JP3912917B2 - シート搬送装置およびこれを備えた画像読み取り装置 - Google Patents

シート搬送装置およびこれを備えた画像読み取り装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートを搬送するシート搬送装置、およびこれを備えた画像読み取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のファクシミリ等の画像読み取り装置を備えた装置では、原稿等を搬送するためのシート搬送装置も備えていることが多い。このシート搬送装置の搬送機構の一例を図9を用いて説明する。
【0003】
原稿dは、給紙ローラ11および分離片12によって原稿載置台から送り出され、これを読み取り部17の読み取り面18に対向して設置されたフィードローラ14がさらに下流に送り出すようになっていた。この場合、給紙ローラ11および分離片12は原稿dの幅方向中央に1個が設置され、一方、フィードローラ14は原稿幅方向の左右に1個ずつ(合計2個)が設置された構造となっていることが多い。また、給紙ローラ11と同軸上には、給紙ローラ11と同径のピンチローラ13が設けられている。
【0004】
また、読み取り部17の読み取り面18において原稿dが浮き上がってしまうのを防ぐために、読み取り面18との間に所定幅の隙間を保って設置されたガイドを備えた装置もあった。このような装置においては、原稿はこの隙間を通って搬送されることになるため、原稿の読み取り面18からの浮き上がりは抑制される。また、このガイドは原稿のシワを抑制する役割も果たしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来構成の装置では以下の問題点があった。
【0006】
問題1.
小型化を図った装置では原稿の搬送路が短いため、この給紙ローラ11および分離片12と、フィードローラ14との両方によって同時に原稿dが挟持搬送されている期間がある。ところが、複数枚の原稿dを連続して送る場合に原稿間に隙間を設けるため、フィードローラ14の周速は、 給紙ローラ11の周速よりも速くされている。そのため、この期間中は、原稿dの幅方向左右両端は、フィードローラ14によって搬送方向下流側に引っ張られており、一方、幅方向中央付近は、給紙ローラ11および分離片12によってブレーキがかけられている状態となっていた。その結果、原稿dの幅方向中央付近には、原稿dにシワができるという問題があった。そして、このシワが読み取り画質を著しく低下させていた。例えば、通常のスキャナではその焦点深度が0.2mm程度であり、それ以上の高さ(あるいは深さの)シワ、浮きは結果として、影になったり焦点ボケとなって現れていた。このような問題は、特に、紙厚が薄く、コシの弱い原稿において顕著であった。
【0007】
問題2.
原稿の浮き上がりやシワを規制するために、ガイドが配置されている装置でも、その隙間とシワとがマッチングしていない場合があった。例えば、隙間が狭すぎると却ってジャム発生の原因となってしまう。しかし、ガイドと読み取り面18との隙間が広すぎるとシワを抑制する効果が薄れてしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、原稿のシワ、浮き上がりを防止、矯正することのできる原稿搬送装置およびこれを備えた画像読み取り装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によるシート搬送装置は、
所定の搬送路に沿ってシート材を搬送する第1の搬送手段と、
前記シート材の搬送方向における前記第1の搬送手段の下流側で、搬送される前記シート材の幅方向に延在する基準面を有して前記搬送路に沿って配置され基準面形成部材と、前記基準面形成部材と対向し、前記幅方向に延在する回転軸に配設されて回転して、且つ前記幅方向の一部で前記基準面に接触して、前記基準面と挟持して前記シート材を搬送する第2の搬送手段と、前記基準面形成部材と対向し、前記第2の搬送手段が配設される領域外で前記回転軸に支持されるガイド部材と前記シート材の搬送方向における前記ガイド部材の上流側に固定され、前記幅方向に延在する押さえ部材と前記押さえ部材は、前記第2の搬送手段が前記基準面と接触する接触領域の前記幅方向における延長上で前記基準面に接触し、該押さえ部材は前記接触領域外で前記シート材を前記基準面に押圧することを特徴とする。
【0010】
本発明による画像読み取り装置は、
上記シート搬送装置を備え、前記基準面は読み取り面であって、前記基準面形成部材は読み取り部であって、前記読み取り面上に搬送される前記シート材の画像を前記読み取り部で読み取る
ことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0015】
実施の形態1.
