JP3912897B2 - 紙葉類データ管理装置及び紙葉類データ管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動預金支払機(ATM)や自動支払機(CD)に適用されるような紙葉類データ管理装置に関し、さらに詳しくは紙幣、小切手等の紙葉類の出所データを管理することができる紙葉類データ管理装置及び紙葉類データ管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、紙幣を取扱うATMを例にとって説明すると、このATMは紙幣を入出金取引許容して設けられ、入金時には紙幣に印刷されたデータから一枚ずつ真偽判別及び金種判別している。
【0003】
しかし、精巧に偽造された紙幣の場合はATMで識別できず、ATMより取出された後、計数装置等の紙幣処理装置あるいは係員によって偽紙幣であることが判明されることがある。この場合、偽紙幣が利用された装置及びそのときの偽紙幣利用者を特定することが望まれるが、現状の紙幣管理状態では紙幣の出所を追跡するのが困難となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、紙葉類毎に区別して記録された記番号等の特定データを読取保存して、紙葉類の出所データを追跡管理することができる紙葉類データ管理装置及び紙葉類データ管理システムの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、紙葉類処理装置に出入れ利用される紙葉類毎のデータを管理する紙葉類データ管理装置であって、上記紙葉類に記録されている記番号、特定の文字、又はこれらの組合わせである特定データを文字認識によって読取る読取手段と、上記特定データのうち上記読取手段で文字認識できず読取不完全となった紙葉類の読取欠落部分をイメージデータとして読取補足するイメージセンサと、上記読取手段及び上記イメージセンサで読取った上記特定データと顧客照合確認用のIDデータとを対応させて記憶する記憶手段を備え、上記記憶手段は、上記特定データのうち上記読取手段による文字認識で切り出された文字コードと、上記特定データのうち上記イメージセンサで読取補足した上記読取欠落部分のイメージデータとを記憶することを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、上記紙葉類の真偽を識別する紙葉類識別手段を備え、該紙葉類が偽紙葉類であると判断した場合には、対応する上記特定データに基づいて、上記記憶手段に記憶された顧客照合確認用の上記IDデータを検索し、該IDデータに対応する顧客を特定することを特徴とした紙葉類データ管理システムであることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、紙葉類処理装置に出入れ利用される紙葉類毎のデータを管理する紙葉類データ管理システムであって、上記紙葉類処理装置に着脱して紙葉類を補充または回収する補充回収装置を設け、この補充回収装置の紙葉類補充回収処理時に、補充または回収される紙葉類と共に、その特定データを紙葉類の移送方向にデータ移送するデータ移送手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の作用及び効果】
この発明によれば、紙葉類処理装置に出入れ利用される紙葉類毎のデータを管理する際、出入れ利用されたときの紙葉類に記録されている記番号等の特定データを読取手段で文字認識によって読取り、その読取った特定データの文字コードを記憶手段で記憶管理する。
【0009】
このため、紙葉類の記憶情報が後に必要となった場合は、記憶手段から該当する特定の記憶情報を読出して紙葉類の通過経路を追跡し、これに基づいて紙葉類が利用された装置及び使用者を特定することができる。例えば、紙葉類の真偽を識別する紙葉類識別手段により、偽紙幣を発見した場合であれば、その偽紙幣の記番号から偽紙幣の出所場所及び偽紙幣利用者を直ちに追跡して指名手配することができる。
【0010】
また、紙葉類に記録されている特定データと、顧客のIDデータとを対応させて記憶管理するので、顧客の追跡時にIDデータから顧客を的確に特定することができる。
【0011】
さらに、文字認識できず読取不完全となった紙葉類の読取欠落部分をイメージセンサでイメージデータを読取補足して記憶管理するので、読取精度が向上して紙葉類の特定データを正確に読取管理できると共に、文字認識できた部分は文字コードで記憶し、欠落部分に相当する一部のみのイメージデータを記憶するので、記憶手段の記憶容量を必要最小限にすることができる。
【0012】
