記憶さ
れている設定変化率以上となった場合に現時点がドレス
実行に適したタイミングであると判定し、ドレス指令信
号をドレス制御器47に出力する。ドレス制御器47
は、このドレス指令信号が出力された時点で、次のワー
ク10の加工を一旦中止させ、ワーク10に代えてドレ
ス工具を所定位置に移送させ、モータ制御器48に指令
信号を出力して上記ドレス工具に対し砥石30を適当に
切込み送り駆動及び回転駆動させることにより、実際の
ドレス動作を行わせる。
【0033】以上のように、この方法及び装置では、各
ワーク10の加工中にテイルストック軸18のたわみ量
(基準位置からの変位量)を検出し、この検出たわみ量
の時間変化率に基づいて砥石30のドレスタイミングを
判定するようにしているので、従来のようにワーク加工
数でドレスタイミングを判断するものと比べ、実際の砥
石30の状態により即したタイミングでドレスを実行す
ることができる。これにより、砥石30の切れ味が不十
分なままドレスをせずにワーク加工を実行し、あるいは
砥石30の切れ味がまだ十分であるにもかかわらずその
ドレスを行うといった不都合を未然に防ぐことができ、
経済的に能率良く砥石30のドレスを行いながら、ワー
ク10の加工精度を常に良好に保つことができる。
【0034】また、この実施例装置では、変位量センサ
38により検出されるテイルストック軸18のたわみ量
に基づいてワーク10と砥石30とがゼロバックラッシ
ュ状態で接触する時点が逐次自動的に判定されるので、
予め手作業でゼロバックラッシュ位置を探索するといっ
た操作が不要になり、作業者の負担が大幅に軽減され
る。しかも、このゼロバックラッシュ位置の判定はワー
ク10の加工前寸法の大小にかかわらず各ワーク10に
ついて正確に行われるので、この判定結果に基づき、実
際のワーク10と砥石30との接触状態に応じた適正な
切込み送り速度の制御が各ワーク10毎に実行されるこ
ととなり、加工時間のロスも大幅に削減され、能率の高
い加工が実現される利点がある。
【0035】また、上記のようにゼロバックラッシュ位
置が正確に判定されるため、この実施例のように接触判
定時点(点B)から一定の切込み送り量tdだけ切込み
送りを行った後に加工を停止させることにより、ワーク
10の加工前に寸法バラツキがあるにもかかわらず、各
ワーク10について常に略一定の切込み量を確保するこ
とができる。このため、ワーク10の加工精度(特に形
状精度)が安定し、いわゆる「黒皮残り」の発生も未然
に防がれる。
【0036】なお、この実施例では上記検出たわみ量の
時間変化率を基準にドレスタイミングを判定している
が、実質的にはワーク10の切込み送り量に対する検出
たわみ量の時間変化率を基準に上記判定を行っているの
と同じであり、時間変化率、切込み送り量に対する変化
率のいずれを選んでも同様の効果が得られる。従って、
いずれを選ぶかは装置の具体的な構成等に応じて任意に
決めればよい。
【0037】また、変化率の演算方法については、上記
のように各サンプリング時間ごとに求めた変位量の時間
変化率を平均する他、実質的に変化率を演算できるもの
であれば良く、例えば全検出量のデータから図5に示す
線分CDの直線式を最小自乗法等を用いて算出し、その
傾きを変化率として採用するようにしてもよい。
【0038】次に、第2実施例を図6に基づいて説明す
る。
【0039】前記第1実施例に示す装置のように、変位
量センサ38の検出撓み量に基づいてワーク10と砥石
30のゼロバックラッシュ状態での接触時点が逐次自動
的に判定される装置では、ワーク10の加工前寸法の大
小にかかわらず、上記接触が行われた時点を基準に一定
の条件下でワーク10の加工動作が進められるので、あ
る2つのワーク10の加工後に求められた上記検出たわ
み量の時間変化率が互いに等しい場合には、上記接触判
定時点から一定の切込み送りを行った時点での検出たわ
み量の絶対値も等しくなる。すなわち、このように実際
のゼロバックラッシュ状態での接触判定時点に基づいて
ワーク加工が制御される装置では、上記検出たわみ量の
時間変化率を直接演算しなくても、上記接触判定時点か
ら一定量切込み送りした時(すなわち一定時間が経過し
