JP3913260B1 - ネック部成形性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板 - Google Patents

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Abstract

【課題】より小型化した2ピースボトル缶でも、ネック部成形性やネジ切り成形性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板を提供することを目的とする。
【解決手段】Mn:0.7〜1.5%(質量%、以下同じ)、Mg:0.8〜1.7%、Fe:0.1〜0.7%、Si:0.05〜0.5%、Cu:0.1〜0.6%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有し、かつ、組織の5000〜15000倍のTEMにより観察される0.05〜1μmのサイズの分散粒子が300μm2 当たりに50〜400個存在し、かつ、これらの分散粒子の内で、0.3μm以上のサイズを有する分散粒子の個数割合が、分散粒子の前記全存在個数に対して15〜70%の範囲にあることとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボトル缶(飲料缶)の缶胴材として、ボトル缶のネック部成形性に優れたアルミニウム合金冷延板(ボトル缶用素材板)に関するものである。なお、本発明で言うアルミニウム合金冷延板とは、熱間圧延−冷間圧延を通じて圧延された圧延板(冷間圧延板)である。以下、アルミニウム合金をAl合金とも言う。
アルミニウム系飲料缶としては、缶胴体と缶蓋(缶エンド)とをシーミング加工することによって得られる2ピースアルミニウム缶が多用されている。この2ピース構造のアルミニウム缶においては、所定のアルミニウム板にカッピングおよびDI成形(絞り加工、しごき加工)等の缶体成形を施して胴体部を形成した後、この胴体部にネック加工を施して胴体部の径に比べてエンド部の径を小さくしたもの(以下2ピースアルミ缶という)が主流となっている。
このような2ピースアルミ缶では、胴体部の径に対するエンド部の径の絞り比が比較的小さいため、ネック加工が比較的容易であった。
前記缶胴体用の冷間圧延板としては、従来からAl−Mg−Mn系合金であるJIS3004合金、3104合金等の硬質板が広く用いられている。このJIS3004合金、3104合金は、しごき加工性に優れており、強度を高めるために高圧延率で冷間圧延を施した場合でも比較的良好な成形性を示すことから、DI缶胴材として好適であるとされている。
一方、近年、胴体部と口部とスクリューキャップを備えてなるボトル形状のアルミニウム缶(以下ボトル缶という)のニーズが高まっている。このようなボトル缶においては、胴体部の直径に対する口部の直径の絞り比が前記2ピースアルミ缶に比べて大きいため、ネック加工の際にしわ(皺)や割れがより生じ易くなる。
このようなボトル缶として、主に、胴体部と底部とが各々異なる部材で形成されてなる3ピース構造のボトル缶(スクリューキャップを含む。以下、3ピースボトル缶という)と、胴体部と底部とが一体に形成されてなる2ピース構造のボトル缶(スクリューキャップを含む。以下、2ピースボトル缶という)とが挙げられる。
このうち3ピースボトル缶は、一般に、前記従来の2ピースアルミ缶の製造方法の一部を適用して製造されている。すなわち、後述する特許文献1や特許文献2に開示されている通り、まず所定のアルミニウム板にカッピングおよびDI成形、ベーキング、トリミング、印刷、ベーキング、ネッキング(トップ成形:ネック加工)が順次に施される。ネック加工では、胴体部の底部側部分にネック部が形成され、次にネック部のエンド部が開口されて口部が設けられる。そして、この口部の近傍の外周にはスクリューキャップ取り付け用のネジ切り加工が施されてネジ部が形成される。その後口部と対向する胴体部の一方の開口部を底部として形成するべく、この開口部にフランジ加工が施された後、底部材を巻締めして底部を形成して製造されている。
このような3ピースボトル缶では、ネック加工の際にDI成形後の缶の底部にネック部が形成されるため、胴体部の直径に対するネック部の直径の絞り比が大きなものでも、比較的容易に形成することが可能である。
一方、ボトル缶の製造コスト削減、リサイクル性の観点から、近年、前記した3ピースボトル缶に代わって、2ピースボトル缶のニーズが次第に高まってきている。この2ピースボトル缶では、一般に、従来の2ピースアルミ缶の製造方法の多くが適用され、特にダイネック加工や、スピンネック加工等のネック加工がそのまま用いられている。
この2ピースボトル缶の製造方法は、後述する特許文献1や特許文献2に開示されている通り、まず、ボトル缶の胴体部を形成するために所定のアルミニウム板AにカッピングとDI成形とを施して胴体部と底部とを形成する。次に、前記胴体部の開口部近傍にダイネック加工またはスピンネック加工を施してネック部を形成し、その開口部を口部とする。その後、この口部の近傍の外周にスクリューキャップ取り付け用のネジ切り部を設けて、2ピースボトル缶が製造されている。
しかしながら、この2ピースボトル缶では、ネック部を形成する際に、胴体部の開口部近傍にダイネック加工またはスピンネック加工を施してネック部を形成するため、前記胴体部の直径に対する口部の直径の絞り比を大きくして構成することが困難であった。
前記した3000系アルミニウム合金の硬質板を用いて、この2ピースボトル缶のネック部を形成する場合、このアルミニウム板が有する比較的硬い硬質性によって、前記胴体部の直径に対する口部の直径の絞り比を大きくしてボトル缶を形成すると、しわや割れが発生し易いという問題点があった。そのため、従来の2ピースボトル缶では、その絞り比を、3ピースボトル缶が有する絞り比で形成することが困難であった。
この2ピースボトル缶の課題に対して、従来から、3000系アルミニウム合金板における、Fe、Si、MnおよびMgの含有量とベーキング後の耐力(0.2%耐力)とを適正な範囲に規制することによって、アルミニウム板の成形性、すなわち、DI成形、ネック加工等の成形性を向上させ、その結果として胴体部の直径に対する口部の直径の絞り比を大きくすることが提案されている(特許文献1参照)。
