JP5710675B2 - 包装容器用アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents

包装容器用アルミニウム合金板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、DI缶またはボトル缶等に適用される包装容器用アルミニウム合金板およびその製造方法に関する。
従来、飲料、食品用途に使用される包装容器としては、図2に示すように、底部6と、胴体部2と、ネック部3およびネジ切り加工されたネジ部5を備えた開口部4とが一体成形されたボトル缶(2ピースボトル缶)1や、胴体部2と、ネック部3およびネジ切り加工されたネジ部5を備えた開口部4とが一体成形され、この一体成形された胴体部2に底部6を形成する底端壁が継がれたボトル缶(3ピースボトル缶)1や、これらの樹脂被覆タイプのもの等が知られている。
また、図3に示すように、有底円筒状の胴体部12と、胴体部12に繋がりこの胴体部12より小さい外径を有するネック部13と、このネック部13の端部に形成されたフランジ部15および開口部14を備えたDI缶11等も知られている。また最近では、樹脂フィルムで被覆されたアルミニウム合金板を用いて製造されたDI缶も市場に出ている。
これらの飲料用アルミニウム缶には、実用に適する強度、加工性が要求される他に、外観の美しさも要求される。しかし、飲料用アルミニウム缶の缶胴には、しばしば年輪状の褐色ないしは黒色の筋が見られ外観が損なわれることがある。その原因は板表面にあるAlおよびMgの酸化物、酸化膜によるものとされている。これらを防止するために、以下のことが提案されている。
例えば特許文献1には、ボトル型飲料缶用アルミニウム合金板の製造において、均質化処理後に面削、熱間圧延を行い、得られた熱延板に、苛性洗浄処理と酸洗浄処理を行うことで熱延後の表面層をエッチングし除去することが記載されている。そして、ボトル型飲料缶用アルミニウム合金板において、板表面のMg複合酸化物濃度を5%以下にしている。
また、例えば特許文献2には、冷間延工程の途中で、製品厚さまでの冷間圧延率が45%以上の板厚でpH8以上のアルカリ液で洗浄することが提案されている。
特開2007−162056号公報 特開2007−204793号公報
しかしながら、従来のアルミニウム缶については、以下の問題がある。
特許文献1に記載された技術では、酸化物が生成される熱間圧延後に表面をエッチングするため、良好な表面が得られる。しかし、実際の操業においてこれを実施するには、苛性ソーダによるエッチング、苛性ソーダを洗い流す洗浄、そして乾燥の各工程を経る必要がある。そのため、大掛かりな設備と薬剤の消費や廃液の処理など製造コストが高くなる。また、苛性処理槽、水洗槽での凝集したアルミ粉の付着による欠陥の発生も起こりうる。こうしたことから、熱延コイルの洗浄以外のシンプルな工程が求められている。
また、特許文献2に記載された技術では、冷間延工程の途中で、製品厚さまでの冷間圧延率が45%以上の板厚でpH8以上のアルカリ液で洗浄することを提案している。この技術も、熱延コイルの洗浄と同様に、工程が煩雑になりコストが高くなる。
さらに従来から行われている方法として、均質化熱処理(以下、適宜、均熱と称す)後の面削が行われている。しかしながら、単に、均熱後に面削を行うだけでは、熱間圧延のための加熱および熱延中に、スラブおよび熱延板表面にMgの酸化物が形成され、表面品質が低下する。
本発明は、前記課題を解決するためのものであり、強度および加工性に優れ、製造において煩雑な工程を必要とすることなく、DI加工後あるいは、ネック成形後の缶胴の表面に年輪状の褐色ないしは黒色の筋が見られない、表面品質に優れた包装容器用アルミニウム合金板およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下の事項を見出した。
アルミニウム合金製のDI缶、ボトル缶に発現する年輪状の模様は、アルミ板表面のMg系酸化物の影響によるものと考えられており、表面からのMgおよびその酸化物の除去が有効である。先に記した技術は、いずれも、熱間圧延後あるいは冷間圧延途中に苛性処理など表面エッチングを行うため、良好な表面形態が得られるが、新たに1工程増える上に、薬剤の処理コストが増えるなど、望ましい工程ではない。本発明は、新たな工程を増やすことなくできる方法を検討した結果得られたものである。また、従来から行われている方法として、均熱後の面削が行われているが、単に、均熱後に面削を行うだけでは、熱間圧延のための加熱および熱延中に、スラブおよび熱延板表面にMgの酸化物が形成され、表面品質が低下する。そこで、均熱時間を従来よりも長く保持し、板表面へのMgの拡散を促進させ、その後、表面に濃化したMg層を面削により除去することで、板表面のMg濃度が低くなり、熱延後も板表面を良好にすることができることを見出した。