た時)の検出たわみ量の値そのものの大小で砥石10の
切れ味を適正に判定できることになる。
【0040】そこでこの第2実施例では、前記第1実施
例に示した変化率演算器44が省略され、同実施例の変
化率設定器45に代えて変位量設定器49が設けられる
とともに、ワーク10の加工が終了した時点(上記接触
判定時点から一定切込み送り量tdだけ切込み送りが行
われた時点;点D)での検出たわみ量が上記変位量設定
器49で設定されている設定変位量以上となった時にド
レス指令信号を出力するように比較器46が構成されて
いる。
【0041】このような装置によれば、ワーク加工終了
時の検出たわみ量の大小をみるだけで、実質的に上記検
出たわみ量の時間変化率に基づくタイミング判定を行え
ることになり、前記第1実施例における変化率演算器4
4を省略できる分、装置の簡略化及びコストの低減をよ
り進めることができる。
【0042】なお、この実施例ではワーク加工終了時点
での検出たわみ量に基づいてドレスタイミングを判定し
ているが、このタイミング判定はワーク加工が実質上開
始された時点(図5点C)から一定の切込み送り量だけ
切込み送りした時点(加工速度が一定であれば一定時間
が経過した時点)での検出たわみ量をみればよく、図5
の例では点C,D間の任意の時点での検出たわみ量をみ
ればよい。ただし、この場合も点Dに近い時点を選ぶほ
ど判定精度は良くなる。
【0043】また、本発明は以上の実施例に限定される
ものでなく、例として次のような態様をとることも可能
である。
【0044】(1) 上記実施例では、外歯車状のワーク1
0を加工する装置を示したが、内歯車状のワークを加工
する場合には、これに内接する外歯車状の砥石を用いれ
ばよい。この場合には、外歯車状部材である砥石の支持
系もしくは砥石そのものの変位量を検出すればよい。
【0045】(2) 上記実施例では、砥石30を回転駆動
してこれにワーク10を従動させるギアホーニング加工
装置を示したが、ワーク10を回転駆動する装置や、砥
石30とワーク10の双方を回転駆動する装置にも本発
明を適用することができる。また、上記実施例では砥石
30を切込み送り方向にスライド駆動する装置を示した
が、ワーク10を移動させる装置や、ワーク10と砥石
30とを相互逆方向にスライド駆動する装置にも本発明
を適用することができる。
【0046】(3) 上記実施例では、検出たわみ量による
ゼロバックラッシュ状態での接触判定時点を基準に加工
動作が制御される装置を示したが、本願請求項1,2記
載の方法及び装置では、ギアホーニング加工装置の実際
の加工制御動作を問わない。ただし、上記実施例のよう
にゼロバックラッシュ状態での接触が開始された時点か
らは一定の条件下で加工動作を制御するようにすれば、
請求項3記載に記載されるように上記接触開始時点から
一定の切込み送り後(もしくは一定時間経過後)の検出
たわみ量の大小だけでドレスタイミングを判定できる利
点が生じる。また、この装置では、単一の変位検出手段
をドレスタイミング判定用及びゼロバックラッシュ接触
の判定用として兼用できる利点もある。
【0047】(4) 上記実施例では、ゼロバックラッシュ
状態での接触が開始された時点で切込み送り速度を変化
させるものを示したが、本願請求項3記載の装置はこれ
に限らず、接触判定時点から一定時間ずれたタイミング
で切込み送り速度を変える制御を行うものにも有効に適
用できる。例えば図5(a)(b)に示した制御例にお
いて、接触判定時点(点B)を過ぎた後も速度を変え
ず、この時点から一定の切込み送り量tcだけ切込み送
りした時点(点C)で加工用速度に落とすといった制御
を行う場合でも、この点Cでの速度の切換時期を上記接
触判定時点に基づいて適正に判断することができ、従っ
てこの時点を過ぎてからの検出たわみ量の大小だけで適
正なドレスタイミングの判定を行うことができる。
【0048】(5) 上記実施例において、非接触式の変位
量センサ38に代え、テイルストック軸18の周面に直
接ひずみゲージを貼り付け、このテイルストック軸18
のたわみ量を検出するようにしても上記と同様の効果を
得ることができる。また、変位量の検出対象は上記テイ