また、同様に、3000系アルミニウム合金板における、Fe、Si、Mn、MgおよびCuの含有量とベーキング後の耐力(0.2%耐力)とを適正な範囲に規制することによって、アルミニウム板の成形性、すなわち、DI成形、ネック加工等の成形性を向上させ、その結果として胴体部の直径に対する口部の直径の絞り比を大きくすることが提案されている(特許文献2参照)。
この他、缶への成形性向上のために、組織を制御することも、従来から多数提案されている。例えば、熱間圧延板のMn固溶量及び結晶粒径を所定の範囲に制御し、熱間圧延板の耳率を安定して−3〜−6%にし、これを、その後、中間焼鈍することなく冷間圧延することによって、得られる冷間圧延板の耳率を安定して0〜2%にすることなども提案されている(特許文献3)。
特開2002−256366号公報(全文) 特開2004−250790号公報(全文) 特開2003−342657号公報(全文)
ただ、この2ピースボトル缶も、近年では、ミニボトル缶などに、より小型化、小径化される傾向にある。このようなミニボトル缶などの2ピースボトル缶では、特に、レトルト処理を行なうような内容物の場合に、キャップ巻締め後の密封性向上の要求が高まりつつある。これに伴い、キャップの巻締め荷重が増加されるが、この巻締め荷重の増加に耐えうる缶体強度が要求される傾向にある。このため、缶材料側にも、より高強度化が求められる。
しかし、前記従来の3000系アルミニウム合金板における成分や、ベーキング後の耐力調整だけでは、缶材料側をより高強度化した場合に、ネック加工またはスピンネック加工によるネック部形成や、その後の口部の近傍の外周にスクリューキャップ取り付け用のネジ切り成形部形成の際の、しわ(皺)や割れがより生じ易くなる傾向にある。
また、缶に共通して求められる、使用メタル量の低減や軽量化などのコストダウンは、例外なく、ミニボトル缶などの2ピースボトル缶にも求められており、この面からの、缶材料側のより高強度化も不可避である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、より小型化した2ピースボトル缶でも、ネック部成形性やネジ切り成形性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明のネック部成形性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板の要旨は、Mn:0.7〜1.5%(質量%、以下同じ)、Mg:0.8〜1.7%、Fe:0.1〜0.7%、Si:0.05〜0.5%、Cu:0.1〜0.6%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有し、かつ、組織の5000〜15000倍のTEMにより観察される重心直径の平均値が0.05〜1μmのサイズの分散粒子が300μm2 当たりに50〜400個存在し、かつ、これらの分散粒子の内で、0.3μm以上の前記サイズを有する分散粒子の個数割合が、分散粒子の前記全存在個数に対して15〜70%の範囲にあり、前記冷延板の結晶粒組織を、板厚方向中央部の上面観察による結晶粒の平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織としたこととする。
ボトル缶のDI缶胴については、主として製造コストの低減、及び軽量化の目的から、前記して通り、更なる薄肉化が求められている。この薄肉化を達成するためには、座屈強度の低下をきたさないように、材料であるアルミニウム合金冷延板の高強度化を図る必要がある。また、薄肉化を達成するためには、更に、DI成形時における耳率が低いことが強く求められる。DI成形時の耳率を低くすれば、DI成形時の歩留まりを高めることができ、さらには缶胴の耳切れに起因する缶胴破断を防止することができる。
このため、前記した通り、従来から、耳率を高度に安定化させるために、ボトル缶のDI缶胴材料であるアルミニウム合金冷延板の組織を制御することが公知である。代表的には、結晶粒径の微細化制御、Mg2 Siなどの化合物の個数や大きさの制御、添加元素のミクロ的偏析抑制、Mnなどの合金元素の固溶量制御、キューブ方位の制御、などである。
本発明でも、アルミニウム合金冷延板組織中に存在する、分散粒子(Mg2 Siなどの化合物、析出物)の個数や大きさの制御を行なう点では、これら従来の組織の冶金的な制御を踏襲する。
しかし、本発明では、分散粒子をできるだけ微細化させて分散させる、これら従来の微細分散思想に対して、逆に、分散粒子をある程度粗大化させた上で、サイズを均一化させ、一定量(一定個数)存在させる。
即ち、本発明者らは、分散粒子をある程度粗大化させた上でサイズを均一化させた方が、従来の微細分散に比して、分散粒子のピン止め効果が薄らぎ、熱延板の状態では、却って、均一で等方性を有する(方向性乃至異方性を持たない)結晶粒が得られ、耳率が向上することを知見した。
これに対して、従来通り、分散粒子を微細分散させた場合、分散粒子のピン止め効果が強く、熱間圧延において、元の軟質のPFZから再結晶しやすくなり、これに応じて、析出帯も再結晶して粗大な結晶粒を形成しやすくなる。また、キューブ方位も発達しやすくなる。したがって、従来通り、分散粒子を微細分散させた場合、結晶粒の平均粒径は細かくなるものの、粗大な再結晶粒が一部に混じる、謂わば混粒となって、結晶粒の均一性や等方性が失われやすい。
この結果、耳率が低下し、より小型化した2ピースボトル缶では、前記した、胴体部の開口部近傍のダイネック加工またはスピンネック加工によるネック部形成や、その後の口部の近傍の外周にスクリューキャップ取り付け用のネジ切り成形部形成の際の、しわ(皺)や割れがより生じ易くなる。
これに対して、本発明では、分散粒子をある程度粗大化させた上でサイズを均一化させて、一定量存在させ、熱延板の状態で均一で等方性を有する(方向性乃至異方性を持たない)結晶粒を得て、その後の冷延板の耳率を向上させる。
(Al合金冷延板組成)
先ず、本発明Al合金冷延板の、2ピースボトル缶用素材として必要な、強度や成形性などの諸特性を満足する好ましい化学成分組成(単位:質量%)について、各元素の限定理由を含めて、以下に説明する。
本発明の高温特性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板の組成は、Mn:0.7〜1.5%、Mg:0.8〜1.7%、Fe:0.1〜0.7%、Si:0.05〜0.5%、Cu:0.1〜0.6%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成とする。