本発明に係る包装容器用アルミニウム合金板(以下、適宜、アルミニウム合金板と称す)は、Mn:0.50〜1.50質量%、Mg:0.50〜1.50質量%、Si:0.10〜0.50質量%、Fe:0.10〜0.70質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなる包装容器用アルミニウム合金板であって、板厚方向において、板表面から深さ20nmまでのMg量が、深さ1000nmから1020nmの20nmの範囲に存在するMg量に対して、その比で5倍以下であることを特徴とする。
このような構成によれば、アルミニウム合金板は、所定成分を所定量含有することで、必要な強度および加工性が満足される。またアルミニウム合金板は、板表面から深さ20nmまでのMg量を、深さ1000nmから1020nmの20nmの範囲に存在するMg量に対して、その比で5倍以下とすることで、このアルミニウム合金板から作製した缶胴の表面における、年輪状の褐色ないしは黒色の筋の発生が抑制される。
本発明に係るアルミニウム合金板は、前記包装容器用アルミニウム合金板が、さらに、Cu:0.50質量%以下を含有してもよい。
このような構成によれば、アルミニウム合金板は、Cuを所定量含有することで、強度がさらに向上する。
本発明に係る包装容器用アルミニウム合金板の製造方法は、Mn:0.50〜1.50質量%、Mg:0.50〜1.50質量%、Si:0.10〜0.50質量%、Fe:0.10〜0.70質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金を溶解、鋳造して鋳塊を作製する第1工程と、前記鋳塊を均質化熱処理する第2工程と、前記均質化熱処理された鋳塊表面を面削する第3工程と、前記面削された鋳塊を熱間圧延して圧延板を作製する第4工程と、前記圧延板を冷間圧延してアルミニウム合金板を作製する第5工程とからなる包装容器用アルミニウム合金板の製造方法において、前記第2工程において、前記均質化熱処理を、580〜620℃の到達温度で24時間以上保持した後、室温まで冷却する条件で行い、前記第3工程において、鋳塊表面を5〜20mm面削し、前記第4工程において、熱間圧延中の圧延ワークロールに形成されるコーティングの厚さが1〜2μmとなるようにブラシロールで制御して圧延することを特徴とする。
このような手順によれば、アルミニウム合金板の製造方法は、所定成分を所定量含有することで、製造されたアルミニウム合金板において必要な強度および加工性が満足される。
そして、第2工程において、均質化熱処理を所定条件で行うことで鋳塊表面に濃化するMg量が多くなる。また、第3工程において、鋳塊表面を5mm以上面削することで、表面に濃化したMg層の除去が十分となる。これら第2工程および第3工程によって、製造されたアルミニウム合金板において、板表面から深さ20nmまでのMg量が、深さ1000nmから1020nmの20nmの範囲に存在するMg量に対して、その比で5倍以下となる。これにより、製造されたアルミニウム合金板から作製した缶胴の表面における、年輪状の褐色ないしは黒色の筋の発生が抑制される。
また、前記第4工程において、熱間圧延中の圧延ワークロールに形成されるコーティングの厚さをブラシロールで制御して圧延することで、熱間圧延において焼付を防止すると共に良質な板表面が得られる。
本発明に係る包装容器用アルミニウム合金板の製造方法は、前記アルミニウム合金が、さらに、Cu:0.50質量%以下を含有することが好ましい。
アルミニウム合金がCuを所定量含有することで、製造されたアルミニウム合金板の強度がさらに向上する。
本発明の包装容器用アルミニウム合金板によれば、強度および加工性に優れる共に、缶胴の表面に年輪状の褐色ないしは黒色の筋が見られない、表面品質に優れた飲料用アルミニウム缶とすることができる。また、製造において煩雑な工程を必要とすることがないため、経済性に優れたものとなる。
