JP4995494B2 - 広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、広口ボトル缶用のPP(pilfer proof)キャップに好適に使用される広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板に関する。
PPキャップは、一般に、素材であるアルミニウム合金板に塗装・印刷を施してから、複数の円筒状のカップを同時に成形し、各カップの耳部をトリミングした後、裾部にミシン目を加工するという工程で製造する。こうして成形されたキャップは、飲料容器に内容物を充填後、その容器のネジ部に巻締めされ、市場に出される。
炭酸飲料や加熱殺菌するレトルト飲料等では、缶内圧が高くなり、キャップの変形による内容物の漏れやブローオフのおそれがある。また、自動販売機での落下時における変形も内容物の漏れや開栓性の悪化につながる。
内圧や落下衝撃によるキャップの変形を防止するには、キャップの高強度化が必要である。一方、充填巻き締め(キャッピング)では、所定のネジ深さ、スカート折り曲げ形状を得る必要があるが、強度が高すぎる場合、加工力を増加させる必要が生じ、ボトル缶体側の損傷や、ボトル口部が楕円に変形することによる漏れや開栓不具合に至ることがある。
これまで、直径28mm以下の小口のPPキャップには、主にAl−Mn系の3105合金(特許文献1参照)、あるいはAl−Fe系の8011合金が使われていた(非特許文献1参照)。一方、直径38mm等の広口キャップには、強度がより高い必要性があることから、Al−Mg系の5151合金(Al−1.5〜2.1%Mg合金)が使われている。しかし、より高内圧のかかる内容物に対して、あるいはゲージダウン(板厚の減少)に対しては、より高強度でかつ開栓性の良い板が期待されている。従来の5151合金では、高強度化すると、加工硬化が大きくなる。あるいは、伸びが低下し、安定してキャップの成形ができなくなる。高強度化に伴い伸びが低下する場合、成形中あるいはその後の熱履歴による内圧上昇に伴いブリッジ破断を引き起こす。
このような高強度で開栓性の良いという期待に応えうる合金として、Al−Mg−Mn系合金がある。Al−Mg−Mn系合金板の最終冷間圧延率と結晶粒径を限定した先行技術(特許文献2参照)では、200MPa以上の引張強さとして263MPaの実施例があるが、その場合の伸びは2%であり、広口ボトル缶用のPPキャップとしては成形時に割れ等の不具合を発生するおそれがある。
また、Al−Mg−Mn系合金の均質化処理から仕上げ焼鈍までの条件を限定した先行技術(特許文献3参照)では、引張強さは最大でも実施例で141MPa、比較例で152MPaであり、強度が低すぎて広口ボトル缶用PPキャップには適用できない。
さらにまた、急速加熱冷却による最終焼鈍条件を限定した先行技術(特許文献4参照)においても、引張強さの最大が185MPaであり、強度が低すぎる。
一方、引張強さの高いAl−Mg−Mn系合金の例として、200MPaを超える実施例を示している先行技術(特許文献5参照)があるが、深絞りによるPPキャップ用ではなく、リングプルによる引き裂きで開栓する浅絞り広口キャップ用であり、スコア加工部の引き裂き性を重視したものであり、本発明とは用途が異なる。
特許第3153541号公報 特開昭58−224142号公報 特開平9−25546号公報 特開2000−282195号公報 特開2000−282164号公報 住友軽金属技報、vol.23(1982),P.36.