本実施の形態1のファクシミリ装置は、シート材(ここでは、原稿)の搬送時におけるしわの発生等を防止するために、複数のフィードローラ14の間にガイドフィルム20を設けたことを主な特徴とする。
【0016】
まず、このファクシミリ装置の概要を図1を用いて説明する。
【0017】
このファクシミリ装置は、原稿dの画像を読み取る際に使用される第1の搬送路1と、用紙pに画像を形成する際に使用される第2の搬送路2とを備えている。
【0018】
第1の搬送路1には、上流側から順に、原稿載置台10、給紙ローラ11、フィードローラ14等が配置されておりこれらによって原稿dが下流側に向かって搬送されていくようになっている。また、このフィードローラ14に対向して読み取り部17が配置されており、原稿dはこの読み取り部17の読み取り面18とフィードローラ14との間を通過する際に、その画像を読みとられるようになっている。
【0019】
一方、第2の搬送路2にも、その最上流端に用紙台30が設けられ、また、この第2の搬送路2に沿って、各種搬送用ローラ31、印刷ユニット32が設置されている。そして、これらが作動することで用紙台30に載置された用紙pを搬送し、また、搬送途中に画像を形成した上で、装置外に排出するようになっている。
【0020】
本実施の形態1におけるファクシミリ装置は、主として第1の搬送路1に沿って配置された原稿dの搬送機構に特徴を有する。従ってこれ以降はこの特徴部分を中心に説明を行い、他の機構部分(例えば、第2の搬送路2、制御機構等)については、説明を省略する。
【0021】
本実施の形態1のファクシミリ装置における原稿搬送は、先に述べた第1の搬送路1を通じて行われる。この第1の搬送路1には、図1,図2に示したとおり、その上流側から順に、原稿載置台10、給紙ローラ11、分離片12、原稿検出センサ16、フィードローラ14、読み取り部17等が配置されている。さらに本実施の形態1のファクシミリ装置では、薄紙原稿に発生するシワを抑えるための機構として、フィードローラ14の周辺に、ガイド19およびガイドフィルム20を備えている。
【0022】
原稿載置台10は、搬送対象となる原稿dを載せ置くためのものである。原稿載置台10上においては、搬送される原稿dの幅方向における位置決めを、この幅方向中央を基準として行うようになっている。
【0023】
給紙ローラ11は、原稿載置台10に置かれた原稿dを送り出すためのものである。この給紙ローラ11は、搬送方向からみた場合における用紙幅方向のほぼ中央に配置されている(図7参照)。これは、原稿載置台10上においては、搬送される原稿dの幅方向における位置決めを、この幅方向中央を基準として行っていることに対応したためである。給紙ローラ11の周速は、多数枚の原稿dを連続して搬送する場合における原稿間の隙間を稼ぐために、後述するフィードローラ14の周速よりも、若干遅くされている。具体的には、給紙ローラ11の周速:フィードローラ14の周速は、1:1.2程度である。
【0024】
分離片12は、給紙ローラによって送られる用紙を1枚1枚分離するためのものであり、給紙ローラ11に接した状態で設置されている。
【0025】
フィードローラ14は、上流側から送られてきた原稿dをさらに下流側に送り出すためのものである。フィードローラ14は、図3,図4に示すとおり、搬送方向にほぼ垂直且つ読み取り部17の読み取り面18にほぼ平行に配設されたシャフト15に2個が取り付けられている。各フィードローラ14の間隔は、給紙ローラ11よりも広くされており、また、搬送方向からみた場合、給紙ローラ11の両側に給紙ローラ11と重なることなく位置している。フィードローラ14およびピンチローラ13による原稿の挟持位置と、給紙ローラ11および分離片12による原稿の分離位置との搬送路上における距離は、搬送対象として想定される原稿dの長さよりも短くなっている。先に述べた給紙ローラ11と同軸上には、給紙ローラ11とほぼ同径のピンチローラ13が設けられており、フィードローラ14はこのピンチローラ13との間に挟んで原稿dを搬送するようになっている。フィードローラ14はそのシャフト15を通じて入力される力によって回転する駆動ローラであるが、このピンチローラ13はその外周面に受ける力によって回転する従動ローラである。
