JP3050712B2 - ギアホーニング加工方法 - Google Patents

ギアホーニング加工方法

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JP3050712B2
JP3050712B2 JP2014293A JP2014293A JP3050712B2 JP 3050712 B2 JP3050712 B2 JP 3050712B2 JP 2014293 A JP2014293 A JP 2014293A JP 2014293 A JP2014293 A JP 2014293A JP 3050712 B2 JP3050712 B2 JP 3050712B2
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邦夫 大沢
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23FMAKING GEARS OR TOOTHED RACKS
    • B23F19/00Finishing gear teeth by other tools than those used for manufacturing gear teeth
    • B23F19/05Honing gear teeth
    • B23F19/057Honing gear teeth by making use of a tool in the shape of an internal gear

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯車状のワーク表面を
これに噛合する砥石によって加工するギアホーニング加
工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、歯車状のワークの歯面を仕上げ加
工する手段として、ギアホーニング加工方法が知られて
いる。この方法は、例えば図12に示すような外歯車状
のワーク90を加工する場合、上記ワーク90に噛合う
内歯車状の砥石92を用意し、上記ワーク90を図の実
線に示す位置から同図矢印A1に示すような切込み送り
方向に移動させて図の二点鎖線位置すなわち砥石92と
バックラッシュがなくなる状態まで噛合う位置へ移動さ
せ、さらに上記切込み送りを行いながら砥石92及びワ
ーク90を矢印A2方向に回転させることにより、上記
ワーク90の歯面を加工するものである。
【0003】ところで、このようなギアホーニング加工
では、上記ワーク90の切込み送り速度をその位置に応
じて適宜制御する必要がある。具体的には、一例として
図13(a)に示すように、ワーク90と砥石92が接
触するまでは、加工時間を短縮するために可及的速やか
にワーク90を砥石92に近付け(割り出し;切込み送
り位置は0→X0)、その後、両者の間に加工を行うの
に十分な圧接力が生じるまでは上記割り出しの速度より
も少し低い速度で切込み送りし(切込み送り位置X0→
X1)、実際に加工を行う際にはさらに低い速度(加工
用速度)で切込み送りを行い、一定の切込み送り位置
(仕上げ寸法位置)X2に達した時点で加工を終了する
といった制御が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記ギアホーニング加
工が実行されるワークには、予め前加工が施されている
が、この前加工でのワークの切込み寸法にはバラツキが
あり、よってギアホーニング加工前の各ワークの寸法に
もバラツキがある。しかしながら、従来のギアホーニン
グ加工では、ワークの寸法バラツキに関係なく一定の切
込み送り位置X1まで急速に切込み送りした後、低速で
加工を開始しているので、ワークの研削負荷もその寸法
によってばらついてしまう。具体的に、前加工時の切込
み寸法が小さいワーク(すなわち径寸法が大きいワー
ク)は、前加工時の切込み寸法が大きいワーク(すなわ
ち径寸法が小さいワーク)よりも早く砥石と接触するの
で、すべてのワークに対して同じ加工動作を行っても、
実際の研削負荷はワーク寸法に応じて大きく変動するこ
とになる。例えば、前加工時の切込み寸法が過小である
場合には、図13(b)に実線で示すように加工開始時
の研削負荷が過大となり、この研削負荷は加工中に漸次
減少することとなり、逆に前加工時の切込み寸法が過大
である場合には、同図に二点鎖線で示すように加工開始
時の研削負荷が過小となり、この研削負荷は加工に伴っ
て漸次増大することとなる。従って、同じ仕上げ寸法位
置X2で切込み送りを停止しても、これに至るまでの研
削状態が異なるために実際のワークの仕上げ寸法は大き