Mn:0.7〜1.5%。
Mnは強度の向上に寄与し、さらには成形性の向上にも寄与する有効な元素である。特に、本発明のような2ピースボトル缶用素材(冷間圧延板)では、前記した、DI成形時のしごき加工や、ネック加工、ネジ切り加工などが行われるため、Mnは極めて重要となる。
より詳細には、MnはAl−Fe−Mn−Si系金属間化合物(α相)などの種々のMn系金属間化合物を形成する。そして前記α相が適正に分布しているほど、上記各加工時の成形性乃至加工性を向上できる。また、アルミニウム板のしごき加工においては、通常エマルジョンタイプの潤滑剤が用いられているが、前記α相の量が少ないと、エマルジョンタイプの潤滑剤を使用しても潤滑性が不足し、ゴーリングと称される擦り疵や焼付きなどの外観不良が発生する虞がある。従ってα相を生成し、しごき加工時の表面疵を防止するためにも、Mnは不可欠な元素である。
Mnの含有量が少な過ぎると、上記成形性乃至加工性向上効果が発揮されない。このため、Mnの含有量は0.7%以上、好ましくは0.8%以上、好ましくは0.85%以上、さらに好ましくは0.9%以上である。
一方、Mnが過剰になると、MnとAlとの初晶巨大金属化合物が晶出し、成形性が低下する。それゆえ、Mn含有量の上限は1.5%、好ましくは1.3%、さらに好ましくは1.1%、さらに好ましくは1.0%とする。
Mg:0.8〜1.7%。
Mgは強度を向上できる点で有効である。さらには後述するCuと共に含有させることによって、本発明冷間圧延板を最終焼鈍(仕上焼鈍ともいう。例えば、温度:100〜150℃程度、時間:1〜2時間程度の焼鈍)し、その後に製缶してからベーキング(焼付印刷)する際に、軟化を抑制できる。即ち、Mg及びCuを両者含有すると、ベーキング(焼付印刷)を行う際にAl−Cu−Mgが析出するため、ベーキング時の軟化を抑制できる。
Mgの含有量が少な過ぎると上記効果が発揮されない。このため、Mgの含有量は0.8%以上、好ましくは0.9%以上、さらに好ましくは1.0%以上とする。
一方、Mgが過剰になると加工硬化が生じやすくなるため、成形性が低下する。このため、Mg含有量の上限は1.7%、好ましくは1.6%、さらに好ましくは1.35%とする。
なお、MgはMnの析出量及び固溶量にも影響を与える。すなわちMgが多いほどAl−Fe−Mn−Si系金属間化合物(α相)の析出量が抑制されるため、Mn固溶量が多くなりやすい。このため、Mn固溶量との関係で、Mg含有量を決定することが好ましい。
Fe:0.1〜0.7%。
Feは結晶粒を微細化させる作用があり、さらには上述のAl−Fe−Mn−Si系金属間化合物(α相)を生成するため、成形性の向上に寄与する。またFeは、Mnの晶出や析出を促進し、アルミニウム基地中のMn固溶量やMn系金属間化合物の分散状態を制御する点でも有用である。一方、Mnの存在下でFeが過剰になると、巨大な初晶金属間化合物が発生しやすくなり、成形性を損なう虞がある。
従って、Feの含有量は、Mnの含有量に応じて設定でき、FeとMnとの好ましい質量比(Fe/Mn)は、例えば、0.1〜0.7の範囲、好ましくは0.2〜0.6の範囲、さらに好ましくは0.3〜0.5の範囲である。
なお、Mnの含有量が上記範囲の場合、Feの下限含有量は0.1%以上、好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは0.3%以上とする。また、Feの上限含有量は、0.7%以下、好ましくは0.6%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。
Si:0.05〜0.5%。
Siは、Mg2 Si金属間化合物やAl−Fe−Mn−Si系金属間化合物(α相)などの分散粒子を生成させるために有用な元素である。これら分散粒子が本発明で規定する適正さに分布している程、成形性を向上できる。
このため、Siの含有量は0.05%以上、好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以上とする。一方、Siが過剰になると、熱間仕上圧延時の再結晶が阻害され、45°耳が増大し、成形性が低下する。このため、Si含有量の上限は0.5%、好ましくは0.45%、さらに好ましくは0.4%とする。
Cu:0.1〜0.6%。
Cuは、冷間圧延板の製缶時にベーキング(焼付印刷)を行うときに、Al−Cu−Mgが析出するとともに、Mgと共に含有させることによって、軟化を抑制できる。このため、Cu含有の下限量は0.1%以上、好ましくは0.15%以上、さらに好ましくは0.2%以上とする。一方、Cuが過剰になると、時効硬化は容易に得られるものの、硬くなりすぎるために、成形性が低下し、さらには耐食性も劣化する。このため、Cu含有の上限量は0.6%、好ましくは0.5%、さらに好ましくは0.35%とする。
Cuの他に、同効の強度向上元素としては、Cr、Znなどが挙げられる。この点、Cuに加えて、更に、Cr、Znの一種または二種を選択的に含有させることができる。
Cr:0.001〜0.3%。
この際、Crの含有量は、強度向上効果の発揮のためには、0.001%以上、好ましくは0.002%以上とする。一方、Crが過剰になると、巨大晶出物が生成して成形性が低下する。このため、Cr含有量の上限は0.3%、好ましくは0.25%とする。
Zn:0.05〜1.0%。
また、Znを含有させると、Al−Mg−Zn系粒子が時効析出することによって強度を向上できる。この効果を発揮させるためには、Zn含有量は0.05%以上、好ましくは0.06%以上とする。一方、Znが過剰になると耐食性が低下する。このため、Zn含有量の上限は0.5%、好ましくは0.45%とする。
Ti:0.005〜0.2%。
Tiは結晶粒微細化元素である。この効果を発揮させたい時には選択的に含有させる。その際のTiの含有量は0.005%以上、好ましくは0.01%以上、さらに好ましくは0.015%以上とする。なお、Tiが過剰になると、巨大なAl−Ti系金属間化合物が晶出して成形性を阻害する。したがって、Ti含有量の上限は0.2%、好ましくは0.1%、さらに好ましくは0.05%とする。