本発明の包装容器用アルミニウム合金板の製造方法によれば、製造において煩雑な工程を必要とすることなく、強度および加工性に優れる共に、DI加工後あるいは、ネック成形後の缶胴の表面に年輪状の褐色ないしは黒色の筋が見られない、表面品質に優れた包装容器用アルミニウム合金板を得ることができる。
本発明の包装容器用アルミニウム合金板のMg濃度について説明するための模式図である。 従来の一例のボトル缶(2ピースボトル缶または3ピースボトル缶)を模式的に示す斜視図である。 従来の一例のDI缶を模式的に示す斜視図である。 (a)は、ボトル缶(3ピースボトル缶)の製造方法を示す模式図、(b)は、DI缶の製造方法を示す模式図である。 (a)は、本発明の実施例のうちの一つにおけるMg濃度分布のグラフ(深さ方向分布曲線)、(b)は、本発明の比較例のうちの一つにおけるMg濃度分布のグラフ(深さ方向分布曲線)である。
まず、本発明に係る包装容器用アルミニウム合金板について説明する。
≪包装容器用アルミニウム合金板≫
アルミニウム合金板は、Mn:0.50〜1.50質量%、Mg:0.50〜1.50質量%、Si:0.10〜0.50質量%、Fe:0.10〜0.70質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるものである。
アルミニウム合金板の成分においては、さらに、Cu:0.50質量%以下を含有してもよい。
そして、アルミニウム合金板は、板厚方向において、板表面から深さ20nmまでのMg量を、深さ1000nmから1020nmの20nmの範囲に存在するMg量に対して、その比で5倍以下としたものである。
以下、各構成について説明する。
<Mn:0.50〜1.50質量%>
Mnは、アルミニウム合金板の強度に寄与する。また、金属間化合物を適正に分散させて、ベア材の場合、DI加工性を向上させるのに効果的な元素である。そのため、Mnの含有量が0.50質量%未満では、缶強度が不足する。また、ベア材では、金属間化合物の量が不足することでDI成形時に焼付きが発生し、表面損傷が大きくなり耐焼付き性(すなわち加工性)に劣る。一方、1.50質量%を超えると、ベア材、樹脂被覆材いずれの場合でも、金属間化合物のサイズ、量ともに過度に増える結果となり、粗大な金属間化合物起因のフランジ割れやしごき成形時の割れ(破断(胴切れ))の発生等、加工性に悪影響を及ぼし、実用に適さない。
したがって、Mnの含有量は、0.50〜1.50質量%とする。なお、好ましい下限値は0.70質量%、好ましい上限値は1.10質量%である。
<Mg:0.50〜1.50質量%>
Mgは、アルミニウム合金板の強度に寄与する元素である。Mgの含有量が0.50質量%未満では、缶強度が不足する。一方、1.50質量%を超えると、均質化熱処理時のバーニングや、圧延時の板表面の焼付きが発生しやすくなる等、材料製造上における問題点があり、実用に適さない。また、Mgの含有量が多いため、Mgの存在比が高くなりやすい。また、ベア材の場合には、DI成形時に焼き付きが発生し、表面損傷が大きくなり、耐焼付き性(すなわち加工性)に劣る。
したがって、Mgの含有量は、0.50〜1.50質量%とする。なお、好ましい下限値は0.80質量%である。
<Si:0.10〜0.50質量%>
Siは、通常のアルミ缶胴に0.2〜0.3質量%含まれている元素であり、Si元素は、ベアのDI缶では、加工性を向上させるのに効果的な元素である。Siの含有量が0.10質量%未満では、原料コストが高くなり、実用的ではない。また、ベアのDI缶では、DI成形時に焼付きが発生し、表面損傷が大きくなり耐焼付き性(すなわち加工性)に劣る。一方、0.50質量%を超えると、熱間圧延板の未再結晶粒残留により、ベア材、樹脂被覆材いずれの場合でも、DI成形時の缶胴切れが多発し、加工性に劣る。
したがって、Siの含有量は、0.10〜0.50質量%とする。なお、好ましい下限値は0.15質量%、好ましい上限値は0.40質量%である。
<Fe:0.10〜0.70質量%>
Feは、金属間化合物を適正に分散させて、加工性を向上させるのに効果的な元素である。Feの含有量が0.10質量%未満では、熱間圧延板の未再結晶粒残留により、ベア材、樹脂被覆材いずれの場合でも、DI成形時の缶胴切れが多発し、加工性に劣る。一方、0.70質量%を超えると、金属間化合物のサイズ、量ともに過度に増える結果となり、ベア材、樹脂被覆材いずれの場合でも、粗大な金属間化合物起因のフランジ割れやしごき成形時の割れ(破断(胴切れ)の発生等、加工性に悪影響を及ぼし、実用に適さない。
したがって、Feの含有量は、0.10〜0.70質量%とする。なお、好ましい下限値は0.30質量%、好ましい上限値は0.50質量%である。