【0026】
原稿検出センサ16は、原稿dが所定位置に達したことを検出するためのものであり、本実施の形態1においては、機械的な機構によって作動するものを採用している。この原稿検出センサ16による検知位置は、ピンチローラ13とフィードローラ14との接触部から、フィードローラ14と読み取り部17との接触部との間に設定されている。
【0027】
読み取り部17(図2参照)は、原稿dの画像を読みとるためのものである。この読み取り部17は、読み取りセンサを、ガラス板によって形成された読み取り面(基準面)18に向けた状態でこのファクシミリ装置の対応する最大サイズの原稿の幅の長さ分だけ配列して構成されている。この読み取り部17はフィードローラ14の下方に設定された所定の読み取り位置において、読み取り面18を原稿搬送路側に向けて固定されている。そして、この読み取り面18に沿って搬送されて行く原稿dの画像を読み取るようになっている。通常の読み取りセンサの焦点深度は、0.2mm程度である。読み取り部17は、原稿検出センサ16が原稿dを検知してから所定時間経過後に、読み取り動作を開始するように構成されている。
【0028】
ガイド19は、読み取り部17の読み取り面18に沿って原稿dを案内するためのものであり、図2,図3,図4に示すとおり、フィードローラ14を支えるシャフト15の3カ所(左右のフィードローラ14の間、および左右のフィードローラ14の外側)に配置されている。このガイド19の下側面と読み取り面18との間には、原稿dが通過できる程度の一定の隙間が残されている。また、ジャムの発生を防止するため、このガイド19の下側面は上流側部分がテーパ状にされており、徐々にこの隙間が小さくなって行くようにされている(図5参照)。このガイド19は、シャフト15によって支えられてはいるもののこのシャフト15に固着されてはおらず、常にこの下側面を読み取り面18に向けた状態を保つようになっている。本実施の形態1においては、このガイド19として、白色のポリアセタール樹脂を成形したものを採用している。
【0029】
ガイドフィルム20は、特に、薄紙の原稿に発生するシワ等を抑えるためのものであり、図3,図4に示すとおり、中央に設置されたガイド19に装着されている。このガイドフィルム20は、図5に示すとおり、搬送方向下流側に向けて読み取り部17の読み取り面18にまで伸びてここに軽く接している。この場合、このガイドフィルム20の存在が原稿dの搬送の障害となることがないように、その接触圧は十分に小さくされている。また、ガイドフィルム20は十分な弾性を備えており、原稿dがこのガイドフィルム20に達すると、原稿dから受ける力によってガイドフィルム20が変形し、読み取り面18とガイドフィルム20との間に原稿dが通過できるだけの隙間ができるようになっている。さらには、このガイドフィルム20と読み取り面18との間に原稿dがあるときには、この弾性変形の復元力および接触圧によってこのガイドフィルム20が原稿dを読み取り面18に軽く押さえつけて、原稿dのシワを矯正するようになっている。この接触圧、弾性は、ガイドフィルムの材質、厚さ等によって定まるものである。本実施の形態1ではこのガイドフィルム20として、厚さ0.125mmのポリエステルフィルムを採用している。ガイドフィルム20は、図6に示したように、上流側端部が折り返されている。そして、この折り返し部分の内側には、両面テープ21が取り付けられている。ガイドフィルム20は、この折り返し部分をガイド19の上流側端部にかけた状態で、この両面テープ21によってガイド19に取り付ける。ガイドフィルム20は、その一部がガイド19の上側に回り込んでいる。しかし、これはガイドフィルム20を取り付けるためのものであって、ガイドフィルム20本来の機能領域は、ガイド19の下方に位置させられている。ガイドフィルム20の取り付け方は当然これに限定されるものではない。