ルストック軸18に限らず、上記実施例のようにワーク
10が外歯車状部材である場合には、ワーク支持系の他
の部分例えば主軸16や、ワーク10そのものの変位量
を検出するようにしてもよい。逆に砥石30が外歯車状
部材である場合には、砥石支持系の適当な部分あるいは
砥石30そのものの変位量を検出すればよい。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明は、ワークと砥石が
互いに内接する歯車状に形成されているギアホーニング
加工装置において、外歯車状部材もしくはその支持部材
の変位量の切込み送り量に対する変化率に基づき、上記
砥石のドレスタイミングを判定するようにしたものであ
るので、従来のようにワーク加工回数でドレスタイミン
グを判定するものと比べ、実際の砥石の状態により即し
たドレスタイミングの判定を行うことができ、これによ
り、経済的かつ能率良く砥石のドレスを行いながら、常
に良好なワークの加工精度を確保することができる効果
がある。
【0050】さらに、請求項3記載の装置では、上記変
位検出手段の検出変位量を利用してワークと砥石とがゼ
ロバックラッシュ状態で接触する時点を判定し、この接
触判定時点に基づいて切込み送り速度の制御を行うよう
にした上で、上記接触判定時点から一定量の切込み送り
が行われた時点での検出変位量の大小に基づいてドレス
タイミングを判定するようにしているので、上記変位量
の変化率を演算する手段を不要にし、かつ変位検出手段
をドレスタイミング判定用とゼロバックラッシュ接触判
定用として兼用することができ、これにより装置をより
簡略化し、コストを削減することができる効果がある。
また、上記ゼロバックラッシュ状態での接触を判定する
ことにより、実際のワークと砥石との接触状態に応じた
適正な切込み送り制御を自動的に行うことができる利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるギアホーニング加
工装置の一部断面正面図である。
【図2】上記ギアホーニング加工装置の要部を示す一部
断面側面図である。
【図3】上記ギアホーニング加工装置の要部を示す一部
断面平面図である。
【図4】上記ギアホーニング加工装置に設けられる制御
装置の機能ブロック図である。
【図5】(a)は上記ギアホーニング加工装置において
検出されるテイルストック軸のたわみ量の時間変化を示
すグラフ、(b)は上記ギアホーニング加工装置におけ
る切込み送り量の時間変化を示すグラフである。
【図6】第2実施例におけるギアホーニング加工装置に
設けられる制御装置の機能ブロック図である。
【図7】一般のギアホーニング加工装置における砥石と
ワークとの噛合状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ワーク 14 ワーク支持台(ワーク支持部材) 16 主軸(ワーク支持部材) 18 テイルストック軸(ワーク支持部材) 20 べッド(砥石支持部材) 22 砥石支持台(砥石支持部材) 24 軸受(砥石支持部材) 30 砥石 34 回転駆動モータ(回転駆動手段) 36 切込み送りモータ(切込み送り手段) 38 変位量センサ(変位検出手段) 40 制御装置 41 変位量設定器(接触判定手段を構成) 42 比較器(接触判定手段を構成) 43 切込み送り制御器(切込み送り制御手段を構成) 44 変化率演算器(変化率演算手段) 45 変化率設定器(ドレス判定手段を構成) 46 比較器(ドレス判定手段を構成) 47 ドレス制御器 48 モータ制御器(切込み送り制御手段を構成) 49 変位量設定器(ドレス判定手段を構成)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−252358(JP,A) 特開 平2−237766(JP,A) 実開 平4−63328(JP,U) 実開 昭61−159159(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23F 19/05 B24B 53/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯車状のワークを回転可能に支持するワ