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、開栓性に優れ、高強度かつ加工硬化し難い広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板を提供する。
第1の発明は、塗装・印刷後に、直径28mmを超える円筒状のカップに成形し、該カップの耳部をトリミングした後、裾部にミシン目を加工し、その後、内容物が充填された飲料容器のネジ部に巻き締めされる広口ボトル缶キャップ用のアルミニウム合金板であって、
Mg:0.8%(質量%、以下同じ)以上1.5%以下、及びMn:0.25%以上0.60%以下を含有し、残部が不可避的不純物及びアルミニウムからなる化学組成を有し、
上記Mgの含有量と上記Mnの含有量との比(Mg含有量/Mn含有量)が、2.0以上5.0以下であり、
上記アルミニウム合金板の元板の引張強さが200〜250MPa、耐力が170〜220MPaであり、
かつ、上記元板に対して、200℃の温度で10分間保持する熱処理を施した空焼板の引張強さが200〜250MPa、耐力が160〜210MPa、伸びが5%以上であり、
上記元板及び上記空焼板の加工硬化指数(以下、n値とする)がともに0.07以上0.12以下であることを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板にある(請求項1)。
本発明の広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板は、上述したように、Mg:0.8%以上1.5%以下、及びMn:0.25%以上0.60%以下を含有し、残部が不可避的不純物とアルミニウムからなる化学組成を有する。
上記Mgは、成形性を維持しながら強度を得るために必須の成分であるため、その含有量を0.8%以上1.5%以下に限定することにより、強度、成形性、及び開栓性を良好に保つことができる。Mg含有量が多いほど結晶粒が細かくなるので、Mg含有量を高めて結晶粒微細化効果を高めることで、カップ成形時の肌荒れも抑制しやすくなる。
上記Mg含有量が0.8%未満の場合には、高内圧の内容物対応あるいはゲージダウン対応には強度不足になるため、広口ボトル缶キャップ(以下、適宜、単にキャップという。)として所定の耐圧強度が得られないという問題や、ネジ部の剛性不足によりネジ部が変形してキャップがボトルから外れるキャップ飛びのおそれがあり、伸びが得にくい、結晶粒が大きくなり、肌荒れが発生するという問題がある。
また、成形したキャップにおけるネジ部の剛性向上と天面のドーミング防止効果が十分に得られないという問題もある。また、圧延方向に対し0°、90°、180°および270°方向の4箇所の耳が発達しやすくなるため、安定して低い耳率の材料を得ることが難しく、文字曲がりのしにくいキャップを量産していくことは容易ではない。ここで言う文字曲がりとは、平板状態で印刷を施した後にカップ状に成形するキャップの製造方法の特性上、素材の変形の仕方によって、印刷した絵柄や文字等が曲がって表示される現象のことをいう。
一方、Mgの含有量が多くなると、加工硬化しやすくなるため、上記Mg含有量が1.5%を超える場合には、強度が高くなりすぎ、充填巻き締め(以下、キャッピングという)時のネジ部、すそ部成形時の加工硬化が大きくなりすぎ、所定の形状が出ないという問題や、所定の形状を得るために強く加工することにより、ボトル缶側が変形、損傷するという問題や、また、強度が高すぎて、開栓トルクが高く、開栓し難くなるという問題がある。そのため、Mg含有量は1.5%以下が好ましい。
上記Mnは、加工硬化を抑制しつつ、強度と成形性を良好に保つために必須の成分である。該Mnは、Fe等の元素とともに金属間化合物を形成し、開栓時の亀裂の起点、伝播経路となる。Mnを必須成分とすることによって、その原料として、例えば缶ボディ材3004合金、3104合金をリサイクルして使いやすくなる。
上記Mn含有量は0.25%以上、0.60%以下に限定する。Mn含有量が0.25%未満の場合には、加工硬化を抑制する効果が十分ではなく、キャッピング時に所定の形状がでない、あるいは、缶側が変形損傷するという問題がある。強度不足でキャップとして所定の性能を得にくく、またリサイクル材を多く使用しにくい。
一方、上記Mn含有量が0.60%を超える場合には、鋳造時にFeなどの元素とともに巨大な金属間化合物を形成し、成形時の割れの起点となる。また、強度が高すぎて開栓時に多大な力を要し開栓し難くなる。
また、上記広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板は、上述したごとく、Mg:0.8%以上1.5%以下、及びMn:0.25%以上0.60%以下を含有し、かつ、上記Mg含有量/Mn含有量が、2.0以上5.0以下である。