<Cu:0.50質量%以下>
Cuは、アルミニウム合金板の強度に寄与する元素である。ベア材、樹脂被覆材いずれの場合でも、Cuの含有量が0.50質量%を超えると、加工硬化が大きすぎ、しごき成形時の割れ(破断(胴切れ))等の不良発生率が高く、加工性に劣り、実用に適さない。
したがって、Cuを添加する場合は、Cuの含有量は、0.50質量%以下とする。なお、好ましい上限値は0.35質量%である。また、下限値については規定されるものではなく、0質量%でもよいが、好ましくは0.15質量%以上である。
アルミニウム合金板は、さらに、Cr:0.001〜0.3質量%、Zn:0.05〜1.0質量%からから選択された一種または二種を含有してもよい。さらには、0.005〜0.2質量%のTiを単独で、又は0.0001〜0.05質量%のBと併せて含有してもよい。
<残部:Alおよび不可避的不純物>
本発明に係るアルミニウム合金板の成分は、前記の他、残部がAlおよび不可避的不純物からなるものである。なお、不可避的不純物として、例えば、Zr、V、Ga、In、Sn、Niが挙げられ、いずれも0.05質量%以下の含有であれば本発明の効果を妨げるものではなく、このような不可避的不純物の含有は許容される。
<Mgの存在比>
図1に示すように、本発明のアルミニウム合金板においては、板厚方向において、板表面から深さ20nmまでのMg量を、深さ1000nmから1020nmの20nmの範囲に存在するMg量に対して、その比で5倍以下としたものである。すなわち、「(表面から20nmの範囲までの平均Mg濃度(アトミックパーセント))/(深さ1000〜1020nmの20nmの範囲に存在する平均Mg濃度(アトミックパーセント))」(以下、適宜、Mgの存在比と称す)が5以下である。
ここで、板表面とは、アルミニウム合金板を製缶した場合に外面にくる側の面である。ただし、アルミニウム合金板の両面において本発明の所望のMgの存在比を満たすようにしてもよく、この場合は、板表面とはアルミニウム合金板の両面となる。
Mgの存在比が5を超えると、このアルミニウム合金板を用いて缶胴を製造したときに、缶胴の表面に年輪状の褐色ないしは黒色の筋が発生し、表面品質が低下する。したがって、Mgの存在比は5以下とする。なお、下限については数値が低いほど好ましい。
次に、Mgの存在比の測定方法の一例について説明する。
Mgの存在比は、アルミニウム合金板から深さ方向に、高周波グロー放電発光分光分析装置(GD−OES:Glow Discharge-Optical Emission Spectroscopy)にて元素分析を行うことにより測定する。分析においては、アルミニウム合金板の主要組成である、Al、Si、Fe、Mn、Mgの各金属元素を深さ方向に定量分析を行う。得られたMgの深さ方向分布における、表面から20nmの範囲までのMg元素の存在量と、深さ1000〜1020nmの20nmの範囲に存在するMg元素の存在量との比を求める。すなわち、「(Mg濃度(アトミックパーセント)の深さ方向分布曲線における表面から20nmの範囲で曲線とX軸、Y軸に囲まれた面積)/(深さ1000〜1020nmの20nmの範囲で深さ方向分布曲線とX軸に囲まれた面積)」を求める。
その他、アルミニウム合金板の板厚は特に規定されるものではなく、DI缶またはボトル缶用として通常用いられている板厚であればよい。例えば0.24〜0.40mmである。
次に、本発明に係る包装容器用アルミニウム合金板の製造方法について説明する。

≪包装容器用アルミニウム合金板の製造方法≫
アルミニウム合金板の製造方法は、第1工程、第2工程、第3工程、第4工程および第5工程を含むものである。
以下、各工程について説明する。
<第1工程>
第1工程は、アルミニウム合金を溶解、鋳造して鋳塊を作製する工程である。
ここで、アルミニウム合金の成分は、Mn:0.50〜1.50質量%、Mg:0.50〜1.50質量%、Si:0.10〜0.50質量%、Fe:0.10〜0.70質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるものである。また、さらに、Cu:0.50質量%以下を含有してもよい。
また、さらに、Cr:0.001〜0.3質量%、Zn:0.05〜1.0質量%からから選択された一種または二種を含有してもよい。さらには、0.005〜0.2質量%のTiを単独で、又は0.0001〜0.05質量%のBと併せて含有してもよい。