    ーク支持部材と、上記ワークの歯に対しこれに内接した
    状態で噛合される歯車状に形成された砥石と、この砥石
    を回転可能に支持する砥石支持部材と、上記砥石と上記
    ワークとをその径方向に相対移動させる切込み送り手段
    と、上記砥石とワークとを両者が噛合された状態で相対
    回転させる回転駆動手段とを備え、上記切込み送り手段
    により砥石とワークとを両者が圧接する方向に予め定め
    られた速度で相対移動させながら噛合状態で相対回転さ
    せることによりワーク表面を加工するギアホーニング加
    工装置において、上記砥石、ワークのうち外歯車状の部
    材もしくはこれを支持する支持部材の基準位置からの変
    位量を検出し、加工中における切込み送り手段によるワ
    ークと砥石との相対移動量に対する上記検出変位量の変
    化率が予め設定した値を超えた時点で上記砥石のドレス
    を行うことを特徴とするギアホーニング加工装置のドレ
    スタイミング判定方法。
  2. 【請求項2】 歯車状のワークを回転可能に支持するワ
    ーク支持部材と、上記ワークの歯に対しこれに内接した
    状態で噛合される歯車状に形成された砥石と、この砥石
    を回転可能に支持する砥石支持部材と、上記砥石と上記
    ワークとをその径方向に相対移動させる切込み送り手段
    と、上記砥石とワークとを両者が噛合された状態で相対
    回転させる回転駆動手段とを備え、上記切込み送り手段
    により砥石とワークとを両者が圧接する方向に予め定め
    られた速度で相対移動させながら噛合状態で相対回転さ
    せることによりワーク表面を加工するギアホーニング加
    工装置において、上記砥石、ワークのうち外歯車状の部
    材もしくはこれを支持する支持部材の基準位置からの変
    位量を検出する変位検出手段と、上記加工中における切
    込み送り手段によるワークと砥石との相対移動量に対す
    る上記検出変位量の変化率を演算する変化率演算手段
    と、この演算された変化率が予め設定した値を超えた時
    点で上記砥石のドレス指令を出力するドレス判定手段と
    を備えたことを特徴とするギアホーニング加工装置のド
    レスタイミング判定装置。
  3. 【請求項3】 歯車状のワークを回転可能に支持するワ
    ーク支持部材と、上記ワークの歯に対しこれに内接した
    状態で噛合される歯車状に形成された砥石と、この砥石
    を回転可能に支持する砥石支持部材と、上記砥石と上記
    ワークとをその径方向に相対移動させる切込み送り手段
    と、上記砥石とワークとを両者が噛合された状態で相対
    回転させる回転駆動手段とを備え、上記切込み送り手段
    により砥石とワークとを両者が圧接する方向に予め定め
    られた速度で相対移動させながら噛合状態で相対回転さ
    せることによりワーク表面を加工するギアホーニング加
    工装置において、上記砥石、ワークのうち外歯車状の部
    材もしくはこれを支持する支持部材の基準位置からの変
    位量を検出する変位検出手段と、加工開始時に上記砥石
    とワークとが離間した状態から互いに接近する際に上記
    変位検出手段で検出された変位量に基づいて砥石とワー
    クとがその間にバックラッシュを残さない程度まで接触
    した時点を判定する接触判定手段と、この接触判定手段
    により接触と判定された時点を基準に切込み送り速度を
    変化させる切込み送り制御手段と、上記接触判定手段に
    より接触が判定された時点から一定量の切込み送りを行
    った後に上記変位検出手段により検出される変位量が予
    め設定した値を超えた時点で上記砥石のドレス指令を出
    力するドレス判定手段とを備えたことを特徴とするギア
    ホーニング加工装置のドレスタイミング判定装置。
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