【0030】
次に作用を説明する。
【0031】
給紙ローラ11が回転し、原稿載置台10に載置された原稿dを送り出す。この場合、分離片12が最下位の原稿だけを他の原稿から分離するため、複数枚の原稿が重なったまままとめて送り出されてしまうようなことはない。給紙ローラ11によって送り出された原稿dは、その後、続いて、フィードローラ14とピンチローラ13との間に達する。さらに、フィードローラ14と読み取り部17との間に達する。この搬送途中、原稿検出センサ16が原稿dを検知する。すると、この検知から所定時間が経過した時点で原稿dが読み取り位置に到達したと判断されて、読み取り部17が読み取りを開始する。
【0032】
このようにして行われる一連の原稿搬送、読み取りの過程において、既に述べたとおり、フィードローラ14の周速は、給紙ローラ11の周速よりも速くされている。また、フィードローラ14が2カ所に設けられているのに対し、給紙ローラ11は中央に1カ所だけしか設けられていない。そのため、原稿dに働く力が、二点で引っ張るフィードローラ14に対し、中央で多数枚原稿dを分離する分離片12が逆に引っ張る力となって働き、結果的に三角形の作用力が原稿dにかかる。その結果、読み取り部17の読み取り位置に原稿dが到達したとき、2つのフィードローラ14の間において原稿dにシワが生じてしまうことがある。
【0033】
しかし、本実施の形態1においては、原稿dがこのガイドフィルム20に達すると、原稿dから受ける力によってガイドフィルム20が上方に撓むようにわずかに変形し、読み取り面18とガイドフィルム20との間に原稿dの厚み分だけの隙間ができる。そして、原稿dは、ガイドフィルム20の当初から設定されている接触圧および原稿通過に伴って生じた弾性変形の復元力によって、読み取り面18に押さえつけられたままの状態を保ったままこの隙間を通って搬送されていく(図7参照)。従って、搬送されてきたのが柔らかくコシの弱い原稿dであった場合には、ガイドフィルム20によるこの押さえによってシワの発生が防止されることになる。その一方で、搬送されてきたのがコシの強い原稿であって、なお且つ原稿ジャムを引き起こす要因(例えば、めくれ)が発生しているような場合には、ガイドフィルム20はその柔軟性から暖簾のごとく上方に変形することで、原稿dが通過できるだけの隙間を開く。従って、ガイドフィルム20に原稿dが引っかかってジャムが発生することもない。フィードローラ14および給紙ローラ11の上述した作用力とは異なる要因によって、シワ等が生じることもある。ガイドフィルム20およびガイド19によるこのような作用は、このような他の要因によって生じたシワに対しても当然有効である。
【0034】
なお、このガイドフィルム20と読み取り面18との接触圧および復元力は十分に小さいため、このガイドフィルム20が原稿dの搬送の障害となることもない。このガイドフィルム20は、搬送方向下流側に向けて伸びているため、このガイドフィルム20自体に原稿dが引っかかることもない。また、ガイドフィルム20は、ガイド19の上流側端部を覆うようにして取り付けられており、ガイド19とガイドフィルム20との継ぎ目部分が搬送方向上流側および下側に向けて露出していない(図5参照)。そのため、この継ぎ目部分に原稿dが引っかかることもない。
【0035】
以上説明したとおり本実施の形態1によれば、原稿へのシワの発生を防止することができる。また、既にシワが発生している場合には、これを矯正できる。また、ジャムが発生することもない。
【0036】
実施の形態2.