各成分の説明については、前記したとおりであるため、ここでは省略する。
<第2工程>
第2工程は、第1工程で作製された鋳塊を均質化熱処理する工程である。
ここで、第2工程においては、均質化熱処理を、580〜620℃の到達温度で24時間以上保持した後、室温まで冷却する条件で行う。
[580〜620℃の到達温度で24時間以上保持]
均質化熱処理の到達温度が580℃未満もしくは保持時間が24時間未満では、鋳塊表面に濃化するMg量が少なくなる。そのため、その後の工程により鋳塊表面を面削しても、本発明の所望のMgの存在比が得られない。一方、到達温度が620℃を超えると、スラブ(鋳塊)表面がバーニングを起こし、アルミニウム合金板の製造そのものができなくなる。なお、保持時間の上限は特に規定されるものではないが、経済的な観点から36時間以下が好ましい。
[室温まで冷却]
さらに続けて室温まで冷却するのは、その後に面削を行って鋳塊表面のMgが濃化したMg層を除去し、本発明の所望のMgの存在比とするためである。また、面削により均質化熱処理時に生成した酸化皮膜を除去し、以後の熱間圧延時の表面品質を良好に保つ(焼付きの防止)ためである。
<第3工程>
第3工程は、第2工程で均質化熱処理された鋳塊表面を面削する工程である。
従来から行われている方法として、均熱後の面削が行われているが、単に、均熱後に面削を行うだけでは、熱間圧延のための加熱および熱延中に、スラブおよび熱延板表面にMgの酸化物が形成され、表面品質が低下する。そこで、均熱保持時間を従来よりも長くし、鋳塊表面へのMgの拡散を促進させ、その後、表面に濃化したMg層を面削により除去することで、鋳塊表面のMg濃度が低くなり、熱延後も板表面を良好にすることができる。
ここで、第3工程においては、鋳塊表面を5mm以上面削する。面削が5mm未満では、表面に濃化したMg層の除去が不十分となり、鋳塊表面のMg濃度が十分に低くならない。そのため、本発明の所望のMgの存在比が得られない。なお、上限については特に規定されるものではないが、生産性等の観点から20mm以下の面削とすることが好ましい。
なお、鋳塊表面とは、最終製品板であるアルミニウム合金板において、製缶した場合に外面にくる側の面である。ただし、最終製品板の両面において本発明の所望のMgの存在比を満たすようにする場合は、鋳塊の両面である。
面削の方法としては、エンドミル切削やダイヤモンドバイト切削等の切削法、表面を砥石等で削る研削法、バフ研磨等の研磨法等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
<第4工程>
第4工程は、第3工程で面削された鋳塊を熱間圧延して圧延板を作製する工程である。
ここで、前記第4工程においては、前記第3工程で面削した鋳塊を再加熱することで、前記熱間圧延を、熱間圧延温度を450〜520℃の条件で行うことが好ましい。
[熱間圧延温度:450〜520℃]
熱間圧延の温度を450℃以上とすることで、熱延コイルの再結晶に必要な熱を得ることができる。一方、520℃以下とすることで、表面酸化皮膜の成長が抑制されて表面品質の低下が防止される。
ここで、第4工程においては、熱間圧延中の圧延ワークロールに形成されるコーティングの厚さをブラシロールで制御して圧延することが好ましい。
熱間圧延では、ロールの表面にアルミニウム等の酸化物が蓄積し、この酸化物によるコーティング(酸化皮膜)がロールに形成される。このコーティングが厚すぎると、良質な板表面が得られない。しかしながら、ロールには適度なコーティングがあったほうが、摩擦が少なくかえって焼付をおこさない。したがって、ブラシロールを用いてロールに形成されるコーティングの厚さを制御しながら圧延することが好ましい。
焼付を防止すると共に良質な板表面を得るため、コーティングの厚さは、1〜2μmが好ましい。コーティングの厚さが1〜2μmの圧延ロールで圧延することにより、年輪状の褐色ないし黒色の筋模様(フローマーク)が発生しにくい。なお、コーティングの厚さが薄過ぎる場合も、ロール表面にコーティングが付いていない部分が散在するので、潤滑が不均一となり、フローマークが発生しやすくなる。
ブラシロールやコーティング厚さの制御方法は特に限定されるものではない。例えば、ブラシロールのブラシにより所定の圧力でコーティングを擦ることで、コーティング厚さを制御することができる。また、ロールに用いられるブラシは、アルミナを砥粒に含んだナイロンやPBTなどできている物が使用される。