くばらつき、安定した歯面精度が得られない不都合があ
る。
【0005】本発明は、このような事情に鑑み、加工前
のワークの寸法にばらつきがある場合でも、常に安定し
た歯面精度でワークを仕上げることができるギアホーニ
ング加工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記ギアホーニング加工
において、研削負荷以外の加工条件(例えば切込み送り
速度等)が一定の場合、加工開始時の研削負荷が小さい
と、この研削負荷が加工中に増大し、逆に加工開始時の
研削負荷が大きいと、この研削負荷が加工中に減少し
て、いずれの場合も最終的に一定の負荷(以下、収束研
削負荷と称する。)に収束しようとする。従って、当初
から上記収束研削負荷を与えた状態で加工を開始するよ
うにすれば、終始、研削負荷をほぼ一定に保てることに
なる。
【0007】本発明は、この点に着目してなされたもの
であり、歯車状のワークと歯車状の砥石とを噛合しなが
ら両者が互いに圧接する方向である切込み送り方向に相
対移動させかつ相対回転させることによりワーク表面を
加工するギアホーニング加工方法において、予め設定さ
れた設定加工条件で加工を行った場合に最終的に収束す
る収束研削負荷を加工前に調べておき、加工用切込み送
り速度よりも高い切込み送り速度で前記ワークと砥石と
を近づけ、研削負荷が上記収束研削負荷に達した時点か
ら上記設定加工条件での加工を開始し、上記ワークと砥
石とを予め設定された一定の仕上げ寸法位置まで上記切
込み送り方向に相対移動させた時点で加工を終了するも
のである(請求項1)。
【0008】ここで、上記研削負荷の監視については、
加工中に上記ワークを支持する部材もしくは上記砥石を
支持する部材の上記切込み送り方向への変位量を検出
し、この変位量が上記収束研削負荷に対応する変位量に
達した状態で加工を開始するようにしてもよい(請求項
2)
【0009】さらに、上記方法において、加工中に上記
収束研削負荷を一旦除去し、再び収束研削負荷を与えて
加工を再開したり(請求項)、加工中に上記ワークと
砥石との相対回転方向を反転させる(請求項)ように
してもよい。
【0010】
【作用】上記方法によれば、実際の加工を行う前に一定
の設定加工条件での収束研削負荷を調べておき、加工用
切込み送り速度よりも高い切込み送り速度で前記ワーク
と砥石とを近づけ、研削負荷が上記収束研削負荷に達し
た時点から上記設定加工条件での加工用切込み送り速度
による切込み送りを開始するようにしているので、加工
状態は常にほぼ一定に保つことができる。従って、この
ような加工を続け、一定の仕上げ寸法位置で切込み送り
を終了することにより、加工前のワーク寸法にばらつき
がある場合でも、加工後のワークの仕上げ寸法を最終的
に一定に保つことができる。
【0011】ここで、上記研削負荷と、上記ワークを支
持する部材もしくは砥石を支持する部材の切込み送り方
向への変位量との間にはほぼ比例関係が成立するので、
請求項2記載の方法のように、上記変位量の検出によっ
て研削負荷を把握することができる
【0012】この加工において、ワークの必要切込み送
り量が大である場合には、その途中で切れ味が低下し、
連続加工が困難となるおそれがあるが、請求項3,4
載の方法のように、加工中に上記収束研削負荷を一旦除
去し、その後再び収束研削負荷を与えて加工を再開した
り、加工中に上記ワークと砥石との相対回転方向を反転
させたりすれば、切れ味を低下させることなく終始良好
な加工を行うことができる。この場合も、加工中の研削
負荷は一定に保たれるので、ワークの最終仕上げ寸法に
影響はほとんど与えられない。
【0013】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図5に基づいて
説明する。
【0014】図1〜3に示すギアホーニング加工装置
は、ワーク10を支持するワーク支持系と、これを加工
するための砥石30を支持する砥石支持系とを備えてい
る。
【0015】上記ワーク10は、その全周にわたり外歯
12をもつ外歯車状に形成されている。ワーク支持系と
しては、図2に示すようなワーク支持台14が設置され
ている。このワーク支持台14上には、横向きに主軸1
6が設置されるとともに、この主軸16と対向した状態
でその軸方向(水平方向)にスライド可能にテイルスト
ック軸18が設置されている。そして、このテイルスト
ック軸18と上記主軸16とでワーク10が水平軸回り
(外歯車の中心軸回り)に回転可能に挾持されている。
【0016】砥石支持系としては、べッド20上に砥石
支持台22が水平方向(図1の左右方向;以下、切込み
