JP4088257B2 - ボトル缶用アルミニウム合金板 - Google Patents
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図1はボトル缶用アルミニウム合金板が適用される一例のボトル缶を模式的に示す斜視図、図2はボトル缶用アルミニウム合金板が適用されるボトル缶の製造工程の一例を概略的に示す説明図である。なお、本発明はこの実施の形態にのみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて適宜に変更することが可能である。
Feは、アルミニウム合金板中の結晶粒を微細化させるとともに、金属間化合物であるAl−Mn−Fe−Si(α相)を適正に分散させて、成形性を向上させるために効果的な成分である。すなわち、アルミニウム合金板中のFeの含有量が0.2質量%未満では、その効果が充分に得られず、またFeの含有量が0.7質量%を超えると化合物(α相)の粗大化による成形性の低下が生じ易くなる。したがって、アルミニウム合金板中のFeの含有量は0.2〜0.7質量%とする。
Siは、アルミニウム合金板中で金属間化合物であるAl−Mn−Fe−Si(α相)を形成させて成形性を向上させるのに効果的な成分である。すなわち、アルミニウム合金板中のSiの含有量が0.1質量%未満では、その効果が小さ過ぎ、またSiの含有量が0.5質量%以上では再結晶を阻害し、耳率が不安定になる。したがって、アルミニウム合金板中のSiの含有量は0.1質量%以上0.5質量%未満とする。
Mnは、アルミニウム合金板の強度上昇に寄与するとともに、金属間化合物であるAl−Mn−Fe−Si(α相)を適正に分散させて、しごき成形性を向上させるのに効果的な成分である。すなわち、アルミニウム合金板中のMnの含有量が0.5質量%未満では、それらの効果が充分に得られず、またMnの含有量が1.2質量%を超えるとMnAl6の巨大な初晶が晶出し、成形性が低下する。したがって、アルミニウム合金板中のMnの含有量は、0.5〜1.2質量%とする。
Mgは、アルミニウム合金中に単独で固溶してアルミニウム合金板の強度上昇に寄与する。また、Mgは、後記するようなアルミニウム合金板中にCuが固溶している場合、Al−Cu−Mg系の金属間化合物を析出させて、ボトル缶成形時のベーキングによるアルミニウム合金板の軟化防止に有効な成分である。
Cuは、アルミニウム合金の強度上昇に効果的であるとともに、アルミニウム合金板中に固溶している場合、Al−Cu−Mg系の金属間化合物を析出させて、ボトル缶成形時のベーキングによるアルミニウム合金板の軟化防止に有効な成分である。すなわち、アルミニウム合金板中のCuの含有量が0.1質量%未満ではこれらの効果が小さく、またCuの含有量が0.3質量%を超えるとアルミニウム合金板の強度上昇の効果が過剰となって好ましくない。したがって、アルミニウム合金板中のCuの含有量は0.1〜0.3質量%とする。
前記絞り比の大きいボトル缶を成形するためには、ネック部およびネジ部の板厚を従来のボトル缶より厚くする必要がある。板厚が0.3mm未満では、必要な素材を確保するためにブランク径(図2のカッピング時のカップを成形する前のブランク板の径)を大きくしなければならず、絞り成形が難しくなる。また、板厚が0.5mmを超えるとボトル缶の底部の肉厚が過剰に厚くなり、コスト高になり、経済的でなくなる。したがって、板厚は0.3〜0.5mmとする。
この0.2%耐力は、アルミニウム合金板を210℃で10分間保持した後、引張試験を行い得られたものである。本発明に係るボトル缶用アルミニウム合金板にDI成形、トリミングを行った後、ボトル缶の胴体部の直径に対する口部の直径の比率である絞り比を20%以上として、絞り比の高いネッキングを施してボトル缶を形成する際、アルミニウム合金板の0.2%耐力が250N/mm2未満では、形成されたボトル缶の座屈荷重が十分ではなく、265N/mm2を超えるとネッキング後の素材耐力および伸びが成形可能な範囲を超えてしまう。したがって、アルミニウム合金板の0.2%耐力は250〜265N/mm2とする。
本発明では、金属間化合物分布と強度を最適化することにより、成形性により優れた高強度材を得ることができる。すなわち、(Fe含有量+1.07×Mn含有量)が1.30質量%以下では、しごき加工時の成形性がやや低下し、また1.55質量%以上では、ネジ加工時に表面の亀裂(塗膜亀裂)を多少招き、内容物の品質維持が万全ではなくなる。また、(Mn含有量+Mg含有量)が1.75質量%以下では、強度がやや低下し、さらに、2.35質量%以上では、しごき加工時の成形性およびネジ加工時の成形性(塗膜性能)がやや低下する。
したがって、Fe、Mn、Mgは、上記関係式を満足することが好ましい。
更に好ましくは、(Mn含有量+Mg含有量)が1.90質量%を超え2.20質量%未満である。