また、紙葉類処理装置に補充回収装置を着脱利用して紙葉類を補充または回収する場合、補充または回収される紙葉類と共に、その紙葉類の特定データをデータ移送手段が紙葉類の移送方向にデータ移送すれば、紙葉類の所在位置と特定データの所在位置とが同一箇所に保存管理されるため、紙葉類の管理性能を高めることができる。
【0013】
【実施例】
この発明の実施例を以下図面に基づいて詳述する。
[第1実施例]
図1は紙幣データ管理機能を備えたATM11を示し、この紙幣データ管理機能を備えたATM11は内部に紙幣識別ユニット12と、記番号読取ユニット13と、カートリッジ14とを備えて構成され、入金取引時に投入された取引カード15の照合確認データから顧客を特定した後、入金すべき紙幣16を投入させる。
【0014】
この投入された紙幣16は紙幣識別ユニット12に導いて金種及び真偽を識別した後、続いて記番号読取ユニット13に導いて入金紙幣の記番号を読取処理する。読取処理された紙幣16は順にカートリッジ14に収納され、また読取った記番号はカートリッジメモリ17に記憶される。
【0015】
図2は入金紙幣を間接的にカートリッジ14に収納する入金経路構造を示し、これは記番号読取ユニット13とカートリッジ14との間に、金種別スタッカ18…を介在させ、入金時に入金された紙幣16を一旦金種別スタッカ18に分配収納し、そのときのデータを本体メモリ19に記憶させ、精査時等にまとめてカートリッジ14に収納し、同様に精査データを本体メモリ19からカートリッジメモリ17にデータ移送する。このように金種別スタッカを備えた入金経路構造にも適用することができる。
【0016】
図3は異常紙幣発見時の追跡状態を示し、紙幣データ管理機能を備えたATM11から取出したカートリッジ14を目的位置31まで輸送し、その後、紙幣16をチェックしたときに異常紙幣が存在することを発見したときは、そのデータを記憶するカートリッジメモリ17から同紙幣の記番号データを読出し、この記番号データに基づいて異常紙幣がたどった通過経路32、取引利用されたATM11及び異常紙幣を利用した特定者33を直ちに追跡して突止めることができる。
【0017】
図4は異常紙幣発見時の自動検索説明例を示し、カートリッジ14を目的位置に設置された計数装置41にセットしたとき、この計数装置41に備えられた記番号読取ユニット42でカートリッジ14内の紙幣の記番号を読取り、これを照合確認することに基づいて偽造された異常紙幣等の存在を発見することができ、また係員が手作業で記番号をパソコン等を用いて入力操作することに基づいて同様に記番号データを照合確認して異常紙幣を発見することができる。
【0018】
このとき、カートリッジメモリ17には紙幣に記録されている金種別の記番号43と、顧客の取引利用したATM機番44及び顧客のIDデータ45とを対応させて記憶管理しており、これらのデータから自動検索して顧客が取引利用したATM機番44及び顧客を特定するIDデータ45から顧客を的確に追跡し、時間の経過に拘らず異常紙幣の使用者を正確に特定することができる。
【0019】
図5は紙幣データ管理機能を備えたATM11の制御回路ブロック図を示し、CPU51はROM52に格納されたプログラムに沿って各回路装置を制御し、その制御データをRAM53で読出し可能に記憶する。
【0020】
ところで、記番号読取ユニット13は紙幣に印刷された紙幣全体のデータを読取るイメージセンサを備え、このイメージセンサで紙幣の記番号を文字認識して取得し、この取得した記番号のデータを最終的にカートリッジメモリ17に記憶管理させる。
【0021】
このように構成された図2に示す紙幣データ管理機能を備えたATMの紙幣処理動作を図6〜図8のフローチャートを参照して説明する。
図6は入金取引時の紙幣処理動作を示し、今、紙幣データ管理機能を備えたATM11で入金取引が行われると、入金された紙幣は紙幣識別ユニット12に導かれ、ここで紙幣の金種及び真偽が識別され(ステップn1 )、
続いて記番号読取ユニット13に導かれて紙幣の記番号が読取られた後、最後に金種別スタッカ18に分配収納される(ステップn2 〜n3 )。
【0022】
金種別スタッカ18に全入金紙幣が分配収納されると、CPU51は本体メモリ19としてのRAM53に、紙幣の記番号と顧客のIDデータとを一時記憶させてデータ管理する(ステップn4 〜n5 )。
【0023】
図7は精査処理時の紙幣処理動作を示し、精査処理信号に基づいてCPU51は金種別スタッカ18から紙幣16を一枚ずつ繰出し(ステップn11)、
繰出された紙幣16を順にカートリッジ14に収納処理し、このカートリッジ14に全ての紙幣が収納されると(ステップn12〜n13)、
CPU51は本体メモリ19で記憶した紙幣管理データをカートリッジメモリ17に記憶させて精査処理が終了する(ステップn14)。