送り方向と称する。)にスライド可能に設置され、この
砥石支持台22にリング状の軸受24が保持されてい
る。この軸受24は、上記砥石支持台22側に固定され
る外輪25と、この外輪25内にボール等を介して回転
可能に保持される内輪26とを有し、この内輪26の内
周面に沿い、位置決めリング28等を用いて上記砥石3
0が固定されている。すなわち、砥石30は砥石支持台
22に対して上記ワーク10の回転中心軸に対して任意
に角度設定ができ、回転可能に支持されている。この砥
石30の内周面には、上記ワーク10と内接し、かつそ
の外歯12と噛合可能な内歯32が形成されている。
【0017】上記砥石支持台22には、回転駆動モータ
34が取付けられ、べッド20には切込み送りモータ3
6が取付けられている。上記回転駆動モータ34は、上
記砥石支持台22に対して砥石30を回転駆動するもの
であり、切込み送りモータ36は、上記べッド20に対
して砥石支持台22を切込み送り方向にスライド駆動す
るものである。
【0018】上記テイルストック軸18のすぐ側方の位
置には、非接触式の変位量センサ38が設けられてい
る。この変位量センサ38は、その検出部からテイルス
トック軸18周面までの距離の変化、換言すれば無負荷
状態での基準位置からテイルストック軸18が切込み送
り方向に変位する量を検出するものであり、静電容量型
センサや光センサ、超音波センサ等、従来から知られて
いる種々の距離センサ等を適用できるものである。
【0019】この変位量センサ38からの検出信号は、
図1に示すような制御装置40に入力される。この制御
装置40は、制御信号の出力によって上記回転駆動モー
タ34や切込み送りモータ36の駆動制御を行う。
【0020】具体的に、この制御装置40は、上記切込
み送りモータ36の駆動を制御する手段として、図4に
示すような変位量設定器42、比較器44、切込み送り
制御器46、及びモータ制御器48を備えている。
【0021】変位量設定器42は、実際の加工を行う前
に設定された設定変位量を記憶し、これを比較器44に
出力するものである。この設定変位量は、後述のように
加工前に予め調べられた収束研削負荷がワーク10及び
砥石30に作用している時のテイルストック軸18の変
位量が設定されている。
【0022】比較器44は、上記変位量設定器42から
入力された設定変位量と、変位量センサ38で検出され
る実際の変位量とを比較し、後者が前者以上となった時
に加工開始指令信号を切込み送り制御器46に出力する
ものである。
【0023】切込み送り制御器46は、上記比較器44
から加工開始指令信号が出力された時点を基準にし、モ
ータ制御器48に適宜制御信号を出力して後述のように
切込み送り速度の制御を行うものである。モータ制御器
48は、上記切込み送り制御器46から出力される指令
信号に基づき、切込み送りモータ36に制御信号を出力
してこれを実際に適正の速度で作動させるものである。
なお、この実施例では上記切込み送りモータ36として
サーボモータが用いられ、モータ制御器48からはパル
ス信号が出力され、そのステップ数が切込み送り制御器
46に入力されるようになっている。
【0024】次に、この装置を用いたギアホーニング加
工方法を説明する。
【0025】A)収束研削負荷の調査:まず、実際に加
工を行う前に、予め設定された加工条件で加工を進めた
場合に研削負荷が最終的に収束するであろう値(収束研
削負荷)を調べる。この収束研削負荷は、上記加工条件
で試験的に本加工時と同様の加工動作を行い、その時の
研削負荷の動向を調べることにより、求めることができ
る。具体的には、既に前記図13(a)で説明したよう
な加工動作を前もって試験的に行う。
【0026】まず、ワーク10と砥石30とが所定距離
離間した位置(図13(a)のグラフの原点)から所定
切込み送り位置X0までワーク10を大きな速度(割出
し用速度)で切込み送り方向に迅速に移動させる。な
お、この時の切込み送り位置X0は、ワーク10の加工
前寸法の大小にかかわらず、ワーク10と砥石30とが
ゼロバックラッシュ状態で接触しないような量に制限す
る。
【0027】この割り出し終了後、切込み送り速度を上
記割出し用速度よりも少し小さい圧接用速度に落として
切込み送りを続行する一方、適当なタイミングで砥石3
0の回転駆動を開始する。この動作中、ワーク10の外
歯12が砥石30の内歯32にバックラッシュを残して
接触している間は、ワーク10及び砥石30は大きな抵
抗を受けることなく回転するのみで、両者が互いに受け
る反力はほとんど生じないが、両者がゼロバックラッシ
ュ状態で噛合い始めると、回転抵抗が急激に増大すると