45°耳の耳率は、直径が66mmのアルミニウム合金板からなるブランク板を直径が40mmのポンチで絞り、このようにして形成した絞りカップのカップ高さに対する45°耳の耳高さの割合として下式によって算出した。
本発明に係るボトル缶用アルミニウム合金板の必要条件を満たす実施例(No.1〜7)と本発明の必要条件を満たさない比較例(No.1〜17)の供試材の構成を表1に、各々の供試材について行ったボトル缶の各特性に関する評価結果を表2に示す。
表1に示す成分を有したアルミニウム合金板の供試材を、従来の通常の方法で製造した。また、0.2%耐力および45°耳の耳率は、前記の手法によって各供試材のN数を2として測定し、その平均値から求めた。
(1)しごき成形性
アルミニウム合金板に対して胴体部の直径が66mmとなるようにDI成形(絞り加工、しごき加工)を施し、DI成形品を10000缶作製した。なお、最終しごき加工率を45%と破断しやすい条件にして、破断促進試験とした。そして、前記DI成形品10000缶について、破断が発生した缶の数によって、このしごき成形性を評価した。すなわち、破断が発生した缶が10000缶中、1缶以下であったものを「○(良好)」、2〜4缶であったものを「△(概ね良好)」、5缶を超えたものを「×(不良)」とした。
前記DI成形品に、トリミング、洗浄、ベーキング(最高保持温度:210℃)行ない、続いて口部の直径が40mmとなる(胴体部の直径に対する口部の直径の絞り比が39.4%である状態)までダイネック方式によりネッキングを施し、ネッキング品を作製した。そして、前記ネッキング品について、シワの発生具合によって、ネック成形性を評価した。すなわち、シワの発生が全く見られなかったものを「○(良好)」、シワの発生が若干見られたものを「△(概ね良好)」、顕著なシワの発生が見られたものを「×(不良)」とした。
前記ネッキング品について、45°耳の山と谷との差によって、トリミング性を評価した。すなわち、45°耳の山と谷との差が0.5mm未満であったものを「○(良好)」、0.5〜0.7mmであったものを「△(概ね良好)」、0.7mmを超えたものを「×(不良)」とした。
前記ネッキング品にネジ・カーリング成形を施してボトル缶を作製した。そして、そのボトル缶のネジ部の割れ等の発生状況によって、ネジ成形性を評価した。すなわち、割れや顕著なクビレがないものを「○(良好)」、クビレが若干あるものを「△(概ね良好)」、亀裂や割れが発生したものを「×(不良)」とした。
前記ボトル缶に上部から荷重を加えていき、ボトル缶が塑性変形したときのピーク荷重を測定し、5缶の平均値を座屈荷重として評価した。高耐圧の内容物を巻締めすることを考慮して、座屈荷重が1800N以上のものを良好とした。
本発明に係るボトル缶用アルミニウム合金板の供試材(実施例8〜11)を、第1の実施例と同様の方法で製造し、その構成を表3に示す。ただし、実施例8の供試材は実施例1と同様とした。これらの供試材を、第1の実施例と同様な評価方法で評価し、その評価結果を表4に示す。ただし、各特性の評価は、DI成形品50000缶を用いて行った。
2、20 胴体部
3、30 ネック部
4、40 口部
5、50 ネジ部
6、60 底部
10 ボトル缶(3ピースボトル缶)
D1、D10 胴体部の直径
D2、D20 口部の直径
Claims (3)
- 胴体部と、底部と、ネジ切り加工が施されたネジ部を備えた口部とが一体に形成されてなるボトル缶において、このボトル缶の胴体部の直径をD1とし、口部の直径をD2として、前記胴体部の直径に対する口部の直径の絞り比R1(%)をR1={(D1−D2)/D1}×100として表したとき、前記絞り比R1が20%以上であるボトル缶に用いられるAlを主成分とするアルミニウム合金板であって、
前記アルミニウム合金板は、Feを0.2〜0.7質量%、Siを0.1質量%以上0.5質量%未満、Mnを0.5〜1.2質量%、Mgを1.2質量%を超え1.5質量%以下、Cuを0.1〜0.3質量%含有し、残部がAlと不可避的不純物とからなる組成を有し、且つ
前記アルミニウム合金板の板厚が0.3〜0.5mm、且つ
前記アルミニウム合金板の210℃で10分間保持した後の0.2%耐力が250〜265N/mm2であることを特徴とするボトル缶用アルミニウム合金板。 - 前記アルミニウム合金板の組成において、
(Fe含有量+1.07×Mn含有量)が1.30質量%を超え1.55質量%未満、且つ、(Mn含有量+Mg含有量)が1.75質量%を超え2.35質量%未満であることを特徴とする請求項1に記載のボトル缶用アルミニウム合金板。 - 前記アルミニウム合金板の45°耳の耳率が、直径が66mmのアルミニウム合金板からなるブランク板を直径が40mmのポンチで絞った際に算出されるものであって、前記耳率が3.0%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボトル缶用アルミニウム合金板。
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