前記Tiは単独で含有させてもよいが、微量のBと共に含有してもよい。Bと併用すると、結晶粒の微細化効果がさらに向上する。このために選択的含有させる際のBの含有量は0.0001%以上、好ましくは0.0005%以上、さらに好ましくは0.0008%以上とする。一方、Bが過剰になると、Ti−B系の粗大粒子が生成して成形性を低下させる。したがって、B含有量の上限は0.05%、好ましくは0.01%、さらに好ましくは0.005%とする。
以上記載した元素以外は不可避的不純物であり、上記板特性を阻害しないために、含有量は基本的に少ない方が良いが、上記板特性を阻害しない範囲で、JIS規格などで記載された、3000系アルミニウム合金の各元素の上限値程度までの含有は許容される。
(分散粒子)
次ぎに、本発明Al合金冷延板組織について、以下に説明する。
前記した通り、本発明では、アルミニウム合金冷延板組織中に存在する、分散粒子〔Mg2 Si、Al−Fe−Mn−Si系(α相)などの金属間化合物、析出物〕をある程度粗大化させた上でサイズを均一化させ、一定量(一定個数)存在させる。これによって、分散粒子のピン止め効果を和らげ、熱延板の状態で均一で等方性を有する(方向性乃至異方性を持たない)結晶粒を得て、耳率を向上させる。
具体的には、アルミニウム合金冷延板組織の5000〜15000倍のTEMにより観察される0.05〜1μmのサイズ(重心直径)の分散粒子を300μm2 当たりに50〜400個存在させる。そして、これらの分散粒子の内で、0.3μm以上のサイズを有する分散粒子の個数割合を、分散粒子の前記全存在個数に対して15〜70%の範囲とする。この際、上記サイズを有する分散粒子の個数割合の下限は、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上とし、範囲としては、20〜70%の範囲、更には25〜70%の範囲とすることが好ましい。
図1、2に本発明アルミニウム合金冷延板組織の、各10000倍のTEM写真を各々示す。図1と2とにおいて、白地のマトリックスに対して、分散した黒い粒子が分散粒子(Mg2 Siなどの化合物、析出物)である。図1は後述する実施例における表3の発明例1、図2は発明例2である。
この図1と2との比較において、図1、2とも、最小では0.05μm、最大では1μmのサイズの分散粒子が300μm2 当たりに50〜400個存在している点は同じである。ただ、図1の方が、図2に比して、各分散粒子が比較的粗大化した上で、均一に分散している。
図1の本発明組織の分散粒子は、前記分散粒子の全存在個数に対して、0.3μm以上で1μm以下のサイズを有する比較的粗大な分散粒子の個数割合が多くなっている。即ち、この比較的粗大な分散粒子の個数割合は、分散粒子の前記全存在個数に対して48%である。即ち、サイズが比較的大きく、かつサイズが揃った分散粒子が均一に分散していると言える。
これに対して、図2の本発明組織では、0.3μm以上で1μm以下のサイズを有する比較的粗大な分散粒子の個数割合は、分散粒子の前記全存在個数に対して20%である。即ち、比較的小さい分散粒子の個数割合も大きく、小さいサイズから大きなサイズまでの、サイズがまちまちな分散粒子が分散していると言える。
図2の本発明組織よりも、更に比較的小さい分散粒子の個数割合が大きくなって、あるいは、サイズがまちまちな分散粒子が分散して、0.3μm以上のサイズを有する分散粒子の個数割合が、分散粒子の前記全存在個数に対して15%を切った場合には、従来の分散粒子の微細分散と同じとなる。この結果、熱間圧延において、元の軟質のPFZから再結晶しやすくなり、これに応じて、析出帯も再結晶して粗大な結晶粒を形成しやすくなる。また、キューブ方位も発達しやすくなる。したがって、従来と同様、結晶粒の平均粒径は細かくなるものの、粗大な再結晶粒が一部に混じる、謂わば混粒となって、結晶粒の均一性や等方性が失われやすい。
このため、耳率が低下し、より小型化した2ピースボトル缶では、前記した、胴体部の開口部近傍のダイネック加工またはスピンネック加工によるネック部形成や、その後の口部の近傍の外周にスクリューキャップ取り付け用のネジ切り成形部形成の際の、しわ(皺)や割れがより生じ易くなる。
これに対して、本発明では、上記した通り、分散粒子をある程度粗大化させた上で、一定量(一定個数)存在させ、熱延板の状態で均一で等方性を有する(方向性乃至異方性を持たない)結晶粒を得て、その後の冷延板の耳率を向上させる。
ここで解析測定対象とする分散粒子は5000〜15000倍のTEMにより観察される0.05μm以上のサイズ(重心直径)とする。0.05μm以上の分散粒子の存在が、上記した通り、成形性に及ぼす影響度が大きく、0.05μm未満の分散粒子は、その影響度が小さいためである。また、0.05μm未満の小さな分散粒子は、TEMによっても観察や測定もしにくく、本測定による測定ばらつきも大きくなることから、本発明の規定、測定対象からは外す。
(粒子サイズ、個数の測定)
分散粒子の粒子サイズは、板組織の透過型電子顕微鏡(TEM)にて行なう。より具体的には、板厚中央部、圧延面上面の試験材を鏡面研磨し、研磨面の組織を、5000〜15000倍のTEM(例えば日立製作所製、HF−2000電界放射型透過電子顕微鏡)により、約10μm×約15μm程度の大きさの各10視野の組織を観察する。
この際、分散粒子相(金属間化合物相)を明瞭に観察するため、反射電子像の観察により観察する。白い像がAlであり、異なったコントラストで分散粒子相が明瞭になる。これら分散粒子をトレースし、画像解析のソフトウエアとして、MEDIACYBERNETICS社製のImage-ProPlus を用いて、各分散粒子のサイズ(重心直径の平均値)を画像解析により求める。
そして、0.05〜1μmのサイズの分散粒子の個数をカウントし、300μm2 当たりの個数に換算する。この測定した分散粒子の各個数は、上記10視野の観察における平均値で算出した。
更に、これらの0.05〜1μmのサイズの分散粒子の内で、0.3μm以上のサイズを有する分散粒子の個数を、上記0.05〜1μmのサイズの分散粒子の個数と同様に求めた。そして、この0.3μm以上のサイズを有する分散粒子の個数の、前記0.05〜1μmのサイズの分散粒子の全存在個数に対する割合(%)を求めた。
(結晶粒の平均アスペクト比)