この場合には、加工硬化が適当になり、伸びを確保するとともに高強度化することができるため、高強度で開栓性の良いキャップを安定して成形することができる。
上記Mg含有量/Mn含有量が2.0未満の場合には、伸びを得難く、加工硬化が小さくなり、ネジ部、すそ部の剛性不足によるキャップ飛びのおそれがある。一方、上記Mg含有量/Mn含有量が5.0を超える場合には、加工硬化が大きくなりすぎ、キャッピング時に所定の形状が出ない、あるいは、ボトル側が変形、損傷するという問題がある。
また、上記アルミニウム合金板の元板の引張強さが200〜250MPa、耐力が170〜220MPaであり、かつ、上記元板に対して、200℃の温度で10分間保持する熱処理を施した空焼板の引張強さが200〜250MPa、耐力が160〜210MPa、伸びが5%以上である。
なお、上記元板とは、本発明のアルミニウム合金板そのもの、すなわち製造したままの状態であり、キャップ製造工程に供給される前の状態の板をいう。そして、上記空焼板とは、この元板に、上記の熱処理を施して、便宜上キャップ製造工程における印刷後の状態をある程度反映させた状態の板をいう。
上記元板の強度は、引張強さが200〜250MPa、耐力が170〜220MPaの範囲に限定する。そして、かつ、上記空焼板の強度は、引張強さが200〜250MPa、耐力が160〜210MPa、伸びが5%以上の範囲に限定する。
上記元板の引張強さ及び耐力が上記範囲にないと、空焼後に目的とする強度を得ることが困難となる。
上記空焼板の引張強さが200MPa未満の場合及び耐力が160MPa未満の場合には、成形したキャップにおいて所定の耐圧を得ることができない。一方、空焼板の引張強さが250MPaを超える場合及び耐力が210MPaを超える場合には、成形したキャップの開栓がしにくくなるという問題や、キャッピング時に所定の形状が出ない、あるいは、ボトル側が損傷変形するという問題がある。また、上記空焼板の伸びが5%未満の場合には、キャップ成形時に割れなどの成形不良が出やすくなるという問題がある。
また、上記元板及び上記空焼板のn値がともに0.07以上0.12以下である。
この場合には、加工硬化を抑制し、所定の伸びを確保することができる。
上記n値は、「JIS Z 2253 薄板金属材料の加工硬化指数試験方法」によって求めることができる。
また、上記n値が0.07未満の場合には、ネジ部、すそ部の剛性不足によるキャップ飛びのおそれがある。一方、上記n値が0.12を超える場合には、キャッピング時のネジ部、すそ部成形時の加工硬化が大きくなりすぎ、所定の形状が得られない、あるいは、所定の形状を得るために強く加工することにより、ボトル缶側が損傷、変形するという問題がある。
第2の発明は、第1の発明に記載の広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板を製造する方法であって、
鋳塊を均質化熱処理した後、熱間圧延により板を形成し、焼鈍を行うかまたは行わず、冷間圧延、焼鈍、冷間圧延を順次行って製品板厚のアルミニウム合金板とし、
その後、該アルミニウム合金板に対して安定化処理を行うに当たり、その安定化処理温度は、180〜260℃の範囲内であると共に、該安定化処理温度と、上記アルミニウム合金板のMn含有量に対するMg含有量の比との積が900未満となる条件を満たす温度とすることを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板の製造方法にある(請求項6)。
本発明の広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板の製造方法は、上述したように、上記アルミニウム合金板を180〜260℃の範囲内の温度にて安定化処理を行う。Al−Mg系合金では、冷間圧延のまま放置すると次第に強度が低下するため、安定化処理によってその強度低下を防止するとともに、所定の強度に調整し、伸びを確保する。上記安定化処理温度が180℃未満の場合には、塗装焼き付け温度の方が高いため、塗装焼き付け時に残留応力開放により板が変形するという問題や、回復が進まず、伸びが低いという問題や強度が安定しないという問題がある。一方、上記安定化処理温度が260℃を超える場合には、部分的に再結晶が開始するため、強度のバラツキが大きくなるという問題や、加工硬化が大きくなり、所定の強度を得ることができない。これらの条件を満足しないと安定化の効果を得ることが出来ない。
また、上記安定化処理温度は、単に180〜260℃の範囲内であるだけでなく、さらに次の要件を満たす温度を選択する。すなわち、上記安定化処理温度を上記アルミニウム合金板のMn含有量に対するMg含有量の比(Mg含有量/Mn含有量)との積が900未満となることを必須要件とする。