本実施の形態2のファクシミリ装置は、ガイド19およびガイドフィルム20を2つのフィードローラ14の間だけではなく外側(原稿の左右端部領域)にも設置したことを主な特徴とする。ガイド19およびガイドフィルム20自体は、実施の形態1と同様である。すなわち、ガイド19は、ガイドフィルム20のガイド面(原稿に接触しこれを案内する領域)よりも上方に配置されており、不透明且つ白色である。また、ガイドフィルム20も不透明であり、少なくともその下側面は白色である。さらには、ガイド19およびガイドフィルム20の取り付け構造、材質等も実施の形態1と同様である。
【0037】
ファクシミリ装置のこれ以外の点も、実施の形態1と同様である。
【0038】
作用を説明する。
【0039】
原稿搬送に伴うガイドフィルム20の作用、特に、原稿dの読み取り面18への押しつけ、変形によるシワ取り、ジャム防止に関する作用は実施の形態1と同様である。すなわち、図8のごとく、原稿dが読み取り部17の読み取り位置に来たとき、白色のガイドフィルム20が原稿dの浮きを押さえる。そのため、原稿を読み取り面18に密着させた状態で読み取り可能である。
【0040】
さらに本実施の形態2では、読み取り部17の読み取り幅より小さな原稿がフィードされた場合には、その原稿幅より外側の領域は、図8(a)に示すように、ガイドフィルム20の色、すなわち、白地として読み取られる。そのため、小さな原稿を読み取る際に、その左右両側が黒状態(あるいは、有色状態)として読み取られてしまうことがない。なお、ガイドフィルム20は薄いフィルムであるため、いかに不透明白色であっても、これのみでは背景部分が透けて読み取られてしまう可能性がある。しかし、ガイドフィルム20は同じくその下側面が白色にされたガイド19の下方に配置されているため、仮にガイドフィルム20が透けてしまったとしても、背景は白い状態に保たれる。
【0041】
これに対し、フィードローラ14の外側部に原稿の浮きを規制するガイドフィルム20がない装置では、読み取り幅より小さい原稿がきたときには、図8(b)のごとく、原稿より外側の両端は黒い背景となってしまう。また、フィードローラ14の外側に従来と同様のガイドを設けたとしても、このようなガイドのみでは、読み取り面18との間にある程度の隙間を残しておくことが必要である。従って、原稿の浮き上がりを完全に抑えることは困難である。
【0042】
以上説明したとおり本実施の形態2では、ガイドフィルム20をフィードローラ14の外側部にも配置するとともに、ガイド19およびガイドフィルム20を光透過度の低い白色にしている。このような構成をとったことで、読み取り部17の読み取り幅より幅の狭い原稿がフィードされたときでも小さな原稿幅より外側の情報を白出力として読み取り部17に与えることができる。すなわち、読み取り部17の読み取り幅より、小さな原稿を送信する場合でも、原稿の両サイドが黒くなってしまうことがない。また、実施の形態1と同様に、原稿の浮き上がりを無くし、常に焦点の合った、クリアな読み取り画質を得る事ができる。
【0043】
原稿は、本来の紙質以外にも、印字に用いられているインクの材質、印字後の経過期間、保存状態などによってその表面状態が大きく異なる。さらには、その原稿自体に既にシワ、波うちなどが生じていることも考えられる。搬送時に生じる中央付近以外にも両サイドにもシワ、波うちができていることが少なくない。また、大きさもまちまちであり、不定型な形状の原稿の搬送、読み取りも考えられる。従って、原稿のほぼ全体をカバーできるようにガイドおよびガイドフィルムを設けた本実施の形態2は、装置の信頼性、汎用性がより高い。
【0044】
上述した実施の形態1,2では、搬送される原稿dの幅方向における位置決めをこの幅方向中央を基準として行う機構となっていた。そのため、給紙ローラ11および分離片12をこの幅方向における中央に設置すると共に、この中央を避けて左右位置にフィードローラ14を配置していた。しかし、この幅方向における原稿dの位置決めを原稿dの側端部において行う装置においては、当然、これにあわせて給紙ローラ11、分離片12、フィードローラ14等の配置が上述した例とは異なる。従って、当然これにあわせて、ガイド19、ガイドフィルム20の位置も変更する必要がある。但し、幅方向における互いの位置をずらして配置された給紙ローラ11とフィードローラ14との速度差に起因して生じるシワ等を防止、矯正するためには、ガイドフィルム20を、幅方向については給紙ローラ11と同位置に配置することが必要である。