アルミニウム合金冷延板の結晶粒を、通常の等軸粒ではなく、平均アスペクト比が3以上の、圧延方向に伸長させたものにする。これによって、より高温化短時間化された高速化熱処理に対しての、塗装熱処理時の熱変形が抑制され、熱処理後の缶強度も確保できる利点がある。即ち、アルミニウム合金冷延板の結晶粒を圧延方向への伸長粒とすることによって、しごき加工性を付与して、DI加工等の成形性を確保した上で、本発明で規定した、上記成分組成と、後述する固溶、析出状態組織のもとで、熱処理後の缶強度を確保できる。これによって、塗装熱処理時の熱変形も抑制される。
結晶粒の平均アスペクト比が3未満では、通常の等軸粒と大差なくなり、上記効果が不足するため、塗装熱処理時の熱変形抑制や、熱処理後の缶強度確保が達成できない。この点で、結晶粒の圧延方向への伸長は大きいほど良い。
結晶粒のアスペクト比は、中間焼鈍を施さない工程では、熱延板の結晶粒組織と冷間圧延率によって決まる。この点で、結晶粒の平均アスペクト比の上限は、熱間圧延や冷間圧延など、伸長粒とするための製造工程の能力限界から決定される。
(平均アスペクト比測定方法)
結晶粒の平均アスペクト比は、板厚方向中央部の上面観察(偏光観察)によって測定される。調質処理後(ボトル缶成形前)の板の板厚方向中央部、圧延面上面を、機械研磨、電解研磨、およびバーカー液による陽極酸化処理後、偏光観察によって行う。
上記板の板厚方向中央部を上面から、結晶粒組織を偏光観察したとき、結晶方位の違いによって白黒の違いがでる。この際の観察で、輪郭がはっきり観察できる、視野内の結晶粒を対象に、個々の結晶粒の圧延方向の最大長さと、板幅方向の最大長さを計測する。そして、この個々の結晶粒の(圧延方向の最大長さ)/(板幅方向の最大長さ)をアスペクト比として計算する。×100倍の光学顕微鏡の観察で、測定する結晶粒を100個として、それら結晶粒のアスペクト比の平均値によって、結晶粒の平均アスペクト比を求める。なお、平均結晶粒径は、上記個々の結晶粒の圧延方向の最大長さを、上記測定結晶粒100個で平均化して求めることができる。
(製造方法)
本発明Al合金冷延板は、従来の均熱、熱延、冷延の製造工程を大きく変えることなく製造が可能である。但し、熱間圧延および冷間圧延後の板組織を、本発明規定の分散粒子組織とし、かつ、ボトル缶成形のための基本的な材料特性(耳率、強度)や成形性、しごき加工性を阻害せずに確保するためには、鋳塊を550℃以上の温度で均質化熱処理後、450〜550℃の温度範囲まで、25℃/hr以下の冷却速度で徐冷する必要がある。
(均質化熱処理条件)
均質化熱処理(均熱)温度は550℃以上、好ましくは650℃以下とする。均熱温度が低すぎると、均質化に時間がかかり過ぎて生産性が低下し、均熱温度が高すぎると、鋳塊表面に膨れが生じるため、前記範囲に均熱温度を設定する。更に好ましい均熱温度は、580℃以上(特に590℃以上)、615℃以下(特に610℃以下)である。
なお、均熱時間(均質化時間)は、鋳塊を均質化できれば短い程望ましく、例えば6時間以下とするのが望ましい。本発明では、後述する通り、均熱処理後に徐冷する必要があり、均熱処理後の冷却に時間を要する。したがって、均熱処理の生産性の効率化のためにも均熱時間はできるだけ短い方が好ましい。
(均熱処理後の冷却条件)
前記した通り、熱間圧延および冷間圧延後の板組織を、本発明規定の分散粒子組織とし、かつ、ボトル缶成形のための基本的な材料特性を確保するためには、鋳塊を前記条件で均熱処理後、450〜550℃の温度範囲まで、25℃/hr以下の冷却速度で徐冷する必要がある。このような徐冷を行なうためには、均熱処理された鋳塊を均熱炉内で炉冷することが好ましい。
均熱処理された鋳塊を均熱炉外へ出す放冷や、ファンによる強制空冷では、均熱処理後の冷却速度が、必然的に、上限の25℃/hrを越える。このため、本発明規定の分散粒子組織とはならず、前記図2の本発明組織よりも、更に比較的小さい分散粒子の個数割合が大きくなって、あるいは、サイズがまちまちな分散粒子が分散して、0.3μm以上のサイズを有する分散粒子の個数割合が、分散粒子の前記全存在個数に対して15%を切る。このため、従来の分散粒子の微細分散と同じとなる。
なお、均熱処理は、複数の段階に分けて行っても良いが、少なくとも、最終の均熱処理後の冷却速度は、上記冷却速度のような徐冷とする。
(熱延開始条件)
均熱処理終了後の鋳塊の取り扱いは、一旦冷却し、再加熱してから熱間粗圧延してもよく、あるいは過度に冷却することなく、そのまま熱間粗圧延してもよい。但し、この場合でも、均熱処理後、熱間粗圧延開始温度までの冷却速度は、上記冷却速度のような徐冷とする。
(熱間粗圧延条件)
熱延を、粗圧延と仕上げ圧延とに分けて、かつ連続して実施するに際し、熱間粗圧延の終了温度が低くなり過ぎると、次工程の熱間仕上圧延で圧延温度が低くなってエッジ割れが生じやすくなる。また、熱間粗圧延の終了温度が低くなり過ぎると、仕上圧延時の自己熱不足による未再結晶の残存、あるいは、圧延荷重増大による表面品質が低下する。このため、熱間粗圧延の終了温度は420℃以上とすることが好ましい。更に好ましい終了温度は430℃以上(特に440℃以上)、470℃以下(特に460℃以下)である。
この熱間粗圧延の終了温度を420〜480℃程度にしておくためには、熱間粗圧延の開始温度を、例えば、490〜550℃程度、好ましくは495〜540℃程度、さらに好ましくは500〜530℃程度にしておくのが望ましい。前記開始温度を550℃以下にしておけば、熱間圧延板の表面酸化を防止することもできる。更には、再結晶粒の粗大化を防止できるため、成形性をさらに高めることもできる。
熱間粗圧延が終了したアルミニウム合金板は、連続的など、速やかに熱間仕上圧延するのが望ましい。速やかに熱間仕上圧延することによって、熱間粗圧延で蓄積された歪みが回復してしまうのを防止でき、その後に得られる冷間圧延板の強度を高めることができる。熱間粗圧延が終了したアルミニウム合金板は、例えば、5分以内、好ましくは3分以内に熱間仕上圧延することが好ましい。
(熱間仕上圧延条件)
熱間仕上圧延の終了温度は310〜350℃とすることが好ましい。熱間仕上圧延工程は、板を所定の寸法に仕上げる工程であり、圧延終了後の組織は自己発熱によって再結晶組織になるため、その終了温度は再結晶組織に影響を与える。熱間仕上圧延の終了温度を310℃以上とすることで、続く冷間圧延条件と併せて、最終板組織を、平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織としやすい。熱間仕上圧延の終了温度が310℃未満では、続く冷間圧延の冷延率を大きくしても、平均アスペクト比が大きくなりにくい。