ともに、ワーク10が砥石30から切込み送り方向に受
ける反力も急激に高まり、これを支持するテイルストッ
ク軸18の撓み量すなわち変位量センサ38により検出
される変位量が急増する。このような圧接用速度で切込
み送り位置X1まで切込み送りを行った後、切込み送り
速度を所望の加工精度に適応した比較的低い加工用速度
まで落とし、ワーク10表面の仕上げ加工を開始する。
【0028】この加工開始時点(位置X1、時刻T1)
での研削負荷が大きすぎる場合には、図13(b)の実
線に示すように加工中に研削負荷が低下し、逆に上記加
工開始時点での研削負荷が小さすぎる場合には、図13
(b)の二点鎖線に示すように加工中に研削負荷が増大
する。いずれの場合も研削負荷はある決まった一定の研
削負荷(収束研削負荷)に収束しようとし、よって変位
量センサ38で検出されるテイルストック軸18の撓み
量も一定の値に収束しようとする。そこで、上記のよう
な模擬加工動作を一回もしくは複数回行って上記収束値
を見つけ、これを収束撓み量として変位量設定器42に
記憶させる。
【0029】B)実際のワーク加工:上記のようにして
収束研削負荷に対応する変位量の設定が終了した後、図
5(a)(b)に示すような実際の加工動作に移る。ま
ず、上記と同様に切込み送り位置X0まで割り出し用速
度で急速に砥石30をワーク10に近付けた後、これよ
りも少し小さい圧接用速度(加工用切込み送り速度より
も高い速度)で切込み送りを続ける。
【0030】ここで、比較器44は、前記変位量設定器
42で設定される変位量(すなわち収束研削負荷に対応
する変位量)と現在変位量センサ38で検出されている
変位量とを比較し、前者が後者に到達した時点で切込み
送り制御器46に加工開始指令信号を出力する。切込み
送り制御器46は、現在の切込み送り位置に関係なく、
上記加工開始指令信号が入力された時点で切込み送り速
度を圧接用速度から加工用速度(加工用切込み送り速
度)に切換え、本格的な加工動作を開始する。
【0031】この加工動作では、上記模擬加工動作と同
じ加工条件(同じ切込み送り速度、同じ砥石回転速度
等)で加工が進められる。また、当初から上記収束研削
負荷で加工が開始されるので、図5(b)に示すよう
に、ワーク10の前加工での切込み送り寸法が小さい場
合(同図実線)でも、前加工での切込み送り寸法が大き
い場合(同図二点鎖線)でも、ともに加工中一定の収束
研削負荷を保ちながら加工が進められる。従って、どの
場合も、一定の切込み送り位置(仕上げ寸法位置)X2
まで切込み送りを行った時点で加工動作を終了すること
により、ワークの前加工寸法にかかわらず、ギアホーニ
ング加工後の最終仕上げ寸法を略一定にすることができ
る。
【0032】なお、加工に要する時間については、加工
前の寸法が大きいワークに要する時間(T1〜T2)の
方が、加工前の寸法が小さいワークに要する時間(T
1′〜T2′)よりも長くなる。加工中の切込み送り速
度については、終始一定に保っておくことが望ましい。
これにより、砥石30によるワーク10の切込み状態は
より安定化される。
【0033】また、この実施例において、上記非接触式
の変位量センサ38に代え、テイルストック軸18の周
面に直接ひずみゲージを貼り付け、このテイルストック
軸18の撓み量を検出するようにしても上記と同様の効
果を得ることができる。変位量の検出対象も上記テイル
ストック軸18に限らず、ワーク支持系の他の部分例え
ば主軸16や、ワーク10そのものの変位量を検出する
ようにしてもよい。
【0034】次に、第2実施例を説明する。
【0035】上記実施例において、ワーク10の加工前
寸法が大きい場合には、その分ギアホーニング加工での
切込み量が多くなるが、この切込み量が多すぎると、加
工の途中で砥石30の切れ味が低下し、最後まで良好な
加工を続けられなくなるおそれがある。
【0036】そこで、この実施例では、図6(a)
(b)に実線で示すように、上記切込み送り量が大の場
合、その途中で砥石30を切込み送りと逆の方向に移動
させて一旦研削負荷を解除し、再び切込み送りを行って
研削負荷を収束研削負荷まで復帰させて加工を続行する
ようにしている。この方法によれば、多量の切込み送り
を行わなければならない場合でも、その途中で一旦研削
負荷を解除することにより、砥石30の切れ味を復活さ
せることができ、終始良好な加工を確保することができ
る。しかも、上記負荷を除去する時以外の加工動作時に
は終始収束研削負荷を維持しているので、前記第1実施
例と同様に安定した最終仕上げ寸法を得ることができ
る。
【0037】さらに、このような負荷除去を行う場合、