上記安定化処理温度と、上記Mg含有量/Mn含有量は、加工硬化に影響を与える。そのため、相乗効果に上限を与えることで、加工硬化を抑制し、所定の伸びを確保することができる。そのため、開栓性に優れ、高強度かつ加工硬化し難い広口ボトル缶キャップ用アルミニウム合金板を得ることができる。
上記安定化処理温度と、上記Mg含有量/Mn含有量との積が900以上の場合には、キャッピング時のネジ部、すそ部成形時の加工硬化が大きくなりすぎ、所定の形状が得られないという問題がある。あるいは、所定の形状を得るために強く加工することにより、ボトル缶側が変形、損傷するという問題がある。
本発明の広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板の製造方法は、基本的に、鋳塊を均質化熱処理した後、熱間圧延をして板を形成し、焼鈍前冷間圧延、焼鈍、焼鈍後冷間圧延を順次行って製品板厚とし、最後に強度の安定化のために安定化熱処理することである。なお、この安定化熱処理の前あるいは後において、脱脂、化成処理等の表面処理をすることが多い。また、上記熱間圧延の後には、必要に応じて焼鈍を加えても良い。
上記均質化熱処理は、鋳塊を450〜620℃の温度に1〜24時間保持する条件で行うことが好ましい。保持温度450℃未満あるいは保持時間が1時間未満であると耳の生成が不安定となり制御が困難となる。保持温度が620℃超えの場合には、共晶融解を生じるおそれがあり、また、上記保持時間が24時間超えの場合、表面にMgが拡散しやすく、表面の酸化Mg層が厚くなり、直接熱間圧延することができず、面削量を過度に多くする必要があり非経済的である。
上記熱間圧延は、開始温度が400〜550℃、終了温度が300〜400℃の条件で行うことが好ましい。熱間圧延の開始温度が400℃未満の場合には、0°、90°、180°、270°方向4箇所の耳が成長し易く、耳の制御が困難になるとともに、材料の変形抵抗が大きくなりすぎ、圧延自体が困難となるおそれがある。一方、開始温度が550度を超える場合には、表面が酸化しやすくなる。
また、上記終了温度が300℃未満の場合には、板厚中心部まで再結晶組織を得がたく、0°、90°、180°、270°方向4箇所の耳が十分に成長しない。この場合には、300〜550℃での焼鈍を追加する必要がある。一方、終了温度が400℃を超える場合には、再結晶粒が粗大化し、0°、90°、180°、270°方向4箇所の耳が高くなりすぎるおそれがある。
上記熱間圧延後には、焼鈍前冷間圧延−焼鈍(中間焼鈍)−焼鈍後冷間圧延を順次行う。上記焼鈍前冷間圧延は、焼鈍後冷間圧延よりも高い圧延率で行うことが好ましく、これにより、耳率の制御を良好に行い、かつ、キャップ成形に良好な強度調整を行うことができる。
すなわち、熱間圧延で成長した立方体集合組織(再結晶集合組織ともいう)が0°と180°方向の耳の発生の原因であることから、その後の焼鈍前冷間圧延で圧延集合組織成分の割合を増やす必要がある。ただし、圧延集合組織を増やしすぎると、逆に45°方向の耳が大きくなってしまう。そこで、上記中間焼鈍で再度圧延集合組織の量を減らすとともに、立方体集合組織を増やす制御を行った後、上記焼鈍後冷間圧延を加えることによって、再び圧延集合組織を発達させることにより、耳率の制御を行うことができる。それと同時にキャップ成形に良好な強度調整も達成することができる。そのために、上記焼鈍の前後における冷間圧延の圧延率のバランスが大きく影響するのであり、上記条件が0°と180°方向の耳を抑え、45°方向の耳より小さくすることで全体の耳高さを低くするのに好ましい条件となるのである。
上記中間焼鈍では、350〜550℃の温度に保持する条件で行うことが好ましい。保持温度が350℃未満の場合、焼鈍時の立方体集合組織形成が不十分で、圧延集合組織が過度に残存し45°方向の耳が大きくなりすぎるとともに、最終板の強度が高くなりすぎて成形性に劣る。最終板で所定の耳率が得られず、また、強度が高くなりすぎて成形性に劣る。
一方、保持温度が550℃超えの場合、0°、90°、180°、270°方向4箇所の耳が大きく成長するとともに、結晶粒組織が粗大となりカップに絞ったときの表面が柚肌状の欠陥となる。表面が酸化しやすくなり好ましくない。さらに好ましくは、400〜500℃である。なお、保持時間は特に限定しないが、連続焼鈍ラインなどによる急速加熱・急速冷却の比較的高温での焼鈍の場合、保持0〜20秒、バッチ式焼鈍炉による比較的低温での焼鈍の場合保持30分〜5時間が適当である。
上記焼鈍後冷間圧延は、上記焼鈍前冷間圧延よりも圧延率が低く、30〜65%の範囲の圧延率で行えばよい。圧延率が30%未満の場合には、立方体集合組織が残りすぎて、0°と180°方向の耳が大きくなり、さらに、90°、270°方向の耳も残り易くなってしまう。一方、圧延率が65%を超える場合には、成形性が低下し強度が高すぎて開栓しにくくなり、また、圧延集合組織が発達しすぎて45°方向の耳が大きくなるとともに、最終板の強度が高くなりすぎて成形性に劣るおそれがある。