なお、ロールに付着したコーティングの厚さは、以下の方向により測定することができる。具体的には、まず、圧延ロール表面に付着しているコーティングのうち、ロール表面の10cm×10cm面積分のコーティングを濃度25W/V%の苛性ソーダにて溶かし、その液を全量回収する。そして、溶液を定量しICP発光分析にてアルミニウム濃度を測定し、回収した溶液に含まれるアルミニウム量を求める。さらに、溶かしたコーティングを全てアルミナと見直し、また、得られたアルミニウム量が全てアルミナを構成していたとして、アルミナの密度(3.95 g/cm)から膜厚を計算し求める。
<第5工程>
第5工程は、第4工程で作製された圧延板を冷間圧延してアルミニウム合金板を作製する工程である。
ここで、第5工程においては、冷間圧延間の中間焼鈍は行わない。
中間焼鈍を行うと、DI成形後にネック部の強度が高くなり、ネック成形時のシワの発生やフランジ部の割れ発生等、成形性が劣化する。また、工程が増えることで、コストアップになる。
また、冷間圧延は、冷間圧延時の冷間加工率を80〜92%の条件下で行うことが好ましい。
冷間圧延時の冷間加工率を80%以上とすることで、アルミニウム合金板の強度が向上し、缶強度が向上する。一方、92%以下とすることで、成形時に45°耳の発達を抑え、フランジ部の寸法不良等を招きにくく、所定の缶寸法が得易くなる。
以上説明した本発明に係る包装容器用アルミニウム合金板は、図2に示すような従来の一例のボトル缶1(2ピースボトル缶または3ピースボトル缶)や、図3に示すような従来の一例のDI缶11等に好適に用いることができると共に、従来の種々のアルミニウム合金板の樹脂被覆材(不図示)にも好適な素材である。
次に、図面を参照して、前記のアルミニウム合金板を用いた包装容器用ボトル缶の製造方法について説明する。なお、図2は、従来の一例のボトル缶(2ピースボトル缶または3ピースボトル缶)を模式的に示す斜視図、図3は、従来の一例のDI缶を模式的に示す斜視図、図4(a)は、ボトル缶(3ピースボトル缶)の製造方法を示す模式図、(b)は、DI缶の製造方法を示す模式図である。
本発明に係る包装容器用アルミニウム合金板を、図2に示すような従来の一般的なボトル缶1(ここでは、3ピースボトル缶を例に説明する)に適用する場合には、例えば、図4(a)に示すように、本発明に係る包装容器用アルミニウム合金板Aに対し、カップ成形やDI成形等の缶体成形を施して有底円筒状の缶(胴体部2)を形成する。続いて、この有底円筒状の缶(胴体部2)の底部にネッキング加工を施してネック部3を形成する。そして、印刷・焼付けを施し、ネック部3に開口部4を開口した後、キャップ取り付け用のネジ切り加工を施してネジ部5を設ける。また、これに対向する開口部には、ボトムネックイン加工とフランジ加工を施した後、シーマによって別途成形した底蓋を巻き締めて底部6を形成することで、3ピースボトル缶1を製造することができる。
また、本発明に係る包装容器用アルミニウム合金板を、図3に示すような従来の一般的なDI缶11に適用する場合には、例えば、図4(b)に示すように、本発明に係る包装容器用アルミニウム合金板Aに対し、カップ成形やDI成形等の缶体成形を施して有底円筒状の缶(胴体部12)を形成する。続いて、この有底円筒状の缶(胴体部12)にネッキング加工を施してネック部13を形成する。そして、印刷・焼付けを施し、ネック部13のエンド部に開口部14を形成するが、このときに、開口部14の口径が胴体部12の径に比べて小さくなるように加工することで、DI缶11を製造することができる。
さらに、本発明に係る包装容器用アルミニウム合金板を、従来の一般的な樹脂被覆材に適用する場合には、従来公知の樹脂被覆材に適用されている各種の樹脂フィルムを、接着剤等を介して貼り合わせた後、その樹脂フィルムの融点以上で熱処理が施される工程等を経て、樹脂被覆材が作製される。
次に、本発明に係る包装容器用アルミニウム合金板およびその製造方法について、本発明の要件を満たす実施例と本発明の要件を満たさない比較例とを比較して具体的に説明する。
≪アルミニウム合金板の作製≫
表1に示すような合金組成を備えたアルミニウム合金を溶解、鋳造し、次に均質化熱処理、面削、続いて熱間圧延を行い、板厚2.2mmのホットコイルを製造した。熱間圧延では、熱間圧延中の圧延ワークロールに形成されるコーティングの厚さをブラシロールで制御し、コーティングの厚さを1.7μmにして圧延した。さらに、このホットコイルに冷間圧延を施し、製缶用のアルミニウム合金板(板厚0.320mm)とした。ここで、面削量は5〜20mmの間で適宜設定した。