第3実施例として図7(a)(b)に示すように、負荷
除去中に砥石の回転方向を逆転させれば、砥石30の切
れ味をより著しく復活させることができる。この場合
も、通常の加工時には収束研削負荷を維持することが必
要なのはいうまでもない。
【0038】*実験データ 図8(a)(b)は、従来のギアホーニング加工方法及
び上記第1,第2実施例のギアホーニング加工方法を行
った時のテイルストック軸18の撓み量の時間変化を調
べた結果を示したものであり、同図(a)は従来法、同
図(b)は第1実施例の方法、同図(c)は第2実施例
の方法をそれぞれ実施したときの撓み量変化を示してい
る。これらの図から明らかなように、従来のギアホーニ
ング加工法では、加工中に研削負荷が漸次変化する(図
例では増大する)のに対し、上記各実施例のギアホーニ
ング加工法によれば、高周波数成分を除いて大略的にテ
イルストック軸18の撓み量を一定(すなわち研削負荷
を一定)に保つことができる。
【0039】図9は、互いに異なる24個のワークを従
来法で加工したときのワーク寸法、圧力角誤差、及びね
じれ角誤差を上段、中段、下段にそれぞれ示したもので
あり、図10は互いに異なる18個のワークを本発明方
法で加工したときのワーク寸法、圧力角誤差、及びねじ
れ角誤差を上段、中段、下段にそれぞれ示したものであ
る。図9に示すように、従来方法では、ワークの加工前
寸法のばらつきに応じて加工後の仕上げ寸法も大きくば
らついており、また圧力角やねじれ角にも大きなばらつ
きが生じているが、図10に示すように、本発明方法に
よれば、ワークの加工前寸法のばらつきにかかわらず、
仕上げ寸法、圧力角、ねじれ角がほぼ一定している。す
なわち、本発明方法によれば、従来に比べてワークの歯
面精度の安定性を飛躍的に高めることができる。
【0040】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のでなく、例として次のような態様をとることも可能で
ある。
【0041】(1) 上記実施例では、外歯車状のワーク1
0を加工する装置を示したが、内歯車状のワークを加工
する場合には、これに内接する外歯車状の砥石を用いれ
ばよい。この場合、前記実施例のように変位量に基づく
研削負荷検出を行うのには、砥石の支持系もしくは砥石
そのものの変位量を検出すればよい。
【0042】(2) 上記実施例では、砥石30を回転駆動
してこれにワーク10を従動させるものを示したが、ワ
ーク10を回転駆動するようにしてもよいし、砥石30
とワーク10の双方を回転駆動するようにしてもよい。
また、上記実施例では砥石30を切込み送り方向にスラ
イド駆動するものを示したが、ワーク10を移動させる
ようにしてもよいし、ワーク10と砥石30とを相互逆
方向にスライド駆動するようにしてもよい。
【0043】(3) 前記実施例で示した装置において、研
削負荷が増大するとこれに伴って回転駆動モータ34の
モータ電流も急増する。従って、図11に示すように、
上記モータ電流に基づいて研削負荷を把握し、加工開始
時点の判断を行うようにしてもよい。具体的に、図示の
制御装置40には、前記第1実施例における変位量設定
器42に変え、モータ電流設定器42′を設けるように
すれば良い。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明は、実際の加工を行
う前に一定の設定加工条件での収束研削負荷を調べてお
き、加工用切込み送り速度よりも高い切込み送り速度で
前記ワークと砥石とを近づけ、研削負荷が上記収束研削
負荷に達した時点から上記設定加工条件での加工を開始
し、上記ワークと砥石とを予め設定された一定の仕上げ
寸法位置まで上記切込み送り方向に相対移動させた時点
で加工を終了するようにしたものであるので、加工前の
ワーク寸法にばらつきがある場合でも、加工後のワーク
の仕上げ寸法等を一定にすることができ、常に安定した
歯面精度を得ることができる効果がある。
【0045】請求項2記載の方法では、上記ワークを支
持する部材や砥石を支持する部材の切込み送り方向への
変位量を検出することにより、実際の研削負荷を正確に
把握することができる効果がある
【0046】さらに、請求項3,4記載の方法は、加工
中に上記収束研削負荷を一旦除去し、再び収束研削負荷
を与えて加工を再開し、または加工中に上記ワークと砥
石との相対回転方向を反転させるものであるので、多量
の切込み送りを行わなければならない場合にも、途中で
切れ味を低下させることなく終始良好な加工を行うこと
ができる。しかも、加工動作中の研削負荷は一定に保つ
ことにより、加工後のワークの歯面精度は上記と同様に