一方、350℃を越えると、最終板組織を、平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織とし、かつ、粗大なMg2 Siなどが析出し、本発明規定の分散粒子組織としにくくなる。従って、熱間仕上圧延の終了温度の下限は310℃以上、好ましくは320℃以上とする。また、上限は350℃以下、好ましくは、340℃以下とする。
(熱間仕上圧延機の種類)
熱間仕上圧延機としては、スタンド数が3以上のタンデム式熱間圧延機を使用する。スタンド数を3以上とすることによって、1スタンドあたりの圧延率を小さくでき、熱延板の表面性状を保ちつつ歪みを蓄積することができるため、冷間圧延板及びそのDI成形体の強度をさらに高めることができる。
(熱間仕上圧延の総圧延率)
熱間仕上圧延の総圧延率は80%以上にするのが望ましい。総圧延率は80%以上とすることで、後述する冷間圧延と組み合わせて、最終板組織を、平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織とし、かつ、本発明規定の分散粒子組織としやすい。また、冷間圧延板及びそのDI成形体の強度を高めることができる。
(熱間圧延板の板厚)
熱間 (仕上げ) 圧延終了後の合金板の板厚は、1.8〜3mm程度とするのが望ましい。板厚を1.8mm以上とすることによって、熱間圧延板の表面性状(焼付き、肌荒れなど)や板厚プロフィールの悪化を防止できる。一方、板厚が3mm以下とすることによって、冷間圧延板(通常、板厚:0.28〜0.40mm程度)を製造する際の圧延率が高くなりすぎるのを防止でき、DI成形後の耳率を抑制できる。
(冷間圧延)
冷間圧延工程では、中間焼鈍することなく、複数のパス数による謂わば直通で圧延し、合計の圧延率を77〜90%にするのが望ましい。中間焼鈍することなく、合計の圧延率を77%以上とすることによって、最終板組織を、結晶粒の平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織とし、かつ、本発明規定の分散粒子組織とすることができる。また、缶の耐圧強度をより高めることができる。中間焼鈍を入れた場合、あるいは、合計の圧延率が低い場合、等軸粒になりやすく、伸長粒になりにくい。
一方、圧延率が90%を超えると、結晶粒の平均アスペクト比は大きくできるものの、DI成形時の45°耳が大きくなり過ぎ、また強度が強くなり過ぎるために、DI成形時にカッピング割れや缶底割れが生じる可能性が高い。
冷間圧延後の板厚は、ボトル缶への成形上、0.28〜0.40mm程度とする。
なお、冷間圧延工程では、圧延スタンドが2段以上直列に配置された、タンデム圧延機を使用することが望ましい。このようなタンデム圧延機を使用することにより、圧延スタンドが1段で、繰り返しパス(通板)を行なって所定板厚まで冷延するシングルの圧延機と比して、同じ合計冷延率でも、パス(通板)回数が少なくて済み、1回の通板における圧延率を高くすることができる。
したがって、最終板組織を、結晶粒の平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織が得やすくなる。
また、従来のように、シングルの圧延機を用いた冷間圧延後に、仕上げ焼鈍を施す場合に比して、より低温で、かつ連続的に回復を生じさせ、サブグレインを生成することができる。但し、このように、冷間圧延により回復を生じさせて十分にサブグレインを生成することができるものであれば、圧延機はタンデム圧延機に限定されるものではない。
但し、タンデム圧延機による冷延では、1回の通板における圧延率が高くなるために、1回の通板における発熱量が高くなる。この発熱量が高くなり過ぎた場合、分散粒子の粒子サイズが粗大化する可能性がある。
このため、タンデム圧延機による冷延では、冷間圧延工程における冷間圧延直後のアルミニウム板の温度が最も上昇する際に、アルミニウム板を強制的に冷却し、冷間圧延後のアルミニウム板の温度が200℃を超える温度に上昇しないようにすることが好ましい。
このような冷間圧延時のアルミニウム板の強制的な冷却手段としては、通常使用される水を含まない圧延油を、水溶性油や水溶性潤滑剤などのエマルジョンタイプに変えて、このエマルジョン水溶液を用い、潤滑性能を低下させずに、冷却性能を強化させることが好ましい。
冷間圧延後は、必要に応じて、再結晶温度よりも低い温度で仕上焼鈍(最終焼鈍)を行ってもよい。仕上焼鈍を行うと加工組織が回復し、DI成形性や缶底成形性が向上する。仕上焼鈍の温度は、例えば、100〜150℃程度、特に115〜150℃程度にするのが望ましい。温度を100℃以上とすることによって、加工組織を充分に回復させることができる。一方、温度が150℃以下とすることによって、固溶元素の過剰な析出を防止でき、DI成形性やフランジ成形性をさらに高めることができる。
仕上焼鈍の時間は、4時間以下(特に1〜3時間程度)とするのが望ましい。長すぎる焼鈍を避けることによって、固溶元素の過剰な析出を防止でき、DI成形性をさらに高めることができる。
但し、前記したタンデム圧延機による冷延では、より低温で、かつ連続的に回復を生じさせ、サブグレインを生成することができるために、仕上焼鈍が基本的には不要である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
アルミ地金の他に缶材スクラップなども溶解原料として用いて、下記表1に示すA〜Nの成分組成(発明例:A〜D、比較例:E〜N)のAl合金の溶湯を溶解し、DC鋳造法にて板厚600mm、幅2100mmの鋳塊を製造した。なお、表1において「−」で示す元素含有量は検出限界以下であることを示す。
この鋳塊には、表1に示す通り、発明例、比較例ともに、その他元素の総量として、不可避的な不純物元素、Zr、Bi,Sn、Ga、V、Co、Ni、Ca、Mo、Be、Pb、Wを、これらの元素の含有量の総和で0.03%以上含んでいる。
これら成分組成の鋳塊を表2、4に示す条件に従って、均熱処理を行なった。ここで、均熱処理の昇温速度は300℃から均熱温度(最高温度)までの昇温速度を指す。また、均熱処理後の冷却速度は、前記均熱温度から、450〜550℃の温度範囲までの(熱間粗圧延開始温度が450℃より高ければ、その開始温度までの)冷却速度を示す。