また、均質化熱処理、熱間圧延における各条件については、表2、3に示すとおりである。また、表1〜3において、本発明の構成を満たさないものについては、数値に下線を引いて示す。
Figure 0005710675
≪アルミニウム合金板のMgの存在比≫
次に、このようにして製造されたアルミニウム合金板のMgの存在比を調べた。
Mgの存在比は、アルミニウム合金板から深さ方向に、高周波グロー放電発光分光分析装置GD−OES(株式会社堀場製作所(HORIBA,Ltd.)製、JY−5000RF)にて元素分析を行うことにより測定した。分析においては、同装置により、パルスモード(周波数200Hz、デューティサイクル0.0625)でアルゴンスパッタリングして、アルミニウム合金板の主要組成である、Al、Si、Fe、Mn、Mgの各金属元素を深さ方向に定量分析(アトミックパーセント)を行った。得られたMgの深さ方向分布における、表面から20nmの範囲までのMg元素の存在量と、深さ1000〜1020nmの20nmの範囲に存在するMg元素の存在量との比を求めた。すなわち、「(Mg濃度の深さ方向分布曲線における表面から20nmの範囲で曲線とX軸、Y軸に囲まれた面積)/(深さ1000〜1020nmの20nmの範囲で深さ方向分布曲線とX軸に囲まれた面積)」を求めた。
≪ボトル缶作製法≫
次に、このアルミニウム合金板を用いて、下記の処理および成形を行った。
まず、アルミニウム合金板表面にリン酸クロメート処理を施したのち、厚さ16μmの樹脂を両面に被覆し、270℃×20秒の熱処理を施して樹脂被覆材とした。この樹脂被覆材に揮発性の潤滑油を塗布して絞り成形(カップ成形)、その後DI成形(しごき成形)を行い、有底円筒状の缶(しごき成形缶)を作製した。その際、被覆した樹脂の剥離を防止するべく、フランジ部を残した成形を行った。このようにして得られたDI成形缶(しごき成形缶)の缶底部にネック成形を施したのち、開口部をトリミングして、缶底部に底蓋を巻き締める前の状態のボトル缶の缶胴部を作製した。その後、缶体到達温度270℃、炉内保持時間20秒の熱処理を行い、ネジ加工を施した。そして、缶底部には、ボトムネックイン加工とフランジ加工を施した後、シーマによって別途成形した底蓋を巻き締めて底部を形成することで、本発明に係るアルミニウム合金板について評価を行う際の缶(3ピースボトル缶)を作成した。
<評価方法>
前記の成形プロセス中の缶、および作製した缶を使用して、加工性の評価として、しごき成形性、強度の評価として軸圧縮強度の評価を以下の方法で行った。さらに、表面状態の評価として、フローマークについての評価を以下の方法で行った。
[しごき成形性]
連続成形で10000缶製缶したときに、破断(胴切れ)が発生した回数が0〜3回のものをしごき成形性が良好、4回以上をしごき成形性が不良とした。
なお、しごき成形性の評価は、図4(a)に示すDI成形中に行った。
[軸圧縮強度]
前記の3ピースボトル缶(サンプル数=10)の、開口部に軸圧縮荷重を加え、その軸圧縮強度を測定し、最大軸圧縮荷重が150kgf以下を不良とした。
[表面状態]
ネック成形したネック部を目視により観察し、年輪状の筋模様(フローマーク)の濃さを評価した。5点満点で、4点以上を合格とした。
前記の各試験結果を表2、3に示す。また、No.1およびNo.7のMg濃度分布のグラフ(深さ方向分布曲線)を図5(a)、(b)に示す。
Figure 0005710675
Figure 0005710675
表2、3に示すように、No.1〜5は、本発明の範囲を満たすため、全ての評価項目で優れた結果となった。
一方、No.6〜17は、本発明の範囲を満たさないため、以下の結果となった。
No.6、7は均熱保持時間が下限値未満のため、Mgの存在比が高くなり、適切な表面状態が得られなかった。No.8は均熱温度が下限値未満のため、Mgの存在比が高くなり、適切な表面状態が得られなかった。
No.9はSi含有量が下限値未満のため、コスト面から実用的でない。No.10はSi含有量が上限値を超えるため、熱間圧延板の未再結晶粒残留によるDI成形時の缶胴切れが多発し、しごき成形性に劣った。
No.11はFe含有量が下限値未満のため、熱間圧延板の未再結晶粒残留によるDI成形時の缶胴切れが多発し、しごき成形性に劣った。No.12はFe含有量が上限値を超えるため、DI成形時に缶胴切れが多発し、しごき成形性に劣った。No.13はMn含有量が下限値未満のため、強度に劣った。No.14はMn含有量が上限値を超えるため、DI成形時の缶胴切れが多発し、しごき成形性に劣った。