安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例において用いられるギアホ
ーニング加工装置の一部断面正面図である。
【図2】上記ギアホーニング加工装置の要部を示す一部
断面側面図である。
【図3】上記ギアホーニング加工装置の要部を示す一部
断面平面図である。
【図4】上記ギアホーニング加工装置に設けられる制御
装置の機能ブロック図である。
【図5】(a)は上記ギアホーニング加工装置による加
工時の切込み送り位置の時間変化を示すグラフ、(b)
は同装置における研削負荷の時間変化を示すグラフであ
る。
【図6】(a)は第2実施例における加工時の切込み送
り位置の時間変化を示すグラフ、(b)は同装置におけ
る研削負荷の時間変化を示すグラフである。
【図7】(a)は第3実施例における加工時の切込み送
り位置の時間変化を示すグラフ、(b)は同装置におけ
る研削負荷の時間変化を示すグラフである。
【図8】(a)(b)(c)は、従来方法、第1実施例
方法、第2実施例方法をそれぞれ実施したときの研削負
荷の時間変化を調べた結果を示すグラフである。
【図9】従来のギアホーニング加工方法により多数のワ
ークを加工した時のワーク加工後寸法、圧力角誤差、ね
じれ角誤差をそれぞれ示すグラフである。
【図10】本発明のギアホーニング加工方法により多数
のワークを加工した時のワーク加工後寸法、圧力角誤
差、ねじれ角誤差をそれぞれ示すグラフである。
【図11】他の実施例における制御装置の機能ブロック
図である。
【図12】一般のギアホーニング加工装置における砥石
とワークとの噛合状態を示す説明図である。
【図13】(a)は従来のギアホーニング加工方法での
切込み送り位置の時間変化を示すグラフ、(b)は同方
法での研削負荷の時間変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ワーク 14 ワーク支持台 16 主軸 18 テイルストック軸(ワークを支持する部材) 22 砥石支持台(砥石を支持する部材) 30 砥石 34 回転駆動モータ 36 切込み送りモータ 38 変位量センサ 40 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−284819(JP,A) 実開 平2−82424(JP,U) 実開 平4−63328(JP,U) 特公 昭37−10392(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23F 19/05 B24B 33/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯車状のワークと歯車状の砥石とを噛合
    しながら両者が互いに圧接する方向である切込み送り方
    向に相対移動させかつ相対回転させることによりワーク
    表面を加工するギアホーニング加工方法において、予め
    設定された設定加工条件で加工を行った場合に最終的に
    収束する収束研削負荷を加工前に調べておき、加工用切
    込み送り速度よりも高い切込み送り速度で前記ワークと
    砥石とを近づけ、研削負荷が上記収束研削負荷に達した
    時点から上記設定加工条件での加工を開始し、上記ワー
    クと砥石とを予め設定された一定の仕上げ寸法位置まで
    上記切込み送り方向に相対移動させた時点で加工を終了
    することを特徴とするギアホーニング加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のギアホーニング加工方法
    において、加工中に上記ワークを支持する部材もしくは
    上記砥石を支持する部材の上記切込み送り方向への変位
    量を検出し、この変位量が上記収束研削負荷に対応する
    変位量に達した状態で加工を開始することを特徴とする
    ギアホーニング加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のギアホーニング
    加工方法において、加工中に上記収束研削負荷を一旦除
    去し、再び収束研削負荷を与えて加工を再開することを
    特徴とするギアホーニング加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のギアホ
    ーニング加工方法において、加工中に上記ワークと砥石
    との相対回転方向を反転させることを特徴とするギアホ
    ーニング加工方法。
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