キャップ用素材としての性能は冷間圧延のままでほぼ達成されるが、Al−Mg系合金の場合、冷間圧延のままの状態で室温放置すると、Al−Mg系化合物の析出により強度が次第に低下する現象が起こる。それを防止し強度を安定化させるために、180〜260℃の温度で30分以上加熱する熱処理(安定化熱処理)が必要である。
第1の発明の広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板は、上記空焼板を、さらに、絞り加工を行って形成したキャップは、天面部の硬さに対するすそ部の硬さの比が1.05〜1.15であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、高強度の天面部を有し、側壁部の加工硬化が抑制されるため、高強度で成形性及び開栓性の良いキャップを得ることができる。
上記天面部の硬さに対するすそ部の硬さの比(以下、すそ部硬さ/天面部硬さ)が1.05未満の場合には、ネジ部、すそ部の剛性不足によるキャップ飛びのおそれがあり、一方、上記すそ部硬さ/天面部硬さが1.15を超える場合には、すそ部の強度が高すぎ、キャッピング時に、所定の形状が得られない、あるいは、所定の形状を得るために強く加工することにより、ボトル缶側が変形、損傷するおそれがある。
また、上記アルミニウム合金板の化学組成は、さらに、Cu:0.01〜0.24%、Cr:0.01〜0.05%、Zn:0.01〜0.25%、Si:0.01〜0.30%、Fe:0.01〜0.50%、Ti:0.005〜0.05%のうち1種または2種以上を含むことが好ましい(請求項3)。
上記Cuは、材料強度に影響を及ぼす元素である。Cuの含有量が0.01%未満の場合には、その効果が得られないばかりでなく、純度の高い地金を使用することとなり、コストアップとなるため好ましくない。一方、上記Cuの含有量が0.24%を超える場合には、圧延加工がし難くなるおそれがある。
上記Crは、結晶粒微細化による成形性に影響を及ぼす元素である。Crの含有量が0.01%未満の場合には、その効果が得られないばかりでなく純度の高い地金を使用することとなり、コストアップとなるため好ましくない。一方、上記Crの含有量が0.05%を超える場合には、結晶粒微細化効果は飽和しコストアップとなるため、好ましくない。
上記Znは、結晶粒微細化による成形性に影響を及ぼす元素である。Znの含有量が0.01%未満の場合には、その効果が得られないばかりでなく、純度の高い地金を使用することとなり、コストアップとなるため好ましくない。一方、上記Znの含有量が0.25%を超える場合には、結晶粒微細化効果は飽和しコストアップとなるため、好ましくない。
上記Siは、鋳造時にAl−Mn−Fe−Si系やAl−Fe−Si系化合物等の晶出物を形成する元素である。Siの含有量が0.01%未満の場合には、純度の高い地金を使用することとなり、コストアップとなるため好ましくない。一方、上記Siの含有量が0.30%を超える場合には、前記晶出物が多くなり、キャップ成形性を劣化させるおそれがある。
Feは、鋳造時にAl−Mn−Fe−Si系やAl−Fe−Si系化合物等の晶出物を形成する元素である。上記Feの含有量が0.01%未満の場合には、その効果が得られないばかりでなく、純度の高い地金を使用することとなり、コストアップとなるため好ましくない。一方、上記Feの含有量が0.50%を超える場合には、結晶粒微細化効果は飽和し、SiやMnと形成する金属間化合物が多くなりすぎ、Mnの固溶量が減少するため、所定の強度を得難くなる。また、成形時に割れの起点となるおそれがある。
上記Tiは、鋳塊組織微細化による成形性向上に影響を及ぼす元素である。Tiの含有量が0.005%未満の場合には、純度の高い地金を使用することとなり、コストアップとなるため好ましくない。一方、上記Tiの含有量が0.05%を超える場合には、鋳塊組織微細化効果が飽和し、未固溶のAl−Ti系化合物が最終製品の表面欠陥として現れやすくなる。
なお、鋳塊組織微細化剤としてAl−Ti−B中間合金を添加する場合は、Bが含有されるが、Bは0.02%以下の範囲で添加されるのが好ましい。
また、上記元板又は上記空焼板の耳率試験に使用する絞りカップの開口部に発生する耳のうち、圧延方向に対し、45°の方向の4箇所あるいは0°、90°、180°、270°方向の4箇所に発生する耳の耳率が2.0%以下であり、かつ圧延方向に対し、0°と180°方向の2箇所に発生する耳の耳率が2.0%以下であることが好ましい(請求項4)。
上記45°方向4箇所の耳の耳率が2.0%を超えた場合、成形したキャップの裾部の印刷文字等の曲がりは45°方向において顕著となり、防止が困難となる。耳率は小さければ小さい程、つまり下限は0%であるのがよいが、金属板の性質上困難である。実際のところ0.5%〜2.0%の耳率であればより好ましい。