全発明例および比較例において、均熱処理後に25℃/hr以下の冷却速度で徐冷している例は、均熱処理された鋳塊を均熱炉内で炉冷している。一方、均熱処理後に25℃/hrを越える冷却速度で冷却している比較例は、均熱処理された鋳塊を均熱炉外へ出す放冷を行なっている。
この均熱処理後に、熱間粗圧延として、スタンド数が1個のリバース熱間粗圧延機、熱間仕上圧延機として、スタンド数が4個のタンデム式熱間圧延機を使用して、熱間圧延を行なった。その際、熱間粗圧延終了後に熱間仕上圧延を開始する時間は3分以内とした。そして、共通して熱間仕上圧延後の板厚を2.5mmとしたアルミニウム合金熱間圧延板を製造した。
得られた熱間圧延板を、タンデム圧延機またはシングル圧延機で冷間圧延し、共通して、最終板厚0.3mmのボトル缶用板材(冷間圧延板)を製造した。この冷間圧延後の仕上焼鈍(最終焼鈍)は行なわなかった。
表2の例は全て、中間焼鈍することなくロールスタンドが2段のタンデム圧延機により1回のみの通板で冷間圧延した。表4の例は全て、ロールスタンドが1段のシングル圧延機で4回通板し、最終焼鈍として150 ℃×1 時間の焼鈍を行った。
この際、タンデム圧延機による冷延では(表2の例は全て)、冷間圧延直後のアルミニウム板の温度が250℃を超える温度に上昇しないように、エマルジョン水溶液を用い、アルミニウム板を強制的に冷却した。
冷延後のボトル缶用板材(コイル)から試験片を採取し、試験片の組織として、各々前記した測定方法(但しTEMの倍率は10000倍)で、0.05〜1μmのサイズの分散粒子個数(個/300μm2 )、これらの分散粒子の内で0.3μm以上のサイズを有する分散粒子の個数割合(%)、結晶粒の平均アスペクト比、を各々調査した。これらの結果を表3(表2の続き)、表5(表4の続き)に示す。
(機械的特性)
上記試験片の引張強度、0.2%耐力を、JIS Z 2201にしたがった引張試験により測定した。試験片形状はJIS 5 号試験片で行い、試験片長手方向が圧延方向と一致するように作製した。また、クロスヘッド速度は5mm/分で、試験片が破断するまで一定の速度で行った。
また、試験片の高温特性として、試験片を缶塗装焼き付け処理を模擬した200℃×20分間熱処理した時の0.2%耐力(AB0.2%耐力)を各々測定し、上記室温での試験片の0.2%耐力と比較して、この熱処理後の耐力の低下量(Δ耐力)を調査した。これらの結果も表3(表2の続き)、表5(表4の続き)に示す。
更に、ボトル缶用板材が基本的に満たすべき成形性として、耳率と、2ピースボトル缶の各成形工程で要求される各成形性を測定、評価した。これらの結果も表3に示す。
(耳率)
耳率は、このボトル缶用板材からブランクを採取し、潤滑油[D.A.Stuart社製、ナルコ6461]を塗布した上で、エリクセン試験機によって、40%深絞り試験、カップ状に成形して調査した。試験条件は、ブランクの直径=66.7mm、ポンチの直径=40mm、ダイス側肩部のRを2.0mm、ポンチの肩R=3.0mm、しわ押さえ圧=400kgfで行なった。
このように得られたカップの開口周縁部の8方向(圧延方向を0°として、0°方向、45°方向、90°方向、135°方向、180°方向、225°方向、270°方向、及び315°方向)に生じる山谷の形状を測定し、平均耳率を算出した。
平均耳率の算出方法は、図3に基づいて説明する。図3は、ボトル缶胴用板材をDI成形することによって得られるカップの展開図である。この展開図では、圧延方向を0°として、0°、90°、180°、及び270°方向に生じる耳の高さ(T1,T2,T3,T4;マイナス耳と称する)を測定し、45°、135°、225°、及び315°方向に生じる耳の高さ(Y1,Y2,Y3,Y4;プラス耳と称する)を測定する。なお各高さY1〜Y4,T1〜T4は、カップの底部からの高さである。そして各測定値から、次式に基づいて平均耳率を算出する。
平均耳率(%)=[{(Y1+Y2+Y3+Y4)−(T1+T2+T3+T4)}/{1/2×(Y1+Y2+Y3+Y4+T1+T2+T3+T4)}]×100
なお本発明の対象としている冷間圧延板では、平均耳率を0近くにした場合、4つのプラス耳(Y1〜Y4)並びに90°方向及び270°方向の2つのマイナス耳(図3のT2、T4)の発達は抑制されるものの、0°方向及び180°方向の2つのマイナス耳(図3のT1、T3)の発達は抑制されにくい。そして単に平均耳率の絶対値を小さくした場合には、例えば、平均耳率を−2〜2%(絶対値では2%以下)にした場合には、平均耳率を−2以上0%未満としても、マイナス耳(図3のT1、T3)の抑制が不十分なために、絞り成形のシワ押さえ圧が、この2つのマイナス耳(図3のT1、T3)に集中し、耳立ち、耳切れなどが発生して生産に不具合が生じるのに対して、平均耳率を0〜2%(プラス側)にした場合には、残りの2つのマイナス耳(図3のT1、T3)も十分に抑制できるために、耳切れに起因する缶胴破壊を防止できる。なお、本発明においては、+0%〜+3.5%を許容範囲とした。
(しごき成形性)
ボトル缶用板材のしごき成形性を評価した。前記ボトル缶用板材から、直径160mmのブランクを打ち抜き、カップ径92mmのカップを成形し、再絞り加工、しごき加工、及びトリミングにより、製缶速度300缶/分の速さで、ボトル缶用DI缶胴(内径66mmφ、高さが170mm、側壁板厚115μm、側壁先端部板厚190μm、最終第3しごき率40%)を製造した。成形缶5万缶当たりの破断(胴割れ)の発生個数を求め、しごき成形性を評価した。
5万缶の成形缶に、破断が全く発生しなかったものを◎(極めて良好)、破断が4缶以下であったものを○(良好)、破断が5缶以上を×(不合格)として評価した。
(ネック成形性)
ボトル缶用板材のネック成形性を評価した。しごき成形性評価のために成形した上記ボトル缶用DI缶胴(破断の無い良品)の、開口部近傍にダイネック加工を施してネック部を形成し、その開口部を口部とした。ネック成形条件は、缶胴外径66.2mm、ネック部を4段で形成し、最上部のネック外径60.3mmとした。成形缶1万缶当たりのネック加工後のしわ発生具合を求め、ネック成形性を評価した。