No.15はMg含有量が下限値未満のため、強度に劣った。No.16はMg含有量が上限値を超えるため、Mgの存在比が高くなり、フローマークが強くなった。No.17はCu含有量が上限値を超えるため、DI成形時の缶胴切れが多発し、しごき成形性に劣った。
なお、No.7のサンプルは、特許文献2に記載された従来のアルミニウム合金板を想定したものである。本実施例で示すように、この従来のアルミニウム合金板は、前記の評価において一定の水準を満たさないものである。従って、本実施例によって、本発明に係るアルミニウム合金板が従来のアルミニウム合金板と比較して、優れていることが客観的に明らかとなった。
また、本実施例では、樹脂被覆を施したボトル缶での評価であるが、樹脂被覆をしないベアのDI缶においても、同様の結果が得られる。フローマーク評価の観点からは、樹脂被覆された材料の方が、缶胴成形時にも金属表面が工具と接触しないため、素材の焼き付きが表れ易く、樹脂被覆されていないDI缶よりも厳しい評価となる。
以上のとおり、本発明のアルミニウム合金板およびその製造方法は、従来のアルミニウム合金板およびその製造方法と比較して、製造において煩雑な工程を必要とすることがなく、また、アルミニウム合金板の強度および加工性に優れる。さらに、単に、均熱後に面削を行うだけではなく、均熱条件を規定し、鋳塊の面削量を規定しているため、板表面のMg濃度を低くし、熱延後も板表面を良好にすることができることが客観的に明らかとなった。
以上、本発明について実施の形態および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、その権利範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて解釈しなければならない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて改変・変更等することができることはいうまでもない。
1 ボトル缶(2ピースボトル缶または3ピースボトル缶)
2、12 胴体部
3、13 ネック部
4、14 開口部
5 ネジ部
6 底部
11 DI缶
15 フランジ部
A 包装容器用アルミニウム合金板

Claims (4)

  1. Mn:0.50〜1.50質量%、Mg:0.50〜1.50質量%、Si:0.10〜0.50質量%、Fe:0.10〜0.70質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなる包装容器用アルミニウム合金板であって、
    板厚方向において、板表面から深さ20nmまでのMg量が、深さ1000nmから1020nmの20nmの範囲に存在するMg量に対して、その比で5倍以下であることを特徴とする包装容器用アルミニウム合金板。
  2. 前記包装容器用アルミニウム合金板が、さらに、Cu:0.50質量%以下を含有することを特徴とする請求項1に記載の包装容器用アルミニウム合金板。
  3. Mn:0.50〜1.50質量%、Mg:0.50〜1.50質量%、Si:0.10〜0.50質量%、Fe:0.10〜0.70質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金を溶解、鋳造して鋳塊を作製する第1工程と、
    前記鋳塊を均質化熱処理する第2工程と、
    前記均質化熱処理された鋳塊表面を面削する第3工程と、
    前記面削された鋳塊を熱間圧延して圧延板を作製する第4工程と、
    前記圧延板を冷間圧延してアルミニウム合金板を作製する第5工程とからなる包装容器用アルミニウム合金板の製造方法において、
    前記第2工程において、前記均質化熱処理を、580〜620℃の到達温度で24時間以上保持した後、室温まで冷却する条件で行い、前記第3工程において、鋳塊表面を5〜20mm面削し、前記第4工程において、熱間圧延中の圧延ワークロールに形成されるコーティングの厚さが1〜2μmとなるようにブラシロールで制御して圧延することを特徴とする包装容器用アルミニウム合金板の製造方法。
  4. 前記アルミニウム合金が、さらに、Cu:0.50質量%以下を含有することを特徴とする請求項3に記載の包装容器用アルミニウム合金板の製造方法。
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