また、0°、90°、180°、270°方向の4箇所に発生する耳の耳率が2.0%を超えた場合においても、上記45°方向4箇所における耳率が2.0%を超えた場合と同様に、印刷文字等の曲がりが顕著になる。
さらに、圧延方向に対し0°と180°方向の2箇所に発生する耳の耳率が2.0%を超えた場合にも、成形したキャップ裾部の印刷文字等の曲がりを防止することが困難となる。Al−低Mg系合金の絞り加工の場合、圧延方向に対し特に0°と180°方向の耳が発生しやすく、この方向の耳を制御することがポイントとなる。そして、より確実に印刷文字等の曲がりを抑制するには、圧延方向に対し0°と180°に発生する耳の耳率を1.5%以下とすることが好ましい。
ここで、上記絞りカップは、上記広口ボトル缶キャップ用高強度合金板より切り出したブランクを所定の条件で絞り加工して得られるカップ状の試験材である。この絞りカップの開口端において、軸方向に突出した部分を耳、耳と耳との間において最も窪んだ部分を谷という。そして、絞りカップの底から耳先端までの距離を耳高さとし、絞りカップの底から谷先端までを谷高さとする。そして耳率は、次のようにして算出することができる。
<45°方向4箇所の耳の耳率>
45°耳高さ=A、135°耳高さ=B、225°耳高さ=C、315°耳高さ=D、
45°と135°の間の最小の谷高さ=E、
135°と225°の間の最小の谷高さ=F、
225°と315°の間の最小の谷高さ=G、
315°と45°の間の最小の谷高さ=H、
耳部の平均:M45=(A+B+C+D)/4、
谷部の平均:V45=(E+F+G+H)/4とすると、
耳率=〔(M45−V45)/{(M45+V45)/2}〕×100(%)
<0°、90°、180°、270°方向4箇所の耳の耳率>
0°耳高さ=A’、90°耳高さ=B’、180°耳高さ=C’、270°耳高さ=D’、0°と90°の間の最小の谷高さ=E’、
90°と180°の間の最小の谷高さ=F’、
180°と270°の間の最小の谷高さ=G’、
270°と0°の間の最小の谷高さ=H’、
耳部の平均:M’=(A’+B’+C’+D’)/4、
谷部の平均:V’=(E’+F’+G’+H’)/4とすると、
耳率=〔(M’−V’)/{(M’+V’)/2}〕×100(%)
<0°と180°方向2箇所の耳の耳率>
カップの平均高さ=P(開口端の高さを1000点測定した平均高さ)、
0°耳高さ=Q、180°耳高さ=R、
耳部の平均:S=(Q+R)/2、
耳率={(S−P)/P}×100(%)
また、上記アルミニウム合金板の板厚が0.20〜0.26mmであることが好ましい(請求項5)。
広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板の板厚は、本発明の課題であるキャップの耐圧に影響を与える。板厚が厚いほど耐圧強度は大きくなるが、省資源の点からは板厚は薄い方が好ましい。本発明では、上記のごとく高強度化を図ることによって、所定の耐圧強度を保ちながら板厚を薄くすることが可能となる。
従来は、0.25mm未満の板厚は耐圧の点から困難であったが、本発明では、0.20mm以上、0.25mm未満の板厚を適用しても十分な耐圧を得ることが可能である。さらに、0.25〜0.26mmの場合は、高耐圧の要求に対してより高強度化を図ることが可能となる。板厚が0.20mm未満の場合には、現行のキャップ形状では所定の耐圧強度が得られないが、技術の進歩によってキャップ形状が改良された場合は、本発明材で実用化が可能となると考えられる。
(実施例1)
本発明の広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板にかかる実施例について説明する。
本例では、本発明の実施例としての試料E1〜試料E6と比較例としての試料C1〜試料C12を作製し、これらを供試材として後述する各種評価を実施した。
具体的には、表1〜表3に示す化学成分を有するアルミニウム合金鋳塊をDC鋳造にて造塊し、表面の偏析層を面削除去後、500℃で12時間保有する均質化処理を行い、均質化処理後直ちに熱間圧延を開始した。熱間圧延は、350℃で終了し、厚さ2.5mmの熱間圧延板を得た。この熱間圧延板を常温まで自然冷却し、再結晶組織の熱間圧延板を得た。この熱間圧延板を0.50mmまで焼鈍前冷間圧延を行い、さらに連続焼鈍炉にて500℃で中間焼鈍して再結晶組織とした。その後、50%の圧延率で、板厚0.25mmまで焼鈍後冷間圧延を行い、さらにバッチ式熱処理炉で表1、表2、表3に示す温度で2時間保持する安定化処理を行った。板を切断後に塗装焼き付け相当の200℃で10分空焼を施し、供試材とした。
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得られた試料E1〜試料E6、及び試料C1〜試料C7について、図1に、Mgの含有量とMnの含有量との関係を示し、上記試料E1〜試料E6、及び試料C8〜試料C12について、図2に安定化処理温度とMg含有量/Mn含有量との関係を示す。