【0045】
本発明はファクシミリに限らず、シートを搬送するシート搬送装置一般に適用可能である。さらには、シート搬送装置に加えて画像の読み取り機構を備えた装置、例えば、スキャナ装置、複写機に広く適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明によれば、搬送に伴って生じるシートの浮き、シワを防止さらには矯正することができる。さらには、シート自体にできているシワ、波うち等を矯正することができる。従って、このようなシート搬送装置を備えた画像読み取り装置ではより高品質な画像の読み取りが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるファクシミリ装置の内部構成の概要を示す模式図である。
【図2】 実施の形態1における要部構成を示す模式図である。
【図3】 フィードローラ周辺を搬送方向下流側から見た様子を示す模式図である。
【図4】 フィードローラ周辺部の分解斜視図である。
【図5】 ガイドおよびガイドフィルムの様子を側面側から見た様子を示す模式図である。
【図6】 ガイドフィルムの詳細を示す三面図である。
【図7】 ガイドフィルムの作用している状態を示す模式図である。
【図8】 本発明の実施の形態2における作用を示す模式図であり、(a)は実施の形態2における作用状況、(b)は従来技術における作用状況を示している。
【図9】 従来技術を示す模式図である。
【符号の説明】
1 第1の搬送路、 2 第2の搬送路、 10 原稿載置台、 11 給紙ローラ、 12 分離片、 13 ピンチローラ、 14 フィードローラ、 15 シャフト、 16 原稿検出センサ、 17 読み取り部、 18 読み取り面、 19 ガイド、 20 ガイドフィルム、 21 両面テープ、 30 用紙台、 31 搬送用ローラ、 32 印刷ユニット、 p 用紙、 d原稿。

Claims (7)

  1. 所定の搬送路に沿ってシート材を搬送する第1の搬送手段と、
    前記シート材の搬送方向における前記第1の搬送手段の下流側で、搬送される前記シート材の幅方向に延在する基準面を有して前記搬送路に沿って配置され基準面形成部材と、
    前記基準面形成部材と対向し、前記幅方向に延在する回転軸に配設されて回転して、且つ前記幅方向の一部で前記基準面に接触する第2の搬送手段と、
    前記基準面形成部材と対向し、前記第2の搬送手段が配設される領域外で前記回転軸に支持されるガイド部材と
    前記シート材の搬送方向における前記ガイド部材の上流側に固定され、前記幅方向に延在する押さえ部材と
    を有し、
    前記押さえ部材は、前記第2の搬送手段が前記基準面と接触する接触領域の前記幅方向における延長上で前記基準面に接触し、該押さえ部材は前記接触領域外で前記シート材を前記基準面に押圧することを特徴とするシート搬送装置。
  2. 前記押さえ部材は、前記幅方向における少なくとも中央部で前記シート材を前記基準面に押圧することを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
  3. 前記押さえ部材は、弾性を備えたフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載のシート搬送装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかのシート搬送装置を備え、
    前記基準面は読み取り面であって、
    前記基準面形成部材は読み取り部であって、
    前記読み取り面上に搬送される前記シート材の画像を前記読み取り部で読み取る
    ことを特徴とする画像読み取り装置。
  5. 記押さえ部材は、不透明且つ白色のフィルムであることを特徴とする請求項4記載の画像読み取り装置。
  6. 前記ガイド部材は、前記シート材の搬送方向における前記ガイド部材の上流側下側面が下流側に行くほど前記読み取り面との間隔が小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項4記載の画像読み取り装置。
  7. 前記押さえ部材は、前記ガイド部材の上流側端部を覆うように配設されることを特徴とする請求項4記載の画像読み取り装置。
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