【0024】
図8は異常紙幣発見時の検索処理動作を示し、精査処理後はATM11からカートリッジ14が取外され、図3に示すように、取外されたカートリッジ14は後方処理部の目的位置31へと搬送される(ステップn21)。
【0025】
ここで例えば、図4に示すように、計数装置41に導かれてカートリッジ14内の紙幣の記番号が自動的に読取られる。この記番号の自動読取時に偽番号の紙幣があれば、その偽造された紙幣を自動的に発見する(ステップn22)。
【0026】
この偽紙幣を発見したときは、カートリッジ14内のカートリッジメモリ17に記憶されている該当する紙幣管理データを読出し(ステップn23〜n24)、
この読出した紙幣管理データから偽紙幣が取引利用された特定位置のATM及び偽紙幣を利用した顧客を特定することができる(ステップn25)。
【0027】
図9は記番号の読取例を示し、これは紙幣16の左上隅と右下隅に印刷されている例えば「JR263992X」等の記番号91をイメージセンサで読取る。このとき、読取った記番号91を文字認識し、この文字認識から切出した文字コードを記憶する。
【0028】
この際、文字認識結果から一文字欠落して読取れない未完全記番号92が生じた場合は、その読取欠落部分93の一文字をイメージデータを貼付ける如く補填して完全に読取った状態の完全記番号94に設定して文字認識精度を高める記番号高読取機能を有している。これにより、記番号の読取精度及び読取信頼性が高まり、紙幣16の証拠性が高まる。欠落部分に相当する一部のイメージデータのみを使用するので、メモリの記憶容量を必要最小限にすることができる。
【0029】
[第2実施例]
図10〜図12は紙幣データ管理機能を備えた後方ロボット処理機能付きのATM101を示し、この後方ロボット処理機能付きのATM101は内部に記番号読取ユニット102と、本体メモリ103と、カートリッジ104とを備えて紙幣データを管理するものであって、先ず、入金取引時のデータ管理に際しては、図10に示すように、入金された紙幣を記番号読取ユニット102に導いて紙幣の記番号を読取り、記番号読取後は紙幣を順にカートリッジ104へと収納し、読取った記番号は本体メモリ103に記憶管理させる。これにより、入金取引時点で紙幣毎の記番号データを一枚ずつ正確に管理する。
【0030】
図11は紙幣回収時のデータ管理状態を示し、この後方ロボット処理機能付きのATM101からの紙幣回収時に同ATM101の後方に着脱許容された後方ロボット105を接続し、内部のカートリッジ104に収納されている紙幣を一枚ずつ外部の後方ロボット105に繰出して回収させる。また、この回収動作と共に移送された紙幣の記番号データを本体メモリ103から後方ロボットメモリ106にデータ移送し、全ての紙幣が回収された時点で回収処理が終了する。このため、紙幣の回収と同時に紙幣の記番号データが後方ロボットメモリ106に記憶管理される。
【0031】
図12は紙幣補充時のデータ管理状態を示し、この後方ロボット処理機能付きのATM101への紙幣補充時に同ATM101の後方に後方ロボット105を接続し、この外部の後方ロボット105から紙幣を一枚ずつ繰出してATM内のカートリッジ104に補充させる。また、この補充動作と共に補充される紙幣の記番号データを後方ロボットメモリ106から本体メモリ103にデータ移送し、指定された補充量が補充された時点で補充処理が終了する。このため、紙幣の補充と同時に紙幣の記番号データがカートリッジ104に記憶管理される。従って、紙幣が移送された所在位置と記番号データ管理位置とが同一箇所に保存管理されるため、紙幣の移動に追従したデータ管理ができ、偽紙幣が発見されたときは、どのATMで入金利用されたかを正確に特定することができる。
【0032】
上述のように、ATMに出入れ利用される紙幣毎のデータを管理する際、出入れ利用されたときの紙幣に記録されている記番号を読取り、その読取った記番号データをメモリで記憶管理するため、紙幣の記憶情報が後に必要となった場合は、メモリから該当する特定の記番号データを読出して紙幣の通過経路を追跡し、これに基づいて紙幣が利用されたATM及び使用者を特定することができる。例えば、紙幣の記番号データの真偽を識別する識別手段により、偽紙幣を発見した場合であれば、その偽紙幣の記番号から偽紙幣の出所ATMと偽紙幣の利用者を直ちに追跡して指名手配することができる。
【0033】
また、紙幣に記録されている記番号と顧客のIDデータとを対応させて記憶管理するため、紙幣の流通取引に適用されるIDデータから顧客を容易に追跡して特定することができる。
【0034】