上記図1は、横軸をMnの含有量とし、縦軸をMgの含有量とした。同図における領域PはMg及びMnの含有量の制約範囲を示し、直線Kは、Mg/Mn=5を示し、直線Lは、Mg/Mn=2を示す。
表2、図1より知られるごとく、本発明の比較例としての試料C1〜試料C7は、Mgの含有量、Mnの含有量、Mg含有量/Mn含有量のうち、少なくとも一つが本発明の範囲から外れていることが分かる。
また、上記図2は、横軸をMg含有量/Mn含有量とし、縦軸を安定化処理温度とした。同図における領域Qは、Mg含有量/Mn含有量及び安定化処理温度の制約範囲を示し、曲線Mは、(Mg含有量/Mn含有量)×安定化処理温度=900を示す。
表3、図2より知られるごとく、本発明の比較例としての試料C8〜試料C12は、安定化処理温度、(Mg含有量/Mn含有量)×安定化処理温度の少なくとも一方が本発明の範囲を外れていることが分かる。
次に、得られた18種類の供試材(試料E1〜試料E6、試料C1〜試料C12)を用い、元板及び空焼板の機械的性質(引張強さ、耐力、伸び)、n値の評価試験を行った。
<機械的性質>
「JIS Z 2201 金属材料引張試験片」の5号試験片にて、「JIS Z 2241 金属材料引張試験方法」に準じて引張試験を行った。
<n値>
上述したように、「JIS Z 2253 薄板金属材料の加工硬化指数試験方法」に準じて行った。
次に、上記供試材をブランク径55mmとし、ポンチ径33mm、絞り比1.67でカップ絞り成形をした。
得られたカップについてすそ部硬さ/天面部硬さ、耳率の評価試験を行った。
<すそ部硬さ/天面部硬さ>
カップ中央部の圧延平行断面にて樹脂埋め研磨した天面部、及び先端から2mmの位置のすそ部にて、ビッカース硬さHV0.1(「JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法」)を測定した。
上記機械的性質及び、すそ部硬さ/天面部硬さが本発明の範囲内である場合には、高強度で開栓性の良いキャップであると言うことができる。
<耳率>
耳率は、前述の条件により成形したカップを、前述の式から、45°方向4箇所(A方向)の耳の耳率、あるいは0°、90°、180°、270°方向4箇所(B方向)の耳の耳率、及び0°と180°方向2箇所の耳の耳率を測定した。
表4〜表6にこれらの評価結果を示す。
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表1、表4、図1、及び図2より知られるごとく、本発明の実施例である試料E1〜試料E6は、化学成分、Mg含有量/Mn含有量、安定化処理温度、及び(Mg含有量/Mn含有量)×安定化処理温度が全て本発明の範囲内であり、元板及び空焼板の機械的性質、n値、すそ部硬さ/天面部硬さ、耳率の全ての項目において、良好な結果を示した。
そのため、開栓性に優れ、高強度かつ加工硬化し難い広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板を得ることができた。
表2、表5、及び図1より知られるごとく、本発明の比較例としての試料C1は、Mg含有量/Mn含有量、及び(Mg含有量/Mn含有量)×安定化処理温度が本発明の上限を上回ったため、空焼板のn値が本発明の上限を上回り、その結果、すそ部硬さ/天面部硬さが本発明の好ましい範囲の上限を上回り、不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C2は、Mnの含有量が本発明の上限を上回り、Mg含有量/Mn含有量が本発明の下限を下回ったため、空焼板の伸びが本発明の下限を下回り、さらに、元板及び空焼板のn値が本発明の下限を下回り、その結果、すそ部硬さ/天面部硬さが本発明の好ましい範囲の下限を下回り、不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C3は、Mnの含有量が本発明の下限を下回ったため、元板及び空焼板の引張強さ、及び耐力が本発明の下限を下回り、不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C4は、Mgの含有量が本発明の上限を上回ったため、元板及び空焼板の引張強さ、耐力が本発明の上限を上回り、不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C5は、Mgの含有量が本発明の下限を下回ったため、元板および空焼板の引張強さ、元板の耐力が本発明の下限を下回り、不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C6及び試料C7は、Mg含有量/Mn含有量が本発明の下限を下回ったため、元板及び空焼板のn値が本発明の下限を下回り、その結果、すそ部硬さ/天面部硬さが本発明の好ましい範囲の下限を下回り、不合格であった。