100缶の成形缶をネック成形したとき、ネック部のしわ発生を評価し、しわ発生が0〜1缶であったものを○(合格)、2缶以上は×(不合格)として評価した。
(ネジ成形性)
ボトル缶用板材のネジ成形性を評価した。ネック加工後の上記成形缶のネック部(しわの無い良品)の口部近傍の外周に、スクリューキャップ取り付け用のネジ切り部を設けて、2ピースボトル缶を製造し、ネジ成形性を評価した。
9000缶の上記ネック部成形缶のネジ切り部について、全て形状精度が良く、部分的な形状不良の発生が全く見られなかったものを◎(極めて良好)、形状不良の発生が1缶以下であったものを○(良好)、形状不良の発生が2缶を超えたものを×(不合格)として評価した。
(ネジ座屈強度)
ネジ座屈強度は、上記ネジ切り部までを成形した成形缶(2ピースボトル缶)に軸方向の圧縮荷重を負荷し、ネジ部が座屈したときの荷重をn(サンプル数)=10で測定して、その平均値とした。なお、このネジ座屈強度は、1500N以上であれば実用上問題がない。
表3、5から明らかなように、タンデム圧延機で冷間圧延し、表3の発明例1〜5、表5の発明例20〜24は、本発明成分組成を有し、0.05〜1μmのサイズの分散粒子個数、0.3μm以上のサイズを有する分散粒子の個数割合が本発明規定を満足する組織を有する。
この結果、発明例1〜5、20〜24は、耳率に優れている。そして、しごき成形性、ネック成形性、ネジ成形性などの2ピースボトル缶の各成形工程で要求される各成形性に優れている。また、その上でネジ座屈強度にも優れている。
また、特に、表3の発明例1〜5は、結晶粒の平均アスペクト比が3以上であり、ベーキング後の耐力(強度)低下が少なく、高温特性に優れている。
これに対して、表3の比較例6〜9、表5の比較例25〜28は、本発明成分組成範囲内ではあるものの、均熱処理後の冷却速度が大き過ぎて、上限の25℃/hrを越える。このため、本発明規定の分散粒子組織とはならず、小さい分散粒子の個数割合が大きくなって、あるいは、サイズがまちまちな分散粒子が分散して、0.3μm以上のサイズを有する分散粒子の個数割合が、分散粒子の前記全存在個数に対して15%を切っている。
表3の比較例10は、Mnが高すぎ、巨大晶出物が生成し、本発明規定の分散粒子組織とはならない。このため、ボトル缶成形時の割れ多発に繋がっている。比較例11はMnが低すぎ、座屈強度が不足している。
比較例12はMgが高すぎ、高加工硬化による成形性低下(とくにしごき加工性)が大きい。
比較例13はMgが低すぎ、座屈強度が不足している。
比較例14はCuが高すぎ、加工性が低下している。
比較例15はCuが低すぎ、座屈強度が不足している。
比較例16はSiが低すぎ、+耳が大きくなっている。また、α相の不足によりしごき加工性が低下している。
比較例17はSiが高すぎ、未再結晶の残存による+耳が大きくなっている。また、加工性が低下している。
比較例18はFeが低すぎ、未再結晶が残存している。また晶出物も少なく、いずれにしてもしごき加工性が低下している。
比較例19はFeが高すぎ、+耳が大きくなっている。また晶出物が増えすぎ、加工時における亀裂伝播の促進により、しごき加工性が低下している。
この結果、これらの比較例は、耳率が劣り、しごき成形性、ネック成形性、ネジ成形性などの2ピースボトル缶の各成形工程で要求される各成形性やネジ座屈強度も劣っている。
表3の比較例10〜19は、均熱処理後の冷却速度好ましい製造条件で製造されている。しかし、合金組成が本発明成分組成から外れる。このため、本発明規定の分散粒子組織から外れるか、本発明規定の分散粒子組織となっていても、しごき成形性、ネック成形性、ネジ成形性などの2ピースボトル缶の各成形工程で要求される各成形性が劣っている。また、ネジ座屈強度や高温特性なども劣っている。
以上の結果から、本発明の各要件の臨界的な意義が分かる。
Figure 0003913260
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以上説明したように、本発明は、ネック部成形性やネジ切り成形性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板を提供できる。したがって、成形性に優れ、しかも薄肉で熱処理されても強度低下が無いことが求められるような、より小型化した2ピースボトル缶のような、厳しい要求特性用途に好適である。
本発明アルミニウム合金(発明例1)の分散粒子の存在状態を示す図面代用写真である。 本発明アルミニウム合金(発明例2)の分散粒子の存在状態を示す図面代用写真である。 板材をDI成形することによって得られるカップの展開図である。

Claims (3)

  1. Mn:0.7〜1.5%(質量%、以下同じ)、Mg:0.8〜1.7%、Fe:0.1〜0.7%、Si:0.05〜0.5%、Cu:0.1〜0.6%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有し、かつ、組織の5000〜15000倍のTEMにより観察される重心直径の平均値が0.05〜1μmのサイズの分散粒子が300μm2 当たりに50〜400個存在し、かつ、これらの分散粒子の内で、0.3μm以上の前記サイズを有する分散粒子の個数割合が、分散粒子の前記全存在個数に対して15〜70%の範囲にあり、前記冷延板の結晶粒組織を、板厚方向中央部の上面観察による結晶粒の平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織としたことを特徴とするネック部成形性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板。
  2. 前記アルミニウム合金冷延板が、更に、Cr:0.001〜0.3%、Zn:0.05〜1.0%から選択された一種または二種を含有する請求項1に記載のネック部成形性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板。
  3. 前記アルミニウム合金冷延板が、更に、0.005〜0.2%のTiを単独で、又は0.0001〜0.05%のBと併せて含有する請求項1または2に記載のネック部成形性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板
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