さらに、読取不完全となった紙幣の読取欠落部分をイメージセンサで読取補足するように設定した場合は、読取精度が向上して紙幣の記番号データを正確に管理することができる。
【0035】
また、ATMに後方ロボットを着脱利用して紙幣を補充または回収する場合、補充または回収される紙幣の移送だけでなく、その紙幣の記番号データを紙幣の移送方向にデータ移送するため、紙幣の所在位置と記番号データの所在位置とが同一箇所に保存されて紙幣の移動に追従した管理が行え、このため紙幣の管理性能を高めることができる。
【0036】
この発明と、上述の実施例の構成との対応において、
この発明の紙葉類処理装置は、実施例の紙幣データ管理機能を備えたATM11と後方ロボット処理機能付きのATM101とに対応し、
以下同様に、
紙葉類は、紙幣16に対応し、
特定データは、記番号43,91に対応し、
特定データの読取手段及びイメージセンサは、記番号読取ユニット13,42,102に対応し、
記憶手段は、カートリッジメモリ17と本体メモリ19,103と、RAM53と後方ロボットメモリ106とに対応し、
補充回収装置は、後方ロボット105に対応し、
データ移送手段は、CPU51に対応するも、
この発明は、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例の紙幣データ管理機能を備えたATMの直接カートリッジ収納型の入金取引説明図。
【図2】 この発明の第1実施例の紙幣データ管理機能を備えたATMの間接カートリッジ収納型の入金取引説明図。
【図3】 この発明の第1実施例の異常紙幣発見時の特定者追跡状態を示す説明図。
【図4】 この発明の第1実施例の異常紙幣発見時の自動検索状態を示す自動検索説明図。
【図5】 この発明の第1実施例の紙幣データ管理機能を備えたATMの制御回路ブロック図。
【図6】 この発明の第1実施例の入金取引時の紙幣処理動作を示すフローチャート。
【図7】 この発明の第1実施例の精査処理時の紙幣処理動作を示すフローチャート。
【図8】 この発明の第1実施例の偽紙幣発見時の検索処理動作を示すフローチャート。
【図9】 この発明の第1実施例の記番号読取状態を示す説明図。
【図10】 この発明の第2実施例の紙幣データ管理機能を備えた後方ロボット処理機能付きATMの入金取引説明図。
【図11】 この発明の第2実施例の紙幣回収時のデータ管理状態を示す説明図。
【図12】 この発明の第2実施例の紙幣補充時のデータ管理状態を示す説明図。
【符号の説明】
11…紙幣データ管理機能を備えたATM
13,42,102…記番号読取ユニット
16…紙 幣
17…カートリッジメモリ
19,103…本体メモリ
32…異常紙幣の通過経路
33…特定者
41…計数装置
43,91…記番号
44…ATM機番
45…IDデータ
51…CPU
53…RAM
93…読取欠落部分
101…後方ロボット処理機能付きのATM
105…後方ロボット
106…後方ロボットメモリ
Claims (3)
- 紙葉類処理装置に出入れ利用される紙葉類毎のデータを管理する紙葉類データ管理装置であって、
上記紙葉類に記録されている記番号、特定の文字、又はこれらの組合わせである特定データを文字認識によって読取る読取手段と、
上記特定データのうち上記読取手段で文字認識できず読取不完全となった紙葉類の読取欠落部分をイメージデータとして読取補足するイメージセンサと、
上記読取手段及び上記イメージセンサで読取った上記特定データと顧客照合確認用のIDデータとを対応させて記憶する記憶手段を備え、
上記記憶手段は、上記特定データのうち上記読取手段による文字認識で切り出された文字コードと、上記特定データのうち上記イメージセンサで読取補足した上記読取欠落部分のイメージデータとを記憶することを特徴とする
紙葉類データ管理装置。 - 請求項1に記載の紙葉類データ管理装置を有する紙葉類データ管理システムであって、
上記紙葉類の真偽を識別する紙葉類識別手段を備え、
該紙葉類が偽紙葉類であると判断した場合には、対応する上記特定データに基づいて、上記記憶手段に記憶された顧客照合確認用の上記IDデータを検索し、
該IDデータに対応する顧客を特定することを特徴とした
紙葉類データ管理システム。 - 上記紙葉類処理装置に着脱して紙葉類を補充または回収する補充回収装置を設け、この補充回収装置の紙葉類補充回収処理時に、補充または回収される紙葉類と共に、その特定データを紙葉類の移送方向にデータ移送するデータ移送手段を備えた
請求項2に記載の紙葉類データ管理システム。
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1998
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