表3、表6、図2より知られるように、試料C8は、安定化処理温度が本発明の上限を上回ったため、元板及び空焼板の引張強さ、耐力が本発明の下限を下回り、また、元板及び空焼板のn値がともに本発明の上限を上回り、その結果、すそ部硬さ/天面部硬さが本発明の好ましい範囲の上限を上回り、不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C9は、安定化処理温度が本発明の下限を下回ったため、元板の引張強さ、元板及び空焼板の耐力が本発明の上限を上回り、不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C10及び試料C12は、(Mg含有量/Mn含有量)×安定化処理温度が本発明の上限を上回ったため、空焼板のn値が本発明の上限を上回り、その結果、すそ部硬さ/天面部硬さが本発明の好ましい範囲の上限を上回り、不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C11は、(Mg含有量/Mn含有量)×安定化処理温度が本発明の上限を上回ったため、すそ部硬さ/天面部硬さが本発明の好ましい範囲の上限を上回り、不合格であった。
実施例1における、Mg含有量とMn含有量の関係を示す説明図。 実施例1における、Mg含有量/Mn含有量と安定化処理温度の関係を示す説明図。

Claims (6)

  1. 塗装・印刷後に、直径28mmを超える円筒状のカップに成形し、該カップの耳部をトリミングした後、裾部にミシン目を加工し、その後、内容物が充填された飲料容器のネジ部に巻き締めされる広口ボトル缶キャップ用のアルミニウム合金板であって、
    Mg:0.8%(質量%、以下同じ)以上1.5%以下、及びMn:0.25%以上0.60%以下を含有し、残部が不可避的不純物及びアルミニウムからなる化学組成を有し、
    上記Mgの含有量と上記Mnの含有量との比(Mg含有量/Mn含有量)が、2.0以上5.0以下であり、
    上記アルミニウム合金板の元板の引張強さが200〜250MPa、耐力が170〜220MPaであり、
    かつ、上記元板に対して、200℃の温度で10分間保持する熱処理を施した空焼板の引張強さが200〜250MPa、耐力が160〜210MPa、伸びが5%以上であり、
    上記元板及び上記空焼板の加工硬化指数(以下、n値とする)がともに0.07以上0.12以下であることを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板。
  2. 請求項1において、上記空焼板に対して、絞り加工を行って形成したキャップの天面部の硬さに対するすそ部の硬さの比が1.05〜1.15であることを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板。
  3. 請求項1において、上記アルミニウム合金板の化学組成は、さらに、Cu:0.01〜0.24%、Cr:0.01〜0.05%、Zn:0.01〜0.25%、Si:0.01〜0.30%、Fe:0.01〜0.50%、Ti:0.005〜0.05%のうち1種または2種以上を含むことを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記元板又は上記空焼板の耳率試験に使用する絞りカップの開口部に発生する耳のうち、圧延方向に対し、45°の方向の4箇所あるいは0°、90°、180°、270°方向の4箇所に発生する耳の耳率が2.0%以下であり、かつ圧延方向に対し、0°と180°方向の2箇所に発生する耳の耳率が2.0%以下であることを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記アルミニウム合金板の板厚が0.20〜0.26mmであることを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板を製造する方法であって、
    鋳塊を均質化熱処理した後、熱間圧延により板を形成し、焼鈍を行うかまたは行わず、冷間圧延、焼鈍、冷間圧延を順次行って製品板厚のアルミニウム合金板とし、
    その後、該アルミニウム合金板に対して安定化処理を行うに当たり、その安定化処理温度は、180〜260℃の範囲内であると共に、該安定化処理温度と、上記アルミニウム合金板のMn含有量に対するMg含有量の比との積が900未満となる条件を満たす温度とすることを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板の製造方法。
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